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2019.05.03 (Fri)
【2019トーナメント】5/3レポート(準々決勝)

ベスト4は筑波大・大東文化大・白鴎大・専修大
東海大は激闘の末に白鴎大に敗れる
いよいよ佳境に入った戦いは、ベスト4のかかる大一番。ここから先は勢いに加えて確かな実力も必要になる。いずれも接戦展開の中から抜け出したのは昨年優勝の筑波大、3位の白鴎大、4位の大東文化大、7位の専修大と、昨年の上位に残った面々となった。注目の東海大は白鴎大と最後までわからない熱戦となったが、白鴎大が競り勝って昨年同様順位決定戦へと回った。
写真:勝負どころの3Pを決めた中川に白鴎大ベンチも湧いた。
◆日本大VS大東文化大

ロースコア展開は好ディフェンスの大東文化大が勝利

3Q、大東大は#高木(4年・SF)のスリーを皮切りに、#15モッチのインサイドで加点。#15モッチがディフェンスで囲まれて連続ターンオーバーから速攻を決められる場面もあったが、タイムアウトで立て直しをはかる。しかし日本大は#10杉本のジャンパーや#8ジャワラ(4年・PF)、#13駒沢(3年・SF)のスリーも決まり、37-50とリードを広げた。4Q、ここから大東大の反撃が始まる。#25高木、#7高島(1年・SG)、#13小谷(4年・PG)の3連続スリーに#15モッチのゴール下で差を縮めると、プレスを展開してミスを誘う。同点に追いつかれた日本大は#8ジャワラ、#10杉本の連続バスケットカウントで逃げるが、大東大も#2飴谷(2年・SG)のオフェンスリバウンド、ドライブと切れずについていく。残り1分を切り、大東大は#15モッチのシュートで遂に1点差。日本大は最後のオフェンスにかけるがパスが合わずにターンオーバー。残り7秒、大東大は#15モッチのゴール下が逆転の決勝点。63-62できわどい勝負を制した。
日本大はウイング陣のシュートはあったが、もうひとつの得点源であるシェイクが3点に終わり、ジャワラも波に乗れず。インサイドとの三位一体が最大の強みであるだけに、機能できなかったのが痛い。大東文化大は苦しい展開だったが、今大会は終盤のディフェンスの冴えが見事。飴谷が大きく成長し、新戦力も貢献している。次の昨年悔し涙を飲んだ筑波大が相手にリベンジできるかが見どころだ。
◆西尾吉弘監督
「日本大に対してはこれまでの対戦でインサイドでは得点を取られていない。アウトサイドはやられてしまったところもあるが、嫌な取られ方はしていないと思う。熊谷(現Bリーグ三河)が抜けたのは大きいが、彼がいなくなったことで、今年は全員でやらないといけなくなったし、それがいい風に出ている。それを強みにやっていきたい」
写真:大東文化大は1年生の高島(北陸)が要所で決めたシュートは大きかった。
※大東文化大・高木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
◆専修大VS拓殖大

専修大が速攻を連発して後半差をつける
高さで上回る専修大と、早稲田大を破り勢いに乗る拓殖大の対戦。拓殖大の粘りが続き、接戦となる時間が続いた。1Qは拓殖大のシュートが当たる。#16平良陽汰(2年・PG)のドライブから始まり、#24荒川(4年・G)、#9小室(4年・G)のシュートも好調。#41杉野(3年・PF)もゴール下の粘りを見せる。専修大は#30アブ(4年・C)にボールを集め得点するが、1Qは19-27とリード。2Qに飛び出したのは専修大。#6樋口(4年・F)が腕の長さを活かし、連続でブロック。速い展開に持ち込み、#46寺澤(2年・F)が3Pを沈め、開始4分で同点に。拓殖大は#41杉野がブロックやリバウンドで粘るが、外のシュートが当たらない。専修大は終盤にミスをつき、#23キング(2年・G)が速攻に走ると36-35と1点リードで折り返す。

専修大は3Qまで我慢の時間が続いたが、キングや寺澤が走り徐々に点差をつけた。重富のゲームコントロールは見事で、大事な場面での活躍は見所の一つ。速攻に加え、4Qに意識していたセットオフェンスがどれだけ機能するかが優勝への鍵と。拓殖大は4Qに失速したが、杉野や須崎がゴール下で果敢にボールに絡み、シュート力の強みを終盤まで活かせるかどうかは今後もポイントだ。
写真:専修大は寺澤のリバウンド、走りにも注目だ。
※専修大・キング選手のインタビューは「続きを読む」へ。
◆白鴎大VS東海大

白鴎大が守りきって東海大を撃破

3Q、まだ互角の戦いが続く。東海大は#86八村が3連続の得点で追いつくが、白鴎大は#32三浦のフリースロー、#75シェッハの得点で逃げる。しかし#86八村の動きに対応しきれず、#11大倉颯太、#22笹倉(4年・G)の連続スリーで再び東海大が抜け出す。白鴎大は#75シェッハ、#77前田でこちらも追いつくが、#28津屋(3年・SF)の得点で東海大が43―46と3点リードで終了。勝負の4Q、激しい主導権争いは大きな差を生まず、残り5分でも同点。東海大は#86八村のフリースロー、#11大倉颯太のドライブ、さらには八村と大倉颯太の合わせで速攻が決まると残り3分。6点のリードに成功する。白鴎大は#75シェッハが足を痛めて高さが下がるが、ここで#2中川のスリーが連続で沈み、残り2分で再び同点。タイムアウト後に#24星野(4年・PF)がさらにスリーを決める。東海大は終盤にかけて#11大倉颯太がシュートを放っていくが、これが決まらず。最後まで粘った白鴎大が63―58。東海大を倒してベスト4。
何度かリードが交代したが、白鴎大は後半に何度かリードを与えたところを持ち直した。「みんなで勝った」と前田。ディフェンスの良さはもちろん、得点面でも3Pが10本入り、全員がバランスよく得点。東海大がスタメンを長時間起用したのとは反対に、ベンチメンバーで長い時間戦ったところも見逃せない。これで白鴎大は昨年のリーグから引き続き、東海大には3連勝を記録した。
東海大は終盤の攻撃が大倉颯太頼みになってしまい、このシュートが外れた。スタメンに怪我が続いてチーム的にベストコンディションではなかったが、バランスの悪さが見える展開だった。
◆網野友雄監督(白鴎大)
「ピックのディフェンスのところでやられていいところとダメなところをはっきりしようとやってきて、途中で疲れたりしてプレッシャーがなくなったときはやられたが、失点では合格点。オフェンスでは向こうのディフェンスの圧力がすごいので、ボールが止まったりディナイのカウンターが取れなかったりしたので、そこは修正したい。平岩や大倉颯太もこの試合には戻ってくると聞いていたし、真剣勝負になるという心構えはあった。残り1分半の勝負だと思っていたし、スタメンを戻すのも、タイムアウトもぎりぎりまで我慢できた」
写真:1Q終了時、3Pを沈めた白鴎大・前田。前日の激闘の疲労もある中、ほぼフル出場で貢献。
※白鴎大・中川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
◆筑波大VS日本体育大

日本体育大の反撃を4Qに筑波大がシャットアウト
4月21日の定期戦以来、短期間で再戦となった筑波大と日本大育大。定期戦とは逆に、前半は筑波大のペースから始まり、後半に日体大が追いかける展開となった。
1Qは筑波大が徐々に突き放した。#8菅原(3年・PG)のドライブで先制し、#10村岸(4年・SF)、#15森下(4年・C)も好調。日体大は#50バム(2年・C)にボールを集めて得点する。この大会シックスマンで出場する#88牧(4年・G)のシュートもよく24-15でリード。2Qも筑波大のペースが続く。高さを活かし、リバウンドから速攻で畳み掛ける。日体大は#3大浦(4年・PG)へのマークが厳しく点数が止まる。日体大は#24土居(3年・SG)、#45河野(4年・PF)がジャンパーからテンポアップするが、筑波大もペースを崩さず40-31と一桁の差で後半へ。

筑波大は昨年以前からの経験値の高いメンバーが全員残るだけあって、試合展開で焦る場面は少ない。ディフェンス力、高さ、ここぞの時の一発も持っている。次は昨年の準決勝と同じく大東文化大との対戦になる。前回は1点差の際どい勝利だったが、安定した勝ちを手にしたいところ。日本体育大は3Qの猛攻は見事だったが、終盤の攻撃は筑波大ディフェンスに阻止された。速い展開ゆえにいかにミス減らして持続するかが大事だが、こちらも下級生から継続して取り組んできたメンバーたち。さらなる成長に期待だ。
写真:筑波大は4Qにバムに思うようにゴールさせないディフェンスを見せた。
※筑波大・村岸選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「ディフェンスが自分の仕事」
地道な仕事を確実にこなして貢献
◆#25高木慎哉(大東文化大・4年・SF)

—どちらに転ぶかわからない勝負でしたが、いかがですか?
「一度離されたんですが、そこからみんなで粘り強く点差を詰めていけたのでよかったです」
—高木選手はシュートもいいですが、ディフェンス面でも素晴らしかったですね。リバウンドにも積極的に飛び込んできました。
「そこは自分の仕事なので。だからそこは積極的に頑張っています。ディフェンスはかなり意識しています。シュートもポンポンと入ってくれて、今日はよかったと思います」
—昨年はあまり出番がなかったのですが、今年は春からかなりプレータイムをもらっていますね。
「3年間ずっと出られなくて、そこで努力を怠らず頑張ってきて4年目でやっと出られています。だから頑張りたいですね。出られないときはずっと苦しかったけど、黙々と努力するだけでした。4年目になってちょいちょい出るようになって必死に頑張っていたらプレータイムをもらえるようになって、今は楽しいです」
—昨年は熊谷選手がしっかりまとめているチームでしたが、今年の4年生の中で高木選手は自分の役割はどんなことだと思っていますか?
「モッチ(#15)や浩陸(#34中村)が目の前のことばかりになってしまうときに、もっと落ち着け、もっと周りを見てやろう、と言うようにしています」
—大東文化大はベスト8のかかった関東学院大戦も今日の日本大戦も、本当に終盤のディフェンスは素晴らしかったですね。
「そうですね。個人的にも自分のやるべき仕事なので、そこだけはしっかりやろうと思って臨んでいます」
—昨年はチームとしてつらい負けもあったかと思います。オフの間はかなり練習したのでしょうか。
「自分もプレータイムをもらえていなかったし、悔しかったですね。みんなもかなりがんばって、一丸となって練習してきました」
—それがあっての今シーズン、どんな風にやっていきますか?
「チームでは全部優勝を狙っているので、そこに向けて頑張っていきたいです」
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「積極的に走るように意識している」
速攻の先陣を切りチームに勢いをもたらす
◆#23キング 開(専修大・2年・G)

―試合を振り返って。
「今日は結構走りました。前半はチーム全体でも自分たちのバスケットができず接戦でした。個人的にもいいプレーができず、もやもやしていました。後半は考え過ぎず簡単に点をとっていこうと意識しました。拓殖大は外のシュートの強いチームで、ガード陣でシューターは絶対に抑えようと、リズムを崩させようと話していました」
―4Qは余裕のある試合運びになり、ハーフコートオフェンスを意識していたように見えます。
「そうですね。最後まで集中してやりきりたかったです。簡単なバスケットというより、自分たちが練習していることをやりたかったので」
―キング選手はよく走りますね。
「はい、リバウンドは取れているのが見えて、相手の戻りが遅いときにチャンスだと思いました。自分がリバウンドに絡まない時は積極的に走ろうと意識しています。前が空くので、あとはパスを待つのみという感じですね。今日は意識的に走りました。簡単に点数が取れますし、結果結構取ることができたので」
―重富周希選手(#88)との速攻が多く見えますが。
「やはり日本一を取っているガードなので、すごいいいパスが来ます。去年の新人戦の時期は、早すぎてついていくことも大変でした。最初は苦労していましたが、練習を一緒にやっていくうちに合うようになってきました」
―2年生は勢いのある選手が多いですね。
「そうですね。去年のトーナメント戦は出ていませんが、リーグ戦から試合に出場していて経験値もあります。チームのためになる選手になりたいと思っています。それを同期のみんなと共有して、声を出してみんなで成長したいと思っています」
―今年はどんなプレーをしたいですか?
「チームの中心となって、盛實さん(#34)と一緒にエースのような存在になりたいです。自分の持ち味である走りやドライブを活かしていきたいと思います」
―1年間専修大でプレーしてどうですか?
「フィリップさん(#30)や昨年の主将の塚本さん(現B2リーグ八王子)もアレセイア湘南高校でプレーをしていて、専修大の練習や試合を見て雰囲気が好きだなと思って。個人プレーも生かしていきたいと思って選んだのが専修大でした。のびのびできていると思います」
―次は準決勝です。意気込みをお願いします。
「どちらが来てもタフな試合になることは変わりません。自分たちのバスケをやることが大切です。ディフェンスから粘って、リバウンドを取って勝ちたいと思います」
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「勝てたのは我慢の一言」
焦らず粘って結びつけた大きな勝利
◆#2中川 綸(白鴎大・4年・主将・PG)

―見事な勝利でした。
「東海大学さんはディフェンスがとてもハードで、オフェンスで点が取れない時間も絶対に出てくるというのは最初から話をしていました。そこで粘れれば絶対に自分たちの時間が来るから、得点を離されてもこっちのペースにならなくても絶対に我慢しようとは心がけていて、それができたからこういう勝負につながったと思います」
―では点が止まったり少し先行されたところもあまり焦らなかったのですか?
「こうなるだろうと全員わかっていたので、離されても我慢して、我慢すれば絶対に追いつけると網野さんからも言われていました。去年からもこういう展開があって、でも我慢していたら勝てたというのはあるので、本当に作戦は我慢の一言です」
―東海大は西田選手(#19)が怪我で欠場になりましたが、それ以外のスタメンは戻ってきました。それもきっちり警戒できていたという感じでしょうか。
「西田くんはすごいけど、それ以外の選手たちもすごい人たちの集まりなので、絶対に油断しないでいこうと。控えで出てくる選手もレベルは変わらないし、誰がいるいない関係なく全力でやろうと考えていました」
―前半から皆の外はよく決まっていましたが、中川選手の3Pもいいところで決まりましたね。
「たまたまです(笑)。この1、2試合ぜんぜん入っていなかったんですが、気持ちだと思います」
―マッチアップは大倉颯太選手(#11)で気が抜けなかったのでは。
「本当にめちゃめちゃ上手いです。ピックの使い方が本当に上手くて自分よりサイズもあって体も大きいので、ポストプレーもされて結構ストレスは溜まったんですが、周りが助けてくれたのでよかったです」
―今年はキャプテンという立場になりますが。
「最初は難しくて。本当に個性豊かな人たちが集まっているので。でも無理に押し付けていくより個性を活かしてまとめることを意識しています。でもどこのチームよりもみんな仲がいいと思っているので、それでまとまれていると思います。仲のよさは大学一だと思います」
―4年生が多いところは安心して見られる印象です。
「今年は試合に出ている4年生が今まで以上に多くて、スタメンが全員4年生です。そこでチームを引っ張っていこうとしています。それを強みにしたいです。次もあるので、勝って兜の緒を締めよじゃないけど、油断せずやります」
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「最後の年は積極的にシュートを打ちたい」
サポート役からチームの中心へ、4年目の挑戦
◆#10村岸 航(筑波大・4年・SF)

―試合を振り返って。
「前半はいい形で折り返しましたが、後半は出だしで相手に攻められてしまいました。ハーフタイムで点差はないと思おうと意識していましたが、悪い展開になってしまいました。それでも最後はなんとか持ち直しました。ディフェンスやリバウンドの意識をもう一回チームで確認し、勝つことができたと思います」
―流れが悪い時にシュートは大きかったです。
「ラストイヤーということで、積極的にシュートを打とうと、大会前に決めていました。それがうまく転がった感じですね。去年までは躊躇してしまいました。増田(#11)と牧(#88)の2大エースに、山口(#27)も点を取るので、自分はリバウンドやディフェンスでサポート役に徹しようと思っていました。今年は自分が攻める意識も大事だと思っています」
―4月に定期戦があり、間もなくの試合でしたが、何か対策はしてきましたか?
「バム選手(#50)を警戒しました。リバウンドだけでなく、トランジションにも対応している選手です。フォワード陣も気持ちよくシュートを打って、ドライブをしてくる選手たちが多いです。リバウンドとトランジションを意識しました」
―昨年仲澤選手(現学生コーチ)が引退する時に、牧選手の相棒になるような同期がでてこないといけないと言っていました。そういう意識は自身の中にありますか?
「そうですね。去年までは4年生がいたし、自分は影で支えようと思っていました。でも牧が気持ちの面で孤立してしまったと言いますか、チーム的には良くない状況になった時があります。今年の春は牧が怪我で練習ができないということで、自分がリーダーとしてチームに貢献していかなければならない時間が増えました。そこで気持ちを改めて、しっかりやっていこうと思っています」
―その結果スタメンとして今年はスタートしましたね。
「まだ牧が復調していないので。この先復調してきたら、自分の役割をまた考えてやっていきたいです」
―チーム全体でも、牧選手と増田選手に頼らないような状況が増えてきています。
「そうですね。僕らの下の代の押し上げはあると思います。菅原(#8)と山口はもちろん、2年生の二上(#13)や井上(#75)も頑張っているので、頼もしいですね」
―明日は大東文化大との対戦となります。意気込みをお願いします。
「入りから気持ちよくシュートを打ち、筑波のバスケットである堅守速攻を意識して相手の点数を抑えつつハイスコアで勝てるよに頑張ります」
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