FC2ブログ
2024年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月


サイトを移行しました。現サイトはアーカイブとして継続してご覧いただけます。
http://bojweb.com

2019.05.03 (Fri)

【2019全関】5/3 レポート(準々決勝)

全関も準々決勝の戦いに突入
シーズン最初の関西王者へ火花を散らす


190503KYOSAN.jpg

 関西でも学生バスケシーズンの開幕を告げる関西学生選手権(全関)が開催中だ。今回も、準々決勝以降は5月3日から3日間続けて東淀川体育館で行われている。昨年は近畿大が関西三冠の座を奪還したが、最後のインカレでは他のチーム同様関東の壁を攻略できず、関西勢は2年続けてインカレでのシードを逸している。この先続くシーズンを充実したものとするために、どのチームもまずはこの大会で一定の戦果を挙げたいところだ。

写真:昨年無冠に終わった京産大は、王座奪還に燃えている。


190503YAMADA.jpg 一方で、新チーム発足からの期間も長くはなく、ましてや公式戦はこれが一発目。いずれのチームも荒削りな部分は決して少なくない。実際、大差でこの日の準々決勝を勝利した近畿大京都産業大も、選手の口からは反省すべきポイントが挙がった。この他では関西学院大も、後半途中までは関西大に何度も粘られ、最後に何とか振り切る内容だった。次の準決勝は休みなく翌日に控えているだけに、体調面でのケアに注意しつつ、改善点を即改善し、結果につなげていく修正能力が求められる。

 そんな中で、この日唯一最終局面まで分からない接戦となったのは大阪体育大と天理大の一戦だった。立ち上がりの主導権は、#15黄(3年・C)や#3藤澤(3年・PG)のシュートが効果的に決まった天理大。大阪体育大も2Qに#20山田(4年・SG)の得点などで詰め寄るが、肝心なところでのシュート率が上がらずに追い越せない状態が長く続いた。互いに走り合い、激しい攻防の反面3Q終了時点で38−40のロースコアとなったゲームで、最後に流れを掴んだのは、4年連続ベスト4のかかる大阪体育大。#20山田の3連続得点で逆転に成功すると、#9藤本(3年・PG)が獲得したフリースローを着実に決めていった。天理大は#3藤澤が攻め気を見せて見応えのある僅差のせめぎ合いが続くが、残り2分を切った場面で犯した2本のターンオーバーが重くのしかかった。結局60−54で天理大を振り切り、大阪体育大が準決勝へと駒を進めた。

190503PATRICK.jpg 準決勝は、近畿大vs関西学院大、京産大vs大阪体育大のカードとなった。近畿大の連覇か。京産大、関西学院大の王座奪還か。あるいは大阪体育大の初制覇か。緊迫の戦いが続く。


⬛︎5/3 準々決勝結果(大阪市立東淀川体育館)

関西学院大学82(18-13,19-19,22-17,23-16)65関西大学
大阪体育大学60(11-19,17-11,10-10,22-14)54天理大学
大阪学院大学59(17-20,16-17,9-29,17-24)90京都産業大学
近畿大学105(31-12,22-13,21-13,31-6)44流通科学大学


写真上:大阪体育大は、勝負どころで山田の活躍が光った。これで自身の入学以来4年続けての全関ベスト4となった。
写真下:18分間の出場で、32得点17リバウンドの近畿大・パトリック。今年も三冠のためには欠かせない選手だ。


※近畿大・濱田選手、京産大・北條選手、大阪体育大・藤本選手、関西学院大・坂本拓馬選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【INTERVIEW】

「去年のインカレで目標に届かず、みんな真剣にそこを狙っている」
もう一度近畿大を全国の舞台で輝かせるために

◆#33濱田貴流馬(近畿大・4年・主将・PG)
190503HAMADA.jpg 昨年からフロアリーダーの役回りを担ってきたが、今季は主将に就任。2年続けての栄冠に向け、個性派の面々を引っ張るという重責をも背負う。しかし、この選手本来の明るい表情は崩れていない。最終的に目指すのは、昨年果たせなかったインカレでの躍進。最初の関門突破へ、これまでどおりのプレーとリーダーシップを発揮していきたい。


—どういうテーマでこの大会に臨んでいるのでしょうか。
「去年全て優勝させてもらって、今年始まった時に濱高さんがいたポジションを全員で埋めようという話になりました。なのでまず、濱高さんがいなくなったところから自分たちがどこまで成長したかを感じながらやろうと。もちろん優勝を目指していますけれど、自分たちがその中でどれだけできるかを楽しみにしています」

—危なげない勝ち上がりですが、反省点はありますか。
「結果的に点差は開いたんですけど、その中でもミスが続いてしまったというのは反省点です。去年主力で出ていた4人を含めて、全員が意識するということは心がけないといけないと思います」

—渡辺選手(#13)がスタメンに抜てきされていますが、彼には何か声をかけているのでしょうか。
「去年はあまり出る時間がなくて、今年いきなりスタメンですけれど『思いっきりやっていい』という風には言っています。経験がない分パニックになったり、ミスが出る部分もありますけれど、そこは自分たちに求めて良いと伝えています」

—今年はキャプテンという立場でのシーズンですね。
「去年はプレー面で濱高さんが引っ張ってくれていて、いざ自分がとなった時に、どうしても個性の強いメンバーなので、まとめきれるかなと(笑)。ただ去年インカレで目標に届かなかったことで、みんなが真剣にそこを狙っていこうと話しているので、その部分ではあまり苦労していないです」

—やはりインカレの悔しさはあるんですね。
「そうですね。去年負けたことで、先生からも『今年はもっとやらないといけない』という話があって、例年以上に練習しているので、それについてはみんな自信をつけてきていると思っています」

—雰囲気はいかがでしょうか。
「どうしても相手に合わせてしまう部分が良くないところで、そこは言い続けています。このところは雰囲気よくできているので、問題ないと思っています」

—この先に向けて。
「ディフェンスから、という話はしているのでそれをやっていって、去年同様に勝ち切ることができれば、と思います」

----------------------------------------

「コートにいる以上しっかりやるのがプレーヤーの絶対条件」
学年に関係なく1番ポジションとしてやるべき仕事を果たす

◆#90北條海樹(京都産業大・2年・PG)
1905030HOJYO.jpg チームの柱であった高田颯斗が卒業し、永尾(#1)も欠場を余儀なくされた今大会はメインガードを担う。ほぼ出ずっぱりの状態が残り2試合でも続くと見込まれるが、下級生とは思えない確たる自覚と責任感は頼もしい。昨年優勝のタイトルにあと一歩で届かなかった悔しさは、彼の心中にもあるはず。今年こそ、大会の最後は笑顔で締めたい。


—前半は苦しい試合でしたね。
「結果として点差は開いたんですけど、前半は競った内容で、チームとしてやるべきディフェンスとかが徹底できていませんでした。個人的にも周囲の選手をあまり使えなかったですし、アウトサイドの確率も良くなかったです。ブレイクで乗りかけた時に、自分のパスミスも何本か出てしまいました。基本的にこの試合はアウトサイド中心の展開で、2点欲しいところでインサイドでアタックしたりすることが必要だったかなと。前半は向こうのリズムでゲームを進められてしまいました。ただハーフタイムでスタッフ含めて全員でコミュニケーションを取って、ディフェンスから走るというチーム目標を徹底しようと。それを後半は出せて、結果としてはこの結果だったので、そこは良かったです」

—今、チームとして目標としていることは何ですか。
「京産はディフェンスでしっかり守って、ペイントエリアの失点を少なくして、そこから走る展開に持っていけたら一番僕ららしいバスケットができるかなと思っています。全関西ではそれを目標にしています。こっちの展開でゲームを進めて圧勝できればいいなと思っています」

—永尾選手が欠場中で、ほぼ出ずっぱりの状態ですが。
「そうですね。でもプレータイムに関しては、与えられた以上は全力で全うするのがプレーヤーとしての絶対条件なので、コートに出る以上はしっかりやるだけです。ポイントガードとして味方の選手を活かしつつチームを勝たせることが役目なので、それを徹底してあと2日間臨みたいと思います」

—これまでとは打って変わってメインガードという立場ですが。
「去年はチームのバスケットにあまりフィットしきれていない部分もあって、チームのためになり切れていなかったんですけど、今年はこうしてメインガードとして使ってもらっている以上はチームの方針を常に軸にしてプレーすることが自分の今の仕事だと思っています。それを今はやるだけです」

—下級生ながら、先輩にも臆することなく話している姿が印象的でした。
「ポイントガードはボールを一番持っている分しゃべって自分の思っていることをチーム全員に伝えないといけないと思っているので、それが一方通行になって僕のわがままになってしまうのは良くないですけれど、自分の思っていることを言って味方の思っていることを聞いていって。コート上では年も関係なくやっているので、それは意識しています」

—お話を伺っていると、とても下級生とは思えません。
「そうですか?(笑)ただ、試合に勝てれば。それだけで良いです」

----------------------------------------

「去年から最上級生という気持ちで、自分の仕事をやるだけ」
緩急自在なプレーで今回こそチャンピオンの称号を取りたい

◆#9藤本巧太(大阪体育大・3年・PG)
190503FUJIMOTO.jpg もつれた試合への反省の言葉が出た一方、大事な局面でのフリースローを確実に沈め、今年もベスト4入りを決めた。自チームだけでなく、学生代表候補合宿にも参加し、期待値は大きい。本人に大きな意識変化は無いようだが、上級生ともなり、名実ともにチームを統率する立場にもなった。冷静なコントロールと果敢な仕掛けをこの先も続け、大阪体育大初の関西三冠タイトルを手繰り寄せたい。


—まず、今日の試合の感想はいかがでしょうか。
「ディフェンスの部分には60点以内に抑えることができて、ハイスコアではなくロースコアに持ち込めた点は良かったです。ただオフェンスの部分では、チーム全体で決めなければいけないシュート、ゴール下でのフリーのシュートを外してしまっていました。オフェンスが良かったこの前の相手の立命館戦とは違って、自分たちのオフェンスが悪い分、ディフェンスでなんとかカバーしていけたことが勝因になったと思っています」

—オフェンスが悪かった要因はどのようなことが挙げられますか。
「今日は正直どこか集中力が欠けていたように思います。実際今日は相手に向かっていく気持ちではなく、判定にもフラストレーションを溜めることもところどころでありましたし。そうなるとプレーにも影響が出てきてしまうと思いました。明日は相手がどうこうよりも、自分たちのバスケットをして勝負していきたいと思っています」

—次戦に向けて。
「次は全体的にサイズもあって、シューターも大きいので、今日の相手の試合もしっかりビデオとかで見返して、今日の反省も踏まえて臨みたいと思います」

—今年チームとして目指しているバスケットは?
「例年と変わらずに、ディフェンスからのブレイクで、速い展開に持っていけるバスケットをしていけたらと思っています」

—完全にメインガードに定着しましたが、今年になってそれによる心境の変化はありますか。
「去年から自分が最上級生という気持ちでやってきて、そこで特別に感じていることはないです。自分の仕事をやるだけだと思っています」

—一方で代表候補にもなり、意識も変わってきた部分があるのではないでしょうか。
「そうですね。言葉は悪いかもしれないですけれど、関西だけでのプレーばかりになってしまうと、インカレでは苦しくなってしまうと思います。関西上位チームも強いですけれど、そういう経験を重ねることで、インカレを強く意識するようになってきています」

----------------------------------------

「自分が得点面でも引っ張らないといけない意識で」
内外から積極的に狙う姿勢が奏功し文句なしの活躍

◆#50坂本拓馬(関西学院大・4年・SF)
190503SAKAMOTO.jpg 下級生の頃から、自身で持ち味と語るドライブで良い働きを見せていた。この日はそれに加えてアウトサイドが絶好調。33得点、3Pは5/6を記録し、チームとしては3年ぶりの準決勝進出に大きく貢献してみせた。次戦は王者の近畿大が相手。昨年は、全関準々決勝では競り合いに持ち込んだが、リーグ戦含め合計3戦して勝利には届かなかった。リベンジなるか。


—今日の試合について感想をお願いします。
「この大会の前にも関関同立の4私大戦でも戦っていて、力の差はないということは分かっていました。勝てはしましたけど、ディフェンスのローテーションの部分と、リバウンドで反省があります。オフェンス面は良かったんですけど、ディフェンス面は改善して明日に臨みたいです」

—ご自身のプレー面はいかがでしたか。
「個人としてはこの試合で自信がついたというのはあります。それとチームとしてリバウンドが弱点だというのが再確認できたので、明日はそこを意識してやっていきたいと思います」

—最上級生となったことで、これまでとは気持ちにも変化があるのではないでしょうか。
「去年の得点源だった高山さんと中野さんが抜けて、得点力が落ちることは想定していたんですけど、その中で自分が得点面でも引っ張らないといけないということはシーズン初めから意識していました。今日はそれが結果になったと思います」

—今日はアウトサイド好調でしたが、ご自身で強みだと思っているプレーは?
「自分としては良さはドライブだと思っていて、去年まではそれが中心でしたけど、インカレも経験して、外がないとそういう舞台では通用しないということを体感しました。今シーズンになってからシューティングには取り組むようになって、今日は調子良く決めていけました」

—インカレで必要になることはどういうことだと感じていますか。
「去年のインカレで大東相手にディフェンスがすごく上手くいって、ディフェンスが上手くやれれば強い相手にも通用するという実体験があるので、チームディフェンスをリーグ戦までに上げていって、インカレでも関東のチーム相手にディフェンスで粘り勝ちできるようにしたいと思っています」
関連記事
EDIT  |  21:20  |  2019関西  |  Top↑
 | BLOGTOP |