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2018.12.16 (Sun)
【2018インカレ】4位・筑波大インタビュー
万全というチーム状況ではない中で
激戦ブロックを勝ち上がり4位
2014年から2016年まで3連覇、昨年も準優勝の筑波大は、ここ数年大学界を牽引する立場として存在してきた。ビッグマンを多数揃えた屈指の高さに強固なディフェンス力を持ち、またここ一発の強さもある。一方で、代表へと選手を多数送り出すようになり、限られた時間でどうチームを作るのかという課題も抱えるようになっている。近年は学生もリーグ戦の長期化や代表への招集など、年間スケジュールの過密度が増しているだけに、今後継続して乗り越えていかなければならないハードルでもある。ただ、今インカレで苦しかったのは、主将の波多がリーグ戦中盤に怪我で離脱していたことに加え、リーグ戦終盤にガードの控えである野本が負傷、インカレ前の練習ではインサイドの三森もまた出場が不可となり、戦力的には本来の想定よりもかなり少ないメンバーで戦わなければならなかったことだろう。今大会はさらに激戦ブロックに位置し、全試合楽に勝てる状況ではなかった。1回戦では九州代表の福岡大に全力で挑まれ、次は1部昇格を決めて伸び盛りの日本体育大、準々決勝では強豪の青山学院大と対戦し、準決勝はリーグ1位の東海大が相手だった。疲労も少なからずあっただろう。
4年間で初めてインカレ決勝に進めなかったが、地力はあるチーム。今はどこも下級生が主力に食い込み、パフォーマンスを見せなければ勝てない時代になっている。そういう意味では途中から主将の任にあたった牧以下、多くの選手が経験を積んだ年であり、来季に生きてくることを期待したい。
※仲澤選手、牧選手、増田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「人生で一番濃密な1年間を過ごせた」
悔しい思いもありつつ、得られたものの大きさを思う
◆#21仲澤翔大(筑波大・4年・PF)
全試合において、試合中ほとんどその声が途切れずコートには響いていた。4位は納得のいく終わりではなく、何よりも悔しいもの。しかしどの試合も40分戦い続けた彼の姿勢は多くの人に伝わってはずだ。運営を行いながらプレイヤーとしても自分を保つことは並大抵のことではない。学連の仕事をこなしながらAチームの選手としてそれを果たしたものは大学界でもおそらく過去にはなかった立ち位置でもある。そこにはバスケットに、そしてチームに対する深い情熱があり、見る者に感動を与えてくれた。
―大会を終え、どんな気持ちですか?
「先輩と後輩に申し訳ないという気持ちと、3年生以下に感謝の気持ちがあります。申し訳なさと感謝の気持ち、それだけです」
―このインカレはどのような気持ちで臨んでいたのでしょうか。
「どのメディアでも今年の筑波大は4年生がおらず、3年生が戦っていると報じられていていました。波多(#14)のように怪我でプレーしたくてもできない側としては辛さがあったし、投げやりになっていたときもあったかもしれません。でも牧(#88)たちは4年生のために、とやってくれていました。だからそうした評価を覆したいと思っていたんですが、結局準決勝、3位決定戦とうまくいかなくて、それは絶対4年生のせいだし、今まで4年間決勝に行けていたんですが今年初めて決勝に行けなくて、本当に悔しいし情け無い、申し訳ないという思いです。後悔しかないです」
―3年生や2年生には何か伝えたいことは?
「来年優勝してくれればこの1年が少しでも報われると思います。今年のことは反面教師じゃないけれど、糧にしてもらえたら自分たちが辛い思いをした甲斐もあると思うので、優勝をして欲しいですね」
―チームはいろんな要素が絡み合うものです。何があれば勝てたと思いますか?
「牧が中心でやってくれていましたが、それを増田以外に脇で支える人が必要です。普段の練習であれば自分が雰囲気を保つとか、そういうことで支えることができました。でも試合になると自分はプレーではそれができません。やはり牧をサポートしてあげられる2、3年生が必要です。村岸(#10)がすごく頑張ってくれているし、この大会は森下(#15)はすごく良かったです。その辺の選手が今以上に頑張ってくれれば戦力的にはトップだと思いますし、牧の右腕のような存在に誰かがなっていくことが必要だと思います」
―期待したいですね。仲澤選手は4年間、プレイヤーも学連での運営も経験しました。そこで得られたものはどんなことですか?
「当たり前じゃないということをすごく実感しました。運営していても大変で、選手やチームからはいろんなことを言われ、要求も多いのでどう叶えるかというのがありました。また、プレイヤーとしては、自分はずっとBチームにいました。今年、同じBチームだった同期は先に引退していますが、Aチームに上がってインカレに出場している自分を素直に応援できないところはあるんじゃないかなと思うこともあります。もう引退してプレーできない立場からすると。でもそういう中でも自分に声を掛けてくれて嬉しかったです。コートに立つのは当たり前じゃないということは高校のときからもずっと言われてきましたが、身に染みて感じられる1年だったと思います。人生で一番濃密な時間でした」
―仲澤選手自身は来季も大学には残るそうですね。
「院に進むことが決まりました。ただチームことに携わるかどうかは未定です。でもどんな形であれ、常にチームのことは応援し続けます」
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「4年生の気持ちでインカレに臨んだ」
メンタル面の成長を自信にさらなる成長を
◆#88牧 隼利(筑波大・3年・PG)
波多の怪我による離脱で、リーグ戦途中から3年生にして主将を務め、難しい役割を担った。リーダーとしての決意を固め、精神的支柱としてチームを率いてきたが、「これで勝てるのか」と常に不安を抱えていた。しかし「4年生を勝たせたい」との強い思いを胸にインカレも挑んだという。そんな姿についていこうと思った選手たちの成長については素直に喜びを覚えると同時に、今年得た自信を武器に、どんな難しい壁でも超えていってほしい。
―試合を振り返って。
「離せるところで点を取りきれなかったことが反省点です。相手の3Pを許してしまったところが悪かったです」
―インカレ全体を振り返って
「チームとして1、2年生の成長が大きかったです。来年のことを考えると大きな収穫になりましたが、4年生のことを考えると、勝たせることができなかった力不足を痛感しました。負けを知らないメンバーが多い分、チームを変えていかないといけないと思います。来年のこの舞台にむけて、細かいところからやり直して行きたいです」
―1年間振り返って。
「悔しい気持ちはもちろんありますが、ホッとしました。キャプテンをリーグ戦の途中から任されて、インカレのことを考えていると、『勝ちたい、勝ちたい』と日々思っていました。このチーム状況で勝てるのか、練習をしながら不安がずっとあって。それを感じつつ、負けたら4年生が引退ということを背負って、どこまでいけるか心配でした。厳しいブロックにも入ってしまいましたし。自分としてもチームとしても色々あった1年でした。長かったですね。成長の年だと思います。その中でインカレベスト4まできたことは、4年生がいたからです」
―リーグ戦途中からキャプテンになりましたが、キャプテンになってどうチームを見るようになりましたか?
「波多さん(#14)は復帰に時間もかかったので、自分の出場時間の方が長かったし、僕が引っ張ろうと思っていました。いざキャプテンになると、今まで見えなかった部分が見えるようになりました。でもいつも気にしないところまで気になってしまい、気が回らないことが多かったです。でも仲澤さん(#21)や玉木さん(#65)が支えてくれましたし、下級生は暉(#8菅原)と山口(#27)を中心についてきてくれました。助かったなと思います」
-キャプテンとして意識し始めたことはなんでしょうか?
「3年生でキャプテンをやりますが、気持ちは4年生にならないといけませんでした。インカレで戦うのは4年生です。3年のままだと、気持ちで負けてしまいます。だから暉や山口は2年生ですが、そのつもりでもっとリーダーシップを持って欲しいと思っていました。それはずっと言っていましたね」
-インカレを終えた今、リーダーシップという面で何か収穫はありましたか?
「反省点はあって、準決勝の東海大戦の3Qで相手が乗ってきたとき、自分が飲まれてしまいました。一番悔いに残ることです。この大会を通して、僕と増田(#11)があまり点数を取れなくて。東海大にうまく守られてしまいましたね」
-少し早いですが、来年に向けて。
「ほとんどメンバーが変わらないので、対策はされやすいです。ただいい点としては、僕がキャプテンでインカレの舞台を経験できたことです。他のチームに比べて一歩リードしている状態は自信にしていきたいです」
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「あとは牧と自分が乗り切れたら勝てた」
今年の悔しさをより高い舞台で晴らすことを目標に
◆#11増田啓介(筑波大・3年・PF)
リーグ戦は得点王を獲得したが、インカレではマークも厳しく、のびのびとしたプレーがあまり見えなかった。4年生の出場が少ない中、プレー面でチームを率いてきたことは変わらないが「力不足」と厳しい自己評価をつけ、より高いプレーの質を求めた。だが混戦のBブロックを見事勝ち抜いたとともに、森下、菅原、山口ら下級生の成長は大きく、来年の筑波大に自信となる証にもなった大会でもある。そこに増田が大エースとしてさらに大きく飛躍できるか、最終学年も目が離せない。
-4位で終わりました。今の気持ちはどうでしょうか?
「大会を通して僕が良くなかったです。チームに貢献できず、悔しい気持ちです。マークが厳しいのもあったとは思いますが、自分の力不足だったと思います。リーグ戦でよかっただけに、よくなかったですね。パスをうまく配給して、僕が点を取らなくても大丈夫にすればよかったのですが、それもうまくいかなかったです」
-勢いのあるチームに受け身になりがちの場面がありましたね。
「3Qの出だしでやられてしまうことが多かったです。リーグ戦では逆に3Qはよかったのですが、来年に向けての課題ですね。2Qでディフェンスを締めて、10点差ほどつけ、後半も同じように臨みますが、相手の3Pが入り始め、逆に僕らが入らなくなる。それでリズムが悪くなりました」
-そんな中で周囲の選手の成長が大きかったですね。
「そうですね、牧(#88)と僕がよくない中で、森下(#15)、暉(#8)、山口(#27)が活躍してくれて本当に助かりました。あとは自分たちが乗り切れたら勝てたかなと思います」
-1年間を振り返って。
「チームの評判がよくない中、春のトーナメントは優勝できて、波多さん(#14)も復帰し、ここからとなったところでリーグ戦連敗。波多さんもまた抜けてしまい、落ちるところまでチームは落ちたと思います。最後はインカレに向けて少し調子も上がってきましたが、結果はリーグもインカレも4位。頂点までは行けませんでした」
-インカレにはどんな気持ちで臨みましたか?
「気持ちが強い方が勝つと思っていました。みんな気持ちは入っていて、僕もそれを意識しました。4年生が少ないですが、他のチームも3年生主体が多いですし、優勝した東海大は1年生も活躍しています。僕たちが不利だとは思いませんし、来年もそのままのチームが多いです。自分たちも頑張っていきたいですね」
-来年に向けて。
「トーナメント、リーグ、インカレで優勝したいです。そのためにはディフェンスとリバウンドが必要です。東海大はそれがよかったので、僕らも伸ばしていかないといけないです」
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