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第70回全日本大学バスケットボール選手権記念大会
東海大学が5年ぶり5回目の優勝

2018.12.09 (Sun)

【2018リーグ1部】東海大学〜ルーキーたちの挑戦〜

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1年生がみずみずしい魅力を発揮して
初めてのリーグ戦で優勝に貢献


94回目の関東大学リーグ戦は、東海大学の3年ぶり5度目の優勝で幕を閉じた。2005年に1部に参戦してから、大学界の強豪としてライバルたちとトップを争い続けてきた東海大には、優れた選手たちが毎年入学してくる。今年、チーム一丸で優勝に向かっていく中で目を引いたのは、そうした1年生たちの活躍だ。大会の優秀選手に入った大倉颯太、八村阿蓮の2名はリーグ戦途中からスタメンとしてチームに大きな貢献を果たすプレイヤーとして活躍。またもう一人、佐土原 遼もセカンドメンバーとして出場機会を得て、経験を積んだ。



「絶対どこにも負けられないと思ってやってきた」
 〜#11大倉颯太〜


 強い東海に憧れ、「東海大でチャンピオンになる」という固い決意を持って入学してきたのが、大倉颯太だ。彼にとって東海大は大学界を代表するチームであり、だからこそ勝たねばならない、という確固たる意志が1年目から彼を突き動かしていた。

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 今年最大の鳴り物入りとされ、注目を浴びていた大倉。その期待に違わずトーナメントからプレータイムを獲得して短い時間でもその実力を知らしめると、新人戦では主力として活躍し、優勝こそ叶わなかったものの3位。リーグ戦では第6戦からスタメンを務め、アシスト、得点にと随所でチームを輝かせるプレーを見せた。結果、チームは優勝。個人としてはリーグ優秀選手賞を八村阿蓮とともに受賞した。順調に見える初年度のここまでの結果は、彼がもともと持っている能力だけで獲得したものではない。チーム全体の取り組みはもちろん、大倉個人としてもどのようにすればチームの信頼を勝ち得、また対戦相手を凌駕し、勝利という結果を残していくことができるのか、普段の練習からたゆまぬ努力とあくなき追求を行ってきたからに他ならない。

「最初はもちろん信頼なんかありません。だから試合を重ねて自分の存在感を出して、しっかりチームの中心になれるように努力し、そのために必要なことを考えてやってきました。リーグ戦では帰宅中と帰宅後にはその日の試合のビデオを見直し、それから翌日には次の対戦相手の映像を見て、また次の日にはチームミーティングで再び映像を見て、と振り返りと次戦の予習を学生コーチにも協力してもらって、何度も繰り返しました。勝つために絶対に努力は怠りたくなかった。練習ももちろんファイトして、みんなに認めてもらわなければならないと思ってやり続けました」。

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勝つために必要なことを突き詰め続ける彼の姿勢が、チームに通じないわけはない。そして信頼を得た分、大きな責任を背負っていることも決して忘れていない。バスケットに真剣で、試合中は自分の意見をはっきり言い、ミスをしたら全力で謝る。リーグ戦中はそんな姿勢でチームに影響を与えるプレーを見せ続けた。

181208okura.jpg だが見事優勝を果たし、努力の成果は出たのでは、という問いはきっぱりと否定した。「4敗もしているようではまだまだ」と、厳しい表情を見せる。個人としてもチームとしても最大限の準備とトレーニングをしているのに、それでも4敗したというのは、まったく納得いっていない。そしてこのリーグ戦中、チームで最大の敗北感にうちのめされた出来事もあった。9月の半ばにあった天皇杯一次ラウンド、社会人チームの黒田電気に78-83で破れたことでチーム全体も言いようのない衝撃を受けた。

「あそこでチームが一番落ちました。陸さんも、学生コーチもあんな厳しいことを言ったことはありません。勝てた試合だったと皆が思っているはずだし、出ているのだったら本当にその分の役目を果たさないと、ということをもう一度突きつけられました。そこから一戦一戦をファイトしていくことを今まで以上に意識するようになったし、チームとしても大きく変わった瞬間だったと思います」。

敗北で得た教訓を生かし、チームは一つ大きくなった。優勝も遂げたが、まだそれは大倉が理想とする頂点ではない。もっと強く、もっと圧倒的な東海大にならなくては、という思いはむしろ強く掻き立てられたに違いない。リーグ戦はゴールではない。続くインカレでの戦いぶりはもちろん、自身の目指す強い東海大をどんなふうに見せてくれるのか、ここから描いていく軌跡をしっかりと見届けなくてはならない。

大倉颯太
#11/G/184cm/79kg/北陸学院/1年




「幅広いプレーのできる選手を目指していく」
 〜#86八村阿蓮〜


 大倉と呼応するような息のあったプレーを見せたのが、八村阿蓮。春こそ怪我で試合には出場せず、状態が気になるところだったが、新人戦からコートに登場すると、存在感を示し始めた。リーグ戦は鶴田 美勇士、平岩 玄といった上級生とプレータイムを分け合う形でスタートするが、どっしりしたセンターらしい先の2名と異なり、飛び込みリバウンドや合わせ、セカンドチャンスにも絡むうまいポジション取りでチームに何度も流れを持ってくるプレーを見せている。

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「新人戦では膝の状態があまり良くない中でのプレーでした。でもリーグ戦までは時間もあったのでしっかり完治させて、トレーニングも積んでいい状態にしていけました。リーグ戦では問題なくプレーできて、体力的にも不安はなかったです。トレーナーの方々には本当に感謝しています」。

リーグ序盤はベンチスタートで、数字も控えめだったが、プレータイムの増加とともにそれがどんどん上がっていく。第6戦から大倉とともにスタメンに入ると、その神奈川大戦では30分の出場でチームハイの19点12リバウンドを記録。一気にブレイクすると、それ以降はどの試合でも欠かせない活躍を見せ、得点やリバウンドで数字をあげていく。

181208hatimura4.jpg「最初はあまりプレータイムもなかったけれど、徐々に慣れてフィジカルの強い当たりも気にならなくなりました。リバウンドは練習から意識してきましたが、玄さん(平岩)が留学生と競り合ったときに、こぼれたりチップしたボールを取ったりして、玄さんの助けになるプレーを心がけていました。それが数字にも出てきたのかなと思います」。

そんなふうに先輩をサポートする意識でもぎ取ったリバウンドはもちろん、彼と一緒に出場している大倉との息の合ったプレーでも見せた。大倉のプレーぶりは際立っていたが、そこに抜群のタイミングで合わせてくる八村の動きもまた素晴らしかった。

「大倉はゴール下の動きを本当によく見てくれていて、そこにちゃんとジャストでボールが来る。すごいです。もちろんプレーの合わせは練習でもやっていますが、うまくそれを試合でも出せました」。

この2人がのびのびとプレーできるチーム環境もいい方向に働いたが、両者の働きは大きく、2人揃って1年ながらリーグの優秀選手賞を受賞する栄誉にも浴した。良い循環が働き、入学1年目でリーグ優勝を経験することになったが、もちろんそれでは終わらない。個人的にもまだもっとレベルアップしたいと思うところは多い。

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「国際的に見れば自分は大きくありません。代表の合宿ではラマスHCに世界で通用するようなプレイヤーになって欲しいと言われました。そのために大学のうちに3番ぐらいはこなしたいし、いずれは代表に入って3番や4番をやれるような選手になりたいんです。今はゴール下が多いですが、外のエリアへどんどんプレーを広げていきたいと思っています」。

目標は明確で、大きい。バスケット一家で育ってきたが、東海大というチームで得られる刺激も少なくないはず。目指すところに向かってただ、突き進んで欲しい。

八村阿蓮
#86/C/198cm/98kg/明成/1年




「泥臭く、常に120%で自分の持ち味を出すことが大事」
 〜#23佐土原 遼〜


 インサイドプレイヤーとして八村ともう一人、リーグ戦で出場機会を得られたのが佐土原 遼だ。東海大相模のエースとして活躍し、大学部へと上がってきた。

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身長192cm・97kgと厚みのある体格だが、高校入学時は今より身長が5cmほど低く、体重は20kgも軽い、線の細い選手だった。しかし東海大出身の小山孟志トレーナーの指導の元、体づくりに取り組み、増量に成功。「食べてウエイトをするとすぐに増える」そうだが、力強い肉体を作ったあとはフィジカルを武器として活躍。高校3年の関東大会では40分で54点を取るようなパフォーマンスも披露している。しかし、大学はまたレベルが一段階上がる。

「高校のときはトレーニングのおかげでフィジカル負けはしなかったけれど、大学にはもっと強いフィジカルの選手もいて、やはり負けてしまうことがあります。だから自分のこれまでの持ち味である体の強さだけではない、新しいプレーがこれから必要になってきます。それを考えながらやっていきたいです」。

大学に来て新しい壁に直面しているが、東海大にはそれを乗り越えるため、思い切ってぶつかっていける先輩もいる。100kgを越え、佐土原より上背もある平岩や鶴田といった相手と練習できるいい環境が東海大にはある。1対1では先輩に勝てることもある、と練習での成功体験を自信にするが、その積み重ねを確実な実力としていく努力が問われるだろう。

181208sadohara2.jpg リーグ戦ではセカンドチームとしての出場を果たしたが、同じルーキーでも大倉や八村とはまた異なる面で貢献していこうとしている。

「自分はあの2人のような、得点を取って活躍するタイプではないと思っています。それよりはリバウンドや泥臭いプレーでチームを救うような働きをしなければいけない。高校時代の恩師からも常に120%でやり続けるように言われてきました。今、少ないプレータイムで少しなりとも結果を残せるのは、高校時代からその心がけを忘れずにやっているからかなとも思います」。

全国大会に出場したことがなく、先の2人に経験もまだ及ばないが、そこで焦るよりは自分ができることは何かを考える方が先だ。

「思っているようなプレーはまだできていないんですが、そういうことばかりに気を取られていたらそれは自分じゃない。泥臭いプレーを忘れたら自分の良さがなくなってしまいます。だからリバウンドは誰にも負けない、その気持ちを忘れず、そして自信を失わずにやっていきたいと思います」。

持ち味を忘れず、そこに良さを付け加えていくことが第一と捉えているが、仲間たちに触発される部分は少なくないようだ。同期たちは佐土原がこれまで会った誰よりも個性的で、バスケットに懸命だという。東海大を目指してくるだけあって皆が負けず嫌いで、練習などでも喧嘩をするぐらい熱く、真剣に取り組み、コートを離れれば皆が和気あいあいと仲が良い。佐土原にとってそうした仲間たちを得られたことこそ、きっと東海大に進んだ一番の財産になっていくに違いない。

佐土原 遼
#23/PF/192cm/97kg/東海大相模/1年



 大倉、八村、そして佐土原。彼らのほかにも期待の選手は多く、伊藤 領や坂本聖芽といった面々も新人戦で活躍し、リーグ戦も試合によっては登録され、少しずつチーム内でその力を示しつつある。大学バスケット界に一歩を踏み出したルーキーたちにここからの4年間、どのような時間が訪れるのか、その行く末には大きな希望が広がっている。



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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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