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2018.12.07 (Fri)
【2018リーグ2部・コラム】悲願の1部昇格とその原動力〜日本体育大・井手優希〜

チームとしてのつながりを最重要に1部昇格の目標を達成
〜井手優希(日本体育大・4年)〜
2部リーグの優勝候補の一つだった日本体育大は、20勝2敗で見事優勝。1部自動昇格とインカレ出場を勝ち取った。2013年に2部に降格してから6年が経過。来季7年ぶりの1部復帰となる。今年は2部の多くのチームが下級生主体で安定感に欠けるチームもあった。日本体育大も同様だったが、チームは大きく崩れることなく勝ち星を重ねた。その中でコートに立つ4年生として、主将として奮闘したのが井手優希。点取り屋のイメージが強かった下級生時代から、今季は周囲を生かすアシストでチームを引っ張り続けた。
大切なのはコミュニケーション
4年生がコート内外でチームのために働く
春からチームとしての勢いが見えていた日本体育大。今年藤田監督が取り入れた速いバスケットスタイルがメンバーにはまり、下級生たちが成長を見せてルーキーも輝き、チームに勢いが生まれていた。1年生の#50バム ジョナサンはハードワークに徹し、#24土居 光や#33遠藤 善は抜群の機動力を発揮。#3大浦颯太は昨年の怪我を乗り越え、ポイントゲッターとして花開いた感がある。トーナメントではベスト16だったが新人戦は準優勝、2部リーグは見事優勝を飾った。

4月の日筑戦で井手は「自分はキャプテンとしてチームメイトの気分の浮き沈みやチーム全体の波を一定にして、悪い方に行かないように声掛けをするようにしています。学年関係なく喋ろうとしています」と、大事にしたいのはコミュニケーションと語っていた。昨年もトーナメントでは3位という結果を出し、1部昇格の力は備えていた。しかし何が足りなかったかと言えば話し合うことや横のつながりではないか、という結論に至ったからだ。それは井手だけではなく、同じ4年で学生コーチの畠山 大や、試合には出ていないが他の4年生にも同様の思いがあったと言う。リーグの開幕戦では「AからCチームまである中で、信頼関係を大事にしていろんな人と接し、できるだけ温度差をなくしたい」そんなコメントがあった。そしてその意識はリーグの最後まで貫かれたからこその優勝だった。最終週、チームメイトがどんな働きをしていたのかを教えてくれた。

下級生が多いチームであった日本体育大がむしろ若さを勢いに変え、快進撃が続いたのはそうしたチームでの共有やコミュニケーションがうまく働いたからだろう。井手がコート上では絶えずチームに声を掛け、見えない部分でも4年生が支え、下級生たちはのびのびと自分たちの持ち味を発揮しての20勝だった。

チームに合わせたスタイルチェンジで
見事2部リーグアシスト王を獲得
これまで点を取るイメージが強かった井手。昨年はスリーポイントやビッグマン相手にでも軽々と決めるフローターなど、さまざまなテクニックや得点パターンを見せ、その存在を知らしめた。しかし今年はガラリと印象が変わった。得点能力のある下級生が伸びてきたことで、自身はゲームコントロールをより意識するようになったのだ。
「下級生はフレッシュにやってくれるので、自分は彼らが思い切りできるようにパスをしたり、声を掛けたりすることを考えていました。自分は大事なときにだけ得点を取れればいいと思っているんです」。

ポイントガードというポジションを意識し始めたのは高校時代だと言うが、大学に入ったときは攻められるガードでなければいけないという思いもあり、攻撃的なスタイルを意識してきた。しかし、周囲に頼りがいがあって伸び盛りの選手がいる今年は、それを活かそうとさらにスタイルチェンジ。1部に行くためには安定感も重要だと考え、その土台となるのは4年生の自分であると考えての選択だった。そして今年入学してきた弟の井手拓実もガードの控えとして、頼もしい活躍を見せて兄をサポート。その結果、今年は2部リーグでアシスト王を獲得。やろうと意識したことが見事に結果として現れた形になった。
「自分や4年生がやろうとしたことに、みんながついてきてくれました。だからチームとしてまとまって2部リーグ優勝を達成できたと思います。それは本当に良かったです」。

「メンバーがこれだけいないとさすがに大変だったけれど、主力がいないときも想定してやっていかないといけません。本当に悔いが残る最後になりました」。
敗戦を受け止めた井手の顔は、決意に満ちていた。得られた課題は飛躍のバネにしなければならない。続くインカレはこの1年間、そして井手の4年間の集大成でもある。次はインカレでどのようなプレーを披露するか。成長を続けるチームを率いる井手の姿を目に焼き付けたい。
井手 優希/いで ゆうき
#64/PG/175cm/70kg/4年/福岡第一
#64/PG/175cm/70kg/4年/福岡第一
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