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2018.10.20 (Sat)
【コラム】2部リーグのニューフェイスたち~昇格組の挑戦~

新たな挑戦者たちの台頭が
2部リーグに新風を吹き込む
今季2部昇格を果たした4チームのうち上武大は十数年ぶりの2部、埼玉工業大、明星大は初の2部リーグ参戦と、フレッシュな印象をもたらしているチームだ。3チームとも上のレベルのリーグに挑戦中といった状況だが、中には上位チームにも劣らない力を持ち、個人ランキングではトップクラスの力を披露する選手もいる。その中から3名の選手をピックアップし、彼らにとっての新しい舞台で活躍する姿を紹介する。
点を取るため、常に進化を続けるエース
~細川一輝(上武大・♯29)~

第17戦終了時点で361得点と、現在得点ランキング1位につけ、圧倒的なオフェンス力を見せている。しっかりした体格でフィジカルの強さを持ちながら、機敏さも兼ね備え、常にゴールにアタックしていく。チーム全体の攻撃力が高い上武大だが、今年に入り細川にエースとしての自覚が生まれたと言う。
「昨年まではマーテルさん(マーテル・テイラーバロン)がいて、ゴール下で全て点数を取ってくれていました。今年は彼が抜けて、自分が点数を取らないと勝てないと自覚をしています。プレッシャーの中でも自分が一番積極的に攻めていきたいと思っています」。

「3Pは自分の一番の武器だと思っています。それに加えて高校ではやっていなかったポストプレーをやり始めました。このポジションとしてはある程度のサイズがあるので、ミスマッチを突こうと思ったからです。どうやって自分の武器を増やして、点数を取るか。厳しくマークをされても、先輩方が練習でタイトにディフェンスをしてくれるので、自分で工夫してボールをもらう方法を模索しています」。
ゲーム中の工夫の成果は数字が明確に表している。得点ではコンスタントに1試合2桁をマークし、3Pでは第17戦終了時点で50本とランキング2位につける。得点王、3P王と共に期待したいところだが、個人賞よりも他に大切なことがあると言う。
「自分たちの速いバスケットを発揮して、常にチャレンジャーとして挑みたいです。個人賞を取れてもチームが勝てないと意味がないと思います。できればインカレにも出たいですし、最低でも2部残留はしっかり果たしたいです。そのために得点を取っていきたいと思います」。
普段の性格は控えめだというが、コートに入るとエースの表情に一変。上武大の核としてこれからも点数を取り続けていく。
走るバスケットの先陣をきるPG
~新田嵐(明星大・♯2)~

2年生が主体となるチームの中で、司令塔として活躍を見せるのが新田だ。170cmと小柄だがコート上では一番のスピードで果敢にゴールへ向かう。オフェンス主体の明星大の持ち味を発揮するためには欠かせない選手だ。
「ベンチでは上級生がしっかり声を出してくれるので、PGとして学年関係なくコートの上で一番声を出していきたいです。自分は攻めることが好きなので、明星大のチームスタイルには合っていると思います」。
小学2年生からバスケットボールを始め、中学時代は神奈川県代表のキャプテンとしてジュニアオールスターで全国制覇を果たした。そのメンバーと共に進学した高校は強豪の桐光学園。実力のある選手が多い中で、小さい新田は生きていくために周りを見る力をつけた。その成果は大学でも生かされ、第17戦終了時点で78本のアシストを記録し、暫定1位につけている。
「小学生の頃からスピードが武器ですが、50メートルとかはそんなに速くないです。体育館でボールをついているときは走りやすいので、足の速さは関係ないかもしれません。アシストに関しては、高校で力のある選手がたくさんいたのでパスをよく見ていました。それが生きているかもしれないですね。今は自分が一番攻めないといけないので、攻めつつパスを意識しています」。

「夏はずっと走って体力を作ってきたので、プレータイムが長くても大丈夫です。台湾遠征に行きましたが、自分たちのフィジカルの弱さを実感しました。台湾の選手は常に意識が高く、それに影響されて“リーグ戦をやってやる”という気持ちを持っています」。
常にアグレッシブに先頭に立ってチームを牽引する。名前の通りチームに「嵐」のような勢いを持ってくる選手だ。
チームの勝利のために奮闘するルーキー
~張子駒(埼玉工業大・♯1)~

埼玉工業大のスーパールーキーとして目が離せないのはこの人だ。3P、ドライブ、リバウンドまでこなすオールラウンダー。数字でもチームを引っ張る存在だが、あくまでもチームの勝利が一番という考えで、コート上で声を出す積極性がある。
「順天堂大(第8戦)に勝ってからチームの雰囲気がいいです。ずっと試合に出ていて、疲れるけど勝ちたいからやるしかないです。できれば得点王やリバウンド王は取りたいけど、チームのリズムを崩してまでやることはない。チームが勝つことが何よりも大切だから。まず勝ちたい。そのために日本語はまだまだだけど、ガードもセンターもやるから、チームメイトとしっかりコミュニケーションを取っていきたい」。
出身地は中国四川省。中学1年生までのポジションはガード。その後一気に身長が伸びたため、サイズがあっても幅広いプレーをこなす。大学では足りない部分や課題がまだまだあるというが、負けず嫌いな性格は張の技術やメンタルをさらに磨いていきそうだ。

その闘志は他チームのエースにも向けられている。第14戦では68-48で上武大に勝利。
「今日は得点ランキング1位の細川選手に勝つことができて本当に嬉しいです」と素直に喜びの笑みを見せた。コンスタントに点数を重ね、リバウンドでチームにセカンドチャンスをもたらし続けた成果が、リーグ戦後半になりようやく結果として見えてきた。張にとっての大学バスケットボールはまだ始まったばかり。今年のリーグ戦での自信をバネに成長し続ける姿に注目だ。
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