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2018.09.09 (Sun)

【2018リーグ1部】9/8,9レポート(第4戦・第5戦)

拓殖大が大逆転でリーグ初勝利をあげ
神奈川大が首位日本大を下した第4戦・5戦


 9月5日から中2日で再び1部は試合を迎えた。1日の開幕戦から13日までに7戦をこなす、リーグ戦の中でも一番厳しい日程の真ん中にあたる。8日の第4戦では拓殖大にようやく白星がつき、9日の第5戦では無敗で首位だった日本大が初黒星となって、各チームの勝敗差が縮んだ2日間でもあった。



■9月8日(土)
大東文化大は同率の東海大に勝ち上位キープ
拓殖大は劣勢から巻き返し1勝目


180908takushoku.jpg

写真:拓殖大は出場した全員が好プレーを連発し、今後にもつながる大きな1勝。


180908ookura.jpg この日の注目は2試合。5日の第3戦でともに1敗のついた大東文化大東海大の試合は上位を争う見逃せない一戦だった。大東大は移動中の渋滞により開始時間が遅延となり、アップ時間がないままの試合開始となった。立ち上がりはほぼ差のない展開で両者3P、インサイドで得点していく。2Qになると大東大のディフェンスが締まって東海大を9点に抑え込んで迫ると、前半は31-33と東海大リードの僅差の勝負。しかし後半にじわじわと差がつきはじめる。序盤こそ点を取りあう展開だったが、#23奥住(4年・SG)、#12熊谷(4年・PG)、#34中村(3年・PG)の3Pに#15モッチ(3年・C)のフックなどが気持ちよく決まって大東大が抜け出すと3Qは55-48と7点のリードに。4Qに入り東海大は#11大倉(1年・G・北陸学院)のリバウンドやフリースローなどで追い上げのきっかけを得るが、再び大東大の3Pが3本続けて沈むと10点差。東海大は#0寺嶋(3年・PG)の攻撃もあって追い上げも見せるが大東大の優位は崩れず72-62。大東大は奥住の5/6の3Pをはじめ、11本の3Pとリバウンドでの11本差がものを言った。


180908tada.jpg また、ここまで3連敗で苦しいスタートとなっていた拓殖大は、筑波大相手にアグレッシブに挑み、逆転で初勝利をあげた。立ち上がりからペースは筑波大。1Qで29-12と20点近い差をつける展開に。2Qは拓殖大も27得点で迫るが、58-39で前半終了。しかしこの大差のゲームが後半に様相を一変。拓殖大のゾーンが徐々に奏功し、筑波大がターンオーバーを重ねる。拓殖大は攻撃では#1岡田(2年・GF)が1対1を仕掛け、内外から得点して追い上げていくと、ディフェンスで踏ん張り、#51前田(3年・PF)のバスケットカウントで3Q終了時には70-69の1点差。4Qに入ると#99多田(3年・SG)の3Pが続けて沈み、チームを盛り上げる。最後は#1岡田がスティールで筑波大のボールにサイドを割らせるなど際どいプレーが冴え、91-87と大逆転で1勝をあげた。#1岡田は38点、#99多田が3P6本を含む20点で勝利の立役者となり、遂に1勝。これで全敗のチームが消えた。

写真上:東海大・大倉はセカンドユニットのガードとしてプレーをリードしつつ、この日はチームハイの12点を記録し、得点面での貢献も大きい。
写真下:岡田が圧巻の得点力を見せたほか、拓殖大は多田の3Pの破壊力も大きかった。

※大東文化大・奥住選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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■9月9日(日)

日本大に初の1敗がつくも首位は変わらず
青山学院大は接戦を勝ちきり3連勝


180908maeta.jpg 第5戦は首位チームに動きがあった。無傷の連勝街道を走っていた日本大が神奈川大にペースを握られ、敗北。1敗がついた。また、大接戦となったのは連勝を伸ばしたい青山学院大と、1勝にとどまる筑波大の一戦。立ち上がりから点差のつかない勝負となり、1Qは17-16の1点差。2Qに入りエースの#11増田(3年・PF)を中心に得点し、守りでも手堅さを見せる筑波大が一時リードを広げるが、青学大は#15石井(4年・PG)の3Pが苦しい状況を救い37-33と筑波大4点リードで前半終了。3Qも差のない展開で推移し、勝負は4Qへ。筑波大は#11村岸(3年・SF)が連続で中距離を決めれば青学大は#10高橋(4年・CF)がインサイド、#15石井のレイアップなど奮闘が見える。青学大はフリースローの確率が悪く、最後の攻防で得たアンスポーツマンライクファウルのフリースローも落としてしまうが、筑波大も最後の攻撃がうまくいかず66-65。青学大が激しい勝負を制して3連勝。筑波大は3連敗となった。

写真:青学大は終盤に前田のシュートが苦しいところでものを言った。

※青山学院大・石井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【PICK UP】
神奈川大が首位の日本大を終始リードで下す

180908matuwaki.jpg 4戦消化時点で4勝0敗の単独首位に立った日本大は、ディフェンスを武器に粘りのバスケットを展開する神奈川大に前半からビハインドを負った。1Q、#0シェイク(2年・C)が早めに2ファウル。これを下げるも持ち味の攻撃力を武器に得点を重ねるが、神奈川大もシュート確率は良く、ついていく。残り約1分で#14松脇(2年・SG)と#33比嘉(4年・SG)を投入した日本大は19-20で2Qに入るとディフェンスも激しくなる。この中で神奈川大はボールを回し、#75小酒部や#34工藤(4年・PF)までボールが渡って得点。日本大は#14松脇が連続の3P、#33比嘉もゴール下で粘ってボール押し込むなどするが、神奈川大は#75小酒部が立て続けに3本の3Pを沈めて開始4分で26-33とリード。日本大がタイムアウトで流れを切ろうと試みるも、神奈川大は中距離のタフショットもよく沈み、前半は31-44と13点リードで終了。

 3Q、開始2分で神奈川大は攻守でファウルが続き、あっという間にチームファウルが4と苦しい出だしに。コートに#0シェイクを戻した日本大はその高さを活かして次々にゴールし、追い上げる。やや得点に停滞が見られる神奈川大は#34工藤の3Pで持ちこたえるが、ファウル続きでディフェンスに粘りがなくなっていく。しかし日本大もこの日の笛に対応しきれず、開始4分半、#75小酒部をマークする#14松脇が3ファウル目をコールされると、動きが鈍りがちに。しかし攻撃では#14松脇が3Pで返し、#0シェイクのダンクも出ると4点差に。やはりファウルトラブルで得点の伸びない神奈川大は、ここで#3小針(1年・PG・桐光学園)のドライブが決まり流れが変わる。#11細澤(4年・SG)、#34工藤、#75小酒部のアウトサイドが決まり、#75小酒部がドライブからのバスケットカウントでリードを守りきり、61-70で4Qへ。

180908kobari.jpg 4Q、神奈川大は連続のオフェンスファウル。苦しい中で#34工藤、#75小酒部がゴールを射抜いて開始3分で63-75と持ち直すと、ディフェンスでターンオーバーを奪い、さらに得点を重ねる。日本大はディフェンスがゆるくなって次々に神奈川大にゴールを許すと最後は68-90。日本大が初黒星を喫し、神奈川大が2勝目をあげた。日本大の敗北により、これで4勝1敗が白鴎大、大東文化大を合わせて3チームとなった。

 1敗がついた日本大。杉本、ジャワラが怪我でリーグ戦は出場しておらず、戦力的にはダウン気味だ。しかし、その分「他の選手に自覚が生まれた」城間コーチが言うように松脇や青木といったこれまでの主力に加えて比嘉、島袋といった面々が良い働きをしている。最初の4連勝は「たまたま」と言うが、攻撃力は大きな武器だけに今後の戦いぶりも注目だ。

 神奈川大はここまでほとんどが接戦。5戦目にして初めて点差がつく快勝を収めたが、小酒部の37点(うち3P6/8)、工藤26点(うち3P4/5)の2本柱の得点に加え、リバウンドでは10本の差をつける会心のゲームだったといえよう。この勝利を弾みに白星を増やしていけるか。

写真上:厳しいマークを受けながらも松脇は攻撃で主軸となり、ディフェンス面でも小酒部とのマッチアップは見ものだった。
写真下:ルーキーの小針はアグレッシブにプレーして良いリズムを生んだ。

※神奈川大・小酒部選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【9/9・第5戦終了時点】
日本大学   4勝1敗
白鴎大学   4勝1敗
大東文化大学 4勝1敗
東海大学   3勝2敗
専修大学   3勝2敗
青山学院大学 3勝2敗
早稲田大学  2勝3敗
神奈川大学  2勝3敗
中央大学   2勝3敗
拓殖大学   1勝4敗
明治大学   1勝4敗
筑波大学   1勝4敗


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【INTERVIEW】

「自分たちのプレーをすることが第一」
勝利を目指し淡々と役割をこなす

◆#23奥住将人(大東文化大・4年・SG)
180908okuzumi.jpg5本の3Pを含む18点。中でも3Pは東海大が流れをつかみそうな場面で効果的に決まったのが大きかった。この日は初めてという3番ポジションでのプレーもあったが、違和感なく馴染んでいた。上位キープする大東文化大は3戦目に1敗したがこの日の勝利で上位3チームが1敗で並んだ。自分たちのプレーをするだけと淡々とした様子には気負いは見られない。初のリーグタイトルをチームで勝ち取れるかどうかが見どころだ。


ー接戦から最後は東海大を振り切りました。
「後半になって自分たちのリバウンドやディフェンスからのブレイクも出て、それで結果が出たと思います。1週目でだいたい全チームを見て、東海大はやはり気をつけなければいけないチームでしたから、気を引き締めてやれました」

ー第3戦となった5日の日本大戦の敗因は何でしょうか?
「苦しい時間帯に我慢をしきれませんでした。相手の松脇(#14)などポイントゲッターにシュートを打たせてしまい、自分たちのターンオーバーから相手にブレイクを出されてハリバックできませんでした」

ー今日は負けられない1戦であったと思いますが、渋滞でチームバスが遅れたそうで、アップもできない状態で大丈夫でしたか? 今日は3Pも5本入ってかなり調子が良さそうでした。
「自分は身体が温まっていなくて、スタメンから外してもらいました。3Pが入ったのはたまたまだと思います」

ー大東文化大は春からディフェンスが良いですが、それもリーグ戦では継続して良さが見えていますね。
「昨年から出ていたメンバーがあまり変わらないのは大きいと思います。葛原さん(昨年度主将)のところが抜けた分を飴谷(#2)や後藤(#81)が意識してくれていますね」

ーオフェンス面でも熊谷選手(#12)がベンチに下がってもあまり変わりなくチームでプレーできていて、安定感を感じます。
「そこは昨年から考えて対策しながらやっている部分です。自分や浩陸(#34中村)が意識してやることが大事です。長いリーグ戦の中では航(#12熊谷)も調子が悪い日があるかもしれません。そんなときも影響を感じさせないように頑張りたいと思います」

ーインカレで優勝してから追われる意識はあるのでしょうか?
「春のトーナメントで優勝できなかったので、それはないです。チャレンジャー精神でガツガツやっていきたいです。それでまずはリーグ、そしてインカレの頂点を目指していきたいです」

ー大東文化大としてもリーグ戦のタイトルは持っていないだけに、欲しいところですね。まだ先は長いですが、今後どのようなところを意識していきたいですか?
「自分たちの武器であるディフェンスからのブレイクを出したバスケットです。また、うちは留学生が2人いてそこではイニシアチブを持っています。そこで自分や航、浩陸が引きつけて決められるかが重要です。そういう部分を意識してやっていきたいですね」

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「自分がやらなければならない」
初の1部リーグにエースとして挑むニュースター

◆#75小酒部 泰暉(神奈川大・2年・SF)
180908osakabe2.jpg37得点9リバウンド、3Pは6本と圧巻のプレーでチームを勝利に導く活躍を見せた。まだ2年ながらチームのエースであることを自覚し、1部のキャリアのある選手たちと渡り合って遜色ないプレーを見せている。山北というあまり馴染みのない神奈川の高校出身で、目立ったキャリアはない。もともと大学でバスケットをする考えはあまりなく、神奈川大に誘われたことで決めたという。跳躍力を活かしたダイナミックなプレーの持ち主だが、今年に入り3Pも新たな武器として付け加え、まだ伸び盛りの選手だ。各チームのエースたちとのマッチアップも楽しいという若きエースがここからどのようなプレーを見せてくれるか楽しみだ。


ー今日はいいゲームでした。
「第4戦は自分が駄目で負けてしまいました。でも自分がエースとしてやらなければいけないという自覚があったので、入りから強気で行くということで臨みました」

ー自分がやる、というのは2年になってから自覚したことなんでしょうか?
「そうですね。幸嶋さんにエースという感じで認めていただいたので、自分がやらなければということを考えつつ、チーム一丸になれたらと思っています」

ー昨年も良い働きをしていましたが、この春から3Pもリバウンドも何もかもレベルアップした気がします。去年からできる感覚だったのか、それとも2年目に成長できているのかというのは。
「去年はジャンプシュートとドライブくらいしか武器がなかったんです。練習も最初はなかなかついていけず大変でした。でも1部になればそれだけでは守られてしまうので、外がないとドライブも生きないし、幸嶋さんにも言われて3Pも練習してきました」

ーでは今年から3Pを練習している感じなんですね。
「昨年のインカレの拓大戦で、3点差か5点差だかの場面で自分が3Pを決めきれなくて悔いが残りました。それで練習をしました。足りないところはいろいろありますが。ゲームライクな状況で打つようにやってきています」

ー今日はマッチアップの松脇選手(#14)との打ち合いもすごかったです。彼はディフェンスもしっかりしていますが、打ちづらくはなかったですか?
「味方がディフェンスでずらしてくれていたので、そこは大丈夫でした」

ー初の1部、4戦までずっと接戦でした。手応えはいかがですか?
「全部接戦ですが、最後は勝たないと意味がないと思ってやっています。でも負けた試合はすぐに切り替えることを意識して、試合が始まれば勝つということだけ考えてやっています」

ー初戦、2戦の最後のプレーは小酒部選手でしたが、非常に印象的でした。惜しいだけで終わらず勝っていくことを第一に、ということですね。まだ始まったばかりですが、1部リーグでどんなところを見せたいですか?
「チームで勝つことはもちろんですが、それを踏まえつつ自分が点やリバウンドを取ることが大事ですね。個人的には勝負強さを身につけていきたいです。第4戦では自分が本当に駄目でメンタルが弱くて自分が出せなかったので、そういう強さはまだありません。心の強さを身につけることが必要です。自分は波があったら駄目な立場なので、それをなくしていきたいです」

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「強気な気持ちを見せることが大事」
主将としてチームを導く強固な意識

◆#15石井悠太(青山学院大・4年・主将・PG)
180908isii.jpg攻めあぐねていた場面の3Pやファウルを誘うプレーなど、接戦の中でチームを勇気づけるプレーを連発し、勝利を引き寄せた。最初の2戦は2点、4点と得点が振るわずプレータイムも伸びなかった。チームでのミーティングで意識を変え、彼自身も強い気持ちを持って試合に臨むことでその後は3連勝。上向き傾向だ。春は良さを見せつつも結果が出なかったチームだけに、秋はぜひとも納得のいくものを手にしたいところ。そのためには石井の言う「気持ち」が大事になる場面は今後も何度もあるだろうし、彼がそれを牽引していくことが大事になるだろう。


ーハードなゲームでした。石井選手のシュートが大事なところで何本も決まりましたね。
「このリーグが始まって個人的にシュートが入らず、相手チームからも(シュートが)ないと言われてとても悔しかったので、シューティングをしようという気持ちがすごくありました。リーグが始まってまだ短い期間ですが、シュート練習をよりしたのもあるし、廣瀬さんやスタッフも続けろと言ってくれました。それで自信を持って打って、いい形になったと思います」

ー夏は例年同様厳しい練習を積んできていると思いますが、最初はそれが結果に出ないというリーグの入りでした。
「夏の練習は結構したんですが、夏のままリーグにふわっと入ってしまったのがあります。リーグという感じではなく曖昧な感じになってしまった、最初の2戦は気づいたら負けていたという不完全燃焼のゲームでした。2敗してチーム全員でミーティングをしました。勝ちたい気持ちはあるんだろうけれどそれをもっとプレーに出さないとせっかくの練習ももったいない。もっともっと全員で勝ちに行こうと話して、そこから3連勝できました。だから気持ちの部分がとても大きいなと思うし、チームとしても最初の土日よりまとまってきていると思います。やってきたことに自信はあるし、それをやりきろうとミーティングでは話しました」

ー相手の波多選手(#14)も熱い気持ちが見えて、相手のプライドのぶつかり合いも激しかったですね。
「学生スポーツはやはり4年生が大事です。2敗して昨年のOBも連絡をくれたりして、最後は4年だからと言ってくれました。だから頑張らないとと思っています」

ー4年生という意味では戸田晃輔選手(#20)の怪我があって残念でしたが、その分も頑張りたいですね。
「戦力的にはマイナスになっていると思います。あいつのためにも頑張ろうという意識もチームに出てきました。このアクシデントは決していいことだったわけではないです。いいことではない。でも一つの方向に向けたというのはあるので前向きに捉えて頑張りたいです」

ー4年生としてこのリーグでチームに伝えたいこと、見せたいことは?
「最初の2試合は個人的には不甲斐ない内容でした。でも強気な気持ちを見せることだ何より一番だと思います。それが次のインカレ、そして来年にもつながってくれればいいし、印象に残る選手になりたいですね」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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