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2018.06.10 (Sun)

【2018西日本インカレ】6/10 決勝 近畿大VS京都産業大

何度もリードが入れ替わる激しい競り合いも
近畿大が振り切り今季2冠目のタイトル奪取


180610KINDAI.jpg
 全関でも決勝を戦った近畿大京都産業大が、この西日本インカレでも最後の舞台まで勝ち進んだ。近畿大はこの大会も制し、関西3冠、そしてインカレでの上位入りへの足がかりとしたい立ち位置。一方の京産大は、全関で押し切られた悔しさを糧に、そして昨年のリーグ王者のプライドにかけて、今回こそは是が非でも勝ちを掴みたいところ。試合は1ヶ月前と同様、終盤まで何度も流れが行き来する白熱した展開が続くこととなった。

写真:優勝を決め、今村と榎田が喜びを噛み締めた。

180610SAMBU.jpg 全関の準決勝では途中から敷いたゾーンで一旦流れを掴んだ京産大。この日は、開始後早い段階からこの形で迎え撃った。ただ、近畿大はそれには動じず#36榎田(2年・PF)の得点で先制、#0パトリック(1年・C・東山)もペイント内で得点し先行。京産大は、立ち上がりからなかなか中にボールを集められず、スタートは確率を上げられない単発なものに。その間にも近畿大は#36榎田の3P、#0パトリックのインサイドが効果的に決まる。京産大はそれでもゾーンを続け、#24大庭(3年・SG)の3Pなどで反撃態勢に。#0パトリックの高さには苦しむが、その中でも#23サンブ(1年・C・沼津中央)、#38リンダー(3年・PF)のリバウンドシュートなどで、1Qのビハインドは2点に止めた。

 2Q、京産大は#10上田(1年・SG・尽誠学園)がいきなり3Pを決めて逆転に成功。だが直後に#24大庭、#10上田が相次いで2回目をコールされてしまう。近畿大は#24今村(3年・PF)、#9濱高(4年・SG)が落ち着いてジャンプシュートを続けて再度リード。京産大はこの間にも#23サンブが2ファウル、#10上田は3ファウルとなってしまい悪い流れを断ち切れない。#0パトリックの連続得点が決まり、近畿大は9点リードとなった。しかし、#3高田(4年・PG)が意地の3Pを決めると、ようやく京産大は息を吹き返した。#14川口(3年・SG)のミドル、#24大庭の3Pも出て詰め寄る。先ほどまでの好ムードから一転、近畿大はバイオレーションも続いて無得点が続く。京産大はなおも攻め立て、#3高田、#14川口の3Pが続きまたも逆転した。ただ、#0パトリックの強さは前半残り僅かのこの時間帯も緩まず、リバウンドシュートを決める。すると最後は#36榎田が大きな3Pを決め、これで前半終了。流れが何度も揺れ動いたが、38−37でこのQも近畿大リードとなった。

180610IMAMURA.jpg 後半もシーソーゲームが続く。近畿大#33濱田(3年・PG)が3Pを決めたのもつかの間、京産大は#23サンブが3連続得点を決め、更に#10上田も3Pも続いてルーキーコンビがチームを盛り上げる。しかしタイムアウトを挟んでまたも近畿大が反撃。次の一本を決められない京産大を尻目に、#33濱田の3Pなどで追いつき、#0パトリックのゴール下で一気にひっくり返した。京産大は#23サンブが3つ目をコールされるも、それをものともせずにバスケットカウントを獲得し、退かない。ただ、このQも最後の流れは近畿大に。#24今村のバスケットカウントと、#36榎田の得点も続いて、結局4点リードでシソーゲームは最終Qを迎えることとなった。

 ここまで何度もリードが入れ替わったこの試合。4Qも#23サンブが得点したことでまたも京産大がリードを奪うかと思われた。近畿大も、#0パトリックが4つ目を吹かれて苦しいが、そのパトリックがこぼれ球を押し込んで、リードを死守。京産大は、ベンチから入った#1永尾(2年・PG)が果敢なドライブで食いさがるが、#0パトリックの高さをどうしても止められず、この時間帯は一時我慢比べの様相を呈した。残り5分を切り、近畿大は#36榎田が3Pのバスケットカウントを獲得し場内を沸かせる。負けじと京産大も#14川口が3Pで返すが、#24今村のドライブにパトリックのゴール下も続いて残り3分で8点差とし、勝利に近づく。全関の悔しさを晴らしたい京産大。タイムアウトを挟んで#23サンブのポストプレー、#3高田のバスケットカウントで、僅かな間でシュート一本差にはこぎつけた。しかし同点を狙った#24大庭の3Pは外れ、続くオフェンスで近畿大は#0パトリックがバスケットカウント。ワンスローも落ち着いて決めた。京産大はまたも#3高田が3Pを決めて場内をどよめかせるが、これも残り32.3秒、#0パトリックのリバウンドシュートに帳消しにされる形となってしまった。京産大はなおも外から狙うが決められず、最後に#38リンダーが意地のシュートを決めるが、その時点で勝負あった。最終的に73−70とした近畿大が、全関に続く関西2冠目を勝ち取った。


180610KAWAGUCHI.jpg 全関決勝戦と同様、シーソーゲームの様相となったこの試合。どちらに転ぶか分からない展開だったが、高田が「ディフェンスからブレイクという形が少なくなってしまった」と話すように、京産大はパトリックのインサイドに苦しみ、思うようなバスケットをなかなか強調出来なかった。高田、川口のアウトサイドが効果的に決まったものの、それは決して自分たち本来の形ではない。昨年は最終的には関西トップの座を掴んだが、今年はここまであと一歩の戦績が続く。夏の期間を使って力の底上げを図り、秋こそはタイトルを奪い返せるか。

 近畿大にとって相手の3Pラッシュは計算外だったようだが、強みのインサイドで最後まで優勢に立ち続け、動揺する表情は見せず。苦手とするゾーンへの対応も、一定のものを見せてくれた。リーグでは3年ぶりの関西3冠をかけることとなるが、これまでより一層包囲網が厳しくなるのは目に見えている。気の抜けない2ヶ月となるが、インカレでの上位進出も狙えるポテンシャルもあるだけに、もう一段上の力を示せるかに注目が集まる。


写真上:京産大サンブは、パトリックに苦しみながらも奮戦。個人としても、秋は巻き返しが期待される選手だ。
写真中:近畿大は下級生のプレーが目立った中、今村も堅実なシュートで貢献を見せた。
写真下:ベンチスタートとなった川口が2本の3Pを決めた京産大。ルーキーの台頭が目を引くが、意地を見せた。

※近畿大・濱田選手、榎田選手、パトリック選手、京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「対策されても、その上をいくプレーをみんなでやれたら」
板についてきた冷静なフロアリーダーぶり

◆#33濱田貴流馬(近畿大・3年・PG)
180610HAMADA.jpg メインガードとなって、これが2大会目。試合後に見せていた安堵の表情は全関と変わらずとも、ガードとしてのプレーぶりと、その表情にも、以前よりも余裕が生まれてきた印象が強い。個性の強い面々をうまく司り、リーグでも引き続き頂点に挑んでいく。


—出だしから京産大がゾーンを敷いてきました。
「実際問題として、昨日(準決勝)の段階で関大がゾーンをやってくるんじゃないかという意識もあって、京産にされる分には想定内でした」

—ゾーンへの攻めは上手くいきましたか。
「少し相手が特殊な動きをしていたんですけど、全関が終わってから先生から『毎日5分でも良いからゾーンの形は確認しよう』という話もあったんで、落ち着いて攻めることは出来たと思います。余裕を持ってやれました」

—全関同様に、パトリックのファウルトラブルもありました。
「今大会はディフェンスをテーマとしてやってきて、ファウルが混んでしまうことも考えながらやっていました。パトリックや濱高さんがファウルでいない時に、無理に勝ちにいかなくてもつなぎ切る時間も必要でした。それも結果につながったのかなと思います」

—ディフェンスに力を入れるというのが今大会のテーマと聞いていますが、今日も手応えは感じましたか。
「リング下は守れたとは思いますけど、全関でやられなかった選手、例えば高田さんや川口にやられていた部分があったので、次にやる時はリング下と3Pの部分を守りきれるようにはしたいですね」

—今回の勝利はどう活かしていきたいですか。
「今回も勝たせてもらって、近大がどうしても周りからすればターゲットになってくると思います。そこで受け身にならずにチャレンジャーとして戦うことが大事だと思うんで、対策されたとしても、その上をいくプレーをみんなでやれたらなと思います」

—今大会もアシスト王でした。パトリックへのワンパスも、精度が上がってきたと感じるのでは?
「パトリックは、常に面は取ろうとしてくれているので、そこで僕が入れるか入れないか次第だとも感じています。コミュニケーションを取りながら、リング下でいける時はいくし、無理なら一旦サイドに開かせておいて、という考えはあったので、お互いにミスもあったんですけど(苦笑)、めげずにどこかで上手くいけばいいねと話していました」

—夏場はどのように過ごしたいですか。
「またここから少し期間が空くんですけど、次に公式戦を戦う時にもう2段階くらいレベルアップしておきたいと思っていますし、各ポジションでも今回で出来ることが見つかったと思います。みんなで話し合ってレベルアップできるようにしていきたいです」

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「相手によってプレーを変えられることが自分の強み」
多彩なスコアリングセンスを更に磨き込み、もう一段上へ

◆#36榎田拓真(近畿大・2年・PF)
180610ENOKIDA.jpg 3P王獲得には本人もやや驚いたような感覚もあったようだが、恵まれた体格と、多彩なシュートセンスを武器にルーキーイヤーの昨年から目立った活躍を見せていた。ここに来てスタメン起用も増え、このチームに欠かせない存在となっている。まだ下級生の立場。この先が非常に楽しみなプレーヤーだ。


—個人賞も獲得し、充実した大会だったと思います。
「外の調子が良かったことが個人賞につながったんですけど、中のプレーが少なかったです。切っていけるところでも、切っていかなかった場面があったことが反省点です」

—いろいろなプレーができる選手という印象があるのですが、ご自身で一番自信を持っている部分は?
「相手のディフェンスによってプレーの幅を広げてきたんです。相手のディフェンスによってプレーを変えられることが、自分の強みだと思っています」

—これまでのプレーぶりから、シューターというイメージはあまりありませんが、3P王でした。
「そうですね(笑)。個人賞があるということは分かっていますけど、自分でもあんまり意識していなくて。今日来てみたら、チームメイトから『お前、今3P1位じゃん』と言われたんですけど、全然知らなかったです。ただ空いたら打つという感じだったので、みんながフリーを作ってくれて、良いパスをもらえたことが要因だと思います」

—シュートの調子自体は良かったんですか。
「うーん、普通くらいだったかなと思います。正直確率的にはまだまだなので、確率を上げていけばもっとチームに貢献できるんじゃないかと思います」

—今大会から完全にスタメンに定着しましたね。
「全関ではスタメンだったり、ベンチだったりという感じだったので、全試合スタメンというのは今大会からですね。去年の段階では『ゲームに絡めれば良いかな』くらいに思っていたので、メインのメンバーになったことで充実感はあります。でもまだまだ足りない部分がたくさんあるので、そういうところではもうちょっとだと感じています」

—足りない部分とは?
「ディフェンスもまだまだ甘い部分がありますし、昨日もピックアップミスでやられたところがありました。僕がもっと先行してディフェンスに戻って、チームを盛り上げていけたら良いなと思います。昨日や今日のゲームを通じての反省点ですね。全関と西日本で出た反省を、夏に修正していって次のステップに進めていけたら良いなと思います」

—リーグは関西3冠がかかります。
「相手も僕らが苦手な部分を止めようとしてくると思います。そこでまだ自分たちも頭が真っ白になって、自分たちのプレーができなくなることも多いんですよね(苦笑)。なので、これからそういうところを強化していったら大丈夫だと思います。自分たちのやるべきことを全部出し切れたら、リーグ戦も勝てると思います」

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「まだまだやらなきゃいけないことはたくさんある」
最高の結果を続けても、反省と向上心を忘れず

◆#0カロンジ パトリック(近畿大・1年・C・東山)
180610PATRICK.jpg かつて近畿大インサイドに君臨したソウの後継的存在というべきセンターは、ここまでその期待に違わぬプレーぶりを見せていると言って良いだろう。その高さ、プレーぶりは既に大学レベルでもトップクラスに近いと言って過言ではない。言葉からは、まだまだ向上したいという意思が見え隠れする。個人の課題や、チームプレーにも磨きをかけ、この先も必要不可欠なプレーヤーであり続けられるか。


—全関と同じ京産大相手でした。あの時と今回とで、相手のプレーに違いは感じましたか。
「全関の時は1Qからしょうもないファウルもあったり、自分たちのスペースも読まれている部分がありました。その時のことを何度も振り返って、この大会に向けてどうしたらいいかを考えながら、先生とも話しながら練習してきました。それとどういうプレーで吹かれやすいかということも色々考えながら、みんなとも話しながら対策してきました。今日もファウルはしてしまったんですけど、勝てて良かったです」

—今大会も優勝となりましたが、気持ち的にはいかがでしょうか。
「全関の時は、まだ自分のプレーが上手くいっていないと感じることが多くて、今回の方がプレーの出来は良かったと思っています。相手もレベルアップしていて、お互いに良いプレーが出ている中で、前よりもリバウンドやゴール下のプレーに余裕が出ていると思います。その分今回の方が嬉しい気持ちが強いです」

—近畿大の環境はいかがでしょうか。
「悪い雰囲気になったりとか、怖い先輩とかも全然いなくて学年が関係ない感じなので良い雰囲気のチームです。楽しい時は楽しいし、でも集中しなきゃいけない時は集中して、怒ったり厳しく言うべき時はそうする。自分もその中でみんなと馴染んでいけています」

—これまで全く問題ないプレーぶりという印象ですが。
「でも、まだまだやらなきゃいけないことはたくさんありますね(笑)。例えば、ゴール下だけじゃなくてアウトサイドからも打てるようにならないといけないと思います。みんなとも一緒にやっていきたいですね」

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「全関よりも確実にチーム力は上がってきている」
連続準優勝にも下を向かず、秋の巻き返しを誓う

◆#3高田颯斗(京都産業大・4年・主将・PG)
180610TAKADA.jpg いつもの淡々とした口調の中にも、さすがに悔しさが見え隠れした。勝利がちらつく時間帯もあったが、結果としては届かずに全関に続く準優勝。高確率のアウトサイドで相手を苦しめたが、それは本来の京産ではないと反省する。逆に言えば、リバウンドで優位に立てば自ずと光明は見えてくるはずだ。厳しい夏を乗り越え、京産大らしい破壊的な攻撃力を取り戻したい。


—敗因はどのようなところだと感じますか。
「リバウンドとルーズボールですね。自分たちが応戦できていても、そこでやられたことで、京産のディフェンスからブレイクという形も少なくなってしまいました」

—やりたいことが出来なかった?
「そうですね。ずっとハーフコートオフェンスになってしまって、自分たちの形が全然作れていなかったので。大庭が走って川口が3Pを打つ形を作っていきたいんですけど、全然ボールを持たせられなかったです」

—今日は開始からゾーンでしたね。
「近大に3Pが上手い選手が多くないということで、相手のリズムは崩せていたのかなとは思います。近大の点数を抑えることはできたので、そこは悪くなかったかなと思います」

—手応えも感じた試合だったと?
「全関よりも確実にチーム力は上がってきています。そこは確実に収穫です」

—高田選手の3Pで停滞を打開する場面もありましたが、ご自身のプレーぶりはいかがでしたか。
「そんなに良くはなかったです(苦笑)。ミスも出てしまったので。ずっと強い気持ちを持ってプレーできていたので、決して悪いものではなかったと感じます」

—川口選手のプレーも、今日の試合は目立ちました。
「川口もそうですし、真鍋も確実に1本決めてくれます。ガードでも永尾がずっと良いプレーを続けてくれるので、そういうメンバーが応えてくれたことは収穫ですね」

—このまま無冠では終われない気持ちが強いと思います。夏はどう過ごしたいですか。
「今年からフィジカル面で新しいコーチも来てくれたので、一段とフィジカルと体力面をレベルアップして、もっと京産らしいバスケをしていきたいです」
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