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2018.05.03 (Thu)
【2018トーナメント】5/3 準々決勝 筑波大VS青山学院大
筑波大が4Qの猛攻で追い上げ
大逆転で青山学院大を下す

写真:1点差で勝利し、歓喜に湧く筑波大。
この日の最終試合は筑波大対青山学院大という、世代別代表等の有力選手を多く抱える注目のチーム同士の戦いだった。昨年のトーナメント覇者、3連覇を狙う筑波大は、昨シーズンから怪我で欠場している#14波多(4年・SG)が未だ完全復帰できていないが、平均身長が高く#11増田(3年・PF)#88牧(3年・SG)という3年生を中心とした若いチームだ。一方青学大は機動力のある#15石井(4年・PG)を中心に、エース#13前田(4年・F)を筆頭に#14井森(3年・F)、#21納見(3年・PG)も調子を上げ、プレシーズンから安定した強さを見せている。
前半は青学大のペースで試合が進む。代表から帰ってきた#7ナナー(3年・CF)のオフェンスリバウンドから、#14井森、#21納見の連続3Pで流れを作る。筑波大は#65玉木(4年・C)、#11増田のジャンパーで応戦するが、#8菅原(2年・PG)が早い段階で2ファウルとなりベンチへ。さらに青学大のスピードとスイッチディフェンスが筑波大を苦しめる展開に。ゴール下では青学大#7ナナーが成長を見せて要となり、リバウンドも優勢となった。筑波大も前半終盤にオフェンスリバウンドに絡むものの、なかなかフィニッシュが決まらず、26-40と青学大リードで折り返す。
後半テンポアップを狙う筑波大は、オフェンスリバウンドの強化とスイッチディフェンス対策をハーフタイムで行い、ボールが早く回るようになるが、青学大の鋭いドライブと前からのディフェンスは安定していた。中を固めてスティールを狙い、走った#52赤穂(2年・PG)が、ワンパスからのタップシュートなど速いバスケを展開する。10点差以内で最終Qにつなぎたい筑波大は#88牧や#27山口(2年・SF)が3Pを決め食らいつくが、青学大#21納見がブザー間際に3Pを返し65-52と13点差とする。
第4Q序盤、筑波大の長いパスを連続スティールしブレイクに持っていく青学大だが、開始4分で4ファウルとなり、ここから筑波大が一気に攻め気を見せる。#11増田のドライブ、#33森下(2年・CF)のバスケットカウント、さらにオフェンスリバウンドにも積極的に飛び込みセカンドチャンスをものにする。ここから#88牧の3Pやジャンパーが光ると、波に乗り#8菅原の3Pが決まり、残り3分で3点差に迫る。青学大はスピードを生かし速い展開で再び点差をつけようとするが、なかなかシュートが入らない。終盤にかけて筑波大#88牧が強気のプレーを見せ、連続得点。さらに牧は残り25.7秒、囲まれながら打ったシュートでファウルをもらい、フリースローをしっかり2本沈めとうとう73-72と逆転。青学大はタイムアウトを要求し、最後のワンプレーにかける。しかし#15石井がギリギリまでボールを保持し、#52赤穂から#21納見に渡ったボールからの3Pはリングに弾かれた。しかしオフェンスリバウンドに絡み1.2秒を残し青学大のエンドスローイン。筑波大は5人全員をサイズアップさせ、ゴール下を守る。青学大はスクリーンを使って飛び込んで来た#52赤穂がゴール下を打つが、惜しくも入らず試合終了。73-72で筑波大が大逆転勝利を果たした。
筑波大は青学大のディフェンスに苦しみボールが回らず、我慢の時間が多かった。ハーフタイムにセンター陣のスクリーンを使ってディフェンスを振り切るという対策から流れが戻ってきたが、第4Q残り5分の時点で10点差。このとき吉田監督は「テンポアップをしなければならない」と考えていた。「筑波のバスケはディフェンスをしてブレイクを繰り返すこと。それを徹底していけば自然とテンポアップしてくる。それができた」と牧。準決勝の相手は大東文化大。昨年のインカレ決勝のリベンジマッチで、筑波大のペースをいかに長く継続できるかが鍵となる。
青山学院大は前半からスピードと高さを生かし、自分たちのペースに持っていくことができたものの、前田がゴール下の争いで足を痛めて前半に離脱。スコアラーを一人失い、後半終盤のシュート率の低下が敗戦につながった。しかしガード陣全員の1対1の強さ、そしてセンター陣の成長、さらに機動力のあるディフェンス力はここ数年取り組んできたものが成果としてしっかり見えてきている証だ。切り替えて最高位の5位を目指したい。
写真上:終始激しいディフェンスを受けた筑波大・増田。しかし最終盤に彼らしい動きからの得点を決め、反撃に貢献。
写真下:17点の青学大・納見。最後のシュートを託されたが惜しくも決められず。
※筑波大・牧選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
「4年生の意地にも負けない、勝ちに行く」
チームを引っ張る3年生のリーダーシップ
◆#88牧 隼人(筑波大・3年・SG)
自分がチームを引っ張る。今年の牧からはそんな強い気持ちが感じられる。昨年のキャプテン青木、エース杉浦の卒業、今年のキャプテンの波多の怪我もあり、そんな状況が彼を若いリーダーとして成長させた。この試合は決定的な場面でシュートを見事に決め、自分が勝利に導くという強い意志、そしてリーダーたらんとする姿勢をしっかりと見せた。3連覇まであと2つを勝ち抜くには、牧のコンスタントな活躍は必要になってくる。
―後半は追い上げました。前半が良くなかったですが、反省点はありますか?
「僕が一番ミスをしてしまって、そこで流れを壊してしまいました。それでもベンチにいた4年生の波多さん(#14)や太一さん(#7青木)がまだいけるぞと声を掛けてくれたことで、切らさずに試合を運べたと思います」
―菅原選手(#8)が1Qの早い時間でファウルが2つになってしまったことも痛かったですね。
「そうですね。今年は自分が1番をやる機会が増えると思います。2番の時は思いっきりプレーできる自信がありますが、1番をやる自信はそこまでないので、この1年でしっかり身に着けたいです」
―それでも大きな点差をよく詰めました。
「前半にディナイをされて、ボールをもらえない、回らないという状況でした。ハーフタイムに先生から指示があり、そこからボールがよく回るようになりました。そこからいけるなと思い始めていました。3Qは10点差以上ありましたが、思い返せば去年のリーグ戦最終戦で大逆転できた試合もありました。その時チームを引っ張っていたのは青木さんと杉浦さんで、その姿勢を見ていたし、僕もそれを引き継ぎたいと思っています」
―ハーフタイムの指示は具体的にはどのような内容でしたか?
「全てスイッチディフェンスをされていました。でもセンターのところはされないので、とりあえずセンターがスクリーンをかけて、相手とのずれを作ってから攻めるようにという指示でした」
―青山学院大の印象はどうですか?
「全員の1対1が強く、中に切ってくる選手ばかりです。特に弾(#7ナナー)のところは以前よりはるかにレベルアップしていて脅威になりました」
―先ほど吉田監督が後半テンポアップをしなければならないと話されていました。意識していましたか?
「僕たちのスタイルはディフェンスをしてブレイクを繰り返すことです。それをやれば自然とテンポアップできるので、後半にしっかりできたことでテンポアップに繋がったと思います」
―リバウンドにも絡んでいました。山口選手(#27)の飛び込みリバウンドは見事でした。
「そうですね。山口はリバウンドに徹底してくれて、そこからうまく流れを持ってくることができました」
―牧選手がリーダーシップを発揮しているような印象を受けます。チームを引っ張るという意識はしていますか?
「今回のベスト4のチームを見た時に、4年生が引っ張るチームが多く、その中で去年は青木さんや杉浦さんが引っ張ってくれましたが、今年は試合に出ている中では僕や増田(#11)ら3年がうちの上級生です。4年生の意地はもちろんあると思います。それでも僕たちは負けない、勝ちに行くという気持ちを持ってやっているので、それが今日まず出たので勝てたと思います。それでもやはり、太一さんや玉木さんが出てきてくれた時は助かる部分がありました」
―春にこのような接戦を勝ち切れたことは大きいですね。
「そうですね。高校の時から接戦は勝ち切れないという課題が自分の中にあり、モヤモヤしていましたが、今日は気持ちを切らさず自分が攻め気で勝つことができて良かったです。僕はメンタルが弱いので、調子が悪いとすぐ落ち込みます。それを直そうと思い、いつもであれば前半調子が悪いとずっと引きずりますが、今日は後半にギアをあげることができました。次の大東文化にはインカレのリベンジもしたいので、絶対に勝ちたいです」
【GAME PHOTO】

勝利し、終盤の追い上げの要だった牧を皆が取り囲みにいく。

チームを盛り上げる存在感を持つ青木。4年として問われる1年になりそうだ。

2年目にしてチームにはなくてはならない存在である菅原。司令塔としての役割もそうだが、勝負強いシュートも魅力。

ビッグマンが揃う筑波大にあって玉木もやはり4年としてさらなる活躍が問われる。

強いフィジカルを活かしてアタックしていく戸田晃輔。

ディフェンス・オフェンスともに貢献度が高まってきた戸田貫太。

前半好調だった井森は後半が当たらず。

激しいディフェンスで前半は筑波大に攻めさせなかった青学大。

春からチームメイトが「すごく成長した」と太鼓判を押していたナナー。ゴール下のプレーは稼働範囲も広がり、動きのキレがよくなった。パワー負けせずフィニッシュを狙う姿は、昨年とは大きく違う。

サイズがあり、かつボールを運べる赤穂は得難い選手。惜しくも最後のオフェンスは決められず。

サイズ的にも得点的にも前田の離脱は痛かった青山学院大。

司令塔の石井はスピードを生かして対戦相手を翻弄する。
大逆転で青山学院大を下す

写真:1点差で勝利し、歓喜に湧く筑波大。
この日の最終試合は筑波大対青山学院大という、世代別代表等の有力選手を多く抱える注目のチーム同士の戦いだった。昨年のトーナメント覇者、3連覇を狙う筑波大は、昨シーズンから怪我で欠場している#14波多(4年・SG)が未だ完全復帰できていないが、平均身長が高く#11増田(3年・PF)#88牧(3年・SG)という3年生を中心とした若いチームだ。一方青学大は機動力のある#15石井(4年・PG)を中心に、エース#13前田(4年・F)を筆頭に#14井森(3年・F)、#21納見(3年・PG)も調子を上げ、プレシーズンから安定した強さを見せている。

後半テンポアップを狙う筑波大は、オフェンスリバウンドの強化とスイッチディフェンス対策をハーフタイムで行い、ボールが早く回るようになるが、青学大の鋭いドライブと前からのディフェンスは安定していた。中を固めてスティールを狙い、走った#52赤穂(2年・PG)が、ワンパスからのタップシュートなど速いバスケを展開する。10点差以内で最終Qにつなぎたい筑波大は#88牧や#27山口(2年・SF)が3Pを決め食らいつくが、青学大#21納見がブザー間際に3Pを返し65-52と13点差とする。

筑波大は青学大のディフェンスに苦しみボールが回らず、我慢の時間が多かった。ハーフタイムにセンター陣のスクリーンを使ってディフェンスを振り切るという対策から流れが戻ってきたが、第4Q残り5分の時点で10点差。このとき吉田監督は「テンポアップをしなければならない」と考えていた。「筑波のバスケはディフェンスをしてブレイクを繰り返すこと。それを徹底していけば自然とテンポアップしてくる。それができた」と牧。準決勝の相手は大東文化大。昨年のインカレ決勝のリベンジマッチで、筑波大のペースをいかに長く継続できるかが鍵となる。
青山学院大は前半からスピードと高さを生かし、自分たちのペースに持っていくことができたものの、前田がゴール下の争いで足を痛めて前半に離脱。スコアラーを一人失い、後半終盤のシュート率の低下が敗戦につながった。しかしガード陣全員の1対1の強さ、そしてセンター陣の成長、さらに機動力のあるディフェンス力はここ数年取り組んできたものが成果としてしっかり見えてきている証だ。切り替えて最高位の5位を目指したい。
写真上:終始激しいディフェンスを受けた筑波大・増田。しかし最終盤に彼らしい動きからの得点を決め、反撃に貢献。
写真下:17点の青学大・納見。最後のシュートを託されたが惜しくも決められず。
※筑波大・牧選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
[続きを読む]
【INTERVIEW】「4年生の意地にも負けない、勝ちに行く」
チームを引っ張る3年生のリーダーシップ
◆#88牧 隼人(筑波大・3年・SG)

―後半は追い上げました。前半が良くなかったですが、反省点はありますか?
「僕が一番ミスをしてしまって、そこで流れを壊してしまいました。それでもベンチにいた4年生の波多さん(#14)や太一さん(#7青木)がまだいけるぞと声を掛けてくれたことで、切らさずに試合を運べたと思います」
―菅原選手(#8)が1Qの早い時間でファウルが2つになってしまったことも痛かったですね。
「そうですね。今年は自分が1番をやる機会が増えると思います。2番の時は思いっきりプレーできる自信がありますが、1番をやる自信はそこまでないので、この1年でしっかり身に着けたいです」
―それでも大きな点差をよく詰めました。
「前半にディナイをされて、ボールをもらえない、回らないという状況でした。ハーフタイムに先生から指示があり、そこからボールがよく回るようになりました。そこからいけるなと思い始めていました。3Qは10点差以上ありましたが、思い返せば去年のリーグ戦最終戦で大逆転できた試合もありました。その時チームを引っ張っていたのは青木さんと杉浦さんで、その姿勢を見ていたし、僕もそれを引き継ぎたいと思っています」
―ハーフタイムの指示は具体的にはどのような内容でしたか?
「全てスイッチディフェンスをされていました。でもセンターのところはされないので、とりあえずセンターがスクリーンをかけて、相手とのずれを作ってから攻めるようにという指示でした」
―青山学院大の印象はどうですか?
「全員の1対1が強く、中に切ってくる選手ばかりです。特に弾(#7ナナー)のところは以前よりはるかにレベルアップしていて脅威になりました」
―先ほど吉田監督が後半テンポアップをしなければならないと話されていました。意識していましたか?
「僕たちのスタイルはディフェンスをしてブレイクを繰り返すことです。それをやれば自然とテンポアップできるので、後半にしっかりできたことでテンポアップに繋がったと思います」
―リバウンドにも絡んでいました。山口選手(#27)の飛び込みリバウンドは見事でした。
「そうですね。山口はリバウンドに徹底してくれて、そこからうまく流れを持ってくることができました」

「今回のベスト4のチームを見た時に、4年生が引っ張るチームが多く、その中で去年は青木さんや杉浦さんが引っ張ってくれましたが、今年は試合に出ている中では僕や増田(#11)ら3年がうちの上級生です。4年生の意地はもちろんあると思います。それでも僕たちは負けない、勝ちに行くという気持ちを持ってやっているので、それが今日まず出たので勝てたと思います。それでもやはり、太一さんや玉木さんが出てきてくれた時は助かる部分がありました」
―春にこのような接戦を勝ち切れたことは大きいですね。
「そうですね。高校の時から接戦は勝ち切れないという課題が自分の中にあり、モヤモヤしていましたが、今日は気持ちを切らさず自分が攻め気で勝つことができて良かったです。僕はメンタルが弱いので、調子が悪いとすぐ落ち込みます。それを直そうと思い、いつもであれば前半調子が悪いとずっと引きずりますが、今日は後半にギアをあげることができました。次の大東文化にはインカレのリベンジもしたいので、絶対に勝ちたいです」
【GAME PHOTO】

勝利し、終盤の追い上げの要だった牧を皆が取り囲みにいく。

チームを盛り上げる存在感を持つ青木。4年として問われる1年になりそうだ。

2年目にしてチームにはなくてはならない存在である菅原。司令塔としての役割もそうだが、勝負強いシュートも魅力。

ビッグマンが揃う筑波大にあって玉木もやはり4年としてさらなる活躍が問われる。

強いフィジカルを活かしてアタックしていく戸田晃輔。

ディフェンス・オフェンスともに貢献度が高まってきた戸田貫太。

前半好調だった井森は後半が当たらず。

激しいディフェンスで前半は筑波大に攻めさせなかった青学大。

春からチームメイトが「すごく成長した」と太鼓判を押していたナナー。ゴール下のプレーは稼働範囲も広がり、動きのキレがよくなった。パワー負けせずフィニッシュを狙う姿は、昨年とは大きく違う。

サイズがあり、かつボールを運べる赤穂は得難い選手。惜しくも最後のオフェンスは決められず。

サイズ的にも得点的にも前田の離脱は痛かった青山学院大。

司令塔の石井はスピードを生かして対戦相手を翻弄する。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
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