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2018.05.02 (Wed)

【2018トーナメント】5/2レポート

ベスト8が出揃い
ここからさらにレベルの高い戦いへ


180502aoki.jpg

 下位の順位決定戦が行われない今大会では、この日負けたチームは春シーズンを終えることになる。合計8試合が行われたベスト8を懸けた戦いは、いずれも1部の強豪が勝ち残り、準々決勝へと駒を進めた。

写真:中央大は最後に出番を得た青木(中央)が仕事を果たした。


【A・Bブロック】

ベスト8は筑波大・青山学院大学・大東文化大・東海大
青山学院大は激戦ブロックで拓殖大を下す


180502tokai.jpg 東海大は#0寺嶋(3年・PG)らスピードあるガード陣が次々に速攻を決め、駒澤大を圧倒。メンバーをまんべんなく使いながらも、セカンドユニット以降も能力の高い選手たちがそれぞれ活躍し、61-86で快勝を納めた。駒澤大は2、3Qで攻撃が機能せずそれぞれ一桁得点に終わってしまった。

 拓殖大青山学院大の戦いは、出だしから大きな差がついた。拓殖大は序盤アウトサイド一辺倒となるが、これが入らない。青学大はディフェンスで相手を抑え、内外から攻めて1Qで20-7のリード。2Qになり拓殖大もやや持ち直すが、青学大も途切れず27得点で前半は47-25と大差をつけた。後半、ディフェンスにタフさが出た拓殖大が盛り返すが前半の得点差は重く、90-73で青山学院大が猟師した。

 国士舘大大東文化大相手に前半出遅れる。大東大は#12熊谷(4年・PG)を初戦からベンチに下げつつ戦う余裕を見せる。国士舘大は後半#86下(4年・PG)や#22白井(3年・F)など、3Pが当たって6点差に詰め寄る場面もあったが、要所で大東大が断ち切り、86-70で大東大がベスト8へ。
 
180502nitta.jpg 昨年優勝の筑波大は今季2部に昇格している明星大の挑戦を受けたが、終盤まで受け身の展開となった。明星大は1on1とトランジションを主体とした攻撃型チーム。サイズはないが高い機動力を誇り、それをインサイドの2m、#9シェッラ(2年・C)が補完する。サイズはあるがスピードでは劣る筑波大はこれに足がついていかず、接戦に持ち込まれた。前半は39-38と筑波大はわずか1点のリード。明星大は後半になっても勢いとスピードは落ちず、3Q半ば逆転にも成功する。58-55と筑波大3点リードで終えた4Q、しかしここで1部強豪の力を見せたのは筑波大。ファウル続きで調子の上がっていなかった#11増田(3年・PF)が連続得点で流れを作ると、#7青木(4年・SG)の3Pで遂に10点のリードに成功。明星大はここからシュートが決まらなくなってずるずると引き離されると、90-70で筑波大が勝利を納めた。
「どんなに追い詰めても切れない、やはりそこが1部であり、強かった」と明星大の芝山監督。スピードと1対1という、相手とは真逆である自分たちの持ち味は存分に魅せたが、そこに焦らない筑波大の経験値と実力に終盤はメンタル、体力も削られてしまったと認める。とはいえ、徐々に人材を揃えてステップアップし、今季は2部に挑むチーム。この戦いぶりは秋のリーグ戦に向けても多くの見どころを作りそうだ。

写真上:今年の東海大は誰が出てもほとんど遜色のないスター揃い。どこまで見せるかが楽しみだ。
写真下:圧倒的スピードで筑波大のディフェンスをかいくぐっていった明星大。新田は17得点でシェッラとともにチームハイを記録。


【C・Dブロック】

日本大・中央大・専修大・白鴎大がベスト8へ
中央大は逆転から接戦の勝負をものにする


 白鴎大と対峙した法政大は立ち上がり次々にシュートを沈めて応援団も大歓声。しかし白鴎大もその都度入れ替えして譲らぬ展開に。勝負を分けたのは3Q。法政大の攻撃が機能せずにターンオーバーが続くと白鴎大が一気に引き離して25点差とここで勝負を決し、最後は60-71で試合を終えた。

180502kanagawa.jpg 専修大神奈川大との対戦となり、優位は保ったがディフェンス巧者相手にスムーズにはいかない場面も多かった。高さでは専修大が圧倒的だが、神奈川大の執拗で徹底されたディフェンスが何度も専修大の足を止めた。神奈川大は#34工藤(4年・PF)、#30松岡(4年・PG)といった得点源や#75小酒部(2年・SF)が高い身体能力で反撃。しかし追い上げれば専修大も逃げるという展開が続き、#34盛實(3年・G)の高確率の3Pやゴール下の高さが神奈川大の反撃の芽を摘んで10点差程度を保っていく。あきらめない神奈川大は食い下がって4Q終盤3点差まで迫るが83-79で専修大が逃げ切り勝利を決めた。

180502imagawa.jpg この日最後まで目が話せなかったのは明治大中央大の一戦。高い攻撃力を持つ中央大と、バランスよくメンバーが活躍する明治大は明治大リードから中央大が互角に持ち込み、終始波のある試合展開となった。前半明治大は#10須藤(3年・SF)を中心に点数を重ね、#4小林(4年・PG)がゲームを作る。中央大は2Qでゾーンディフェンスに切り替え、得意の走る攻撃も見えたが、波に乗り切れず41‐31と明治大リードで折り返す。さらに明治大は後半、ディフェンスとリバウンドを固め、最大16点のリードを得る。しかし中央大は#2大崎(3年・CF)と#28鶴巻(4年・SF)のドライブ、#71沼倉(3年・C)のゴール下の奮闘で58‐54と3Qは4点ビハインドまで押し戻すと、第4Q序盤はシーソーゲーム。終盤、互いにファウルトラブルが厳しくなり、中央大#71沼倉(3年・C)と明治大のゴール下の要#28今川(4年・PF)が中盤から終盤にかけてファウルアウトに。インサイドで代わりに責任を担ったのが、中央大#86青木(2年・C)。同点から1点を争う中、オフェンスリバウンドからシュートをねじ込み、これが決勝点となり75‐80で中央大がベスト8に駒を進めた。明治大は4Qで得点源が機能せず、惜しい敗戦となった。

180502sugimoto.jpg 劇的な勝利で初戦に早稲田大を破った日本体育大は、日本大という次の高い山に挑んだが、1Qから苦戦した。日本大はディフェンスで日体大の足を止め、1Qから#10杉本(2年・SG)、#8ジャワラ(3年・PF)がアウトサイド、ダンクと相手の勢いを削ぐ攻撃を見せ、ゴール下では#0シェイク(2年・C)が高さを生かして12-30と圧倒。日体大は2Qに次第に速攻や3Pが出て点差を縮めて前半は11点のビハインド。粘る3Qも#50バム(1年・C・福岡第一)や#3大浦(3年・SG)のシュートで6点差まで詰め寄る奮闘を見せた。しかしこの日は日本大も#10杉本のシュートが落ちず、交替した#9島尻(2年・F)が再三のバスケットカウントを得るなどベンチメンバーも仕事をこなし、再び19点差として4Qに入る。それでもあきらめない姿勢を見せる日体大は粘って4Qも差を10点前後まで縮める戦いぶりを見せるが追いつくことまでは叶わず76-87。日本大が攻守の良さを発揮してベスト8へ進んだ。

写真上:神奈川大は泥臭いディフェンスで専修大にしぶとく粘った。
写真中:明治大は大黒柱の今川が27得点を記録するが、惜しくもファウルアウト。
写真下:32得点と気を吐いた日本大・杉本。

※神奈川大・松岡選手、中央大・鶴巻選手、日本大・青木選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「ディフェンスをやらなければ戦えない」
小さいチームが持つアドバンテージと大きい壁
◆#30松岡恭也(神奈川大・4年・PG)
180502matsuoka.jpgやはり今年の神奈川大もしぶといチームだ。粘り強く、ディフェンスからゲームを作るスタイルは変わっていない。専修大という壁は大きかったが、昨年から主力として戦ってきた松岡は、小さいながら多様なシュートセレクションで専修大から点数をもぎ取っていた。昨年を経験した同期の工藤と共にチームを作り、どこまで神奈川大らしく戦えるか今年も注目したい。


―4点差と惜しい試合になりました。
「専修大は背が高いので、平面の部分やディフェンスといった面でやり合わなければいけませんが、その部分で専修大を上回ることができなかったことがこの4点差でした。タフショットは打たせていますが、その後のリバウンドが取れずセカンドチャンスを与えてしまったことがたくさんあったので、その面を詰めていかなければいつまでも追いつけない遠い4点になってしまいます。リーグ戦までには徹底していきたいです」

―その中で一時10点差以上をつけられてもよく粘っていた印象でしたが。
「点差が離れた時に、ディフェンスがよくできました。ダブルチームからボールが飛んでスティール、さらにブレイクといういい流れは点差が離れた時はできましたが、詰まってくると自分たちのペースになりかけて、盛實くん(#34)にシュートを決められました」

―1部に昇格して、専修大のような縦にも、中には横にも大きいチームと戦っていくようになると思います。何か意識が変わったことはありますか?
「新チームに代わって、まずチームで話したことは身体を大きくしていこうということでした。でもまだまだですね」

―それでも強みのディフェンスを生かして戦っていましたね。今年も粘るディフェンスはチームの武器になりそうですね。
「そうですね。自分たちはディフェンスをやらなければバスケットにならないと思います。ディフェンスから入って良いオフェンス、フリーを5人全員でやっていくことで初めて戦えると思います」

―去年とメンバーはだいぶ変わりました。試合経験がある選手として意識することはありますか?
「去年の4年生が抜けた穴は大きいです。それでも小酒部(#75)は特に中も外もやってくれますし、リバウンドも取ってくれます。細澤(#11)も4年生でディフェンスをしっかりやってくれますし、シュートも決めてくれるのでそれほど大きな穴はないと思います。去年から試合を経験してきた人は少ないです。僕や工藤(#34)は4年なので、去年の試合に出ていなかったメンバーを自分たちが引っ張っていかなければいけません。今日の試合は引っ張り切れなかった部分がたくさんあると思うので、4年生がまずしっかりしてリーグに向けて頑張っていきます」

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エースとして、最上級生としてチームを牽引するには
「自分のやることはほとんど全部」

◆#28鶴巻啓太(中央大・4年・SF)
180502tsurumaki.jpg明治大との接戦を制し、ベスト8に進んだ中央大。この試合は出だしが不調で我慢の時間が多かった。粘り、我慢し続けた後のエースの1本はチームに大きな波を持ってくる。プレシーズンは怪我で欠場が多かったものの、トーナメントに合わせてしっかり調子を戻してきた。今年は1部として挑む最後の年。上位チームに勝つためには鶴巻の活躍は不可欠になってくる。


―ベスト8に進出です。今日の試合を振り返って。
「試合の入りから自分たちの流れが悪く、思うようなディフェンスもオフェンスもできませんでした。その時に僕たち4年生が『ここはまだ我慢しろ』とか、ずっと言い続けて最後まで粘って戦えたことが勝因であると思います」

―具体的に何を頑張ろうとしていましたか?
「ディフェンスをもちろんしつこくやるのはもちろんですが、明治大はオフェンスリバウンドが強いので、ボックスアウトをしっかりやることです。リバウンドだけとにかく頑張ろうと。シュートが入らない時もディフェンスを頑張れば問題ないということをしっかりチーム内で話し合って、それが実行できてよかったです」

―接戦でしたが、波がある試合は予想できていましたか?
「明治大に苦手意識はありませんでした。明治大はリバウンドが強いし、粘るチームで油断はできないですが、負ける気はしなかったです。でもどこかで気が緩んでいたところがあったので出だしが悪かったし、波のある試合になったと思います」

―新チームになって状況はどうでしょうか?
「1部昇格を果たして、去年の4年生の力は大きかったです。でも下級生のインサイド陣、ガード陣も去年試合に出ている人は残っていて、メンバーは揃っていると思います。今年はトーナメント戦だけでなく、リーグ戦でも上位を狙っていきたいです」

―そんな中、鶴巻選手はエースとしてチームを牽引していくと思います。どんなエースになりたいですか?
「自分が得点に絡み、アシストをする。やることはほとんど全部であるという自覚はあります。その中でも後輩にしっかりもっとコミュニケーションを取っていきたいです。まだ試合経験が少なく、不安に思う後輩もいると思うので。それをなくすためにも4年生を中心にしっかり話すことを大事にしていきたいです。練習中にはもちろんですが、練習外でも仲良くしていこうと思います」

―次はベスト4がけで、相手は日体大か日本大(インタビュー時は最終試合中)です。勝つためには何が必要でしょうか?
「両方留学生がいて、サイズがあってシューターも揃っています。まず僕たちの今までやってきたディフェンスからの走り、前から当たっていくという基本的なことをやって中央らしさを出していきたいです」

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「4年としてやれることをしっかりやりたい」
司令塔として能力あるチームを生かすために

◆#21青木裕哉(日本大・4年・PG)
180502aokin.jpg昨季はリーグ序盤の怪我で長期欠場となり、苦しい時間を過ごした。優れたスコアラーがいるチームだけに、ガードが安定して働けるかどうかはこのチームの浮沈を握る大きなポイントでもある。能力の高いウイングやインサイドの選手もかなり成長が見えてきただけに、今年青木が司令塔としてどのような働きができるかが非常に重要になる。本人もそれを十分意識しており、この先の戦いでも活躍が楽しみだ。


―今日の試合は出だしからすごく勢いがありましたね。
「初戦の東京大、次の東京成徳大と対戦したときも出だしがとても良くてい流れになりました。だから出だしを集中して入ろうとスタメンみんなで話し合ってやっています」

―昨年はそこがなかなか安定しなくて苦戦していましたが、それが改善されている大会ということですね。
「そうですね。スタメンで出ている4年は僕一人ですが、頼りになる後輩がたくさんいるので、最初から勢いに乗れればチームも力が発揮できます。チームとしてディフェンスから入ることを意志していますが、ディフェンスとリバウンドを集中して取って、オフェンスはシューターもいてインサイドもいるので、松脇(#14)、天昇(#10杉本)が入ってくれればいい流れを作っていけますね」

―昨シーズンの後半からこの春のプレシーズンもあまりディフェンスが機能していないなという印象でしたが、今日のようなディフェンスができているといいですね。
「京王電鉄杯が終わって2週間ほどですが、リバウンドが課題に上がりました。リバウンドの重要さというのを全員が気づいたと思うし、そこをみんな意識してやれていると思います。そしてもっとやらないといけないとも思います。意識はあるけどまだボックスアウトなどが徹底できていないし、それができないとベスト8からは厳しいと思います」

―青木選手は今年スタメンガードとして責任が大きいですね。
「昨年は新号さん(現・仙台89ers)がいて、チームをコントロールする方法は見てきました。周りを生かすことはそうだし、2、3年生が多いチームなので声を掛けて集中力を切らさせないようにしないといけません。4年生としてそういうやれることをしっかりやりたいです」

―新号選手も昨年4年かつガードが一人で下級生相手に苦労が見えましたが、そこは成長してきたでしょうか?
「成長しています。去年から出ているメンバーも多いし天昇(杉本)、ケイタ(シェイク)も2年、松脇もジャワラも3年になって自覚がついてきたと思います。そういう面ではいい雰囲気で今のところやれていると思います」

―昨年のトーナメントは初戦負けの悔しい結果でした。
「早い段階で負けてしまって悔しい思いをしました。ここからですけど次の中央大にも頑張りたいと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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