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2017.12.10 (Sun)

【2017関西新人戦】12/10 最終日レポート

関西新人戦は大阪体育大が制覇
年間最後の大会を笑顔で締める


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 関西では今年もインカレ閉幕から間もない12月前半のこの時期に、一年を締めくくる新人戦が行われた。インカレからのインターバル期間がほぼ無い中での開催なだけに、インカレ出場チームにはとりわけ難しい舞台。昨年、一昨年は、その年の1部リーグで下位に沈んだ同志社大や関西大が優勝を果たしている。しかし今年は、ベスト4のうち3チームがインカレ出場組。全国で味わった悔しさを来シーズンにぶつけるべく、体力的に過酷となるダブルヘッダーが当たり前の大会を勝ち進んでいった。


171210KOHNO.jpg 最終日午前中の準決勝で敗れ、3位決定戦にまわることとなったのは、昨年この大会で決勝を戦った近畿大関西大となった。立ち上がりは近畿大が好調。#36榎田(1年・PF・延岡学園)の3Pや#24今村(2年・PF)のバスケットカウントなどで上々の滑り出し。すぐに10点以上の差とする。ところがタイムアウトから一挙に関西大が流れを引き戻す。#7河野(2年・C)、#21窪田(2年・SF)といった全体チームでも主力を担う面々の活躍が光った。1Qのうちに逆転に成功すると、2Qは#6秋岡(1年・PG・岡山工業)の活躍も飛び出し逆に二桁のリードを獲得。近畿大がトラベリングやターンオーバーを犯して悪い流れを断ち切れないまま前半を終えると、後半も関西大優位の構図は変わらず。終盤にやや近畿大が詰め寄るが大勢を覆すには至らなかった。89−78で勝利の関西大が、3位の座を掴んだ。

写真:河野も10得点の関西大。来季は1部での再挑戦が控える。

※関西大・足立選手のインタビューは「続きを読む」へ。


最後の流れを呼び込んだ大阪体育大が押し切る

 決勝戦で2017年最後のタイトルを争うこととなったのは、ともにインカレは1回戦で敗れ、準備期間がほとんどない中で大会に挑んだ京都産業大大阪体育大の2校となった。

171210IKEDA.jpg 立ち上がり、まずペースを掴んだのは大阪体育大だった。早速に#7山田(2年・SG)が獲得したツースローを揃え、#30藤本(1年・PG・育英)が自ら積極的に決めていく。リーグMVPの#30大庭(2年・SF)を負傷で欠く京都産業大は、#38リンダー(2年・PF)の3Pが決まるが、#14川口(2年・SG)が当たらずにやきもきした状態が続く。大阪体育大は、なおも#18池田(1年・SF・洛南)の得点が続くなど、好リズムを切らさず。このまま6点のリードを得た状態で、最初の10分間を終えた。しかし2Q、京都産業大は#38リンダーが3Pに続いてドライブで得点し、#14川口の3Pもようやく決まるなどじわじわと詰め寄る。大阪体育大も#13大橋(2年・PF)の3Pや#7山田のフローターで返すが、1Qのようには続かない。5分頃から得点が止まり、オフェンスが単発に陥る。残り2分を切ったところで、京都産業大は#14川口が2連続3Pを沈めて、この試合初めてリードに成功。35−33という僅差ながら、京都産業大が流れを引き寄せた状態で前半終了となった。

171210KAWAGUCHI.jpg 迎えた後半開始直後、京都産業大は#0佐藤(2年・SG)のレイアップが飛び出し前半終盤の流れを維持させる。しかし大阪体育大は#7山田が3Pを決め返し食らいつく。互いにここからミスも出る中、京都産業大が抜け出しかければ大阪体育大が詰め寄る流れが続くこととなった。京都産業大がスティールから#38リンダーが走れば、大阪体育大は#5神野(2年・SG)のバスケットカウントで返す。そうかと思えば、#30藤本のランニングショットに#6中谷(2年・SG)の速攻も続いて一旦再逆転した大阪体育大に対し、#16川尻(2年・C)のゴール下や#14川口の3Pなど立て続けに決め返して京都産業大はすぐにリードを奪還。追いつ追われつの拮抗状態が続く中、4Q残り7分から流れは大阪体育大に。5点を追いかける状態で#13大橋のゴール下、#18池田の速攻で迫る。相手に息をつかせぬまま、得意の速攻で#18池田が走り再び逆転した。京都産業大はこの時間完全に後手となりピタリと得点が止まってしまった。直後に#38リンダー、#14川口両名の得点で一旦はリードを取り戻すも、そこからターンオーバーが続いてしまう。大阪体育大もミスが出るが、慌てず#30藤本、#4生越(2年・SG)、#7山田といった面々が落ち着いてシュートを決め、残り1分半で4点リードに。京都産業大は#16川尻のポストプレーで得点するが、ここからは互いに決定打が出ない形になった。最後は落ち着いてキープにまわった大阪体育大。このまま71−68としてもつれた試合を制し、新人戦優勝を決めた。


 拮抗した状態が続き、どちらに転ぶか分からない決勝だった。ともにチームの総合力の面で荒削りな部分もあったが、持ち味のファーストブレイクをこのチームでも貫いた大阪体育大が、ほんの僅かに上を行った形となった。絶対的存在だった内藤が卒業していくが、この新人戦チームで結果を得たことは自信となったはずだ。京都産業大は、エース大庭を欠く中でここまで勝ち進んだことは誇っていい部分。全体チームではまだ出番の少ないメンバーも経験を積み、大庭がいなくとも力のあるところを見せた。他チームのマークが今年以上に厳しくなるであろう来年に向け、オフシーズンも抜かりなく過ごしたい。

写真上:この1年、全体チームでもポイント出場で経験を積んだ大阪体育大・池田。来年は求められる役割も増してくる。
写真下:このところ3P率にムラのある部分が気になる京都産業大・川口だが、終わってみれば決勝は5本決めて面目躍如。

※大阪体育大・山田選手、藤本選手、京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【INTERVIEW】

「内藤さんがいなくなる分、それを少しでも埋められたら」
一層の活躍と責任感を示し、名実ともにチームの牽引役に

◆#7山田友哉(大阪体育大・2年・SG)
171210YAMADA.jpg 藤本の奮闘に助けられた決勝だったと笑うが、それでも終わってみればチーム最多タイの16得点。スコアラーとしての仕事を果たし、優勝にしっかりと貢献した。ルーキーイヤーの昨年も責任感ある言動を見せていたが、来シーズンからは上級生という立場。これまで以上にチームにおける役割は重くなる。また一歩上の結果に手が届くか。


—最後はかなり体力的につらそうでしたね。
「いやあ(苦笑)。でも巧太(#30藤本)が頑張ってくれて助かりました。最後はあいつのおかげで勝てましたね」

—アウトサイド陣は経験の多い選手が多い反面。インサイド陣は経験がやや少ないメンバーが中心という構成でした。
「インサイドで点が取れるということではなく、リバウンドが取れないことがずっと自分たちの課題でした。それで巧太とも話して、上の自分たちもリバウンドに絡もうと。うちはファーストブレイクのチームで、上のメンバーがリバウンドを取れればそのままファーストブレイクに持っていけるので、今日は自分も巧太も11本ずつ取れました。ずっと課題だったからこそ、ここで上手くやれたのかなと思います」

—この新人戦で特別にやろうとしていたことはありましたか。
「インカレに行っていて、新人戦のチームを作る時間もなかったので、そのまま行くしかないという感じでもあったんですけど、僕たちのやろうとしていることは毎年同じなので、リバウンドの対策は少ししましたけれど、あまり普段と違うことはせずにこの大会に臨みました。内藤さんや3回生も手伝ってくれて、」先輩たちにも助けられましたね」

—来年内藤選手がいなくなる分、勝ち続けていけるためのヒントを得られた大会になったのではないでしょうか。
「巧太が今大会は相当に良かったことはありますけれど、僕も以前から内藤さんにはコミュニケーションの部分で助けてもらっていて、今回は僕が巧太をアシストする形にまわりました。僕が助けられたような経験を活かせたらと思ってやっていました。新チームでは僕も点を取らないといけないですし、内藤さんが抜けた数字の部分を補うために僕も持ってレベルアップしていかないといけないと思います」

—インカレは残念な結果でしたが、感想はいかがでしょうか。
「筑波は体の大きい選手ばかりで、うちはディフェンスからファーストブレイクのチームなので、そのうちのスタイルでは通用した部分はあったと思います。もちろんかなりオフェンスリバウンドも取られてしまって、筑波もファーストブレイクに対応してきたんですけど、通用する時間帯はあったので、そこはみんな自信を持ったと思います。今日もファーストブレイクからかなり得点につなげられたので、そこをこれからも続けたいですね」

—来年は上級生という立場になります。
「来年はオフェンスで任せられる部分というのは多くなると思っていますし、任せてもらっている分チームが勝つためのプレーを求められてくると思います。その中でも上級生になるので、プレーや声の部分でチームをもっと引っ張っていけるようにしたいです。内藤さんがいなくなる分、僕がそれを少しでも埋められたらなと思います」

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「関東に通用するプレーヤー、チームに」
1年目から掴んだ手応えと新たな目標に向かって

◆#30藤本巧太(大阪体育大・1年・PG・育英)
171210FUJIMOTO.jpg 全関準決勝でチームの中心である岸田が故障。それ以来、3年生の草川とともにガードのポジションを埋めてきた。最初は分からないことだらけ、現在もまだ課題があると口にするが、1年生らしからぬ淡々と落ち着いたプレーをこなしてきた。どう転ぶか分からないギリギリの戦いではあったが、この新人戦優勝やインカレ出場は大きな自信になったはず。経験を深めて臨む来年は、もっと自分の色を出していきたい。


—優勝おめでとうございます。この結果を得る上で、何が大きかったと感じていますか。
「自分たちのペースにできない場面や、点差を開けない時に、全員で我慢して、自分たちのバスケットをやろうとして、最後には勝ちきれた部分が出たと思います」

—大学で初めてのダブルヘッダーでしたね。
「そうですね。こういう経験がなかったので最後の方はキツかったです(苦笑)。でも練習とかでもしんどい時にみんなのことを思い出してやっているので、これからもそうやっていきたいですね」

—この一年大学のレベルを経験しての感想は?
「高校とは体の当たりが全然違いますし、バスケットの考え方も全然違いました。その中でガードとしてチームメイトにどんな指示を出せば良いのかも最初は全然分からなくて。ただそういう状況でも、これからもそうですけど、誰かに聞くのではなく自分で見つけてやっていけたらなと思っています」

—そういったことは現時点でできていますか。
「少しは出来ているのかなと思うんですけど、熱くなって周りのことがあまり考えられなくなってくることもあります。そういった部分はこれから改善していきたいと思います」

—スタッフや他の選手からは、どんなことを求められていますか。
「自分は、このチームがやろうとするディフェンスとリバウントからのファーストブレイクを出していけと言われています。なので、切り替えの部分でのスピードやパスの正確さの部分を求められています。ミスが出てしまったこともあったんですけど、それは課題として修正していきたいですね」

—逆にご自身の持ち味はどのようなところにあると感じていますか。
「自分は周囲を活かしながらも自分でも点数を取るプレーヤーなので、自分が攻める時と控える時の切り替えをもっと大事にしていきたいです」

—なるほど。そういうプレーが決勝序盤に出せていましたね。意識的に攻めていったのでしょうか。
「速い展開を出すにしても、まず自分が攻めないと自分にヘルプも引きつけられないので、自分で最初に決めていけたのは良かったと思います」

—来年は2年目のシーズンとなります。
「大学で2年目なので、大学のレベルに完全に合わせるのはもう当たり前で、関東に通用するようなプレーヤーであり、チームとしてもそういうレベルに行きたいと思っています。インカレに出てみて、どうにかすれば絶対に勝てると思いました。関東相手にも勝てるチームになっていきたいです」

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「来年はどの大会でも結果を残せるようにしたい」
関西を代表するインサイドとして、一年通じての活躍を

◆#38リンダー ライアン 雅輝(京都産業大・2年・PF)
171210LINDER.jpg その安定した得点能力とリバウンド力は、全体チームでも必要不可欠な部分となっている。大庭が欠場となった今大会は、より一層存在感が際立っていた。リーグ優勝を果たし充実のシーズンだった今季だが、それでもインカレでは1回戦敗退、この大会も準優勝となるなど100点満点だったとは言えない。真に満足のできるシーズンを送るために、今の時点からの研鑽を心に誓う。


—決勝まで勝ち上がりましたが、優勝には届きませんでした。
「大庭(#30)がいないということで少しハンデはあったと思うんですけど、いなくても決勝は勝てた試合でした。大事なところでミスが出て、それが痛かったと感じます」

—インカレからすぐにこの大会ということで、難しい新人戦だったと思います。
「難しかったです。新チームも立ち上がったばかりでうまくまとまっていない面もありましたし。川口もなかなか調子が上がってこなかったですし。大庭もいないので、自分がしっかり点を取りにいかないといけないとは思っていました」

—この2年間で、ご自身の成長度合いはどのくらい感じていますか。
「リバウンドの面はずっと続けてきていることなんですけれど、アウトサイドのシュートの確率が上がってきて、それは成長したかなと感じる部分ですね」

—入学から初めてタイトルを獲得した一年でしたが、来年はどんな一年にしたいですか。
「リーグ戦では優勝できてタイトルも取れたんですけど、全関や西日本インカレなんかでは全然結果が残せていないので、来年はどの大会でも結果を残せるようにしたいです」

—課題は春にあると思います。去年も今年も、春は満足な結果が出ていません。
「今年も去年も、勝てる試合を落としています。まだ最初の段階ではチームもうまく出来上がっていなくて、リーグ戦には仕上がっているような部分もあるので。来年はしっかり出来上がった状態で臨んでいきたいです」

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「全員がチームを引っ張る気持ちならやっていける」
返り咲く1部リーグを、参加するだけでは終わらない

◆#0足立臣哉(関西大・2年・PG)
171210ADACHI.jpg 昨年に続いての優勝を目指した今大会は3位。最後はやや消化不良の感覚も残ったが、接戦をこなす中で課題だったと話すコミュニケーションの部分では改善の兆しが見えたという。2部所属ながらも、今季は関西で存在感十分の戦績を残した関西大。リーグでは1部再挑戦となる来年は、真価の問われるシーズンとなる。


—この大会のチームのテーマは?
「1、2回生のメンバー同士でコミュニケーション能力の面でこれまで足りない部分がありました。しんどい場面で声をかけあうということが、練習でもなかなかできていなくて。それを改善していくというのは、みんなでやろうと言っていました」

—優勝した昨年と比較して、不足していたと感じる部分はありますか。
「球際の争いや、チャンスでもミスをしてしまったりと、そうしたことでオフェンスの回数が減ってしまいました。ミスをミスのままとしてしまったというか、そういう部分が去年よりも大きかったと思います」

—昨年に比べると、全体チームでの経験の少ないメンバーも多かったと思いますが、その影響は?
「そうですね。ただ1回生は今大会で成長してきたと思います。試合経験がなくても、がむしゃらにやってくれていたと思います」

—それでも3位ということで、収穫も多かったと思います。
「課題であったコミュニケーションの部分では、試合を重ねるごとに出来てきたと思っています。準決勝の京産相手の時も、全員が最後まで諦めない気持ちを出して自分たちで追い上げていけたので、それは良かったと思います」

—来年は2年ぶりの1部になりますが、どんなシーズンにしたいですか。
「去年はずっと井上さんがキャプテンで自分たちを引っ張ってくれて、インカレには行けなかったんですけど、最後まで良い思いをさせてもらいました。そういう引っ張ってくれた人がいなくなっても、今の3回生に頼るのではなくて、全員がチームを引っ張っていくんだという気持ちを持てばやっていけるということがこの大会で分かりました。これからも1回生も2回生も、チームを盛り上げていけるようにやっていきたいです」
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