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2017.11.22 (Wed)
【2017インカレ】11/22 東海大VS専修大(2回戦)
東海大が関東2位の専修大を破りベスト8へ
優勝候補の一角はベスト16で姿を消す

関東2位の専修大と関東9位、今季のリーグ戦は大きく明暗が分かれたが、インカレは何が起こるかわからない。特に今季のように差がない状態ではなおさらだ。その、わからない勝負を勝利したのは東海大だった。
立ち上がりは一気に東海大が駆け抜けた。速いトランジションを生かして次々に得点し、専修大はディフェンスで対応できずオフェンスでも崩れた。しかし2Qには#11秋山(4年・G)や#10大澤(3年・F)の3Pで落ち着き、33-32と追いついて前半終了。
3Q、専修大は#11秋山が好調を持続し、3Pを2連続で沈めた。東海大はディフェンスからターンオーバーを奪って速い展開に持ち込み、#22笹倉(2年・PG)、#0寺嶋(2年・PG)らが起点となって得点していく。専修大は残り2分から#12西野(1年・G・近大附属)の得点や#14髙澤(4年・SG)のミドルシュートも決まり52-57と逆転。
4Q、東海大はフリースローで加点が続く。専修大は外を打っていくが決まらず、#12西野も4ファウルと苦しくなると、#30アブ(2年・C)をコートに戻した。ここから点の取り合いになり何度も逆転が続く状況になるが、残り1分20秒、#91山本が弾いたボールが#19西田(1年・PG・福大大濠)の速攻につながり、ここで東海大が勝機を掴んだ。ここでリードを握った東海大に対し、専修大は残りの時間を#34盛實(2年・G)、#14髙澤ら得点力のある選手に懸けるが、東海大のディナイの前にきれいに打ち切ることはかなわず77-74。東海大は関東2位を倒し、ベスト8へ名乗りを上げた。
「良(#0寺嶋)と怜寿(#22笹倉)がこのリーグ戦で一番成長した」と陸川監督。体力面の強化でディフェンス力が向上し、元々持っていた得点力と相まってチームの力を押し上げる存在となっている。そこにこの試合ではリーグ後半から好調だった4年生の山本をスタメンに入れたが、その活躍がチームを支えた。盛實、アブへの対策はしてきていたが、西野、大澤というスモールラインナップが前半の終わりに機能しなかった感触もあり、専修大がゾーンを出さなかったことなども勝機を持ってこられたと言う。「ディフェンスで崩れずにそこから走るということができなかったのが、リーグ戦で自滅した原因」と分析。リーグ戦の途中からは基礎練習に切り替え、フットワークから東海大のディフェンスを取り戻してきた。まさにここから、という状況で再び蘇った東海大。次はベスト4をかけて白鴎大と対戦する。
一方、アブへのディフェンス対応を練ってきていると踏み、高さと機動力、得点力を備えた西野を5番として長く稼働させた専修大。西野は30分、アブは20分の出場だった。東海大はアブが出て来ることを警戒し、専修大は西野を使った方がかき回せると考えた、まさに読み合いの面白さがこの試合にはあった。それぞれの考えが当たっていたことは、どちらに転ぶか最後までわからなかったことからもわかるが、勝負を決めたのはディフェンスだった。互いにディフェンスを標榜するチーム同士ではあったが、最後は東海大が守りから試合を制した。
写真上:東海大・笹倉は12点。寺嶋とともに速い展開から相手にダメージを与えていく。
写真下:196cmでありながら器用で中も外もこなせる西野は14得点。ルーキーでこれだけの存在感を示せる選手はなかなかいない。この経験を次に生かして欲しい。
※東海大・山本選手、専修大・佐々木監督のコメントは「続きを読む」へ。
「最後の大会、後輩にちゃんと見せたい
いくつもの怪我を乗り越え、最後にかける意気込み
◆#91山本健太(東海大・4年・PF)

瞬発力のあるジャンプ力を持ち味に期待されてきたが、ここまで怪我続きでなかなかコートに立つ機会がなかった。辞めたいとは思わなかったが自暴自棄になったことがあると言う。それでも副キャプテンとして夏はチームを引っ張り、自分自身も律して練習に臨む態度も変え、ここまできた。スタメンに起用されたこの大事な一戦、17点でチームハイを記録したシュートのみならず、陸川監督に「ザックのよう」と言われた勝負を分けた大事な場面、ボールを見事に弾き、ディフェンスから流れを東海大に持ってきた。
「(試合を振り返り、自身も活躍した)自分たちの持ち味はやはりディフェンス。インカレに絞って基礎のディフェンスを一からやってきました。自分は体を張るプレーが持ち味。後輩にはそこを見せていきたいなと思っていました。ボールをカットしたときは夢中でしたが、陸さんにも『ザックみたいだ』※と言ってもらいました。そんなに意識していたプレーではなかったんですが。
※東海大出身のアルバルク東京、ザック・バランスキーのこと。
(副キャプテンとして夏は練習を引っ張った)ユニバ組がいないとき、自分は副キャプテンだったし、自分たち4年が引っ張っていかなければいけないなと。それまで卓磨(#23佐藤)に任せきりだったのをやらなくてはと思いました。陸さんには代理のキャプテンを任命されて、リーダーシップを取るために結構練習中もいろんなことを言いました。永太郎(#40岩松)と二人で。自分は技術的にそこまで言えないので、気持ち面とかチームが悪くならないように口酸っぱく言っていました。
(春は危機感があると佐藤選手が言っていた。他の4年はどうだったのか?)勝てない時期が続いていたので、どうしたらいいのか改善点がなかなか見えませんでした。でも自分たちが原点回帰してディフェンスをするしかないなと。今できることを考えるしかなかったです。何かしら行動を起こす必要があって、練習の入りとか自主練とか、シューティングもずっと続けています。自分は最後の大会、後輩に見せられるのはここだけだと思ってこの大会は臨んでいます」
(ホームゲームの活躍を見て陸川監督が山本を使おう、と考えた。自分ではどう思っていたのか)下級生のときはホームゲームに出られなかったし、出てもほんの少しでした。まず試合に出られるのが楽しいというのを感じました。そして4年の意地もあってそういう結果が出て、陸さんも評価してくれたのかなと思います」
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「もっとディフェンスとリバウンドを高めないと」
反省とともにチームを作ってくれた4年生に感謝
◆佐々木優一監督(専修大学)
「(試合を振り返って)ゲームの頭のところで東海の勢いに煽られて自分たちのバスケットを見失っていました。でも今年のチームはリーグ戦でも沈んだところで持ち直したように、どうやっていけばいいのかを理解していたので、2Qの頭のところで巻き返してイーブンに持ってこられました。それが今年の強さです。ただ、後半にはどちらに転んでもわからないゲーム展開だったので、全員が自分でやることをやれていたのかなと思います。負けはしましたが、胸を張って更衣室を出ていって欲しいと言いました。
(インサイドの起用について。アブ選手を入れるタイミングは)大澤(#10)を4番、西野(#12)を5番にしたときにかなり機能していたので、悪くなればフィリップ(#30)がいると伝えてやらせました。西野が機能していたのと、フィリップへの対策はされていると思ったので、西野の方が東海が対応に困っていたかもというのがあって、西野を長く使いました。
(最後の時間帯はPGを砥綿選手にした)秋山が足がつっていたのもあって、そこで砥綿(#26)が入って自分の仕事をしっかりしてくれました。
(勝つためにまだ何が足りないか)負けているときはリバウンドで劣っているとき。専修大学はオフェンスがいいという評価をもらっていますが、そこでは勝てないと思います。ディフェンスとリバウンドをもっとチームとしても個人としても高めることが、優勝に近づくのに必要なところだと思います。
(2003年、2004年頃の佐々木監督が現役時代も華やかな選手が揃っていて強かったが、そのときもディフェンスへの意識は強かったのか)タレントが揃っていると言われましたが、当時を見直してみるとロースコアのゲームが多く、やはりディフェンスとリバウンドというものは自分たちも必要性を感じていました。リバウンドに関しては波多野、長澤、大宮が自分たちで取り合うぐらいの気迫がありました。そういうゲームができれば得点が取れなくても必ず優勝はできます。そこを今の選手たちに気づかせてあげたいし、変えていくことが必要だなと思います。
(今年は4年生がまとまっていたことが強みでもあった)リーグの途中で4連敗したときもそうですが、4年生が選手たちを集めて話し合ってくれました。自分たちも下級生が多く、そこまでプレータイムがない中で負けたときはつらかったと思います。でもキャプテンの安保(#15)を中心に結束して、変えていったことがリーグで浮上できた理由です。そこに3、2、1年もついていきました。これから新チームになるにあたって、なぜ去年はいいチームになれたのか考えてもらえたらと。ただ強いだけのチームは脆いと思うんです。だけどいいチーム、強いチームになれた理由を考えて、伝統を積み上げていってくれれば来年も上を目指せると思います。そこは下級生には4年の背中を見て欲しいし、こういうチームを作ってくれた4年生には本当に感謝しています」
優勝候補の一角はベスト16で姿を消す

関東2位の専修大と関東9位、今季のリーグ戦は大きく明暗が分かれたが、インカレは何が起こるかわからない。特に今季のように差がない状態ではなおさらだ。その、わからない勝負を勝利したのは東海大だった。
立ち上がりは一気に東海大が駆け抜けた。速いトランジションを生かして次々に得点し、専修大はディフェンスで対応できずオフェンスでも崩れた。しかし2Qには#11秋山(4年・G)や#10大澤(3年・F)の3Pで落ち着き、33-32と追いついて前半終了。

4Q、東海大はフリースローで加点が続く。専修大は外を打っていくが決まらず、#12西野も4ファウルと苦しくなると、#30アブ(2年・C)をコートに戻した。ここから点の取り合いになり何度も逆転が続く状況になるが、残り1分20秒、#91山本が弾いたボールが#19西田(1年・PG・福大大濠)の速攻につながり、ここで東海大が勝機を掴んだ。ここでリードを握った東海大に対し、専修大は残りの時間を#34盛實(2年・G)、#14髙澤ら得点力のある選手に懸けるが、東海大のディナイの前にきれいに打ち切ることはかなわず77-74。東海大は関東2位を倒し、ベスト8へ名乗りを上げた。
「良(#0寺嶋)と怜寿(#22笹倉)がこのリーグ戦で一番成長した」と陸川監督。体力面の強化でディフェンス力が向上し、元々持っていた得点力と相まってチームの力を押し上げる存在となっている。そこにこの試合ではリーグ後半から好調だった4年生の山本をスタメンに入れたが、その活躍がチームを支えた。盛實、アブへの対策はしてきていたが、西野、大澤というスモールラインナップが前半の終わりに機能しなかった感触もあり、専修大がゾーンを出さなかったことなども勝機を持ってこられたと言う。「ディフェンスで崩れずにそこから走るということができなかったのが、リーグ戦で自滅した原因」と分析。リーグ戦の途中からは基礎練習に切り替え、フットワークから東海大のディフェンスを取り戻してきた。まさにここから、という状況で再び蘇った東海大。次はベスト4をかけて白鴎大と対戦する。

写真上:東海大・笹倉は12点。寺嶋とともに速い展開から相手にダメージを与えていく。
写真下:196cmでありながら器用で中も外もこなせる西野は14得点。ルーキーでこれだけの存在感を示せる選手はなかなかいない。この経験を次に生かして欲しい。
※東海大・山本選手、専修大・佐々木監督のコメントは「続きを読む」へ。
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【COMMENT】「最後の大会、後輩にちゃんと見せたい
いくつもの怪我を乗り越え、最後にかける意気込み
◆#91山本健太(東海大・4年・PF)

瞬発力のあるジャンプ力を持ち味に期待されてきたが、ここまで怪我続きでなかなかコートに立つ機会がなかった。辞めたいとは思わなかったが自暴自棄になったことがあると言う。それでも副キャプテンとして夏はチームを引っ張り、自分自身も律して練習に臨む態度も変え、ここまできた。スタメンに起用されたこの大事な一戦、17点でチームハイを記録したシュートのみならず、陸川監督に「ザックのよう」と言われた勝負を分けた大事な場面、ボールを見事に弾き、ディフェンスから流れを東海大に持ってきた。
「(試合を振り返り、自身も活躍した)自分たちの持ち味はやはりディフェンス。インカレに絞って基礎のディフェンスを一からやってきました。自分は体を張るプレーが持ち味。後輩にはそこを見せていきたいなと思っていました。ボールをカットしたときは夢中でしたが、陸さんにも『ザックみたいだ』※と言ってもらいました。そんなに意識していたプレーではなかったんですが。
※東海大出身のアルバルク東京、ザック・バランスキーのこと。
(副キャプテンとして夏は練習を引っ張った)ユニバ組がいないとき、自分は副キャプテンだったし、自分たち4年が引っ張っていかなければいけないなと。それまで卓磨(#23佐藤)に任せきりだったのをやらなくてはと思いました。陸さんには代理のキャプテンを任命されて、リーダーシップを取るために結構練習中もいろんなことを言いました。永太郎(#40岩松)と二人で。自分は技術的にそこまで言えないので、気持ち面とかチームが悪くならないように口酸っぱく言っていました。

(ホームゲームの活躍を見て陸川監督が山本を使おう、と考えた。自分ではどう思っていたのか)下級生のときはホームゲームに出られなかったし、出てもほんの少しでした。まず試合に出られるのが楽しいというのを感じました。そして4年の意地もあってそういう結果が出て、陸さんも評価してくれたのかなと思います」
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「もっとディフェンスとリバウンドを高めないと」
反省とともにチームを作ってくれた4年生に感謝
◆佐々木優一監督(専修大学)
「(試合を振り返って)ゲームの頭のところで東海の勢いに煽られて自分たちのバスケットを見失っていました。でも今年のチームはリーグ戦でも沈んだところで持ち直したように、どうやっていけばいいのかを理解していたので、2Qの頭のところで巻き返してイーブンに持ってこられました。それが今年の強さです。ただ、後半にはどちらに転んでもわからないゲーム展開だったので、全員が自分でやることをやれていたのかなと思います。負けはしましたが、胸を張って更衣室を出ていって欲しいと言いました。
(インサイドの起用について。アブ選手を入れるタイミングは)大澤(#10)を4番、西野(#12)を5番にしたときにかなり機能していたので、悪くなればフィリップ(#30)がいると伝えてやらせました。西野が機能していたのと、フィリップへの対策はされていると思ったので、西野の方が東海が対応に困っていたかもというのがあって、西野を長く使いました。
(最後の時間帯はPGを砥綿選手にした)秋山が足がつっていたのもあって、そこで砥綿(#26)が入って自分の仕事をしっかりしてくれました。
(勝つためにまだ何が足りないか)負けているときはリバウンドで劣っているとき。専修大学はオフェンスがいいという評価をもらっていますが、そこでは勝てないと思います。ディフェンスとリバウンドをもっとチームとしても個人としても高めることが、優勝に近づくのに必要なところだと思います。
(2003年、2004年頃の佐々木監督が現役時代も華やかな選手が揃っていて強かったが、そのときもディフェンスへの意識は強かったのか)タレントが揃っていると言われましたが、当時を見直してみるとロースコアのゲームが多く、やはりディフェンスとリバウンドというものは自分たちも必要性を感じていました。リバウンドに関しては波多野、長澤、大宮が自分たちで取り合うぐらいの気迫がありました。そういうゲームができれば得点が取れなくても必ず優勝はできます。そこを今の選手たちに気づかせてあげたいし、変えていくことが必要だなと思います。
(今年は4年生がまとまっていたことが強みでもあった)リーグの途中で4連敗したときもそうですが、4年生が選手たちを集めて話し合ってくれました。自分たちも下級生が多く、そこまでプレータイムがない中で負けたときはつらかったと思います。でもキャプテンの安保(#15)を中心に結束して、変えていったことがリーグで浮上できた理由です。そこに3、2、1年もついていきました。これから新チームになるにあたって、なぜ去年はいいチームになれたのか考えてもらえたらと。ただ強いだけのチームは脆いと思うんです。だけどいいチーム、強いチームになれた理由を考えて、伝統を積み上げていってくれれば来年も上を目指せると思います。そこは下級生には4年の背中を見て欲しいし、こういうチームを作ってくれた4年生には本当に感謝しています」
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