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2017.10.09 (Mon)

【2017関西リーグ1部】中盤戦(9/13〜10/9)レポート

着地点の見えてきたリーグの構図
単独首位には京都産業大が浮上


 関西1部リーグは、全体の3分の2にあたる12日目までの日程を消化した。このリーグ戦は、序盤こそ力関係が見えづらい構図だったものの、残り3週6試合となった中で優勝争い、インカレ出場権争い、残留争いを演じる各チームの立ち位置もはっきりしてきた状況だ。

171010OOBA.jpg まず優勝争いは、3位以下に2勝以上の差をつけた京都産業大大阪学院大の2チームに事実上絞られている。ともに今年の関西で屈指のラインナップを擁し、合わせて内外のバランスも良く、ここまで隙の少ない戦いを続けてきた。ただ両者1巡目を終了した段階では1敗で併走だったが、12日目に大阪学院大が流通科学大に足元を掬われたことで、一歩後退。これにより京都産業大が単独首位に立った。とはいえ、最終日に直接対決が組まれているため、星1つの差では追いかける側もこれ以上離されなければ、自力の逆転優勝は可能。これから終盤にかけては、対戦するチームもインカレ出場や1部残留をかけて必死に立ち向かってくる。実際に首位の京都産業大も、大阪学院大が2敗目を喫した直後のゲームで天理大に苦しめられての辛勝だった。どちらも気は抜けない。最後まで緊迫した争いになることを期待したい。

 3~5位は、関西学院大大阪体育大近畿大の3チームが勝ち点数で並んでいる。この順位争いはここまで星の差がなかなか広がらず、まさに三つ巴。1巡目5位だった関西学院大が、2巡目に入ってから大阪体育大と近畿大を相次いで撃破し3連勝を果たしたことで、一気に分からなくなった。仮に3チームが同率で並べば当該チーム間の対戦で3勝1敗の関西学院大有利だが、この先もし崩れるようなことがあれば途端に苦しくなる。最終的には、最後の大阪体育大と近畿大による直接対決に順位決定が委ねられる可能性もある。自動的にインカレ出場権を手にできる4位以内をめぐる攻防も、最後まで続くことになりそうだ。

171010KIM.jpg 下位5チームは、全て勝ち点差1ずつとなっている。現状では、序盤は黒星が先行していた大阪産業大が勝ち点5の6位とやや抜けた格好となった。3位集団との勝ち点差は3つでインカレ出場はやや苦しいが、1部残留という意味では優位。その大阪産業大を1差で追いかける7位の流通科学大も2巡目で大阪学院大に勝利するなど、一瞬の爆発力は上位チームに引けを取らない。入替え戦回避となる7位以上を確保するためにも、この先の取りこぼしを抑えていきたい。

 それ以下では、天理大がいまだ8位と苦しいポジションにいる。しかし2巡目入ると京都産業大相手にあわやという試合を演じるなど、低迷打破の光が見え始めた。長年関西を牽引してきたプライドにかけて、このままでは終われないだろう。8位では2部3位との入替え戦行きとなるが、それは避けたいところだ。9位の大阪経済大と、最下位の立命館大は厳しい戦いが続いている。最終順位が10位となれば2部への自動降格となるのが関西リーグの過酷な部分。この先は順位で接近しているチームとの対戦が組まれているだけに、そこを一つでも多く制すことが自動降格回避には必須だ。

【第12日目終了時点】
京都産業大学 勝ち点11
大阪学院大学 勝ち点10
関西学院大学 勝ち点8
大阪体育大学 勝ち点8
近畿大学   勝ち点8
大阪産業大学 勝ち点5
流通科学大学 勝ち点4
天理大学   勝ち点3
大阪経済大学 勝ち点2
立命館大学  勝ち点1

写真上:京都産業大は、このリーグでも大庭がコンスタントな活躍を見せる。
写真下:黒星先行の状態から勝率5割にまで戻してきた大阪産業大。金がエースに相応しい活躍を見せている。

※京都産業大・会田選手、大阪学院大・吉井選手、関西学院大・古家選手、大阪体育大・内藤選手、近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「とにかく自分にできることはしっかりやろうと」
恵まれた体格を活かして京産大インサイドの中心に

◆#21会田太朗(京都産業大・3年・C)
171010AIDA.jpgガーナ人の父と、日本人の母とのハーフのセンター。これまではまだまだ荒削りな部分が多かったが、今大会から完全にスタメンに定着した。身長自体の高さもさることながら、長い腕を存分に活かしたプレーは、対戦相手には脅威そのもの。これからは疲労もピークに差し掛かる時期に入るが、それでも変わらずゴール下を支え続け、優勝へ邁進したい。


—好調なチームですが、ご自身がチームで求められていることは何だと感じていますか。
「自分の役割は、リバウンドやインサイドでの力強いプレーが求められていると思っています。そこをしっかり全うしようと思ってやっているだけです」

—この1年間での一気に成長してきた印象ですが、その中で意識されていたことは?
「チームに求められている課題についてしっかり考えてプレーすることで、それができてきたと思っています」

—その課題とはどういったものですか。
「ディフェンスとかブレイクとか、そういう基本的なことですね。それにフィジカルもしっかり鍛えてトレーニングもやってきたので」

—リンダー選手(#38)や大庭選手(#30)もリバウンドに絡んでくる中で、ご自身にしかできないと思う役割はありますか。
「いや、特にそんなに考えていないんですけど(笑)、とにかく自分にできることはしっかりやろうと思ってやっています」

—昨年は平面のバスケットが中心のチームでしたが、会田選手が安定したことでハーフコートのバスケットにも確度が向上した印象があります。
「いや、まだまだだと思っています(苦笑)。もっとしっかり決められるところは決めていかないといけないと思います。そうすればもっと安定していくと思います」

—残り試合で、優勝に向けて修正していく必要のあるところはどのような部分でしょうか。
「シュートが入らない時に、どうしてもディフェンスが疎かになってしまう部分があります。シュートが入らなくてもディフェンスからしっかりやっていけるように気を引き締めていきたいです」

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「練習から試合をイメージして、あとは全部勝つ」
よもやの取りこぼしを今後の試合でぶつける

171010YOSHII.jpg◆#8吉井裕鷹(大阪学院大・1年・SF・大阪学院大高)
全関から早速スタートのメンバーとなり、このリーグ戦でももちろん中心的存在として奮闘中。敗れた流通科学大戦ではさすがに苦い表情を見せていたが、スタメンを託されているからこその責任感ゆえに感じる部分も多かっただろう。それを今後への糧とし、まだまだ可能性のある優勝へ巻き返しを誓う。


—好調だっただけに、この負け(対流通科学大)は不思議に映りました。
「僕個人は、気持ちの問題だと思っています。相手のシュートがたまたま入っただけじゃなくて、全然自分も決めきれなくて。普通にやっていれば勝てる相手だったと思うので……。僕はいつも通りのつもりだったんですけど、どこかに油断があったのかもしれないです」

—これを踏まえて残りのリーグ戦は気を引き締め直す気持ちだと思います。
「実際の試合でこうなってしまった限り、試合の間の調整をしっかりやらないといけないです。今日は見てもらったら分かる通り、ゴール下が全然入らなくて、それが続くとボールももらいたくない気持ちにもなってしまったので、練習の時からも公式試合をイメージして調整していくことで、これからの試合は調子を戻して、あとは全部勝っていきたいです」

—春にお話を伺った際には、体力面にまだ不安があると話していましたが、その点はいかがでしょうか。
「春よりは体力面の不安はないんですけど、あとは気持ちの問題ですね」

—この経験は、この先に必ず活きるはずです。
「そうですね。こういう状況でも自分で立て直していけるメンタルを4年間で培っていきたいと思います」

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「2巡目は全勝して少しでも優勝に近づけられるように」
新スタイル変化のための切り込み役

◆#13古家 凛(関西学院大・2年・PG)
171010FURUIE.jpgここに来てスタメンに本格定着した2年生。ルーキーだった昨年は、経験不足もあり自信を持ちきれない中でコートに立っていたというが、今年は堂々としたプレーぶり。スピーディさを押し出す方向に舵を切ったチームに不可欠な存在だ。じわりと順位を押し上げているとはいえ、4位以上を確保できる確証があるわけではない。残り6試合で、これまで以上に大胆かつ冷静にチームを引き締めていく。


—1巡目は何とか勝ち越しという星取りでしたが、2巡目の3連戦は見事な3連勝でした。
「そこは完全に大喜さん(#22堤)が戻ってきてくれたおかげです(笑)。自分自身も楽になりましたし、チームとしても核になる選手が戻ってきたので、自分がガードでやるよりも中野さん(#76)も寿樹さん(#10松原)もプレーしやすいと思います。自分はそこでフォローするようにして、それがうまく噛み合ってきているのかなと思います」

—今シーズンからのチームバスケットがかなり浸透してきたように思います。
「大喜さんはボールをキープするタイプですけど、自分はドリブル突破とかでスピードを持ったプレーや速攻を使うのが持ち味で、その間での緩急の使い方が自分なりに分かってきて、行くべきところと抑えるべきところを、大喜さんと声をかけあってプレーできています。それがこれまでと違うところですね」

—堤選手以外にも足立選手(#15)や八角選手(#29)が交代でコートに立ちますが、それぞれの特徴に合わせることも難しいのでは?
「そうですね。でもそれが自分自身にとって身になってきている部分があります。相手も対応しづらいと思うんですよね。八角さんも祐太さん(足立)も違う持ち味があるので。それがうまく噛み合ってチームの総合力が上がっているのかなと思います」

—昨年もプレータイムを得ていましたが、今年は昨年と何か違う部分はありますか。
「自信を持ってプレーできている部分が違うと思います。去年は自信なくプレーしていた部分があって、今は経験してきた、貢献してきたという実感があるので、その自信がプレーにも出ているのかなと思います」

—得点後に、相手がバックコートから運ぼうとする場面でのスティールを効果的に決められています。あれは意識されているプレーなんでしょうか。
「高校があんな感じのチームだったんですよ。ディフェンスのそういった部分は自分の良いところだと思っています。それも含めて貢献していくのが自分の役目だと思っています」

—3位で他チームに並びましたが、残り6試合での油断は禁物です。
「1巡目は負けてはいけないチームに負けたりして厳しい状況でしたけど、色んな選手が試合に出て総合力が上がっていると思います。今は、2巡目は全勝という目標なので、少しでも優勝に近づけられるように頑張りたいなと思います」

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「自分がチームを支えられるようにしないといけない」
引き立ててくれるチームメイト、応援団に報いる心積もり

◆#9内藤健太(大阪体育大・4年・SF)
171010NAITO.jpgリーグ序盤はおとなしい印象もあったが、試合を重ねるごとに本来のスコアリングセンスが出てきている。地震でも自らの役割と心得ている得点面に加え、リバウンドの部分でも果たしている役割は大きい。優勝は厳しくなっているが、自身これまで手が届きそうでまだ叶っていないインカレ出場には十分チャンスがある。常に盛り立ててくれる応援団のためにも、今年こそチームを全国の舞台へ導きたいところだ。


—12試合で8勝という戦いぶり、率直にどのような受け止めでしょうか。
「リーグ前はもちろん優勝を目指してやっていて、でも最初の学院戦、京産戦で2連敗してしまって。目標自体は変わらないですけど、チームの雰囲気も落ち込んだ部分がありました。でもそこから連勝することができて、今の戦績についてはみんな手応えを感じています」

—内容面でも受け止め方は悪くはないと?
「リーグ戦を追うごとに良くなってきて、それぞれの個性も出るようになってきています。内容的に良い感じになってきたということは、みんな思っていることだと思います」

—試合に絡む4回生がほとんど内藤選手だけという時期もあり、精神的にチームを盛り立てることも求められていると思います。
「初めの方はそう思って、何とかしなきゃいけない、点を取らなきゃいけない気持ちが噛み合わずに気負いすぎて、自分らしいプレーができていなかったんですけど、後輩たちが、内藤さんがプレーに集中できるようにとベンチから声を出してやってくれているので、そこは後輩に感謝しています」

—そのプレーぶりですが、ご自身ではどのように感じていますか。
「まだ全然自分の中では合格点ではないです。ここからは大事な試合が続くことになるので、支えてもらった分、自分がチームを支えられるようにしたいですね」

—残り試合に向けて、修正すべき点は?
「チーム状態は良くなってきているんですけど、チームが若いだけあってミスが続くと雰囲気が悪くなってしまって、本来できているプレーができていない部分があります。練習中からもミスの後の切り替えが大事だと言っているので、そこを修正していけばもっといい戦いができると思います」

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「先のことは考えずに、一つ一つの試合をどう戦っていくか」
厳しい状況でも頂点奪還を決して諦めない

◆#24今村拓夢(近畿大・2年・PF)
171010IMAMURA.jpg大型選手不在が泣き所の近畿大にあって、高い跳躍力を誇り春からずっとインサイドを担ってきた。体力的な厳しさを覗かせつつも、それでもリバウンドに跳び続ける献身性の高さが光っている。昨年チームは終盤にかけて失速し、入替え戦を強いられた。だが、今年は明らかに立場が違う。厳しい順位争いを勝ち抜き、インカレ出場権は絶対に手にする気持ちだ。


—敗れた試合はあるものの、チームは概ね好調ですね。
「去年も1巡目は良かったんですけど、2巡目に崩れたらチームの雰囲気も悪くなって、そのまま入替え戦に行ってしまって。今年は負けた試合もありましたけど、良い雰囲気は保てています」

—1巡目の後半には少々負けも込んでしまって、危ない時期だったかもしれませんが。
「近大は個々の能力が高い分、我が強い部分があるので(苦笑)。チームスポーツじゃなくなってしまった部分が出てしまったことが、負けた原因でもあります。ただそこはキャプテン(#3岡田)がしっかり声をかけてくれます」

—今村選手自身はどのようなことを意識してプレーしているのでしょう。
「去年は控えだったんですが、今年はスタメンになって責任感も感じますし、求められる仕事も増えてきています。点を取ることとリバウンドなんですけど、そこを頑張ってやっています」

—昨年もリバウンド面の仕事は求められていたことと思いますが、あれだけ跳んで走ってを繰り返すのは体にも堪えると思います。
「確かに負担は大きいです。それでも勝つためならやるしかないですね。榎田(#36)も試合に絡んでくるようになって、自分も楽になりましたし、期待しています」

—榎田選手も良い意味で遠慮なく先輩たちに思ったことを言っていますよね。
「そうですね。でも、もっと言って欲しいと思っています(笑)」

—少し優勝は厳しいですが、インカレ出場権は最低限確保する必要があります。
「優勝は確かに厳しいですけど、優勝に対する気持ちを持つことは大事だと思います。とにかく先のことは考えずに、一つ一つの試合をどう戦っていくかが重要だと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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