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2017.06.11 (Sun)

【2017新人戦】6/11 決勝 東海大VS日本大

劇的なシュートで東海大が逆転勝利
日本大はわずかワンゴール差に涙を飲む


170611sugimoto.jpg 3年ぶりの王座を目指す東海大と、勝てば2000年以来となる日本大の戦いになった新人戦の決勝は、最後の最後まで競り合う、見ごたえのある試合となった。1Qは互いに3Pを決め合う形で始まり、ブレイクが出た東海大がやや先行。しかし日本大は#10杉本(1年・SG・土浦日大)のバスケットカウントを皮切りに、#0シェイク(1年・C・北陸)の208cmの高さを生かしたゴール下などで逆転。18-19で1Qを終える。2Qも点差はつかず、互いにターンオーバーからの速攻、日本大は#44松脇(2年・G)、東海大は#19西田(1年・SG・福大大濠)といった得点力ある選手が3Pを沈め、激しいルーズボール争いも展開された。終盤に#0シェイクのシュートやオフェンスリバウンドが決まった日本大は、最後にブザーとともに#44松脇が3Pを沈め、激しい競り合いから30-40と抜け出して前半を終えた。

 3Q、立ち上がりでシュートが決まらない日本大に対し、東海大は#25平岩(2年・C)が奮起。フリースロー、#0シェイクをかわしてのゴール下など次々に決めて5連続ゴール。追い上げられる日本大はなんとかこらえ、50-56と6点リードで4Qに入った。

170611hiraiwa.jpg 東海大の4Qは#0寺嶋(2年・PG)が見せた。内外からのシュートを3連続で決めると一気に2点差まで迫った。日本大は決めきれずにリングからこぼれるシュートが続き、得点がストップ。東海大はさらに#0寺嶋のシュートで同点に追いつくと、残り5分で勝負を降り出しに戻す。日本大は#44松脇の3P、#48ジャワラ(2年・CF)のシュートが決まって逃げるが、東海大は#19西田の3Pで残り1分半に1点差に詰める。さらにスローインから#19西田にボールが渡り、これが決まると残り1分に東海大が逆転。ファウルが続いて苦しくなる日本大に対し、東海大は#28津屋(1年・SF・洛南)がフリースローを決めて69-67。勝負は残り27秒に託された。日本大は激しいプレッシャーを受けながら#10杉本のタフショットが見事に決まり残り10.8秒で同点に。しかし最後のオフェンスで東海大はフリーの#22笹倉(2年・PG)のジャンパーがブザーと同時に沈み、71-69。劇的な勝利を納めた。

170611tokai_20170823115754710.jpg 前半、東海大は日本大シェイクの高さに苦しんだが、3Qの平岩の奮闘ぶりで持ち直し、後半の勢いにつなげた。ディフェンスでも松脇、杉本へのディナイは厳しく、簡単にシュートさせる場面は多くはなかった。昨年は不本意な初戦敗退。1部の強豪である東海大のようなチームでもこうしたことが起こるのが、新人戦であり、トーナメント戦の怖さだ。だが、昨年の悔しさを見事に晴らす結果となった。

 日本大は松脇、杉本ら高い得点力を持つシューターに加え、シェイク、ジャワラといったビッグマンの貢献が光る大会だった。勝負強さを見せて勝ち上がったが、それも初戦敗退となってしまったトーナメントの悔しさを晴らそうという思いもあったようだ。昨年のスタメンだった上級生が多く抜けた日本大だが、この下級生たちが持ち味を生かして成長していけば、来年、再来年とますます面白いチームになっていきそうだ。

写真上:ここ一番の強さで何度も見せ場を作った日本大・杉本。
写真中:東海大は3Qの平岩の思い切りのいいプレーが流れを引き寄せた。
写真下:決勝点を決めた笹倉に、寺嶋が抱きつく。

※東海大・笹倉選手、西田選手、日本大・ジャワラ選手、藤井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「最後はリラックスして打てた」
冷静にディフェンスに集中した末の決勝点

◆#22笹倉怜寿(東海大・2年・PG)
170611sasakura1.jpg昨年の主力を占めた4年生が抜け、特にガードポジションはどの選手にもチャンスがあった。その中で春のトーナメントではケガによる離脱は残念だっただろう。だがその落胆や悔しさなどをあまり表に出さない。冷静に自分やチームの状況、戦況から求められる役割を見極め、それに徹した。決勝点について持ち上げられてもはにかむばかりだが、リーグ戦に向けては「他の人にはできないようなところで勝負したい」と鋭い言葉も飛び出す。笹倉のバランス感覚がチームにどのような影響をもたらすか、楽しみにしたい。


―優勝おめでとうございます。
「素直に優勝できて嬉しいですし、チームの底上げができて上級生に危機感を持たせることができたんじゃないかと思うので、リーグ戦・インカレにつながる大会になりました」

―決勝を振り返って。
「個人的には序盤から全然シュートが入らず、その中で自分は何をやらなければいけないのかと冷静に考えたとき、うちはディフェンスのチームなのでそれを必死にやろうと、とにかくディフェンスに集中しました。マツ(日大#44松脇)とは高校の時からよくやりあっていて、たくさん点を取るのでいやだなあと思っていたのですが、今日のマッチアップは天昇(日大#10杉本)でした。2人はどちらかが当たったらどちらかはよくないというパターンがあるので、天昇にだけは点を取られないようにと。正直苦しかったですが、寺島(#0)だったり交代で出てきた春日(#38)だったり、もちろん玄(#25平岩)、西田(#19)たち全員が最後まで引っ張ってくれた。最初から最後まで皆に助けてもらいました。それもあって最後にボールが来たら決めなきゃなと思っていたので、よかったです」

―勝負強さの光るブザービーターでした。
「ボールが回ってくる前にコーナーにいたのですが、陸さん(陸川監督)と目が合ってにこっと笑ってくれたんです。それがリラックスして打てた一つの要因だと思います」

―展開としてはずっとビハインドでしたが、ディフェンスをやっていればいつか追いつけるという気持ちはありましたか?
「前日に玄と、もしうちが最初に大量リードしたらマツと天昇が開き直ってポンポン打ち始めるのでそれはちょっとよくない。4Q残り3分までじりじりついていって最後にポンと前に出よう、なんて話していて、それが本当にうまくいきました。自分は試合途中は忘れていたのですが、最後に玄に『ほら』と言われて、話していた通りだ、と」

―笹倉選手としてはトーナメントはケガで出場できませんでした。その悔しさも晴らせましたか?
「陸さんに『調整しろ』と言われたときに、『ああ、これはトーナメントじゃないな、もう新人戦に向けてだな』と思ったので、それからはやるべきことをやろうと自主練だったりを重ねてきました。つらい期間でしたが、今は美味しいところだけもっていってすみませんという感じもあります」

―リーグ戦につながるというお話でしたが、全体チームではどのようにアピールしていきますか。
「やはりポジション争いがないとチームは成長しません。上級生・下級生関係なく、自分がスタメンを取ってやろうという選手がどんどん出てくればさらにチームがよくなると思います。自分は人にはできないようなところ、特別に足が速かったりジャンプ力があったりとかはないので頭を使ったバスケットだったり冷静なプレーで勝負したいです。ただ、今大会を通してバックアップがどれだけ大切かというのもわかりました。たとえスタメンではなくてもやることは同じだと思うので、自分のやるべきことをやっていきます」

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「周りを生かすという考え方も出てきた春」
持ち前の能力に加え、見えてきた進化の片鱗

◆#19西田優大(東海大・1年・SG・福大大濠)
170611nisida1.jpg今年度の新人賞を獲得した西田は、トーナメントの時点でも既にチームに欠かせない選手として活躍。U19としても期待をされている選手だ。本来は2番だが、チームに怪我人が出たことや、才能を買われて1番も経験。本人の自己採点では決勝でのプレーはまだまだという様子が感じられたが、プレー幅を広げた春は大きな意味もある。日本代表という肩書を背負っているだけに、小さな世界ではとどまっていられない。枠に囚われないで成長して欲しい選手の一人だ。


ー接戦からの見事な優勝でした。チームとしては東海大はディフェンスがまず第一というのがありますが、個人的に掲げていたテーマはありますか?
「個人的にはやはり点を取ることを意識してやっていましたね」

ー誰でも点が取れるメンバーですが、それでもやはり得点については考えていたと。
「もちろん無理をして打たないというのはあります。タフショットで外してしまうとチームに迷惑がかかります。それはしないで、打てるところで打とうと考えていました」

ーその上で決勝の出来は自分としてはいかがですか?
「最初に1本入って調子がいいかなと思ったんですが、その後入らなかったので、そこで少しネガティブになってディフェンスでやられてしまった部分もありました。でもみんながカバーしてくれて、感謝したいと思います」

ー相手エースへのディフェンスはいかがでしたか?
「シュートが上手いので、ドライブされたくないと思いながら間合いを詰めないといけないし、本当に難しかったです」

ー本来は2番ですが、トーナメントからガードとしてのプレーもしています。ガードを経験していることで良い面はありますか?
「ドライブしたときとか、合わせなどのパスを見られるようになってきていると思います。今までは点を取ることがメインだったので、ドライブをしてしまうと視野が狭くなっていたんですが、その部分は周りを生かすという考え方も出てきました」

ー1年生ですが全体チームとしてもスタメンで春から出場しています。東海大で学べていることはありますか?大濠とは違う?
「大濠もフォーメーションを使うことも多いので、大濠でやってきたことがそのまま生きてきているのかなとも思います」

ーここから秋につなげていきたいかと思いますが、ライバルとなる選手もチーム内に数多くいますね。
「白戸さん(#11)だったり、内田さん(#15)だったり、同じポジションで争いが激しくなると思うので、そこで負けないようにしっかり戦ってスタメンを取りたいと思います」

ーシュートで言うとスムーズさが西田選手の良い部分かなと思いますが、ガードも視野の広さがあるし、もっとプレー幅が広がりそうな器用さは感じます。
「シュートはなるべく省エネでいきたいタイプなので…(笑)。プレー幅は広げていきたいのはありますね。この身長(188cm)なので、将来的には1番ができる選手になりたいと思っています」


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「チームも個人もディフェンス面が成長できた」
4番ポジションとして着実にステップを上がる

◆#48ジャワラ・ジョゼフ(日本大・2年・CF)
170611jawara1.jpg決勝はブザービーターによる逆転負け。だが、試合後の表情は沈むばかりではなかった。チームとしても個人としても成長の実感を掴めたからに違いない。何より「楽しめた」という言葉は、日大らしくできた、とほぼ同義である。全体チームにもシューターは揃っており、新加入の#0シェイクとの息がさらに合っていけば、中・外とも死角のないチームの完成も夢ではない。


―まず、決勝の舞台にはどう臨みましたか。
「ひとつの山場と考えていた筑波大との準々決勝を延長で逆転という形で勝てて、勢いに乗って決勝まで来られたので『もう、楽しんだもん勝ちだ』と皆で話して、決勝は楽しもうという気持ちで臨みました。それでも最初はちょっと緊張してしまった場面もあったのですが、皆がシュートを決めていくうちにだんだん慣れてきて。最後はああいう負け方になってしまいましたが、楽しめました」

―相手が東海大ということで、どのような対策を考えていましたか?
「平岩(#25)も、マッチアップした中村(#16)もサイズがあって自分より大きいので、ボックスアウトしてリバウンドは取らせないようにと言われていました。なのにしっかりボックスアウトしきれず何本か取られてしまった場面があって、そこは後悔というか、もっとやれたかなというのがあります」

―それでもリバウンドやルーズボールを取りに行く意識は伝わってきました。
「リバウンドを取りに行こうとはしていたのですが、終盤、西田(東海大#19)の打った3Pシュートのこぼれ球とか、自分が取れていればという場面がありました」

―展開としては、ずっとリードしていましたが、そのリードを広げきれなかったところがあったのでは?
「それはありましたね。7点くらい差を開けたとき、それ以上は簡単には開ききれなくて。前半終わって10点差あったのですが、後半は0-0のつもりでやろう、もっと差を開こうと思って入りました。でもやはり大事なところのリバウンドとか、セカンドチャンスを与えてしまったところがあって、そういう部分で自分たちの甘さが出てしまったと思います。相手どうこうというより、自分たちの問題です」

―では大会全体を通して、成長したと思うところを教えてください。
「チームとしては、トーナメントは初戦で負けてしまったのですが、そのときはケイタ(#0シェイク)とのプレイが噛み合っておらず、ケイタのプレイタイムも多くありませんでした。この新人戦ではケイタを中心にして、外はマツ(#44松脇)とか天昇(#10杉本)とか、中外バランスよく攻めていこうと。あとはオフェンスよりもディフェンスを頑張ろうとずっとやってきたので、やはりディフェンス面がいちばん成長できたと思います」

―練習も去年と比べてディフェンスの割合が多かったのでしょうか?
「去年の今頃は、ディフェンスの練習もなかったわけでないのですが、ナンバープレーや戦略的なメニューが中心でした。今年は春からフットワークだったりをやってきたので、そういうのもディフェンスの強化につながっているのかなと感じています」

―ジャワラ選手個人としても、プレーの幅が広がっているように見えます。
「去年はチーム全体のサイズの問題で自分が5番ポジションをやっていたのですが、今年の春からケイタ、嶋田(#59)といった2m前後の選手が入ってきてくれたので、自分と軍司(#17)が4番でやるという形になりました。自分の身長だと5番ではミスマッチになってしまっていたのが、4番なら今日交代で出てきた津屋(東海大#28)にしても自分より小さくてサイズを活かせるので、やりやすさはあります。ただ、まだ全然やりきれていないところもあって。たとえばケイタへのパスも準決勝はカットばかりされていて、もっと丁寧にパスを入れたりとかしていきたい。(しいて挙げるなら)ディフェンスと、外回りのシュートが前よりは少し成長できたかなと思います。シュートは練習してきたのでもっと決めたいですね。リーグ戦までにハンドリングも磨いて、4番としてチームに貢献できるようにやっていきたいです」

―新人戦チームは雰囲気のよさも印象的でしたが、それも全体チームに活かしていけそうですか。
「そうですね、天昇とかがノリがよくて盛り上げてくれて、アップのときもいい意味でリラックスして笑えていたので、それで気持ちよく試合に臨めました。1・2年に限らず明るいメンバーが多く、全体的にいい感じでやれています」

―この手応えとあと1歩だった悔しさを、リーグ戦にはどうつなげていきますか?
「また上級生と合流してやっていくにあたって、この新人戦で通用した部分と通用しなかった部分を自分の中で整理して、いい部分は伸ばして、悪い部分は先輩のアドバイスを受け入れて、チームに役に立てるようにやっていきたいと思います」

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「初めての経験で楽しくてしょうがなかった」
トップの舞台で感じたプレーの喜び

◆#34藤井 優(日本大・2年・PG)
170611fujii1.jpgベンチスタートになるが、小気味よい動きで躍動し、少なからず印象を残した。コートに出れば、大きな声を出し、チームを鼓舞した。日本大学には全国から高い能力を持った選手が集まり、部員も多い。そうした経験を求めて入学し、得られたものは大きいだろう。粘り強さや頑張る姿勢といった部分は誰しもお手本にしたいところ。ここからの頑張りを期待したい選手だ。



ー惜しい試合でした。最後までわかりませんでしたが。
「最後の点の絡みでガードの自分がやられてしまいました。そういうところで試合が決まったのかなと思います。自分がこれからリーグ戦、インカレへと続いていく中、チームに絡めるようにならないといけないです。ここで2位になった悔しさを持って次に結果を残したいです」

ー途中から出場する形でしたが、接戦の中でどんな心がけだったのでしょう?
「筑波戦からずっと接戦で、どうなるかわからない部分で松脇(#44)や杉本(#10)がチームの助けになっていました。自分はこういう舞台で戦うのは初めての経験で、楽しくてしょうがなかったです。関東に来て、こういう経験をできて良かったです」

ー大会を通じて藤井選手は声もよく出ていたし、スティールなどいいプレーもありました。
「自分は身長がないので、そういうことでチームを助けられたらと思っています。自分を見て、他の小さい選手が頑張ってくれればいいなと思ってプレーしています」

ースタメンの上澤選手とガードとして分け合う形でしたね。
「彼とはいつも自主練やトレーニングも一緒にやっています。試合のときも話し合いながらやっていました。なので、彼も大事なシュートを決めましたが『頼んだぞ』という気持ちでした」

ー杉本選手など、1年生の気持ちがよく見えた大会だったと思います。
「助けてもらう場面もたくさんありました。僕たち2年もしっかり頑張ってやっていきたいです。次は東海にも勝って悔しさを晴らしたいです」

ーチームとしては春から昨年以上にディフェンスを頑張っている印象があります。
「トーナメントで負けたことが大きかったと思います。監督からも言われていたんですが、僕らに何が足りないかといったら、ディフェンスや走ることだと。トーナメントで2部のチームに負けたことをすごく反省したし、下級生たちも自分たちでやるしかないと、ここで結果を出そうと話し合ってきました。優勝できたら一番良かったんですが」

ーそれでも気持ちのいい試合を見せてもらいました。藤井選手は秋からどう試合に絡むかですね。チームには新号選手(#6)という代表的なガードもいますが。
「彼はとてもタイミングが上手くて、自分にはない上手さがあります。そういうところは見習っていきたいです。自分としては次に試合に出たらしっかりパスをしてチームに貢献できるように頑張ります」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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