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2017.06.16 (Fri)

【2017西日本インカレ】6/11 決勝 名古屋学院大VS東海大九州

中盤に驚異的なシュートラッシュを披露
最後は大差で東海大九州が初の西日本王者に


170611TOKAIDAIKYUSHU.jpg ともに、勝てば初優勝。過酷な連戦をものにし続け、なおかつ各地域の強豪が集まる西日本インカレで、今年の決勝を戦うこととなったのは、名古屋学院大東海大九州だった。各地区での上位保持はもちろん、インカレでも存在感を見せている両者。異なるタイプ同士の対戦がどのような展開になるのか、そして2008年以降は関西勢が独占してきた西日本王者をどちらが掴むのかに注目が集まった一戦だった。

 東海大九州にとって、試合の出だしは課題のポイント。だがこの試合ではそれが嘘のように得点が決まった。#8佐竹(4年・CF)が早々にドライブを決めるなど、インサイドを積極的に突いて得点を重ね、僅か3分で11−0とし先制パンチに成功した。ところがここから名古屋学院大がインサイドを固める形にシフトすると、外のシュートが入らずに無得点が続く。出遅れた名古屋学院大だったが、#1王(1年・C・中部大第一)のバスケットカウントでようやく初得点。ここから流れがガラリと変わり、#27鈴木の3Pや#1王のゴール下、#18山田(3年・PF)のリバウンドシュートなどで一気に相手を抜き去る。スタートロスが嘘のように、1Qは名古屋学院大の5点リードで終了した。

170611WANG.jpg 2Q、東海大九州は#20玉井(3年・SG)の3Pで久々の得点をマーク。しかしこの間にも名古屋学院大は#1王がインサイドで奮闘を続け、点差を保つ。このムードを打開したのは東海大九州自慢のインサイド陣。速い展開で#11趙(2年・C)のアシストから#7林(4年・SF)が一本決める。直後に2ファウル目となった林だが、再びゴール下をねじ込むと、#8佐竹も速攻で得点して東海大九州は再逆転に成功。エンジンのかかった形の相手にたじろぎ、名古屋学院大のオフェンスは単発に陥る。なおも東海大九州は#20玉井が3Pを決めて6点差に。最後は#7林が相手シュートを豪快にブロックし、35−29で前半終了となった。

 スコアの上ではまだまだどうなるか分からない状況のこの試合。だが、勝負の分かれ目は後半開始直後にやってきた。#8佐竹がバスケットカウントを獲得し、さらにジャンプシュートを続けると、#7林もミドルシュートを決めて点差は早々に二桁に。名古屋学院大は早々のタイムアウトで打開を図るが、それでも流れは変わらない。#11趙のゴール下が決まった東海大九州は、これがチームとしては後半開始から7連続得点。この時点で点差は19となった。名古屋学院大は#20村鳥(2年・PF)のバスケットカウントをきっかけにオフェンスは再起動の様相を見せるが、東海大九州のペースは落ちず、#7林、#8佐竹、#11趙がバランス良く得点を続けて最後まで全く隙を見せなかった。最後はベンチから送り出した主将#10濱野(4年・SF)が得点を決めていき、盛り上がりが最高潮となった中で試合が終了。88−68で完勝を収めた東海大九州が、初めて西日本の頂点に立った。

170611SATAKE.jpg 出遅れから巻き返し、1Qこそリードで終えた名古屋学院大。しかし、相手の高さとシュートの上手さはやはり強力で、引き離された時間帯はなかなか打開策を見出せなかった。ただ、このチームにとってはここが最大目標ではない。いかにこの負けから学び、糧にしていくかが重要である。

 東海大九州は、前半はリードしたものの重い時間帯もあって100点満点の内容だったとは言えない部分もある。ウォン監督「まだ7割くらいの出来。そこまでいっていないかもしれない」と認めるが、それでも勢いに乗った時の爆発力は驚異的だった。「最終的にはインカレで勝ちたい。もっとディフェンスやシュートの確率は上げていかないといけない。そうした部分をどう修正していくかが課題になる」と既に見据えるのは、まだまだこの先の舞台。選手の口からも、それを意識した言葉が垣間見える。今年こそ、インカレでの上位進出を狙う。

写真上:優勝が決まり、全員で元監督を胴上げし、歓喜に浸る東海大九州。
写真中:王は大会を通じて名古屋学院大のインサイドを支えた。
写真下:リード拡大の火付け役となった東海大九州・佐竹は、チームハイの23得点をマーク。

※東海大九州・長野選手、林選手、名古屋学院大・東 宏輝選手のインタビューは「続きを読む」へ。

西日本学生バスケットボール選手権大会



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【INTERVIEW】

「もっと練習から刺激を求めてやっていきたい」
西日本優勝には満足せず、目標はあくまでインカレに

◆#2長野誠史(東海大九州・4年・PG)
170611NAGANO.jpg立ち上がりこそミスも出てしまったが、じわじわと修正。緊張がのしかかる舞台でも、終わってみれば納得のプレーを披露し、大会MVPを受賞する活躍だった。まだまだ反省すべき点が多いと口にするが、向上心がなければ西日本で勝ててもインカレで思うような結果が得られないことは、十分に分かっているはず。チームにとって唯一無二のガードとして、仲間の持ち味を一層引き立てたい。


—終了のブザーが鳴った時は、どのような心境でしたか。
「めっちゃ嬉しかったです(笑)。それだけでした」

—それでも、試合序盤は少し苦しい形となってしまいましたね。
「自分たちの持ち味のパスゲームができなませんでした。みんな足が止まってしまって単発なシュートになってしまって、それが入っていなかったので、そこが悪かった点だったと思います」

—それでも2Q以降は切り替えた印象です。
「1Qが終わってから、自分たちのバスケをしろと言われて。そこからみんなで声を出しあったことで切り替えていけたので、それが大きかったかなと思います」

—いずれの試合でも差をつけて勝利し、充実の大会だったのではないでしょうか。反省点はありますか?
「それでもまだまだできることはあったと思うので、もっと声を出してやっていけたら良いなと思います」

—ご自身個人のプレーの出来栄えはいかがでしたか。
「自分はボールを持ちすぎてしまうことが多々あって、そうなるとチームのリズムが悪くなってしまいます。パスを出して、切れて、またパスをもらってからの一対一というのが、自分の中での課題だと思います」

—個人として、インカレに向けて高めたい部分はどのようなことですか。
「もっと自分自身シュート力が必要だと思っています。それプラス、ドライブからの合わせというパターンをもっと増やしていきたいと思います」

—まだ気が早いですが、インカレで勝っていくイメージはありますか。
「今からイメージしていかないと間に合わないと思います。春からみんなでやってきたディフェンスというのを、もっと練習から刺激を求めてやっていきたいです。インカレに結び付けたいですね」

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「積み重ねてきた練習で、ここまでずっと走り続けてきた」
磨き上げてきたディフェンス力、自慢の能力で相手を圧倒

◆#7林 翔太郎(東海大九州・4年・SF)
170611HAYASHI.jpgユニバーシアード代表経験を持ち、西日本では最も注目された存在だったと言っても過言ではない。このゲームは、前半こそやや大人しい印象だったが、時間を追うごとに覚醒。190センチを超える身長と、バリエーション豊富に得点を決められる能力の高さを存分に発揮した決勝となった。渇望した西日本のタイトルをようやく手にし、笑顔でベンチのメンバーと抱き合っていた姿も印象的だった。しかし、長野同様に最終目標のインカレを既に見据えている。密度の濃い練習を充実したものとし、11月には万全の状態で東京に乗り込む覚悟だ。


—優勝が決まった時のお気持ちは?
「いやあ、もうめっちゃ嬉しかったですね」

—1Qは少しらしくない時間帯になってしまいました。
「点数が離れてしまったことで自分たちの気持ちが緩んでしまった部分がありました。自分たちの持ち味であるパッシングゲームができなくて、外からの単発のシュートが入らず、なおかつ相手に逆に点数を稼がれてしまって逆転される、という展開になってしまいました」

—緊張はありませんでしたか。
「緊張はベスト8のところがピークでしたけど(笑)。でも、シュートが入らないことも想定はしていたので、そこは上手く中で点数を取ることにつながっていった感じですね。今回は落ち着いてプレーすることができていました」

—上手くフリーになったところで、今日は佐竹選手(#8)がスコアを伸ばしましたが、チームとして狙っていたのでしょうか。
「そうですね。昨日のミーティングでも、相手の大きい選手(#1王)が自分かハンジン(#11趙)か佐竹につくだろうと話していました。そこでつかれた選手が積極的にドライブにいくようにして、みんなそれに合わせてやろうと言っていて、佐竹も調子が良かったので、そこで決めてくれました」

—佐竹選手にも昨日伺ったのですが、趙選手、佐竹選手という似たタイプと体格の選手がいる中で、林選手ご自身が強みだと思っているプレーは?
「自分はハンジンのように力強くはないですし、佐竹のように外のシュートがめちゃくちゃ入るわけではないんですけど、それでも総合的にある程度こなしていけるところが持ち味だと思っています」

—この試合ではそれが出せましたか?
「ドライブで点数が取れるのが一番良いんですけど、相手も警戒していたと思うので、そこでシューターの玉井(#20)にパスを出したり、中でハンジンが合わせてくれて、そうやってリズム良く点数が取れた形になりました」

—中盤以降は圧倒的な試合内容でした。
「これまで積み重ねてきた練習でずっと走り続けてきましたし、ベンチでウォン監督が最後まで集中を切らさずに走るバスケットを貫こうと言っていたので、それが良かったですね」

—ウォン監督は厳しくもあり、ユーモラスな印象も覗く方ですが、林選手にとってはどのような存在ですか。
「第一印象で言ったらやっぱり怖いんですけど(笑)、バスケの部分では厳しいんですけどウォン先生の言うことをしっかり守れば自分の思い通りにプレーできたりしてきて。大学生活でここまで育ててくれたのはウォン先生のおかげだと思っているので、本当に感謝しかないです」

—今後の目標は。
「9月のリーグ戦を勝って、インカレでも優勝することが自分たちの目標です。今大会でも課題が見つかったので、そこは修正していきたいです。一人ひとりが意識を高めてやっていきたいです」

—チームとして高めるべき部分はどのようなことですか。
「春先からディフェンスに力を入れてきたんですけど、昨日も相手に取られていたので、もう一回ディフェンスを見直して。個人の部分ではまだまだ1対1ができていなかったので、もっと一人ひとりがしっかり練習していけたらなと思います」

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「ゾーンとシュート力、2つの力をつけていくしかない」
味わった悔しさ、体感した相手との差を埋めるために

◆#31東 宏輝(名古屋学院大・4年・主将・PG)
170611HIGASHIHIROKI.jpg自分たちの能力が劣っていたわけではないという決勝戦。立ち上がりは、むしろ流れは自らにあった。それでも待っていたのは、大きく差をつけられての準優勝だった。試合を振り返り、頭に去来するのは、他地域のチームも参加する一発勝負での戦いの難しさ。運の部分も左右するが、それを打ち破ってこそ、真の強さが初めて身につく。その言葉通り、自分たちが誇れるような武器を増やしていくしかない。


—終わってみて、良くなかったと感じる部分は?
「正直、そんなにはなかったです。ただビデオを見ても、これまでの相手とは全然タイプが違って対応しづらい部分があったので、そこが難しかったです」

—1Qは上手く出遅れを立て直したように感じました。
「僕がまずしっかり相手のガードにつこうと。他の人間で運んでいなかったので、それが出来始めてから相手のペースに乗せないようにできました。ただ、相手のシュートが落ちていて、入っていないだけだぞと警戒していたんですけど、終盤にかけてあれだけやられたら難しいですね」

—それと、自分たちのシュート率もなかなか上がりませんでした。相手の高さも気になったのではないでしょうか。
「そこも気になりましたし、相手がオールスイッチだったことも気になりましたし、全員オープンディナイだったことも気になりました。他のチームにはない色があったので、やりづらさがすごくありましたね。ただ、西日本で対戦できたのは大きかったです。インカレでいきなり対戦するとなると難しいので、今回は準優勝という結果でしたけど、対戦できたことが収穫です。それにここまで来れたこともチームにとってすごくプラスだと思うので、インカレまでに何を磨くのかはしっかり話してやっていきたいと思います」

—大会を通じては、王選手(#1)の活躍、成長ぶりが目を見張りましたね。
「あいつはまだ1年ですけど僕も信頼していますし、ボールを入れても安定感がありますし、あとは全体な精度の面ですね。個のプレーに走ってしまう部分が何度かあったので、そこでダブルチームに来られた時にキックアウトできるかとか、そういうチーム的なオフェンスができていければ良いのかなと思います」

—今後半年で高めていきたい面は?
「僕らはまだゾーンがないですし、ゾーンプレスも練習が足りないので、ガラッとチームが変わるくらいの武器を増やすことと、東海大九州を見ても分かるようにシュート力ですね。その2つの力をつけていくしかないですね。山田(#18)もリバウンド王を取るくらいですから、個々の能力では劣っていないと思うので、組織的な武器をどれだけ作れるかだと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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