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2017.05.04 (Thu)
【2017全関】5/4 レポート(準決勝、5〜8位決定戦)
順位決定戦も加熱する東淀川体育館
決勝のカードは大阪学院大vs大阪体育大に
残り2日間となった全関は、この日も4試合が行われた。最初の2試合は5〜8位決定戦。モチベーション持続が難しい舞台だが、リーグ戦では敗戦翌日にゲームをこなさなければならない状況がやってくる。そのためにも、5位で終わるか、8位で終わるかには今後に向け大きな違いが出てくる。一方後半の2ゲームは、準決勝の2試合。いずれも緊迫の展開となったが、特に会場が沸いたのが大阪体育大と近畿大のゲーム。1試合の中でこれほどまでの展開があるのかという密度の濃い競り合いが、最後の最後まで繰り広げられた。
準決勝の結果、翌日の決勝に進出したのは、大阪学院大と大阪体育大。大阪学院大は、昨年に続いての連覇を狙う立場であるのに対し、大阪体育大は初めての優勝にリーチがかかった状況だ。今季最初の関西タイトルが、いよいよ決まる。
まず順位決定戦に登場したのは関西学院大と流通科学大。試合序盤は#23龍(4年・PG)のアグレッシブさが光った流通科学大がリードを得る展開となった。それでも関西学院大は、ベンチから交代出場の#15足立(4年・PG)の活躍で、すぐに追いつく。2Qは関西学院大#74中野(3年・SG)、流通科学大#9諏訪(2年・SF)が中心となって得点を決め合って、前半を終えた段階では39−41とほぼ互角のスコアとなった。しかし、3Qになってもシュートの落ちない関西学院大に対し、流通科学大のオフェンスは単発にとなって二桁の点差となってしまう。最終盤になると、流通科学大は#23龍が積極的に仕掛けて俄かに詰め寄るが、3Qでのビハインドが重くのしかかる形となった。88−80で勝利を収めた関西学院大が、5位決定戦に駒を進めた。
もう1試合の関西大対同志社大も前半はクロスゲームに。関西大は#21窪田(2年・SF)、#11森田(3年・PG)らが、同志社大は#7古村(2年・PF)、#6柳原(3年・SG)といった面々がバランス良く得点し、時に守り合い、ハーフタイム時点で関西大2点リードの展開。つかず離れずの均衡が崩れたのは3Q終盤。関西大がゾーンディフェンスからリズムを得ると、#11森田、#34井上(4年・SG)の3Pラッシュで4Q序盤にかけて一挙に点差を開いて優位の構図を作った。結局これが決め手となり、最終的には71−56で勝利した関西大に軍配が上がった。
写真上:アクシデント、そして近畿大の執念を跳ね除けての決勝進出に沸く大阪体育大。
写真中:関西学院大は高山の働きも今後のチームの浮沈を左右するだろう。
写真下:関西大は要所で窪田のプレーが光る。まだ2年生。次世代の関西大を担う存在だ。
※関西学院大・中野選手、関西大・森田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【今大会屈指の熱戦を制し大阪体育大が初優勝へ王手】
準決勝最初のカードは、近畿大対大阪体育大。接戦が連続した今大会の中でも屈指の、最後まで勝負の行方が分からない好勝負となった。
立ち上がりは緊張感からかお互いにスコアが伸びず、やきもきする展開に。大阪体育大は早々に#19生越(2年・SG)が3ファウルとなり苦しい。近畿大は#24今村(2年・PF)のバスケットカウントでリードするが、大阪体育大もエース#9内藤(4年・SF)が決められても決め返していき、1Qは近畿大1点リードとほぼ互角。2Qになると近畿大は#24今村の再びのバスケットカウント、#15金田(4年・PF)も得意のシュートを沈めていき5点差をつける。しかし大阪体育大は引かず、#20岸田(4年・PG)の3連続得点で逆転した。互いに激しく守り合ってファウルもかさみ、思うように得点を伸ばせない中、大阪体育大は終盤に得たフリースローを着実に沈めて点差を僅かに拡大。前半は33−29で終了した。
迎えた3Q。ゲームはここから白熱の度合いをより一層強めていく。まず大阪体育大が#7山田(2年・SG)のフローター、#20岸田の3Pなどで抜け出しに成功。近畿大はインサイドで奮闘していた#24今村が速攻でファウルを受けて一旦ベンチに下げざるを得ない。この間に大阪体育大は、#4草川(3年・PG)らの得点で勢いづく。#9内藤がランニングショットを沈めてとうとう点差は二桁となった。しかし、近畿大が#3岡田(4年・PG)のレイアップ、#15金田の3Pで反撃態勢を整えた直後、ゲームの行方を左右しかねない事態が発生。ドライブを仕掛けた大阪体育大#20岸田が足を痛めてプレー続行不可能な状況となってしまう。#4草川のゴール下でなんとか3Q終了時点では5点リードで終えるが、絶対的なガードである岸田を欠く状態で残り時間を持ちこたえられるのかが大阪体育大にのしかかる形となってしまった。
4Q、近畿大は#33濱田(2年・PG)が3Pに速攻と攻め気を見せてたやすく同点に。更に#3岡田のレイアップで再逆転に成功した。しかし大阪体育大はエース#9内藤がここから本領発揮。獲得したフリースローを落とさず、3Pの次はドライブも決めて逆に4点のリードを奪還した。対する近畿大も#33濱田の3点プレーや#3岡田のリバウンドシュートが出て、僅差でリードが入れ替わる緊迫の展開が続く。その中で近畿大は最上級生が意地を見せる。#15金田がツースローを決め、#3岡田のレイアップで大きな4点リード。しかしその直後、前日足を痛めた状況でこの日も奮闘していた#9濱高(3年・SF)の、微妙な4ファウル目を吹かれた後のアクションにテクニカルファウルが宣告され、退場となる。大阪体育大は#9内藤がフリースローを落としながらも、続くオフェンスではミドルシュートを沈め、残り1分を切って1点差に迫る。近畿大はこの局面で#3岡田が執念のバスケットカウントを獲得。ワンスローも沈めるが、直後再び#9内藤にファウルを献上。1投を決められて残り30秒で3点差とされ、なかなか試合を終わらせられない。直後のマイボールスローインで近畿大は#15金田に預けるが、3人に囲まれてジャンプボールシチュエーションに。これでマイボールとした大阪体育大は、#9内藤がまずは2点を選択。ドライブを決め、18.5秒を残してファウルゲームに入り、ラストチャンスに賭ける。すると、近畿大は#33濱田が2本とも落としてボールは大阪体育大に。ボールを受けたのはやはり#9内藤。アイソレーション気味の状況でドライブを見事に沈め、勝ち越しに成功。直後のディフェンスで残り2秒をしのぎ、待ちに待ったタイムアップのブザーが響き、応援席の歓声が会場内にこだました。最終スコアは74−73。最後に僅か1点だけ上回った大阪体育大が好勝負を制し、念願の初優勝に王手をかけた。
理想的な展開から一転して、岸田が退いた後は劣勢となった大阪体育大。近畿大の意地の反撃を受けてどちらに転ぶかわからないゲームとなったが、内藤を中心に最後まで気持ちを切らさずに食い下がり、執念で勝利の女神を呼び込んだ。どちらかと言えば下級生が多く、試合運びの面で安定感に欠ける印象もあるチームだが、今大会ここまでで着実に経験値を重ねているのも確かだ。決勝では岸田の欠場が決定的だが、関西随一の応援席をバックにしたチーム力は看過出来ないポイントだ。今一歩全員で一丸となり、初優勝を掴み取りたい。
写真上:決勝では内藤だけに頼れない大阪体育大。山田がどれだけの活躍を見せるかもポイントになるだろう。
写真中:4Qは濱田の攻め気が光った近畿大。好勝負を演じたが、あと僅かで決勝進出ならず。
写真下:最終盤にトリプルチームで金田を塞ぎにいった大阪体育大。勝利への執念が垣間見えるプレーだった。
※大阪体育大・内藤選手、草川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【粘る天理大を振り切り大阪学院大が決勝へ】
準決勝のもう1カードの大阪学院大と天理大の対戦は、早々に大阪学院大が優勢となるが、天理大が最後まで粘りを見せた。
新入生のインサイドが基調の両チーム。そこが勝負のポイントと見られたが、優勢だったのは大阪学院大。#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)が1Qからバスケットカウント、セカンドショットで存在感を発揮する。天理大は#29榎本(4年・SG)が奮闘して大きく離されずについていく展開に。6点ビハインドで迎えた2Q、いきなりディフェンスでトラベリングを誘発すると、大阪学院大は歯車が狂ったかファウルが込む状況に。この10分間は天理大が大阪学院大の思うようにさせず、#29榎本、#30梶井(4年・SG)の両4年生の活躍で一旦は同点に。ここから大阪学院大も同じく4年生の#35吉川(4年・SG)が仕事を果たしたが、4点差となって勝負は後半に入ることとなった。
3Q、大阪学院大はスパートをかける。天理大を好ディフェンスで封じ、#35吉川のミドル、#30木下(3年・PG)の3Pなどでじわりと点差を拡大する。天理大はトラベリングやターンオーバーも出て、このQは完全に流れを渡す形となってしまった。4Qに入るとゾーンが効力を発揮し、#29榎本を中心にシュートが再び決まり始めて追撃の体勢が整った。だが、大阪学院大は#8吉井のフリースロー、#35吉川の3Pでなんとか二桁差をキープ。天理大も最後まで#30梶井が攻め気を見せたものの、開いた差を埋めきるには至らなかった。結局67−57とした大阪学院大が勝利。決勝進出を決めた。
近年アウトサイド陣のタレントが豊富だった大阪学院大。今季のインサイドをベースにしたバスケットはこれまでとはややもすると異質な印象も強いが、今大会ここまで内容良く勝ち上がっている印象があるのは昨年同様だ。対戦相手の大阪体育大は手負いの状態であり、サイズ面でも優位ではあるが、接戦続きを制してきており、勢いに乗っている。受けて立つ姿勢ではなく、立ち向かう姿勢を持って連覇へ突き進みたい。
写真上:この日17得点の大阪学院大・木下。優勝には彼の活躍が欠かせない。
写真下:敗色濃厚の状況でも、天理大は梶井らが最後まで諦めない姿勢を示した。
※大阪学院大・吉井選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「僕が見本にならないとダメだと思う」
上級生になり、頼りになるプレーヤーになるために
◆#74中野 司(関西学院大・3年・SG)
チーム全体にも言えることだが、今季は現時点では1試合の中で好不調の波が大きい関西学院大。前日の準々決勝もこの日の試合も、余裕あるリードから迫られる展開が目立つ。中野自身もそれを痛感しているが、上級生になった今では周囲を見る余裕も出てきているようだ。昨年以上の戦果を残すためには、この舞台でもしっかり勝ち切っていくことがまず重要。大会最終試合こそ、最後まで安定した戦いぶりを見せられるか。
—昨日の敗戦から切り替えが必要な試合でしたが、ご自身の切り替えは上手くいきましたか。
「昨日負けたのが、自分自身の責任だと思う部分が大きくて難しかったんですけど、周りから色々声をかけていただいて。切り替えられずにこのまま負けてしまったら成長できないだけですし、自分自身の伸び代を消してしまうことにもなってしまいます。順位決定戦は来年のシードを決めるための戦いでもありますし、僕自身も来年があるので、そう思って今日と明日の試合に臨もうと思いました。周囲からの声があって、切り替えられた部分が大きかったです」
—インカレではベスト8入りから3連敗を喫し、いつも以上に切り替えに関して意識があったのではないでしょうか。
「そうですね。去年は主力が僕以外はほぼ上級生で、僕個人的にチームに対して思うところが今よりも少なかったかと思うんですけど、今はスタメンでも上の学年になって、僕が引っ張られるようではあかんなと思っています。自分自身が引っ張らないと来年も苦労することになりますし」
—そうした引っ張る部分は、試合の中できちんとやれている?
「今大会でも試合中でもできるだけ周りに声かけするようにして。1年生も試合に出ていますし、僕が慌てていたら後輩たちもどうしたら良いか分からなくなってしまうと思うんで、僕が見本にならないとダメだと思っています」
—チームとしては、良い時間帯と悪い時間帯のムラが激しいように感じます。
「悪い時というのは、自分たちの攻め手がない時や得点が取れない時で、去年まではインサイドに預けることで持ち直すことができたんですけど、寿樹(#10松原)の一対一とかに頼り過ぎてしまう部分があったり、僕が単発でシュートを打ったりしまうのが、悪い時間帯につながっています。そこはこれからチームオフェンスでセットプレーを作って、悪い時間帯もミスなくできるようにしていかないとダメだと思います。今大会の課題ですね」
—ベンチメンバー含め、インサイド陣が一気に抜けました。やはり響いていますか。
「そうですね。セットオフェンスも変わってきますし、今のインサイドを信頼してないわけではないんですけど、去年に比べて劣ってしまう部分があるので、いざ抜けてみて感じています」
—リバウンド面でのチームの意識変化はありますか。
「変わってきているとは思うんですけど、僕も含めてディフェンスリバウンドで先走りし過ぎてしまう部分があります。相手が全員でオフェンスリバウンドに来た時にどうしても取りきれないという場面が、ベスト8がけの神戸医療福祉大とのゲームでもありました。僕の勝手な考えかもしれないですけど、去年は池嶋さんが取ってくれるから先走りしても大丈夫だと思っている部分もあったかもしれません。今年はどうしてもインサイドで寿樹さん一人という時間帯もあるんで、そこで僕たちウイングが先走りしちゃうとリバウンドが取れない時間帯も出てくるんで。僕らウイングもディフェンスリバウンドにもっと絡んで。オフェンスリバウンドはセーフティを置いて3人で行く形にしようとしているので、もっとそういう意識付けをしていかないとリーグや西日本インカレではもっと厳しくなってくると思います。練習中からもっと意識付けしないとダメかなと思います」
—新チームになってからのチームの雰囲気はいかがですか。
「4月の関関同立でもなかなか勝てなくて。去年勝ってきた分勝てないことに余計に全員が悔しい思いをしています。昨日は気持ちの部分で負けてしまったんですけど、でもここから自分たちの気持ちの部分では大きくなれるんじゃないかと思います。チームの意識も上がってくると思うし、雰囲気ももっと上がってくると思います」
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「2部では出来なくて1部では出来ることのギャップをなくしたい」
1年での1部復帰のために、意識はあくまで1部に置き続ける
◆#11森田雄次(関西大・3年・PG)
今季は足立(#0)とツーガードというべき形でコートに立っている。昨年は2部降格を経験し、負傷してプレーできなかった新人戦ではチームが優勝。複雑な気持ちを持ちながらシーズンを終えた。一対一の強さは1部相手にも十分通用するレベルにあり、実際にこの日も14得点をマークした。これからは、それをどのようにチームにはめ込んでいくのか。至上命題である1部復帰を果たすためにも、本人自身も突き詰めなければならない課題だろう。
—ショックの残る敗戦から、今日を迎えることになりました。
「残り50秒6点差で、僕が入部してからベスト4がなかったのでようやくいけるかなと思っていた部分がありました。しょうがないやられ方でもあったんですけど、でもキャプテン(#34井上)がチームのLINEで『強いチームはここでは終わらない。5位を目指そう。今日4点差で負けた分、5点分の強い気持ちを持って東淀川に来よう』とあって。僕たちもダメな時でも頑張ろうと言い合っていたので、そこで強いチームになりたくて今日の試合に臨みました」
—昨年の新人戦から全員が井上選手のリーダーシップに言及していますが、その部分は森田選手も感じますか。
「そうですね。得点だけではなくて、石野(#5)もそうなんですけど、ハッスルプレーでチームを盛り上げてくれるんで、得点以上の影響があると思います」
—昨年の井上選手のイメージからは、正直あまり想像がつかないのですが。
「そうですよね。確かに試合になると、リーグでは諒汰さんも慌ててしまっているような部分があったのかなと思います。僕らも声を掛け合いながらやっていました。上の学年でキャプテンになって、多分意識も変わってきたんだと思います」
—昨年の新人戦では、優勝しましたが、森田選手は怪我で出場できませんでした。複雑な気持ちもあったのではないでしょうか。
「そこは悔しかったですね。泣きそうにもなりました。チームが勝っていくのは嬉しかったですけど、ちょっと上手くいかない部分も出て欲しいような気持ちもあったりで(苦笑)。リーグでは3勝しかできなかったのに、新人戦は自分がいなくて勝っちゃったので、イジられる感じでも言われたんですけど(苦笑)。でも、自分が外で見ていて、みんなこんなにできるんやなということが分かりました。そういう意味では良い経験になったと思います」
—そこから自分自身のスタイルも変えようという意識はありますか。
「去年はボールを長く持っていたんですけど、今年は良いガードがもう一人いますし、今年の関大はセンターが有利だと思うんで、そこにボールを集めて、自分もそのプレーの流れの中でやっていこうと思っています」
—関西大のバスケットのスタイルは、年々変わっていると思います。難しさはないですか。
「毎年変わるので、確かに難しいは難しいんですけど、でも相手の力も見ながら自分たちの有利な状況で勝負するということで。時間はかかるかもしれないですけど、そうやって強くなっていこうと思っています」
—今大会は、まだ1試合残っています。
「関学は小さいのでインサイドでファウルを狙って、キックアウトとかで外からシュートを狙いつつ、リバウンドで有利な状況を作って。みんなで強い気持ちで攻めていきたいと思います」
—リーグは2部になりますが、今シーズンはどのように戦っていきたいですか。
「2部は1部とは全然違うと思うんで、その中でどれだけ1部を想像しながらバスケできるかが大事だと思います。例えば身長的にボックスアウトしなくてもリバウンドが取れてしまうこともあると思うんですけど、そこは1部では取れないんで。そうした2部では出来て1部では出来ないことのギャップをなくして、みんなで高め合っていきたいです」
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「ここまで来たからには優勝目指して頑張りたい」
初戴冠のチャンスをみすみす逃すわけにはいかない
◆#9内藤健太(大阪体育大・4年・SF)
タフな試合を、ほぼ出ずっぱりの状況で38得点。ゲーム最終盤は、これを落としたらチームが負けてしまうという状況でのシュートを決め続ける圧巻のパフォーマンスを示した。今季はシーズン入り前にBリーグのレベルも体感。プレーに力強さが増した印象が強い。岸田からも、昨年期待されながら卒業していったメンバーから聞かれた言葉は「チャンピオンシップを取りたい」。絶対的なエースが、チームに悲願をもたらせるか。舞台は、整った。
—最初から全開のプレーでしたね。
「始めから、去年近大には同じところで負けていて、絶対にチームとして負けられないという部分がありましたし、途中で岸田が怪我をしてしまって4回生が僕しかいない状況になって、自分がやらないといけないという意識はありましたね」
—相手のディフェンスも最後は厳しかったと思います。
「そうですね。やっぱり今年は4回生なので、後輩に任せることも大事なんですけど、そこは自分が決めてチームを勢いづかせようと思ってやっていました」
—立ち上がりは、相手も同じでしたが緊張感と硬さがあったように見えました。
「僕らは下級生も多いので、確かにこういう大舞台で少し緊張が出たのかなと思います」
—内藤選手が自分で攻めることでチーム全体がほぐれていった印象でしたが、意図的に自分で攻めようと?
「そうですね。自分と岸田とで流れを作らないといけないというのは日頃から話しているんで。自分たちでどうにかしようと。それが結果的に良い流れになって、後輩たちもついてきてくれたので良かったです」
—下級生主体で手探りといった状況でもあると思いますが、決勝まで来ました。この要因は何でしょうか。
「去年は4回生が多くて、その分4回生に頼っている部分があったんですけど、今年は比嘉さんからもっとチームワークを高めろと言われています。コミュニケーションを取ったり、下級生からも意見を言ってもらって、良い形でコミュニケーションが取れているんで、それでチームワークが良くなってきているんじゃないかなと思います。能力でも他のチームに負けている部分があるので、チームワークで勝たないといけないです。そこは自分たちの強みですね」
—得点を取ることはもちろん、ボール運びなどの面も状況では役割を果たして大変だと思いますが、特に力を入れていることは?
「言い方があれですけど、去年は点を取ることを中心に考えていましたけど、今年は4回生が抜けている分一番はリバウンドを意識して。そうすることで、シュートが入らなくてもリバウンドを頑張ろうと切り替えられるんで、その結果としてシュートが入るようになってきて、言い方が変ですけど、気楽にできているような感覚ですね」
—Bリーグを経験しましたが、それは力になっているという感覚はありますか。
「そうですね。体の当たりが全然違いました。自分もウェイトはあんまりしてこなかったんですけど、Bリーグに言って日頃のウェイトの大切さもわかったので、そう言った体の使い方は学べた部分が多いです」
—いよいよ明日が決勝です。
「自分たちのチームの最高戦績が3位だと聞いていて、それを今日塗り替えられて。みんな明日は緊張すると思うんですけど、普段とは違って楽しんでプレー出来ると思うんで、ここまで来たからには優勝目指して頑張りたいです」
—岸田選手の出場が厳しいですが、そこについてはどう考えていますか。
「岸田はプレー中もそうですし、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれているんで、チームとしても痛いですし、僕としても心の不安はあるんですけど、そんなことを言っていても岸田も報われないと思うんで、岸田の分もしっかりパフォーマンスを見せたいと思います」
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「決勝でも体大のバスケをやれば勝てる」
いつも通りの平常心を保ち、優勝へ突き進む
◆#4草川涼輔(大阪体育大・3年・PG)
ベンチからの出場が基本だが、主力がファウルトラブルに苦しんだ前日のゲームも、堅実なプレーでチームを支えた。チームに緊張感が見られたこの日の試合も、チーム最初のフィールドゴールは草川が決めたものだった。いよいよ決勝となるが、本人は静かに淡々とそこに向けて意識を切り替えている様子。岸田不在となろう試合は普段にも増して負担が大きいが、冷静に自分の仕事に徹するだけだ。
—決勝進出おめでとうございます。お気持ちいかがでしょうか。
「ホッとしたという気持ちもあるんですけど、一番を取るために練習してきているので、それを果たしてからみんなで喜ぼうと話したので、優勝するまではもう一度気を引き締めて決勝に臨みたいです」
—立ち上がりは緊張感があるように思いましたが、ベンチからはどのように感じましたか。
「去年と同じ近畿大が相手で絶対に勝とうと言っていて、気持ちが入り過ぎている部分があったように思いました。そこはベンチから声を出して盛り上げていこうと思っていました」
—最初のフィールドゴールは草川選手でした。ご自身は特に緊張感はなかったですか。
「いや、今日も思い切ってやろうと思っていたので。(あまり緊張しない?)そうですね。今日は思い切りいけました」
—少し抜け出した状況で岸田選手にアクシデントがありました。そこで動揺はなかったですか。
「点数が取れる人が抜けてしまったんですけど、練習でもそういう場面は想定してやっていたり、昨日も岸田さんと内藤さんが4ファウルになってしまった場面があって、でも自分たちでなんとか持ちこたえられました。もう一回集中してやっていこうと言ってやっていました」
—内藤選手の活躍は、チームメイトとしてはどのような心境で見ていましたか。
「なんとかしてくれるという気持ちがあるんですけど、それはみんなでディフェンスとリバウンドを頑張ればやってくれると思っていたので、あとは信じるだけでした」
—勝ち上がりとともに、チームとしての成長は感じますか。
「練習でやってきていること、ディフェンスリバウンドやファーストブレイクがしっかり出せているんで、それが高まっていて、ディフェンス面もすごくよくできています。それも上に行くにつれてどんどん良くなっているので、このまま決勝も頑張っていきたいと思います」
—決勝はまずリバウンドに気をつける必要があると思います。
「そうですね。でもとにかく体大のバスケットであるディフェンスとリバウンドからのファーストブレイクをやれば勝てると思います。ずっとそれをやって、しっかり戦っていきたいです」
—岸田選手が不在ですが、そこはどう考えていますか。
「あの人の気持ちも背負って、みんなで頑張ろうと思います」
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「先輩がカバーしてくれる分がむしゃらにリバウンドにいけたら」
1年生らしく思い切り良いプレーで決勝を楽しむ気持ち
◆#8吉井裕鷹(大阪学院大・1年・SF・大阪学院大高)
U19代表候補にも選ばれた逸材は、今季の関西のルーキーズの中でひと際注目を集める存在。本来インサイドを担う主将・福田が故障欠場中という状況で、早速その果たすべき役割を果たしている。本人自身も故障明けという部分もあってか、おっかなびっくりといった心持ちも抱えているようではあるが、既にこのチームになくてはならない存在だ。いきなり最初の大会で決勝の舞台に立てるのは、これ以上ない僥倖。最後の相手にも、自分の持ち味を発揮できるか。
—怪我もあり、実質公式戦デビューが昨日でしたが、この2日間の出来栄えはいかがですか。
「僕がまだ無名やと思うんですよ(笑)。だから当たりも強くなかったと思うんですけど、それで点数が取れたのかなと思います。でも付け上がらずに、その時その時で対応していこうと思っています」
—ここまで危なげなく勝ち上がってきましたが、この内容は何が要因だと感じますか。
「流れが悪くなりかけている時に吉川さん(#35)や木下さん(#30)が空気を押しとどめる一発を決めてくれて、それが大きいですね」
—ご自身のプレーの出来はいかがですか。
「僕自身は高校の時から体力が全然なくて(苦笑)。今日も最後の方が足が重かったんですよね。(全然そう見えなかったですけど?)そうですか?いやあ、しんどかったです(苦笑)」
—決勝はどのように戦いたいですか。
「相手がめっちゃ手を絡めてくるチームと聞いているので、僕自身が手を出すディフェンスをしてしまいがちなので、それがファウルにつながってしまわないように注意して。あとはかなり走ってくるので、そういったところですね」
—まだ入部したばかりで分からないことも多いようですが、これだけは負けないようにしようと思っていることはありますか。
「パニクったらおしまいやと思ってるんで、ローポストに入れる時も冷静に周りを見るように。しんどくても周りを見れるということを心がけてやっていけたらなと思います。とにかく体力をつけないとあかんと思います(笑)」
—全然そうは見えませんが、それでも3連戦目は誰にも厳しい戦いです。
「いやあ、今日でこんなしんどいのに明日がどうなるかが未知数です(笑)。全然その辺が分からないですけど、明日も楽しんでやりたいです」
—U19代表候補選手ということで、周囲の期待は感じますか。
「僕はがむしゃらにやって、失敗したら先輩たちがカバーしてくれるという気持ちで今はやっています。なので、リバウンドをがむしゃらにいけたら良いなと思います」
—先輩たちは心強いですか。
「そうですね。しっかりボールを運んで集めてくれますし、しっかり声もかけてくれて思いやりを感じます。楽しんでやれますね」
決勝のカードは大阪学院大vs大阪体育大に

準決勝の結果、翌日の決勝に進出したのは、大阪学院大と大阪体育大。大阪学院大は、昨年に続いての連覇を狙う立場であるのに対し、大阪体育大は初めての優勝にリーチがかかった状況だ。今季最初の関西タイトルが、いよいよ決まる。


写真上:アクシデント、そして近畿大の執念を跳ね除けての決勝進出に沸く大阪体育大。
写真中:関西学院大は高山の働きも今後のチームの浮沈を左右するだろう。
写真下:関西大は要所で窪田のプレーが光る。まだ2年生。次世代の関西大を担う存在だ。
※関西学院大・中野選手、関西大・森田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【今大会屈指の熱戦を制し大阪体育大が初優勝へ王手】
準決勝最初のカードは、近畿大対大阪体育大。接戦が連続した今大会の中でも屈指の、最後まで勝負の行方が分からない好勝負となった。

迎えた3Q。ゲームはここから白熱の度合いをより一層強めていく。まず大阪体育大が#7山田(2年・SG)のフローター、#20岸田の3Pなどで抜け出しに成功。近畿大はインサイドで奮闘していた#24今村が速攻でファウルを受けて一旦ベンチに下げざるを得ない。この間に大阪体育大は、#4草川(3年・PG)らの得点で勢いづく。#9内藤がランニングショットを沈めてとうとう点差は二桁となった。しかし、近畿大が#3岡田(4年・PG)のレイアップ、#15金田の3Pで反撃態勢を整えた直後、ゲームの行方を左右しかねない事態が発生。ドライブを仕掛けた大阪体育大#20岸田が足を痛めてプレー続行不可能な状況となってしまう。#4草川のゴール下でなんとか3Q終了時点では5点リードで終えるが、絶対的なガードである岸田を欠く状態で残り時間を持ちこたえられるのかが大阪体育大にのしかかる形となってしまった。


写真上:決勝では内藤だけに頼れない大阪体育大。山田がどれだけの活躍を見せるかもポイントになるだろう。
写真中:4Qは濱田の攻め気が光った近畿大。好勝負を演じたが、あと僅かで決勝進出ならず。
写真下:最終盤にトリプルチームで金田を塞ぎにいった大阪体育大。勝利への執念が垣間見えるプレーだった。
※大阪体育大・内藤選手、草川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【粘る天理大を振り切り大阪学院大が決勝へ】

新入生のインサイドが基調の両チーム。そこが勝負のポイントと見られたが、優勢だったのは大阪学院大。#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)が1Qからバスケットカウント、セカンドショットで存在感を発揮する。天理大は#29榎本(4年・SG)が奮闘して大きく離されずについていく展開に。6点ビハインドで迎えた2Q、いきなりディフェンスでトラベリングを誘発すると、大阪学院大は歯車が狂ったかファウルが込む状況に。この10分間は天理大が大阪学院大の思うようにさせず、#29榎本、#30梶井(4年・SG)の両4年生の活躍で一旦は同点に。ここから大阪学院大も同じく4年生の#35吉川(4年・SG)が仕事を果たしたが、4点差となって勝負は後半に入ることとなった。

近年アウトサイド陣のタレントが豊富だった大阪学院大。今季のインサイドをベースにしたバスケットはこれまでとはややもすると異質な印象も強いが、今大会ここまで内容良く勝ち上がっている印象があるのは昨年同様だ。対戦相手の大阪体育大は手負いの状態であり、サイズ面でも優位ではあるが、接戦続きを制してきており、勢いに乗っている。受けて立つ姿勢ではなく、立ち向かう姿勢を持って連覇へ突き進みたい。
写真上:この日17得点の大阪学院大・木下。優勝には彼の活躍が欠かせない。
写真下:敗色濃厚の状況でも、天理大は梶井らが最後まで諦めない姿勢を示した。
※大阪学院大・吉井選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「僕が見本にならないとダメだと思う」
上級生になり、頼りになるプレーヤーになるために
◆#74中野 司(関西学院大・3年・SG)

—昨日の敗戦から切り替えが必要な試合でしたが、ご自身の切り替えは上手くいきましたか。
「昨日負けたのが、自分自身の責任だと思う部分が大きくて難しかったんですけど、周りから色々声をかけていただいて。切り替えられずにこのまま負けてしまったら成長できないだけですし、自分自身の伸び代を消してしまうことにもなってしまいます。順位決定戦は来年のシードを決めるための戦いでもありますし、僕自身も来年があるので、そう思って今日と明日の試合に臨もうと思いました。周囲からの声があって、切り替えられた部分が大きかったです」
—インカレではベスト8入りから3連敗を喫し、いつも以上に切り替えに関して意識があったのではないでしょうか。
「そうですね。去年は主力が僕以外はほぼ上級生で、僕個人的にチームに対して思うところが今よりも少なかったかと思うんですけど、今はスタメンでも上の学年になって、僕が引っ張られるようではあかんなと思っています。自分自身が引っ張らないと来年も苦労することになりますし」
—そうした引っ張る部分は、試合の中できちんとやれている?
「今大会でも試合中でもできるだけ周りに声かけするようにして。1年生も試合に出ていますし、僕が慌てていたら後輩たちもどうしたら良いか分からなくなってしまうと思うんで、僕が見本にならないとダメだと思っています」
—チームとしては、良い時間帯と悪い時間帯のムラが激しいように感じます。
「悪い時というのは、自分たちの攻め手がない時や得点が取れない時で、去年まではインサイドに預けることで持ち直すことができたんですけど、寿樹(#10松原)の一対一とかに頼り過ぎてしまう部分があったり、僕が単発でシュートを打ったりしまうのが、悪い時間帯につながっています。そこはこれからチームオフェンスでセットプレーを作って、悪い時間帯もミスなくできるようにしていかないとダメだと思います。今大会の課題ですね」
—ベンチメンバー含め、インサイド陣が一気に抜けました。やはり響いていますか。
「そうですね。セットオフェンスも変わってきますし、今のインサイドを信頼してないわけではないんですけど、去年に比べて劣ってしまう部分があるので、いざ抜けてみて感じています」
—リバウンド面でのチームの意識変化はありますか。
「変わってきているとは思うんですけど、僕も含めてディフェンスリバウンドで先走りし過ぎてしまう部分があります。相手が全員でオフェンスリバウンドに来た時にどうしても取りきれないという場面が、ベスト8がけの神戸医療福祉大とのゲームでもありました。僕の勝手な考えかもしれないですけど、去年は池嶋さんが取ってくれるから先走りしても大丈夫だと思っている部分もあったかもしれません。今年はどうしてもインサイドで寿樹さん一人という時間帯もあるんで、そこで僕たちウイングが先走りしちゃうとリバウンドが取れない時間帯も出てくるんで。僕らウイングもディフェンスリバウンドにもっと絡んで。オフェンスリバウンドはセーフティを置いて3人で行く形にしようとしているので、もっとそういう意識付けをしていかないとリーグや西日本インカレではもっと厳しくなってくると思います。練習中からもっと意識付けしないとダメかなと思います」
—新チームになってからのチームの雰囲気はいかがですか。
「4月の関関同立でもなかなか勝てなくて。去年勝ってきた分勝てないことに余計に全員が悔しい思いをしています。昨日は気持ちの部分で負けてしまったんですけど、でもここから自分たちの気持ちの部分では大きくなれるんじゃないかと思います。チームの意識も上がってくると思うし、雰囲気ももっと上がってくると思います」
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「2部では出来なくて1部では出来ることのギャップをなくしたい」
1年での1部復帰のために、意識はあくまで1部に置き続ける
◆#11森田雄次(関西大・3年・PG)

—ショックの残る敗戦から、今日を迎えることになりました。
「残り50秒6点差で、僕が入部してからベスト4がなかったのでようやくいけるかなと思っていた部分がありました。しょうがないやられ方でもあったんですけど、でもキャプテン(#34井上)がチームのLINEで『強いチームはここでは終わらない。5位を目指そう。今日4点差で負けた分、5点分の強い気持ちを持って東淀川に来よう』とあって。僕たちもダメな時でも頑張ろうと言い合っていたので、そこで強いチームになりたくて今日の試合に臨みました」
—昨年の新人戦から全員が井上選手のリーダーシップに言及していますが、その部分は森田選手も感じますか。
「そうですね。得点だけではなくて、石野(#5)もそうなんですけど、ハッスルプレーでチームを盛り上げてくれるんで、得点以上の影響があると思います」
—昨年の井上選手のイメージからは、正直あまり想像がつかないのですが。
「そうですよね。確かに試合になると、リーグでは諒汰さんも慌ててしまっているような部分があったのかなと思います。僕らも声を掛け合いながらやっていました。上の学年でキャプテンになって、多分意識も変わってきたんだと思います」
—昨年の新人戦では、優勝しましたが、森田選手は怪我で出場できませんでした。複雑な気持ちもあったのではないでしょうか。
「そこは悔しかったですね。泣きそうにもなりました。チームが勝っていくのは嬉しかったですけど、ちょっと上手くいかない部分も出て欲しいような気持ちもあったりで(苦笑)。リーグでは3勝しかできなかったのに、新人戦は自分がいなくて勝っちゃったので、イジられる感じでも言われたんですけど(苦笑)。でも、自分が外で見ていて、みんなこんなにできるんやなということが分かりました。そういう意味では良い経験になったと思います」
—そこから自分自身のスタイルも変えようという意識はありますか。
「去年はボールを長く持っていたんですけど、今年は良いガードがもう一人いますし、今年の関大はセンターが有利だと思うんで、そこにボールを集めて、自分もそのプレーの流れの中でやっていこうと思っています」
—関西大のバスケットのスタイルは、年々変わっていると思います。難しさはないですか。
「毎年変わるので、確かに難しいは難しいんですけど、でも相手の力も見ながら自分たちの有利な状況で勝負するということで。時間はかかるかもしれないですけど、そうやって強くなっていこうと思っています」
—今大会は、まだ1試合残っています。
「関学は小さいのでインサイドでファウルを狙って、キックアウトとかで外からシュートを狙いつつ、リバウンドで有利な状況を作って。みんなで強い気持ちで攻めていきたいと思います」
—リーグは2部になりますが、今シーズンはどのように戦っていきたいですか。
「2部は1部とは全然違うと思うんで、その中でどれだけ1部を想像しながらバスケできるかが大事だと思います。例えば身長的にボックスアウトしなくてもリバウンドが取れてしまうこともあると思うんですけど、そこは1部では取れないんで。そうした2部では出来て1部では出来ないことのギャップをなくして、みんなで高め合っていきたいです」
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「ここまで来たからには優勝目指して頑張りたい」
初戴冠のチャンスをみすみす逃すわけにはいかない
◆#9内藤健太(大阪体育大・4年・SF)

—最初から全開のプレーでしたね。
「始めから、去年近大には同じところで負けていて、絶対にチームとして負けられないという部分がありましたし、途中で岸田が怪我をしてしまって4回生が僕しかいない状況になって、自分がやらないといけないという意識はありましたね」
—相手のディフェンスも最後は厳しかったと思います。
「そうですね。やっぱり今年は4回生なので、後輩に任せることも大事なんですけど、そこは自分が決めてチームを勢いづかせようと思ってやっていました」
—立ち上がりは、相手も同じでしたが緊張感と硬さがあったように見えました。
「僕らは下級生も多いので、確かにこういう大舞台で少し緊張が出たのかなと思います」
—内藤選手が自分で攻めることでチーム全体がほぐれていった印象でしたが、意図的に自分で攻めようと?
「そうですね。自分と岸田とで流れを作らないといけないというのは日頃から話しているんで。自分たちでどうにかしようと。それが結果的に良い流れになって、後輩たちもついてきてくれたので良かったです」
—下級生主体で手探りといった状況でもあると思いますが、決勝まで来ました。この要因は何でしょうか。
「去年は4回生が多くて、その分4回生に頼っている部分があったんですけど、今年は比嘉さんからもっとチームワークを高めろと言われています。コミュニケーションを取ったり、下級生からも意見を言ってもらって、良い形でコミュニケーションが取れているんで、それでチームワークが良くなってきているんじゃないかなと思います。能力でも他のチームに負けている部分があるので、チームワークで勝たないといけないです。そこは自分たちの強みですね」
—得点を取ることはもちろん、ボール運びなどの面も状況では役割を果たして大変だと思いますが、特に力を入れていることは?
「言い方があれですけど、去年は点を取ることを中心に考えていましたけど、今年は4回生が抜けている分一番はリバウンドを意識して。そうすることで、シュートが入らなくてもリバウンドを頑張ろうと切り替えられるんで、その結果としてシュートが入るようになってきて、言い方が変ですけど、気楽にできているような感覚ですね」
—Bリーグを経験しましたが、それは力になっているという感覚はありますか。
「そうですね。体の当たりが全然違いました。自分もウェイトはあんまりしてこなかったんですけど、Bリーグに言って日頃のウェイトの大切さもわかったので、そう言った体の使い方は学べた部分が多いです」
—いよいよ明日が決勝です。
「自分たちのチームの最高戦績が3位だと聞いていて、それを今日塗り替えられて。みんな明日は緊張すると思うんですけど、普段とは違って楽しんでプレー出来ると思うんで、ここまで来たからには優勝目指して頑張りたいです」
—岸田選手の出場が厳しいですが、そこについてはどう考えていますか。
「岸田はプレー中もそうですし、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれているんで、チームとしても痛いですし、僕としても心の不安はあるんですけど、そんなことを言っていても岸田も報われないと思うんで、岸田の分もしっかりパフォーマンスを見せたいと思います」
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「決勝でも体大のバスケをやれば勝てる」
いつも通りの平常心を保ち、優勝へ突き進む
◆#4草川涼輔(大阪体育大・3年・PG)

—決勝進出おめでとうございます。お気持ちいかがでしょうか。
「ホッとしたという気持ちもあるんですけど、一番を取るために練習してきているので、それを果たしてからみんなで喜ぼうと話したので、優勝するまではもう一度気を引き締めて決勝に臨みたいです」
—立ち上がりは緊張感があるように思いましたが、ベンチからはどのように感じましたか。
「去年と同じ近畿大が相手で絶対に勝とうと言っていて、気持ちが入り過ぎている部分があったように思いました。そこはベンチから声を出して盛り上げていこうと思っていました」
—最初のフィールドゴールは草川選手でした。ご自身は特に緊張感はなかったですか。
「いや、今日も思い切ってやろうと思っていたので。(あまり緊張しない?)そうですね。今日は思い切りいけました」
—少し抜け出した状況で岸田選手にアクシデントがありました。そこで動揺はなかったですか。
「点数が取れる人が抜けてしまったんですけど、練習でもそういう場面は想定してやっていたり、昨日も岸田さんと内藤さんが4ファウルになってしまった場面があって、でも自分たちでなんとか持ちこたえられました。もう一回集中してやっていこうと言ってやっていました」
—内藤選手の活躍は、チームメイトとしてはどのような心境で見ていましたか。
「なんとかしてくれるという気持ちがあるんですけど、それはみんなでディフェンスとリバウンドを頑張ればやってくれると思っていたので、あとは信じるだけでした」
—勝ち上がりとともに、チームとしての成長は感じますか。
「練習でやってきていること、ディフェンスリバウンドやファーストブレイクがしっかり出せているんで、それが高まっていて、ディフェンス面もすごくよくできています。それも上に行くにつれてどんどん良くなっているので、このまま決勝も頑張っていきたいと思います」
—決勝はまずリバウンドに気をつける必要があると思います。
「そうですね。でもとにかく体大のバスケットであるディフェンスとリバウンドからのファーストブレイクをやれば勝てると思います。ずっとそれをやって、しっかり戦っていきたいです」
—岸田選手が不在ですが、そこはどう考えていますか。
「あの人の気持ちも背負って、みんなで頑張ろうと思います」
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「先輩がカバーしてくれる分がむしゃらにリバウンドにいけたら」
1年生らしく思い切り良いプレーで決勝を楽しむ気持ち
◆#8吉井裕鷹(大阪学院大・1年・SF・大阪学院大高)

—怪我もあり、実質公式戦デビューが昨日でしたが、この2日間の出来栄えはいかがですか。
「僕がまだ無名やと思うんですよ(笑)。だから当たりも強くなかったと思うんですけど、それで点数が取れたのかなと思います。でも付け上がらずに、その時その時で対応していこうと思っています」
—ここまで危なげなく勝ち上がってきましたが、この内容は何が要因だと感じますか。
「流れが悪くなりかけている時に吉川さん(#35)や木下さん(#30)が空気を押しとどめる一発を決めてくれて、それが大きいですね」
—ご自身のプレーの出来はいかがですか。
「僕自身は高校の時から体力が全然なくて(苦笑)。今日も最後の方が足が重かったんですよね。(全然そう見えなかったですけど?)そうですか?いやあ、しんどかったです(苦笑)」
—決勝はどのように戦いたいですか。
「相手がめっちゃ手を絡めてくるチームと聞いているので、僕自身が手を出すディフェンスをしてしまいがちなので、それがファウルにつながってしまわないように注意して。あとはかなり走ってくるので、そういったところですね」
—まだ入部したばかりで分からないことも多いようですが、これだけは負けないようにしようと思っていることはありますか。
「パニクったらおしまいやと思ってるんで、ローポストに入れる時も冷静に周りを見るように。しんどくても周りを見れるということを心がけてやっていけたらなと思います。とにかく体力をつけないとあかんと思います(笑)」
—全然そうは見えませんが、それでも3連戦目は誰にも厳しい戦いです。
「いやあ、今日でこんなしんどいのに明日がどうなるかが未知数です(笑)。全然その辺が分からないですけど、明日も楽しんでやりたいです」
—U19代表候補選手ということで、周囲の期待は感じますか。
「僕はがむしゃらにやって、失敗したら先輩たちがカバーしてくれるという気持ちで今はやっています。なので、リバウンドをがむしゃらにいけたら良いなと思います」
—先輩たちは心強いですか。
「そうですね。しっかりボールを運んで集めてくれますし、しっかり声もかけてくれて思いやりを感じます。楽しんでやれますね」
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