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2016.12.03 (Sat)

【2016インカレ】11/27 3位決定戦 白鷗大VS専修大

白鷗大が専修大を倒し、チーム史上最高の3位に
来シーズンを担う下級生の成長も光る


161127nozaki.jpg 準決勝の激戦を演じてから一夜、白鷗大専修大による3位決定戦。うまく気持ちを切り替えたのは白鷗大で、#0野﨑(3年・SG)の3Pやドライブで開始3分11-0と先行する。専修大はタイムアウトの後#7國分(4年・F)、#6渡辺(4年・G)らの1on1で反撃を開始するも、チャージングを取られてしまうなど攻めあぐむ。その間に白鷗大は合わせのプレーが冴え、21-9とリードを保つ。

 2Qは両チームともペースダウン。ゴール下ではブロックショットに阻まれ、アウトサイドもなかなか決まらない。24-18の白鷗大リードで迎えた残り3分から再びエンジンがかかり、専修大は#7國分のピック&ロールや#11秋山(2年・G)のロングシュート、白鷗大は#21神里(3年・PG)の3Pで加点。専修大はさらに#7國分のフリースローで2点差まで迫るものの、逆転は叶わず34-30で折り返す。

 3Q、両者パスミスが目立ち、リズムを作りきれない。我慢比べを打破したのは白鷗大#5川島(4年・SG)。連続速攻で残り5分43-34と突き放す。専修大のタイムアウトの後も流れは渡さず、#5川島の3Pで48-36と2桁差に。しかしこの後Q終了までノーゴールと足踏みしてしまう。この間に専修大は#11秋山の3P、#26砥綿(3年・G)の速攻で48-43まで差を詰める。

161127towata.jpg 4Q、白鷗大は#75イブラヒマ(1年・C・延岡学園)の3Pでスタート。さらに#5川島も勝負強さを見せてリードを保つ。専修大はタイムアウトの後#30アブ(1年・C・アレセイア湘南)にボールを集めて食い下がる。残り2分半には#6渡辺の速攻が決まり59-56と勝負の行方はわからない。白鷗大はここで#30アブをファウルで止める作戦に出ると、フリースローは2投とも落ちて奏功。だがファウルゲームで得たフリースローを2投とも落としてしまい突き放せない。残り1分、#11秋山の1on1で1点差とした専修大はテイクチャージでマイボールとすると、好調の#11秋山に託す。しかし決めきれず、再度のファウルゲームでファウルアウトとなってしまう。白鷗大は絶好のチャンスも、またもフリースローを決められない。だがリバウンドから#18奥野(3年・PG)が3度目の正直で2投揃え、残り14秒3点差に。専修大はこのラストプレーをシュート力のある#10大澤(2年・F)に任せるもネットを揺らすことはできず、61-58で白鷗大が逃げ切った。

 白鷗大は1部リーグ3位に続いてインカレでも3位入賞と躍進のシーズンとなった。落合監督の就任から3年目となり、浸透してきた「落合イズム」とも言える堅守に加えて思いきりのよい攻撃もできるようになり、チームにとって未知の高みを切り拓いた。下級生時から試合に絡んできた4年生は卒業するが、それでも#0野﨑や#75イブラヒマらが残る来シーズンも楽しみな存在だ。

 専修大は春の京王電鉄杯では優勝を果たすも、トーナメントは5位、リーグは4位。このインカレも4位で終えた。アブの加入によりインサイドの強さを得た反面、ウイングのメンバーとのスペースのバランスが難しかったと思われる。しかし、近年では最高の数字を叩き出した1年だったことも確かだ。大澤ら下級生の成長もあり、アブを軸とした新しいチームづくりがこちらも期待される。

写真上:シーズンを通してエースの働きを見せた白鷗大・野﨑。
写真下:専修大・砥綿は限られたプレイタイムの中で持ち前のスピードを発揮した。

・白鷗大・川邊選手、川島選手、ジャニ選手、鎌田選手、小倉選手、
・専修大・渡辺選手、國分選手のインタビューは「続きを読む」へ。




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【INTERVIEW】

「泣いて終わるより勝って終わろう」
決勝には届かずとも勝ち取った勲章

◆#28川邊亮平(白鷗大・4年・主将・SF)161127kawabe.jpg188cmの恵まれた体格でドライブ、アウトサイドと幅広いプレーをこなすことができ、下級生時から成長が期待されてきた。しかし、優しい気質も持ち合わせ、その内なる壁を突破することを望まれてもいた。そんな中、今年は主将に抜擢された。すると、プレーも発言も変わった。試合ではスタメン、シックスマンと変幻自在の立場で活躍し、特に苦しい場面に追い込まれたときにコーチに送り込まれると、流れを変える見事な働きを何度も見せた。また、試合後のインタビューでの受け答えもリーダーらしくなり、大学での「成長」を大きく感じさせてくれた最終学年だった。まだ伸びしろが多いと感じさせてくれるだけに、この結果を自信に、さらに自分を磨いていって欲しい。


—今日に向けての切り替えはいかがでしたか。
「昨日の負けは本当に悔しかったですし、そういう状況でみんな沈んでいたんですけど、でも今日になって、みんなで勝って終わろうと話し合っていました。アップからみんなで声を出していって。泣いて終わるより勝って終わろうという感じで話し合っていました」

—今日も競っている時間が長かったですが、それでも勝てた要因はなんでしょうか。
「最初はシュートが当たっていた時間が長かったんですけど、2、3Qになると相手もシュートが入り出して、こっちも我慢できない部分がありました。それで追い上げられてしまったんですけど、最後の4Qでリバウンドの部分とかを一つひとつ徹底したことが、勝利に繋がった部分かなと思います」

—逆転の試合がこのインカレでは続きました。クロスゲームをものにし続けられたのは、何が良かったのでしょうか。
「最後までビハインドでも、応援しているベンチメンバーやチームメイトがいて、負けているという雰囲気じゃない感じがあります。ずっと声を出しているし、試合に出ている方も、これなら負けることはないと思えます。そういうところが慶應や早稲田に逆転できたことに繋がったのかなと思います。東海戦では自分たちが逆に我慢を切らせてしまって負けてしまったんですけど、今日は勝てて本当に良かったです」

—東海大の強さを改めて感じた部分もあったように思います。
「そうですね。リーグの時は1勝1敗だったんですけど、その時とは違う気迫を感じました」

—紆余曲折の1年間でしたが、ここまでの結果のイメージはなかったのではないでしょうか。
「今シーズンが始まってからは、自分たちの実力が分かっていませんでした。最初はリーグで残留できれば良いのかな、という感じでもあったんですけれど、戦っていくうちにどのチーム相手にも競ることができるし、戦っていけるということが分かりました。このチームなら上を目指せるかなと思ったら、リーグでも3位になって、このインカレも3位になれました。実力はあったんだな、と思いますね」

161127kawbe2.jpg—厳しい練習はいかがでしたか。
「練習中も、自分たちは暗い雰囲気を作らないようにしていました。チーム全体で、良い雰囲気で練習できるように声も出しましたし、そういうこともあったから、この土壇場でもそういった雰囲気でやれていたように感じます」

—最上級生、なおかつキャプテンの立場で、何か意識や心がけは?
「特に意識はしていなかったんですよね(笑)。自分は声が響くタイプじゃないし、プレーで引っ張るタイプでもなく、キャプテンに選ばれたのも、お前がだらしないからやれ、という感じで(苦笑)。それで始まったんですけど、こんなキャプテンでも後輩たちがついてきてくれましたし、他の4年生が一緒に手伝ったりしてくれて、それでチームが一丸となっていたのかなと思います」

—1年生の時の6位がインカレ最高位で、当時は田中選手を筆頭に柳川選手(現Bリーグ仙台)や白濱選手(現Bリーグ秋田)といった力のある4年生がいました。今回その4年生の記録を更新しましたが、感慨はありませんか。
「当時は4年生にも引っ張っていただいていました。そこで白鷗の歴史をまた塗り替えられたというのは、とても嬉しいです」

—1年生の頃から出番を得続けていて、期待の目もあったかと思います。
「期待されていたというよりは、やらなきゃいけないという意識の方が強かったです。これまでの4年生を見てきた中で、みんなやるべきことをしっかりやってきたのかなと思います。それで自分もそうやってきました」

—まだオールジャパンも残されています。
「後輩のことを気にしつつ、自分の個人技を高めつつ、まだもう一歩前進して、プロと試合ができたら良いなと思います」

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「もっと頑張っていけば絶対優勝できる」
インカレ過去最高位で感じた確信

◆#23バイ セイディ イッサ ライ ジャニ(白鷗大・4年・C)
161127issa.jpg白鷗大のインサイドで4年間、役割を果たしてきた。向上心が見られると思うのは、自分の幅を広げるようなプレーをたびたび見せたことだ。「できなくても、やろうとする気持ちがあるのが彼のいいところ」とは、落合監督のかつての評だ。与えられた役割だけをこなすのではなく、ときには外のプレーを試みるなど、その積極性が彼の力を向上させてきたと言えるだろう。皆で掴んだ3位を本当に嬉しい、と締めくくった。チームが大きな結果を残したのは、個々の力を伸ばしてきたからであり、自信の成長も感じられたに違いない。


—最後の3位という成績に対してのご感想はいかがでしょうか。
「嬉しい気持ちでしたね。4年生で最後の大会、最後のインカレだったし、3位になれて本当に嬉しいです。とても良かったです」

—昨日の負けは、ショックに感じた部分はありませんでしたか。
「昨日は確かに負けて、みんな絶対に優勝しようと思っていましたけど、しょうがない、と。負けたけれど、3位になるために最後までみんながちゃんと集中していました。それで勝って3位になれたので、嬉しいですし、良かったと思います」

—リーグ3位で、周囲から期待の目もある中でのインカレでしたが、そういう視線は感じましたか。
「あんまりなかったです(笑)。いつも通りで、今まで4年間やってきてもう試合の雰囲気にも慣れているので、全然大丈夫でした」

—逆転勝利が続きましたが、やってやろうという気持ちが強かったのでしょうか。
「今まで練習でやってきたことや、試合のモチベーションとか、監督の指示、応援もあって、みんな気合いが入ったから、ここまで来られたんだと思います」

—色々なことのあった一年間でしたが、リーグとインカレで3位になるイメージはありましたか。
「僕的にはあまりイメージはなかったんですけど、練習が始まってみんな気持ちを入れて、最後までやり切ろうという気持ちがありました。だから、信じていた部分もありました」

—シェッハ選手(#75)が入ってきて、ご自身も練習面などで良い刺激になったのではないでしょうか。
「はい。二人で結構練習をやり込んでいたので、シェッハは1年生だけど頑張っていたので、この先も彼は大丈夫だと思います。バスケのこととかもそうで、どうやって学んでいくのか、とかそういうことを話してきました」

—同じ留学生という立場で、彼への思い入れもあったのではないでしょうか。
「そうですね。でも試合は試合ですけど、留学生は他のチームでもみんな仲が良いです」

—最後の年にチームの最高成績を更新しましたが、満足感、充実感はありますよね。
「それは嬉しいですよ。白鴎はこれまで3位に入ったこともなくて、今年3位になったのはとても良かったと思います」

—後輩たちに後は託しますね。
「1年生も2年生も、もっと頑張って、練習で言われていることをやっていけば、絶対に優勝まで行けると思います」

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「泥臭い部分も楽しんでやってきた」
躍進の立役者が残した笑顔と悔しさ

◆#5川島 蓮(白鷗大・4年・SG)
161127kawasima.jpg白鷗大史上初のインカレ3位入賞。川島個人としても「全国3位なんて初めて」と笑った。ミニバス時代よりポジションはセンター、本格的にアウトサイドに転じたのは大学に入ってからだという。持ち前の身体能力と努力、そして鋭い嗅覚で以ってプレイタイムを掴んだ。クラッチタイムに強い3P、そして抜け目なくスティールを狙うディフェンスは、相手チームにも脅威となった。川島も言う通り泥臭い部分をきちんと継げるかどうかに、来シーズンの白鷗大の命運はかかっている。


―準決勝からの気持ちの切り替えはできましたか。
「うちのチームはいつも切り替えは早いほうで、帰りのバスではもう皆切り替えていて、今日の試合もうまく入れたと思います。個人的には東海に負けてすごく悔しくて、更衣室に下がってからもずっと落ち込んでいたのですが、皆が『お疲れ』『ありがとう』といった声を掛けてくれて、明日しっかりやらなきゃいけないなと思えたので、そこでもう切り替えて今日の試合に臨みました」

―リーグでは2試合とも差をつけて勝った専修大ですが、この3位決定戦は接戦となりました。
「やはり向こうはうちに2回負けているから勝ちたいというのがあったでしょうし、自分たちとしてもメインでインカレ最終日までやるのは初めてで。1年のときもベスト8に残りましたが、そのときは先輩がメインだったので、疲れが溜まっている中未知の世界での試合となり、そこで追いつかれてしまう部分があったのかなと思います」

―それでも最後は逃げ切りましたね。
「うちの24番(鎌田)が4本フリースロー落としましたけど(笑)、勝ててよかったです。あいつがいちばん練習しているので(打つ前に)とくに声は掛けなくていいかなと思いきや、全部外したので逆にびっくりしたくらいです」

―自分たちが4年生の年に結果を残せたというのはどうですか?
「本当に嬉しいです。自分たちの代で記録を残そう、とずっと言っていたので、本当にリーグ・インカレ3位という結果を出せてよかったです。今年はAチームの4年が7人と多く、力を合わせて引っ張れたのがいちばんの要因だと思います」

―これを伝統とするために、後輩たちにはまずどんなところに取り組んでほしいですか。
「やっぱりルーズボールとか泥臭いところですね。今年は4年生がそれを担っていたので、その部分を頑張ってほしいです。できるかどうかは気持ち次第。自分は小学校からそういうプレースタイルでやってきて、何でも楽しくやるのがいちばんと思って泥臭いことも楽しんでやったのでできたんじゃないかと思っています」

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「自主的に考える力がつき、人としても成長できた」
山あり谷ありの4年間に得られたものの大きさ

◆#24鎌田健太(白鷗大・4年・SG)
161127kamata1.jpg最終学年になって出番を得、試合に出場するようになった。自身の言う通り、インカレを通して鎌田の出場時間帯に追い上げられることが多かったのは確かだ。しかし、ミスすれば次のプレーではそれをカバーする粘り強さも見せた。この試合でも競り合いになった最終盤にターンオーバーを犯したが、それを取り返すフリースローを得るなど、あきらめない姿勢で粘り通した。ベンチもすぐさま交代とせず、使い続けたが、それも彼の頑張りに対する信頼だったのではないだろうか。


―今の率直な気持ちは。
「嬉しいです。今までいろいろありましたけど最後にこうやっていい成績を残すことができて良かったです」

―終盤のフリースロー(0/4本)は少し緊張してしまったのでしょうか。
「入ると思っていたんですけど、やっぱりあの場面で決めるっていうのは難しかったです。自分の気持ちも弱かったですし、まだまだ練習が足りないなっていうのを実感しました」

161127kamata2.jpg―フリースロー前に奥野選手(#18)に話しかけられていましたが。
「『鎌田さんなら大丈夫だ』っていう励ましの言葉をもらいました。それで少し入れられるぞっていう気持ちになっていたんですけど、結果外してしまいました」

―プレータイムが長くない中で、自分が求められている役割はどういうものだと思っていましたか。
「うちのチームは点の取れる選手は多くいるので、自分はリバウンドやルーズボールを意識してやっていました。みんなが辛いときに表に出ない泥臭いところを頑張って、少しでもつなげられるようにと思っていましたし、そういう仕事が求められているのだと感じていました」

―自分の役割を見つけるのに迷ったり、苦労したりはしましたか。
「4年生になってからAチームに上がってメンバーを見たときに、このメンバーなら自分が点を取る必要はなく、主力メンバーの助けになれるくらいの何かができたらいいと考えました。すぐにそういうところを求められているっていうのは分かりましたね」

―リーグ戦・インカレを振り返ってチームの力になれたという実感はありましたか。
「自分が出場して点差が詰まってしまったり、パスをもらってもシュートが入らなかったりとか、そういうことが何試合もあって、リバウンドとルーズボールだけじゃ力になれていないと思いました。なのでチームにとってはマイナスになっているんじゃないかと思っていました」

―今シーズン白鷗大は躍進の年でしたが、自分たちでここまでこられるというは想像できていましたか。
「自分たちは春の大会に1つ出られなくなって、そのときに『なんでバスケットやってるんだろう』とかみんな考えたと思いますね。それで4年生が何回もミーティングを重ねて、その度に『俺たちにはバスケットしかない』という思いになりました。じゃあ最後の年やれるところまでやるしかないでしょ、っていう決意がすぐに固まったので、最後までそこがブレなかったからこの結果に終われたのかなと。残りの少ない大会頑張ろうとみんなが同じ気持ちを持っていたので、それがもう生活から練習までずっと出ていて、その姿勢がこの結果を生んだのではないかと思います」

―今年はいろいろ乗り越えなければいけないことがあって、そういう部分でメンタルが鍛えられたのですね。
「はい、それら全部含めて今の結果につながっているというのは思いますね。終わったことだから言えることなんですけど、よかったなって」

―後輩たちには何を残せたと思いますか。
「今回この成績が残せて、これからは周りからの目も変わってくるだろうから、そういう目に負けないように。常に自分たちでやることを見つけて頑張れるような、そういうメンタルを少しみんなに残せたのかなと思います」

―鎌田選手が4年間で1番成長した部分というのは何だと感じでいますか。
「考えることができるようになりました。大学生になってから自主的な時間が多くなって、その中で『じゃあチームから何を求められているのか』ということを考えたし、『じゃあその役目を果たすには今何をしなきゃいけないのか』とか、そういう本当に細かいところまで、客観的に自分を見て考えをまとめる、そういう力がついたんじゃないかなと思います」

―白鷗大での4年間はどうでしたか。
「本当につらい時期もありました。でもその度に同期とかが支えてくれて、相手に何かあればこっちも話を聞いてっていう風にやってきました。今までのバスケ人生で白鷗での4年間が1番楽しかったんじゃないかなと思います。みんなと真剣にぶつかって、話し合って、時には喧嘩もして仲間で割れたこともあったんですけど、それも全部含めて、人としても成長できた4年間だったと感じています」

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「リーグで筑波大を倒して手応えを掴んだ」
少しずつつけた実力を確かな確信に変えた瞬間

◆#41小倉 渓(白鷗大・4年・PF)
161127OGURA.jpgインサイドで泥臭い仕事を担当し、試合によってはなかなか目立たないこともある。しかし、小倉のリバウンドや見えないところからボールを狙う働きがあってこそ、スコアラーが光り輝くのは間違いない。このインカレでは自分自身納得いかない試合も中にはあった。しかし、この4年間、苦しいときも全員で声をかけ合いながらやってきた、白鷗大の明るい声援にも最後は後押しされて頑張れた。自分でやらなければ成長はないと言われる大学界。支え合いや周囲の刺激があって4年目に掴んだ自信を、オールジャパンまでの1か月でさらに強くして欲しい。


—最後の試合も激しい戦いでした。準決勝からの切り替えはできていましたか?
「昨日は昨日で、という話をして悔しかったですけど、3位という成績も自分たちにとってもいい成績です。だから上位を目指そうとみんなリラックスして試合に入れたと思います」

—準決勝は3Qまでは試合に我慢ついていけていました。試合前は白鷗大の女子が優勝を決めたあとでしたが、変な緊張感はなかったですか?
「女子が優勝したことでアベック優勝も狙おうという気持ちも、女子のおかげで高まりました。でも東海大戦は力が及ばなかった。向こうの方が優勝に対する気持ちが強かったと思います」

—今日は専修大相手で高さの戦いになるだろうという予測がありました。
「イッサ(#23)とシェッハ(#75)がフィリップ(#30アブ)のところをしっかり押さえてくれました。あとは4年生、鎌田(# 24)や蓮(#5川島)が体を張ったプレー、ディフェンスやリバウンドをやってくれました。このインカレはそうしたプレーで頑張ってこられました。自分もそういう面でついていこうというか、頑張っていこうと思っていました」

—準決勝でもそうでしたが、リバウンドで降りた下から狙うなど、裏をかくようなプレーが光っていましたね。
「ずっと狙っていたんですけど、自分の弱気な部分がちょっとしたところで出てしまいました。まだまだです。オールジャパンに向けてあと1か月あるので、そこも修正して挑みたいと思います」

—昨年までの白鷗大は少し自信がなさそうな部分も見えましたが、今年のリーグ戦を経てインカレに入ったら、とても落ち着いてプレーしているのが印象的でした。
「チームとして優勝を狙おうという気持ちがありました。個人的にはうまくいかずにモヤモヤした試合もありました。でも同期や後輩、みなが支えてくれて言うことも言ってくれました。だからそこで気持ちを入れていけたと思います」

—でも自分たちに力がついてきているというのは実感としてあると思います。今年はどこでそういう手応えを得ましたか?
「一番はリーグ戦で筑波大に勝ってからですね。リーグ序盤に拓殖大に勝っておやおや?と思ったんですけど、そこからちゃんと勝ちを掴み取れて、勝ち方がわかって、チャンピオンの筑波大を倒したことが自分たちにとってもすごく力になったし、そこから一人ひとりの自信がついたと思います」

—小倉選手は2年生以降から少し出番を得始めてここまできましたね。
「大学に入ったときは不安しかありませんでした。2年のときはベンチに入れない試合もあって、そこで辞めたい気持ちもあったし、大学生になったら周囲の誘惑なんかもありましたし。正直、バスケットに対しての意欲がぜんぜんなかった時期もあったんです。でも3年生から本当に覚悟してバスケットをやらないと、大学生活がこのまま終わってしまうと思いました。そこから死に物狂いでウエイトや走り込みを始め、練習に対する意欲が変わりました。3年生になって試合にも少しずつ出られるようになって、4年生になってからは最後だし、みんなにも上位を目指そうとか、ベスト4を目指そうという気持ちがあったので、自分もついていかなければとやってきました」

—落合監督はベンチの全員を使っていく方針ですよね。落合監督が指導されるようになって、チームは変わったのでは?全員が試合に出て活躍できるチームになりました。
「落合さんがコーチになったのは自分が2年のときでした。最初はチームがうまくいかなかったし、自分は試合にも出られず、最初はあまりいい思いはなかったんです。でも本当にいつも最後まで面倒を見てくれて、年を重ねて信頼関係を築いていくことができました。今はついていこうと思えるし、監督も自分たちを信頼して試合に使ってくれていると思います。彼のためにも上位を目指そうという気持ちが高まっていきました。今は感謝の気持ちでいっぱいです。あと1か月、一緒に頑張っていきたいです」

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「準決勝以降どういうゲームができるかだと思っていた」
心残りの清算は次なるステージで

◆#6渡辺 竜之佑(専修大・4年・G)
161127watanabe.jpg決して身長は大きくないものの、何度もリバウンドに飛びボールをもぎ取り、好守につなげた。最上級生となった今シーズンはマークも厳しい中でチームを引っ張ってきた。このインカレ最後の試合の出来は納得できなかったようだが、今後プロとしての活動が始まる渡辺個人としても、チームとしても、今後のステップアップの糧としたい。


―準決勝からの切り替えは難しかったでしょうか。
「自分的にはしたつもりなんですが、今日の試合は全然何もできなくて、皆に迷惑かけてしまったと反省しています。筑波との準決勝は、自分のすべてをかけようと皆で話していました。それで出だしは勢いがあってよかったのですが、途中で集中力が切れてしまって。ずっと言われてきたディフェンスとリバウンドを皆でもっとがむしゃらにやればわからなかったかなと思っています」

―インカレ全体を振り返ってはいかがですか?
「ベスト4まではよい感じでこられたと自分なりには思うのですが、チームとしても個人としてもそれ以降の2戦(準決勝・3位決定戦)がよくなかったです。ベスト4までは行って当たり前と皆に言われていたので、それ以降どういうゲームをできるかだと思って臨んだものの、そこで勝てなかったのが残念です。強い相手とやっていくにつれて疲労が溜まってしまったかなと思います。プレイとしてはやはりリバウンドで貢献したいと考えていたのですが、だめでしたね」

―専修大での4年間は、どんな4年間になりましたか。
「1年のときはオフェンスには全然参加せず、リバウンドだけやれと言われていて。2年に上がってから少しずつ攻めだして、先輩が後押しして支えてくれたので、成長できたのかなと思います。充実していました」

―ただ、今は心残りが大きいと。
「心残りしかないです。皆自分たち4年生の言うことを聞いてくれて、よかったとは思うのですが、もう少し自分が皆に声を掛けてしっかりやれていればなと」

―その心残りを、自分の次のステージにはどう活かしていきたいですか?
「積極的に声を出して常にコミュニケーションを取ること。それが大事だとわかったので、しっかりやっていきたいです」

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「4年間でも一番いいチームだった」
自主性とチームの和が成果に結びついた4年目

◆#7國分大輔(専修大・4年・F)
161127kokubu.jpg最後までわからない勝負となり、試合後には涙も見せた。普段は淡々と試合に臨んでいるように見えるが、芯には熱いものを秘めている。
シュートが上手な選手で、ペリメーターでは下級生の頃から高い確率で決めてくる選手だった。最終学年の今年はリバウンドでも見せる場面が多く、その根本には鍛えたフィジカルで押し負けしなくなったことも大きいかもしれない。この4年間で学んだことは多いだろうが、体作りという、自分の気付きによって伸ばしたものほど、財産になることはない。精神面でもチームをまとめる姿勢を見せ、なくてはならない存在感を示した4年目だった。


—3決がとても激しい試合になりました。振り返って。
「やりきった感じはあります。でももう少しチームとしてできたことがあったんじゃないかと今は思います。でも悔いはないです」

—ずっと追いつきかけては逆転できない、という展開でしたが。
「やはり昨日準決勝で負けてしまって、気持ち的には決勝に行った人に比べるとモチベーションは低いですよね。そこをどう自分が声を出したりして引っ張っていけるかが鍵になると思ったんですけど、難しかったところでもあります。悔しいですね」

—準決勝の筑波大はどう感じましたか?
「チームとして筑波大の方が完成しているのは分かりました。チーム力は違ったなとは思います。でも絶対に勝てない相手ではないな、と思いました」

—向こうは上級生がメインですよね。専修大はまだ若い選手も多い。
「フィジカルの差もなんかもありましたが、うちは下級生が多くて、まだ気持ち面での弱さみたいなものは感じますね。それをここから変えていって欲しいですが」

—今年は佐々木選手(#65)、幸崎(#8)選手など、怪我人が続いてしまったシーズンでもありますね。その厳しさはありましたか?
「健登(佐々木)はスタメンにもなるような選手だし、いればいいなと思いますが、でも今のチームでも十分戦えるチームだと思っていました」

—今年は試合にメインで出ている4年は渡辺選手(#6)と二人ですよね。最上級生になったら自分たちがやらなければ、という気持ちで昔から意識していたのでしょうか?
「二人はずっと出ていますし、中心にならなければいけないですよね。二人ではいつも頑張ろうと言い合いながらやってきました。でもまあ、うまいことできたとは思います。ベスト4に入るのは久しぶりで、チームとしても自分が4年間在籍した中でも一番良かったと思います。特にみんなの仲が良かったですね。1年と4年でもコミュニケーションが取れていますし、それがいい結果につながったと思います」

—この4年間で國分選手もかなりたくましくなりましたね。
「体重もかなり増えましたし、フィジカル面はかなり強くなりました。リーグ前にはBリーグの川崎と練習試合をしましたが、そこが相手でも通用する部分もありました。高校時代には大学で通用するイメージはなかったですが、フィジカルがあればなんとかなるという思いはありました。そこをしっかり自分で考えながら、トレーニングをしっかりやってきた感じです」

161127kokubu2.jpg—専修大はみんな自主練習で伸びていくイメージです。
「そうですね。自分もウエイトに関しては誰よりもやったんじゃないかなと思います」

—見えない努力が実を結んだんですね。オールジャパンはありますが、学生の大会が終わったという寂しさはありますか?
「今思えばもう少しやりたいなという気持ちはありますね。いられるのならもう少しいたい、という感じです(笑)」

—専修大に来て良かったと思うことは?
「自由な環境でやらせてもらえたことですね。その中でバスケットだけじゃなく人間関係も含めていろいろ学べたと思うので、それが専修で得られたことですね」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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