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2016.11.23 (Wed)
【2016インカレ】11/23レポート(2回戦)
激戦の末に東海大が大東文化大を下す
筑波大は大差をつけてベスト8へ
勤労感謝の日ということもあり、この日の代々木第二体育館には多くの観客が訪れた。この日は2回戦が2試合行われ、中でもメインイベントといえたのが関東2位の東海大と、2部全勝優勝で1部復帰を決めた大東文化大のカード。大東文化大も優勝候補と目されるほどの実力を持ち、負けた方がベスト16で大会から消えるという絶対に見逃せない一戦は、決勝さながらの観衆に包まれた。
また、2回戦の2試合目、筑波大と日本大の試合は、筑波大が1Qから圧倒的な力を見せて24-7とすると、そのまま大量リードを維持。3Qになってやや集中を欠いた時間帯もあったが、日本大を100-65で下しベスト8へ進んだ。日本大は1部復帰を遂げたチャレンジの1年をここで終えた。
写真:筑波大は前半に本来の力を一気に爆発させ、日本大を引き離した。3連覇に向けて試合での集中を持続していくだけだ。
※日本大・門馬選手、仁平選手、高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
◆PICK UP
ロースコアゲームとなった死闘は
気迫の見えた東海大が制す
4年生中心の東海大と、下級生を多く出場させている大東文化大。注目の一戦の立ち上がり、東海大は立ち上がりに攻めあぐねるが、#4寺園(4年・PG)が素晴らしい集中力で3Pを続けて沈めてリード。ディフェンスではゾーンを織り交ぜて大東大のプレーに対応。大東大は#15モッチ(1年・C・桜丘)のブロックなど高さが光るが、1Qは3Pが好調だった東海大に分があり、14-17。2Qは前半互いに停滞するが、大東大は#36園田(3年・SF)の3Pが入ると同点、そこに#90小川(2年・SG)の3Pが続き、残り約4分に逆転した。東海も#4寺園が3Pを返すが、大東大は#12熊谷(2年・PG)のドライブ、#15モッチのスティールからの得点が決まり30-26で前半終了。
後半の立ち上がりも互いに得点の伸びは鈍い中、東海大は#4寺園4本目のスリーが決まると、#3大矢(4年・PF)の3P、ジャンパーが沈み開始3分で逆転。さらに#33鈴木(4年・SF)の3Pも入った。大東大は残り3分ほどの、セカンドメンバーメインの時間帯に思うようなオフェンス・ディフェンスを展開できず、東海大にフリースローも続けて与えてしまう。東海大は#19三ッ井(4年・PF)もゴール下でふんばり、44-52のリードに。
4Q、立ち上がりでさらに引き離された大東大は#91ビリシベの3Pを機に再び追い上げムードになるが、東海大はこれを#10鶴田(2年・PF)が2本のジャンパーで断ち切った。それでも大東大はあきらめずに#12熊谷がスティールからの3Pを沈めて残り1分、61-65まで追い上げる。しかし、そこから先は勝負を懸けるシュートが入らず、追い上げの決定打は出ず。61-66で試合終了となり、東海大がベスト8へ進んだ。
陸川監督はディフェンスが良かったことを評価。大東大の外回りのシュートも、簡単には打たれなかった。一方の西尾HCは3Q終盤、「我慢しきれずにファウルを重ねてフリースローを多く与えてしまった」ことを反省する。こうした場面にこそ、まだ1部上位との差があることを認識させられる試合だったとも言える。また、1部昇格の目標が大きく、入替え戦後は休養を除くと1週間しか練習できていない。インカレに臨むには体制は十分と言えてなかったのも確かだ。それでも熊谷の勝負強さ、モッチのゴール下の強さなど、下級生の活躍は際立っていた。来年のさらなる充実を待ちたい。
写真上:大東大・モッチと東海大・平岩がスタメンでマッチアップ。豪快なゴール下の戦いが続いた。
写真中:勝負強さを見せた大東大・熊谷はまだ2年生。4Q最後も熊谷の3Pが光った。先が楽しみな選手だ。
写真下:東海大・三ッ井は14分の出場でチームハイの寺園に続く、11得点の活躍。
「チーム全員で10万本のシュートを打ってきた」
リーグ戦後は課題克服に打ち込み、磨いたシュート力
◆#4寺園脩斗(東海大・4年・主将・PG)

この試合では立ち上がりから気迫が違った。3Pを沈めただけではなく、ルーズボール争いでもモッチに食らいつき、ヘルドを奪うなど次々に印象的なシーンが続いた。1回戦終了後、怪我で今大会を欠場せざるを得なくなった「伊藤のために」を何度も繰り返し、彼が出られない辛さを考えれば、どんなことでもできると言い切ったその決意が、コート上で発露されていた。
さらには寺園を始め、次々と4年生の3Pが決まったのも印象的だった。得点力不足に苦しんできた今シーズンを踏まえ、インカレで勝つために課題克服として全員で10万本ものシュートの特訓に取り組んできた成果だ。力強く、気迫あふれる東海大の姿がそこにあり、寺園がその先頭に立って疾走した試合だった。
―1回戦が終わったあと、「伊藤選手のために」という本当に気迫のあるコメントをされていました。それが見えるこの試合でした。
「インカレの組み合わせが決まったときから、大東大の準備しかしてきませんでした。先は見ずに集中してやろうとしていました。こういうタフなゲームになることは最初からわかっていたので、今日相手のやりたいことをやらせなかった、自分たちのディフェンスの粘りで勝てたと思います。今シーズン自分たちが課題にしていたディフェンスのローテーションだとか、リバウンドのところを、出る人出る人が意識していたので、それがいい結果につながりました」
―大東大の外を打たせない対策をしていたと陸川監督が。
「初戦、大東さんはペリメーター陣のシュートが入らずに苦労していたんですけど、他の2部の試合、慶應との入替え戦を見てもペリメーターの3Pが強くて、あとはモッチのリバウンドを抑えることで自分たちの流れに持っていけると言われていました。そこを徹底しようとコーチにも言われていました。入りが悪いと慶應みたいに離されるから、そこを大事にしようと。この2点をしっかりやるだけでした」
―寺園選手の3P(4本)がすごかったですが、それだけじゃなくモッチ選手相手のヘルドもすごかったです。何が何でも勝つという姿勢が見えました。
「自分たち、特に4年はここで負けたらオールジャパンもなくなってしまいます。目標はインカレ優勝とオールジャパンでプロを倒すことなので、まずは今日勝てて本当にホッとしています」
―あとは、4年生全員(寺園、中山、三ッ井、大矢、関野)の3Pが入ったことにも驚きました。
「アウトサイドのシュート確率は春もリーグ戦も課題でした。それでみんなでインカレまでに10万本のシュートを打とうと決めました。リーグ戦の終わった次の日から、1日300本ぐらいのペースで、一人で合計4350本を打ってきたんです。Aチームは23人いますが、みんなで4350本を打つと、10万50本になります。それをやりきったから、みんな自信を持ってアウトサイドシュートを打てています。練習の成果です」
―すごいですね。ただ打つだけでは、というのはありますがどんなやり方ですか?
「打ち方は個人に任せていますが、ゴール下が苦手な人はフックシュートとか、リーグ戦で苦手だった角度をスタッフに出してもらって、そこを打ち込んだり、考えてやってきました。でもまだこれは大会の途中です。また次に向けて頑張ります」
・東海大・鶴田選手、大東文化大・花井選手のインタビューは「続きを読む」へ。
与えられた仕事を確実にこなして貢献する
◆#10鶴田 美勇士(東海大・2年・PF)
陸川監督のプランでは、毕には佐藤、モッチは平岩とそして鶴田を当てるというものだった。そうした守りに遭って、さすがのモッチも後半には精彩を欠いた。さらに、鶴田の終盤の2本のジャンパーが、大東大の勢いをかなり削いだ。
自分としては求められたことをやるのみ、という姿勢だがシュートでも貢献できたことは、寺園も言うチームでのシュート特訓の成果だろう。それがきちんと出たことは、チームにも嬉しい出来事だったと言えるだろう。
―試合を振り返って。
「大東大は一つ目の山場ということもあって、4年生の気迫がすごくて、自分は前半は4年生を男にするという気持ちで向かっていったんですけど、なかなかうまくいきませんでした。でもこのままじゃ終わりたくないと思って、後半は最後のシュート2本も入りました。シューティングの成果が出ました。それで最後に4年生があれだけしびれを切らさずにやってくれました。自分も勝ててうれしいです」
―あのシュート2本が意地を見せたところだったと。
「留学生をうまく守ることや、得点面でもうまくやれなかったので、どうせ終わるなら自分も得点を決めて終わりたいと思っていました。何も考えずに思い切って打ちました」
―前半のディフェンスでもモッチ選手(#15)が鶴田選手のディフェンスの前によろけたりしていたし、守りも効いていたんじゃないかと感じましたが。
「コーチやベンチからはモッチが出てきたら、相手の体力を削るぐらいの仕事をしろと言われていました。それをずっと考えてやっていました。モッチも力強かったけれど、そこは自分の体格で押さえていけた部分もあります」
―4年生が本当に集中して臨んでいる大会であると感じますが、下級生から見て。
「4年生の刺激がすごく強くて、本当に4年生にとって最後だし自分は思い切ってやるだけだと思っています」
―リーグ戦でもいいジャンプショットを決めた試合がありましたね。専修大戦だったかと。
「専修戦のときも今回と同じように留学生を疲れさせる仕事を任されていました。そこでシュートも決まりましたね」
―今後の試合でもそういう留学生や強いセンターとの対戦が出てきそうですね。
「普通のプレーを大学でもやると思ったいたけど、違いました。相手を削る仕事は大学に来て初めてやっています。高校時代は攻めつつ、ということだったんですが。でも自分の仕事をまっとうします」
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「自分一人でバスケをやっていたわけではない」
周囲に支えられ、チームを支えたからこその達成感
◆#68花井大悟(大東文化大・4年・主将・SG)
主将として、ガードとして、「1部昇格」という3年越しの悲願を叶えた。それからわずか2週間。1部準優勝の東海大と好ゲームを演じたものの、勝負所で準備の差が出たかもしれない。とはいえ、後輩たちの成長ぶりをしっかり感じられた。また、花井個人としても東海大三高の同期や後輩もいる東海大と最後に対戦できたことで、「やりきった」と一言。静かに肩の荷を下ろした。
―試合を振り返って。立ち上がりは互角でしたが3Qに逆転され、その差を詰め切れませんでした。
「立ち上がりはすごく気持ちが入っていました。この東海戦に向けて準備してきたことは全力でぶつけられたと思います。ただ、やはり前半で体力を使いましたし、東海の3Qがすごく強いというのはわかっていたのですがそこを耐え切れなかったのが苦しかったかなと」
―体力を使ったというのはオフェンスですか、ディフェンスですか?
「どちらもですね。2部であれば高さや能力で攻め切れるところもハードなディフェンスを食らって体力が削られていったり、ディフェンスでも強いスクリーンだったり、身体にくるような疲れを感じました。そういう部分で前半までは頑張れたものの、後半は抜けてしまったというのがありました」
―1回戦も接戦となり、入替え戦からの切り替えも難しかったのでは。
「1部昇格という、今年のいちばん大きな目標を達成して、インカレ前の練習は少しホッとしてしまったところも確かにあるかもしれません。ただ今日の相手は格上で、持てるものをぶつけるだけだったので、逆にやりやすい部分もありました。東海さんはこの大会にすごくかけているものがあると思います。その重み、あとは4年生の差かなと。寺園くん(東海大#4)や大矢くん(東海大#3)とか、本当に気持ちが全面に出ていたのを敵ながら感じました」
―試合終了のブザーを聞いたときは、どんな気持ちになりましたか。
「そうですね……いろいろな人の顔が出てきたというか。自分ひとりでバスケをやっていたわけではありません。いちばんは親だったり、高校の恩師だったりお世話になった方の顔が浮かんで、悔しいけれどやりきった、という気持ちでした」
―先ほど4年生の話がありましたが、今シーズンの大東大は、上級生はベンチから流れを変える役割でした。一選手としてはプレイタイムが短くなるわけで、葛藤もあったのではないでしょうか?
「うーん、4年なのでコートで引っ張りたいというような気持ちも、最初は少しはありました。でも下級生がスタートで出る形が、一番チームがうまく回ったので。自分が控えにいると安心、と自分で言うのもなんですが、やはり自分だったらうまくストップを掛けられる。だから途中からは納得して、その役割を全うしよう、後輩が気持ちよくプレーできる環境をつくるという形で引っ張ろうと思うようになりました」
―昨年は苦しい時間帯を誰が打破するのか、という試合がいくつかありました。それを今年の春には、苦しい時間帯も特定の誰かではなく、個々が建て直せるようにと話していましたが、そこは達成できましたか。
「それについても皆が自覚を持ってプレーできたので、2部リーグを全勝優勝できましたし、今日も園田(#36)とか小川(#90)といったプレイヤーがしっかりシュートを決めてつないでくれたりしました。一人ひとりが一本立ちして、そういう意味では安心して見られたので、春の課題は克服できたのではないかと思います」
―その中でも誰にリーダーシップを取っていってほしいですか?
「いちばんは航(#12熊谷)でしょうか、やはりガードですし。感情を出さずクールにプレーするタイプですが、あいつがリーダーシップを表に出していけば周りもついてくると思います。(来年)3年生とか関係なく、このチームのガードとして頑張ってほしいです」
―後輩に向けてメッセージをお願いします。
「今シーズンずっと、敵は自分たちの中にある、自分たちが練習でやってきたことをいかにコートで表現できるかが大事だと言い聞かせてきました。来年は1部リーグという過酷な戦いになりますが、耐えて強くなって、こういう舞台で強い大東を見せてほしいです」
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「自分らしく頑張っている姿は見せられた」
濃い時間を過ごしたバスケット人生
◆#11門馬 圭二郎(日本大・4年・主将・SG)
185㎝ながらリバウンドに飛び込んできたり、ビッグマンをかいくぐってドライブをねじ込んだりと、熱いプレーが持ち味。チームメイトを鼓舞する姿にも存在感があったが、この試合ではその支配力を発揮しきれなかった。試合後は、4年間苦楽をともにした同級生、ライバル、後輩、家族などたくさんの人への思いが溢れた。偉大な先輩たちから受け継いだ主将という役割を門馬らしく、明るく果たして、次の代へとバトンタッチする。
―試合を振り返って。リーグでの2戦より点差が開いてしまいました。
「うーん、やはり硬くなってしまったというのがいちばんです。あとは筑波がしっかり試合に入ってきたのがリーグ優勝したチームの強さであり、僕らが弱かったというのが現実ですね」
―リーグ以降はどのような練習を経て、このインカレに臨みましたか?
「リーグ戦までのオフェンス・ディフェンスに、さらにプラスアルファしてよい準備はできていたのですが、それも出しきれず悔しいです。筑波とは身長差が大きいので、そこを突かれないディフェンスの対策もしましたが、それ以上にしつこくインサイドを突かれた。そこからキックアウトした3Pの確率もよく、筑波の形になってしまったと思います」
―門馬選手としてはそれを取り戻そうという気持ちが、ファウルトラブルになってしまった感じでしょうか。
「自分はいつもファウルトラブルになりがちではあります。今日は、今ここで自分がコートから下がるのと、相手に流れを持っていかれるのとどちらがよいかを咄嗟に考えていったファウルもあったのですが、結果的に逆だったかもしれません」
―ただ、3Qには速い展開や外角シュートなど日大らしさも見られました。そして4Qにはオール4年生でコートに立ちましたが、プレーしていてどうでしたか?
「正直試合は決まってしまっていて、4年生と一緒に試合に出られるのもこれで最後だとわかっていたので、楽しもうと。柳下(#4)に積極的にシュートを打たせたりしました。あいつはずっと努力してきて、我慢もして、Aチームに残るためにいろいろやってきてくれたので、最後にああしてシュートを決めてくれて本当に嬉しかったです。あとはいちばん努力してここまで上がってきた井上(#9)も一緒にコートに立てたらよかったのですが、リーグ中にケガをしてしまって。そのときは自分のことのように悔しかったです」
―努力家の多かった4年生から新チームにバトンタッチするに当たり、アドバイスはありますか?
「なんだかんだ困ったときに仁平(#5)がどっしり構えてくれていたのが大きかったので、来年はその役割を埋めていかないとバラバラになってしまいかねません。それと、僕たちは最上級生としての姿勢を常に大事にしていました。4年生がやらないとついてこない。来年は新号(#6)たちの代が率先してやっていく姿を見せることが大事だと思います。新号はチーム全体へのリーダーシップがついてくれば、さらにいいガードになるんじゃないかなと思います。今日対戦した筑波の生原(#46)を見ても、3Qに僕たちが20点差まで詰めたときしっかりチームメイトを引き締めていて、さすが日本一になるチームのガードであり、キャプテンだなと感じました」
―門馬選手も生原選手にひけを取らず、頼りになるキャプテンだったと思います。キャプテンとしての1年はどうでしたか?
「自分自身、まさかキャプテンになるなんて入学した時点では思っていませんでした。3年生くらいからそういった自覚を持つようになりましたが、そもそもこんなに試合に出られるとも思わなかったですし。日大の歴代キャプテンを見ても、竜青さん(篠山・現Bリーグ・川崎。在籍は重なっていないが門馬の兄と同級生)だったり、網野さん(コーチ)もそうですがキャプテンシーの強い人が名を連ねていて、最初は『僕でいいんだろうか』というプレッシャーみたいなものもありました。でも開き直って、僕らしいキャプテンをやろうというのを心掛けました」
―応援席に挨拶に行ったときには、涙も見られました。
「僕はここでバスケ人生がひと段落するので、いろいろな感情がこみ上げてきました。今日は両親も会場に来てくれていて、他にも本当にたくさんの方が応援に駆けつけてくれて。もっと戦いたかったのもありますが、ここまで頑張ってきて、両親には本当に感謝の気持ちでいっぱいなので、頑張っている姿を見せられたのはよかったです」
―バスケットに打ち込んだ学生生活はどんな時間になりましたか?
「この1年間はいちばん熱くなれた1年でしたし、大学4年間を振り返っても本当にバスケ漬けだったなと。バスケに向き合うという意味では高校の時もそうでしたが、大学は高校以上に自主性が問われるところがあり、より濃い時間だったと思います」
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「最後の年が一番充実していた」
1部の強豪でもまれ、感じた手応えをやる気に
◆#5仁平拓海(日本大・4年・PF)
かつてはビッグマンがいることが当たり前だった日本大だが、今年は小さなチームとなり、仁平がインサイドを安定的に支えることがシーズン通して必要とされた。ファウルも少なく、大きなミスもせずプレーし続けたことは、チームメイトにも一つの安心材料だったことだろう。
久しぶりの1部リーグ戦ではなかなか勝てずに苦しんだが、それでも8位残留。小さくはない足跡を後輩に残すことはできた。「もっとできたな」とい仁平の心残りを、後輩たちが継いで結果に変えてもらいたい。
―試合の入りは焦っていたのでしょうか。
「リーグを通して日大は入りが悪いのはわかっていたのに、この試合もそうでした。やはりぜんぜんインカレでも改善できていなかったんだなと。でも逆にそこを改善できたら日大はもっと良くなるというのもわかるので、まだまだやり残したこともあるという気持ちでした」
―最後の年は1部でやりましたが、いかがでしたか?
「4年間の中でもとても充実した1年でした。1部の強いチームと戦って、自分たちのレベルがどれくらいなのかもわかったし、自分たちの上にいるチームを倒すという気持ちを持って、練習でもそれを励みに頑張れました」
―インサイドを支える大事な役割を怪我もなく乗り切れたし、出番も多かったですね。
「チーム事情的に長く出ることになりましたね。怪我もなかったし。井上(#12)以外はチームとして目立った怪我もなかったですね」
―4年間で苦しかったのは2部時代でしょうか、やはり。
「そうですね。特に1、2年のときは試合をしても勝てなかったし、チームのみんなでもいろいろ考えました。それでも勝てなくて、苦しい思いをしたからこそ、3年目にそれを生かして1部にも上がれました。先輩に1部に上げてもらったので、しっかり維持して後輩にもつなげようという気持ちになれて、充実していました」
―1、2年の頃は毎試合ベンチメンバーも異なるし、試合に出る人もさまざまでした。毎週誰が試合に出るのか、という中でどう残っていこうと?
「練習のときにどれだけ自分を出せるかは意識していましたが、頑張っても試合に絡めないことはありました。でも練習のときにメインで出ている選手たちを倒すぐらいの勢いで練習すれば、メインの選手ももっと良くなるという気持ちでいました。自分が主力じゃなくてもチームのためになることを考えながら見ていました」
―来年は後輩にどう頑張って欲しいですか?
「今年の4年は声を出して引っ張っていく人が多いんですが、来年はそこがあまりいないので、リーダーシップを取れる選手が出てきて欲しいです。そこれチームで一緒になって盛り上がって、いいチームになって欲しいですね」
―今は終わったという気持ちですか?
「終わった、というのともうちょっとできたな、という思いとさまざまです」
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「1部で成功した部分はこれから伸ばしていきたい」
この先も続くバスケット人生の糧になった1年
◆#24高橋耕陽(日本大・4年・SG)
大きなストライドのスピードあるドリブル、192cmの長身から放たれる3Pなど、豊かな能力を持って大学界に乗り込んだ高橋。劇的なシュートを何度も決める一方、どこか気持ちにムラがあるというのも彼の特徴ではあった。
最終学年で1部に挑んだ今年、チームの勝率は決して満足いくものではないが、スイッチの入った高橋のプレーは素晴らしく、1部の中でも光り輝くものがあった。この先、新たなステージでその輝きをもっと増していけることを願う。
―最後の試合は筑波大相手で難しかったですね。
「そんなに圭二郎(#11門馬)と仁平(#5)がいつもより声を出していなかったし、新号と亮輔(#23本村)も空気に飲まれていて、出だしは仕方なかったです。タイムアウトを取ったときに網野さんに言われて、圭二郎と仁平が最後まで声を出していたので、そこは良かったと思います」
―この4年目に1部を経験していかがでしたか?
「2部よりぜんぜんレベルが高いので、勝ち負けは関係なく、一番楽しかったです。3年間2部だったので1部がどれだけやるのかわからなかったですし、自分ができるかできないか挑戦したい部分もありました。成功した部分もあるので、そこをこれから伸ばしていきたいです。チームとしては身長が一番小さいのが難点だったので、そこで6勝できたというのは、このサイズでもやればできるんだとみんな自信になったと思います。来年1年生も入って来ますが、もしまたサイズが小さくても、自分たちが見せてきたことを目に焼き付けてくれていると思うので、それを生かして頑張って欲しいと思います」
―高橋選手は2部で試合にあまり出られない時期もありましたが、4年間続けてこられた要因はありますか?
「やっぱり圭二郎が一番自分に話をしてくれて、練習のときもずっと声をかけてくれるし、寮にいても自分がうまくいっていないときは、いつも部屋に呼んでくれました。自分としては辞めようと思ったこともあったんですけど、それでも圭二郎がずっと止めてくれたので、続けてこられたと思います。本当に感謝しかないです」
―札幌日大の高校時代は森川選手(立教大#4)が、大学では門馬選手が支えてくれたんですね。
「やっぱり誰かちゃんとした人がいないとダメですね(笑)」
―4年生の数も多いですが、どんな仲間でしたか?
「みんな仲は良かったです。オン・オフもしっかりしていて、楽しい仲間でした」
―網野コーチがメインで指導されて2年ですが、いかがでしたか?
「高いことを要求されるし、網野さん自身が体を動かして教えてくれることが一番わかりやすかったです。頭にもよく入りました。技術面も全部指摘してくれるし、練習の内容としてはとてもレベルが高かったです。今後も言われることを聞いてやればもっとチームは強くなると思います」
筑波大は大差をつけてベスト8へ

また、2回戦の2試合目、筑波大と日本大の試合は、筑波大が1Qから圧倒的な力を見せて24-7とすると、そのまま大量リードを維持。3Qになってやや集中を欠いた時間帯もあったが、日本大を100-65で下しベスト8へ進んだ。日本大は1部復帰を遂げたチャレンジの1年をここで終えた。
写真:筑波大は前半に本来の力を一気に爆発させ、日本大を引き離した。3連覇に向けて試合での集中を持続していくだけだ。
※日本大・門馬選手、仁平選手、高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
◆PICK UP
ロースコアゲームとなった死闘は
気迫の見えた東海大が制す


4Q、立ち上がりでさらに引き離された大東大は#91ビリシベの3Pを機に再び追い上げムードになるが、東海大はこれを#10鶴田(2年・PF)が2本のジャンパーで断ち切った。それでも大東大はあきらめずに#12熊谷がスティールからの3Pを沈めて残り1分、61-65まで追い上げる。しかし、そこから先は勝負を懸けるシュートが入らず、追い上げの決定打は出ず。61-66で試合終了となり、東海大がベスト8へ進んだ。

写真上:大東大・モッチと東海大・平岩がスタメンでマッチアップ。豪快なゴール下の戦いが続いた。
写真中:勝負強さを見せた大東大・熊谷はまだ2年生。4Q最後も熊谷の3Pが光った。先が楽しみな選手だ。
写真下:東海大・三ッ井は14分の出場でチームハイの寺園に続く、11得点の活躍。
「チーム全員で10万本のシュートを打ってきた」
リーグ戦後は課題克服に打ち込み、磨いたシュート力
◆#4寺園脩斗(東海大・4年・主将・PG)

この試合では立ち上がりから気迫が違った。3Pを沈めただけではなく、ルーズボール争いでもモッチに食らいつき、ヘルドを奪うなど次々に印象的なシーンが続いた。1回戦終了後、怪我で今大会を欠場せざるを得なくなった「伊藤のために」を何度も繰り返し、彼が出られない辛さを考えれば、どんなことでもできると言い切ったその決意が、コート上で発露されていた。
さらには寺園を始め、次々と4年生の3Pが決まったのも印象的だった。得点力不足に苦しんできた今シーズンを踏まえ、インカレで勝つために課題克服として全員で10万本ものシュートの特訓に取り組んできた成果だ。力強く、気迫あふれる東海大の姿がそこにあり、寺園がその先頭に立って疾走した試合だった。
―1回戦が終わったあと、「伊藤選手のために」という本当に気迫のあるコメントをされていました。それが見えるこの試合でした。
「インカレの組み合わせが決まったときから、大東大の準備しかしてきませんでした。先は見ずに集中してやろうとしていました。こういうタフなゲームになることは最初からわかっていたので、今日相手のやりたいことをやらせなかった、自分たちのディフェンスの粘りで勝てたと思います。今シーズン自分たちが課題にしていたディフェンスのローテーションだとか、リバウンドのところを、出る人出る人が意識していたので、それがいい結果につながりました」
―大東大の外を打たせない対策をしていたと陸川監督が。
「初戦、大東さんはペリメーター陣のシュートが入らずに苦労していたんですけど、他の2部の試合、慶應との入替え戦を見てもペリメーターの3Pが強くて、あとはモッチのリバウンドを抑えることで自分たちの流れに持っていけると言われていました。そこを徹底しようとコーチにも言われていました。入りが悪いと慶應みたいに離されるから、そこを大事にしようと。この2点をしっかりやるだけでした」

「自分たち、特に4年はここで負けたらオールジャパンもなくなってしまいます。目標はインカレ優勝とオールジャパンでプロを倒すことなので、まずは今日勝てて本当にホッとしています」
―あとは、4年生全員(寺園、中山、三ッ井、大矢、関野)の3Pが入ったことにも驚きました。
「アウトサイドのシュート確率は春もリーグ戦も課題でした。それでみんなでインカレまでに10万本のシュートを打とうと決めました。リーグ戦の終わった次の日から、1日300本ぐらいのペースで、一人で合計4350本を打ってきたんです。Aチームは23人いますが、みんなで4350本を打つと、10万50本になります。それをやりきったから、みんな自信を持ってアウトサイドシュートを打てています。練習の成果です」
―すごいですね。ただ打つだけでは、というのはありますがどんなやり方ですか?
「打ち方は個人に任せていますが、ゴール下が苦手な人はフックシュートとか、リーグ戦で苦手だった角度をスタッフに出してもらって、そこを打ち込んだり、考えてやってきました。でもまだこれは大会の途中です。また次に向けて頑張ります」
・東海大・鶴田選手、大東文化大・花井選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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「相手を削るのが自分の仕事」与えられた仕事を確実にこなして貢献する
◆#10鶴田 美勇士(東海大・2年・PF)

自分としては求められたことをやるのみ、という姿勢だがシュートでも貢献できたことは、寺園も言うチームでのシュート特訓の成果だろう。それがきちんと出たことは、チームにも嬉しい出来事だったと言えるだろう。
―試合を振り返って。
「大東大は一つ目の山場ということもあって、4年生の気迫がすごくて、自分は前半は4年生を男にするという気持ちで向かっていったんですけど、なかなかうまくいきませんでした。でもこのままじゃ終わりたくないと思って、後半は最後のシュート2本も入りました。シューティングの成果が出ました。それで最後に4年生があれだけしびれを切らさずにやってくれました。自分も勝ててうれしいです」
―あのシュート2本が意地を見せたところだったと。
「留学生をうまく守ることや、得点面でもうまくやれなかったので、どうせ終わるなら自分も得点を決めて終わりたいと思っていました。何も考えずに思い切って打ちました」
―前半のディフェンスでもモッチ選手(#15)が鶴田選手のディフェンスの前によろけたりしていたし、守りも効いていたんじゃないかと感じましたが。
「コーチやベンチからはモッチが出てきたら、相手の体力を削るぐらいの仕事をしろと言われていました。それをずっと考えてやっていました。モッチも力強かったけれど、そこは自分の体格で押さえていけた部分もあります」

「4年生の刺激がすごく強くて、本当に4年生にとって最後だし自分は思い切ってやるだけだと思っています」
―リーグ戦でもいいジャンプショットを決めた試合がありましたね。専修大戦だったかと。
「専修戦のときも今回と同じように留学生を疲れさせる仕事を任されていました。そこでシュートも決まりましたね」
―今後の試合でもそういう留学生や強いセンターとの対戦が出てきそうですね。
「普通のプレーを大学でもやると思ったいたけど、違いました。相手を削る仕事は大学に来て初めてやっています。高校時代は攻めつつ、ということだったんですが。でも自分の仕事をまっとうします」
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「自分一人でバスケをやっていたわけではない」
周囲に支えられ、チームを支えたからこその達成感
◆#68花井大悟(大東文化大・4年・主将・SG)

―試合を振り返って。立ち上がりは互角でしたが3Qに逆転され、その差を詰め切れませんでした。
「立ち上がりはすごく気持ちが入っていました。この東海戦に向けて準備してきたことは全力でぶつけられたと思います。ただ、やはり前半で体力を使いましたし、東海の3Qがすごく強いというのはわかっていたのですがそこを耐え切れなかったのが苦しかったかなと」
―体力を使ったというのはオフェンスですか、ディフェンスですか?
「どちらもですね。2部であれば高さや能力で攻め切れるところもハードなディフェンスを食らって体力が削られていったり、ディフェンスでも強いスクリーンだったり、身体にくるような疲れを感じました。そういう部分で前半までは頑張れたものの、後半は抜けてしまったというのがありました」
―1回戦も接戦となり、入替え戦からの切り替えも難しかったのでは。
「1部昇格という、今年のいちばん大きな目標を達成して、インカレ前の練習は少しホッとしてしまったところも確かにあるかもしれません。ただ今日の相手は格上で、持てるものをぶつけるだけだったので、逆にやりやすい部分もありました。東海さんはこの大会にすごくかけているものがあると思います。その重み、あとは4年生の差かなと。寺園くん(東海大#4)や大矢くん(東海大#3)とか、本当に気持ちが全面に出ていたのを敵ながら感じました」
―試合終了のブザーを聞いたときは、どんな気持ちになりましたか。
「そうですね……いろいろな人の顔が出てきたというか。自分ひとりでバスケをやっていたわけではありません。いちばんは親だったり、高校の恩師だったりお世話になった方の顔が浮かんで、悔しいけれどやりきった、という気持ちでした」
―先ほど4年生の話がありましたが、今シーズンの大東大は、上級生はベンチから流れを変える役割でした。一選手としてはプレイタイムが短くなるわけで、葛藤もあったのではないでしょうか?
「うーん、4年なのでコートで引っ張りたいというような気持ちも、最初は少しはありました。でも下級生がスタートで出る形が、一番チームがうまく回ったので。自分が控えにいると安心、と自分で言うのもなんですが、やはり自分だったらうまくストップを掛けられる。だから途中からは納得して、その役割を全うしよう、後輩が気持ちよくプレーできる環境をつくるという形で引っ張ろうと思うようになりました」
―昨年は苦しい時間帯を誰が打破するのか、という試合がいくつかありました。それを今年の春には、苦しい時間帯も特定の誰かではなく、個々が建て直せるようにと話していましたが、そこは達成できましたか。
「それについても皆が自覚を持ってプレーできたので、2部リーグを全勝優勝できましたし、今日も園田(#36)とか小川(#90)といったプレイヤーがしっかりシュートを決めてつないでくれたりしました。一人ひとりが一本立ちして、そういう意味では安心して見られたので、春の課題は克服できたのではないかと思います」

「いちばんは航(#12熊谷)でしょうか、やはりガードですし。感情を出さずクールにプレーするタイプですが、あいつがリーダーシップを表に出していけば周りもついてくると思います。(来年)3年生とか関係なく、このチームのガードとして頑張ってほしいです」
―後輩に向けてメッセージをお願いします。
「今シーズンずっと、敵は自分たちの中にある、自分たちが練習でやってきたことをいかにコートで表現できるかが大事だと言い聞かせてきました。来年は1部リーグという過酷な戦いになりますが、耐えて強くなって、こういう舞台で強い大東を見せてほしいです」
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「自分らしく頑張っている姿は見せられた」
濃い時間を過ごしたバスケット人生
◆#11門馬 圭二郎(日本大・4年・主将・SG)

―試合を振り返って。リーグでの2戦より点差が開いてしまいました。
「うーん、やはり硬くなってしまったというのがいちばんです。あとは筑波がしっかり試合に入ってきたのがリーグ優勝したチームの強さであり、僕らが弱かったというのが現実ですね」
―リーグ以降はどのような練習を経て、このインカレに臨みましたか?
「リーグ戦までのオフェンス・ディフェンスに、さらにプラスアルファしてよい準備はできていたのですが、それも出しきれず悔しいです。筑波とは身長差が大きいので、そこを突かれないディフェンスの対策もしましたが、それ以上にしつこくインサイドを突かれた。そこからキックアウトした3Pの確率もよく、筑波の形になってしまったと思います」
―門馬選手としてはそれを取り戻そうという気持ちが、ファウルトラブルになってしまった感じでしょうか。
「自分はいつもファウルトラブルになりがちではあります。今日は、今ここで自分がコートから下がるのと、相手に流れを持っていかれるのとどちらがよいかを咄嗟に考えていったファウルもあったのですが、結果的に逆だったかもしれません」
―ただ、3Qには速い展開や外角シュートなど日大らしさも見られました。そして4Qにはオール4年生でコートに立ちましたが、プレーしていてどうでしたか?
「正直試合は決まってしまっていて、4年生と一緒に試合に出られるのもこれで最後だとわかっていたので、楽しもうと。柳下(#4)に積極的にシュートを打たせたりしました。あいつはずっと努力してきて、我慢もして、Aチームに残るためにいろいろやってきてくれたので、最後にああしてシュートを決めてくれて本当に嬉しかったです。あとはいちばん努力してここまで上がってきた井上(#9)も一緒にコートに立てたらよかったのですが、リーグ中にケガをしてしまって。そのときは自分のことのように悔しかったです」

「なんだかんだ困ったときに仁平(#5)がどっしり構えてくれていたのが大きかったので、来年はその役割を埋めていかないとバラバラになってしまいかねません。それと、僕たちは最上級生としての姿勢を常に大事にしていました。4年生がやらないとついてこない。来年は新号(#6)たちの代が率先してやっていく姿を見せることが大事だと思います。新号はチーム全体へのリーダーシップがついてくれば、さらにいいガードになるんじゃないかなと思います。今日対戦した筑波の生原(#46)を見ても、3Qに僕たちが20点差まで詰めたときしっかりチームメイトを引き締めていて、さすが日本一になるチームのガードであり、キャプテンだなと感じました」
―門馬選手も生原選手にひけを取らず、頼りになるキャプテンだったと思います。キャプテンとしての1年はどうでしたか?
「自分自身、まさかキャプテンになるなんて入学した時点では思っていませんでした。3年生くらいからそういった自覚を持つようになりましたが、そもそもこんなに試合に出られるとも思わなかったですし。日大の歴代キャプテンを見ても、竜青さん(篠山・現Bリーグ・川崎。在籍は重なっていないが門馬の兄と同級生)だったり、網野さん(コーチ)もそうですがキャプテンシーの強い人が名を連ねていて、最初は『僕でいいんだろうか』というプレッシャーみたいなものもありました。でも開き直って、僕らしいキャプテンをやろうというのを心掛けました」
―応援席に挨拶に行ったときには、涙も見られました。
「僕はここでバスケ人生がひと段落するので、いろいろな感情がこみ上げてきました。今日は両親も会場に来てくれていて、他にも本当にたくさんの方が応援に駆けつけてくれて。もっと戦いたかったのもありますが、ここまで頑張ってきて、両親には本当に感謝の気持ちでいっぱいなので、頑張っている姿を見せられたのはよかったです」
―バスケットに打ち込んだ学生生活はどんな時間になりましたか?
「この1年間はいちばん熱くなれた1年でしたし、大学4年間を振り返っても本当にバスケ漬けだったなと。バスケに向き合うという意味では高校の時もそうでしたが、大学は高校以上に自主性が問われるところがあり、より濃い時間だったと思います」
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「最後の年が一番充実していた」
1部の強豪でもまれ、感じた手応えをやる気に
◆#5仁平拓海(日本大・4年・PF)

久しぶりの1部リーグ戦ではなかなか勝てずに苦しんだが、それでも8位残留。小さくはない足跡を後輩に残すことはできた。「もっとできたな」とい仁平の心残りを、後輩たちが継いで結果に変えてもらいたい。
―試合の入りは焦っていたのでしょうか。
「リーグを通して日大は入りが悪いのはわかっていたのに、この試合もそうでした。やはりぜんぜんインカレでも改善できていなかったんだなと。でも逆にそこを改善できたら日大はもっと良くなるというのもわかるので、まだまだやり残したこともあるという気持ちでした」
―最後の年は1部でやりましたが、いかがでしたか?
「4年間の中でもとても充実した1年でした。1部の強いチームと戦って、自分たちのレベルがどれくらいなのかもわかったし、自分たちの上にいるチームを倒すという気持ちを持って、練習でもそれを励みに頑張れました」
―インサイドを支える大事な役割を怪我もなく乗り切れたし、出番も多かったですね。
「チーム事情的に長く出ることになりましたね。怪我もなかったし。井上(#12)以外はチームとして目立った怪我もなかったですね」

「そうですね。特に1、2年のときは試合をしても勝てなかったし、チームのみんなでもいろいろ考えました。それでも勝てなくて、苦しい思いをしたからこそ、3年目にそれを生かして1部にも上がれました。先輩に1部に上げてもらったので、しっかり維持して後輩にもつなげようという気持ちになれて、充実していました」
―1、2年の頃は毎試合ベンチメンバーも異なるし、試合に出る人もさまざまでした。毎週誰が試合に出るのか、という中でどう残っていこうと?
「練習のときにどれだけ自分を出せるかは意識していましたが、頑張っても試合に絡めないことはありました。でも練習のときにメインで出ている選手たちを倒すぐらいの勢いで練習すれば、メインの選手ももっと良くなるという気持ちでいました。自分が主力じゃなくてもチームのためになることを考えながら見ていました」
―来年は後輩にどう頑張って欲しいですか?
「今年の4年は声を出して引っ張っていく人が多いんですが、来年はそこがあまりいないので、リーダーシップを取れる選手が出てきて欲しいです。そこれチームで一緒になって盛り上がって、いいチームになって欲しいですね」
―今は終わったという気持ちですか?
「終わった、というのともうちょっとできたな、という思いとさまざまです」
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「1部で成功した部分はこれから伸ばしていきたい」
この先も続くバスケット人生の糧になった1年
◆#24高橋耕陽(日本大・4年・SG)

最終学年で1部に挑んだ今年、チームの勝率は決して満足いくものではないが、スイッチの入った高橋のプレーは素晴らしく、1部の中でも光り輝くものがあった。この先、新たなステージでその輝きをもっと増していけることを願う。
―最後の試合は筑波大相手で難しかったですね。
「そんなに圭二郎(#11門馬)と仁平(#5)がいつもより声を出していなかったし、新号と亮輔(#23本村)も空気に飲まれていて、出だしは仕方なかったです。タイムアウトを取ったときに網野さんに言われて、圭二郎と仁平が最後まで声を出していたので、そこは良かったと思います」
―この4年目に1部を経験していかがでしたか?
「2部よりぜんぜんレベルが高いので、勝ち負けは関係なく、一番楽しかったです。3年間2部だったので1部がどれだけやるのかわからなかったですし、自分ができるかできないか挑戦したい部分もありました。成功した部分もあるので、そこをこれから伸ばしていきたいです。チームとしては身長が一番小さいのが難点だったので、そこで6勝できたというのは、このサイズでもやればできるんだとみんな自信になったと思います。来年1年生も入って来ますが、もしまたサイズが小さくても、自分たちが見せてきたことを目に焼き付けてくれていると思うので、それを生かして頑張って欲しいと思います」
―高橋選手は2部で試合にあまり出られない時期もありましたが、4年間続けてこられた要因はありますか?
「やっぱり圭二郎が一番自分に話をしてくれて、練習のときもずっと声をかけてくれるし、寮にいても自分がうまくいっていないときは、いつも部屋に呼んでくれました。自分としては辞めようと思ったこともあったんですけど、それでも圭二郎がずっと止めてくれたので、続けてこられたと思います。本当に感謝しかないです」

「やっぱり誰かちゃんとした人がいないとダメですね(笑)」
―4年生の数も多いですが、どんな仲間でしたか?
「みんな仲は良かったです。オン・オフもしっかりしていて、楽しい仲間でした」
―網野コーチがメインで指導されて2年ですが、いかがでしたか?
「高いことを要求されるし、網野さん自身が体を動かして教えてくれることが一番わかりやすかったです。頭にもよく入りました。技術面も全部指摘してくれるし、練習の内容としてはとてもレベルが高かったです。今後も言われることを聞いてやればもっとチームは強くなると思います」
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