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第69回全日本大学バスケットボール選手権大会
大東文化大が筑波大の4連覇を阻止して初優勝

2016.11.21 (Mon)

【2016インカレ】11/21レポート(1回戦)

第68回全日本大学バスケットボール選手権が開幕
初日は大東文化大が立命館大相手に苦戦する展開も


 インカレ初日、男子は国立競技場代々木第二体育館で6試合が行われた。この日の試合はすべて関東VS地方の組み合わせ。大学バスケットの世界では実力的には上位に位置する関東勢に対し、地方校がどう戦うのかが注目となったが、結果的に関東のチームがすべて勝利した。ただ、いずれの大学も関東のチームに一矢報いようとする姿が見えた。


地方校はいずれも前半は良い面が見え、後半の出来が課題に

161121tokuyama.jpg 中国2位の徳山大と北海道2位の東海大学札幌は、それぞれ日本大白鷗大相手に最後までアグレッシブなプレーを見せた。東海大学札幌はサイズがない中、留学生のいる白鷗大を早い展開でゆさぶった。徳山大は今季から就任した川瀬コーチによって、ディフェンスでも粘る新たなフィロソフィーが持ち込まれ、今後の進化が楽しみだ。

 大阪学院大は、前半こそ慶應義塾大相手に2点差で粘ったが、後半の失速が惜しまれる。京都産業大は1年トリオのプレーが注目だったが、初戦の相手が東海大。ディフェンスの厳しさに苦しみ、持ち味であるアウトサイドが決まらずに引き離された。一方、第1シードの筑波大と対戦した富山大は、1Qはシュートがよく入って善戦した。ただし、3Qで力尽きこのQは42-8。動きも鈍って後半は退場者も3人出てしまった。

161121linder.jpg この日白眉だったのが、第2試合の立命館大。関西3位で4年ぶりにインカレの舞台に挑んだが、2部全勝、1部昇格を決めた大東文化大を最後まで脅かした。前半はリードし、一度逆転されてから4Qには再び1点差にまで迫り、逆転も視野に入った。しかし、最後は大東大のアウトサイドシュートが入ったところで再び引き離された。勝利まであと僅かという、素晴らしいゲームを見せた。

写真上: 徳山大は奥野航平(#51)・奥野友章(#19)の兄弟コンビが積極的オフェンスで得点を重ねた。
写真下:京都産業大・リンダーライアンは10点11リバウンド。東海大相手にボールを激しく競り合った。成長が期待される京都産業大ルーキートリオの一人。

※大阪学院大・澤邊選手、京都産業大・勝又選手のインタビューは「続きを読む」へ。


◆PICK UP
大東文化大を追い詰める好勝負を見せた立命館大
惜しい幕切れながら学生主体で成果を見せる

161121hanai.jpg インカレの初戦はどこも難しいものだが、この日、圧倒的な力で2部リーグ戦、入替え戦を制した大東文化大の調子が上がらない中、関西3位で4年ぶりの出場となった立命館大があわやという好勝負を見せた。

 前半からミスの続く大東大に対し、立命館大は立ち上がりから快調に得点を重ねて1Qで14-20と6点のリード。簡単にリバウンドを取らせず、ルーズボールにも機敏に反応。大東大はスタメンの調子が上がらず、さまざまな選手を使っていくが、シュートの精度、そして#15モッチ(1年・C・桜丘)や#20毕(3年・PF)の高さもあまり生かせない。立命館大は2Qに9点と失速するものの、前半を2点リードで折り返した。

161121haxtutori.jpg 後半、立命館大はインサイドでのファウルトラブルで#35福永(4年・PF)がベンチへ下がる時間が長くなる。大東大は3Qに逆転するが、立命館大は4Qに3-2のゾーンで迎え撃ち、オフェンスでは#3服部(2年・SF)が次々に個人技で得点を決めて4Qの残り4分、1点差にまで迫った。この勝負どころ、大東大は#12熊谷(2年・PG)、#36園田(2年・SF)のアウトサイドが立て続けに入ったのをきっかけに再び突き放し、74-63で逃げ切った。

写真下:大東大は全体の調子が上がらない中、花井がシュートを決めていった。
写真下:立命館大・服部は23点。大東大ディフェンスをかいくぐり、次々にレイアップを決めた。


「ぶつかりあいながら、いいチームを作ってこられた」
学生コーチとしてチームを牽引下1年間

◆松浦拓哉コーチ(立命館大・4年)
161121matuura1.jpg
高校のコーチを経験したあと、最終学年は学生コーチとして立命館大のコーチの任に就いた。同じ4回生、同世代同士、言い合うこともぶつかりあうこともあったと言う。それでも、地道な練習を4回生たちが引っ張ってくれた、と試合後は目をうるませながら仲間に話しかけていった。このコーチングの経験は、決して小さなものではないだろう。関西ではまだ新人戦が残るが、最後までの全うを誓う。


―惜しい試合でした。大東大についてはどのような対策をしてきましたか?
「夏に練習ゲームをさせていただいていたので、そのときのイメージではかなり強いという印象で、この試合以上に離されました。大東さんはリバウンドとルーズボール、勝負に対する気持ちが強いので、そこに負けないようにと。周りの人には大東は強いのでいいゲームをするように、と言われていたんですが、スカウティングもしっかりしましたし、そうじゃなくて泥臭く、粘って勝ちにいこうとしていました。下のチームのメンバーが仮想大東として練習の相手をしてくれて、そこも助かりました。優勝候補であるとは思うんですが、ここまでロースコアに抑えることができました」

161121matuura2.jpg―リバウンドやルーズボールでは決定的なもの以外は簡単には取らせていなかったし、その点で取り組みの成果はあったのでは。
「そこはキャプテンの西岡(#13)がチームで派手にならないような部分を引っ張ってくれる存在で、彼が背中で見せてみんながついていったと思います」

―4Qのゾーンも効果的でした。
「中央大とのゲームでゾーンをあまり攻められていないというのを見ていたので、準備をしておきました。うちは福永(#35)のファウルトラブルでビッグマンがいなくなってしまったので、出すことになりました。うちもゾーンディフェンスはあまり得意ではないので、ここまでやれるとは思っていませんでした」

―満足はいかないと思いますが、夏の練習ゲームでは大東大にかなり離されたということを考えると、成果のあった試合ということでしょうか?
「リーグ戦を通じて成長できたし、4回生がチームを引っ張って支えてくれたので、その力が発揮されたと思います」

―松浦コーチも4年生として学生コーチを努め、周りの4年生も高校時代はそこまで知られていない人もいます。そういう4年生が頑張った年だったと言えるのでは。
「コーチといっても僕が全権を握っている訳ではないので、ぶつかってしんどいこともありました。でも最終目標がリーグを勝ってインカレにいくということだったので、喧嘩もしながら、いいチームを作ってこられたと思います。うちは練習をほとんどディフェンスに割いてきたんですけど、4年生が地味な練習を引っ張ってくれました」

161121nisioka.jpg―松浦コーチは高校の指導を経験して、今年は大学のコーチとしても活動しました。良い経験ができた4年間だったのでは。
「インカレで入賞するというようなチームで学生コーチをやっているのもうらやましいとは思うんですが、自分は自分で監督の北場さんだったり、前の浅村さんから教わったこと、自分で勉強したことをしっかりチームに伝えることができました。それが練習内容や試合の結果に反映されました。負けて悔しいのはありますが、それでも充実したバスケットボール生活ができたと思います。来年はこれを生かして、来年もここに来てバスケットをして欲しいなと思います」

写真下:主将としてともに頑張った西岡。このゲームでは18得点、11リバウンドのダブル・ダブルでチームを牽引した。



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【INTERVIEW】

「支えてもらって、最後にここに来られて嬉しい」
スタッフ、チームメイト、そして後輩に感謝

◆#7澤邉圭太(大阪学院大・4年・SG)
161121sawabe.jpg最後のインカレは13点9リバウンド、後半に自分のプレーができなかったことを惜しんだが、関西を代表する選手の一人として一定のものは見せてくれた。
春先はチームとしても好調だったが、秋は1順目に勝てずに苦しんだ。春の結果が、どこかで慢心につながったのかも、と反省する。それでも4年連続このインカレの舞台に立てた。それは周囲の支えや後輩の頑張りのおかげ、と最後は目をうるませた。代々木に立てるというだけでも、地方のチームにとってはとてつもなく大きなことなのだ。学生としての大会はこれで終わりになるが、続くバスケットの道でも頑張って欲しい。


―最後の大会に懸ける思いはあったと思うのですが…。
「4年間、1年のときからインカレでは試合に出させてもらっていて、どの試合も接戦でした。このインカレの舞台でも通用する部分、しない部分を考えさせられながら4年間を過ごしたと思います」

―前半は澤邉選手の持ち味である得点力で良い流れに持ち込めたのでは。
「そうですね。前半はドライブやアウトサイドシュートといったいい形でシュートをねらえました。でも後半になると相手も対策というかカバーやヘルプの寄りが速くなって、そういうところを無理に行ってしまったりして、自分のバスケットができませんでした。それでこの点差になったと思います」

―前半の終わりは追い上げて2点差にできたし、このままのプレーで行こうとしましたか?
「同じようにはやろうとしたんですが、向こうの方がディフェンスでハードワークしていたし、向こうの勝因になったんじゃないかなと思います」

―先程おっしゃった、インカレで敵わないと感じていた部分はどのようなものでしたか?
「1年のときは体が弱くてドライブにも行けませんでした。3年、4年になってフィジカル面では通用するようになったんですけど、自分が行くことによって周りを生かすということができなくなりました。そこが自分にとって課題という反省ですね」

―通用した部分もあるということですよね。
「アタックできる部分はできます。そこからしっかり作ってノーマークの人を探してパス、というのも何回もできました。それは良かったです」

―1回戦敗退は不本意な部分はあると思いますが、インカレはどのような場でしたか?
「全国から勝ち上がってきたチームが集まるので、決して弱いチームもないし、この4年間出てきて最後はこの舞台で戦えた、バスケットの聖地でできたことが一番の思い出です」

―大阪学院大は春は良かったですが、秋はインカレに来るまで苦労しましたね。5位通過でした。
「春はチャレンジャーというか、周りの関西のチームもうちのメンバーを見て弱いと思ったと思うんです。でも関カレで優勝したし、西日本で準優勝がついてきて、やはりどこかおごりがありました。それでこのリーグ戦もこういう結果だったんですが、そこで後輩たちがしっかり踏ん張ってくれてインカレの舞台に来られたのもあります。本当に感謝しています」

―春は実家の熊本の方も地震で大変だったと聞きました。そういうものも影響はしませんでしたか?集中しきれなかったりとか。
「逆に熊本地震が起きて、辛い思い、大変な思いをしている中でも親や向こうにいる友だちも『お前はそっちでバスケを頑張れ』と励ましの言葉をいただいたので、それは思い切りバスケットをしようと思っていました」

―大阪学院大での4年間はどのようなものでしたか?
「監督、スタッフ、コーチ陣、そして中でもキャプテンの大樹(#2渡邉)が一番支えてくれました。本当にいろんな人に恵まれてきた4年間でした」

―高校とは違う世界ですが、自分にとってはどんなものだな、と言えますか?
「高校は監督から言われてやる感じです。大学は自分たちで部の雰囲気を盛り上げたり、自分たちでバスケットをやっている世界でしたね」

―バスケットを続ける話も聞いていますが、これからどういう部分を磨くことが大事だと思っていますか?
「やはりディフェンスですね。身長も小さいので前からディフェンスで当たっていくことです。オフェンス面では中まで切れ込んで、そこからアシストを出せるように、そして自分でも打てるようにシュートのスキルを上げたいです」

―最後は涙も見えましたね。
「リーグ戦は1週目7位で、インカレどころの話じゃないというか入替え戦の危機でした。そこで後輩やダイキに支えてもらってこの舞台に来られたので、本当にそれは嬉しかったんです。不本意なインカレでしたが、4年間悔いはないです」

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「“京産”とはどんなチームかを伝えてきた」
後輩が伝統を受け継いで成長することを願う

◆#85勝又賢哉(京都産業大・4年・主将・SG)
161121katumata.jpgコートに立つ時間こそ短かったが、試合の合間には常に1年生に声を掛ける姿が目立った。プレー以外の部分でできることを心がけていた姿勢が伺える。
アウトサイドが強くオフェンス型チームとして今年は躍進したが、当たりはずれもあるスタイル。京産は伝統的にディフェンスやビッグマンのリバウンドからの速攻というスタイルが持ち味だが、サイズがない中でもいかにそれを実現していけるかが今後の成長の鍵だろう。さらに主将として伝えたことが来年以降、実になってくれるのを願うだけだ。


―東海大戦を振り返って。
「フィジカルは違うとわかっていたんですが、監督が試合前から言っていた我慢するという点ができていないのが、前半から少し見えました。そこで点差が開いてしまいました。ルーズボールやリバウンドをこっちのボールにしたときは点差が縮んでいたので、言われていることに対しての徹底ができていなかったのが敗因ですね」

―初戦、代々木、相手は東海大ということで、京都産業大は若いチームですが、1年生たちは気負いなどなさそうでしたか?
「そうはならないよう、アップでもいつも通りにして声をかけたりして気は遣いました。本人たちは歯がゆいだろうと思います。外のシュートがうちは生命線なので、その決定力の差が結果の差です。そこを来年は頑張って欲しいですね」

―勝又選手は試合に出ている時間帯は1年生に何度も声をかけていましたね。
「自分の役目がプレーでは下手なので、やれるのは声を出すとか引っ張るとかなんです。ベンチでも一番の声、出たときも声を出していくようには1年間意識してやってきました。そこはやりきったと思います」

―今年は1年生が注目されがちなチームでしたが、その中で上級生としてどうしていこうというのはありましたか?
「やはり若いので、京産というチームがまだわかっていないんですよね。それを教えるのも上級生なので、歴代のOBが作り上げてきた伝統やルールをまず教えることですね。僕や伊藤(#5)は裏方で、辻(#7)はプレーでも両方頑張ってくれました」

―特に伝えたい「京産」とは?
「京産は一番頑張るチームなので、試合に見に来てくださってきている方々に応援してもらえるチームづくりをしてきました。日頃の挨拶やプレー以外のこともしっかりしないと応援されません。そういう面です」

―伝えて残せたと思いますか?
「伝えてきた自信はあるんですけど、下級生たちがしっかり受け取ってくれたかは来年にならないとわからないかな」

―1年生たちはもっとこうなって欲しいという部分はありますか?
「のびのびとまずやってくれたら。村上監督が作っているルールの中にも自由はあるので、それをいい意味で気楽にプレーして欲しいというのはありますが」

―オフェンス型のチームだと思いますが、関西、またインカレのような場で勝っていくためにはまだ何をしていくべきだと考えますか?
「ノっているときの外角のシュート決定率は高いんですが、今日のような試合ではディフェンスとディフェンスリバウンドを頑張らないといけません。去年に比べても低いチームなので、ディフェンスからブレイクという京産のスタイルをもっと確立していくことです。そうすれば外のシュートが入らないときも点が伸びて徐々にリズムもつかめていけるはずなので、そこですね」

―自身にとってはどんな4年間でしたか?
「長いようで短かったです。春先から苦しみましたし。でも最後にインカレに東海大と対戦できたのは良かったです。東海大もいろんなところから愛されていて、強くて尊敬できるチームなので、そういうきっちりしているチームと戦えて良かったです」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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