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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2016.09.04 (Sun)

【2016リーグ1部】チーム概要(第1週レポート)

 関東大学1部リーグは9月3日に国立競技場代々木第二体育館で幕を開けた。今期は新たに日本大学、早稲田大学が1部復帰し、合計10チームで優勝が争われる。まず第1週を終えたところで各チームの概要を見ていく。学生バスケットは数か月でも大きな変貌を遂げるため、これはあくまで現段階でのチームの大枠になる。2か月後、それぞれのチームがどのような進化を遂げるかもまたリーグの楽しみだ。


【東海大学】
厚みのある選手層で連覇を狙う

20160904_terazono.jpg 昨年リーグ優勝を果たした東海大学は2連勝でリーグのスタートを切った。昨年までは1年生時からスタメンを務めるような選手がチームを牽引する傾向が続いてきたが、今年はそうした不動のエースといった存在はいない。その代わり、厚い選手層でタイムシェアをしながら力を磨いてきた分、まんべんなくさまざまな選手がコートに登場する。

 スタメンは春と同じでPGとしてパス捌きだけではなく得点も取れる#35伊藤、タイミング抜群のランプレーを見せる#13中山に、昨年から頭角を表した#23佐藤は変わらず。ここに春からシュート力のある#24卜部、期待のビッグマンであるルーキー#25平岩を据えている。控えには#4寺園、#33鈴木、#19三ツ井、#3大矢、#81関野等々、もう一チーム分の戦力を有しており、4年生がこれほど充実しているチームは少ない。「今年は怪我人も全くおらず」(#4寺園)コンディションも問題なさそうだ。

20160904_ito.jpg 第1週は初戦の慶應義塾大を圧倒して幸先の良いスタートを切ったが、2戦目は明治大相手に苦戦。しかし「今年はまだ失点60点以下を2戦とも達成できているので、継続したい」とディフェンス面では目標はクリア。今季の課題としては「身長が低いことによりリバウンドを取られてしまうので、ボックスアウトの徹底をしっかりとやっていかないといけない」と、気を引き締めてのリーグになる。

写真上:熱いハートでチームを引っ張る主将の寺園。
写真下:スタメンの司令塔・伊藤の手綱さばきも見どころになる。



【拓殖大学】
優勝を狙うにはコンディションの復調が鍵に

20160904_bamba.jpg 第1週は1勝1敗と、早くも黒星がついてしまった拓殖大。リーグまでに万全だったとは言えないようで、はっきりしたところでは#39成田が初戦で足を痛めて途中退場し、2戦目は欠場した。その他、春のトーナメントでベンチ入りした選手が全員揃っている状態ではなく、全体的にコンディションは良くない中でのリーグの入りになった。エース#23バンバの得点力は変わらず2試合とも40点オーバーと圧倒的だが、彼だけで勝ち続けるのは困難なこともあろう。

 主将の#21水野「そういうコンディションでもしっかりと対応できるようにメンバー全員が意識をしっかりと試合に向けてやらないといけない」と、チーム全員が問題を共有する必要を感じており、「相手のペースになった時に、ベンチが落ち込むとそれが(コートの)プレイヤーにも伝わっていることがすごく目立っていると感じている。リーグ戦は長いので、みんなで改善していきたい」と、ベンチからの盛り上げも意識する。昨年も終盤は怪我人でやや苦しい状況に追い込まれただけに、いかに全員でカバーできるが大事になってきそうだ。

20160904_mizuno.jpg ただ、それでもバンバ以下、#18多田、#13阿部、#14山梨ら得点できる選手は揃っており、トーナメントでは好プレーを見せた#33富山ら攻撃的布陣は噛み合えば爆発力もある。あとは脱落者なくリーグをこなしていきたい。

写真上:バンバの存在感は変わらず圧倒的。4年連続得点王も視野に入る。
写真下:ベンチでの支えの重要さを語る主将の水野。チーム一丸となりたい。



【筑波大学】
取りこぼしなく全勝優勝を目指す

20160904_ikuhara.jpg インカレ2連覇中の筑波大も2連勝でスタート。初戦はあまり動きが良くなく日本大に追い上げられる場面も見せたが、2戦目は日本大を圧倒して王者の風格を見せつけた。#6馬場がトーナメント後の怪我もあってリーグ戦ではベンチからのスタートとなるが、ここもタレントは豊富。リーダーシップのある#46生原を中心に#8木林、#2満田、#17杉浦など経験も積んできたメンバーは不動だ。#76寺部、#4青木、#14波多といったバックアップ陣も多彩で、東海大同様層は厚い。

20160904_sugiura.jpg 課題はチームとしてのプレー。春シーズンの後、馬場が休んでいたほか生原、杉浦、#11増田らが代表活動で抜けていた時期もあり、全員揃っての練習は十分とは言えない状況。「揃わない間は個々がスキルを上げていくことを意識して練習してきた。下級生も多く試合に出ているので、すべてがうまくいくということはないと思う」生原。しかし「1Q15点以下に抑えるのが目標で、それはできている」と、最低ラインはクリアできている。ただ、インカレチャンピオンは追われる立場。「他チームは僕らだけをつぶしにきているようなところがあるし、その対策も怠らないつもり」と生原は警戒を緩めず、練習中も常にそうしたことは声を掛け、意識させているようだ。昨年まではリーグ戦になると取りこぼしが多く、優勝までは手が届いていない。楽に勝てるとは思っていないが、全勝優勝を目指し、一丸となっていくのが目標だ。「馬場の負担を減らしたいし、俺がやってやる、という選手が出てきて欲しい」と、主将としてはエースに代わるような選手の奮起も期待している。

写真上:随時甘い部分は練習でも指摘を心がけているという生原。
写真下:杉浦以下、タレント豊富なチームがどこまでその魅力を見せてくれるかも楽しみ。



【青山学院大学】
簡単に勝てる試合はないと集中して挑む

20160904_kasiwagura.jpg 第1週を終わって2勝したのは東海大、筑波大、そして青山学院大学の3校。しかし第1戦の早稲田大戦、第2戦の慶應義塾大戦ともに競り合う内容。主将の柏倉「春の結果から簡単に勝てる試合はないと思っていた。ただ、その中で粘り勝ちできたのは良かった」と前を向く。春は足が止まることが多かったと言うが、夏の間はボールと人が動くよう、オフェンスを意識して練習してきた。#24安藤以外にもドライブで打開できる人を増やすことが理想だ。「フィジカルコンタクトをしながら1対1で破っていくことも練習してきた。プレッシャーをかけられた状態でも一人ひとりが意識して練習でやってきたようにできるかどうかが課題だと思う」。得点面ではロースコア気味なだけに、どう積極性を出していけるかが課題か。

20160904_ando.jpg 昨年は3部練習など、ハードな内容をこなしてきたが今夏はゲーム形式の練習がメイン。下級生も多いだけに、経験を積ませたいところはあるだろう。期待できる下級生は多く、新人王を獲得した納見は既に勝負どころでも確実な仕事を果たす。そこに#7ナナー(横須賀学院)、#10高橋、そしてリーグ戦から公式戦登場となる#27ウィタカ(國學院久我山)といったビッグマンがどう絡んでいくかも楽しみにしたい。

写真上:柏倉は最終学年、そして主将としての責任を果たしたい。
写真下:エース安藤はアグレッシブに得点を取り続け、チームを引っ張っている。



【明治大学】
リーグ戦を通して成長していけるチームに

20160904_tanakai.jpg 開幕戦は専修大を脅かし、2戦目では東海大相手にリードする展開も見せた明治大。あと一歩というところだが2敗でリーグ戦をスタートした。インサイドには#28今川、#24森山、#22宮本と、サイズが大きめかつ機動力ある選手をスタメンに据え、#齋藤、#5會田といった攻撃的なプレーが光るガードがチームを牽引する。夏の練習では「伝統であるディフェンスを重点的にやってきた」(#9田中井)というだけに、2戦とも簡単に相手に攻めさせない展開が見えた。

20160904_saito.jpg リーグ開幕にあたり、自分たちの実力がどの程度なのか見えない部分もあったそうだが、主将の田中井「どちらの試合も第4Qの途中までいい試合が出来たことで、戦えるんだと自信になった。2週目からは相手も研究してくると思うので、それを打ち破る力をつけて、勝てるようにしたい」と、2敗にも下を向かず次を見据えている。主力が下級生中心、特にインサイドは2、3年と若い。「試合を通じて成長していければ」と、伸びしろに期待する。リーグ戦を成長期間と捉えると、見据えるのはその先にあるインカレ。冬に向かって形になっていくのもまた明治らしさ。この2か月でどのようなチームになっていくのかに注目だ。

写真上:ベンチからの出場になる田中井。ベンチをまとめる重要な役目も持つ。
写真下:スタメンの齋藤、控えから出る吉川ら、ガード陣のプレーも見どころ。



【専修大学】
リーグ屈指の高さを生かすには集中力の持続が必須

20160904_watanabe.jpg 専修大は1勝1敗でのリーグスタートとなった。初戦は競り合う展開から明治大を振り切ったが、2戦目は走りに長けた早稲田大の前に持ち味を生かすことはできず、大差をつけられた。

 夏の間は怪我人がいたことと、エースの#6渡辺がこの夏Bリーグの琉球ゴールデンキングスと契約なって1か月近くチームを離れていたことで、チーム全員が揃わない時期が長かった。それを個人練習で補ってきたが、チームとしての練習は不足している状態だ。そのせいか、チームとしての動きはまだまだという感じが見える。

20160904_firip.jpg 1部屈指の高さを持ち、強固なリバウンドで速攻を出すスタイルがハマればガンガン飛ばしていけるが、「ちょっと崩れたらすぐ流れを持って行かれてしまう」(#6渡辺)と、集中力には課題がある。特に少し点数が開くとその傾向に流れる癖があると言い、いかに40分を、気持ちを切らすことなく戦っていくかが課題で「そこはみんなで話し合っていきたい」と言う。昨年はリーグ序盤に台風の目となって活躍したが、今年はそうした勢いを見せてくれるだろうか。

写真上:渡辺はBリーグ開幕戦にもベンチ入り予定。プロデビューも果たす。
写真下:鋭いダンクを見せるアブ。専修大を勢いづける。



【白鷗大学】
1勝1敗で幸先良くリーグ発進

20160904_kawabe.jpg 1勝1敗と5割でリーグ戦に入った白鷗大。春のトーナメントは欠場しているため、チームとしてはまずまずの入りだろう。若い選手が多く、公式戦の感覚はまだ掴みきれていないようだが、2戦目に拓殖大を破ったのは一つの手応えになったはずだ。

20160904_nozaki.jpg 夏の間は遠征を重ねてゲーム形式の練習をやってきた。昨年はディフェンスに注力し、データで徹底分析することで相手のバスケットをさせない試合が目立った。「今年はバランスの良さを出したい」と主将の#28河邉「昨年はオフェンスに自信がなかったのでこつこつディフェンスをやってきた。今年はもっとオフェンスでも見せたいし、それができる個性的な選手もいる。自分たちにはなくすものは何もないし、ここから上がっていきたい」と言う。目標は1試合80〜85点を取ること。河邉以外にも#13野﨑、#6神里、#5川島といった点を取れる選手はおり、インサイドには落合監督も「彼の存在は大きい」という#75マムシェハ(延岡学園)も加入。またディフェンスではゾーンにも取り組んでおり、これをどんな風に使ってくるかも見どころだ。

 昨年と大きくチーム概要が変わる訳ではないが、春のデータがない分、他チームにはダークホース的存在と見られている。逆にその状況を上手く生かしてリーグを渡っていけるか。

写真上:声を出すタイプではないが、プレーで見せたいという主将の河邉。
写真下:ゲームコントロールを担う野﨑。ここぞというときの勝負強さも見もの。



【慶應義塾大学】
やりたいことを確実な結果につなげるために

20160904_nisito.jpg 2連敗で第1週を終了した慶應義塾大。1戦目は東海大相手に大きく引き離されてしまったが、照準を絞っていたという2戦目の青山学院大学には前半はリード。最後の最後まで分からない勝負を演じ、粘る“らしさ”を見せた。結果的に2敗スタートだが、ここからが勝負だ。夏は「1部とかそういうことではなく、自分たちより選手層やフィジカルなど、上の相手に対してどう戦えるば勝てるかということを考えながらやってきた」という主将の#4西戸だが、#4西戸、#5後藤、#14原の3ガードがスタメンの慶應義塾大は1部でも最もスモールなラインナップ。しかしインサイドでは#7高橋、#22トカチョフが熱いプレーで盛り上げ、チーム全員で自分たちより大きな相手に怯むことなく戦っている。これまでも足りないものを埋めながら戦ってきたのが一つのカラーでもあるが、今年もそれが試されている状況だ。

20160904_takahshi.jpg 練習では技術的に充実してきていると言い、あとはそれを試合でいかに発揮できるか。「やりたいことはできるようになってきている。あとは気持ちで負けないように。経験を積んで、残り十何試合で勝てるチームに成長したい」とポジティブに前を向く。第1週は#9鳥羽が欠場したが、2週目以降に復帰も予定されている。今年は上級生が一気に抜けたが、その分春からの取り組みと意識にはほぼブレはない。春はトーナメントでもまずまずの結果を出し、早慶戦にも勝利した。秋はここまでの過程を結果につなげられるかどうかが問われる2か月だ。

写真上:寡黙だが責任感は強い西戸。プレーでも多くのものを見せて欲しい。
写真下:ゴール下では高橋の奮闘も光る。



【日本大学】
自分たちの実力をいかに出しきるか

20160904_monama.jpg 今の4年生が入学して初めての1部リーグ、日本大は連敗で第1週を終えた。主将の#11門馬曰く「相手に合わせてしまった」という第1戦は追い上げも見せたが勝ち切れず、2戦目は全開の筑波大相手に苦杯を舐めた。1部の水は甘くなかったといったところだろう。とはいえ、#14高橋、#23本村、#44松脇といった屈指のシューター陣は1部でも十分見どころを作れる。拓殖大に迫る部分もあったということは「最初からできるということ。それをちゃんとやらないと」と門馬も反省を見せた。今季はサイズがない分インサイドではやや苦戦も予想されるが、網野コーチはその分、春から走るバスケを掲げてもいる。いかに求められていることを表現し、日本大らしいバスケットを見せていけるかだ。

20160904_takahashi.jpg 春はセットオフェンスにこだわりすぎて、動きも重かった。夏はそれを解消すべく、フリーランスやパッシングも意識。ディフェンス面では網野コーチ就任時よりこれまで以上に重視して取り組んできたが、それを継続するだけ。「1部はどこも2mのセンターがいる。そこにどう対処するかと、外のシュートは打たれるだろうから、しっかりリバウンドにも絡んでいかなければ。今は5人のうちの誰かが集中力が切れたりして、持続できない課題がある。そこを集中できるようにさせたい」と門馬。待望の1部リーグ、昨年の先輩の思いも背負いつつ、バスケットを楽しむことも忘れたくないと言う。充実感のあるリーグとなるかどうか、2週目以降に仕切り直しだ。

写真上:芯の強い門馬はゴール下で泥臭い仕事もこなす。
写真下:高橋の得点力も重要な鍵になってきそうだ。



【早稲田大学】
武器である走りを最大限に生かす

20160904_kawai.jpg 日本大と同じく2部より1部復帰した早稲田大。小柄だがそれを生かしたスピード&アグレッシブなプレーが持ち味のチームだ。春もそのスタイルで魅せてくれたが、夏はその走りにさらに磨きをかける練習をしてきた。「早慶戦で負けたあと、とにかく走る土台を作ってきたし、そこは辛い練習だった。春も走れていたけれど、1部上位を目指すなら、もっとその土台を強くする必要があると感じたし、一人ひとりが40分走れる土台を持って出番をわけ合えば、短時間での出場時間でもものすごい力が出せると思う」。主将の#11河合が語るのは、自らの武器をさらに先鋭化させること。スタメンは誰が出ても変わらないと言い、その走りで早速2戦目には専修大を打ち負かして嬉しい1勝を手に入れ、第1週は1勝1敗。

20160904_nanmoku.jpg 第1戦では青山学院大学相手に惜しくも星を落としたが、昨インカレで対戦した際にはとにかく相手のフィジカルの強さに圧倒され、消耗も激しかったと言う。「負けたけれど、今回は嫌がらずにぶつかっていけた。その結果点差が詰まったし、僕らは成長している」と強い確信も得られた。あとは「疲れて気持ちがぐらつかないよう、上級生が丁寧に話していく必要がある。気持ちはプレーに直結する。明日がどうなるかは分からないけれど、強くチームに言い聞かせていきたいと思う」という早稲田大の今後に期待したい。

写真上:第1週はスタメンに入った河合。チームのことも非常によく考えており、牽引力に期待。
写真下:激しいディフェンスでエースキラー的働きを見せる南木。アグレッシブで恐れを知らない選手だ。




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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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