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2016.06.20 (Mon)

【2016西日本インカレ】6/12 決勝 大阪学院大VS天理大

相手のお株を奪う速攻も浴びせ天理大が念願の王座奪還
大阪学院大は序盤の出遅れが大きく響き2冠ならず


160612tenri.jpg 1週間にわたって開催されてきた西日本インカレを締めくくる決勝戦は、大阪学院大天理大の対戦となった。直近の昨年リーグ戦では天理大が2勝を挙げているが、この春の全関は大阪学院大が優勝。反面、天理大は5位に甘んじた。また、両方とも昨年からメンバー構成に変更があり、言わばフラットな状況での対戦。そのゲームで、序盤からペースを掴んだのは天理大だった。

 試合序盤は決め合いに。#15イビス(4年・C)がゴール下で連続得点を挙げると、大阪学院大は#35吉川(3年・SG)が返して引かず、開始2分は4−4と互角。だが、その#35吉川から#24佐々木(2年・SG)がバスケットカウントを獲得すると、天理大ペースに。佐々木はワンスローを落とすが、リバウンドを繋ぐと#29榎本(3年・SG)がゴール下を決める。直後に#30木下(2年・PG)がドライブを決めるも、ここから天理大一辺倒のリズムに。#15イビスのゴール下に加え、#29榎本、#24佐々木が相次いで速攻に走り差を開く。大阪学院大はエース#7澤邉(4年・SG)が天理大#34谷本(3年・SG)にマークされ、フィニッシュまでは持っていくが決めきれない場面が目立つ。6分で12点差となりたまらずタイムアウト。しかし、その後も#34谷本が3Pを決めるなどして、大阪学院大が繰り出したゾーンにも慌てない。1Qは25−12。天理大がダブルスコアリードという意外な立ち上がりとなった。

160612YVES.jpg 2Qも天理大ペースは変わらない。厳しいディフェンスで相手に簡単に打たせず、#15イビスのリバウンドからのワンパスで#24佐々木を中心に速攻に走る場面も目立ち、一旦は20点差となった。大阪学院大は#33岡本(3年・PF)の3P、#30木下のランニングショットなどで押し戻すが、速攻でターンオーバーが出るなど、どこかちぐはぐ状態は変わらず。天理大も速攻の流れが止まり、この時間帯はやや膠着状態となった。その中でも#34谷本の3Pが決まるなどして、天理大16点リードで前半終了となった。

 3Q、何とか追いつきたい大阪学院大をあざ笑うかのように、再び天理大の時間帯となる。#56川田(4年・C)がファウルトラブルに陥るも、代わって入った#50安野(4年・PF)が3連続得点。#15イビスもゴール下を続けてリードは22点差にも拡大する。大阪学院大は、前半同様#7澤邉がシュートを決めきれない場面が続く。その中でも#35吉川が何とかアウトサイドシュートを射抜くが、この日は一貫して天理大の反発力がそれを上回った。打開出来ない大阪学院大はとうとう4Qは#7澤邉を退ける。その間も大阪学院大はバランス良く加点していき、最後まで尻尾をつかませなかった。最後は続々とベンチメンバーを送り出した天理大が、77−62で快勝。6年ぶりに西日本王者の座を勝ち取った。

160612KINOSHITA.jpg 何度か20点差をつけられても、反撃の姿勢を示し食い下がった大阪学院大。だが、1Q2分から6分までの4分間で開けられた12点差が、最後まで重くのしかかった。窮余のゾーンは、全関決勝では優勝を引き寄せる秘策となったが、リバウンドで劣勢のこの日はゾーンを敷く前に相手に逆速攻を食らう場面が目立った。吉川や木下が奮闘を見せたが、澤邉がまさかのブレーキを喫したのも痛かった。

 天理大は、大会を通してディフェンス力の高さが光った。全関では定まっていなかった1番ポジションも、佐々木がポジションアップすることでカバー。加えてこの決勝ではフォーメーションの攻めに偏らず、速攻を何本も出してダメージを与え、相手に付け入る隙を与えなかった。届きそうで届かなかったタイトルをようやく手にし、川田も谷本も安堵の表情をのぞかせていた一方で、目標はインカレでの上位進出。ここで満足せずに、秋では更に完成度の高いチーム力を披露できるか。

写真上:優勝を決め、歓喜の天理大。
写真中:持ち前の力強さに加え、今大会はシュートミスをしてもセカンドショットはきちんと決める場面が目立った天理大・イビス。
写真下:吉川とともに最後まで大阪学院大を引っ張った木下。最後は苦い結果だったが、全関と合わせて充実の春シーズンだっただろう。

※天理大・川田選手、谷本選手、大阪学院大・澤邉選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「やりたいようにさせているし自分もそうさせて貰っている」
チーム団結に大きく寄与し、西日本のタイトルをもたらす

◆#56川田稜介(天理大・4年・C)
160612KAWATA.jpg今年は入学から5年目。1年間の留学経験があるため、今年もエントリーが可能な立場だ。インサイド陣の平均身長がそれほどの高さではない関西において、イビスと文字通りの双璧を成す存在。ファウルトラブルに陥りがちな点は玉に瑕だが、コートでは安定したプレーが光る。同級生がいない状況でのラストシーズンだが、後輩たちに気を遣わせることなく、チームの一体感醸成に大きく貢献している。天理大でのタイトル奪還には満足の表情だが、今季はまだまだ戦いが続く。残りの期間も、再びの優勝にかける。


—優勝おめでとうございます。いつ以来の優勝になりますか。
「ありがとうございます。自分が2回の時のリーグ戦以来ですね」

—やはりその時とは違った味があると思います。
「そうですね。今の自分の立場が、最上級生ということもありますし、チーム自体を引っ張らなあかん立場ということもあったので、その時とは違いますね」

—3回生の際に留学されていて、今年は言わば5年目のシーズンです。昨年も最上級生ではありましたが、やはり違いはありますか。
「そうですね。去年は同級生がいたので、今は自分自身でも寂しい思いもあるんですけど、みんなが良い意味でフレンドリーに接してくれるんで、やりにくさというのは全く感じませんし、プレー中でもみんなお互いに言いたいことを言いますんで、良い雰囲気でやれてるかなと思いますんですけど…(ここで4回生同士の写真撮影に呼ばれる)」

—今は4回生同士の撮影に呼ばれたわけですよね。
「なんか、もう周りも先輩という意識で見ているわけではないですし(笑)、全然タメ口ですし、呼び捨てで呼ばれますし。でも、気は使わんとって欲しいなと思っているので、こっちもそういう風に接していますね。先輩として接されるのは違うかなと思うので(笑)、良い関係かなと思いますね。やりたいようにやらせていますし、自分もそうさせて貰っていますし。向こうも言いたいことは言ってくれていると思います」

—今大会ですが、ディフェンスが相当良かったように思います。
「天理は毎年ディフェンス重視なんですが、今年は合宿からディフェンスについてどんどん追求して。プレーが良くなかったらミーティングも重ねて追求してやってきました。全関では良い形でまとまらなかったんですけど、西日本は良い形でできたかなと思います」

—なかなか全関はガードのやり繰りの面で固まっていなかったですよね。
「全関の後に中村(#7)が一回ケガをして。佐々木(#24)を使ったら割とフィットしたので、その形で西日本までやったんですけど、佐々木や榎本(#29)がディナイしてパスカットを狙えるので、まずそこをしっかりやってくれて、抜かれても自分とイビス(#15)がカバーするという風に続けてきたので、それが決勝でもハマったかなと思いますね」

—決勝では谷本選手(#34)のディフェンスもポイントでしたね。
「上手いんですけど、これまでどこか思い切りの良さが出せていなくて、そこで『開き直ってやれよ』と言ってきたら、決勝は良い感じでやってくれましたね。澤邉(#7)には去年からあいつをつかせていたんですけど、やっぱり仕事はしてくれたなと思います」

—後輩たちの成長も感じられた大会でしたね。
「そうですね。下級生の時からずっと試合に出続けていて、良い感じで成長しているとは感じますし、イビスも調子が上がってきていたので、みんな良い状態で決勝に臨めたんだと思います」

—秋もチャンピオンを狙う戦いになりますが、今大会で見えた改善点はありましたか。
「自分自身で言うとファウルトラブルです(苦笑)。ハードに行き過ぎてしまうので。チームとしては、天理はスローペースでやるので、均衡したゲームで流れが悪くなった時にどう切り崩すかで、自分たちのストロングポイントであるインサイドを使ってやっていくことを、秋までにもっと改善してやっていきたいですね」

—決勝では、そうした課題をクリアした試合でしたね。
「そうですね。インサイドもディフェンスも機能してたので、それがずっとやれていたので良かったと思います。でも、ディフェンスの面ではちょいちょいイージーシュートを打たれていて、それを打たせないのがテーマなので、それの本数を減らせれば良いなとは思います」

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「得点の意識ではなくディフェンスはしっかりやろうと」
攻守ともに際立った活躍で相手の持ち味を封印

◆#34谷本真琴(天理大・3年・SF)
160612TANIMOTO.jpg決勝では大阪学院大・澤邉を徹底マーク。オフェンス力に絶対的な力を発揮する相手を6得点に抑えただけでなく、自らは15得点を記録し決勝勝利の立役者的役割を示した。今まではベンチスタートが多かったが、今大会ではひとつこれまでより成長した姿を見せ、スタメンに定着した感が強い。ディフェンスに軸足を置くプレー意識で、天理大のチームの特徴にも見合った選手。今後が楽しみな存在である。


—優勝おめでとうございます。
「ありがとうございます。嬉しいですし、かなりホッとしています(笑)」

—澤邉選手とのマッチアップでしたが、意識していたことは。
「得点力のある選手なので、とりあえずボールを持たさないことと、ファウルをしないことを心がけてつきました」

—かなり上手く守れたのではないでしょうか。
「そうですね。相手の外のシュートが不調だったこともあるんですけど、上手くいった部分はあったなと思います。でもここまでできるとも思ってなかったですけど(笑)」

—今大会通じてのご自身のディフェンスの出来はいかがでしたか。
「足もしっかり動いていて、良かったかなとは思いますね」

—決勝は得点面でも良い場面でシュートが決まりましたね。
「得点はそんなに意識していなかったんですけど、ディフェンスはしっかりやろうという意識でやっていました」

—本来的な持ち味はどのような感じなのでしょうか。
「ディフェンスを頑張って、あとはしっかりリバウンドを取るという感じで。得点は周りが取ってくれるので、スクリーンをしっかりかけたりとか、そういうプレーを一つひとつしっかりやりたいということは心がけていました」

—チームディフェンスの出来はいかがでしたか。
「チームとしては凄く良かったんですけど、抜かれた後のカバーで、下での寄りとかが遅かったので、そこで穴が開いてゴール下を打たれることがよくあったので、それをリーグ戦までに修正出来たらなと思いますね」

—全関とは大きく違う結果になりました。全関の時とは何が変わったのでしょうか。
「チームとして一丸になれたのかなと思います。全関はどこかバラバラな部分があって、フォーメーションで上手くいっていない部分があったりとかしていたんですけど、その部分でしっかりコミュニケーションを取ってやれてきたと思いますね」

—4回生であまり試合に絡むメンバーが多くない中で、3回生として意識されていたことはありますか。
「3回生がしっかり中心になってやっていかないといけないと思いましたし、4回生をしっかり支えられるようにしようということは3回生同士で話していました。その部分はしっかりできたかなと思いますね」

—今大会はこれまでよりも飛躍的にプレータイムが伸びました。成長の実感はありますか。
「さすがに自分ではあまり感じていないですけど(笑)、元々はシックスマンのような形で使われていたんですけど、スタメンになって見えてくることもあったので、これからもしっかり勉強して、リーグ戦に向けて頑張っていきたいと思います」

—リーグ戦に向けて、この後の期間は何に重点を置いてやっていきたいですか。
「ディフェンスはしっかりできていたと思うので、オフェンスでもっとコミュニケーションを取って、その辺をもっと上手くやれるようにやっていきたいですね」

—かなり気が早いですが、天理大の場合はインカレでも上位進出が目標になってくると思います。まずはしっかり出場権を取らないといけませんが。
「インカレでは、去年は一回戦で敗退しているのでそこは去年より良い状態にして。チームとしてはインカレ優勝を目標にしているのでそれを達成できるように、リーグから頑張っていきたいです」

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「この負けからリーグ戦では切り替えていく」
苦い今季初黒星から得た教訓を糧に、秋はもう一度頂点へ

◆#7澤邉圭太(大阪学院大・4年・SG)
160612SAWABE.jpg今季はこれまでアンストッパブルなプレーを続けてきたが、決勝はまさかのブレーキ。対面の谷本のディフェンスが良かったこともあるが、イージーシュートがリングに嫌われる場面も目立った。最後はベンチに下がることを余儀なくされ、相手の優勝はベンチから見やった。だからこそ、このままで終わるわけにはいかないだろう。秋のリーグ戦は、全関優勝の威信を取り戻す覚悟だ。


—この決勝は、ちょっと思うように得点が伸びませんでした。
「そうですね……。相手にハードワークされてて、リバウンドからの速攻が自分たちの形なんですけど、それが出ませんでした」

—やはり相手の高さは気になりましたか。
「リバウンドは意識はしていたんですけど、やっぱり相手の方が上だった感じになってしまいました」

—シュートタッチはいかがでしたか。
「相手にプレッシャーをかけられて、あんまり良い形でシュートを打てなくて、タフショットばかりになっていたので。厳しかったですね」

—ゾーンを織り交ぜたりして、何とか流れを変えようとしていましたが、なかなかきっかけが掴めなかったと思います。
「でもこの負けから、次のリーグ戦ではしっかり切り替えて、対策を練って頑張ろうとは思います」

—今季初黒星でしたが、今日の負けで改めて分かったことはありますか。
「自分たちのボロが出てしまった試合だったな、と。それをこの夏に修正することが一番だと思うので、リーグ戦に向けて切り替えて頑張っていこうと思います。リバウンドやら、ピックスクリーンのカバーとかを、しっかりやっていかないといけないと思います」

—逆に今大会の収穫は。
「個人個人で点が取れる選手が多いので、そこはみんな自信になったのかなと思います」

—秋はこのままで終わるわけにはいきませんね。
「そうですね。この悔しさを糧に、また良いチームをキャプテンの大樹(#2渡邊)と一緒に作っていきたいです」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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