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2016.06.10 (Fri)
【2016新人戦】6/10レポート
接戦を勝利しベスト4に駒を進めたのは
青山学院大・日本体育大・中央大・筑波大
新人戦本戦5日目、勝負はいよいよ準々決勝へと入った。短期間でのチーム作りで立ち向かわなければならない新人戦は、だからこその粗さや慣れなさが“らしい”ことろであり、どちらに流れが転ぶか分からない試合も多い。そしてこの状態から勝ち上がっていくことによって、息のあった連携が可能になり、チームとしての形が出来上がっていく。ベスト4が決まるこの日の4試合はいずれも目が離せない展開が続いたが、新人戦らしい揺れを振りきれたチームが勝ち上がりを決めた。
【3Pを立て続けに沈めた青山学院大が逆転勝利】
第1試合、青山学院大と大東文化大の勝負は、後半にエキサイトな瞬間が待っていた。前半は青山学院大が2Qに7点と失速し、攻撃に勢いのあった大東大が26-38とリードして終了。
3Q、青山学院大は#0納見(1年・PG・明成)が立ち上がりからアウトサイドを沈めるが、大東大も今大会3Pで好調ぶりを見せる#90小川(2年・SG)が3Pで対抗。簡単には詰めさせない。しかし大東大はゴール下でのミスやトラベリングで青山学院大#32前田(2年・SF)にミドルシュートや走るプレーを決められてしまう。しかし前半にインサイドでのファウルが溜まってしまっていた青山学院大は開始約4分で#7ナナー(1年・CF・横須賀学院)が4、#10高橋(2年・C)も3ファウルと全く気が抜けない状態。大東大は#90小川が残り4分でこのQ2本目の3Pを決めるものの、その後は攻めあぐねる展開に。青学大は#0納見(1年・PG・明成)がフリースロー、ミドルシュートで得点してやや差を詰めるが、#10高橋が4つ目のファウルを吹かれて45-52と大東大7点リードで4Qへ。
4Q、ファウルトラブルになりながらも青学大のディフェンスは#15モッチ(1年・C・桜丘)に激しいプレッシャーを与えて楽には勝負させない。開始3分、ここから青学大は#0納見を皮切りに#15石井(2年・PG)、#0納見、#32前田と4本の3Pが炸裂。さらに#32前田の速攻が決まり大東大を逆転。大東大は#15モッチで攻められずに点数が止まってしまう苦しい事態。リードを保つ青学大は残り3分、さらに#0納見の3Pとジャンパーで加点。大東大は#91ビリシベ(2年・PF)のオフェンスリバウンドでつなぎ、#90小川の3Pも入って残り1分で3点差。しかし勝負どころでリバウンドがなかなか抑えられず、青学大はリードを渡さない。残り4.5秒、3点差のままボールは大東サイドのエンドラインからの青学大スローイン。これを#91ビリシべが見事にカットし、#12熊谷(2年・PG)が最後に3Pを放つが、これが入らずタイムアップ。69-66で青山学院大が逆転勝利を決めた。
写真上:青山学院大・納見は圧巻の34点。3Pは7本も入った。
写真下:ゴール下の激しいリバウンド争い。2m級選手たちが激しい奪い合いを続けた。
※青山学院大・戸田晃輔選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【日本体育大が粘って拓殖大を下す】
第2試合、拓殖大と日本体育大の試合も最後までもつれる展開となった。1Qはややアウトサイドが当たった日体大が14-19とリード。2Qは速攻が続いて出てそのまま11点にまでそのリードを広げることに成功する。拓殖大は立ち上がりの約3分間沈黙してしまうが、#14山梨(2年・PG)の3Pを皮切りにようやく当たり始め、#24荒川(1年・G・荒川)や#18多田(1年・F・八王子)の得点も続いて詰め寄った。日体大は#9武藤(1年・PG・福岡第一)の3Pも決まり、#32フェイ(2年・C)の高さも生きて逆転はされず31-34とリードで前半終了。
3Q、#32フェイが決めきれずに得点が伸ばせない日体大に対し、#14山梨のシュートで同点に追いついた拓殖大は#15熊澤(2年・SF)がボールをカットしてシュートにつなげ、逆転。しかし日体大も1年生が奮起。#3大浦(1年・SG・広陵)が3P、スティールにと活躍し、#44広沢(1年・SF・中部第一)も3P、オフェンスリバウンドと粘って再びリードは日体大に。48-55と7点差で入った4Qは、中盤まで日体大ペース。拓殖大は残り5分となったところで#24荒川のシュート、#5小室(1年・G・能代工業)のスティールからの速攻が決まり1点差。しかし日体大も#54津田(1年・C・城東)が返し、#65井出(2年・PG)がペイント中央をドリブルで突破し攻め気を見せる。勝負は残り1分、日体大3点リードで最後の攻防に入った。日体大はシュートが決まらず加点ができない。しかし拓殖大もスローインのバックパスやファウルなどミスが続く。その状況を打開したのは前の試合で流れを変えた#15熊澤。放った3Pが決まり、拓殖大が残り33秒で68-68の同点に追いついた。しかし次のプレーでフリースローをもらった日体大がフリースローを1本決めて68-69。拓殖大は#14山梨がドライブをしかけるが日体大のディフェンスの前にターンオーバー。残り2.7秒、再びフリースローを獲得した日体大がこれを1本決めて68-70で逃げ切って勝利した。
写真:日体大は苦しいところを井出が打開していった。
【#14久岡の3Pが中央大に勝利を引き寄せる】
第3試合、中央大と早稲田大は最初から最後までシーソーゲームで結末が見えない試合となった。シューター軍団である中央大に対し、ベンチメンバーも奮闘し、全員バスケを見せる早稲田大。1Qから取ったら取り返す展開が続いて1Q、2Qともに互いに譲らず40-40の同点。中央大は#28鶴巻(2年・SF)、早稲田大は内外で加点し、この試合から登場した#26富田(2年・C)もゴール下で力強いプレーを見せた。
後半、早稲田大がわずかにリードした展開になるが、中央大はゾーンにチェンジ。すると足を止められた早稲田大は俄然苦しくなった。しかし中央大も自慢のシューター陣の当たりが来ず、思うようには点差が縮まらない。3Qも60-60と同点で4Qを迎えたが、どちらも優位に立てないままゲームは終盤に突入する。積極的にドライブを仕掛ける中央大に対し、早稲田大はファウルが溜まっていく。しかし外の当たりが来ない中央大も逆転してはされ返す流れが変わらない。残り24秒、73-74と中央大1点ビハインドの状態を打開したのは、#14久岡(2年・PG)。放った3Pが沈むと76-74。続くプレーで早稲田大は#27濱田(2年・F)にボールが渡った。しかしそのまま前に進んでゴールを狙わず、一度外に出かかったところで痛いトラベリングを吹かれてしまう。中央大は残り僅かでフリースローを獲得。#28鶴巻がこれを決めて78-74とし、勝利を確定した。
写真:早稲田大は富田がゴール下で存在感を見せたが、中央大・沼倉もチームのゴール下をよく守り、3Pを決めた。
※中央大・久岡選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【後半にディフェンスが効いた筑波大が専修大を突き放す】
第4試合、ディフェンディング・チャンピオン筑波大は、専修大相手に前半は苦戦を強いられた。互いにサイズの大きなチームだが、これが生きた専修大が1Qからリードを握った。筑波大はゴール下の競り合いで#65玉木(2年・PF)、#11増田(1年・PF・福大大濠)、#14波多(2年・SF)が絡んでいくが、2mサイズがひしめく中では優位にはなれない。専修大は#30アブ(1年・PF・アレセイア湘南)、#32野口(2年・C)らがシュート、リバウンドを支配して#10大澤(2年・SF)のアウトサイドも決まり、1Qは13-26と大量リードを奪った。
2Q、立ち上がりでミスの出た専修大に対し、筑波大は#11増田が奮闘し、追いかける。専修大はファウルが続いてしまうが、#32野口のゴール下にうまくパスが通って追いつかれるまでには至らない。しかし終盤筑波大は#11増田の連続得点や#7青木(2年・SF)の速攻も出て10点以上あった差を6点差に縮めて40-46で終了。
3Q、専修大はゴール下のディフェンスをさらに固めに行き、相手のミスを誘う。ターンオーバーを奪っての早い展開に持ち込むことに成功して開始4分半で逆転に成功。専修大は#30アブのところで得点できなくなり、66-60と逆転されてしまうと、4Qも同様にインサイドのディフェンスを締められて得点チャンスがなかなか生まれない。筑波大は優位に試合を進め、#88牧(1年・PF・福大大濠)、#7青木の3Pも決まって88-75でベスト4入りを果たした。
写真:ゴール下の動きにセンスを感じさせる筑波大・増田。いいタイミングでボールに絡んでくる。
「仕事であるリバウンドをしっかりやろうとしていた」
勝利のための下支えとなる仕事を意識してプレー
◆#4戸田晃輔(青山学院大・2年・F)
ナナー、高橋といったインサイド陣がモッチを相手に働きが相殺される中、地道にリバウンドを稼いだのが戸田だ。182cmとセンターのようなサイズはないがリバウンドという与えられた仕事を心がけ、弾かれてこぼれそうなボールを奪う抜け目なさも見せて、チームトップの8リバウンドを記録。こうした地道な働きをする選手がいるからこそ、納見のシュートも生きたと言えるだろう。
―試合を振り返っていかがですか?
「元から向こうが外が入るのと、モッチ(#15)がやってくるのはわかっていたので、まずモッチをどう止めるか、ということでした。ディフェンスとしては結構やれていて、モッチの点数はあまりなかったと思います(※15点)。あと、前半離されても粘れて、自分たちはディフェンスが持ち味なのでそこでリバウンドをしっかり抑えられて勝ち切れたのは大きかったと思います」
―納見選手(#0)の3Pは大きかったですが、戸田選手がリバウンドにも絡んでいたのが結構大きかったのではないかと思うのですが。
「うちは納見がすごく入るので、あとは悟(#32前田)が点数を取れます。あとはいつもだったらデカいふたりが取れるんですが、今日は取れなかったので、やっぱりそうなるとディフェンス、リバウンド、ルーズボール勝負になると思っていました。自分は点を取るタイプではないし、リバウンドをしっかり抑えてハーフコートオフェンスかできればブレイクにつなげることを廣瀬さんからも言われていました。自分はそこでリバウンドが仕事になるのでしっかりやろうと」
―戸田選手は182cmと大きくないのに、リバウンドが大事な役目なんですね。それは今日だけではなく、ずっとということで?
「そうです。リバウンドは常に。自分は飛べる方なので、サイズはなくてもリバウンドを取ることはひとつの目標としてやっています」
―前半を終えて追う展開でしたが、ディフェンス自体はでは後半も特に変わった指示もなかったんですね。
「そうですね。立ち上がりは自分たちがリードして、その後相手に立て続けに入れられてというのがありました。でもそれは想定内だったので、我慢して後半追い上げようとしていました」
―納見選手の終盤のシュートまでは苦しい状態でしたね。
「でもあいつは調子の波が少なくていつでもコンスタントに入れてくれます。そこは信頼しているので、空いたら打てと言っていたし、点を取ってくれて良かったです」
―青学は2年も多いですが
「去年ここで早稲田に負けて悔しい思いをしました。今年は1年の納見やダン(#7ナナー)もいいけど、やっぱり引っ張るのは上級生だと思っています。声を出したり、体を張ってディフェンスしたり、2年生がしっかり引っ張って行こうとしているし、みんなで言い合っています」
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「勝ちたい気持ちが強すぎた」
強い気持ちが生んだ値千金のスリーポイント
◆#14久岡 幸太郎(中央大・2年・PG)
鶴巻、三上といったシューター陣が沈黙気味だったこの日、最後の最後まで競り合いが続いたが久岡の放った3Pが勝負を決定づけた。中学の同級生であり、長く勝っていなかった早稲田大の長谷川に対してもライバル心を燃やしてプレーした。
昨年のリーグ戦を「不甲斐ない出来」と言い、ガードが多数揃う中央大ではチーム内の争いも熾烈だ。そういう状態だからこそ、この新人戦は自分自身にとって大きな見せ場。この大会以降のことを考えても結果を出すことは必須だ。「勝ちたい気持ちが強かった」と攻撃的にプレーし続け、最後に実った勝利。それを次の試合でさらに大きな実りとできるか。
―試合を振り返って。
「4Q終わるまでハード行くということができました。ディフェンスに関してはいろんな人から指導を受けていて、できるようになってきていますが、新人戦でもそれができて良かったです。うちはバックコートが強み。小さいので外からのシュート、入らなくなったときも常にリングにドライブで向かうというのは心がけていました」
―三上選手(#33)があまり入らない中で、ガードとしての心がけは?
「三上は入らなくてもディフェンスはハードにできます。逆に三上をスクリーンにしたり、スクリーンにこさせて使うことで、僕や中村(#13)がドライブにも行けるので、彼が調子が悪くてもそういうプレーで対応できます」
―中央大は勢いがあっても途中で集中力が切れやすい面もあったと思います。この試合はそれを持続して勝ち切れました。何が大きかったですか?
「ディフェンスが良かったのと、2年生が常に声をかけていきました。鶴巻(#28)なんかはいつも自分の世界に入っているタイプなんですけど、今日は1年に声をかけたりして、協力的でした。プレーもあいつが引っ張っていってくれました。頼りになりました。2年が良かったですね」
―後半のゾーンは狙っていたのですか?
「早稲田はやはり足を止めればというのはあります。早稲田はラリーが続くとノッてしまうので、それでゾーンを使っていきました」
―富田選手(#26)にはやられましたが出番が限られる状態で、あと濱田選手(#27)なども警戒していたのでしょうか。
「そうですね。濱田とあと15番(森定)なんかは外が入るので、そこはゾーンをやりながら常に声をかけて場所を伝え合うように言っていました」
―終盤、鶴巻選手(#28)も少し入らなくなっていたときに、久岡選手の3Pが大きかったですが、積極的に攻める気持ちでしたか?
「この試合に勝ちたいという気持ちが強すぎて、今日の攻め気につながりました。三上も調子が悪かったし、自分は結構ほかのガードと比べたら点が取れる方だと思っているので、そこは強みにしていきたいとも思っています」
―1年生の沼倉選手(#70)は追加メンバーで入っていますが、どういう経緯だったのでしょうか?
「彼は指定校推薦で僕らもあまりよく知らなくて、春の合宿なども参加していないんです。入学して突然来てくれて、しばらくはコートの脇を走っている状態だったんですが、いざプレーしてみるとすごい、ということになってすぐ試合に絡むようになりました。うちはサイズがないので、インサイドで仕事をしてくれるのは本当に頼りになります」
―この新人戦チームのキャプテンとしてはどのようなことを心がけていますか?
「いい意味でも悪い意味でも個性が強いチームです。自分の世界に入るタイプの鶴巻だったり、三上は調子が悪いと落ち込んだり、中村は調子が悪いと逆にがむしゃらに行くんですよね。そういうのを無理にまとめようとするとうまくいかないので、同じ方向を向かせるようにというのを心がけて声かけをするようにしています」
青山学院大・日本体育大・中央大・筑波大
新人戦本戦5日目、勝負はいよいよ準々決勝へと入った。短期間でのチーム作りで立ち向かわなければならない新人戦は、だからこその粗さや慣れなさが“らしい”ことろであり、どちらに流れが転ぶか分からない試合も多い。そしてこの状態から勝ち上がっていくことによって、息のあった連携が可能になり、チームとしての形が出来上がっていく。ベスト4が決まるこの日の4試合はいずれも目が離せない展開が続いたが、新人戦らしい揺れを振りきれたチームが勝ち上がりを決めた。
【3Pを立て続けに沈めた青山学院大が逆転勝利】

3Q、青山学院大は#0納見(1年・PG・明成)が立ち上がりからアウトサイドを沈めるが、大東大も今大会3Pで好調ぶりを見せる#90小川(2年・SG)が3Pで対抗。簡単には詰めさせない。しかし大東大はゴール下でのミスやトラベリングで青山学院大#32前田(2年・SF)にミドルシュートや走るプレーを決められてしまう。しかし前半にインサイドでのファウルが溜まってしまっていた青山学院大は開始約4分で#7ナナー(1年・CF・横須賀学院)が4、#10高橋(2年・C)も3ファウルと全く気が抜けない状態。大東大は#90小川が残り4分でこのQ2本目の3Pを決めるものの、その後は攻めあぐねる展開に。青学大は#0納見(1年・PG・明成)がフリースロー、ミドルシュートで得点してやや差を詰めるが、#10高橋が4つ目のファウルを吹かれて45-52と大東大7点リードで4Qへ。

写真上:青山学院大・納見は圧巻の34点。3Pは7本も入った。
写真下:ゴール下の激しいリバウンド争い。2m級選手たちが激しい奪い合いを続けた。
※青山学院大・戸田晃輔選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【日本体育大が粘って拓殖大を下す】

3Q、#32フェイが決めきれずに得点が伸ばせない日体大に対し、#14山梨のシュートで同点に追いついた拓殖大は#15熊澤(2年・SF)がボールをカットしてシュートにつなげ、逆転。しかし日体大も1年生が奮起。#3大浦(1年・SG・広陵)が3P、スティールにと活躍し、#44広沢(1年・SF・中部第一)も3P、オフェンスリバウンドと粘って再びリードは日体大に。48-55と7点差で入った4Qは、中盤まで日体大ペース。拓殖大は残り5分となったところで#24荒川のシュート、#5小室(1年・G・能代工業)のスティールからの速攻が決まり1点差。しかし日体大も#54津田(1年・C・城東)が返し、#65井出(2年・PG)がペイント中央をドリブルで突破し攻め気を見せる。勝負は残り1分、日体大3点リードで最後の攻防に入った。日体大はシュートが決まらず加点ができない。しかし拓殖大もスローインのバックパスやファウルなどミスが続く。その状況を打開したのは前の試合で流れを変えた#15熊澤。放った3Pが決まり、拓殖大が残り33秒で68-68の同点に追いついた。しかし次のプレーでフリースローをもらった日体大がフリースローを1本決めて68-69。拓殖大は#14山梨がドライブをしかけるが日体大のディフェンスの前にターンオーバー。残り2.7秒、再びフリースローを獲得した日体大がこれを1本決めて68-70で逃げ切って勝利した。
写真:日体大は苦しいところを井出が打開していった。
【#14久岡の3Pが中央大に勝利を引き寄せる】

後半、早稲田大がわずかにリードした展開になるが、中央大はゾーンにチェンジ。すると足を止められた早稲田大は俄然苦しくなった。しかし中央大も自慢のシューター陣の当たりが来ず、思うようには点差が縮まらない。3Qも60-60と同点で4Qを迎えたが、どちらも優位に立てないままゲームは終盤に突入する。積極的にドライブを仕掛ける中央大に対し、早稲田大はファウルが溜まっていく。しかし外の当たりが来ない中央大も逆転してはされ返す流れが変わらない。残り24秒、73-74と中央大1点ビハインドの状態を打開したのは、#14久岡(2年・PG)。放った3Pが沈むと76-74。続くプレーで早稲田大は#27濱田(2年・F)にボールが渡った。しかしそのまま前に進んでゴールを狙わず、一度外に出かかったところで痛いトラベリングを吹かれてしまう。中央大は残り僅かでフリースローを獲得。#28鶴巻がこれを決めて78-74とし、勝利を確定した。
写真:早稲田大は富田がゴール下で存在感を見せたが、中央大・沼倉もチームのゴール下をよく守り、3Pを決めた。
※中央大・久岡選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【後半にディフェンスが効いた筑波大が専修大を突き放す】

2Q、立ち上がりでミスの出た専修大に対し、筑波大は#11増田が奮闘し、追いかける。専修大はファウルが続いてしまうが、#32野口のゴール下にうまくパスが通って追いつかれるまでには至らない。しかし終盤筑波大は#11増田の連続得点や#7青木(2年・SF)の速攻も出て10点以上あった差を6点差に縮めて40-46で終了。
3Q、専修大はゴール下のディフェンスをさらに固めに行き、相手のミスを誘う。ターンオーバーを奪っての早い展開に持ち込むことに成功して開始4分半で逆転に成功。専修大は#30アブのところで得点できなくなり、66-60と逆転されてしまうと、4Qも同様にインサイドのディフェンスを締められて得点チャンスがなかなか生まれない。筑波大は優位に試合を進め、#88牧(1年・PF・福大大濠)、#7青木の3Pも決まって88-75でベスト4入りを果たした。
写真:ゴール下の動きにセンスを感じさせる筑波大・増田。いいタイミングでボールに絡んでくる。
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【INTERVIEW】「仕事であるリバウンドをしっかりやろうとしていた」
勝利のための下支えとなる仕事を意識してプレー
◆#4戸田晃輔(青山学院大・2年・F)

―試合を振り返っていかがですか?
「元から向こうが外が入るのと、モッチ(#15)がやってくるのはわかっていたので、まずモッチをどう止めるか、ということでした。ディフェンスとしては結構やれていて、モッチの点数はあまりなかったと思います(※15点)。あと、前半離されても粘れて、自分たちはディフェンスが持ち味なのでそこでリバウンドをしっかり抑えられて勝ち切れたのは大きかったと思います」
―納見選手(#0)の3Pは大きかったですが、戸田選手がリバウンドにも絡んでいたのが結構大きかったのではないかと思うのですが。
「うちは納見がすごく入るので、あとは悟(#32前田)が点数を取れます。あとはいつもだったらデカいふたりが取れるんですが、今日は取れなかったので、やっぱりそうなるとディフェンス、リバウンド、ルーズボール勝負になると思っていました。自分は点を取るタイプではないし、リバウンドをしっかり抑えてハーフコートオフェンスかできればブレイクにつなげることを廣瀬さんからも言われていました。自分はそこでリバウンドが仕事になるのでしっかりやろうと」
―戸田選手は182cmと大きくないのに、リバウンドが大事な役目なんですね。それは今日だけではなく、ずっとということで?
「そうです。リバウンドは常に。自分は飛べる方なので、サイズはなくてもリバウンドを取ることはひとつの目標としてやっています」
―前半を終えて追う展開でしたが、ディフェンス自体はでは後半も特に変わった指示もなかったんですね。
「そうですね。立ち上がりは自分たちがリードして、その後相手に立て続けに入れられてというのがありました。でもそれは想定内だったので、我慢して後半追い上げようとしていました」
―納見選手の終盤のシュートまでは苦しい状態でしたね。
「でもあいつは調子の波が少なくていつでもコンスタントに入れてくれます。そこは信頼しているので、空いたら打てと言っていたし、点を取ってくれて良かったです」
―青学は2年も多いですが
「去年ここで早稲田に負けて悔しい思いをしました。今年は1年の納見やダン(#7ナナー)もいいけど、やっぱり引っ張るのは上級生だと思っています。声を出したり、体を張ってディフェンスしたり、2年生がしっかり引っ張って行こうとしているし、みんなで言い合っています」
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「勝ちたい気持ちが強すぎた」
強い気持ちが生んだ値千金のスリーポイント
◆#14久岡 幸太郎(中央大・2年・PG)

昨年のリーグ戦を「不甲斐ない出来」と言い、ガードが多数揃う中央大ではチーム内の争いも熾烈だ。そういう状態だからこそ、この新人戦は自分自身にとって大きな見せ場。この大会以降のことを考えても結果を出すことは必須だ。「勝ちたい気持ちが強かった」と攻撃的にプレーし続け、最後に実った勝利。それを次の試合でさらに大きな実りとできるか。
―試合を振り返って。
「4Q終わるまでハード行くということができました。ディフェンスに関してはいろんな人から指導を受けていて、できるようになってきていますが、新人戦でもそれができて良かったです。うちはバックコートが強み。小さいので外からのシュート、入らなくなったときも常にリングにドライブで向かうというのは心がけていました」
―三上選手(#33)があまり入らない中で、ガードとしての心がけは?
「三上は入らなくてもディフェンスはハードにできます。逆に三上をスクリーンにしたり、スクリーンにこさせて使うことで、僕や中村(#13)がドライブにも行けるので、彼が調子が悪くてもそういうプレーで対応できます」
―中央大は勢いがあっても途中で集中力が切れやすい面もあったと思います。この試合はそれを持続して勝ち切れました。何が大きかったですか?
「ディフェンスが良かったのと、2年生が常に声をかけていきました。鶴巻(#28)なんかはいつも自分の世界に入っているタイプなんですけど、今日は1年に声をかけたりして、協力的でした。プレーもあいつが引っ張っていってくれました。頼りになりました。2年が良かったですね」
―後半のゾーンは狙っていたのですか?
「早稲田はやはり足を止めればというのはあります。早稲田はラリーが続くとノッてしまうので、それでゾーンを使っていきました」
―富田選手(#26)にはやられましたが出番が限られる状態で、あと濱田選手(#27)なども警戒していたのでしょうか。
「そうですね。濱田とあと15番(森定)なんかは外が入るので、そこはゾーンをやりながら常に声をかけて場所を伝え合うように言っていました」
―終盤、鶴巻選手(#28)も少し入らなくなっていたときに、久岡選手の3Pが大きかったですが、積極的に攻める気持ちでしたか?
「この試合に勝ちたいという気持ちが強すぎて、今日の攻め気につながりました。三上も調子が悪かったし、自分は結構ほかのガードと比べたら点が取れる方だと思っているので、そこは強みにしていきたいとも思っています」
―1年生の沼倉選手(#70)は追加メンバーで入っていますが、どういう経緯だったのでしょうか?
「彼は指定校推薦で僕らもあまりよく知らなくて、春の合宿なども参加していないんです。入学して突然来てくれて、しばらくはコートの脇を走っている状態だったんですが、いざプレーしてみるとすごい、ということになってすぐ試合に絡むようになりました。うちはサイズがないので、インサイドで仕事をしてくれるのは本当に頼りになります」
―この新人戦チームのキャプテンとしてはどのようなことを心がけていますか?
「いい意味でも悪い意味でも個性が強いチームです。自分の世界に入るタイプの鶴巻だったり、三上は調子が悪いと落ち込んだり、中村は調子が悪いと逆にがむしゃらに行くんですよね。そういうのを無理にまとめようとするとうまくいかないので、同じ方向を向かせるようにというのを心がけて声かけをするようにしています」
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