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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2016.05.15 (Sun)

【2016トーナメント】5/6 15位決定戦 学習院大VS法政大

両者ともに今後を見据えた戦いを選択
先行する法政大に食らい付いた学習院大が逆転で15位に


160506komiya.jpg 15-16位決定戦は、延長戦の末に順天堂大に敗戦を喫した3部・学習院大と、前半のリードを4Qで守り切れず駒澤大に敗れた2部・法政大の組合せとなり、3Q終わりの8点ビハインドを取り返した学習院大に軍配が上がった。

 試合はこれまでフォーアウトなどアウトサイド陣を中心に戦ってきた法政大が、今後を見据えるうように、#12柳川(3年・C)、#91竹内(2年・C)、#29堀川(1年・C・福大大濠)らにボールを集めるインサイド中心の攻めを展開。そこに、#57玉城(2年・PG)の3Pや#14植村(3年・G)の速攻などで得点を重ね、1Qは12-21と法政大がリードする。

 対する学習院大はミスマッチに対し、ゾーンディフェンスではなく、あえてチームコンセプトであるマンツーマンによるプレッシャーディフェンスを選択。これに法政大がリズムを狂わせされたか、#24鈴木悠介(1年・C・洛南)のリバウンドシュートが入るまで、2Q開始5分間ノーゴール。その後、#6荻野(4年・G)の3Pで一時逆転するなど、学習院大が点差を縮め、30-26で後半に入ると、後半開始直後に、再び#6荻野の3Pで32-32の同点とするも、#57玉城のバスケットカウント、#7藤井(4年・SG)の3Pが決まり、法政大が38-46と8点リードで最終Qへ。

160506uemura.jpg 4Q、先手を取ったのは学習院大。スティールから速攻による得点で流れを引き寄せると、#9小宮(4年・C)、#11飯田(4年・F)らの得点で一気に点差を縮め、残り3分。#11飯田が3Pを沈め、53-51と逆転に成功する。さらに、#12安藤がドライブをねじ込むと、法政大が追う展開に。ここから点の取り合いとなり、残りは1分。法政大は#91竹内がポストプレーで得点すると57-57の同点へ。この大事な場面で決めたのは、学習院大#12安藤。果敢に攻め込み、ターンショットを決めると学習院大が2点のリードに。法政大はチームトップの18得点をあげた#57玉城がドライブを狙うも決められず、ファウルゲームへと突入する。残り時間わずか、勝利を決めたい学習院大はフリースローを得た#11飯田が2本目を外し、リードは3点。法政大はタイムアウトを請求するが、再開後のスローインで最後の力を振り絞った学習院大ディフェンスの前に、5秒オーバーのバイオレーションに。続く学習院大のオフェンスは決まらないが、法政大も最後に#14植村が3Pを放つが決まらず、60-57で試合終了。自分達らしいバスケットを貫いた学習院大が法政大から勝利をあげ、15位の座を掴んだ。

160506gakusyuin1.jpg 学習院大は今年度から取り組んだフォーアウトで戦い抜いた。「順位決定戦の機会が得られたのは、よかった。普通なら惨敗が続いて終わってしまうところを何とか1勝を目指してやってきて、最後に掴めました。4Qはコンセプトにしていたプレッシャーディフェンスのバスケで勝てたので、成功体験を得られた。さらに磨きをかけていこうと思います」志津コーチ。上位校のボディコンタクトに競り負け、重要な場面でタフショットを決めきれない場面が見られたことなどは今後の課題だが、それでも攻守ともに自分たちのバスケを貫き通し、掴んだ勝利。それを成長の糧とするチーム力を感じさせるだけに、リーグ戦での奮闘に期待したい。

 対する法政大は、塚本HC曰く「まだ発展途上のチーム」。今大会3Pの比率が多いことなどからポストプレーの攻撃回数が少ないと考え、インサイド陣に終始ボールを集めた。また、控え選手を中心としたメンバー構成で、学習院大の追い上げ時にあえて1、2年生の布陣で経験を積ませるなど今後を見据えた戦い方を選択。勝利は逃したものの、塚本体制2年目の通過点として、ある程度の手応えと課題は浮彫りになった大会と言える。また、将来を期待できる選手は多いが、ガード陣に対し少し遅れを取っているインサイド陣の成長は必須。チームとして戦力の底上げができるかどうかがリーグ戦に大きく関わるだろう。

写真上:下級生から出場してきた小宮も最後の力を振り絞った学習院大。
写真中:春先から積極的な攻撃を見せる法政大・玉城は、新人戦での活躍も期待される。
写真下:コーチを含め、最後まで声を掛け合った学習院大大。ベスト8決定戦で敗戦後に荻野が言った「この機会をつなげていきたい」という言葉を、ぜひ体現してほしい。

※学習院大・飯田選手、安藤選手、法政大・植村選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「失うものは何もない、チャレンジ精神あるのみ」
最後まで攻める姿勢でオフェンスをリード

◆#11飯田 康一朗(学習院大・4年・F)
160506iida.jpg荻野とともに、攻撃的な姿勢を見せてオフェンスに参加。思い切りのいいシュートを放ち、チームに流れを持ってくる活躍を見せた。
3部に属するが一昨年のリーグ戦は上位で渡り合い、昨年のトーナメントでも泥臭いプレーで1部チームを苦しめる場面もあった。このトーナメントでは劣勢でも何度も挽回する試合を見せ、格上の相手に対して足りないものはあっても、気持ちで補える部分があることを教えてくれた。


―お疲れ様でした。この5試合、いかがでしたか?
「いやもう、疲れましたね。1部、2部のチームが相手だったので、自分たちより数段上のレベルの人たちだったので」

―前日の試合が延長までもつれるものの、惜しい試合でした。最終戦にあたってはどのような意気込みでしたか?
「自分たちは3部のチームで失うものは何もないと言いますか、チャレンジ精神を持って最後まで自分たちのバスケットを強気でやっていこうと話をしました」

―最終戦の相手である法政大はいろいろと試しながらの様子も伺えました。昨年は1部のチームでしたが、そういう相手でも気後れなどもなかったということですね。
「格上という相手なので少しはそういう部分もあったと思います。でも自分たちは気持ちで戦うチームなので、そこで負けてはいけないなと思っていました」

―一度追いついて、離されてからまた追いつけました。昨日の試合もそうでしたが、そういう粘り強さはどこからくるものなのでしょうか?
「チーム全員で戦うというのが芯にあると思います。コート内の5人だけではなく、苦しいときはベンチの人員が声をかけて全員で戦っていくチームです。それが粘り強さにつながっていると思います」

―学習院大はOBがコーチをなさっていたり、スポーツ推薦があるわけでもないのに、そういう粘りがあるのは素晴らしいことですね。
「歴代の先輩たちもこういう戦い方をしてきたし、気持ちでやるのは伝統だし、意識していることです」

―今年は15位で大会を終えました。得られたものはありますか?
「15位は大きい結果です。でも課題の方がたくさん見つかりました。でも今日勝てたというのは自信につながったし、あとはリーグ戦に向けてこの大会で得た課題を克服して、今度は入れ替え戦で2部のチームと戦えるように頑張ります」

―課題というのはどういうところですか?
「メンタル面はもちろん、フットワークや個人個人の身体能力、走力、技術なども全体的に劣るなという部分ですね」

―でもこの大会を通してスティールや速攻など、結構見られたのではないかと思うのですが。
「荻野(#6)はだいぶ技術があるんですが、自分は気持ちでやっているので(笑)」

―学習院大は4年生が主力というところも安心して見られた部分だと思います。
「荻野もそうですが、小宮(#9)、安藤(#12)は1年生の頃から試合に出ていて、経験もあるし連携などはしっかりしていますね」

―秋は目指せ2部ということになりますね。
「少しは。でもまだぜんぜん足りないので、もっと頑張っていきたいと思います」

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「この結果を2部への足がかりに」
大会で得られたものを秋に活かすことが使命

◆#12安藤良晃(学習院大・4年・F)
160506ando.jpg学習院大はスタメンを4年生が占めるが、その中でも安藤は主将の荻野らとともに1年生からコートに立って、チームを支えてきたひとり。この試合では終盤の1点を争うような展開の中、際どいシュートも決めきって勝利への流れを切らさない働きを見せた。
学習院大のキーワードは「気持ち」。それを最後まで体現したことが最終戦での勝利につながったが、本人も言うようにこの経験を秋のリーグ戦でもチーム一丸となって是非発揮してもらいたい。


―15位おめでとうございます。
「2部を目指していたので、その足がかりになって本当に嬉しいです」

―昨日も今日も接戦で、昨日は惜しくも負けてしまいましたが、最終戦はその状況から勝ち切れたのが大きいのではないかと思いますが。
「そこは試合ごとに段々と自分たちが成長できてきたことを感じるのと、試合が進むにつれて自分たちもみんなでまとまって勝とうという気持ちが強く出てきたので、勝てたのかなと思います。ここで5試合を戦えたことはいい経験になったと思います」

―中1日の休みがありましたが、学習院大自体で一大会5試合もするような経験は珍しいのでは。試合が進むにつれて疲労も見える気がしました。
「5試合は初めての経験です。疲労も多少ありましたね。最後は気持ちでなんとか勝つことができまいした」

―法政大は全体的に大きなチームでしたが、いかがでしたか?
「相手は大きいので早めに前へ前へと展開して、セットプレーも使わないよう心がけて、ブレイクも出せたのが良かったと思います」

―一度2Qに追いついて、3Qに離され、再び追いつけました。何が良かったと思いますか?
「やはりディフェンスで守れたのが一番良かったと思います。スティールにもつながっていたし」

―安藤選手の一度ボールから手が離れたのに入った、トリッキーなシュートも見事でした。
「あれはまさか入るとは、という感じでしたけど(笑)」

―安藤選手は1年生のときから試合に出ているということですが、学習院大はどんなチームだと思っていますか?
「頑張るチームだと思います。どんな状態でも最後まであきらめずに走り抜こうというのは、他のチームよりも優れていると思います」

―その頑張りはどこから来ているのでしょうか?
「何でしょう、練習から一生懸命というのは常に気をつけていて、そこから試合でも最後まであきらめないというスタイルも出てきているんじゃないかなと思います」

―安藤選手や荻野選手は世田谷学園出身ですが、全体的にそこまで全国の強豪という選手が揃うわけでもないのに頑張れるというのは?
「他のチームは例年いい新人が入ってくる部分で有利だと思うんですが、こっちは本当に気持ちで負けないとか、当たり前に走るとか、ディフェンスのボックスアウトをしっかりやるとか、基本的なことをしっかりやることで強いチームにも立ち向かっていこうと考えてやっています」

―これから秋のリーグ戦に向かっていくことになりますが、今大会で得られたものを糧にどうしていきたいなというのは?
「今日に限った話ではないんですが、試合を通して実力不足なところを痛感する部分が多いので、夏に一生懸命練習して、2部昇格を達成できればいいと思っています。昨年はメンバーのケガもあって力を出し切れなかったんですが、今年は全員で勝とうとまとまって、スタメンじゃなくてもベンチから出ても一定のプレーができるように心がけています。しっかり夏を乗り越えてリーグを戦いたいです」

160506gakusyuinsyugo.jpg
笑顔の学習院大。

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「リーグ戦まで時間があるとは言えない」
チームの核となり、目指すは勝利を掴むチームへ

◆#14植村哲也(法政大・3年・G)
160506uemura.jpg春先の京王電鉄杯で「いいチームになってきたと言われるが、強いチームになったとはまだ言えない」と塚本HCの言葉を思い出す。惜しくもベスト8入りを逃し、挑んだ下位決定戦ではチーム力強化に向けた戦い方を重ねた。
その中で、チームの司令塔を担うのが植村だ。コートに複数のガード陣が立つ中、ゲームコントロールなど試合の組み立てを任されている。2部降格となった昨年度はどこか晴れない表情を見せながらプレーすることが多かったが、この大会ではしっかりと前を向き、チームを牽引する姿も見られるようになってきたことに成長の兆しを感じさせる。まだまだ一気に崩れる場面も見えるチーム状況だが、植村らガード陣の成長する土壌として、逆に利用してくれることを期待したい。


―今日の試合を振り返って
「今までフォーガードやスリーガードだったのを、今日はセンター陣を多くして、中でどう攻められるか。昨日までの試合統計を塚本さんが取ってくれましたが、その中でアウトサイドの比率が高くて、それが入れば早稲田大戦のように接戦になるし、入らなければ大東大戦みたいに大敗してしまう、という状況でした。関東トーナメントはチームとしては”経験の場”ということだったので、ガード陣がインサイド陣を使って、インサイドの攻めやインサイドからアウトサイドへの展開を効率良く攻めていく、というのが今日の試合に向けての課題でした。それについては、ちょっとまだ合わない部分もあって、まだ練習が必要かなと思います」

―成長を感じるガード陣に対し、インサイド陣の成長が少し遅れているように感じましたが。
「でも、柳川(#12)とかはこの大会ですごく良くなってくれて、信頼してボールを出せるようになりました。あとは、ガードが単純にインサイドにボールを入れるのではなくて、僕らがドライブでディフェンスを割ってヘルプに来たところに、ノーマークを狙ってパスを出してあげる、とか、そういうガードが崩して簡単にインサイドが点を取れるような展開を増やしていった方がいいのかな、と思いますが、今はセンターはセンターでポストプレーを頑張っているので。パスを入れてあげて個人技で攻められるなら攻めてくれた方が今はやりやすいです」

―少し植村選手自身のことを教えてください。関東トーナメントに向けて、個人的に課題やこうしよう、と思ってのぞんだことはありますか。
「中村太地(#6・1年)が入ってきて、中村は僕らガードの中でも“攻める”というのが持ち味だと思っています。玉城(#57)も藤井さん(#7)もシュートが入りますし。その中で自分が何が出来るのかと、塚本さんと話すことも多いんです。だからその分、試合中に“考える”という点で僕が一番塚本さんの考え方というのを今まで教わってきているし、流れを変える時に落ち着かせるだとか、セット・プレーをするだとか、そういう時に声を出して指示することなんかはやろうと思っていました」

―塚本さんと話すことも多い、ということでしたが、具体的にはどういう話を?
「そうですね、ピリオドごとのオフェンスの配分率、例えば『今、単発で外から打っているから、1回インサイドに入れて、2~3分はインサイド中心の攻めにしよう』とか。1試合を通してもそうですが、ピリオド間の中でも10分間を3分-4分-3分に区切ったり、という考え方は去年から言われています。試合開始から外からポンポン打っていてもセンターが動かなくなるし、リズムも悪くなるので、パッシングでディフェンスを揺さぶることとか、インサイドから攻めて相手のインサイドを疲れさせたり、相手のディフェンスの動きを大きくさせて考える力をなくさせたりとか。去年から言われていたことですが、そこは少し意識できたのかな、と思います」

―オフェンスの配分率などそういったことは、大学に入ってから取り組んだことですか。
「高校の時はみんなが動いていましたが、ルールじゃないですけど、規則みたいなものがあったんです。みんながスペースをわかっていて動いていたので、ガードが動かす、というよりも一人ひとりが考えていました。大学は、完全にガードが『センター、上がれ!』とか『お前、切れろ!』とかそういう所まで組み立てていかなければいけないので、高校の時よりも話していますね。なおかつ、自分がドリブルを止めて指示を出していたら停滞するので、自分も動きながら味方も動かす、というのは大学入って感じた一番の難しさです」

―その難しさは、2年目に入ってどうですか?
「楽去年よりは楽しめています。ここはこうした方がいい、とか、去年は『これやっていいのかな?』みたいな感じでしたが、今年は『あっ、こうした方がいいな』と少し明確に見えてきた部分もあるので、そこは去年より違った部分ですね」

―関東トーナメントが終わりました。秋のリーグ戦に向けて最後に一言お願いします。
「リーグ戦まで、時間があるとは言えません。まだまだ課題がいっぱいなので。一つ一つですね。ガードとしてセンターと合わせることも必要ですけど、今回のトーナメントで見つけた自分の課題もしっかりと克服して、去年みたいにどんどんチームの状況が下がっていかないようにしないといけません。ガードが核になっていかないと勝っていくチームにはならないので、そういう練習をずっとしていきます」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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