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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2015.12.31 (Thu)

【2015インカレ】11/29 3位決定戦 拓殖大VS青山学院大

拓殖大がらしさを見せて、涙の3位に
青山学院大も4位で終えて伝統をつなぐ


151129ando.jpg 準決勝から一夜、気持ちの切り替えが最も難しいとも言える3位決定戦。拓殖大は#39成田(3年・SF)に代わって#13阿部(2年・SG)がスタートに名を連ねた。

 1Q立ち上がりは両者流れを掴みきれない中、拓殖大がスティールから#99赤石(4年・PF)らの得点につなげる。青山学院大は開始3分でタイムアウトをとって建て直しを図るが、拓殖大#23バンバ(3年・C)にバスケットカウントを許し14-4と10点差に。その後、#24安藤(3年・SF)、#3大崎(3年・PG)の3Pで追撃し、何とか21-15とつなぐ。

 2Q、拓殖大は#13阿部、#29岩田(4年・SF)がバランスよく加点。開始2分半で31-17と得点を積み上げる。青学大は再びタイムアウトを取るも、拓殖大#23バンバへの裏パスを守りきれない。オフェンスでも3Pシュートに偏ってしまう上、1Qのように当たりが来ない。その間に拓殖大は内外で加点。残り1分を切ってからの#23バンバのダンク、#0岡本(4年・PG)の1on1は決めきれずも、45-21とダブルスコアをつける。

151129abe.jpg 3Q、青学大#32前田(1年・SF・山形南)が連続得点、反撃を始める。拓殖大は#23バンバにボールを集めて対抗、残り4分56-33と点差は変わらない。ここから青学大はディフェンスプレッシャーを強め、#18笠井(4年・PG)のバスケットカウント、3Pシュートで60-43までじわじわ詰める。

 4Q立ち上がりも青学大が#24安藤の得点で流れを引き寄せ、#3大崎の3Pも決まって開始1分で62-50と射程圏内に入る。拓殖大はすかさず#23バンバがゴール下をねじ込むも、この後トラベリングやパスミスなどが出てしまう。対照的に青学大は#14柏倉(3年・PG)が落ち着いてシュートを沈め、コーナーでフリーになっていた#18笠井の3Pで64-57とついに1桁差に持ち込む。以降は膠着状態となる中、拓殖大#99赤石、青学大#11田中(4年・PF)が決め、それぞれ4年生の意地を見せる。拓殖大はさらに#29岩田が#99赤石とのコンビプレイ、1on1からロングシュートを決め、残り2分72-62と押し戻す。青学大のファールゲームにも対処、ラスト10秒には4年生をコートへ送り出す。#55藤井(4年・PF)がスティールからレイアップを決め、85-66で拓殖大が勝利を収めた。

151129takudai4.jpg 拓殖大は優勝候補に挙げられながらも、トーナメント5位・リーグ2位・インカレ3位と夢は果たせなかった。それでも最終戦をきっちりと勝ってみせたのは、このチームに対する想いの強さゆえ。試合後、池内監督「このチームには感謝している」と述べ、選手たちも充実と悔しさがないまぜになった涙を見せた。

 青山学院大はメンバーに限りがある中、各選手がシーズンを通して成長。チームのプライドを守った。リーダーシップのある4年生2人が抜けるが、堅守という新しい伝統を引き継いでいきたい。

写真上:青学大・安藤はエースとしてさらなる活躍が期待される。
写真中:拓殖大・岩田を助け起こす阿部。献身的なプレイでチームを助けた。
写真下:残り10秒、笑顔でコートに入る拓殖大の4年生たち。

拓殖大・記者会見コメントと岡本選手、岩田選手、赤石選手、青山学院大・笠井選手、田中選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【拓殖大会見】
◆#13阿部 諒
「今日は4年生の学生最後の試合だったので、4年生のためにも勝ちたいという思いが強かった。その結果、勝ててよかったです」

◆#23ジョフ・チェイカ・アハマド バンバ
「このチームは学生の中で最高のチームだと思っています。スタメンの2人(#0岡本、#29岩田)は高校からずっと一緒にやってきた仲間。阿部は来年も残りますが、赤石含め4年生3人が引退してしまうのが悲しいです」


【INTERVIEW】

「この1年の頑張りが報われた気がした」
チームメイト、そしてライバルへの想いが溢れる

◆#0岡本飛竜(拓殖大・4年・主将・PG)
151129okamoto.jpg試合直後の会見では涙がこみ上げて言葉が途切れ、「負けても泣いて、勝っても泣いてで何かおかしいんですが、それくらいこのチームが最高だった」と搾り出した。コート上では常に落ち着いてリーダーシップを発揮していた岡本も、ライバルへの対抗心、同級生始めチームへの想い、キャプテンとして1年間取り組んできたこと、自分を選んでくれた監督への感謝、そして手が届きそうで届かなかった頂点に対する気持ちは、すぐには整理できなかったに違いない。3年連続の3位決定戦を岡本の代としては初めて勝って終われたことは、ささやかだが拓殖大が確かに変わりかけていることを示している。


―試合を振り返って。
「ホッとしました。試合前に池内さんを皆で勝たせてあげようというミーティングから始まったんです。すごく苦しく、大変な試合でしたが、最後に出てきた4年生もああして頑張ってシュートを決めてくれて、応援席も盛り上がってくれて、この1年間の成長が表れていたのが嬉しく思います。自分としても春から皆に声を掛けたりしてきた1年間の頑張りが報われた気がしました」

―岡本選手のプレーにも気合が入っていましたね。
「そのせいかエアボールしちゃいましたが(苦笑)、ベンチを見たら池内さんがうん、と頷いて笑ってくれました。そういうのも含めて、池内さんには本当に感謝しています」

―シーズン全体を振り返るといかがですか?
「トーナメントはコケてしまって(5位)。でも自信を失ったりはせず、池内さんも僕らを信じてくれました。実際、リーグ戦では東海を倒して、優勝も手が届くところにあったのに、届かなかった。無意識のところで自分たちのほうが強いんだという驕りがあったのかもしれません。何とかなると思ってしまったのが反省です」

―その東海大には同じ延岡学園高出身の#0ベンドラメ選手もいますし、インカレでリーグのリベンジをという気持ちもあったと思います。それで涙も見えたのでしょうか。
「今まで、30分以上コートに立ってチームの責任を追うということはありませんでした。高校時代もパッと出てポイントで仕事をする感じで。責任が増すとともに、悔しさも倍増しましたね。1年のときからずっと礼生(ベンドラメ)の活躍を見ていて、先輩からも『礼生はあんなにすごいのに、おまえは何やってんだよ』と発破をかけられたりして、悔しくて。いつかインカレの決勝で礼生と戦うんだ、というのが下級生のときから自分の原動力でした。今は礼生という存在に感謝しています、が…やっぱり決勝のコートに立ちたかったですね。でも自分のバスケ人生がある限り、食らいついていきます。あいつに勝ちたいって気持ちがまた自分を動かしてくれると思います」

―岡本選手も、特に今年のキャプテンぶりは立派だったと思います。どういうことを一番心がけてきましたか?
「とにかくチーム全体でポジティブになろうと。拓大が4位が多いのは、負けた瞬間にネガティブになってしまうところがあったせいだと思うんです。だから、試合に出ているメンバーだけでなくBチームも含めて皆でお互いを高め合おう、という意識づけを積極的にしてきました。それが今回の3位という結果につながったのかなと感じています」

―後輩たちには、今年のチームのどんなところをつないで、優勝を果たしてもらいたいですか。
「やっぱり自分がずっと伝えてきたように、常にポジティブで仲間を鼓舞し合える存在になってほしい。頑張るやつらが揃っているので、絶対やってくれると思います」

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「これでもう会えないわけじゃない」
ケガを乗り越えた仕事人のしなやかな強さ

◆#29岩田大輝(拓殖大・4年・SF)
151129iwata.jpg岡本がぐいぐい引っ張っていくリーダーなら、岩田はチームメートがプレーしやすいよう整える存在だ。それが自然にできてしまうのが強みであり、池内監督始めチームから信頼される所以でもある。この役割を引き継ぐのはなかなか簡単ではないが、岩田のようにチームを支える仕事人がまた出てくれば、拓殖大の躍進が期待できる。


―試合を振り返って。
「途中点差を詰められてしまいましたが、10点差までで持ち直せて、逆転はさせず勝てたのがよかったと思います。こちらのミスでバタバタしてしまっている部分があったのでそこを修正しようというのと、ミスをしてもディフェンスやリバウンドといったところを頑張ればいいという話を皆でしていました」

―シーズン全体を振り返るといかがですか?
「今年のチームは自分が4年間過ごした中で一番いいチームになったと思います。優勝こそできませんでしたが、打倒東海という目標を掲げたリーグ戦では東海に1つ勝つことができましたし、インカレもこうして最後皆で勝って終われて、成長できた1年間でした」

―個人としては、この1年だけでなく4年間を通して、どんなところが成長できたと思いますか。
「2年のとき前十字靭帯を切ってしまったのですが、半年もプレーできないというのは自分のバスケット人生の中でも初めての経験で、正直とてもつらかったです。そこから今では池さんにスタメンに入れてもらえた。その過程、ケガを乗り越えられたことが自分の中でいちばん成長できたんじゃないかなと思います」

―今年のスタメンは華やかな選手ばかりの中、リバウンドなど献身的なプレーがとても光っていましたね。
「小学校・中学校とセンターに近い形でしたし、高校でも礼生(東海大#0ベンドラメ)の方が身長は大きいのに自分が彼より下のポジションをやっていました。その分インサイドでのプレーに自信がついて、大学に入っても自然と中のプレーをしていました。リバウンドから、というのは自分がずっとやってきたことなんです。あとはジャンプシュートを決めるのを役割だと思ってきたので、決めたかったですが…(今日は要所で決めていたのでは)うーん、でも最後のフリースローを決めきれなくて。詰めのところが抜けてるとよく言われる僕らしいと言えば僕らしいのですが、決めたかったですね。でも、4年間拓大でバスケができてよかったなと思いました」

―その4年間をともにしたメンバーはどんな存在ですか?
「それはもう、個性ある楽しいメンバーでした。池さんにも今年がいちばんいいチームと言ってもらえて、4年間この仲間と一緒にできて本当に楽しかったです。欲を言えばいい結果で終わりたかったですし、まだもっともっと一緒にやりたかった。そのくらい、いい仲間でした。まあ、これでもう会えないというわけじゃないですし、バスケも『やろう』と言えばできると思うので。また機会があれば、皆でやりたいなと思います」

―後輩たちにはどんなところを伸ばしてほしいですか。
「来年は今年以上にハードになると思います。今年の課題としては、ずっと6人くらいのローテーションで試合をしていて、リーグ戦は2位で終われたものの終盤失速した部分もありました。7、8人目の選手が出てくるともっと楽に勝てると思うので、それを目指して、来年もっと頑張ってほしいなと思います。いい後輩が何人もいるので、自分らしく取り組んでもらいたいです」

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「本当にこの道を選んで良かった」
無名の存在から4年間で希有な選手に成長

◆#99赤石遼介(拓殖大・4年・C)
151129akaishi.jpg高校三冠を果たした延岡学園出身者など、大学以前の実績十分な選手が揃う拓殖大にあって、赤石の高校時代の実績は国体出場のみ。拓殖大の進学には当初二の足を踏んでいたというが、結局このチームで才能が大きく花開くこととなった。学生代表のメンバーにも選ばれ、拓殖大には不可欠な存在に登り詰めた。
決勝進出と、その先に渇望した優勝はならなかった。しかし、これまでになくタイトル獲得が現実味を帯びた1年を過ごした。後悔と充足感の入り交じった表情で、最後のインカレは終わった。


—昨日の敗戦から切り替えはできて今日の試合に臨めたのでしょうか。
「本当に自分は引きずっていて。全然切り替えられなくて、夜もあまり眠れないというか、ひとりでいると考え込んでしまって。でもその時に応援してくれている人や友だちもいることに気づけて。3位を取って、みんなに恩返しをしたいという気持ちはありました。学生最後の大会ですし、みんなすごく良いチームだと思っているし、『最後に池内さんを勝たせて終わろう』と飛竜(#0岡本)が言っていて、そういう気持ちで最後は笑って終われるようにしたいという気持ちでした」

—準々決勝はシュート好調でしたが、昨日は…。
「ダメでしたね。シュートも自分のリズムではなかったし、シュートも打たされてるというか。良いシュートを打たせてもらえない状況で、その時に点を取ることだけじゃなくて、インサイドで体を張ったり、ディフェンスの面で頑張れば良かったなと。今になって後悔があります。そこは反省しています」

—リーグ戦で戦ってきた時と比較して、昨日の筑波大は何か違いがありましたか。
「ディフェンスの部分ですごくプレッシャーが強くなっていて、それとアグレッシブにやってきて。オフェンスでも個人技ではなくチームプレーを重視してやってきて、それに崩された部分がありました。強かったですね」

—今年1年は、4年間の中でどのような1年でしたか。充実度が高かったかなと思いますが。
「はい、すごく充実していて、4年間の中では思うようにプレーできなくて悩んでいた時期もあったんですけれど、今年は自由にやらせてくれたし、自分のプレーの幅も広がったと思うし、そう考えるとすごく成長できた1年間だったと思います」

—高校時代にはあまり目立った実績がありませんでしたが、学生代表にも選ばれるようになりました。成長度合いが他の選手よりも大きかったと思います。
「はい。でもそれは自分に声をかけてくれた池内さんのお陰でもあるし、チームメイトがいい環境を作ってくれて、一緒に切磋琢磨してこられたのが自分の成長にも繋がったし。池内さんにもチームメイトのみんなにも、本当に感謝ですね」

—入学当初に、ここまでの活躍ができるとは?
「思ってなかったです(笑)。1部の大学に行くことにビビっていて『俺には無理だ』みたいにずっと思っていて。2部の大学からも声がかかっていたんですけれど、でも親に相談した時に『とりあえずチャレンジしてみろよ』と言われて。それでもビビりながら東京に来たんですけれど(笑)、でも本当にこの道を選んで良かったなと思います」

—一緒に練習を行ってきた4年生はどんな仲間でしたか。
「みんな明るくて、仲間思いの良いやつらです。例年の4年生に負けないくらい仲が良くて。本当にここから離れるのは寂しいですね」

—それでもまだオールジャパンがあり、僅かですが一緒にプレーする機会があります。
「はい。ここで引退する4年生もいるんですけれど、飛竜や岩田とオールジャパンもひとつでも多く勝ち進められるように、また練習して。また自分のレベルアップに繋がったら良いかなと思います」

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「プレーだけでなく精神的にも成長できた」
逆境を飛躍に替えてシーズンを締め括る

◆#11田中 光(青山学院大・4年・PF)
151129tanaka.jpg春シーズン、ここ数年常勝軍団だった青山学院大の10位という数字は観る者にも衝撃を与えたが、本人たちにも堪えた数字だったようだ。主力メンバーが抜けた中、今シーズンはたった2人の4年生として、青学大インサイドの要として背負うものが大きく、ずっと表情も厳しかった。しかしベスト4を「最低限」とし、この半年でしっかりと成長してきた。この結果を自ら引き寄せたからこそ、少しだけホッとした笑顔がようやく見られた。


―試合を振り返って。
「立ち上がりがこのゲームの全てでした。追い上げているときのようなディフェンスが最初からもう少しできていれば、もっといいゲームができたはず。そう思うとちょっと悔しいですね。試合前の段階では『3位を取りに行こう』とは話していたのですが、やっぱり皆心のどこかに準決勝の負けというのがついていたのかな、だからあんな立ち上がりになったのかなと感じています」

―それでも試合の中でだいぶ修正できたのでは?
「そうですね、前半全く出せなかった青学らしさを出していけば、自分たちのゲームができるというのはありました。後半はそういう粘り強いディフェンスができたと思います」

―自分のプレーとしてはいかがですか。
「うーん、やっぱりバンバ(拓殖大#22)相手に、前半あまりフィジカルにディフェンスできなかったのが悔やまれます。もっとできたという思いがあります」

―インカレ全体の自己評価としては、合格点を出せるものになりましたか?
「今シーズン1度も勝てなかった明治に勝ってベスト4入りできましたし、早稲田大戦(3回戦)、明治大戦(準々決勝)は自分と笠井(#18)で引っ張っていけたのかなと思います。ただ、ベスト4以上の相手に4年2人がまだ引っ張りきれなかったという、いい面も悪い面もありました」

―この1年間、笠井選手と2人でチームを引っ張って、成長させてきましたね。
「トーナメント10位から始まって、正直どうなるのかなとも思いましたが、夏にいつもの倍以上練習して、その成果がリーグ、そしてこのインカレに出てベスト4まで来られました。自分がいた4年間で、チームとして一番成長できたシーズンだったと言えます。スターがいない分、全員で一丸となって頑張ろうとチーム力が上がったのが、10位からここまれ来られた要因だと思います。4年のプレーヤーが2人になったことで自分が負う責任も多くなり、いつもならやらないこともやらなければならないという状況でしたが、そういう意味で個人的にはプレーだけでなく精神的にも成長できた1年でした。ふがいない部分もありましたが、それを助けてくれた笠井、主務の中野(※4年生)にはすごく感謝しています」

―青学大は昨年を除いてここ10年インカレベスト4に名を連ねてきたチームということで、プレッシャーもありましたか?
「去年はそういうのもありましたが、今年は前評判でも『青学はメンバーも変わったしそんなでもないだろう』とあまり期待されていなかった。なのである意味やりやすかったですが、それでもトーナメント10位というのは今までの青学の歴史を考えても精神的に堪えました。シーズン最後に、やっと今までの青学のラインに、本当に最低限のところまでは来られたのかなと思います」

―後輩たちに、そのプライドのようなものをバトンタッチできたでしょうか。
「今までのプライドというよりも、これから、廣瀬さんが作ってくれた新しいプライドを持っていてほしいです。粘り強いディフェンスというのは自分たちが1年のときにはあまりなかった、青学の新しい伝統だと思うので、そこは引き継いでいってもらえたらなと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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