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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2015.11.28 (Sat)

【2015インカレ】11/28レポート(準決勝)

激しい戦いを制して決勝進出を決めたのは
昨年と同じ東海大と筑波大


 インカレは準決勝2試合が代々木第二体育館で行われた。ここまでくるとゲームのレベル、選手たちの集中度合いも何段階もレベルが上がる。絶対に譲れない熱い試合は、リーグ覇者の東海大と、昨年のディフェンディングチャンピオンである筑波大が勝ち上がった。


【立ち上がりからリードを奪った筑波大が決勝へ】
151128ikuhara.jpg リーグ準決勝である拓殖大にとって、優勝するまでに越えなければならない関門が、この準決勝の山だ。相手は筑波大。リーグ戦では2連勝している相手だ。しかし、勝負を制したのは立ち上がりから勢いの良さが目立った筑波大だった。

 1Q、激しいディフェンスから拓殖大の攻撃を次々食い止める筑波大は#8木林(3年・C)、#2満田(3年・SF)らの攻撃で次々拓殖大からゴールを奪うと、#6馬場(2年・SF)の速攻、#2満田の3Pが続く。拓殖大は筑波大の高さにシュートが打ちきれず、また打たされる格好になってシュートが決まらない。しかも残り2分に#39成田(3年・SG)が腰を痛めてベンチに下がると、得点源のひとりを失う格好になり1Qは17-10と筑波大がリード。2Qは成田を下げた結構で戦う拓殖大。しかし次々にアシストが決まる筑波大とは裏腹に、シュートが決まらず、リバウンドも筑波大に奪われて速攻を食らう形になってしまう。拓殖大は一度#39成田を戻し、開始5分でようやく#23バンバ(3年・C)のシュートで初得点。ここから筑波大のファウルが込んでフリースローを得ていくが、終盤に#2満田、#46生原(3年・PG)の3Pもあって筑波大が38-22とリードして前半終了。

 3Q、拓殖大は#39成田のプレー継続は無理と判断し、ベンチに。筑波大は立ち上がりでファウルが続くも、#17杉浦(2年・PF)のフェイダウェイミドルが決まり、#2満田から#92村越(4年・PF)へのゴール下のアシストが2連続。48-25と23点のリードとなる。タイムアウトを取った拓殖大は、#23バンバがアウトサイドを2本決めて勢いづくと、ここからプレスを開始。筑波大は#46生原の3Pや#16小松(4年・SG)のタップなど追いつかせまいとするが、56-33で3Qを終了すると、4Qも拓殖大はプレスを継続。筑波大はターンオーバーを頻発する結果となり、拓殖大が追い上げていく。#13阿部(2年・SG)のフリースロー、#23バンバのダンク、#0岡本(4年・PG)のドライブなど必死の追い上げは、最後の最後まで続いた。残り44秒、23点あった差は、#99赤石(4年・PF)のスティールからの速攻で7点差まで縮まり、さらに#0岡本渾身の3Pで残り30秒で6点差。しかし筑波大はここで#17杉浦のシュート、#6馬場のフリースローで10点に開くと拓殖大の反撃はここまで。76-66で試合終了。筑波大が2年連続決勝の舞台に駒を進めた。

151128okamoto.jpg「ディフェンスは悪くなかったが、問題はシュートのところ」拓殖大・池内監督。準々決勝で活躍した赤石も、大黒柱のバンバも立ち上がりからなかなか得点できなかった。大きな誤算は成田の怪我だ。一度はコートに出したがそれもどの程度の状態なのか、試合中では見極めが難しかったようだ。プレスは追い上げの大きな起爆剤になったが、あと一歩及ばず。

 筑波大は、前の試合で女子が優勝。プレッシャーがあったが、それを上手く生かしたとも言える。ただし、4Qにミスが連続したことは「思ってもいないミスで、課題」吉田監督馬場「リードしたときこそ、ゲームメイクをしっかりしなければ」生原「追われる立場は難しい。後半は体力的にも精神的にも負けていた」と反省。決勝になればこのようなミスは致命的になるだけに、気を引き締めたいところだ。

写真上:生原の要所の3Pがチームを落ち着かせた。
写真下:最後まであきらめず、走り続けた拓殖大・岡本。

※筑波大・村越選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【ビハインドから入った東海大が粘り強さで逆転勝利】
151128kojima.jpg 東海大青山学院大というここしばらく大学界を牽引してきた両者の戦いは、準決勝に相応しい見応えのある内容となった。

 立ち上がりからリードしたのは青山学院大。#32前田(1年・SF・山形南)の速攻、#11田中(4年・PF)のミドルシュート、#18笠井(4年・PG)のドライブが続く。東海大は#35伊藤(3年・PG)のターンオーバーに始まり、#0ベンドラメ(4年・PG)のフリースローが2本落ちるミス。さらに次々タフショットを打たされる形になって、パスも狙われ立ち上がりは悪い。開始3分半でようやく得点するが、その後も青山学院大のディフェンスを割れない。一方の青山学院大も#6木田(2年・SF)の3Pが決まったあと、残り4分間は得点チャンスがなかなかなく、#21橋本(4年・C)の3Pが決まった東海大がなんとか9-13と4点を追う形で1Q終了。

 2Qは互角の戦いが続いた。東海大はようやくボールが回り始め、開始5分、#35伊藤の3Pで逆転。しかし青学大もすぐさま#24安藤(3年・SF)が3Pで返し譲らない。だが、東海大はここで抜け目なく#0ベンドラメの速攻が決まり、#35伊藤のドライブもようやく決まった。青学大はガードがディフェンスに捕まりターンオーバーが連続。ボールを運ぶことができない。東海大は#23佐藤(2年・SF)のシュートでリードを3点とし、26-23で前半を終えた。

 立ち上がり、#0ベンドラメの3Pで幕を開けるが、青学大が#21石黒(3年・PF)のジャンパー、#32前田のバスケットカウントで追いつく。そこからしばらくシーソーゲームが続いた。#13中山(3年・PG)、#45頓宮(4年・C)などまんべんなく得点する東海大に対し、青学大は#24安藤が速攻からのダンクを決め、#18笠井の3Pで残り4分半で2点のリード。タイムアウトを取り、修正をかけた東海大はここで#1小島(4年・PG)が働きを見せる。積極的にペネトレイトしてフリースローをもらい、およそ1分半で5点を稼ぐと、#23佐藤のシュートで東海大が5点リード。さらに#23佐藤、#1小島の速攻で差を広げることに成功する。3Qは46-38で終了した。

151128tanaka.jpg 4Q、立ち上がりから#1小島が連続ゴール。青学大は3分半無得点となるが、粘り強いディフェンスで追いかけていく。しかし残り4分53秒、青学大#18笠井が痛恨の5ファウル。それでも青学大はあきらめずに攻撃を試みるが、チームファウルが5つを越え、東海大がフリースローを得ていくと70-51でタイムアップ。東海大が決勝進出を決めた。

「うちのディフェンスより東海大のオフェンスが勝った」青山学院大・広瀬コーチ。しかし春はいろいろチームで問題があった中、よくここまで成長してくれたと、選手たちをほめた。特に主将の笠井に対しては「発する言葉や行動も積極的になり、かなり変わった。選手たちもやらされている状態から、自ら望んでやるチームになった」と、大きな進歩があったことを評価した。

 東海大は立ち上がりの重さを監督はじめ選手たちも反省。ただし、持ち味であるディフェンスがやはり勝機を見出したことで一致した。決勝に対して、陸川監督「トランジションディフェンスが鍵になる」と、切り替えの速い筑波大に対する守り面を重視。苦しいときにチームを引っ張るベンドラメ「去年は今思えば自分たちにも油断はあった。どこかで自分たちのやるべきことをやれば勝てるだろうと、それを4Qまで引きずった」と昨年の苦い敗戦について語った。「どのチームよりも優勝したいと思っている」と言ったのは、昨年の悔しさからだろう。熱く言葉で鼓舞するタイプではないが、冷静な表情とは裏腹に内に秘めたものは熱い。“チャレンジャー”である東海大を優勝に導くのは、彼しかいない。

写真上:苦しいところをこじ開けていった東海大・小島。
写真下:青山学院大はもう一人の4年生・田中が最後まで奮闘。

※青山学院大・笠井選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「自分の仕事をしっかりと全うするだけ」
最後に4年間の集大成を見せることができるか

◆#92村越圭佑(筑波大・4年・PF)
151128murakoshi.jpg筑波大のディフェンスが機能したことで、リーグ戦では一度も勝てなかった拓殖大に見事勝利することができた。だが、後半に追い上げられるシーンもあり課題も見える結果に。この試合で見えた課題を決勝までに修正できるか、前半までのような試合運びができるかが勝敗を分けるだろう。また、この試合では合わせのプレーなどが上手くいき得点に貢献した村越。決勝でも、村越を含め4年生の活躍は必要である。


-今日の試合、得点の面で貢献した印象ですが。
「3Pとかジャンプシュートとかは決めきれなかったんですけど、ティップからのダイブだったりとか、合わせのゴール下のシュートで点を取ることができたので、そこは良かったんじゃないかと思います」

-拓殖大にはリーグ戦で2敗しましたが、今日と違った点は。
「出だしで離すことができて、それはすごくよかったですね。ただ後半になって、前からプレッシャーをかけられたときに慌ててしまって対応できていなかった部分があったので、明日までにもう一度確認して試合に臨みたいと思います」

-インカレはコンディション良く、落ち着いてやれているのでしょうか。
「2回戦の法政の時はガチガチに緊張してしまって、全然良いプレーができなかったんですけど、次の試合からは良い感じの緊張感を持ちながら試合に臨めて、今日もそうですし、チーム的にも良い状態なのかなと思います」

-昨年のインカレは優勝しましたが、ここまで戦ってきて昨年と同じような感じで進んできたのでしょうか、それとも違いますか。
「去年は笹山さんや坂東さんのような絶対的な人たちがコートの中で引っ張ってくれていたんですけど、今年は状況が違っていて、スタートで4年生がいないっていう状況で、4年生は控えから出てくる場合が多いので。でも、ベンチから見ているときの方がコートでプレーしているときよりわかることは多いと思うので、指摘できることは色々とありますし、そういう面で貢献できたらと思います。出た時は自分の仕事をしっかりと全うするだけですね」

-4年生から見て、今のチームの雰囲気はどうですか。
「そうですね、雰囲気はすごく良いです。みんな普段はおちゃらけているというか、すごく元気でいい子たちなんですけど、試合になるとしっかりスイッチを入れてくれるので、頼もしいです」

-決勝はどう戦っていきたいですか。
「トーナメントでもリーグ戦でも負けているので、筑波らしくディフェンスからブレイクを出して、ダメだったらセカンドチャンスからしっかり得点できるように。苦しい場面で得点できなくても、ディフェンスで我慢してついていって、着実に点を取っていきたいです」

-今大会中、ブレイクもかなり出ていますね。
「まだ完璧とは言えないんですけど、出せるところは出せているので、あとはその本数を全員が増やしていければ、良い結果につながるんじゃないかと思います」

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「本当に成長できたと最後に確かめたい」
悔しい敗戦を乗り越え、最後の勝負に挑む

◆#18笠井康平(青山学院大・4年・主将・PG)
151128kasai.jpg惜しくもファウルアウト。4年生として最後までコートに立てなかった無念、勝てなかった悔しさに、「最初からやり直したい」と本音が漏れた。
今年は春に4年生のふたりがチームを離脱することになってしまった。どうすればいいのか、春は笠井自身迷いの中にあった。だが、厳しい練習をした夏を越え、リーグ戦も半ばを過ぎる頃には青山学院大は確かな実力のあるチームとして当然のようにリーグ4位の座に座っていた。とびきり光り輝くスターはいない。しかしチーム全員が自分なりの光り方をする、ひとつのチームに成長したことこそ、大きな成果でもある。その成長を確かなものにするために、残り1試合に挑む。


—ファウルアウトに悔いが残りますね。攻めたディフェンスの結果でしょうか?
「準備ができていなかったと思います。リバウンドのところとか、後で冷静に考えるとファウルだったなと思うし。そこはどうこう言っても仕方がないので、受け止めようと思います」

—ゲームの入りは良かったですね。
「みんな気持ちが入っていたし、ディフェンスが強い東海よりも集中していたと思うし、光と岳がリバウンドで頑張ってくれたと思うし。あれだけ流れが悪くても前半3点差で終われたので、みんなの気持ちだと思います」

—リーグ戦の序盤戦までは本当に不安定なチームでした。でも今日は決勝にいくのに十分相応しい力をつけていたと思います。どのあたりからそうした実力や自信を感じるようになりましたか?
「1巡目の東海大戦が終わってから、チームの底上げというか下級生がいきいきし始めました。そこから練習中でも上級生も1・2年にやられるような場面も出てきて。あの東海大戦からチームが変われたと思います。本当にリーグが終わってからも本当に成長できたと思うし、成長できていなかったらベスト4に入れていなかったと思います。東海大に負けて気付かされたものがあるので、最後東海に勝っていい思いをしたかったですけど、力が足りませんでした」

—立派な試合でした。
「みんな本当に頑張りました。悔いはないけど、最後はコートに立っていられなくて光(#11田中)に申し訳ないことをしました。いろんな人が応援に来てくれて、いろんな人が頑張れと言ってくれました。個人の出来というより、最後までチームを引っ張れなかったのが悔しいです。例年よりいろいろあった代だと思うし。誠司(鵤・現NBL広島)と船生(現NBLアイシン)にも『ちゃんと日本一を取るから』と言ったけど、期待に応えられなかったし。あいつらの分も頑張りたいとインカレが始まってからずっと思っていました。自分がもっとしっかりしていればと。技術じゃなくてチームを引っ張れる存在としてもっとちゃんとできていたらと思います」

—広瀬コーチが会見で「笠井が変わった」とほめていましたよ。
「船生と誠司が抜けて、広瀬さんがすごく話を聞いてくれて熱い言葉もかけてくれました。それから引きずっていた気持ちも入れ替えて頑張らないと、と思えました。最後だから頑張らないといけないし、引き上げてくれた広瀬さんに対して、青学に来てから自分は結果も残してないし信頼に応えたかった。胴上げしたかったなと思います…」

—でも今年の青学は全員が頑張れるいいチームになったと思います。
「でも勝ちたかったです。天傑さん(現NBLトヨタ)も高橋さんも来てくれていたので…」

—悔しさは消えないですよね。でもまだあと1試合あります。
「明日勝って、広瀬さんが本当に成長できたと言ってくれたらうれしいなと。明日終わって、『やっぱり本当に成長できていた』ともう一回言わせることですよね。後輩にもちゃんと残すべきものを試合で残せるように、切り替えてやるしかないです」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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