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2015.11.27 (Fri)
【2015インカレ】11/27レポート(準々決勝)
ベスト4は第1〜4シードが勝利し
東海大・拓殖大・筑波大・青山学院大に
インカレはいよいよベスト4をかけた戦いに挑んだ。代々木第二体育館で行われた4試合は前半こそどちらに転ぶかわからない展開を見せたが、後半にはそれぞれ上位シード校が相手を突き放し、ベスト4へと進出した。
【後半に修正を見せた青山学院大がベスト4一番乗り】
第1試合は第4シードとして順当に勝ち上がってきた青山学院大。夏から秋にかけて安定した力強さに磨きをかけているが、対戦相手の明治大には今季ここまで未勝利。リーグ戦順位通りなら青学大、対戦戦績なら明治大という試合は前半こそ拮抗するが、3Qに突き放した青学大に軍配が上がった。
立ち上がりは互角の内容で推移した。青学大は#32前田(1年・SF・山形南)のシュートが好調なのに対し、明治大は#55吉本(4年・SF)の3Pなどが決まる。ここからまず主導権は明治大に。青学大にトラベリングとターンオーバーが続いたのを機に、#2齋藤(2年・PG)、#20秋葉(4年・F)のドライブ、#50伊澤(4年・PF)のジャンパーでリードに成功する。青学大は無得点の状態が続き、1Qは明治大が8点差をつけた。しかし、2Qは逆の展開となる。#21石黒(3年・PF)のジャンパーが出ると、#8時田(2年・F)もオフェンスリバウンドから得点。明治大も返すが、#3大崎(3年・SG)、#11田中(4年・PF)、#18笠井(4年・PG)が相次いで3Pを決め、一時逆転する。ここで、#32吉川(2年・PG)の3Pが出た明治大も空気を払拭。微妙な判定ながら#2齋藤のシュートはブザー前と認められ、前半は33−31で明治大が僅かながらリードを得る形となった。
ここまでトータルではほぼ互角の内容に、結果的に蹴りをつける形となったのは、3Qの青学大のラッシュだった。#11田中のジャンプシュートですぐ追いつくと、ここから#24安藤(3年・SF)の活躍が光った。うまくゴール下に入り込んで得点を重ね、3Pもネットを揺らす。明治大はこの場面でシュート率が低下。ファウルも続いて苦しい状況となる。#50伊澤のバスケットカウントや#88黒崎(4年・F)の3Pで一旦迫るも、青学大は#14柏倉(3年・PG)の得点が続いてこのQで2桁差に乗せた。4Qも明治大にファウルが続き、青学大が安全圏のリードでゲームを運ぶ構図が続く。明治大は終盤に#50伊澤が連続得点で奮起しあわや、という状況を作るが、青学大は慌てず。残り2分で#3大崎が3Pを決めて勝利を大きく引き寄せた。最後はファウルゲーム気味に当たる明治大をうまくかわし、結局74−61で勝利。ベスト4に駒を進めた。
高さのある相手を追う時間もあった青学大。昨年のインカレはよもやのベスト16敗退、今年のトーナメントでもベスト8入りを果たせずにいたが、それでも今季は夏頃から磨いてきたスタイルが確立され、苦しい試合でも勝ちきるかつての力も戻ってきている。次戦となる準決勝の相手は東海大。以前は好カードとして注目を集めた相手だが、ここ数年は勝てていない。真の意味での強さを取り戻すには、格好の相手だ。
明治大は伊澤らのサイズ、ガード陣の能力の高さが光ったものの、今季課題となっている安定感のなさがこの試合で響いた。前半は良い時間帯もあったが、勝負どころとなった3Qに手痛い失速を招き、ベスト4には手が届かず。昨年同様に順位決定戦を戦うことになるが、ポテンシャルの高い下級生が経験を積むには格好の機会である。
写真上:青学大は、リーグ戦中のケガから復帰した柏倉の活躍も大きかった。
写真下:一対一のうまさは大学界トップクラスの明治大・齋藤。パスを選択する場面も増え、ガードとして着実に成長を示している。
※青山学院大・安藤選手、大崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【筑波大のディフェンスが専修大を波に乗らせず】
準々決勝第2試合、第3シードの筑波大は専修大と対戦。試合は立ち上がりに#46生原(3年・PG)が3Pを沈め、#6馬場(2年・SF)が専修大のターンオーバーから速攻を決め、筑波大らしいペースで進む。専修大は得意のシュートをなかなか決められずに追う展開となるが、#6渡辺(3年・SF)がフローター、3Pと続けて得点し、#11秋山(2年・PG)の3Pで持ち直す。しかし#11秋山が2ファウルとなりベンチへ。それでも#6渡辺のオフェンスリバウンド、#24田代(4年・PF)の1on1からのシュートで互角の戦いに持ち込んでいく。筑波大は終盤にミスが続き、#8木林(3年・PF)が2ファウル。しかし#6馬場の速攻、#17杉浦(2年・PF)のバスケットカウントで22-19とリードして1Q終了。
2Q、専修大は#13石上(4年・SG)のシュートで幕を開け、#24田代も華麗なターンからのシュートで魅せる。筑波大はファウルが続き#2満田(3年・SF)が#16小松(4年・SG)に交代。#92村越(4年・PF)もゴール下の争いで床にたたきつけられ、ベンチへ戻ることになってしまう。しかし#6馬場のスピードを生かした速攻は出続けており、筑波大の持ち味は生きている。専修大は#13石上、#24田代の得点で互角の勝負を続けるが、終盤にシュートが落ちたところから筑波大に3連続得点を許し、前半を42-34と筑波大リードで終えた。
3Q、追いつきたい専修大だが、立ち上がりの停滞から抜けだしたのは筑波大。#2満田のシュート、#6馬場の3Pで一気に10点以上のリードを得た。専修大は簡単にはシュートを打たせてもらえず、タフショットが続く。リバウンド争いでも負けて次々に筑波大に得点を許す結果となった。筑波大は#46生原の3P、#16小松の速攻からのバスケットカウントなど、勢いある攻撃を続け、3Qを73-42で終えると4Qはベンチメンバーに交代。専修大は#7國分(3年・PF)の3Pがようやく入ってくるがほぼ勝負は決し、最終的には92-59で筑波大が準決勝進出を決めた。
リーグ戦では専修大に1敗している筑波大。乗ったときの専修大のオフェンスは止めがたいものがあるが、今日は相手を乗せさせずに攻撃を次々に断ち切った。準決勝はやはりリーグ戦では2敗している拓殖大。この大きな壁を乗り越えられるかが見どころだ。
写真上:速い展開に寄与したのはやはり馬場の速攻。筑波大は走るプレーを連発。
写真下:専修大・田代は16点だが3Pは1/9。マッチアップの馬場の前に確率を上げることはできなかった。
※筑波大・小松選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【爆発力発揮の拓殖大が関西王者に貫禄勝ち】
第3試合、関東リーグで準優勝となった拓殖大と、今季公式戦無敗のまま関西リーグも制した近畿大。ともに絶対的な留学生を擁するチーム同士が、準々決勝でぶつかり合った。
拓殖大は、まず#99赤石(4年・C)が積極的に攻めた。ドライブを続け、ペイント内でも体を張って得点を重ねる。近畿大も#22ソウ(4年・C)にボールを預けるが、#23バンバ(3年・C)が体を張って侵入を許さず、このマッチアップはまず互いに相殺し合う様相となった。こうなるとアウトサイドでの攻防が鍵となるが、ここでも#99赤石の3Pが決まって拓殖大が主導権を掌握。一方近畿大は、#11室垣(4年・PG)の3Pや#3岡田(2年・PG)の得点で追いかけ、1Qは4点ビハインドにまとめた。しかし、2Qに入ると序盤こそお互いに決め合うが、#3岡田のシュートを最後に近畿大の得点が止まる。#23バンバのジャンプシュートを皮切りに、拓殖大は#99赤石と#39成田(3年・SG)の3Pなどでリードは一時14点となる。近畿大の嫌な雰囲気を払拭したのは#33藤田(4年・SF)。ミドルシュートを続けて立て直し、拓殖大は一旦下げていた#29岩田(4年・F)と#99赤石を再投入。だが、この時間は近畿大ペース。受けに回った拓殖大ファウルで得たフリースローで迫り、逆に拓殖大は得点がぴたりと止まった。#33藤田のレイアップが残り1分で決まり、近畿大はビハインドながら33−35と前半を僅かな差で留めた。
しかし、3Qからは拓殖大が完全にペースを掴んだ。きっかけは#23バンバの3P。これで勢いに乗った。#39成田にも2本の3Pが出るなどして一気に10点差に。タイムアウトを取る近畿大だが、拓殖大の積極性を前にスコアが伸びない。その間にも拓殖大は#29岩田や#0岡本(4年・PG)にも得点が出て点差を拡大。勢いは#22ソウ相手に前半は大人しい印象だった#23バンバにも及び、4Qは彼の独壇場。ペリメーターのシュートを面白いように決め、最終的には26得点となった。拓殖大が主力を下げたのを契機に、近畿大は#33藤田が意地のシュートを続けるが、大きな差を埋めるには至らなかった。結局93−73で拓殖大が大勝。余裕を持って準決勝進出を決めた。
初顔合わせということで、戦前は展開予想をつけづらかったこのカード。前半こそ僅差で終わったが、後半は拓殖大の爆発力が近畿大を圧倒する内容に終わった。最終的にスコアリングセンスを発揮したバンバの活躍に目が行きがちながら、計4名が2桁得点をマークするバランスの良さも光った。次戦は準決勝となるが、例年ここで敗退している歴史がある。ただ、今年はリーグで準優勝を果たしているだけに、これまでになく機運は高い状況だ。ソウと高校時代以来のマッチアップというバンバは「前半はソウも自分も点数を取るのがなかなか難しかった。お互い様。後半はうちが点数を開いたのもあって、周りのオフェンスも良くなって自分もうまくやれた。彼も経験を積んでディフェンスはしづらかった。でも池内さんもタイムアウトにオフェンスについてアドバイスをくれて、それでうまく攻められた」と、バンバ。互いに相殺しあう状況から最終的には26点13リバウンドと、攻守ともにソウの数字を上回った。
近畿大は、バンバ相手のソウが普段のようにインサイドでうまく勝負できなかった。一旦は迫る時間帯もあったが、主将の藤田はできればここで追いつきたかったと悔しい表情。結局後半は序盤から失点を重ね、ベスト4入りした3年前の再現はならなかった。順位決定戦はモチベーション維持が難しいが、今回の近畿大の最終順位が来年の関西1位枠にも直接影響することになる。そのためにも、少しでも良い順位を残して大会を終えたい。
写真上:この試合の見所だった留学生マッチアップは事実上バンバに軍配。
写真下:拓殖大は成田も力を発揮。近畿大を突き放した。
※拓殖大・赤石選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【国士舘大の勢いは最後まで続かず東海大が勝利】
第4試合、第1シードの東海大は関東10位ながらベスト8に入った国士舘大との戦いになった。1Qは国士舘大の良さが出た。インサイドでは#66馬(3年・C)が身体を張り、ゴール下へのアシスト、速攻、アウトサイドシュートなど勢いある国士舘大らしい攻めが東海大を圧倒。東海大は立ち上がりから速いリズムで打つ形のシュートが決まらず、ファウルも続いて出遅れた。#0ベンドラメ(4年・PG)の奮闘でなんとか得点していくが、国士舘大の高さの前に速攻が落ちる場面も見せる。国士舘大は#32臼井(2年・PF)のオフェンスリバウンド、#4菅(4年・SF)がゴール下でシュートをねじ込むなど、踏ん張ってリードを保つ。一方の東海大は#0ベンドラメのオフェンスで13-16と3点を追う形で1Qを終了。
2Q、互いに得点がなかなか生まれない立ち上がり。しかし#19三ッ井(3年・SF)のアシストから#21橋本(4年・C)のシュート、#35伊藤(3年・PG)の絶妙のレイアップ、#21橋本の3Pで逆転。続けて#23佐藤(2年・SF)がディフェンスで国士舘大からターンオーバーを誘うと#13中山(3年・PG)の速攻も出た。国士舘大は#68藤井(3年・PG)の3Pで応酬し、ディフェンスではゾーンで対応。しかし東海大は#23佐藤のシュート、#45頓宮(4年・C)のタフショットも決まり大きく焦ることはない。さらにベンチから戻った#0ベンドラメがボールカットからの速攻、#45頓宮のシュートで締めて32-24と前半を逆転して終了。
3Qの立ち上がりも#13中山のオフェンスリバウンド、#0ベンドラメの速攻と東海大が完全に流れを掌握。ディフェンスでも国士舘大の勢いを殺し、国士舘大は4分間ノーゴール。激しいディフェンスで東海大のファウルも増えていくが、国士舘大もフリースロー以外ではなかなか得点チャンスが作れない。3Qは45-32と東海大が13点のリードで終えるとその後も気を緩めず試合を展開。国士舘大は4Qに入りようやく#15下(1年・PG・浜松開誠館)、#22原(4年・F)の3Pも入ってくるが、東海大は#1小島(4年・PG)の3Pバスケットカウント、#33鈴木(3年・SG)、#19三ッ井の3Pも入り、69-48で試合終了。貫禄を見せた東海大が69-48で準決勝に駒を進めた。
東海大は出足こそ国士舘大の勢いにやや焦りが見えたが、2Q以降は落ち着いて試合を進めた。動じず自分たちのプレーを貫けること状態こそ、真の強さとも言える。優勝に向けて、死角はない。陸川監督も「自信はある」ときっぱり。オフェンスからリバウンドまで三面六臂の活躍を見せたベンドラメは「自分たちのリズムで攻められていなかった。2Q、3Qはディフェンスで粘って相手を一桁に押さえられた。粘り勝ち」と言い、自分たちのバスケをしていれば必ず勝機がめぐってくることに、確信を持っている。「油断はない」と言い、インカレだからという特別感もないそうだ。チームの大エースが平常心を持てていることこそ、最大のアドバンテージとも言えるだろう。
国士舘大は持ち味であるオフェンスが今大会ではいい方向に出てベスト8。ただ、後半は東海大のディフェンスの前に簡単にはボール運びやシュートまで持ち込むことはできずに終わった。次は明治大との順位決定戦に臨む。
写真上:東海大は苦しいところをベンドラメが切り開いていった。
写真下:国士舘大・馬と東海大・頓宮のマッチアップ。この日の馬はインサイドの守りで踏ん張りを見せた。
「走ってきたことが最後の大会にやっと出てきてくれた」
積み重ねてきた我慢強さを発揮
◆#24安藤周人(青山学院大・3年・SF)
前半は大人しかったが、後半に覚醒。3Q序盤から積極的なドライブ、アウトサイドシュートでチームを一気に奮い立たせた。相性の悪い相手にも勝ちきりベスト4入りを果たしたことで精神的には一息ついた状況だが、厳しい戦いはここからが本番となる。過去2回のインカレはほとんど出番がなく、一年最後の大会を主力として戦うのは初めてというが、ここまでは普段と遜色ない出来。次戦は、これまでを超えるパフォーマンスを見せられるかが、チームの行方を左右する。
—ベスト4入りですが、達成感と安心感はどちらの方を強く感じていますか。
「両方ですかね。やっとここまで来られたと思うし、一番キツいブロックに入ったからこそホッとした部分もあるし。昨日の早稲田も、今日の明治も勢いのあるチームなので、やっとここまで来れて一息つけたなという感じです」
—前半は競り合った試合でしたが、少し安藤選手自身が大人しい印象でした。
「自分的には何もなかったんですけど(苦笑)、マークがきつくて簡単にボールが貰えなかったというのがあって。でも他の4人が良かったので、オフェンスでは敢えて何かする必要はないかな、と。ディフェンスとリバウンドをやろうというつもりでした。そうしたらあんな点数になってしまったんで、みんなに負担もかけてしまって。チームとして走ることが目標なので、後半は自分から走って点を取りに行こうと。そうしたらみんなも波に乗ってくれて一気に離れたという感じでした」
—リバウンド面ではチームでの課題が見えました。あっさり取られてしまう場面が少なくなかった印象があります。
「そこはその通りですね。最後の方は光さん(#11)が一人でオフェンスリバウンドを取ってくれて、自分自身含めて他の選手が行っていなくて。残り3分くらいに得点が止まった時に、外から打って誰もリバウンドに行っていないシーンがあったので。明日は東海なので、もっと積極的にいかないといけないと思います」
—それでは逆に収穫だと感じた点は?
「前半に競って我慢の時間帯が続いて、フィールドゴールの数字もほぼ同じ状況ということで『我慢の戦いだ』という話があって。みんなの我慢強さが出たというのが今日の一番の収穫ですね」
—今季のこれまでの積み重ねも発揮された試合だったのでは?
「夏にたくさん走ってきて、リーグ戦中も水曜日は走って。そのお陰もあって、昨日も後半でも走ることができたと思うし、今日も後半は自分らのペースにできたので、そういったことが最後の大会にしてやっと出てきてくれたなと思います」
—これまで今年は明治大に勝てていませんでしたが、何がいけなかったのでしょうか。
「リーグ戦の最初は何もできずに40点差で負けて、2戦目は勝てた試合でしたが最後の詰めのところで打たせてはいけない選手に打たれて波に乗せてしまって。でも今日は、一人ひとりが自分のマークマンに対してはしっかりつけていたと思います」
—学年が上がってのインカレも意識がこれまでと違うと思います。
「自分は去年はケガで出場が限られていて、今年が初めてのインカレという気持ちでやっています。3年目にして元気な状況で、チームにも必要にされている状態でやれるので、初めてという気持ちで挑んでいます。最初は、一年の最後の大会というのと、4年生のために、という気持ちが強過ぎて緊張がありました(苦笑)。でも、やっていくうちに『普段通りの大会だな』と思いながらやれています」
—次は東海大が相手になりますね。
「明日がこれまでで一番しんどい試合ですけれど、そこを勝たないと日本一にはなれないので、今までやってきたことを全て出せるように。今までは負け続けているので、明日でそれを止めたいですね」
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「最初にやられてしまうのが課題」
出だしからブレイクを出して攻めていけるか
◆#3大崎裕太(青山学院大・3年・PG)
リーグ戦で2敗を喫した明治大に、このインカレでやっと勝利することができた青山学院大。前半はリードされたものの、後半での立て直しに成功した。しかし次の準決勝では東海大と戦うことになる。今までの試合のように前半で自分たちのペースが作れない、という展開はもう許されない。この課題こそが勝敗を分けるポイントとなってくるだろう。
-今日の試合を振り返って。
「リーグ戦で1度も勝っていない相手ということで、チャレンジャーの気持ちで挑みました。向こうはインサイドが強いしリバウンドもとても強いので、そこは絶対にやらせないっていうことを昨日の時点からみんなでしっかり決めて、チーム一丸となって頑張ろうっていう気持ちで戦いました」
-前半上手く攻められない中で、本当はチームとしてどういったバスケットをしたかったのでしょうか。
「やっぱり青学は走るバスケが得意なので、本当は前半のうちからブレイクをどんどん出していきたかったんですけど、前半はどうしても守りに入ってたというか、安全にやろうとしてて、それで上手く攻めきれないっていう部分があって競ってしまったかなっていうのは思います」
-前日の早稲田戦も前半は同点で、オフェンスが上手く回りだすのに時間がかかってしまいましたが。
「最初から意識はしてやっているんですけど、最初にやられてしまうっていうのが課題としていつもあります。この次も強いチームと戦うとなると、出だしでやられてしまうと簡単に追いつくことは難しくなるので、やっぱり出だしからどんどんブレイクを出して先手、先手で点を取るようにしないといけないなとは思っています」
-インカレが始まってから3Pシュートが好調に見えますが、自身としてはどうですか。
「自分はアウトサイドシュートを得意としているので、笠井さん(#18)とか安藤(#24)とかがドライブに行ったときに外で合わせてっていうのは意識しています。ノーマークは確実に決めて、ブレイク以外のハーフコートバスケでもそういう3Pで点を取っていけば、高得点につながっていくと思うので、そこは常に狙うようにしています」
-明日は東海大が相手ですが、どういった戦いにしたいですか。
「東海は唯一フィジカルが強い相手だと思うので、全員がこっちから先にフィジカルでコンタクトして、向こうが後手後手になるようにして先手を取って試合を進めていきたいです。リバウンドも強いしディフェンスも良いチームなのでそこはしっかり対応しないとだし、自分たちはブレイクをどんどん出して攻めていきたいですね」
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「出だしでシュートが入って気持ちよく試合に入れた」
多彩な得点パターンを発揮し近畿大を寄せ付けず
◆#99赤石遼介(拓殖大・4年・C)
これまで対戦経験の無い相手だったが、おかまいなしに試合開始から積極的に攻めた。インサイドの得点だけでなく、この日は3Pも4/5と絶好調。余すこと無く実力を発揮し、快勝に貢献した。次は、拓殖大には関門となる準決勝。筑波大にはリーグ戦で2勝しているが、相手もより気合いの乗った状態で挑んでくるだろう。しかし、ファイナルへのラストチャンスで、悔いは残すわけにはいかない。
—普段から積極的な姿勢を持っていると思いますが、今日は最初からドライブを仕掛けて攻め気が見えました。
「そうですね。常にバンバや成田のところはマークされるので、自分もしっかり強気で攻め気を持ってやらなきゃな、と思ってて。それが今日は良い形に出て良かったです」
—相手が近畿大ということで、何か特別に意識していたことはありますか。
「ディフェンスのところは相手のソウのところがキーになってくると思っていたので、そこのところでバンバのファウルが込むといけないので、ダブルチームを要所で狙って。あとは藤田(#33)のところのシュートを止めるというのは、チームの練習でもやっていたし、頭の中にありました。オフェンスの部分では、シンプルに今日のような感じでやれば通じると思っていたので、そこは練習通りという感じですね」
—ご自身で『今日はこれが良かった』と感じる部分は?
「自分はシュートが入らないと弱気になってしまう部分があるんですけど(笑)、今日は出だしで入って気持ちよく試合に入れたので、まず気持ちで決めたところが良かったです」
—仕掛けやすかったという感覚はありましたか。
「あ、それはありましたね。自分のところにはあんまりカバーが来なかったので。攻めやすいなとは思いました。ドライブもし易かったですし」
—準決勝進出となりましたが、比較的良い状況でここまで勝ち進んで来られましたね。
「そうですね。リーグ戦からインカレにかけて、キャプテンを筆頭に練習をやってきて、みんな声を出してくれるし、チームでまとまって優勝を目指してやれていると思います。飛竜(#0岡本)が『優勝目指そう』ということで、4年生はそれを支えて、後輩たちもついてきてくれているので、良い傾向だと思います」
—リーグ戦で準優勝という経験も今年は大きいと思います。
「はい。自分たちでそれは大きな自信になったと思うし、東海にも一回勝っているので、そういう部分で『やれる』と感じています」
—準決勝は筑波大相手ですが、どのように戦いたいでしょうか。
「リーグでは2勝しているんですけれど、そのことは忘れて。筑波はサイズもあるし、メンバーも揃っているので。常にチャレンジャーの気持ちでやれればいけると思います」
—バンバ選手(#23)も良い状態になってきましたね。
「前半は相手に集中し過ぎて周りが少し見えていないような感じだったんですけど、後半は良い感じにシュートも打てていて、それは明日にも繋がると思います」
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「ようやく筑波大らしい試合ができた」
今シーズンようやく納得いく展開に安堵し、頂点を狙う
◆#16小松雅輝(筑波大・4年・主将・SG)
早々に満田が2ファウルになってしまい出番が来たが、楽しみにしていたという後輩・渡辺とのマッチアップも楽しみで、攻守で良い働きを見せた。
昨年のインカレ覇者でありながら春・リーグともどこかもどかしく、後味の悪いシーズンを過ごしてきた筑波大。しかし、この準々決勝は最初からアグレッシブで自分たちがしたかったような展開で勝利できた。OBからの激励のほか、応援してくれているBチームのメンバーも泣きながらまだまだだと叱咤してくれた。その気持ちや応援に応えることこそ、今の筑波がしなければならないことだ。
—おめでとうございます。リーグ戦で専修大に1敗しているので油断はなかったと思いますが、どういうところに気をつけていましたか?
「やっぱり専修は怖い相手だし、誰でもリバウンドに飛び込んできます。そういう粘り強さや泥臭さでうちは1度負けています。敗因は完璧にそこだったので、まずディフェンスとリバウンド。特に竜之佑(#6渡辺)のところ。田代(#24)よりも竜の方を注意していました」
—激しいディフェンスもあって前半ファウルが増えたのもあるでしょうか。
「そうですね。でもうちのディフェンスの良さがやっと出てきたというか、いつもだったらリバウンドでボーっとしていたり、飛び込むところを飛び込まず譲り合いをしたりだとかもありました。今日はみんながしっかり守ってしっかりリバウンドを取るところまで、粘り強くやることができました。それでブレイクやオフェンスの流れも良くなったと思います」
—満田選手(#2)がその中で2ファウルになって早めに小松選手に出番が来ましたね。ディフェンス面でいい働きだったと思うのですが。
「自分はもうそこなので。得点を取るというよりかは、ああやって粘り強くディフェンスを守っていくだけです。高校の後輩である竜も好きなのでディフェンスにつきたくて、楽しみで絶対に止めてやろうとしていました。オフェンスも1本取れたし、シュートチェックのウザさも出たと思います(笑)」
—むしろ、得意としている相手とやれたということですね。前半はちょっとわからない展開でしたが、いけるという手応えはありましたか?
「ここまで来るとどうなるかは分からないし、どっちが粘り強く最後までやりきれるかということになると思います。でも計算通りといえば計算通りだし、4Qすべて4、5点離していけば最後は20点、30点と開く試合になります。前半も悪い終わりじゃなかったし、後半につながりました」
—小松選手はリーグ途中からシックスマンになっていますが、どちらがやりやすいのでしょうか?
「自分はどちらでも。今は満田がスタメンで、実は彼も途中から出る方が良いみたいでシックスマンが良かったみたいなんです。でも彼は来年もあるし、あのメンバーの方が相手も嫌だと思います。自分は役割を理解して出たときにガツンとディフェンスをやれればいいかなと。今大会シュートもいいので、取れるときには点も取りたいです」
—リーグ戦では4年生がしっかりしていないのでふがいない結果になったという話がありました。インカレを迎えるにあたってはどのような意識でやってきましたか?
「OBもいろいろ言ってくれましたし、坂東さん(14年度卒)も最後は絶対に4年生だから、とメッセージをくれました。絶対自分たちがやらなければいけないと思っています。あとはBチームの4年生がインカレの初戦が終わったあとに全員に話をしてくれました。初戦は自分たちなりにはいい試合ができたんですけど、Bチームの応援してくれている人からすると雰囲気面とか、まだまだ物足りなさもあったようなんです。Bチームの4年生が泣きながらそういう話をしてくれて、そこでみんなハッとした部分もあるし、そこで一段とスイッチが入った部分もあります。みんなが応援してくれているんだという思いをしっかりもってやっています。この専修大戦は今までのリーグやトーナメントに比べても一番いい筑波が出ているんじゃないかと思います」
—確かに、ようやく筑波大らしい、というプレー連発の試合でした。
「本当にそうです。ここからトップまで行けるように頑張ります」
東海大・拓殖大・筑波大・青山学院大に
インカレはいよいよベスト4をかけた戦いに挑んだ。代々木第二体育館で行われた4試合は前半こそどちらに転ぶかわからない展開を見せたが、後半にはそれぞれ上位シード校が相手を突き放し、ベスト4へと進出した。
【後半に修正を見せた青山学院大がベスト4一番乗り】

立ち上がりは互角の内容で推移した。青学大は#32前田(1年・SF・山形南)のシュートが好調なのに対し、明治大は#55吉本(4年・SF)の3Pなどが決まる。ここからまず主導権は明治大に。青学大にトラベリングとターンオーバーが続いたのを機に、#2齋藤(2年・PG)、#20秋葉(4年・F)のドライブ、#50伊澤(4年・PF)のジャンパーでリードに成功する。青学大は無得点の状態が続き、1Qは明治大が8点差をつけた。しかし、2Qは逆の展開となる。#21石黒(3年・PF)のジャンパーが出ると、#8時田(2年・F)もオフェンスリバウンドから得点。明治大も返すが、#3大崎(3年・SG)、#11田中(4年・PF)、#18笠井(4年・PG)が相次いで3Pを決め、一時逆転する。ここで、#32吉川(2年・PG)の3Pが出た明治大も空気を払拭。微妙な判定ながら#2齋藤のシュートはブザー前と認められ、前半は33−31で明治大が僅かながらリードを得る形となった。
ここまでトータルではほぼ互角の内容に、結果的に蹴りをつける形となったのは、3Qの青学大のラッシュだった。#11田中のジャンプシュートですぐ追いつくと、ここから#24安藤(3年・SF)の活躍が光った。うまくゴール下に入り込んで得点を重ね、3Pもネットを揺らす。明治大はこの場面でシュート率が低下。ファウルも続いて苦しい状況となる。#50伊澤のバスケットカウントや#88黒崎(4年・F)の3Pで一旦迫るも、青学大は#14柏倉(3年・PG)の得点が続いてこのQで2桁差に乗せた。4Qも明治大にファウルが続き、青学大が安全圏のリードでゲームを運ぶ構図が続く。明治大は終盤に#50伊澤が連続得点で奮起しあわや、という状況を作るが、青学大は慌てず。残り2分で#3大崎が3Pを決めて勝利を大きく引き寄せた。最後はファウルゲーム気味に当たる明治大をうまくかわし、結局74−61で勝利。ベスト4に駒を進めた。

明治大は伊澤らのサイズ、ガード陣の能力の高さが光ったものの、今季課題となっている安定感のなさがこの試合で響いた。前半は良い時間帯もあったが、勝負どころとなった3Qに手痛い失速を招き、ベスト4には手が届かず。昨年同様に順位決定戦を戦うことになるが、ポテンシャルの高い下級生が経験を積むには格好の機会である。
写真上:青学大は、リーグ戦中のケガから復帰した柏倉の活躍も大きかった。
写真下:一対一のうまさは大学界トップクラスの明治大・齋藤。パスを選択する場面も増え、ガードとして着実に成長を示している。
※青山学院大・安藤選手、大崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【筑波大のディフェンスが専修大を波に乗らせず】

2Q、専修大は#13石上(4年・SG)のシュートで幕を開け、#24田代も華麗なターンからのシュートで魅せる。筑波大はファウルが続き#2満田(3年・SF)が#16小松(4年・SG)に交代。#92村越(4年・PF)もゴール下の争いで床にたたきつけられ、ベンチへ戻ることになってしまう。しかし#6馬場のスピードを生かした速攻は出続けており、筑波大の持ち味は生きている。専修大は#13石上、#24田代の得点で互角の勝負を続けるが、終盤にシュートが落ちたところから筑波大に3連続得点を許し、前半を42-34と筑波大リードで終えた。

リーグ戦では専修大に1敗している筑波大。乗ったときの専修大のオフェンスは止めがたいものがあるが、今日は相手を乗せさせずに攻撃を次々に断ち切った。準決勝はやはりリーグ戦では2敗している拓殖大。この大きな壁を乗り越えられるかが見どころだ。
写真上:速い展開に寄与したのはやはり馬場の速攻。筑波大は走るプレーを連発。
写真下:専修大・田代は16点だが3Pは1/9。マッチアップの馬場の前に確率を上げることはできなかった。
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【爆発力発揮の拓殖大が関西王者に貫禄勝ち】

拓殖大は、まず#99赤石(4年・C)が積極的に攻めた。ドライブを続け、ペイント内でも体を張って得点を重ねる。近畿大も#22ソウ(4年・C)にボールを預けるが、#23バンバ(3年・C)が体を張って侵入を許さず、このマッチアップはまず互いに相殺し合う様相となった。こうなるとアウトサイドでの攻防が鍵となるが、ここでも#99赤石の3Pが決まって拓殖大が主導権を掌握。一方近畿大は、#11室垣(4年・PG)の3Pや#3岡田(2年・PG)の得点で追いかけ、1Qは4点ビハインドにまとめた。しかし、2Qに入ると序盤こそお互いに決め合うが、#3岡田のシュートを最後に近畿大の得点が止まる。#23バンバのジャンプシュートを皮切りに、拓殖大は#99赤石と#39成田(3年・SG)の3Pなどでリードは一時14点となる。近畿大の嫌な雰囲気を払拭したのは#33藤田(4年・SF)。ミドルシュートを続けて立て直し、拓殖大は一旦下げていた#29岩田(4年・F)と#99赤石を再投入。だが、この時間は近畿大ペース。受けに回った拓殖大ファウルで得たフリースローで迫り、逆に拓殖大は得点がぴたりと止まった。#33藤田のレイアップが残り1分で決まり、近畿大はビハインドながら33−35と前半を僅かな差で留めた。

初顔合わせということで、戦前は展開予想をつけづらかったこのカード。前半こそ僅差で終わったが、後半は拓殖大の爆発力が近畿大を圧倒する内容に終わった。最終的にスコアリングセンスを発揮したバンバの活躍に目が行きがちながら、計4名が2桁得点をマークするバランスの良さも光った。次戦は準決勝となるが、例年ここで敗退している歴史がある。ただ、今年はリーグで準優勝を果たしているだけに、これまでになく機運は高い状況だ。ソウと高校時代以来のマッチアップというバンバは「前半はソウも自分も点数を取るのがなかなか難しかった。お互い様。後半はうちが点数を開いたのもあって、周りのオフェンスも良くなって自分もうまくやれた。彼も経験を積んでディフェンスはしづらかった。でも池内さんもタイムアウトにオフェンスについてアドバイスをくれて、それでうまく攻められた」と、バンバ。互いに相殺しあう状況から最終的には26点13リバウンドと、攻守ともにソウの数字を上回った。

写真上:この試合の見所だった留学生マッチアップは事実上バンバに軍配。
写真下:拓殖大は成田も力を発揮。近畿大を突き放した。
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【国士舘大の勢いは最後まで続かず東海大が勝利】

2Q、互いに得点がなかなか生まれない立ち上がり。しかし#19三ッ井(3年・SF)のアシストから#21橋本(4年・C)のシュート、#35伊藤(3年・PG)の絶妙のレイアップ、#21橋本の3Pで逆転。続けて#23佐藤(2年・SF)がディフェンスで国士舘大からターンオーバーを誘うと#13中山(3年・PG)の速攻も出た。国士舘大は#68藤井(3年・PG)の3Pで応酬し、ディフェンスではゾーンで対応。しかし東海大は#23佐藤のシュート、#45頓宮(4年・C)のタフショットも決まり大きく焦ることはない。さらにベンチから戻った#0ベンドラメがボールカットからの速攻、#45頓宮のシュートで締めて32-24と前半を逆転して終了。
3Qの立ち上がりも#13中山のオフェンスリバウンド、#0ベンドラメの速攻と東海大が完全に流れを掌握。ディフェンスでも国士舘大の勢いを殺し、国士舘大は4分間ノーゴール。激しいディフェンスで東海大のファウルも増えていくが、国士舘大もフリースロー以外ではなかなか得点チャンスが作れない。3Qは45-32と東海大が13点のリードで終えるとその後も気を緩めず試合を展開。国士舘大は4Qに入りようやく#15下(1年・PG・浜松開誠館)、#22原(4年・F)の3Pも入ってくるが、東海大は#1小島(4年・PG)の3Pバスケットカウント、#33鈴木(3年・SG)、#19三ッ井の3Pも入り、69-48で試合終了。貫禄を見せた東海大が69-48で準決勝に駒を進めた。

国士舘大は持ち味であるオフェンスが今大会ではいい方向に出てベスト8。ただ、後半は東海大のディフェンスの前に簡単にはボール運びやシュートまで持ち込むことはできずに終わった。次は明治大との順位決定戦に臨む。
写真上:東海大は苦しいところをベンドラメが切り開いていった。
写真下:国士舘大・馬と東海大・頓宮のマッチアップ。この日の馬はインサイドの守りで踏ん張りを見せた。
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【INTERVIEW】「走ってきたことが最後の大会にやっと出てきてくれた」
積み重ねてきた我慢強さを発揮
◆#24安藤周人(青山学院大・3年・SF)

—ベスト4入りですが、達成感と安心感はどちらの方を強く感じていますか。
「両方ですかね。やっとここまで来られたと思うし、一番キツいブロックに入ったからこそホッとした部分もあるし。昨日の早稲田も、今日の明治も勢いのあるチームなので、やっとここまで来れて一息つけたなという感じです」
—前半は競り合った試合でしたが、少し安藤選手自身が大人しい印象でした。
「自分的には何もなかったんですけど(苦笑)、マークがきつくて簡単にボールが貰えなかったというのがあって。でも他の4人が良かったので、オフェンスでは敢えて何かする必要はないかな、と。ディフェンスとリバウンドをやろうというつもりでした。そうしたらあんな点数になってしまったんで、みんなに負担もかけてしまって。チームとして走ることが目標なので、後半は自分から走って点を取りに行こうと。そうしたらみんなも波に乗ってくれて一気に離れたという感じでした」
—リバウンド面ではチームでの課題が見えました。あっさり取られてしまう場面が少なくなかった印象があります。
「そこはその通りですね。最後の方は光さん(#11)が一人でオフェンスリバウンドを取ってくれて、自分自身含めて他の選手が行っていなくて。残り3分くらいに得点が止まった時に、外から打って誰もリバウンドに行っていないシーンがあったので。明日は東海なので、もっと積極的にいかないといけないと思います」
—それでは逆に収穫だと感じた点は?
「前半に競って我慢の時間帯が続いて、フィールドゴールの数字もほぼ同じ状況ということで『我慢の戦いだ』という話があって。みんなの我慢強さが出たというのが今日の一番の収穫ですね」
—今季のこれまでの積み重ねも発揮された試合だったのでは?
「夏にたくさん走ってきて、リーグ戦中も水曜日は走って。そのお陰もあって、昨日も後半でも走ることができたと思うし、今日も後半は自分らのペースにできたので、そういったことが最後の大会にしてやっと出てきてくれたなと思います」
—これまで今年は明治大に勝てていませんでしたが、何がいけなかったのでしょうか。
「リーグ戦の最初は何もできずに40点差で負けて、2戦目は勝てた試合でしたが最後の詰めのところで打たせてはいけない選手に打たれて波に乗せてしまって。でも今日は、一人ひとりが自分のマークマンに対してはしっかりつけていたと思います」
—学年が上がってのインカレも意識がこれまでと違うと思います。
「自分は去年はケガで出場が限られていて、今年が初めてのインカレという気持ちでやっています。3年目にして元気な状況で、チームにも必要にされている状態でやれるので、初めてという気持ちで挑んでいます。最初は、一年の最後の大会というのと、4年生のために、という気持ちが強過ぎて緊張がありました(苦笑)。でも、やっていくうちに『普段通りの大会だな』と思いながらやれています」
—次は東海大が相手になりますね。
「明日がこれまでで一番しんどい試合ですけれど、そこを勝たないと日本一にはなれないので、今までやってきたことを全て出せるように。今までは負け続けているので、明日でそれを止めたいですね」
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「最初にやられてしまうのが課題」
出だしからブレイクを出して攻めていけるか
◆#3大崎裕太(青山学院大・3年・PG)

-今日の試合を振り返って。
「リーグ戦で1度も勝っていない相手ということで、チャレンジャーの気持ちで挑みました。向こうはインサイドが強いしリバウンドもとても強いので、そこは絶対にやらせないっていうことを昨日の時点からみんなでしっかり決めて、チーム一丸となって頑張ろうっていう気持ちで戦いました」
-前半上手く攻められない中で、本当はチームとしてどういったバスケットをしたかったのでしょうか。
「やっぱり青学は走るバスケが得意なので、本当は前半のうちからブレイクをどんどん出していきたかったんですけど、前半はどうしても守りに入ってたというか、安全にやろうとしてて、それで上手く攻めきれないっていう部分があって競ってしまったかなっていうのは思います」
-前日の早稲田戦も前半は同点で、オフェンスが上手く回りだすのに時間がかかってしまいましたが。
「最初から意識はしてやっているんですけど、最初にやられてしまうっていうのが課題としていつもあります。この次も強いチームと戦うとなると、出だしでやられてしまうと簡単に追いつくことは難しくなるので、やっぱり出だしからどんどんブレイクを出して先手、先手で点を取るようにしないといけないなとは思っています」
-インカレが始まってから3Pシュートが好調に見えますが、自身としてはどうですか。
「自分はアウトサイドシュートを得意としているので、笠井さん(#18)とか安藤(#24)とかがドライブに行ったときに外で合わせてっていうのは意識しています。ノーマークは確実に決めて、ブレイク以外のハーフコートバスケでもそういう3Pで点を取っていけば、高得点につながっていくと思うので、そこは常に狙うようにしています」
-明日は東海大が相手ですが、どういった戦いにしたいですか。
「東海は唯一フィジカルが強い相手だと思うので、全員がこっちから先にフィジカルでコンタクトして、向こうが後手後手になるようにして先手を取って試合を進めていきたいです。リバウンドも強いしディフェンスも良いチームなのでそこはしっかり対応しないとだし、自分たちはブレイクをどんどん出して攻めていきたいですね」
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「出だしでシュートが入って気持ちよく試合に入れた」
多彩な得点パターンを発揮し近畿大を寄せ付けず
◆#99赤石遼介(拓殖大・4年・C)

—普段から積極的な姿勢を持っていると思いますが、今日は最初からドライブを仕掛けて攻め気が見えました。
「そうですね。常にバンバや成田のところはマークされるので、自分もしっかり強気で攻め気を持ってやらなきゃな、と思ってて。それが今日は良い形に出て良かったです」
—相手が近畿大ということで、何か特別に意識していたことはありますか。
「ディフェンスのところは相手のソウのところがキーになってくると思っていたので、そこのところでバンバのファウルが込むといけないので、ダブルチームを要所で狙って。あとは藤田(#33)のところのシュートを止めるというのは、チームの練習でもやっていたし、頭の中にありました。オフェンスの部分では、シンプルに今日のような感じでやれば通じると思っていたので、そこは練習通りという感じですね」
—ご自身で『今日はこれが良かった』と感じる部分は?
「自分はシュートが入らないと弱気になってしまう部分があるんですけど(笑)、今日は出だしで入って気持ちよく試合に入れたので、まず気持ちで決めたところが良かったです」
—仕掛けやすかったという感覚はありましたか。
「あ、それはありましたね。自分のところにはあんまりカバーが来なかったので。攻めやすいなとは思いました。ドライブもし易かったですし」
—準決勝進出となりましたが、比較的良い状況でここまで勝ち進んで来られましたね。
「そうですね。リーグ戦からインカレにかけて、キャプテンを筆頭に練習をやってきて、みんな声を出してくれるし、チームでまとまって優勝を目指してやれていると思います。飛竜(#0岡本)が『優勝目指そう』ということで、4年生はそれを支えて、後輩たちもついてきてくれているので、良い傾向だと思います」
—リーグ戦で準優勝という経験も今年は大きいと思います。
「はい。自分たちでそれは大きな自信になったと思うし、東海にも一回勝っているので、そういう部分で『やれる』と感じています」
—準決勝は筑波大相手ですが、どのように戦いたいでしょうか。
「リーグでは2勝しているんですけれど、そのことは忘れて。筑波はサイズもあるし、メンバーも揃っているので。常にチャレンジャーの気持ちでやれればいけると思います」
—バンバ選手(#23)も良い状態になってきましたね。
「前半は相手に集中し過ぎて周りが少し見えていないような感じだったんですけど、後半は良い感じにシュートも打てていて、それは明日にも繋がると思います」
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「ようやく筑波大らしい試合ができた」
今シーズンようやく納得いく展開に安堵し、頂点を狙う
◆#16小松雅輝(筑波大・4年・主将・SG)

昨年のインカレ覇者でありながら春・リーグともどこかもどかしく、後味の悪いシーズンを過ごしてきた筑波大。しかし、この準々決勝は最初からアグレッシブで自分たちがしたかったような展開で勝利できた。OBからの激励のほか、応援してくれているBチームのメンバーも泣きながらまだまだだと叱咤してくれた。その気持ちや応援に応えることこそ、今の筑波がしなければならないことだ。
—おめでとうございます。リーグ戦で専修大に1敗しているので油断はなかったと思いますが、どういうところに気をつけていましたか?
「やっぱり専修は怖い相手だし、誰でもリバウンドに飛び込んできます。そういう粘り強さや泥臭さでうちは1度負けています。敗因は完璧にそこだったので、まずディフェンスとリバウンド。特に竜之佑(#6渡辺)のところ。田代(#24)よりも竜の方を注意していました」
—激しいディフェンスもあって前半ファウルが増えたのもあるでしょうか。
「そうですね。でもうちのディフェンスの良さがやっと出てきたというか、いつもだったらリバウンドでボーっとしていたり、飛び込むところを飛び込まず譲り合いをしたりだとかもありました。今日はみんながしっかり守ってしっかりリバウンドを取るところまで、粘り強くやることができました。それでブレイクやオフェンスの流れも良くなったと思います」
—満田選手(#2)がその中で2ファウルになって早めに小松選手に出番が来ましたね。ディフェンス面でいい働きだったと思うのですが。
「自分はもうそこなので。得点を取るというよりかは、ああやって粘り強くディフェンスを守っていくだけです。高校の後輩である竜も好きなのでディフェンスにつきたくて、楽しみで絶対に止めてやろうとしていました。オフェンスも1本取れたし、シュートチェックのウザさも出たと思います(笑)」
—むしろ、得意としている相手とやれたということですね。前半はちょっとわからない展開でしたが、いけるという手応えはありましたか?
「ここまで来るとどうなるかは分からないし、どっちが粘り強く最後までやりきれるかということになると思います。でも計算通りといえば計算通りだし、4Qすべて4、5点離していけば最後は20点、30点と開く試合になります。前半も悪い終わりじゃなかったし、後半につながりました」
—小松選手はリーグ途中からシックスマンになっていますが、どちらがやりやすいのでしょうか?
「自分はどちらでも。今は満田がスタメンで、実は彼も途中から出る方が良いみたいでシックスマンが良かったみたいなんです。でも彼は来年もあるし、あのメンバーの方が相手も嫌だと思います。自分は役割を理解して出たときにガツンとディフェンスをやれればいいかなと。今大会シュートもいいので、取れるときには点も取りたいです」
—リーグ戦では4年生がしっかりしていないのでふがいない結果になったという話がありました。インカレを迎えるにあたってはどのような意識でやってきましたか?
「OBもいろいろ言ってくれましたし、坂東さん(14年度卒)も最後は絶対に4年生だから、とメッセージをくれました。絶対自分たちがやらなければいけないと思っています。あとはBチームの4年生がインカレの初戦が終わったあとに全員に話をしてくれました。初戦は自分たちなりにはいい試合ができたんですけど、Bチームの応援してくれている人からすると雰囲気面とか、まだまだ物足りなさもあったようなんです。Bチームの4年生が泣きながらそういう話をしてくれて、そこでみんなハッとした部分もあるし、そこで一段とスイッチが入った部分もあります。みんなが応援してくれているんだという思いをしっかりもってやっています。この専修大戦は今までのリーグやトーナメントに比べても一番いい筑波が出ているんじゃないかと思います」
—確かに、ようやく筑波大らしい、というプレー連発の試合でした。
「本当にそうです。ここからトップまで行けるように頑張ります」
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