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2015.11.26 (Thu)

【2015インカレ】11/26レポート(3回戦・大田区総合体育館)

ベスト8に進出したのは
明治大・専修大・国士舘大・近畿大


 大会4日目の大田区総合体育館では、ベスト8をかけた4試合が行われた。


【最後までわからない攻防は国士舘大が勝利をもぎ取る】
151126usui.jpg 白鴎大を破ってベスト8入りを狙う東海大九州と、国士舘大の一戦は、最後まで緊張感のある内容になった。

 試合は終始シーソーゲームとなる。2Q、東海大九州のゾーンディフェンスに対して立て続けにミスが出る国士舘大。一方の東海大九州は#7林(2年・SF)や#6小澤(3年・SF)の得点でリードを奪う。終盤になると国士舘大は#37阿部(1年・G・藤枝明誠)の速攻と3Pで追いすがり、同点まで持ち込む。しかし、2Q終了間際に東海大九州#2長野(2年・PG)が3Pのバスケットカウントを決めて4点プレー。40-37で東海大九州が3点のリードを奪って後半へ。

 3Q、互いになかなか決めきれない時間帯が続くが、リズムを掴んだのは東海大九州だった。#6小澤と#8佐竹(2年・PF)の合わせや#2長野のジャンプシュートで先行する。国士舘大は単発でシュートが決まるだけでなかなか波に乗り切れない我慢の10分となったが、#23寺田(4年・SF)と#22原(4年・SG)のジャンプシュートでついていく。

151126tanisato.jpg 4Q、60-56で東海大九州が4点リードで迎えた最後の10分。東海大九州はリングにはじかれることが多くなり、無得点の時間が続く。その間に国士舘大は#32臼井(2年・PF)の活躍が光る。リバウンドとゴール下の得点でチームを支え、着実に繋いでいく。すると、残り2分31秒で#15下(1年・PG・浜松開誠館)の3Pで遂に逆転し、ここからは一進一退に。東海大九州#8佐竹が決めれば、国士舘大#32臼井がすかさず決め返す。残り1:00で東海大九州は#2長野がエンドスローから#21谷里(3年・SF)に繋ぎ、67-67と、ここで試合は振り出しに。42秒でゴール下の攻防で国士舘大#32臼井がフリースローを獲得。1投決めて1点差。その後、逆転を狙うシュートを打つ東海大九州だが、決定力に欠ける。対する国士舘大は#4菅(4年・SF)が残り6秒で値千金のレイアップを決める。東海大九州は最後まで3Pを狙うが、70-67でタイムアップ。接戦を制した国士舘大がベスト8に名乗りを上げた。

 国士館大はゴール下の臼井の存在が光った。東海大九州は、4Qに何度も相手ターンオーバーからチャンスを掴むが、フィニッシュまで持っていけず、ミスが続いたのが惜しい。

写真上:国士舘大は臼井が内外で踏ん張りを見せた。
写真下:勝負強いシュートを見せた東海大九州・谷里。

※東海大九州・滝口選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【中京大が追いすがるが近畿大に軍配】
151126sou.jpg 地方勢同士の対決となったこのブロックは、関西1位の近畿大と東海1位の中京大がベスト8をかけて戦うことになった。

 立ち上がりから優勢だったのは近畿大。#22ソウ(4年・C)の高さがシュート、ブロックなど1Qから存在感を放つ。中京大はなかなか得点が取れず13-8と出遅れるが、2Qにはルーズボールから#9出口(4年・F)の速攻なども出始める。しかし近畿大は#22ソウがダンク、ポストからのゴール下などを決めていき、簡単には追いつかせてくれない。しかし近畿大も一気に大量得点とはいかず、#9出口、#0阿部のシュートで29-23の6点差で前半終了。

 3Qの立ち上がり、中京大は必死のディフェンスを仕掛け、近畿大にターンオーバーが続くと、近畿大は3分半ほど無得点に陥った。中京大も簡単にはとく手できないが、#0阿部、#9出口のアシストからインサイドの#55伊木(4年・C)も決めて流れを掴む。近畿大は#33藤田(4年・PF)がようやく6分41秒にジャンパーを決め、続けて速攻を出すが、中京大も切れない。#55伊木のミドルシュートが決まり、#9出口の3Pが2連続で決まりついに逆転。しかしディフェンスではインサイドの要である#55伊木が4つ目のファウルを吹かれてしまう痛い事態に。しばらくは互角の状態で競り合うが、インサイドの守りが手薄になった中京大に対し、#22ソウが力強さを発揮。フリースローやポストアップで得点し、3Pも決めて48-39と引き離しに成功した。

151126igi.jpg 4Q、中京大は#55伊木を戻し再び流れを持ってこようとするが、#11室垣(4年・PG)の3P、#3岡田(3年・PG)のジャンパーが決まり近畿大も逃げる。中京大は#22稲葉(4年・SG)のアウトサイドや#6佐藤(4年・F)のドライブなどで迫ろうとするが、そのたびに#22ソウに決められ10点差が重い。粘る中京大だが、近畿大はそのままリードを保って67-55で試合終了となった。

写真:30点23リバウンドと無双の強さを見せたソウ。次は拓殖大・バンバとの戦いが待つ。

※中京大・阿部選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【専修大の勢いが勝り日本大を一蹴】
151126watanabe.jpg 専修大は1部昇格を決めた日本大と対戦。ともに能力ある選手が揃う注目の一戦だったが、持ち味を出したのは専修大の方だった。

 1Qこそ16-17と差のない状態で幕を開けたが、互いに本来の良さは出きらず。日本大はインサイドで囲まれて#8刘(4年・C)が仕事ができず、専修大も#7國分(3年・PF)の2本の3P以外は目立った動きは出ず。2Qになると日本大はシュートミスが続き、5分間で#7古牧(4年・SG)の得点があっただけ。専修大は単発の得点が続く。残り3分、速い展開から#1本村(1年・SG・土浦日大)の3Pが生まれると#24高橋(3年・SG)の3P、#8刘のフック、#11門馬(3年・SG)のオフェンスリバウンドなどで日本大に勢いが生まれ、34-30と4点リードで前半を折り返した。

 後半の立ち上がり、専修大のオフェンスが火を吹いた。#24田代(4年・PF)2本の3Pを決め、チームを乗せる。日本大はまたも得点がストップ。2Qと同じく5分間の停滞となってしまう。その間に専修大は#11秋山(2年・PG)の3P、#6渡辺(3年・SF)、#24田代の2連続速攻で一気に10点差。日本大は#6新号(2年・PG)の3P、#5仁平(3年・PF)のシュートも出るが、専修大も#6渡辺と#24田代で応酬。#24田代は残り45秒からさらに2本の3Pを沈めてこのQ、専修大が合計6本の3Pで46-55とリードを得た。

151126monma.jpg 4Q、巻き返したい日本大はガードにスピードある#0土屋(3年・PG)を起用し、速い展開に。#33上原(4年・PG)の3Pもようやく決まるが、専修大も付け込ませず#11秋山のバスケットカウント、#24田代のオフェンスリバウンドなど粘りのあるプレーも見せていく。日本大は有利な高さを生かせず、インサイドでなかなか点が取れない。必死に攻めて3Pや速攻で得点を取っていく日本大だが、専修大は最後まで#24田代、#11秋山の3Pが決まり続け69-77。日本大を追いつかせることなく勝利した。

 前半はともにそこまで勢いがなかったが、後半の田代の3Pで専修大が流れを掴んだ。渡辺もリバウンドで日本大を圧倒し、チームにリーグ序盤戦のような勢いが戻ってきている。次の筑波大戦の大一番が見どころだ。

 日本大は得点できない時間帯が長く続き、主導権を握れないままの40分だった。アウトサイドの精度、ゴール下の確実性がなく、専修大のテンポの良いオフェンスにも対抗しきれずに終わった。

写真上:15得点20リバウンドと完全復活を果たした専修大・渡辺。
写真下:日本大・門馬は攻め気のあるプレーで攻守で奮闘を見せた。

※日本大・網野コーチのコメントは「続きを読む」へ。


【日本体育大は勢いが出せず、明治大がベスト8進出】
151126saito.jpg ベスト8入りをかけて、関東5位の明治大と関東13位の日本体育大が激突。開始早々、日本体育大#14大城(3年・PG)がドライブし中へ切り込んで得点すると、それに続いて#75赤土(3年・PF)と#32フェイ(1年・C)がインサイドで得点。明治大はスロースタートで日本体育大の勢いに前半全くついていくことができない。しかし交代で#2斎藤(2年・PG)がコートに入ると流れは明治大に。#32吉川(2年・SG)・#55吉本(4年・SF)を中心に連続得点してリードを許さず。15-14で1Qが終了。2Q序盤、明治大は#32吉川と#55吉本の3Pが決まり流れを作る。一方で日本体育大は1Qで見せた勢いが出ないが、残り2分になると持ち直し始め、#14大城が3Pを決め、#19田口(2年・SF)と#35佐々木(4年・SF)が果敢に攻めてシュートファウルをもらい、フリースローで加点していく。しかし、明治大は自分たちのペースを崩さず、#22宮本(2年・PF)・#50伊澤(4年・PF)がインサイドで得点。38-27で明治大がリードし前半を終える。

151126dari.jpg 3Q、日本体育大は#75赤土がインサイドで得点し、その後もミドルシュート・バスケットカウントを決めて奮闘。しかしその他の得点が伸びず。明治大は内外バランスよく得点して差を少しずつ大きくていき、52-36で最終Qへ。4Q前半はシーソーゲームに。明治大#2斎藤がドライブで切り込み、#22宮本がゴール下、#5會田(3年・PG)が3Pで得点すると、日本体育大は#34加藤(4年・SG)が3P、#19田口が3Pとバスケットカウントで応戦。だんだんと日本体育大が明治大に迫っていく。中盤になると日本体育大が連続得点によって8点差にまで詰め寄るが、明治大も黙ってはおらず、#50伊澤を中心に11連続得点、一気に点差が離れてしまう。残り1分で19点差となり、最後は互いに4年生がコートに出てプレー。77-58で明治大がベスト8進出を決めた。

日本体育大は出だしこそ良かったものの明治大のディフェンスに苦しみいつものリズムを作ることができず。明治大は追い上げられるシーンもあったが落ち着いて着実に点を重ね、試合を進めることができた。

写真上:得意のドライブで中へ切り込み流れを作った明治大2年の斎藤。
写真下:万が出場できず、フェイが奮闘したが明治大ディフェンスをなかなか割れず。

※日本体育大・松田選手、加藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【COMMENT・INTERVIEW】

「悔いはない、あとは後輩に託す」
あと一歩という成果を、来年への成長の期待に

◆#3滝口翔太(東海大九州・4年・主将・PG)
151126takiguchi_20160319002458747.jpg今年のインカレは男子の出場チームが変則的な33となり、ひとつだけ小さな山ができた。そこに入った東海大九州は初戦で京都産業大を倒し、次に関東1部の白鴎大を接戦で下す金星をあげ、地方からベスト8入りをかけて臨んだこの試合だった。勝負は終盤までわからない状態だったが、白鴎大戦よりも決定力を欠いて惜しくも敗戦。コートに出ている唯一の4年生として奮闘が見えた滝口は、惜しがりながらも潔い様子が見えた。下級生主体のチームゆえに来年度への期待を残しつつ、インカレを終える。


−惜しい試合でした。
「あと一歩でしたね」

−前日に白鴎大との試合に勝利した訳ですが、
「入りが良かったので、点差も開いていい感じで試合に入りました。ただ一度追いつかれました。でも最初から追いつかれるだろうなと思っていたので、慌てることはなかったです。去年同じような展開で負けているので、今年こそはという気持ちでチーム一丸となった結果だと思います」

−白鴎大戦ではかなりシュートは良かったですが、今日は逆に確率が上がりませんでした。
「相手もどこが打ってくるかもうわかっていると思うので、途中からゾーンも張られましたし、外ばかりになっていました。そこで中にボールを入れたりという展開がなかったですね。フィニッシュでのミスが続いたのも痛かったですね」

−下級生も多いチームですが、4年生として一人コートに立っている訳ですが。
「後輩が結構頑張ってくれて、個性的な後輩が多いのでそこをうまくコントロールしながら声をかけながらやってきました。このシーズンが始まったときよりは一人ひとりが自立してくれたのかなと思います。最初は自分が、自分がというのが多かったんですが、最後はみんなが伸び伸びとプレーできるようになっていたかなと思います。今になって思えば最後はチームとして戦えていたと思います」

−滝口選手はコートで一生懸命声をだしている姿が印象的でした。
「できることをやろうかなと。それが自分の持ち味かなと思うので、そこは誰にも負けないように頑張っていました」

−今回、東海大九州はひとつ下の山からのスタートで、一試合多かった状態です。
「その疲労もあったのかなとは思います。でも一つ多く試合をしていたので、白鴎大戦のときにリラックスできて入りが良かったのかなとも思いました。プラスに考えれば」

−悔いは残りますか?
「それはないです。去年よりひとつ上がったし、来年はもうひとつ上がるように頑張って欲しいなあと。下級生主体だし、後輩もよくやってくれた大会でした」

−滝口選手は北海道出身で九州の大学に進んだんですね。他にも北海道の選手が何人かいますが…。
「同じ高校からですね。遠征で東海大九州にお世話になっていて、そこで声をかけてもらいました。自分が初めて東海大九州に入学したんですが、そこから後輩が続いて、北海道出身の選手が増えていきました」

−東海大九州でバスケットをしていかがでしたか?
「他のチームとはやっていることが全然違うと思います。ほかは体を鍛えて中でゴリゴリしたり、センターはセンターという感じだと思うんですが、僕たちは走るチームでした。ディフェンスで守って速攻、決められても早くボールを持って行くという感じで練習でも走ってばかりで、走ることでは他のチームには負けないと思います。自分としては本当に悔いなくやれたので、あとは後輩に託します。今はようやく4年間が終わったなという気持ちです」

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「教える難しさもあった。だが楽しかった」
◆網野友雄(日本大コーチ)
151126amino.jpg昨年は自身の試合もこなしつつコーチングしてきたが、現役引退となった今期、練習からずっと参加して采配をふるった。自分の学生時代は経験していない2部リーグの難しさ、学生にコーチングする難しさなど、最初だからこその壁はあろうが、学生たちは網野コーチを信頼し、ついていく様子も感じられた。
1部昇格という最低限の目標は遂げたが、最後の試合は苦いものとなり課題がまだ見えた日本大。来季1部リーグに復帰して今よりさらに良いチームとなれるか、まだまだ正念場は続く。


「(試合を振り返って)再三専修大のリバウンドのことを言ってきたけれど、あれだけ取られて、こちらは決めるところで決めきれなかった。徹底できませんでした。ほとんどの選手はこんな試合で終えて後悔していると思います。日頃から自分たちでやらなければいけないよ、ということをもっと突き詰めていかないといけないし、それを教えていかなければならなかったなと。ディフェンス面も再三言ってきましたが、甘くなっていました。そこはこちらもコントロールしなければなりませんでした。

(今年コーチをされて)学生たちは言うことに耳と傾けてくれていることがほとんどなので、そこは感謝しています。教える難しさはありますが楽しさもあって、自分自身の経験にもなりました。できれば一生懸命やってくれた学生たちにバスケットをあと1か月やらせてあげたかったですね。

(どのようなバスケットを目指したいか)ディフェンスをしっかりやって速い展開を目指すというところで、チャンスがあればシュートも狙っていきたいなと。やはりディフェンスやらないとこういう展開の試合で我慢できないですし、ディフェンスはもっともっと強化していかないといけないなと思います。来年はサイズが小さくなってしまうので、もっと足を使ってディフェンスをしないとならないですね」

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「地道にコツコツやるメンバーが多かったから」
不断の努力で力をつけ4年目にかけた気持ち

◆#0阿部祐也(中京大・4年・PG)
151126abe.jpg目を赤くして「悔しい」と一言。この試合に賭けていた様子が伺える。試合に出るのはほとんどが4年生というチームだったが、今年になって出番を得た選手が多い。それは地道に努力できるメンバーだったからだと言う。サイズのない自分も含め、試合に出るため、勝つために努力をあきらめなかった仲間とのこの1年。その成果を勝って証明したかったのは確かだが、十分伝わるものがあった2試合だった。


—試合を振り返って。惜しい場面もありました。
「素直に悔しかったです。去年国士舘大とやったんですが、そのときスタメンで出してもらったんですけど、ふがいなくて4年生を負けさせて引退させてしまいました。今年こそ勝ってベスト8に入って、関東に勝つという目標を立てていたのに、それが果たせなくて悔しいです」

—近畿大には入学してから勝っていないということですが、展開としてはビハインドから入って追いついたのは見事でした。
「自分たちの持ち味って、小さいのでリバウンドとルーズボールをコツコツ頑張って、それをアウトナンバー、速攻につなげることです。それができたのでああいう形になったと思います。でも最後、相手が大きいのでフィニッシュの部分で気にして落としてしまったのが詰めの甘さで、そういう部分が足りなかったですね」

—阿部選手もソウ選手に対して恐れずレイアップを決めていきましたね。
「小さいから恐れるんじゃなくて、小さいからこそ行くべきです。相手だって決められたら『なんだこの小さいのは』って思うじゃないですか。そういうところは常にトライして、決めてやるという気持ちだけは負けてなかったと思いますし、攻めていきました」

—そういう気持ちだったんですね。今年の中京大は4年生が中心でしたが、どんなチームでしたか。
「みんな真面目で細かいこともコツコツできるのが強みです。ルーズボールとかリバウンドとか。ああいうことって頑張れることでも捨ててしまうケースって多いと思うんです。それでもやっぱり昨日の試合の出口(#9)にように、ああいうところまでボールを追える選手というのが多いのはうちの強みです」

—昨年まで出ている選手が少ないものの、今年東海地方で1位という結果を出したのはそういう地道なことをやってきたからなんですね。
「そうですね」

—ほかの4年生たちも気持ちをひとつにしてやってきたのでしょうか。
「最初は去年の4年生が能力もバスケットの質も高かったので、どう戦っていくのか難しい部分もあったんです。それでも4年生を中心にコツコツ頑張れる、バスケットに向き合える仲間だったから次第にやっていけるようになりました。そういうのを見て理解してくれて、応援席もしっかり応援してくれていました。地味に頑張れる選手が多かったから、試合にも使ってもらえたと思うし…」

—その分悔しさも募りますね。ベスト8入り、関東越えは来年への宿題というところでしょうか。
「3年連続ベスト16で負けているので、ぜひ来年こそは後輩に勝って欲しいですね。下級生の方が身体能力も高いので、そこは自分たちの強みにしてやってもらえたら勝てると思います」

−4年間これで終わりますね。
「早かったですね。本当に…。高校はやらされている部分も多かったけれど、大学は自分で自主練習に積極的に取り組んで、周りにも声をかけて呼んでやりました。自分は身長170cmしかないのに、使ってくれた松藤先生にも感謝しています。中京大に来られて、このチームで良かったと思います」

—東海地区でもここ数年で中京大がトップに常に食い込むようになりましたね。
「自分が入ったときは3位くらいで、学泉(愛知学泉大)にボコボコにされたし、なんだこれはと思ったりもしていました(苦笑)。でも松藤先生も厳しく指導してくださって、選手たちが自主的にバスケットに取り組んできたことがこういう結果になったと思います」

—本当に頑張った4年だったんですね。
「でも勝ちたかったですね」

—でもインカレの2試合は本当に良い部分をたくさん見られたと思います。
「そう言ってもらえるとありがたいです。周りで見ていてくれる人がいるのが嬉しいし、それで結果がついてくれば尚良いのですが、そこは後輩に託したいと思います」

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「1部昇格を後輩たちに残していきたかった」
主将としての1年間は悔いの残る結果に

◆#39松田雄磨(日本体育大・4年・主将・SG)
151126matsuda.jpg昨年の主将である本間に憧れを抱き、ここまでやってきた松田。本間のようにプレーでチームを引っ張るということは難しかったものの、彼なりに1年間このチームをまとめてきた。昨年の本間も今年の松田も、日本体育大の課題は精神面だと指摘しており、3年生以下はこの課題をしっかりクリアし、先輩たちの思いを引き継いで来年こそ1部へ昇格したいところである。


-今日の試合を振り返って。
「出だしはすごく良くてこのままいけると思ったんですけど、やっぱり明治はディフェンスの強いチームなので、向こうのディフェンスが機能し始めてから自分たちのリズムが狂って、そこから崩れてしまったのかなと思います」

-日本体育大らしさが出ていなかったという印象でした。
「そうですね。でも諦めない姿勢とか、ビハインドになっても前から当たっていく姿は日体大というか、学生らしさというのが出ていて、自分はそんなに試合に出られなかったんですけど、後輩たちが最後まで熱いものを見せてくれたんじゃないかなって思います」

-明治大は昨インカレでも当たった因縁の相手ということでしたが。
「去年のキャプテンが本間遼太郎さんで、自分はその人が憧れで。4年生たちはみんな去年の先輩たちの気持ちを受け継いでやってきたので、去年と同じカードだったのは運命かなとか思ったりもしました。でもまた負けてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

-リーグ戦が終わってからモチベーションを上げるのは難しかったですか。
「正直、自分中で1部昇格を後輩たちに残していきたかったので、それができなかったときは、もう何も考えられなくて、正直インカレも残っていていいのかわからないくらいでした」

-そこからどうやって立て直していったのでしょうか。
「自分たちにはインカレというステージがあって、でも自分たちより下の順位のチームは出たくても出られないので、そういう人たち、4年生たちの気持ちを考えると、そういうことは言っていられないし、関東の代表として最後までインカレで意地を見せないといけないなと思って、気持ちを切り替えました」

-1年間キャプテンとしてやってきて。
「伝えることっていうのが難しかったです。自分はそんなにプレータイムがない中で“背中で見せる”とはずっと言ってきたんですけど、全然コートの中では見せることができませんでした。ほとんどベンチの中や練習の中でしかそういうものは見せられなかったんですけど、でも、その中でも自分はキャプテンというプライドがあったので、ベンチでも応援でも、チームのためになることがあるんだと思って最後までやりました。あと、どれだけ努力しても試合に出ることができない選手が日体大にはたくさんいます。そういう人たちのためにも負けたくなかったですし、プレーは常に本気で、自分は特に生活面もバスケ面もみんなを支えようと思って頑張ってきました」

-4年間の大学バスケを振り返って。
「自分が1年生の頃に林さんという主務の方がいたんですけど、その人はすごく怖くてみんな恐れていたんですよ。その代は2部との入れ替え戦で負けて降格が決まってしまったときに、林さんがみんなの前で土下座して。そういう姿を見て、あれだけ怖かった人がそんなところを見せるなんて、と心打たれたというか、選手みんながすごく申し訳ない気持ちになりました。今年自分は4年目で、自分たちが1年生の時に落ちてしまったし、そういう林さんのような思いというか、4年生が責任を持って上げないといけないと、その一心だけでやってきました」

-今後後輩が勝ち抜いていくにはどこを鍛えていけばいいと思いますか。
「試合見ていてわかると思うんですけど、メンタル面でまだ弱い部分があると思います。手先、足、体全体でバスケするのも大事なんですけど、心でバスケをするっていうことも重んじてやっていってほしいです。そしたら1部昇格できると思います」

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「どん底から試合に出るまでに成長」
自分の成長を少しずつ実感できた4年間

◆#34加藤 慧(日本体育大・4年・SG)
151126kato_20161120153816e1f.jpgリーグ戦で2部3位に終わり、切望していた入替え戦に進むことができず悔しい思いをした。そして、インカレでは昨年も敗れた明治大が相手に。結果的に勝利を収めることはできず、その思いは下級生に託された。加藤はシックスマンとしてコートに立ち、何度も試合の流れを変えてきた。1、2年生では思うようにプレーできず苦しんだこともあったが、日体大になくてはならない選手でもあった。彼はこの4年間を楽しかったと振り返った。


-今日の試合を振り返って。
「自分たちが求めていたバスケを表現しきれなかったです」

-2Qで離されてしまいましたが、何がいけなかったでしょうか。
「相手のディフェンスが厳しくなってきたときに自分たちの足が止まってしまって、そのまま悪いシュートを打って、相手に逆に良いシュートを打たせてしまいました。自分たちの流れの悪い時にディフェンスの頑張りが足りなかったです」

-去年も明治に負けて、因縁の相手ということでしたが。
「去年のリベンジということで、先輩たちからも頑張れとメッセージをもらっていただけに、本当に悔しいですし勝ちたかったです」

-リーグ戦終わってから、インカレに向けてモチベーションを上げるのは難しかったのではないでしょうか。
「リーグ戦の最後に早稲田に負けて入れ替え戦に行けないことが決まって、それで少しチームの雰囲気が暗くなってしまって。練習をやっていても中身がないというか、気持ちが入っていない状態が続いてしまいました。でもさすがにいつまでも落ち込んでいるわけにもいかないので、キャプテンの松田(#39)を中心にミーティングをして、みんなで思っていることを言い合って、それでもう一回、インカレに向けて頑張っていこうってなりました」

-日本体育大で4年間バスケをしてきてどうでしたか。
「1、2年生の頃はすごく苦しくて、自分の中でモヤモヤしたものがあったんですけど、3年生になってから少し試合に出してもらえるようになって、結果も少しずつ出せるようになってきて。今振り返ってみると本当に楽しかった4年間でした。どん底からここまで試合に出るようになるまでに成長することができて、自分としては充実していたと思いますね」

-今後後輩が勝っていくためにはどんなところを鍛えればいいと思いますか。
「ディフェンスが甘のが自分たちの課題だと思っています。今のスタメンは1人を除いてみんな3年生以下で経験は積んでいると思うので、あとはフォローっていう部分ですかね。苦しい時間帯になると進む先がバラバラになってしまって自分が自分がっていう状態になるので、そこはチーム内で声をかけあってみんなで協力してチームプレーをするっていうのを心掛けてもらえればと思います」



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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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