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2015.10.27 (Tue)
【2015リーグ1部】第7週 慶應義塾大ホームゲーム・Unicorns Game「Unite」(後編)
盛り上がりの中にあった“絆”
慶應義塾大学のホームゲームにおける取り組み
〜Unicorns Game「Unite」〜(後編)
集客2,000人に向け、手探りで挑んだ初のホームゲーム開催
関東大学バスケットボールリーグ第7週、10月17日、18日は会場校である慶應義塾大が正式に取り組んだ初のホームゲーム。チームの応援Tシャツやチームカラーのアイテムを身につけた多くの観客がホームの慶應大に声援を送った。
日数も早慶戦などに比べると短く、運営費用はスポンサーに頼らないゼロベースの出発だったホームゲーム準備。集客目標はやや高め設定の2,000人。選手個人の学内外での宣伝をはじめ、運営チームも新たな試みとしてSNSを駆使し。ホームタウンである日吉商店街にも協力を求めたほか、選手の出身校や附属校といったところにも声をかけて観戦を呼びかけた。学生代表の山﨑によれば当初は不安や戸惑いも大きかった。「ノウハウがない中で始める新しい取り組みという事で、何をどうすればどれくらいの反応が見込めるのかがわからず、もがいているような気分でした。認知度も0からのスタートで、『ホームゲーム?早慶戦じゃなくて?』と言われた回数は数えきれないほどありました」と言う。しかし蓋を開けてみると満員とまではいかないが、慶應大側の応援席は連日たくさんの観客で埋まり、接戦となった試合展開もあって大いに盛り上がりを見せた。
つながる意味で「Unite」というサブタイトルを掲げたが、それが見られる部分が随所にあった。エスコートキッズには慶應義塾幼稚舎バスケットボールクラブと慶應義塾横浜初等部が当たり、応援席では選手の友人や父兄、ゴール裏では附属校生たちが大賑わいで声援を送った。慶應大は年に1回、幼稚舎から大学バスケ部までが日吉に集まる全塾のイベント「バスケットボールフェスティバル」を開催しているが、阪口HCになってからオフ期間を利用した部員の附属校バスケ部への練習参加や、附属校コーチの引率による大学部の試合の観戦、試合後に交流を実施するといった取り組みをより強化している。このリーグ戦中もたびたび附属校生が観戦に訪れ、選手たちと交流を持っていたが、普段の選手たちを知っているからこそ、応援も熱くなる。派手な演出等に頼らずとも目の前の試合を共有している空気感があり、バスケット部が作ってきたさまざまな絆が活きているように感じられた。
目標達成とさらなるホームゲームの充実に向けて
このホームゲームの動員数は17日が1,153人、18日は1,409人。目標の2,000人には届いていないが、それでも“慶應義塾”が持つポテンシャルを感じさせる数字だ。会場をチームの色に染めるため、着用ユニフォームに合わせて17日は白、18日は紺の応援Tシャツを販売したが、用意した750枚は完売。多くの観客の応援に対して主将の福元も「塾内にスポーツ観戦をする文化があるので、友人たちも反応が良かった。準備をしてくれたスタッフやOBのおかげで気持よく試合ができた」と感謝していた。山﨑代表も「部員からも観客の皆さんからも、来年を楽しみにする声を聞くことができ、心からやって良かったと思えました。何年も先の“当たり前”を作ることができたかと思うと誇りに思えます」と、はじめの一歩としては達成感のある内容だったようだ。
一方、課題としては「動員数2,000人を目標としていて、1日あたりで考えるとそこに届かなかった事が心残りです。その為に、極端な話、“バスケットボールがわからなくても、そこにいればなんとなく楽しい”と思えるような空間を作り上げること、それを今まで届いていなかった層に発信して足を運んでもらうことが今後の課題です。慶應のホームゲームから大学バスケを盛り上げ、日本のバスケットボールを盛り上げていくというマインドをしっかりと引き継いでいきたい」(山﨑代表)と、ここをスタートしてもっと発展させていきたい思いを語ってくれた。
来年の早慶戦は慶應大が幹事校であるだけに、阪口HCも今回の取り組みと得られた成果を「早慶戦にも活かしていきたい」と、意気込む。早慶戦自体もブラッシュアップされて相乗効果を上げていけば、目指している大学からの新しい盛り上がりを実現させていくことも可能ではないだろうか。
写真上:18日、試合前には慶應大側の1階席は満席、対戦する法政大側も半分以上は埋まっていた。2階席まで埋め尽くすのが理想だ。
写真下:早慶戦では応援指導部が通路などで応援を先導するが、このホームゲームはチアがゴール裏に待機するアメリカのカレッジやNBAなどでよく見るスタイル。タイムアウトごとに短い演技を披露した。
※その他ホームゲームの様子は「続きを読む」へ。

事前に選手個々のSNSで発信した個人のポスターも貼りだされた。右奥に一般入場者とは別に慶應大生用の入り口を設け、学生たちはこのポスターを見ながら中に入ってくる形でレイアウトされていた。

このホームゲームに合わせて製作されたサークルペイントもお目見え。


ユニコーンのフェイスペイントは有料で実施したが、多くの人だかりができ、部員たちが貼り付けるサポートを行っていた。

応援Tシャツは事前に半分以上が売れていたが、土日の2日間で完売。

17日、慶應大側でサークルを組む白鴎大は、アウェイを跳ね返して勝利した。応援席がこの日の慶應大カラーに合わせて白く染まっているのが分かる。

慶應大側のゴール裏は附属校の生徒たちや応援指導部のチアたちが終始にぎやかに応援。好プレーが出る度に大盛り上がりとなった。

プロのMCは招聘せず、学連の役員である慶應大の柴田篤志がアナウンスを担当。ホームゲームの趣旨を読み上げ、試合中も抑揚をつけたアナウンスで盛り上げに貢献。

チアによるハーフタイムショーでは、18日は慶應大の「K」と法政大の「H」を表現。

チーム応援席には若手OBが揃い、後輩に声援を送った。


18日は会場が紺に染まった。

18日の試合後、附属校生たちが大学部の先輩を囲むサークルがあちこちでできていた。

部員全員による集合写真。

運営にあたったスタッフ。右から4人目が山﨑学生代表。
慶應義塾大学のホームゲームにおける取り組み
〜Unicorns Game「Unite」〜(後編)
集客2,000人に向け、手探りで挑んだ初のホームゲーム開催

日数も早慶戦などに比べると短く、運営費用はスポンサーに頼らないゼロベースの出発だったホームゲーム準備。集客目標はやや高め設定の2,000人。選手個人の学内外での宣伝をはじめ、運営チームも新たな試みとしてSNSを駆使し。ホームタウンである日吉商店街にも協力を求めたほか、選手の出身校や附属校といったところにも声をかけて観戦を呼びかけた。学生代表の山﨑によれば当初は不安や戸惑いも大きかった。「ノウハウがない中で始める新しい取り組みという事で、何をどうすればどれくらいの反応が見込めるのかがわからず、もがいているような気分でした。認知度も0からのスタートで、『ホームゲーム?早慶戦じゃなくて?』と言われた回数は数えきれないほどありました」と言う。しかし蓋を開けてみると満員とまではいかないが、慶應大側の応援席は連日たくさんの観客で埋まり、接戦となった試合展開もあって大いに盛り上がりを見せた。
つながる意味で「Unite」というサブタイトルを掲げたが、それが見られる部分が随所にあった。エスコートキッズには慶應義塾幼稚舎バスケットボールクラブと慶應義塾横浜初等部が当たり、応援席では選手の友人や父兄、ゴール裏では附属校生たちが大賑わいで声援を送った。慶應大は年に1回、幼稚舎から大学バスケ部までが日吉に集まる全塾のイベント「バスケットボールフェスティバル」を開催しているが、阪口HCになってからオフ期間を利用した部員の附属校バスケ部への練習参加や、附属校コーチの引率による大学部の試合の観戦、試合後に交流を実施するといった取り組みをより強化している。このリーグ戦中もたびたび附属校生が観戦に訪れ、選手たちと交流を持っていたが、普段の選手たちを知っているからこそ、応援も熱くなる。派手な演出等に頼らずとも目の前の試合を共有している空気感があり、バスケット部が作ってきたさまざまな絆が活きているように感じられた。
目標達成とさらなるホームゲームの充実に向けて

一方、課題としては「動員数2,000人を目標としていて、1日あたりで考えるとそこに届かなかった事が心残りです。その為に、極端な話、“バスケットボールがわからなくても、そこにいればなんとなく楽しい”と思えるような空間を作り上げること、それを今まで届いていなかった層に発信して足を運んでもらうことが今後の課題です。慶應のホームゲームから大学バスケを盛り上げ、日本のバスケットボールを盛り上げていくというマインドをしっかりと引き継いでいきたい」(山﨑代表)と、ここをスタートしてもっと発展させていきたい思いを語ってくれた。
来年の早慶戦は慶應大が幹事校であるだけに、阪口HCも今回の取り組みと得られた成果を「早慶戦にも活かしていきたい」と、意気込む。早慶戦自体もブラッシュアップされて相乗効果を上げていけば、目指している大学からの新しい盛り上がりを実現させていくことも可能ではないだろうか。
写真上:18日、試合前には慶應大側の1階席は満席、対戦する法政大側も半分以上は埋まっていた。2階席まで埋め尽くすのが理想だ。
写真下:早慶戦では応援指導部が通路などで応援を先導するが、このホームゲームはチアがゴール裏に待機するアメリカのカレッジやNBAなどでよく見るスタイル。タイムアウトごとに短い演技を披露した。
※その他ホームゲームの様子は「続きを読む」へ。
[続きを読む]

事前に選手個々のSNSで発信した個人のポスターも貼りだされた。右奥に一般入場者とは別に慶應大生用の入り口を設け、学生たちはこのポスターを見ながら中に入ってくる形でレイアウトされていた。

このホームゲームに合わせて製作されたサークルペイントもお目見え。


ユニコーンのフェイスペイントは有料で実施したが、多くの人だかりができ、部員たちが貼り付けるサポートを行っていた。

応援Tシャツは事前に半分以上が売れていたが、土日の2日間で完売。

17日、慶應大側でサークルを組む白鴎大は、アウェイを跳ね返して勝利した。応援席がこの日の慶應大カラーに合わせて白く染まっているのが分かる。

慶應大側のゴール裏は附属校の生徒たちや応援指導部のチアたちが終始にぎやかに応援。好プレーが出る度に大盛り上がりとなった。

プロのMCは招聘せず、学連の役員である慶應大の柴田篤志がアナウンスを担当。ホームゲームの趣旨を読み上げ、試合中も抑揚をつけたアナウンスで盛り上げに貢献。

チアによるハーフタイムショーでは、18日は慶應大の「K」と法政大の「H」を表現。

チーム応援席には若手OBが揃い、後輩に声援を送った。


18日は会場が紺に染まった。

18日の試合後、附属校生たちが大学部の先輩を囲むサークルがあちこちでできていた。

部員全員による集合写真。

運営にあたったスタッフ。右から4人目が山﨑学生代表。
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