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2015.09.27 (Sun)
【2015リーグ1部】9/27レポート(第8戦)
拓殖大が専修大に逆転負けを喫し
単独首位の座から滑り落ちる
東海大のホームゲームとして大勢の観客が詰めかけたこの日、1部リーグはまたも予期せぬ展開で見る人々を驚かせることになる。前の試合で東海大との死闘を制し、全勝で単独首位に踊りでた拓殖大が、なんと専修大に逆転負けを喫して初黒星。筑波大に続き、拓殖大からも勝利の星を勝ち取った専修大2つ目の金星は、リーグ上位チームの激しい席取りゲームをほぼ振り出しへと戻させてしまった。これによって1部リーグはますます見逃せなくなり、戦いは2巡目でさらに激化しそうだ。
ここまでともに7連敗の国士舘大と白鴎大の対戦は、どちらにとっても取りたい試合。国士舘大は#66馬(3年・C)がこの週欠場したものの、#23寺田(3年・SF)、#32臼井(2年・PF)といったサイズのある選手がこれを埋め、国士舘大らしいアウトサイドシュートも当たって1Qからリード。白鴎大はこの攻撃に守りが追いつかず、2Q以降は持ち直すが1Qの遅れが響いて52-65で国士舘大に勝負あり。ようやくの1勝を手にした。
前日法政大に1点差で勝利という危ない内容だった筑波大は、明治大に対して終始アグレッシブにプレーして91-60。大差をつけて前の試合の悪さを払拭した。
ホームの東海大は法政大を相手に迎え、満員の観客が見守る中、試合に挑んだ。1Qは重い動きで互角の立ち上がりとなるが、法政大は#24加藤(4年・SF)が欠場となるも健闘して1点差。しかし2Q以降は東海大がリードを保って法政大にやりたいようにはやらせず、そのままホームの声援にも後押しされて82-63。ホーム2連勝を守った。
写真上:劇的な勝利を決めて笑顔の専修大の面々。最後のショットを決めた佐々木を皆が囲んだ。
写真下:初勝利を決めた国士舘大。馬が欠場したが臼井がゴール下で奮闘。10得点11リバウンド。国士舘大はここから浮上なるか。
※筑波大・生原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT1】
終盤に均衡を破った青山学院大が
初の連勝で4週目を終える
中盤から下位グループまでさほど差はなく、抜け出したい3勝の青山学院大と2勝の慶應義塾大。1Qから互いに譲らない展開を見せ、最後まで競り合う勝負となった。ロースコア気味に立ち上がった1Qを14-17と慶應大がリードして2Qに入ると、得意の速攻や#4福元(4年・PG)を始めとするアシストも冴え、開始3分で一気に12点差にすることに成功した。青山学院大はターンオーバーが続いてしまうが、#11田中(4年・PF)が3Pを始めアウトサイドから加点し追い上げる。一方の慶應大は途中から得点がストップしてしまい、ターンオーバーが続く間に青山学院大が#21石黒(3年・PF)のドライブからのバスケットカウントを決め、残り1分22秒で同点に追いつく。しかし最後は慶應大が2連続得点で逃げ、30-34の慶應大4点リードで前半を終了。
後半は互いに流れを掴み合うように、点を取り合う形になる。青山学院大はディフェンスを固め、オフェンスリバウンドからの得点が目立つ。慶應大はボールを回し、うまくアシストを生み出し得点。リードが入れ替わりながら最後は#4福元のアシストから#18高橋(2年・PF)がシュートを決めて48-53で慶應義塾大がリードして3Q終了。しかし4Qになると青山学院大のディフェンスも効いてきて簡単には得点が決められなくなる慶應大に対し、青山学院大#24安藤(3年・SF)、#21石黒らが積極的に面を取ってのシュートやドライブなどで加点。残り2分半、#21石黒のミドルシュートで逆転した青山学院大は#18笠井(4年・PG)の3Pで4点のリード。慶應大は#7黒木(4年・PF)のオフェンスリバウンドからの得点で2点差とするが、再び#18笠井に決められ、さらに#21石黒のバスケットカウントで青山学院大が70-62。最後に抜けだして勝利した。
青山学院大はリーグ戦に入って初の2連勝。4勝として下位から中盤の位置固めをしていきたいところ。出足こそ慶應大のバスケットにやられたが、次第に守りを固めて石黒や安藤の働きが良い流れを作った。
慶應大はこの週連敗。足が出ているときは強いが、悪い流れになるとチームのディフェンス、オフェンスがちぐはぐになってしまう悪いクセが出た。競り合いからの負けも多く、チームとしてのバスケットの徹底は鍵だ。
写真:ゴール下で身体を張った青山学院大・田中。チームハイの得点でオフェンスでも貢献。
※青山学院大・石黒選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT2】
前半で10点ビハインドの専修大が
最後の粘りで首位拓殖大を破り再びの金星
全勝で単独首位に立つ拓殖大は、このリーグでは勢いある専修大と対戦。東海大ホームとあって観客席も東海大関係者が多かったせいか、大詰めになるまで非常に淡々と試合が進んでいった。1Qはオフェンスの得意なチーム同士、点の取り合いになり24-23。2Qも専修大は#6渡辺(3年・PF)の速攻が出れば、拓殖大は交代した#13山梨(1年・PG・東海大三)が連続ゴールで流れを作り、#23バンバ(3年・C)も速攻に走るなど、得意な部分を出しあう。しかし専修大は#24田代(4年・PF)が膝を痛めてベンチに下がるアクシデント。終盤に入ると#23バンバの3Pで4点リードになった拓殖大が#13阿部(2年・SG)の速攻などもあって一気に専修大を引き離し、50-40と10点リードで前半終了。
3Q立ち上がり、専修大は#32野口(1年・C・福大大濠)のシュート、#11秋山(2年・PG)の1on1からのジャンパーで差を詰めると、拓殖大は#23バンバのダンク、#29岩田(4年・PF)のオフェンスリバウンドで対抗。専修大は#11秋山、#6渡辺らの3Pも確率よく決まっていくが、拓殖大にもすぐ得点されてなかなか詰め寄るまでにはいかない。さらに残り3分で#32野口がゴール下の争いで床にたたきつけられ交代。専修大は#24田代に続き2人目の退場者を出してしまう。それでも点を取れる選手が多いだけに、シュートでは食らいついていくが、拓殖大も#39成田(3年・SG)の速攻、#99赤石(4年・PF)の3Pで拓殖大が72-66と8点リードで4Qへ。
立ち上がりにフリースローを獲得し、続くルーズボール争いから#6渡辺の3Pが飛び出した専修大が、早い段階で1点差にまで迫ることに成功。拓殖大も逃げるが、#7國分(3年・PF)のシュートで残り6分、専修大は遂に同点に。再度引き離したい拓殖大だが、ここからファウルコールが続くと少しずつ自分たちのリズムを失っていく。残り2分半、専修大は#65佐々木(2年・PF)がオフェンスリバウンドからのバスケットカウントを獲得するが、これで拓殖大の#99赤石が退場に。得点は87-88の専修大リードとなる。ここから拓殖大は外を打っていくが、焦りからか決まらず、リバウンドも押さえられない。残り2分、ペイントに切れ込んだ#12岩野(4年・PG)からのボールが#6渡辺に渡り専修大は3点のリード。さらに残り17.2秒で#65佐々木の3Pがネットに吸い込まれ、87-93に。拓殖大は#13阿部が残り6.1秒でフリースローを得るが、逆転するには至らず89-92で試合終了。専修大が再び上位チームを倒し、その奮闘ぶりに引きこまれた会場からも大きな拍手が送られた。
どちらに転んでもおかしくない展開だったが、専修大の得点力で互角の勝負に持ち込み、終盤の集中力が拓殖大に勝った。ファウルトラブルに見舞われた拓殖大はそこからの流れを好転させることができずに終わった。
写真上:試合終盤、大事なシュートを決めた佐々木。
写真下:東海大戦でもいいシュートを決めた拓殖大のルーキー山梨。この試合でも15分の出場で7点を決めた攻撃型ガードだ。
「チームを助けるためにどんどんアタックする」
自覚を持ってチームのために挑む
◆#21石黒 岳(青山学院大・3年・PF)
鋭いドライブを何度も決めて、慶應大との接戦から抜け出すきっかけを作った。このリーグ戦では第2戦でも勝負を決めるミドルシュートを沈めるなど、14点9リバウンドの働きでチームを助け、バスケットカウントを獲得するプレーはそれ以上にチームを勇気づけるものになった。リーグ初勝利となった試合でも、石黒のジャンパーが勝利の決め手となったシーンがあっただけに、ここからもまだまだチームに貢献する姿を見せてもらえそうだ。
−出だしから点数的には差がない状態でしたが、途中で慶應大に一気にリードされる展開でした。
「途中からというよりは出だしから相手のトランジションには気をつけようと言っていたのに、走られてハリバックできなくて、どんどん相手の展開に持っていかれてしまいました。でもそれをハーフタイムにみんなで抑えようと締め直しました。前半は相手の展開だったのでみんな萎縮していたんですけど、後半はどんどんアタックをかけようということで、自分もアタックしてリングに向かうようにしました」
−広瀬HCもベンチでかなり声を上げていましたが、どこがうまくいかなかったですか?
「やはり相手に走られてしまっていたことですね。慶應は速い展開でもっていってどんどん3Pなどを打ってくるし、それが入ると強いチームなのでそれだけはやられないようにと言われていたのに、やられてしまいした」
−後半は逆に石黒選手のドライブなど、積極的に攻めたことがかなり良かったのではないかと思いますが。
「リーグ戦に入ってから、練習からもそうですが、広瀬さんにはどんどん点を取りに行けとか、アタックを仕掛けろと言われています。笠井さん(#18)や安藤(#24)の負担がいつも大きいので、点が取れなくなるといつもそこで止まってしまうんです。だから自分もチームを助けるためにどんどんアタックを仕掛けようと意識していました。相手が同じポジションの相手だったので、ドライブは仕掛けられるかなと思いました」
−アウトサイドも田中選手(#11)なども大事なところで入りましたが、夏はかなり練習をしてきたと聞いています。成果が出てきた感じはしますか?
「夏は4部練習とかで朝から夜までずっとやってきたので、やっと少しずつ報われてきているなと思います」
−リーグ戦も約半分を消化して、ここまでいい試合と悪い試合がはっきりしていますね。それはどう感じていますか?
「いい試合のときはみんな最初から気持ちも入っていて、アタックを仕掛けるし、逃げずにリングに向かっていっていると思います。激しいディフェンスをしてそこから走るのがスタイルだし、いいディフェンスができたときはブレイクにつながって試合にも勝てることが多いと思います」
−波を減らしてここから上がっていきたいとことですが、何が大事ですか?
「やっぱりディフェンスをせっかく頑張っても、球際が大事です。それは常々広瀬さんにも言われているし、チームに大事にしていることです。そういった球際のプレーは下手でもできることなので、ルーズボールに飛び込むだとか、相手にリバウンドを取らせないとか、そういったことを徹底して波を減らしていきたいと思います」
−今週は連勝で終えられました。
「初めての連勝なので良かったです」
----------------------------------------
「自分たちに失うものは何もない」
思い切りの良さが好調の秘訣
◆#6渡辺 竜之佑(専修大・3年・PF)
ガードとしてのボール運びからシュート、そしてリバウンドまでオールラウンドの活躍を見せる。昨年同様、リバウンドでは187cmの身長ながら驚異的な本数を獲得し、第4週終了時点で拓殖大のバンバに次いで10本差の2位につける。さらに、今年は昨年よりもアウトサイドの確率が向上し、得点ランキングでもバンバに次いで2位の成績だ。自分ではリバウンド以外はそこまで注力していないようだが、渡辺のプレーぶりがチームを大きく左右するのは確か。ここからも存在感を示せるか。
−先週、拓殖大が東海大にいいゲームをして勝った訳ですが、そのチームに対してどう挑もうと?
「拓殖はこの大会勝ってきています。でも自分たちもいいスタートを切れていました。勝ちには何かと考えたら結局ディフェンスとリバウンドだなと監督にも言われたし、それができたと思います」
−今年のチームはオフェンスが目立つ部分はあるのですが、今日のディフェンスはどこを意識していましたか?
「今日はバンバ(#23)のところを徹底的に抑えるのが第一で、次に外角の3Pですね。そこまでバンバにはやられなかったとは思います」
−前半は互いに点は取りましたが、なんだか重い印象もありました。
「自分はスロースタートな感じがあります。チームとしてもそんなにガンガンはいきませんでしたね。自分は体力がないのでスローなゲームの方が好きなんですけど、チーム的にはそうはいかないので。リバウンドを取って速攻というのは絶対にやらなきゃいけないことなので、頑張ってはいますが」
−でも今年のチームはかなり走れている印象です。
「でも自分は走ってないですけどね(笑)。周りが走ってくれるのでありがたいです」
−途中で田代選手(#24)が下がってしまって危ないかなと思いましたが、よく最後まで粘って戦いました。
「後半は出ないと言われたのでどうかなとは思いましたが、自分たちでやれと言われたし、それができました。逆に一致団結できたようにも思います。切り替えてやれたのが一番良かったです」
−終盤のフリースローを2本外したときはちょっとひやっとしましたが。
「そうなんです、そこの確率は良くないんですよね。最後に決めた健登(#65佐々木)も外はそんなにないので奇跡ですね(笑)」
−専修大はみんな攻撃できる選手たちですが、渡辺選手は昨年よりも外のシュートの確率がかなりいいのではないでしょうか?
「自分、そんなに外のシュートは得意じゃないんですけどね。外がない、外がないと周りからも言われてきたし、それが悔しくて個人練習ではシュートを多めにやってきました」
−もちろんリバウンドもすごいですけれど。
「そこはバンバに勝ちたいです」
−渡辺選手のサイズで、なぜあんなにリバウンドを取れるのか不思議ですが、どういうタイミングで入っていくのですか?
「例えば、シュートを打つ選手の後ろについていって、ボールを見て予想して取るのがやり方です。だいたいついていけば取れますよ(笑)。リバウンドは自分の取り柄なので、そこは本当に狙ってやっています」
−それでも簡単そうに取れるのはすごいです。でも今日は10点ビハインドなのに拓殖大相手によく追いついていきました。
「自分たちは失うものは何もないとリーグ戦が始まる前から言われていたので、それだったらもう思い切りぶつかっていこうと。そういう気持ちでみんなもやってきました」
−今年は台風の目のようになっていますね。
「自分でもびっくりします。筑波とか拓殖に勝つって本当に驚きです。あと東海も倒せればいいんですけどね」
−それを成し遂げれば本当に凄いですね。ここからも楽しみにしています。
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「一人ひとりが責任感を持ってプレーしなければ」
コートに立つ自覚の有無が勝敗を分ける
◆#46生原秀将(筑波大・3年・PG)
攻撃型の司令塔として、今年は得点でも試合に絡んでいる。チームは夏は遠征でも好調だったが、反対にリーグ戦に入ってややもどかしい試合が続き、良好な状態とは言えない。しかしそれをどうにか引き締め直すには、やはりコートに出ている司令塔の自分の責任は大きいと感じているようだ。強さとは心・技・体そろってこそのもの。それをいかに充実させるかどうか、まだまだ若く成長途上にあるチームに対しどうやって体得させていくか。既に2敗して後のない筑波大には個人の自覚も必要だが、リーダーとして生原の力も問われるだろう。
−ほぼリーグ戦を半分消化して、前日の法政大戦はあまり良くなく、今日は良い調子で勝ててという2試合でした。ここまでのリーグ戦を振り返っていかがですか?
「夏に台湾に行って、大会で優勝などをして自信がついたのはいいんですけど、逆に試合慣れしすぎたというか。オフがなくてずっと試合をやっていたので、これぐらいでいいだろうという、自分たちで手を抜くというのではないんですが、どこか調整しながら試合を戦っているという感じになっています。そこで離せる所で離せず、相手に勢いに乗られたら相手のペースになるということが多くて、そこが本当に今の僕たちの課題です。2週目に専修大に負けて、そこで本当に僕たちは弱いんだという風にみんなで話し合って締めるところは締めてやってはきました。昨日の法政大戦も良くはなかったんですけど、前向きに言えば負けてはないので。負けていれば専修大戦と同じだし、少しは進歩したのかなとは考えています」
−チームの能力としては確かなものがあるはずなので、そこをどう出すかというのは課題のようですね。生原選手は今年はスタメンで1番ポジションを務める訳ですが、だからこそメンバーにどうやってほしいというのは?
「下級生たちは、能力はあるんですけど、自分たちで崩す力はそこまでなくて。昨年も笹山さん(昨年度主将・現NBL三菱)がうまく、あいつらがやりたいようなバスケットをやらせてくれていたんですよね。実際に今年ボールを持って1対1で崩せているかといえばそうではないし、それはやっぱりディフェンスが厳しいというのもあります。だから僕がもう少しフォーメーションを始め、どういった意図を持って展開すればあいつらが気持ちよくバスケットができるのか、あいつらがボールを持っていないところであいつらをどう動かすかが課題であり、チームの課題です。自分にもコントロール能力がつけば、試合は楽になると思います」
−吉田監督も試合中からよく生原選手に指示を出していますね。普段どういったことを言われていますか?
「僕は間違いなく得点力を買われて試合に出ていると思います。笹山さんはどちらかといえばコントロール力でした。去年はふたりでバランス良くやれていたんですが、今年は僕が得点を取りながらコントロールもしないといけません。先生はもっとブレイクを出そうとしています。僕らは走れば勝てるので、それをやりたいんですけど、ディフェンスが良くないと相手に決められて終わってしまうのでオフェンスというより、ディフェンスが課題だなと思います」
−全体的にサイズがあるのにリバウンドで絡めない時間などもありますね。
「そこはインサイドに任せきりとか、ブレイクだったら馬場(#6)や満田(#2)に任せちゃうとかそういうことが原因です。だからそこを全員でやれば間違いなく勝てるので、一人ひとりが責任感を持ってプレーする必要があると思います」
−責任の所在が少し曖昧な印象もあるのですが。
「そこはそうですね。2年は去年はルーキーで自由にやらせて怒られることもなかったんですけど、今年は責任感を持ってやらないといけないので、それをしっかり締めないといけないです。自分も言うときは言うんですが、まだ下級生らしい部分が出てしまいますね」
−次の東海大は甘くない相手ですが、そういう課題を踏まえてどうやって戦いますか。
「今日の試合は本当に悪くなかったので、このバスケットの感覚、守って走るという僕らのバスケットをやりたいです。オフェンスがあまり成功しなくても考えずにやることですね。東海は小さいですがリバウンドにも全員が飛び込んで触ってくるので、そこをしっかりと自分たちのボールにすれば自分たちに勝機はあります。でもそこで触られたり、ルーズボールを取られたりすると相手にペースがいってしまうので、そこは泥臭さを徹底したいです」
単独首位の座から滑り落ちる


前日法政大に1点差で勝利という危ない内容だった筑波大は、明治大に対して終始アグレッシブにプレーして91-60。大差をつけて前の試合の悪さを払拭した。
ホームの東海大は法政大を相手に迎え、満員の観客が見守る中、試合に挑んだ。1Qは重い動きで互角の立ち上がりとなるが、法政大は#24加藤(4年・SF)が欠場となるも健闘して1点差。しかし2Q以降は東海大がリードを保って法政大にやりたいようにはやらせず、そのままホームの声援にも後押しされて82-63。ホーム2連勝を守った。
写真上:劇的な勝利を決めて笑顔の専修大の面々。最後のショットを決めた佐々木を皆が囲んだ。
写真下:初勝利を決めた国士舘大。馬が欠場したが臼井がゴール下で奮闘。10得点11リバウンド。国士舘大はここから浮上なるか。
※筑波大・生原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT1】
終盤に均衡を破った青山学院大が
初の連勝で4週目を終える

後半は互いに流れを掴み合うように、点を取り合う形になる。青山学院大はディフェンスを固め、オフェンスリバウンドからの得点が目立つ。慶應大はボールを回し、うまくアシストを生み出し得点。リードが入れ替わりながら最後は#4福元のアシストから#18高橋(2年・PF)がシュートを決めて48-53で慶應義塾大がリードして3Q終了。しかし4Qになると青山学院大のディフェンスも効いてきて簡単には得点が決められなくなる慶應大に対し、青山学院大#24安藤(3年・SF)、#21石黒らが積極的に面を取ってのシュートやドライブなどで加点。残り2分半、#21石黒のミドルシュートで逆転した青山学院大は#18笠井(4年・PG)の3Pで4点のリード。慶應大は#7黒木(4年・PF)のオフェンスリバウンドからの得点で2点差とするが、再び#18笠井に決められ、さらに#21石黒のバスケットカウントで青山学院大が70-62。最後に抜けだして勝利した。
青山学院大はリーグ戦に入って初の2連勝。4勝として下位から中盤の位置固めをしていきたいところ。出足こそ慶應大のバスケットにやられたが、次第に守りを固めて石黒や安藤の働きが良い流れを作った。
慶應大はこの週連敗。足が出ているときは強いが、悪い流れになるとチームのディフェンス、オフェンスがちぐはぐになってしまう悪いクセが出た。競り合いからの負けも多く、チームとしてのバスケットの徹底は鍵だ。
写真:ゴール下で身体を張った青山学院大・田中。チームハイの得点でオフェンスでも貢献。
※青山学院大・石黒選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT2】
前半で10点ビハインドの専修大が
最後の粘りで首位拓殖大を破り再びの金星

3Q立ち上がり、専修大は#32野口(1年・C・福大大濠)のシュート、#11秋山(2年・PG)の1on1からのジャンパーで差を詰めると、拓殖大は#23バンバのダンク、#29岩田(4年・PF)のオフェンスリバウンドで対抗。専修大は#11秋山、#6渡辺らの3Pも確率よく決まっていくが、拓殖大にもすぐ得点されてなかなか詰め寄るまでにはいかない。さらに残り3分で#32野口がゴール下の争いで床にたたきつけられ交代。専修大は#24田代に続き2人目の退場者を出してしまう。それでも点を取れる選手が多いだけに、シュートでは食らいついていくが、拓殖大も#39成田(3年・SG)の速攻、#99赤石(4年・PF)の3Pで拓殖大が72-66と8点リードで4Qへ。

どちらに転んでもおかしくない展開だったが、専修大の得点力で互角の勝負に持ち込み、終盤の集中力が拓殖大に勝った。ファウルトラブルに見舞われた拓殖大はそこからの流れを好転させることができずに終わった。
写真上:試合終盤、大事なシュートを決めた佐々木。
写真下:東海大戦でもいいシュートを決めた拓殖大のルーキー山梨。この試合でも15分の出場で7点を決めた攻撃型ガードだ。
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【INTERVIEW】「チームを助けるためにどんどんアタックする」
自覚を持ってチームのために挑む
◆#21石黒 岳(青山学院大・3年・PF)

−出だしから点数的には差がない状態でしたが、途中で慶應大に一気にリードされる展開でした。
「途中からというよりは出だしから相手のトランジションには気をつけようと言っていたのに、走られてハリバックできなくて、どんどん相手の展開に持っていかれてしまいました。でもそれをハーフタイムにみんなで抑えようと締め直しました。前半は相手の展開だったのでみんな萎縮していたんですけど、後半はどんどんアタックをかけようということで、自分もアタックしてリングに向かうようにしました」
−広瀬HCもベンチでかなり声を上げていましたが、どこがうまくいかなかったですか?
「やはり相手に走られてしまっていたことですね。慶應は速い展開でもっていってどんどん3Pなどを打ってくるし、それが入ると強いチームなのでそれだけはやられないようにと言われていたのに、やられてしまいした」
−後半は逆に石黒選手のドライブなど、積極的に攻めたことがかなり良かったのではないかと思いますが。
「リーグ戦に入ってから、練習からもそうですが、広瀬さんにはどんどん点を取りに行けとか、アタックを仕掛けろと言われています。笠井さん(#18)や安藤(#24)の負担がいつも大きいので、点が取れなくなるといつもそこで止まってしまうんです。だから自分もチームを助けるためにどんどんアタックを仕掛けようと意識していました。相手が同じポジションの相手だったので、ドライブは仕掛けられるかなと思いました」
−アウトサイドも田中選手(#11)なども大事なところで入りましたが、夏はかなり練習をしてきたと聞いています。成果が出てきた感じはしますか?
「夏は4部練習とかで朝から夜までずっとやってきたので、やっと少しずつ報われてきているなと思います」
−リーグ戦も約半分を消化して、ここまでいい試合と悪い試合がはっきりしていますね。それはどう感じていますか?
「いい試合のときはみんな最初から気持ちも入っていて、アタックを仕掛けるし、逃げずにリングに向かっていっていると思います。激しいディフェンスをしてそこから走るのがスタイルだし、いいディフェンスができたときはブレイクにつながって試合にも勝てることが多いと思います」
−波を減らしてここから上がっていきたいとことですが、何が大事ですか?
「やっぱりディフェンスをせっかく頑張っても、球際が大事です。それは常々広瀬さんにも言われているし、チームに大事にしていることです。そういった球際のプレーは下手でもできることなので、ルーズボールに飛び込むだとか、相手にリバウンドを取らせないとか、そういったことを徹底して波を減らしていきたいと思います」
−今週は連勝で終えられました。
「初めての連勝なので良かったです」
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「自分たちに失うものは何もない」
思い切りの良さが好調の秘訣
◆#6渡辺 竜之佑(専修大・3年・PF)

−先週、拓殖大が東海大にいいゲームをして勝った訳ですが、そのチームに対してどう挑もうと?
「拓殖はこの大会勝ってきています。でも自分たちもいいスタートを切れていました。勝ちには何かと考えたら結局ディフェンスとリバウンドだなと監督にも言われたし、それができたと思います」
−今年のチームはオフェンスが目立つ部分はあるのですが、今日のディフェンスはどこを意識していましたか?
「今日はバンバ(#23)のところを徹底的に抑えるのが第一で、次に外角の3Pですね。そこまでバンバにはやられなかったとは思います」
−前半は互いに点は取りましたが、なんだか重い印象もありました。
「自分はスロースタートな感じがあります。チームとしてもそんなにガンガンはいきませんでしたね。自分は体力がないのでスローなゲームの方が好きなんですけど、チーム的にはそうはいかないので。リバウンドを取って速攻というのは絶対にやらなきゃいけないことなので、頑張ってはいますが」
−でも今年のチームはかなり走れている印象です。
「でも自分は走ってないですけどね(笑)。周りが走ってくれるのでありがたいです」
−途中で田代選手(#24)が下がってしまって危ないかなと思いましたが、よく最後まで粘って戦いました。
「後半は出ないと言われたのでどうかなとは思いましたが、自分たちでやれと言われたし、それができました。逆に一致団結できたようにも思います。切り替えてやれたのが一番良かったです」
−終盤のフリースローを2本外したときはちょっとひやっとしましたが。
「そうなんです、そこの確率は良くないんですよね。最後に決めた健登(#65佐々木)も外はそんなにないので奇跡ですね(笑)」
−専修大はみんな攻撃できる選手たちですが、渡辺選手は昨年よりも外のシュートの確率がかなりいいのではないでしょうか?
「自分、そんなに外のシュートは得意じゃないんですけどね。外がない、外がないと周りからも言われてきたし、それが悔しくて個人練習ではシュートを多めにやってきました」
−もちろんリバウンドもすごいですけれど。
「そこはバンバに勝ちたいです」
−渡辺選手のサイズで、なぜあんなにリバウンドを取れるのか不思議ですが、どういうタイミングで入っていくのですか?
「例えば、シュートを打つ選手の後ろについていって、ボールを見て予想して取るのがやり方です。だいたいついていけば取れますよ(笑)。リバウンドは自分の取り柄なので、そこは本当に狙ってやっています」
−それでも簡単そうに取れるのはすごいです。でも今日は10点ビハインドなのに拓殖大相手によく追いついていきました。
「自分たちは失うものは何もないとリーグ戦が始まる前から言われていたので、それだったらもう思い切りぶつかっていこうと。そういう気持ちでみんなもやってきました」
−今年は台風の目のようになっていますね。
「自分でもびっくりします。筑波とか拓殖に勝つって本当に驚きです。あと東海も倒せればいいんですけどね」
−それを成し遂げれば本当に凄いですね。ここからも楽しみにしています。
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「一人ひとりが責任感を持ってプレーしなければ」
コートに立つ自覚の有無が勝敗を分ける
◆#46生原秀将(筑波大・3年・PG)

−ほぼリーグ戦を半分消化して、前日の法政大戦はあまり良くなく、今日は良い調子で勝ててという2試合でした。ここまでのリーグ戦を振り返っていかがですか?
「夏に台湾に行って、大会で優勝などをして自信がついたのはいいんですけど、逆に試合慣れしすぎたというか。オフがなくてずっと試合をやっていたので、これぐらいでいいだろうという、自分たちで手を抜くというのではないんですが、どこか調整しながら試合を戦っているという感じになっています。そこで離せる所で離せず、相手に勢いに乗られたら相手のペースになるということが多くて、そこが本当に今の僕たちの課題です。2週目に専修大に負けて、そこで本当に僕たちは弱いんだという風にみんなで話し合って締めるところは締めてやってはきました。昨日の法政大戦も良くはなかったんですけど、前向きに言えば負けてはないので。負けていれば専修大戦と同じだし、少しは進歩したのかなとは考えています」
−チームの能力としては確かなものがあるはずなので、そこをどう出すかというのは課題のようですね。生原選手は今年はスタメンで1番ポジションを務める訳ですが、だからこそメンバーにどうやってほしいというのは?
「下級生たちは、能力はあるんですけど、自分たちで崩す力はそこまでなくて。昨年も笹山さん(昨年度主将・現NBL三菱)がうまく、あいつらがやりたいようなバスケットをやらせてくれていたんですよね。実際に今年ボールを持って1対1で崩せているかといえばそうではないし、それはやっぱりディフェンスが厳しいというのもあります。だから僕がもう少しフォーメーションを始め、どういった意図を持って展開すればあいつらが気持ちよくバスケットができるのか、あいつらがボールを持っていないところであいつらをどう動かすかが課題であり、チームの課題です。自分にもコントロール能力がつけば、試合は楽になると思います」
−吉田監督も試合中からよく生原選手に指示を出していますね。普段どういったことを言われていますか?
「僕は間違いなく得点力を買われて試合に出ていると思います。笹山さんはどちらかといえばコントロール力でした。去年はふたりでバランス良くやれていたんですが、今年は僕が得点を取りながらコントロールもしないといけません。先生はもっとブレイクを出そうとしています。僕らは走れば勝てるので、それをやりたいんですけど、ディフェンスが良くないと相手に決められて終わってしまうのでオフェンスというより、ディフェンスが課題だなと思います」
−全体的にサイズがあるのにリバウンドで絡めない時間などもありますね。
「そこはインサイドに任せきりとか、ブレイクだったら馬場(#6)や満田(#2)に任せちゃうとかそういうことが原因です。だからそこを全員でやれば間違いなく勝てるので、一人ひとりが責任感を持ってプレーする必要があると思います」
−責任の所在が少し曖昧な印象もあるのですが。
「そこはそうですね。2年は去年はルーキーで自由にやらせて怒られることもなかったんですけど、今年は責任感を持ってやらないといけないので、それをしっかり締めないといけないです。自分も言うときは言うんですが、まだ下級生らしい部分が出てしまいますね」
−次の東海大は甘くない相手ですが、そういう課題を踏まえてどうやって戦いますか。
「今日の試合は本当に悪くなかったので、このバスケットの感覚、守って走るという僕らのバスケットをやりたいです。オフェンスがあまり成功しなくても考えずにやることですね。東海は小さいですがリバウンドにも全員が飛び込んで触ってくるので、そこをしっかりと自分たちのボールにすれば自分たちに勝機はあります。でもそこで触られたり、ルーズボールを取られたりすると相手にペースがいってしまうので、そこは泥臭さを徹底したいです」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
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