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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2015.06.25 (Thu)

【2015新人戦】6/14 7位決定戦 慶應義塾大VS東洋大

競り合いながらも終盤にリードを奪った東洋大が
7位で新人戦を終え、慶應大は2009年同様8位


150614enoki.jpg 7位決定戦に挑んだ慶應義塾大東洋大。東洋大は大会が進むにつれて調子を上げ、慶應大は主将のトカチョフがチームを引っ張るものの、1年、2年ともに出る選手がよく貢献して久しぶりのベスト8入りだ。試合は東洋大がリードを保ちながらも、最後まで分からない展開となった。

 立ち上がり、1Qは慶應大がファウルが続いた。ここまでの試合もゲームの入りに重い傾向はあるが、得点源の#4トカチョフ(2年・CF)のところを封じられ、点が思ったようには伸びない。東洋大もシュート確率は良くないものの、じわじわと得点を重ね、最後は#54マッカーサー(1年・PF・デイナヒルズ)がオフェンスリバウンドからシュートを決める活躍を見せ、1Qは19-17の慶應大2点リード。

 1Q終盤の流れのまま、2Qもシーソーゲームは続く。慶應大は#8高橋(2年・F)のミドルシュートに、#6加藤(2年・G)のスティールから#4トカチョフへの速攻を出すことに成功。しかし東洋大も#30川上(1年・SG・市立船橋)の得点などで食らいつく。大きく点差が離れないままゲームは進むが、慶應大は残り3分でのオフェンスが停滞。一方の東洋大は#54マッカーサーがゴール下で粘り、34-40とリードして前半を終えることに成功した。

150614kimura.jpg 3Q立ち上がり、東洋大は#7大野(1年・PG・市立柏)の連続3Pで10点のリードに成功。しかしその後はオフェンスがうまくいかず、逆に慶應大は#9堂本(2年・F)のシュートなどで追い上げ、50-55と5点差に詰めて4Qへ。一気に追い付きたい慶應大だが、4Qもゴール下の得点チャンスがなかなかない。それでも#4トカチョフの3Pで残り5分に1点差にすると、そこからは分からない展開となった。追い付かせたくない東洋大は#29岩淵(2年・G)のドライブが決まり、#7大野の3Pが再び炸裂。慶應大も#7木村(2年・CF)がフリースロー、フックなどゴール下で粘る。残り45秒、#8高橋のシュートで1点差に迫った慶應大。東洋大は残り19秒に#33平(2年・C)にボールが渡り65-68と3点のリードに。慶應大は残り時間でオフェンスをミス、最後は東洋大#29岩淵が獲得したフリースローを1本決めて65-69で試合終了。東洋大が僅差の試合を制した。

150614toyo.jpg 東洋大は狙い通りインサイドでトカチョフを抑え、思ったようにはプレーさせなかった。また、荒削りなものの、大会が進むにつれて存在感が増してきたマッカーサーが大事な場面でオフェンスリバウンドに貢献したのも光った。

 慶應大は順位決定戦に入ってからアウトサイドの確率が降下。試合の流れを変えるようなシュートを決められていない。また、この最終戦はほぼ2年生のみでの戦いとなり、終盤は動きも重くなった。それでも全5試合200分を出場し通したトカチョフはタフに戦い、リバウンド王と得点王を受賞。昨年より頼もしさを増した。勝ち切れない面も見えたが、早慶戦をこなしつつベスト8に入るのは簡単ではないだけに、結果ではなく経験を大事にしたいところだろう。

写真上:東洋大は岩淵がケガをして以降は副キャプテンの榎がチームを支えた。
写真中:インサイドで踏ん張った慶應大・木村。
写真下:勝利の流れに、東洋大ベンチも盛り上がった。

※東洋大・岩淵選手、マッカーサーJr.選手、慶應義塾大・高橋選手、澤近選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「7位は全員が出し切った結果」
実り多き7位にまずは満足

◆#29岩淵俊也(東洋大・2年・G)
150614iwabuchi.jpgベスト8決めの試合で足を傷める不運に見舞われたが、大会最終日に痛みを押して復帰。目コーチと再三コミュニケーションを取ったり、要所で得点をもぎ取るなど、ガードとして、主将として役割を果たした。初戦をダブルオーバータイムの末に勝ち上がり、最終日まで試合ができたことで得たものは大きい。チームを底上げし、長期戦のリーグ戦に備える。


―勝って大会を締めくくりました。今のお気持ちは。
「この大会で成長したこと、得たものが本当にたくさんあります。7位という結果を残せたのも、自分たちが練習でやってきたことをすべて出し切った結果なので、素直に嬉しいです」

―試合を重ねるごとに、チームのよさが出せるようになっていったように見えました。
「最初は、1Qはよくても2Qに崩れてしまう、という感じだったのですが、試合をするごとに我慢する力とか、調子が落ちたときに立て直す力とかがついてきました。初戦で苦しみながらも勝った(※神奈川大とダブルオーバータイム)からこそ、勢いに乗ってここまでこられたという感じです。スタートの5人だけとか、試合に出ているメンバーだけとかではなく、全員でやった結果なので、本当に満足しています」

―慶應大との対戦となった7位決定戦は、どのような作戦で臨んだのでしょうか。
「まず相手のポイントゲッターが4番(トカチョフ)なので、そこは止めないといけないだろうと。慶應のデータを見ると、彼が2~30点取ったときは勝っているんです。だから彼にボールが入った時点でダブルチームに行くことにしました。そこからのパスについては、中は1回収縮してゴール下シュートはやらせないようにして、外からのシュートはパスが出た瞬間に戻ればいいからということで、とにかく4番を止めに行きました。それがうまくいったと思います」

―一方のオフェンスについては、4Q1点差の場面で岩淵選手のドライブが決まったのが大きかったのでは。
「点差が詰まってきて、やらなくちゃいけない場面だという自覚がありました。もちろんそれまでも要所でアシストや得点を取りにいっていたんですが、とくに勝負所は自分が行かなければと思っていたので、迷わず自分で行きました」

―岩淵選手個人としては、一昨日の準々決勝は2分弱の出場に留まり、昨日の順位決定戦は欠場でした。
「11日の明治学院戦でケガをしてしまって。実は去年もケガで出られなかったので今年は思い切りプレーしたいと思っていたんです。なのにまたケガしてしまって、さすがにちょっと気持ちが落ちたんですが、新人戦は今年で最後だから、最後くらい痛くても出ることにしました。痛み止めを飲んで、テーピングガチガチで。まあ、試合をやっている間はバスケのほうに夢中なので、そんなに気にならなかったです」

―岩淵選手がコートに立てない間も、榎選手(#31)が声を出したり2年生がカバーしていましたね。
「自分がキャプテン、榎は副キャプテンだったのですが、榎は練習中から常に声を出しているやつなんです。榎が支えてくれたから、自分がいなくても別にそんなに崩れることはなかったです。榎だけでなく、試合に出ているメンバー一人ひとりが自覚を持ち始めていました。だから、『おまえがいなくなってダメージがあった』と皆は言ってくれましたが、困ることはなかったかなと。昨日、一昨日と試合には負けてしまいましたが、いい経験としてプラスに捉えていけばいいかなと思います」

―1年生の頑張りは2年生から見てどうでしたか。
「1年生に救われた場面が多いですね。スタートで出ている杉田(#35・市立船橋)、昨日の脳震盪で今日は出られなかったですが佐久間(#28・東海大相模)、エリックマッカーサー(#54・デイナヒルズ)、自分に代わってスタートになった大野(#7・市立柏)、川上(#30・市立船橋)たちが大事な場面で点数やリバウンド取ってくれたり活躍してくれたので、本当に助けられました」

―この収穫を、秋にどのようにつなげていきますか?
「全体チームとしてまた一からのスタートになりますが、この大会で個人個人が得たことはたくさんあるので、それを練習の中で発揮して、1・2年の中でひとりでも多くリーグ戦で活躍できるメンバーがいればと思います」

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「自分の仕事をするだけ」
上々の日本バスケデビュー

◆#54マッカーサー・エリック・ジュニア(東洋大・1年・PF・デイナヒルズ)
150614McARTHUR1.jpgがむしゃらにボールに飛びついていく、ルーキーらしいプレイが印象的だ。7位決定戦では速攻でトラベリングを犯してしまう場面もあったが、表情豊かに悔しがる様子にチームメイトも会場も和み、結果的に悪い空気を引きずらなかった。実はバスケット歴は1年半余りと未完成な選手で、これからに期待が高まる。ちなみに、名前と顔立ちでピンと来た方もいるかもしれないが、父親は2007年までアイシン精機(当時)他で活躍したエリック・マッカーサー氏。父親を彷彿とさせる献身的なプレイスタイル、周囲に愛されるキャラクターは一見の価値ありと言える。


―今日は佐久間選手(#28)に代わってスタメンでしたが、目監督にはどんなことを言われていましたか。
「リバウンドとルーズボールを頑張ることと、相手の4番(慶應大#4トカチョフ)に絶対にバスカンをさせるなということです。できるだけファールせず、点数を抑えようと臨みました」

―リバウンドを頑張っていましたね。
「はい、頑張りました。僕はあまり技術は持っていないので、とにかく身体能力で頑張って、リバウンドを取るという自分の仕事をやろうと考えていました」

―点も取って、ダブルダブルです。
「それもリバウンドが取れたからです」

―岩淵キャプテンのケガもあり、1年生が多くコートに立ちましたが、1年生の皆さんはどんな気持ちだったのでしょうか。
「やっぱり2年生にとってこれが最後の(新人戦での)試合だから、絶対に勝たなければいけないという思いで入りました。もちろん自分自身のためにも頑張りましたが、2年生のためにという気持ちがありました」

―ところで、もしかしてお父さんは元日本代表のエリック・マッカーサー氏でしょうか?
「はい、そうです。小さいときは日本とアメリカを行ったり来たりで、小学校5年生から高校を卒業するまではアメリカで過ごしました。アメリカの高校は4年制なのですが、1年生のときにバスケを始めました。ただ、2年の途中でケガをしてしまって2・3年生の間はプレーできず、4年生でやっとプレイに集中できるようになりました。なので、バスケの経験はまだ1年半くらいです。大学を日本にした理由は、アメリカだと家で甘えてしまいそうだったので。日本に来れば何でも全部ひとりでやらなければならず、早く大人として自立できるだろうと、両親とも相談して決めました。東洋大を目指したのは、コーチの中嶋さんが、お父さんがNKKでプレイしていたときのマネージャーで、お世話になった縁からです。高校を卒業して去年の7月に日本に来て、実はリーグ戦を観戦していました」

―昨年のリーグ戦のとき、2部の会場でお見かけしたと思います。東洋大の試合を見ていましたね。
「そうです。入ることも決まっていたので」

―すると、既に昨年から顔は合わせていた訳ですが、それでも深い知り合いのいない中にひとりで入ることになったわけですね。でもとても馴染んで見えます。
「そう、自分だけ全然知り合いがいませんでした。そこはお父さんから、フレンドリーに行けとアドバイスされたんです。見た目が怖いってよく言われるので、とりあえず笑顔で、皆と友達になれって」

―同じ学生バスケと言っても、日本とアメリカのバスケは全く違うのではないでしょうか?
「違いますね。日本の練習は走るメニューが多くて、正直ちょっときついですが、大体慣れました。アメリカだと走るときは走りますが、スキル練習やシューティング、練習試合が多いんです」

―これからどのようなプレイヤーを目指していきますか。
「来年は3番ポジションをやりたいと思っています。でも今はシュートはちょっと入るものの、ドリブルとかは全くできないので、今年はとにかくディフェンスとリバウンドを頑張ります。リーグ戦でも、自分ができることで貢献したいです」

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「ここから頑張っていきたい」
1年ぶりの復帰を成長のきっかけに

◆#8高橋 晃史郎(慶應義塾大・2年・F)
150614takahashi.jpg慶應義塾高校出身でU-18トップエンデバーにも入った実力の持ち主だが、バスケット部への入部は大学2年になってからとなる。昨年1年間はバスケットをしていなかったため、現在はプレーの勘を取り戻すべく、努力しているところだ。
今大会はプレー的には納得はいった内容ではないが、高校時代に切磋琢磨してきた選手たちと戦ったことで、バスケットに対する気持ちを引き締め直せた部分は大きいだろう。シュートの上手さや幅のある体など、慶應大にとっては大きな戦力であるだけに、秋以降の活躍を楽しみにしたい。


―新人戦でようやく長くプレーすることになりました。昨年はバスケット自体はやっていたのでしょうか?
「全くやっていません。だからこの大会を通して『あの高校だった選手だ』という人たちを相手にして、懐かしい気持ちもあったし、そういう人たちが上手くなっていて、昨年1年バスケットをしていなかった分、これから取り戻すために頑張ろうと思えた機会になりました。8位でしたがこれをチャンスだったと捉えてここから頑張っていきたいです」

―ではバスケットは今年シーズンインしてからということになりますか?
「そうです。3月半ばから本格的に始めました。ウエイト的にも走る面でも、まだまだ足りていないです。ここからやっていかないといけないです」

―技術面はどうでしょうか?
「技術面もダメですね。まだ高校のときの方が冷静にプレーできていたと思います。今は自分の目の前にいる敵のことだけで精一杯でした。もう少し全体を見て冷静にプレーしなくてはいけないと感じます」

―やや焦って攻め急ぐ場面も見られたように思いますが、そういうことが原因でしょうか。
「多分そうです。しっかりこの試合のビデオなんかも見直して、反省して秋からのリーグ戦で貢献していきたいです」

―それでも、ベスト8を決める試合ではトカチョフ(#4)選手なとど得点面では貢献したのでは。
「その分ミスもしているので、なんとも言えないです。でも先生がそれでも使ってくれていたので、期待されていると思いますし、秋は4年生の大事な大会でもあるので、自分のミスで4年生の大事な1年を無駄にしてしまいたくありません。上級生のためにも、チームのためにもミスがないようにチームに貢献できる選手になりたいです」

―今日はほぼ2年生だけで戦いましたし、2年が頑張った大会でした。どうでしたか?
「サワ(#4トカチョフ)が40分間出ているにも関わらず、精神面で最後まで声を出してくれました。サワの頑張りが僕らの精神的支柱になっていたのは事実です。最後は勝ちきれなかったけれど、そういうところでまとまれました。サワが本当によくまとめてくれたと思います。自分があいつに甘えっぱなしだった面はあるので、情けないですが。でも自分にとっての大学バスケの時間はもう2年と少ししかありません。ここから限られた時間の中で力をつけていきたいと思います」

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「ぜんぜんやれると感じた」
チャンスを結果に変えるためにここがスタート

◆#12澤近智也(慶應義塾大・1年・F・高知学芸)
150614sawatika.jpg最終戦は1年生の出場時間はほぼなかったが、そこまでの戦いでは要所でミドルシュートを決めるなど、大きく貢献するプレーを見せ、鳥羽、原、小原といったルーキーたちとともに一定の存在感を見せた。
全国経験は国体のみだが、慶應大は目立ったキャリアがなくても大学で伸びる選手が多いチームでもある。やれると感じた手応えを、確かな結果につなげていくために、これからの成長を期待したい。


―入学して初めて長時間出番を得た新人戦でしたが、経験してみてどうでしたか?
「試合を重ねるにつれて自信がついてきました。プレー時間も多くもらって自分のやるべきことが分かってきて、今日はそんなにプレー時間はもらえませんでしたが、これからの秋シーズン、リーグ戦になったらどんどん使ってもらえるように頑張っていきたいと思いました」

―大会を通じて坂口HCがいろいろと言っている場面が目立ちました。どういう内容だったんですか?
「ディフェンスによって、マッチアップ相手が大きな選手だったら外に出てスピードのミスマッチを突くとか、ディフェンスによって自分がセンターを守らなければならない時間帯は間合いを考えて守れとか、いろいろです」

―試合を重ねるにつれて徐々に思い切りの良さが見えてきた気がします。
「結構緊張をするタイプなんですけど、プレータイムをもらうことで慣れてきて、自分のやりたいことができるようになりました。上級生からも1年だから自分の好きなようにやれと言われたので、とにかくボールをもらったらリングに向かおうと思ってどんどん打ちました」

―ポジションはフォワードなんですね。
「そうです。ボール運ぶのはあまり好きではないですね」

―今大会は1年生で出た選手たちもよく活躍したと思いますが。
「1年生だからいっぱい時間を共有するのが大事だと思います。一人ひとりじゃなくて、3人一気に交代という場面が多かったので、そういう部分ではプレーを合わせることができたので、それは良かったと思います」

―ディフェンスも結構良かったように見えました。
「そうですかね。トーナメントで4年生からめっちゃ怒られたので(苦笑)、そこからディフェンスは頑張ろうと思って意識しています」

―高知学芸高校出身だそうですが、高知県から慶應大のバスケ部に入るのは珍しいケースではないかと思いますが。
「高2の国体のときに慶應のOBの人が試合を見ていてくれたんです。そこから慶應のリクルート担当の人に情報が渡って、受けてみないかと言われました。それまで地元大学の医学部に行こうと思っていたんですが、でもこんなチャンスは二度と無いと思って、受けることを決めました」

―関東に来て、全国経験の多い人たちと戦ってみてどうですか。
「自分は全国といっても国体経験しかないので、テレビとかで見ていた人とマッチアップして楽しかったです。でも試合をしてみてぜんぜんやれるという感触もあったので、これから頑張っていきたいと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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