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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2014.11.30 (Sun)

【2014インカレ】11/30 決勝 東海大VS筑波大

東海大を凌ぐ好守とリバウンドを筑波大が最後まで発揮
新時代への扉を開き、61年ぶりの大学界の頂点に


141130TSUKUBA4THGRADE2.jpg 大学バスケット界において、年間最後のゲームであり総決算となるインカレの決勝戦。2014年の今年、ここに勝ち進んだのは、ともに初となる三連覇と三冠を目指す東海大と、実に61年ぶりの優勝を目指す筑波大となった。今年はトーナメント、新人戦で優勝を争ったが、トーナメントを制したのは東海大。対する筑波大は、新人戦こそ手にしたが、リーグ戦でもわずかの勝利を逃してきた。
 だが、それはあくまでも過去のデータ。この日の筑波大は、試合開始から要所のディフェンスとリバウンド面で東海大をリード。悲願として追い求め続けた大学界最高のタイトルを、「グッドルーザー」という声をかなぐり捨て、筑波大がとうとうその手で掴み取った。

写真:優勝が決定し、筑波大の歓喜の輪から少し離れたところで、笹山、坂東、山田の4年生3人が喜びをかみしめあった。

※詳しいゲームレポートと東海大・バランスキー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※筑波大のインタビューは別途掲載します。



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【GAME REPORT】
141130MURAKOSHI.jpg 立ち上がりは、互いに様子見。お互いに外から狙い合って決めきれず、重い展開となる。先にスコアを動かしたのは筑波大。速攻で#21笹山(4年・PG)のアシストから#6馬場(1年・SF・富山第一)がレイアップ。アウトサイドがエアボールになるなど、どこか緩めの空気が漂う東海大のターンオーバーを相次いで誘って、結局4分足らずで8−0に。東海大はシュート率がなかなか上がらないが、身上であるディフェンスで筑波大を5分間無得点に追い込む。それまで少なかったインサイドの起点が増えて#45頓宮(3年・C)がスコアを動かし、#0ベンドラメ(3年・PG)の2ファウルに伴って交代した#8藤永(4年・PG)の速攻で迫る。苦しくなった筑波大だが、#14坂東(4年・SG)のミドルシュートで久しぶりに得点。#17杉浦(1年・PF・福大大濠)もミドルを決め、12−6というロースコアながらリードで1Qを終えた。

141130VENDRAME.jpg 2Q、まずは東海大#13中山(2年・PG)がレイアップ。インサイドの攻防は激しく、互いにターンオーバーを犯してしまうも、#10バランスキー(4年・PF)がコート外に出かけたボールに手を伸ばし、ゴール下でフリーの#8藤永へ見事にアシスト。今度は筑波大タイムアウトとなる。すると、明けてすぐに#21笹山のジャンパー、#92村越(3年・PF)のドライブでまたも筑波大のリード拡大となった。東海大は相変わらずらしくないミスが目立つも、#6馬場(1年・SF・富山第一)からスティールした#10バランスキーがワンマン速攻でダンクを決めて繋ぐ。しかし筑波大に焦る様子はなく、#21笹山のフローター、#6馬場のジャンプシュート、#17杉浦の3Pも炸裂して二桁の差とする。東海大はタイムアウトを挟んでゾーンを敷くが、#21笹山に破られて有効策とはならず。両者ファウルが増え始め、単発の展開となるが、最終的にはこの試合12得点目となる#21笹山の1対1が決まって、30—19。点差が広がって後半を迎えることとなった。

141130MITSUDA.jpg 今年は後半に巻き返すパターンの多い東海大。3Q序盤はその本領をようやく発揮した。前半よりも縦への動きが増え始め、#7晴山(4年・SF)の3Pが炸裂。ディフェンスのプレッシャーも強まってターンオーバーを誘発すると、#35伊藤(2年・PG)、#13中山のレイアップが相次ぎ筑波大は早々にタイムアウトを請求する。ここでこの試合の一つのポイントが訪れる。筑波大がボールの運び役を#21笹山から「自分のところに上から当たってこない中で、笹山さんがフェイスガード気味に守られたので、僕が運んで流れを作ってチームを勢いに乗せたいと思っていた」という#6馬場にスイッチ。筑波大はすぐには得点できず、守り合いの展開から#0ベンドラメの得点が続いてタイスコアとなるが、その直後のオフェンスでは#6馬場がミドルシュートを沈めてこのQようやく初得点。更に#46生原(2年・PG)を投入。「セットにこだわり過ぎていたので、とにかく動こうとした」吉田監督。#21笹山の3P、#17杉浦のドライブが出て再びじわりと引き離しにかかる。東海大はこの間に#0ベンドラメが3つ目を宣告され、またも下げざるを得ない。代わった#1小島(3年・PG)の3Pが決まるが、すぐに#17杉浦に3Pを許してしまう。ディフェンスを強調する戦い方の両者のスコアは3Q終了時点で39−42。点差は詰まるが、筑波大が主導権を握ったまま勝負は最後の10分間を迎える。

141130SASAYAMA.jpg 4Q開始すぐ、筑波大は#6馬場がドライブでフリースローを獲得。1投決めてラストスパートに入る。#2満田(2年・SF)のブロックからの速攻を決めたのは、またしても#21笹山。東海大は追い上げたいが、筑波大のディフェンスに攻めあぐねて3分半無得点に。#2満田の華麗なセカンドショットはバスケットカウントとなり、再び筑波大は10点差とした。ゲーム立ち上がりからリバウンドやルーズボールで後手の東海大は、この時間帯でも#6馬場らの気迫のリバウンドに苦しみながらも#0ベンドラメ、#35伊藤の得点で僅かに迫るが、4〜6点の差から埋められない。筑波大も東海大の守りにあってオフェンスは重いが、焦る様子を見せず僅差でも余裕のある試合運びを演じる。7点差の残り59.5秒、#14坂東がドライブを決めて筑波大の盛り上がりは最高潮に。これでいよいよ勝利が目前に見えてきた。東海大も#0ベンドラメの執念の3Pで反撃、相手のトラベリングを誘うも、やはり筑波大は慌てない。なんとか止めにくる相手から巧く逃げて時間を進めにかかる。東海大はやむなくファウルゲームに出るが、冷静な筑波大はこれを落とさずに事実上勝負を決めた。

 筑波大は、東海大が#22飯島(4年・PG)ら4年生中心の布陣となったのを見て#10山田(4年・SF)を入れてクライマックスへ。10点差とされた東海大はなんとか意地のシュートを狙うが、無情にもリングに弾かれる。筑波大がリバウンドを制したところで、タイムアップのブザーが鳴り、ベンチメンバーがコートに駆け込んで喜びを爆発させた。最終スコアは67−57。盤石の試合運びを進めた筑波大が、61年前の東京教育大時代に達成して以来となる、学生日本一を手にした。

141130FUJINAGA.jpg 東海大は、40分間を通じてどこか動きが鈍かった。記者会見では多くの選手が試合の入りの悪さに言及したように、チームが今ひとつ波に乗れず、そのまま試合終了。ディフェンスの良さは見えたが、それでも破られ、崩される場面も多かった。このチームのモットーである60失点以内を遂げられず、逆に筑波大のディフェンスを前に得点も57点止まり。連戦の疲れ、ベンドラメのファウルトラブルなどもあったが、場慣れした決勝に臨んだにしては彼ららしくないミスが目立ってしまった。記者会見で陸川監督や藤永ら4年生がチームメイトの奮闘を労った一方で、ベンドラメや頓宮といった3年生はこの悔いを次にぶつけることを誓った。

 2009年の1部復帰以来、シーズンが変わる毎に一段階ずつレベルアップを果たしてきた筑波大。それでも、フルメンバーでの対戦では競り合いに持ち込んでも要所での詰めの甘さやミスを犯し、これまでどうしても東海大にだけは及ばなかった。それがこの日は終始リードを保った。記者会見で吉田監督「私以上に選手が平常心だった」笹山「馬場とも試合前に話していたが、決勝と言ってみんな騒いでいるけれど、あんまりよく分からなくて(笑)、いつも通りの感じだった」と話したが、学生界最大の舞台を迎えても筑波大は必要以上に気負わずにメンタル面で完璧な状態で試合に入った。準決勝後に吉田監督「ここまで来たら勝ちたいという気持ち」と話していたが、それを決勝という舞台で程よく発揮できたことが筑波大優勝の最大の要因だろう。内容的には、オフェンスでは東海大を易々と攻略という訳にはいかなかったが、堅いディフェンス、40分間続いた球際の強さは、本来それが持ち味である東海大の上を行った。文字通り、強い内容での勝利だった。

(写真上から)
写真1:囲まれながらも得点を決める筑波大・村越。今年は春から大きな成長が見えている。

写真2:東海大には誤算だったベンドラメのファウルトラブル。それでもコートの上では筑波大を苦しめた。

写真3:東海大・中山のシュートを後ろからブロックに行く筑波大・満田。層の厚いチームでも、得たプレータイムの中で安定して仕事を果たした。

写真4:優勝の瞬間、少し控えめながらも力強いガッツポーズを見せた筑波大・笹山。

写真5:東海大を引っ張り続けた藤永。試合後は悔し涙のチームメイトを励まし、上を向けさせようと叱咤。東海大の主将に相応しい堂々たる態度だった。


【INTERVIEW】

「受け身になってしまったところが一番ダメだった」
立ち上がりの悪さがゲームに響いたことを反省

◆#10バランスキー・ザック(東海大・4年・PF)
141130zakk.jpg東海大の屋台骨をここまで支えてきた。劣勢に陥ってもゴール下の力強いプレーで、何度も東海大を勝利に導く活躍をしてきた選手だ。しかし、逆に言えば全員バスケを標榜してきた東海大の中でも、あまりベンチに下がることもなく
大きな責任を負っていたともいえる。今年は橋本がケガをしたこともあって、後半にかけてプレータイムも伸びた。敗戦は自分の責任、と全てを背負う覚悟はさすがの4年生だが、貢献度もそれ以上にある。献身的なプレーで東海大を支え続けてくれたその姿が色褪せることはない。


—試合を振り返ってみて。
「今日負けたのは全部自分の責任だと思っています。シュートも決められなくて、いいところで作ってもらったのに。ディフェンスも簡単にやられたりして、自分のところでやられて負けたなと思います」

—終盤に、ゴール下でフリーのレイアップを落としてしまったのが印象的でした。ああいうミスはほとんど見たことがなかったので。
「あるとしたら多分体力です。毎試合40分近く出ていて、言い訳になりますがいつも通り飛べていなかったと思います。そこでいつもと違う感じで落としてしまったし、ゲームを通じてそういうところが連鎖してしまったと思います」

—最初の方でベンドラメ選手が2ファウルになってしまいましたが、その辺は気にしていましたか?
「いや、礼生はディフェンスをガツガツやっていくので、ファウルになってもしょうがない部分があります。控えのガードでもうちの戦力は落ちないと思うし、そんなに不安ではなかったですね。それよりも立ち上がりの8—0が悪い流れの一番の原因だと思っています。自分たちのシュートが入らなかったし、受け身になってしまって、そこが一番ダメでした」

—今年は意識していたか否かというところですが、結構先行される試合が目立ったように思います。
「そうですね。昨年に比べてスロースタートで始まる試合が多かったですね。そこから後半にディフェンスで流れを変えて追いついて逆転するパターンが多かった。今日は追いついたんですけど、逆転することができませんでした。ほんとにその最初の部分ですね」

—出足が悪いのは何に起因していると思いますか? ここ数年は立ち上がりから相手を突き放す形が多かったので少し気になっていたんですが。
「あまり意識してはいなかったんですけど、多分、晃佑(#21橋本)がいた頃はパスもできるしスムーズだったんですけど、晃佑が抜けて重くなることが多かったです。自分と技術の差があって、そうなってしまったのかなと」

—いやでも、バランスキー選手がここまでどれほど東海大を支えてきたかを考えれば、それだけではないと思いますが。
「もちろんここまで来られたことはすごくうれしくて、スタッフにも下級生にも今年はすごく支えられて感謝してます。悔いはないといったら嘘ですけど、やりきったなあとは思います。天皇杯はありますが。学生の大会の中ではベストを尽くしてやるだけのことをやったと思います」

—足が痛いときもあったと思うんですが、それでも出続けて休むということはなかったですよね。そこは本当にすごいことだと思います。
「1年のときに膝を悪くして、練習も結構休みました。かなえさん(井上アスレティックトレーナー)たちを中心にリハビリをして、自分も強くなれました。やるからには全力でやった方がいいと自分でも思うし、痛いことを気にしたところでというのもあります。晃佑が抜けて、自分までいなくなる訳にはいかないなという気持ちもあって、やっていましたね」

—東海大三高校から東海大に来て、どちらも学生らしく一生懸命頑張るチームですよね。バランスキー選手の性質に合っているところでやれたのではないかなと感じるのですが。
「本当に無名で、高校は少し大きかったので呼ばれただけです。でも入野先生(東海大三監督)に鍛えられて徐々に全国に行けるようになりました。でも大学で最初に壁にぶつかったこともあったし、環境に恵まれた7年間でした。飯島理貴(#22)も7年間一緒でしたけど、すごく引っ張ってくれるんです。シューティング行こう、ウエイト行こう、って高校時代からそうやって切磋琢磨しました。そういう仲間、スタッフ、環境に恵まれてここまで来られたなと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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