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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2014.11.30 (Sun)

【2014インカレ】11/30 7位決定戦 近畿大VS慶應義塾大

近畿大が逆転で7位を獲得
主力にアクシデントも出た慶應大は8位


141130sou.jpg 関西1位でベスト8に残った近畿大は、最終戦で慶應義塾大と対戦。慶應大は#20福元(3年・G)と#23黒木(3年・CF)が前の試合から欠場し、この日は#10大元(3年・G)も欠場。大事な主力を3人欠く状態での戦いとなった。

 近畿大は立ち上がりに#33藤田(3年・PF)のミドルを皮切りに#25大木(4年・C)のオフェンスリバウンド、#22ソウ(3年・C)もダンクで得点。慶應大はインサイドで#22トカチョフ(1年・CF・國學院久我山)が奮闘するが、#22ソウ相手に早々に2ファウルとなってしまう。それでも#4伊藤(4年・G)が率先して攻め、1Q最後にブザーとともに3Pを沈めて差を縮めて18-13の近畿大5点リード。2Qになると慶應大は#20木村(1年・C・東山)の3Pに#5吉川(4年・G)のシュートで詰め寄り、#22トカチョフから#真木(3年・SG)へのアシストで同点にすると、そこからは早い展開に持ち込み逆転に成功。近畿大は終盤に#5山本(3年・PF)のオフェンスリバウンドで得点するも30-38と逆転されて8点のビハインドを負った。

 3Q、近畿大はディフェンスでゾーンプレスを繰り出して慶應大の足を止めると、#22ソウが存在感を発揮。インサイドで次々に加点して追いつくとそこからは両者競り合いとなった。慶應大は近畿大のゾーン突破に苦戦しながらもついていくが、残り2分を切って得点が止まり近畿大は54-49の5点リードで4Qに入る。アウトサイドに頼らざるをえない慶應大は4Q頭こそ#4伊藤、#5吉川の3Pが決まるが、近畿大が#22ソウ中心に攻めて優位を得ると、慶應大を引き離して逃げ切り、77-69で勝利を収めた。

141130maki.jpg 近畿大は後半のゾーンが効いた。7位でインカレを終えたが、関西1位となり、Aブロックに入って最初から東海大と対戦することを念頭にして臨んだ大会だった。東海大に勝てなかった悔しさを見せたが、ソウ一辺倒だった数年前に比べれば周囲の選手の活躍が目立ち、メンバーの固定化も見えた。全員バスケットを突き詰めてまたのチャレンジを待ちたい。

 慶應大はメンバーが足りない状態でも近畿大にリードできたものの、ゾーンプレスにハマってしまい、そこから逆転されたのは今季の悪い部分が最後まで出てしまったといえる。体制や方針が大きく変わり、それががっちり噛み合ったとは言い切れない場面も見えた新体制1年目。それでも1部残留、インカレ8位は疎かにしてはいけない結果。自分たちで考える姿勢を打ち出して示せた部分を、来季以降の結果につなげていかなくてはならない。

写真上:ダンクに行く近畿大・ソウ。後半に存在感を増して慶應大を引き離した。
写真下:3年生のケガが相次いだ中、真木が奮闘を見せた。

※近畿大・橋本選手、慶應大・伊藤選手、吉川選手、権田選手、木村選手のインタビューは「続きを読む
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【INTERVIEW】

「後輩はやれることは見つかったと思う」
戦い方も定まり、再びの上位進出を下級生に託す

◆#16橋本尚明(近畿大・4年・PG)
141130HASHIMOTO.jpgここ数年の間に戦い方が固まり、全員バスケが印象的になってきたチームにあって、プレータイムが増加。オフェンス面では橋本が引っ張る場面が多くなった。インカレが思うような結果ではなかったことを悔いたが、着実にチームの力が上がっていることも感じている様子。ソウが4年生となる来年は、関東勢の上位チームも侮れない存在となっていきそうな予感が静かに漂う。橋本ら、卒業していく4年生を見送りながら、近畿大のチャレンジは続く。


—この試合の感想はいかがでしょうか。
「個人として集中はしていたんですけれど、色んな故障があって全然良いパフォーマンスができなくて。自分的にはイライラしとったんですけれど、でも後半からチームメイトが助けてくれてこういう結果になったので、自分は0点なんですけれど、そこはチームを信頼してやってきて良かったと思います」

—7位という結果についてはどのように感じていますか。
「満足のいく結果ではないんですけれど、昨日もその前の試合も勝てる試合を落としていて。絶対勝てる試合やったのに、自分たちのミス、攻め気のなさで勝利を逃して。それで7位という結果なので、満足はしていないです」

—この試合で相手のディフェンスはどう感じましたか。
「まあまあプレッシャーが強いチームということは知っていたので、でもプレッシャーが強いのはどこのチームも同じなので、別にそんなに警戒することはなかったかと思いますね」

—2年前に4位に入りましたが、今回は7位でした。何が違っていたのでしょうか。
「今のチームの方が、強いことは強いと思うんですよ。個々の能力も実力も、今の方が上やと思うんですけれど、この前にベスト4になったというのは、今回のチーム以上のチーム力があったかと。能力で劣る部分をカバーするチーム力なんかが2年前は今回より上だったかなと思います。実際結果はそうですし」

—内容は良くなったという手応えを感じた?
「このチームに対しては僕は全然文句はないですし、7位という結果は満足していないけれど呑み込むしかないですし。内容は良かったかと」

—4年生として、どんな思いで一年間やってきたのでしょうか。
「去年のインカレでは一回戦で負けて。東海が優勝して、天理大学がベスト8で、8位の枠と1位の枠の関係で東海と当たることになるのはずっと分かっていたので、だから今年一年は東海との戦いのために練習をずっとやってきました。東海に勝つためだけに。振り返ってみて、あれだけやって勝てなかったということは、もっと練習が必要だし、でも後輩たちにはやれるところは見つかったと思うし。僕は来年に期待したいですね」

—オールジャパンはどのように臨みたいですか。
「優勝は100パーセント無理なので(笑)。でもプロとやれる良い機会なので、笑って終われるようにしたいなと思います」

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「最後までぶらさず、貫き通そうと思った」
スタメンとしてコートに立ち続けた4年間

◆#4伊藤良太(慶應義塾大・4年・主将・PG)
141130ito.jpg「申し訳ない気持ちでいっぱい」と最初に一言。5点差で負けた大東戦がどこか心に引っかかったままだったと言う。確かに今年は大事なところで今ひとつ足りない試合が目立った。とはいえ、4年ぶりのインカレベスト8入り、オールジャパン出場という結果を勝ち取ったのも事実だ。ただ、もう少しできた、という思いが少し残った。
波瀾万丈の4年間だった。インカレ準優勝メンバーが抜けてから入学し、4年間スタメンとして責任を背負った。2部降格、3部入れ替え戦を味わい、それでも逆境を跳ね返して1部へと戻り、最終学年では苦しみながらも立てた目標を越えていった。慶應大というチームを体現する存在でもあった。


−大会を終えてみてどんな思いがありますか?
「優勝、日本一の目標を掲げて近いようで遠かったなというのはあります。大東大とは5点差で破れ、大東と筑波は2点差でしたし。学生だったら絶対にチャンスはあると思い続けてチームを引っ張って来たんですけど、この大東との5点っていうのは、春からもっと詰める部分があったのかなと。もっともっと情熱を持ってチームを引っ張っていけたんじゃないかなと、僕の甘さだったのではという気もします。でも実際こうやって終わって今考えると、悔いはないです。技術面で振り返ればゾーンの対応が下手くそすぎたなというのはあります。反省して次に生かそうとはなりましたが、日頃の積み重ねがなければ対応もできないなというのも感じます。そういった意味ではガードとして課題があったと思いました」

−今年はHCも変わって自分たちでやらなければならないことが増えたと思いますが、ゾーン対応などはやりきれなかったとか?
「一応練習はしていたので、全員が受け身になってしまったことが一番の原因ではないかなと思います。今年から試合に出始めている選手も多いし、経験の部分もあったかなと。そこを僕自身は声をかけて落ち着かせることもできたのになと。実際、チームを作る上で手が回らなかった部分はいろいろあって、体制が変わって正直言うと苦しい1年でした。でも早慶戦だったり、1分残留だったり、ベスト8にも残れたので、後輩たちには感謝の気持ちでいっぱいです」

−そういう中でも、リーグ戦のプレーオフではあまり良い内容ではなかったですが、インカレではそこを立て直せたのは良かったことでは。
「そうですね。技術云々じゃなくて4年間いろいろあった中で1部昇格ができて、チームとして這い上がってきたというのが自信になっていました。最後は権田もジェイ(#5吉川)も一緒になって4年が背中で見せなきゃいけないよね、と話し合っていました。そういう意味で3年生たちも少しでも4年生のために、という気持ちが芽生えてくれていたのかな、と思う部分もありましたし」

−今日は1年生もかなり頑張りましたね。
「次につながりましたね」

−伊藤選手はインカレ優勝経験もある二ノ宮選手(10年度卒・現NBLトヨタ)などの主力が一気に抜けたあとの入学で、1年生からスタメンとしてもプレーしました。そこに不安などはなかったのでしょうか?
「今思うと1年生の時は毎日毎日必死だったなと。一方で慶應という伝統あるチームのスタメンなんだから、責任を持ってやらなければいけないともずっと思っていて、佐々木先生からも勝ち負けはガードの責任だとずっと言われ続けてきました。勝てないシーズンが2年も続いたときは本当に苦しかったですね」

−そこで自分の転機になったことや、モチベーションの源になったようなことはありますか?
「1年のときは試合に出ている自分の代わりに同期がチームの仕事をしてくれていて、本当に周りの人達のために頑張りたいなと思い続けていました。このインカレに関しては両親のためにやろうと思っていました。自分のためというより、誰かのために貢献したいなという思いが自分の中では力の源でした。だから勝てなかった2年間は、『同期も後輩もいいやつが入ってきたのに苦しい思いをさせている、なんとかしないといけない』と思っていたし、何が何でも勝ちたいという思いで3年目は過ごしていたなと思います」

−苦しい2年間を経て3年目に結果が出ましたね。
「あれは4年生のおかげでしたね。蛯名さん(13年度主将)がしっかりまとめてくれて。実は蛯名さんとは1、2年までそれほど話しをしていなかったんですけど、昨年ようやくすごく近い存在になることができました。今ではいつも連絡してきてくれるし、プライベートで映画に行くこともあります。それほど心通じ合う仲になれて、去年は4年生のために、という気持ちがすごく強かったし、そこが力の源でした。今年はもう後輩たちが大好きだから、そういう仲間に少しでもいい思いをさせたいという思いでここまで頑張ってこられたというのはありますね」

−酒井泰滋選手(06年度卒・現NBL日立)を見て慶應に入りたいと思ったそうですが、4年間過ごしてみてどのような印象を持っていますか?
「一番感じたのは、学校の中のつながりがすごく強いなと。体育会の友達も応援に来てくれるし、僕達も応援する。そういう影響を与え合える学校だなと思います。縦のつながりもそうで、OBもいつも応援に来てくださって、うまくできないと厳しいことを言われることもありますが、それもひとつの力です。バスケ部に関しては上手い下手関係なく、全員でひとつの目標に向かって頑張るチームです。そういうところに入れたということは、バスケットの技術云々ではなく、人として学べることが多かった学校に入れて、良かったなと思います」

−慶應はトップ選手が何人も入ってくるところではありませんが、そういう中で努力してベスト8に入れたというのは評価してもいいのでは。
「そういっていただけると嬉しいですけど、このメンバーだったら本気で日本一を目指せると思ってやってきたので、そこは残念です。でも僕たち4年生が抜けても3年生以下はその気持ち、学生である以上は日本一という目標をぶらさずにやっていって欲しいなと思います」

−伊藤選手は4年間でプレーの幅も広がりましたね。
「1年のときはまったく3Pが入らなくて、ディフェンスだけ頑張ろうと思い続けてやってきたんですけど、それじゃ勝てませんでした。2年の時はオフェンスは良くなったけど、チームをまとめることができなかったという苦しみも味わいました。3年生になってようやくそれが消化できてひとつ成長できたかなとは感じました。でも4年になってチームを引っ張る立場になって、体制も変わると今度はまた新たな壁というか課題がどんどん出てきてしまいましたね(苦笑)。なんでこう新しい壁がどんどん出てくるんだろう、と春頃は思いましたけど、そんなときはやっぱり同期や後輩が支えになって一緒になって頑張ってくれたので、そこは気持ちをぶらさず、最後まで貫き通そうと思えました。だから両親を含めて今までお世話になった方たちや、チームメイトに感謝の気持ちでいっぱいです」

−インカレはご両親のために、という思いが特に強かったんですね。
「そうですね、強かったです。こんなに素晴らしい学校で大好きなバスケットをやらせてもらってきたし。社会人になったら独り立ちしなければいけないけれど、学生として結果を残して恩返ししたかったので」

−でも4年間頑張る姿を見られたことで喜んでいるのでは。
「そうだといいんですが」

−オールジャパンもありますが。
「初めてなのでここからどうやっていけばいいのかわからないんですけど、慶應を見に来てくれる方もいると思うので、変な試合はできないなと思います」

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「人として成長できた4年間」
慶應に来て得られたものの大きさ

◆ #5吉川治瑛(慶應義塾大・4年・PG)
141130yoshikawa.jpg今年は副将としてチームをまとめる立場になった。オフェンス力には定評があるが、プレーで引っ張る伊藤とは逆に、メンバー間の意見を汲み取るのに労力を費やした1年となった。何十人というチームメイトにはそれぞれの意見、感じ方がある。ヘッドコーチも交代した。そうした中でそれぞれの考えをどこまで集約して反映するかは大変な作業だっただろう。しかし「だからこそ成長できた」と胸を張っていえるのは、4年間で得た大きな財産だ。


−最後の試合にはどのような気持ちで臨みましたか?
「最後だし勝ちたい気持ちはすごくあったんですけど、今日は怪我が続いてメンバーも全然揃っていなくて、苦しいだろうなとは思っていました。でも楽しもうとは思っていて、それは十分楽しんでできました」

−終盤に吉川選手が入った時間帯で少し良いプレーは見せられましたね。
「ミスもたくさんあったんですけど、良かった面というか意地みたいなものは少しは見せられたのかなと思います」

−インカレの8位という結果についてはどう捉えていますか?
「優勝を目指してやってきたので、達成できなかったのは申し訳ないですしふがいないんですけど、やはり8位に入ることが本当に難しいんだってことをこの3年間で分かっています。去年は蛯名さんを中心としたすごくいいチームで、あのチームをもってしてもベスト8には入れなかった。だから今年ベスト8に入れたというのはすごく自信にもなりましたし、後輩たちをオールジャパンに出させてあげられたのはすごく良かったなと思います」

−この春から体制変更があった点で4年生は大変だったと思いますが、その中で心がけていたこととは?
「本当にいろんなことがありすぎてすごく大変でした。でも僕ができることはプレーで引っ張ることではなくて、裏方としていろんなメンバーの意見を引き出してあげて、それをチームで共有するというのが役目でした。本当にいろんな人と食事に行って話す機会を増やしました。坂口先生とも話をして、先生の意見を聞いてそれをみんなに言うこともやっていました。本当にそれをメインにしてやり続けてきました」

−間に立つのは大変な仕事ですね。
「ものすごく中立なところにいました。やはりそれぞれに考えがあるので伊藤の意見を聞いて、坂口先生の意見を聞いて、皆と話して、その繰り返し。バスケで疲れるというより、精神的に『あ〜、今日も疲れた〜』みたいな感じでしたね(笑)」

−でもそれができると見込まれての副将だった訳ですよね?
「みんなには話しやすいと言ってもらえていたのは良かったです。そしてこうした役目はこのチームでは自分にしかできないことだなと思っていました」

−大変なときはどういう時でした?
「一番の山場はプレーオフが終わったあとですね。インカレまでに本当にみんなの意見がまとまらずいろいろありました。朝、自主練をしに行っても坂口先生と話が続いてシュートを1本も打たないこともザラでした。去年までは伊藤一人が引っ張ってきましたが、今年はみんなでやるというのがなかなかうまくいかなくて。でも去年の東海大戦で伊藤一人が止められたらどうしようもできないということも分かったので、チーム全員でやる形に変えていかなければなりませんでした。だから伊藤もパスをするとか、自分を変えていったし、みんなで戦う形にできたのは今年の良かった点です」

−それを示す意味でも、今日は後輩も頑張ってくれましたね。
「そうですよね。僕らの代は伊藤も権田もいますが、1部で戦っていけるかと言われたらそれは難しいメンバーです。でも後輩たちの力を借りることで早慶戦も勝てて、1部残留して、オールジャパンに出られたということで、本当にいい思いをさせてもらったなと思います」

−慶應に入ってどうでしたか?主力が抜けた翌年でしたが。
「高校時代に二ノ宮さんと岩下さんのアリウープを見て慶應に入りたいと思ったんです。1年の時は勝てなかったんですけど、でも慶應はバスケットだけじゃないし、バスケットの技術が成長したかどうかは分かりませんが、人としては本当にすごく成長できた4年間だったなと思っています。1年、2年のときは全然試合には出してもらえませんでしたが、出られなくてもどうやってチームに貢献するかとかを考えたし、裏方の大変さも知りました。特に裏方はこういう人たちがいないとチームが成り立たないということも分かったし、だから今年はそういうメンバーの気持ちも分かって意見を汲み取れる人間になれたのは、すごく大きな成長だと思います」

−昨年までは長いプレイングタイムはなかなかもらえませんでしたね。
「そうですね。どうしたらいいか分からなくて、何のためにやっているんだろうと思ったこともあります。でもバスケが好きで続けてきたし、最後に良かったと思える成長ができました。慶應に来て人として成長できたのは本当に大きくて、最近は自分が出なくてもチームが勝てればいいと思っていますし、出ないながらも何ができるかを考えてやっていました。こうしたことは社会人になったらすごく大切になってくることだと思います」

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「試合に出ている選手だけが偉いのではない」
チームとは、人とは何かを学んだ慶應での7年間

◆#6権田隆人(慶應義塾大・4年・CF)
141130gonda.jpgインサイドでは今年は責任の大きい立場だった。リーグ中盤に黒木のケガもそれに拍車をかけた。今年はチームとして波のある試合が続いたが、インカレでは権田の安定した守りも光り、ベスト8の壁を4年ぶりに突破。目指した優勝は叶わなかったが、一定の結果は残した。
慶應の良さをメンバーとのコミュニケーションを活かしていけるところと言う権田。試合に出ていない人の指摘も受け入れてより良い方向へと努力してきた。高校・大学と慶應で過ごしたが、こうした付属校の選手が活躍することも一体感を高めるには必要だ。そうした象徴ともいえる選手だった。


−試合を振り返って。
「4年生として情けなかったなというのがあります。最後までコートに立ち続けなければいけなかったですし、木村(#20)やサワ(#22トカチョフ)にああいった大きな負担をかけてしまったのは、僕が安易なファウルを続けてしまったせいです。でも来年以降に木村、サワであったり西戸(#19)や真木(#14)であったり、怪我をしてしまったけれど大元(#10)、福本(#13)、黒木(#7)もいるので、いいチームになれそうだなというのは、最後はベンチから見ていても感じることができました。伊藤(#4)がああやってしっかり引っ張っている姿もベンチから見えましたし、ジェイ(#5吉川)がチームを鼓舞してシュートを決め続けるというのも見たので、より一層最後は出たかったなという気持ちは強かったですが」

−ファウルアウトは残念でしたが、相手のインサイドも大きい部分でファウルを抑えるのは難しい感じでしたか?
「後手後手に回ってしまった場面がすごく多くて。スクリーンの対応だったり、ディフェンスの初動が遅れた結果、最後に僕のところでファウルが集まってしまいました。ソウ(#22)にやられてしまったのは、僕がもっと早い対応でカバーできれば良かったなと思う部分もあります。言い出せばきりはないけど、1対1で守れるならそれにこしたことはないし、インサイドはインサイド同士で解決しようと今日は話していました。でもそこが守りきれずに、一番大きな敗因だったかなと思います」

−インカレの最後としては残念ではありましたが、今年はチームとしては立てた目標に対して結果を出せた1年だったのでは。
「チーム作りの際に立てた目標が早慶戦優勝と、1部残留と、インカレ優勝でした。最初の2つに関しては達成することができました。それには下級生も大きな力になってくれました。でもインカレという4年生が主体の大会で不甲斐ないプレーでインカレ優勝が達成できなかったのは残念でした。それでも、立てた目標に対してどういうプロセスを踏めば目標に近づけるかということは、2つの目標に対して示せたのかなと思います。ただ、4年としてもうひと踏ん張りして、みんなにいい思いをさせてあげたかったなというのはあります」

−昨年、2部で優勝して1部に昇格しました。より激しいディフェンスを始め、高いレベルでやる1年だったと思いますが、違いはありましたか?
「個人的にはそんなにやれなかったなという印象はないです。もちろん当たりが強かったり、高さがあったりというのは感じてはいました。でもやっぱりセンターに限ってかもしれませんが、チーム内の切磋琢磨も当たりの練習や高さを意識した練習を相当できたかなと思います。今日みたいに相当身体能力が高かったり大きかったりする相手にはまだまだ対策は足りていませんでしたが。でも今の練習内容の精度を高くしていけば、1部のそこそこのセンターでも対応できるのではというのは、感じます。僕も自信がついていったし、サワや黒木も相手センターにめちゃくちゃやられた試合はなかったと思います。今の精度を向上させることが一番だと思います」

−今日もインサイドではかなり頑張りは見えましたけれど、相手がソウ選手というのは大変でしたね。
「そうですね。今までみんなから指摘があって、外のシュートが入らなかったら権田は頑張らないと言われて、そう言われて終わるのは悔しかったですね。『4年生として』ということをこの数か月何度も言われてきました。そこで一番必要なのは何だろうと考えたら、慶應ならばディフェンス、リバウンド、ルーズボールと言われていると思います。だったら、そういう部分で貢献して最上級生としてチームを引っ張っていかなければと思っていました。今日みたいに一生懸命取っても上から取られてしまうこともあるかもしれませんが、リバウンドに飛び続けることが大事かなと思ってやっていました」

−権田選手は慶應義塾高校から大学まで7年間を慶應で過ごして、スタメンとして活躍した訳ですが、どんな思いがありますか?
「こういうと恥ずかしいんですが、僕は慶應義塾が大好きで、本当にいい学校だと思っています。プロっぽくないというか、本当に学生みんなが頑張っているんですよね。ベンチや応援席の指摘を真摯に受け止める姿勢もあって、そうしたことをしながら、頭を使って勝つのが慶應義塾の形だと僕は思っています。高校のときから僕は相当試合に出させてもらってきたんですが、Bチームのメンバーからの指摘は常にあったし、大学でも同じでした。こうした環境は試合に出ているメンバーだけが偉いんじゃないという意味でも、非常にいい環境だと思っています。今年今まで以上に声がけを意識していたんですが、こういう伝統が大学から始まって、高校、中学、幼稚舎までつながっていければ社会に出ても周囲をリードしていけると思います。コミュニケーションや主体性を持ってチームに対して取り組むというのは、僕はこの7年間で身についた部分です」

−お兄さんはサッカーの選手ですが、権田選手はバスケットを選んだんですね。
「小さいころはサッカーをやっていました。でも自分は兄ほどではなかったし、父親が慶應でバスケットをしていたのもあって、指導してもらえるかなというのでバスケットを選びました。バスケットをやっていなければ慶應にも来ていなかったかもしれません。でもバスケットを通して人間的に成長できましたし、高校生だった当時は慶應高校の指導者でもあった坂口先生からも『試合に出るだけじゃない、スポーツは人間性を育んでくれる』ということを口酸っぱく言われてきました。それで大学に入って4年目にこうやってもう一度、人として、試合に出ているメンバーとして、どんなチームへの貢献ができるのかなということも多く学べました。そこは本当に良かったと思います」

−坂口先生とは再び最後に指導を受ける形になりましたね。
「こうなるとは思いませんでしたけど。でも本当にいい経験をさせてもらえたと思います」

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「1年だから思い切りを大事に」
来年以降も見据え、初年度を終了

◆#20木村能生(慶應義塾大・1年・C・東山)
141130kimura.jpgインサイドのバックアップとして少しずつ出番を得た1年目となった。最初は試合への対応が不慣れな面も見えたが、1年を経て馴染んできた感じもある。この試合ではファウルトラブルに陥ったメンバーに代わり、踏ん張る場面も見せた。1年生から試合経験を詰めたことは大きく、来季のさらなる成長を期待したい。


−黒木選手がケガで欠場でしたし、トカチョフ選手もファウルが続く形でしたが、やはり今日は出番に備えている感じでしたか。
「そうですね。相手のエースであるソウを止めるのはすごく難しいので、そこでファウルが込むのは分かっていました。でもちょっと出番が早すぎてびっくりしました」

−高さでは苦しいですが、リバウンドでは結構絡めたのではないでしょうか?
「自分の仕事はリバウンドなので、それができたのは良かったと思います」

−ソウ選手についてみてどうでしたか?
「やっぱり高いですし、ひとつのミスが命取りというか、すぐダンクに持っていかれてしまうし、まだまだ練習しないと及ばないなと思いました」

−外のシュートが1本決まりましたが、それは得点面で何とかしようという感じでしたか?毎試合、出たら打つ姿勢は見せていますね。
「シュートはたまたまだと思います。でも出たらがむしゃらにやるというのが1年生の仕事だと思うし、そこで思い切りプレーすることは大事です。4年生がチームを支えてくれているので、1年は思い切りやることを心がけています」

−大学の初年度を過ごしてみてどうですか?
「だんだん試合には慣れてきました。短い時間であればつなぐ意識でできるんですけど、長い時間になると体力もなくてまだまだ及ばないですね」

−慶應のチームの印象は?
「高校とは雰囲気がぜんぜん違います。優しい先輩が多くて、思い切りやればいいよと声をかけてくれるし、試合中でもこうしよう、と言ってくれてすごくやりやすいし、練習もすごく楽しくできます。それは4年生とか、チームを作っているみなさんのおかげだと思います。選手みんなで話し合ったバスケをするという全員バスケをすごく実践していると思います」

−インカレは終わってまだオールジャパンなどもありますが、来年に向けてはどうやっていかなければ、というのは考えていますか?
「学年が上がることで責任感も増すと思うので、そこは責任を持ったプレーを心がけてやっていきたいです。とはいえ、まだ2年生なので何かに捕らわれてバスケをするのではなく、思い切りの良さをウリにしてやっていきたいと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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