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2014.11.26 (Wed)
【2014インカレ】11/26 レポート
青山学院大が大東文化大に敗れベスト16
その他東海大・近畿大・慶應義塾大がベスト8へ
インカレ3日目、墨田区総合体育では1回戦残りの4試合、代々木第二体育館では2回戦4試合が行われた。2回戦を突破すればベスト8、オールジャパンの出場権を手に入れることになる。インカレは2回勝てば後に続くことができる大会。たかが2回、されど2回の難しさがまず最初の見どころだ。この日、第2シードの青山学院大は終始大東文化大に劣勢を強いられる形となり、ベスト16で姿を消した。優勝候補の一角と目されたチームが、序盤で大会を去ることになった。
近畿大は愛知学泉大と対戦。インサイドに#22ソウ(3年・C)抱えるだけではなく、全体的にもサイズのある近畿大は、序盤から簡単に愛知学泉大には攻めこませず、愛知学泉大は1Qから6-18と出遅れる。近畿大は全員がバランスよく攻めて加点していき、2Qには#22ソウのダンクも出て、安定してリードを保った。愛知学泉大は激しいディフェンスから何度もボールを奪う場面はあるが、相手の高さに阻まれるシーンが目立った。初戦では好調だったアウトサイドもなかなか当たりが来ず、反対に終盤は近畿大に走られる展開にも持ち込まれた。近畿大は44-71で勝利してベスト8進出。次は東海大との対戦になる。
第1シード東海大は、専修大との対戦になった。専修大は#6渡辺(2年・G)が体調不良で欠場。インサイドの要を失ったことで1Qからなかなか得点が取れず、大きく水を空けられる形となった。初戦に比べアグレッシブさが光った東海大は前半で30点近く差をつけると、後半は控えも出場させて91-50で勝利し、ベスト8へ駒を進めた。
また、墨田区総合体育館で行われた残りの1回戦4試合は、中京大、明治大、日本体育大、国士舘大が順当に勝ち上がった。
写真:リバウンドを取る東海大・バランスキー。この日は立ち上がりから相手を圧倒した。
【慶應義塾大が4年ぶりのベスト8入り】
今シーズン、対戦は実に7度目となる慶應義塾大と法政大。通算4勝で勝率では慶應大が上回っているが、直近のプレーオフでは法政大が逆転勝利してインカレのシード権を奪われた格好になっている。大きな実力差はなく、どちらに転んでもおかしくないと思われるカードだった。
立ち上がりから気迫のこもったプレーを見せたのは慶應大。#10大元(3年・G)のミドル、#13福元(3年・G)の3Pで先行。法政大はシュートを打っていくが決まらず遅れた立ち上がりになるが、#24加藤(3年・F)のドライブ、#5
松澤(4年・C)のフリースローなどで追いかける。慶應大は合わせのプレーミスや速攻ミスなども出るが、法政大からはターンオーバーや24秒を奪うなどディフェンスで集中力を見せて1Qは11-15とリード。2Qになると法政大はゾーンを展開。しかし自らのオフェンスは停滞し、4分半ほど無得点に陥ってしまう。慶應大は重いオフェンスになりながらも#6権田、#10大元がシュートを狙っていき、#4伊藤(4年・G)の3P、速攻も出る。しかし法政大も#24加藤の外が当たり始め、残り3分から#24加藤が8点、#35山岸(3年・G)の3Pも入って大きく離されずぎず24-35の慶應リードで前半を終えた。
3Q、法政大は#24加藤の3Pで幕を開けるが、慶應大も#4伊藤が3Pで返す。ここから再び両者ターンオーバーが続いて点が止まるが、法政大は#16沼田(3年・C)に#5松澤が得点。慶應大はゾーンに苦しみながら我慢の時間帯になった。しかし残り2分、#19西戸(2年・G)のカットからの速攻、さらに#19西戸のアシストから#7黒木(3年・CF)のシュートで慶應らしい展開を出すと、#22トカチョフ(1年・CF・國學院久我山)のシュートで流れを掴む。しかし法政大も残り1分を切って#67佐藤(2年・G)のシュート、#16沼田のバスケットカウントで流れを引き戻し、41-50とやはり離れそうなところを戻して3Qを終えた。
4Q、法政大は#67佐藤、#16沼田、#24加藤の得点が続き一気に3点差に肉薄。しかしこの日の慶應大はここで崩れず#10大元のシュートに#13福元がスティールで続く。だが法政大は#24加藤、#5松澤のミドルシュートが決まり、残り5分で再び3点差に迫った。だが、ここから再び力を発揮したのは慶應大。#10大元のシュートに続き、ルーズボールから#4伊藤がねじ込む形で再び点差を開くと、ミスの出た法政大をよそに#6権田(4年・F)のシュートも決まった。さらに#10大元が2本の3Pを沈めて最終スコアは60-72。慶應大が準優勝した2010年以来のベスト8入りとなった。
この日の慶應大は終始アグレッシブだった。今年は波の出やすいチームで悪い日は立て直しのきかない試合もあったが、この試合では迫られても崩れずに乗り切った。阪口HCも「大元がふっきってやってくれた」と安堵の顔。法政大は迫りはしたが、勝負どころで流れを掴みきれなかった。
写真上:リバウンド、シュートで貢献した慶應大・権田。
写真下:激しいディフェンスに、3Pも決めた法政大・山岸。
※慶應義塾大・大元選手、法政大・加藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【大東文化大が青山学院大を終始リードしての勝利】
主力の怪我により万全ではなくなった青山学院大。大東文化大の挑戦を受けて立つことになったが、高さ、選手層ともに充実を見せる大東文化大が、立ち上がりから青山学院大に思うようなバスケットをさせなかった。
#13鵤(3年・PG)は欠場、#0船生(3年・SF)はこの日ベンチスタートとなったが、#7野本(4年・F)に多くのことが集中してしまうのは如何ともし難いところ。一方の大東文化大は#28兒玉(4年・PG)の速攻、#99山崎(3年・SG)のシュートも決まる。しかし青山学院大も持ち直し、1Qは16-11と大東大の5点リード。2Q、青山学院大はシュートがリングに弾かれる場面が多く、その間に#68花井(2年・SG)の2本の3Pもあって一気にリードを開いていく。青山学院大は#14柏倉(2年・PG)のオフェンスでなんとか持ち直すが、大東大は#20毕(1年・C・中部第一)の3P、シュートと流れを切らさない。#1高橋諒多(4年・F)の3Pも決まった大東大は、ここで17点のリードに成功。青学大は#11田中(3年・PF)のジャンパー、#7野本のフリースローでつなぐが、#28兒玉のドライブで締めた大東大が39-23とリードして前半を終えた。
後半3Q、追いかける青学大だが、速攻の合わせミスやファウルなどで流れを作れず。それでも#7野本が攻め続け、残り1分で#11田中がこぼれたシュートをカバーして6点差に迫った。しかし次の大東大のオフェンスで、ドライブにいってファウルされた#28兒玉のシュートがバスケットカウント判定に。これで再び流れを持っていかれてしまう。最後は#9安藤(2年・SG)の3Pでなんとかつなぐが50-42で大東大8点リードで4Qへ。
4Q立ち上がり、#5高橋貴大(4年・PG)のシュートと#7野本のアシストから#11田中が決めて4点差。大東大はここで#7渡部(3年・F)の3Pがチームを救い、再び点差は10を前後に推移。激しくディフェンスに行く青山学院大はここからファウルが増えていくが、大東大は焦らず得点を重ねて追いかける青山学院大を振りきっていく。残り4分、青山学院大のチームファウルは5つに。10点の差を追いかけるには苦しい状況となっていく。残り1分半で#20毕がこの日2本目の3Pでガッツポーズ。青山学院大は#5高橋貴大が決め返すが、劣勢を覆す時間はなく、74-59で試合終了。大東文化大がベスト8へと名乗りを上げた。
練習試合では何度もやってきた相手。「何をやってくるかはわかっていた」と大東大・西尾HC。自分たちのバスケットをすることはもちろんだが、主力に怪我人がいたことはより有利に働き、「鵤がいればぜんぜん違うチーム、おかげで野本にしぼりやすかった」と言う。入れ替え戦ではわずかの差に泣いたが、この金星もまた、何者にも代えがたい重みがある。選手層は1部に遜色ないだけに次の試合も注目したい。
青山学院大は船生を復帰させたが、本来のプレーは難しく、アウトサイドも不調に終わった。プレーオフでは東海大にあと一歩で勝利できそうな試合を見せていただけに惜しまれるが、何が起こるか分からないのもまた一発勝負の世界。インカレから見慣れた顔がひとつ、姿を消した。
写真上:3P2本、11点を決めた大東大・高橋諒多。
写真下:青学大は柏倉が攻め気を見せて流れを引き寄せた時間帯もあった。
※大東文化大・兒玉選手、青山学院大・野本選手、高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「得点で牽引しようと思っていた」
チームのために芽生えた責任感
◆#10大元孝文(慶應義塾大・3年・G)
本来の良さをようやく十分に発揮できた試合となった。高い跳躍力と柔らかいプレー、アウトサイドが持ち味だが、今年は春から自分とチームとのプレーの合わせに悩んでいる面もあった。だからこの試合では次期エースとしての責任も見えた。それを貫けるか、さらなる活躍が問われる。
ー試合を振り返って。
「法政とは今年5回、6回やっていて、お互い手の内を知り尽くした中での勝負で、法政にあれだけ好きなようにやられてしまったのは反省点なんですけど、そこで5点差まで詰め寄られながら勝ち切れたっていうのは、今年のチームの強みだと思ってます」
ープレーオフでは同じようにリードしていて逆転されましたが、その違いは。
「プレーオフの法政戦は僕が0点だったんですけど、チームの中で僕が0点だと勝てないとずっと言われ続けてきて、その中でチームのスタイルを見失いかけてたとこがありました。プレーオフが終わってから誰が点を取るべきかっていうのを、自分の中で考えたときにやっぱり自分がチームを引っ張っていくと考えて臨んだので、それが終盤に活かされたんじゃないかなと」
ー前半から積極的に点は取りに行っていましたね。
「外れてもいいという訳じゃないけど、自分が打たないとチームが勝てないというのはリーグ戦通して思ったし、西戸(#19)や真木(#14)みたいにあそこまでディフェンスができる訳じゃないので、とにかく得点でチームを牽引しようという気持ちでした。むちゃくちゃなシュートも多かったんですけど」
ーディフェンスでは加藤選手(#24)を守っていたところで、立て続けに打たれるというのはありましたね。
「僕がついていてもどうしても10cmのミスマッチがあるので。あそこが打つのはわかっているので、ファウルしてでも止めにいくべきだったのかなとは思います。彼がドリブルの中で打ってくるので、ドライブに行くか、そのまま打ってくるかでどう守るかちょっと判断しにくいところはありますが」
ー今日のような集中を保った試合がいつもできれば、というのは感じますが。
「今年は途中が切れてしまう場面も多いのが課題です。チームの中で話し合っていいチームにしようとやってきていますが、今日はそれがうまくいって速攻やリバウンドにもつながりました。プレーオフやリーグ戦よりもルーズボールに行く回数も多くなってきたし、そこは去年に近づいてきたと思います」
ー次はベスト4に挑むことになりますね。
「どちらが上がってきてもベスト8まで来るチームなので強いと思いますし、ここで自分たちが受け身になったり、引いてしまうと一気に飲まれると思います。ベスト8からベスト4の壁を乗り越えて今年のチームが本当に進化できたっていうのを見せたいと思います。そのためにも僕がやらなきゃという気持ちがあるので、頑張ります」
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「自分が引っ張っていかなければと感じた1年」
今年の反省を来年に活かせるか
◆#加藤寿一(法政大・3年・F)
法政大の点取り屋として今年はチームを引っ張った1年になった。ストイックな沼田や山岸とは好対照に、明るいムードメーカータイプ。怪我人が相次いだシーズン、点を取り続けて貢献した。しかしチームの良くない面が足かせになっていることも自認している。来季、真の主力としてそれを克服していけるか。
ー慶應大とは今年7回目の対戦ということですが、振り返って。
「ミーティングでも勝たなければいけない試合というのはみんな分かっていました。入りはそこまで悪い訳ではなかったんですが、シュートが入らなくて。みんなで我慢、我慢と言いながらやっていたんですけど、課題になっていたターンオーバーが勝負を決めたなというのはあります。最後の方のターンオーバーがなければというのがありますし、相手のいいところでバスケットカウントを決められてしまって、あそこがなければ違ったかなというのはあります」
ーディフェンスは慶應は激しかったですね。シュートはその影響?
「普通のディフェンスなんですけど、向こうも気合が入っていたしその面でやりづらさはありました。プレーオフとはぜんぜん違いました」
ー3Q終盤から後半になって加藤選手のシュートも入りましたが。
「でも逆転まではいけなくて。シュートは入っていたので、そこでもっと積極的にもらいに行けば良かったんですけど、そういうことをしなかったのは反省です。人任せというか、誰かがやってくれるだろうと。沼田(#16)に頼ったり、藤井(#7)もいるしやってくれるだろうとみんなの動きが止まってしまって。後半からは入ったのでもっと積極的に打っていけば良かったのにというのはあります」
ー今年は今年は春から怪我人も続いて加藤選手への負担も大きかったのではないかなと思うんですが。プレッシャーは?
「怪我人はそんなに意識していなかったんですけど、1年生からスタメンで出させてもらっているんですけど、去年までは絶対的な司令塔として歳也さん(13
年度卒・高田)がいて思い切りというか、気楽にやらせてもらっていたんです。でも3年になってそういう人がいなくなって誰かが引っ張っていかなければならなくなりました。自分も3年で上級生になったし、4年も大晃さん(#5松澤)しか試合に絡んでいなかったので、自分が引っ張っていかなければならないと思っていました。周りからも期待されて、そういう意味でのプレッシャーはありました」
ー今年のチームの評価としてはどうですか?
「うちは練習のための練習をしちゃうんです。練習ではすごく攻めたり良かったりするのに、試合になると緊張して出来ないってことが多くて。練習から変えていかなければいけないことを、見逃していたと思います。最終的な詰めが甘いのはそのせいだし、そういう意味ではあまり評価はできないですね。試合で周りから法政やる気あるの、と言われたりとかディフェンスやらないじゃんとか、勝つ気ないの、とか言われたり。周りの評価って大事だと思いうんですけど、それを考えたらダメでしたね。でも自分たちは上下関係なく言い合えたし、それで良く回った面もあります」
ーそういう部分が来年の課題ですね。
「そうですね。そういうところを変えて頑張っていきたいですね。来年はストイックな沼田や山岸がチームを変えたいと考えているところなので、それをうまく力に変えていけたらと思います」
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「勝ち切るまでやろうと思っていた」
入れ替え戦の悔しさを力に変えて
◆#28兒玉貴通(大東文化大・4年・PG)
入れ替え戦では悔しい敗戦になった。それを払拭するような気持ちの入ったプレーを続けて、16点。自分より大きな選手をかいくぐってのシュートも何度も見せた。入れ替え戦の悔しさはまだある。それを良い方に変えて今は更に上を目指すだけだ。
ー今の気持ちは。
「本当に嬉しいです」
ー入れ替え戦が残念だったというのはありますが、どうでしたか?
「チーム自体はそこまで落ちていなくて。若いチームなので次もあるし、いい方に捉えてくれたんじゃないかなと思います。個人としては本当に切り替えられなくて辛かったです。自分が最後決めていればという気持ちになってしまって、そこは本当に辛い時間でした」
ー最終戦は本当に兒玉選手が頑張っていただけに。
「でも勝ちまで持っていかなかったのが本当に悔しかったですね」
ー今日の青学戦は、兒玉選手が積極的に攻めるというのが入れ替え戦同様に見えた試合でしたね。
「やるからには負けて終わりたくなかったし、チームメイトや西尾さんからも声をかけてもらったので。やっぱり専修戦の最後を勝ちきれなかったというのがある意味自分を成長させてくれました。最後に勝ち切るまでやろうというのがあったので、それがいい方に出たかなと思います」
ーリーグ戦よりも点を取りに行っている印象です。
「リーグは周りも点を取れるし、やらせた方がいいかなと思っていました。チームが落ちたときとかに自分が点を取れればと思っていて、それが攻めていることにつながるのかな?」
ー今日は追い上げられそうな部分でも乗り切れましたね。
「やっぱり、チーム全員で戦おうとしていたところが本当に大きかったんじゃないかと思います。3Qの入りは悪くて、逆に3Qの入りは青学は強いと分かっていたんですけど、そこで圧倒されたというか自分たちのプレーじゃないことをしていて、自分も変なドライブをしてしまいました。そういうときにベンチに帰ったら落ち着こうと言ってくれて、それで落ち着けました。それで持ち直していけたんだと思います」
ーこれを続けていくことが大事ですね。次は慶應大となりますが。
「アウトサイドのシューター陣が本当にガツガツやってくるので、そこを山崎(#99)と高橋(#1)が強気でいけば大丈夫かなと思います。頑張ります」
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「下級生にいい思いをさせてあげたかった」
主将としての責任感で挑んだ最後の勝負
◆#5高橋貴大(青山学院大・4年・PG)
ベスト16での敗戦で、心の整理はまだできない状態だった。鵤のアクシデントは大会2日前。さまざまなことがあっという間に始まり、終わった印象だ。最後は5ファウル退場となったが、最後までディフェンスで引かない姿勢を見せ、3Pも決めてあきらめずに食い下がった。後輩たちに最後まで何か残そうという気持ちが見えるプレーだった。
ー最初から厳しい試合でしたが、振り返って。
「本当に悔しいしかないですね。うちの事情も分かって対策は練るだろうし、うちも練習はしてきましたが相手の作戦にハマってしまうというのは、自分たちの力の無さだし、そこでうまく指示を出してまとめられない力無さを感じました」
ー最後に渾身の3Pを1本決めましたが、チーム全体としてシュートもなかなか入りませんでしたね。狂わされた感じですか?
「今日は何をしてもうまくいかなかったというのはありますね。大東も力のあるチームだと分かっていて、こうなるかなという予想はあったんですが、予想以上に前半でやられたことに対して動揺してしまったかなと。そこで余裕を持てなかったのが最後に影響したのかなと思います」
ー怪我人は予想外だったと思いますが、メンタル面にむしろ影響は大きくなかったですか?
「でも怪我人が出たことによってチームの動揺も多少ありましたが、どうしようもなかったのでそういう練習もしてきました。でも気持ちに余裕がなかったのかもしれません」
ー試合に出る4年生も2人なのでまとめていくのは大変だったと思いますが。
「まとめるのが大変というよりは、下級生に助けてもらうことが多くて。だからこそ僕と野本が下級生にいい思いをさせてやりたかったんですけど、本当にそこが下級生に申し訳ないし、それが一番悔しいです」
ーそういう意味では下級生もかなり試合に出て成長が見える1年でしたね。
「そうですね。もともと力のある選手もたくさんいるし、今年のリーグ、インカレを通してみんな力をつけてくれて、下級生のおかげで勝った試合も何回もあったし、そういう意味では来年やってくれると期待しています。今の3年は個性も強いし、一見やんちゃそうに見えて中身はしっかりして頼もしいので、そこは心配していないし、期待します」
ー青学の4年間というのは濃い時間だったのでは。
「自分の中では試合に絡むか否かといったところで、1・2年と3・4年はぜんぜん違う時間でした。2年まではスーパースターを見て憧れの気持ちしかなくて。こうなりたいと思って。3年からは試合に出してもらって大学バスケの厳しさを知ったし、もう少し頑張りたかったと思うんですけど、いい経験にはなりました。今年は悔しい経験がいっぱいありましたが、僕自身は4年間やりきったかどうか、今はまだなんとも言えないですけど、後輩たちにはいい糧にしてもらいたいです。まだ本当に悔しいしかなくて、振り返る余裕はないですね」
ーそうですよね。明日からどうしましょうか。
「練習に行っちゃいそうですね(苦笑)。ああ、練習ないんだ、どうしようと健吾ともさっき話したんですけど。終わったことではありますが、実感するのはもう少し時間が経ってからだと思います」
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「勝たせてあげられたらと思ってやってきた」
エースとして戦った最終学年はここで幕
◆#7野本健吾(青山学院大・4年・F)
「最後まで流れを掴めなかったのは残念」と敗戦の理由を述べたが、負けて泣くのは流儀ではない、と最後まで淡々とした様子は崩さなかった。1年の頃はまだ不器用さがあったが、年々上達して今や大学界を代表するインサイド選手に成長。代表クラスの先輩に揉まれ、自身も上達することを楽しみにやってきた。彼のバスケット人生はまだ続く。ここからのさらなる飛躍を願う。
ーチームのモチベーションとして怪我人は影響しましたか?
「誠司(#13鵤)が怪我をしたのは大会の2日前とかだったので、それまではいつ通り頑張っていました。でも怪我があってムード的には危機感はあったと思います」
ー何度か点差も詰まったけれど逆転しきれなかったですね。
「そこは自分がなんとかしてあげないとと思ったんですけど、イージーなシュートを決めらなかったし、そこは自分の糧にしたいと思います。大東は勢いのあるチームなので警戒していたんですが、シュートも当たったし、止めきれないところもあったと思います」
ー涙はなかったですね。
「負けて泣くのは嫌なので」
ー実感はありますか?4年間が終わるという。
「重みはないですね。終わっちゃった、という感じはしますが」
ー昨年まではたくさんの先輩がいて、今年は自分一人でチームを背負うということになりましたが。
「そこで勝たせてあげられたらなと。それが仕事だったし。大東さんも自分を抑えにくるのは分かっていたし、実際にそれでやられて打開できなくて、相手の作戦にやられてしまったという感じです」
ーワンセンターとしては経験を詰めた1年と言えますか?
「中も外も自由にやらせてもらって、今年1年はそこは良かったと思います。体力も消耗も全然違ったし」
ー一人だと大変だと思うんですが、体力的には?
「今日は結構ギリギリでしたね」
ー4年間を振り返ると。
「きつかったなあと。でも青学で4年間やれたのは楽しかったです。自分では成長できたか分からないですけど」
ー春は楽しくできたら、という話をしていましたが。
「勝つことが一番なんですけど、やっぱり今年のチームはすごい人がいる訳じゃないし、楽しくやらないと勝てないチームだから、それが大前提だと思っていました」
ー後輩にはどういう風にやって欲しいですか?
「自分たちとガツガツやってきていたので、あいつらも成長していると思うし、4年生たちと練習で培ったものを来年生かしてもらいたいなと思います」
その他東海大・近畿大・慶應義塾大がベスト8へ

近畿大は愛知学泉大と対戦。インサイドに#22ソウ(3年・C)抱えるだけではなく、全体的にもサイズのある近畿大は、序盤から簡単に愛知学泉大には攻めこませず、愛知学泉大は1Qから6-18と出遅れる。近畿大は全員がバランスよく攻めて加点していき、2Qには#22ソウのダンクも出て、安定してリードを保った。愛知学泉大は激しいディフェンスから何度もボールを奪う場面はあるが、相手の高さに阻まれるシーンが目立った。初戦では好調だったアウトサイドもなかなか当たりが来ず、反対に終盤は近畿大に走られる展開にも持ち込まれた。近畿大は44-71で勝利してベスト8進出。次は東海大との対戦になる。
第1シード東海大は、専修大との対戦になった。専修大は#6渡辺(2年・G)が体調不良で欠場。インサイドの要を失ったことで1Qからなかなか得点が取れず、大きく水を空けられる形となった。初戦に比べアグレッシブさが光った東海大は前半で30点近く差をつけると、後半は控えも出場させて91-50で勝利し、ベスト8へ駒を進めた。
また、墨田区総合体育館で行われた残りの1回戦4試合は、中京大、明治大、日本体育大、国士舘大が順当に勝ち上がった。
写真:リバウンドを取る東海大・バランスキー。この日は立ち上がりから相手を圧倒した。
【慶應義塾大が4年ぶりのベスト8入り】

立ち上がりから気迫のこもったプレーを見せたのは慶應大。#10大元(3年・G)のミドル、#13福元(3年・G)の3Pで先行。法政大はシュートを打っていくが決まらず遅れた立ち上がりになるが、#24加藤(3年・F)のドライブ、#5
松澤(4年・C)のフリースローなどで追いかける。慶應大は合わせのプレーミスや速攻ミスなども出るが、法政大からはターンオーバーや24秒を奪うなどディフェンスで集中力を見せて1Qは11-15とリード。2Qになると法政大はゾーンを展開。しかし自らのオフェンスは停滞し、4分半ほど無得点に陥ってしまう。慶應大は重いオフェンスになりながらも#6権田、#10大元がシュートを狙っていき、#4伊藤(4年・G)の3P、速攻も出る。しかし法政大も#24加藤の外が当たり始め、残り3分から#24加藤が8点、#35山岸(3年・G)の3Pも入って大きく離されずぎず24-35の慶應リードで前半を終えた。

4Q、法政大は#67佐藤、#16沼田、#24加藤の得点が続き一気に3点差に肉薄。しかしこの日の慶應大はここで崩れず#10大元のシュートに#13福元がスティールで続く。だが法政大は#24加藤、#5松澤のミドルシュートが決まり、残り5分で再び3点差に迫った。だが、ここから再び力を発揮したのは慶應大。#10大元のシュートに続き、ルーズボールから#4伊藤がねじ込む形で再び点差を開くと、ミスの出た法政大をよそに#6権田(4年・F)のシュートも決まった。さらに#10大元が2本の3Pを沈めて最終スコアは60-72。慶應大が準優勝した2010年以来のベスト8入りとなった。
この日の慶應大は終始アグレッシブだった。今年は波の出やすいチームで悪い日は立て直しのきかない試合もあったが、この試合では迫られても崩れずに乗り切った。阪口HCも「大元がふっきってやってくれた」と安堵の顔。法政大は迫りはしたが、勝負どころで流れを掴みきれなかった。
写真上:リバウンド、シュートで貢献した慶應大・権田。
写真下:激しいディフェンスに、3Pも決めた法政大・山岸。
※慶應義塾大・大元選手、法政大・加藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【大東文化大が青山学院大を終始リードしての勝利】

#13鵤(3年・PG)は欠場、#0船生(3年・SF)はこの日ベンチスタートとなったが、#7野本(4年・F)に多くのことが集中してしまうのは如何ともし難いところ。一方の大東文化大は#28兒玉(4年・PG)の速攻、#99山崎(3年・SG)のシュートも決まる。しかし青山学院大も持ち直し、1Qは16-11と大東大の5点リード。2Q、青山学院大はシュートがリングに弾かれる場面が多く、その間に#68花井(2年・SG)の2本の3Pもあって一気にリードを開いていく。青山学院大は#14柏倉(2年・PG)のオフェンスでなんとか持ち直すが、大東大は#20毕(1年・C・中部第一)の3P、シュートと流れを切らさない。#1高橋諒多(4年・F)の3Pも決まった大東大は、ここで17点のリードに成功。青学大は#11田中(3年・PF)のジャンパー、#7野本のフリースローでつなぐが、#28兒玉のドライブで締めた大東大が39-23とリードして前半を終えた。
後半3Q、追いかける青学大だが、速攻の合わせミスやファウルなどで流れを作れず。それでも#7野本が攻め続け、残り1分で#11田中がこぼれたシュートをカバーして6点差に迫った。しかし次の大東大のオフェンスで、ドライブにいってファウルされた#28兒玉のシュートがバスケットカウント判定に。これで再び流れを持っていかれてしまう。最後は#9安藤(2年・SG)の3Pでなんとかつなぐが50-42で大東大8点リードで4Qへ。

練習試合では何度もやってきた相手。「何をやってくるかはわかっていた」と大東大・西尾HC。自分たちのバスケットをすることはもちろんだが、主力に怪我人がいたことはより有利に働き、「鵤がいればぜんぜん違うチーム、おかげで野本にしぼりやすかった」と言う。入れ替え戦ではわずかの差に泣いたが、この金星もまた、何者にも代えがたい重みがある。選手層は1部に遜色ないだけに次の試合も注目したい。
青山学院大は船生を復帰させたが、本来のプレーは難しく、アウトサイドも不調に終わった。プレーオフでは東海大にあと一歩で勝利できそうな試合を見せていただけに惜しまれるが、何が起こるか分からないのもまた一発勝負の世界。インカレから見慣れた顔がひとつ、姿を消した。
写真上:3P2本、11点を決めた大東大・高橋諒多。
写真下:青学大は柏倉が攻め気を見せて流れを引き寄せた時間帯もあった。
※大東文化大・兒玉選手、青山学院大・野本選手、高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「得点で牽引しようと思っていた」
チームのために芽生えた責任感
◆#10大元孝文(慶應義塾大・3年・G)

ー試合を振り返って。
「法政とは今年5回、6回やっていて、お互い手の内を知り尽くした中での勝負で、法政にあれだけ好きなようにやられてしまったのは反省点なんですけど、そこで5点差まで詰め寄られながら勝ち切れたっていうのは、今年のチームの強みだと思ってます」
ープレーオフでは同じようにリードしていて逆転されましたが、その違いは。
「プレーオフの法政戦は僕が0点だったんですけど、チームの中で僕が0点だと勝てないとずっと言われ続けてきて、その中でチームのスタイルを見失いかけてたとこがありました。プレーオフが終わってから誰が点を取るべきかっていうのを、自分の中で考えたときにやっぱり自分がチームを引っ張っていくと考えて臨んだので、それが終盤に活かされたんじゃないかなと」
ー前半から積極的に点は取りに行っていましたね。
「外れてもいいという訳じゃないけど、自分が打たないとチームが勝てないというのはリーグ戦通して思ったし、西戸(#19)や真木(#14)みたいにあそこまでディフェンスができる訳じゃないので、とにかく得点でチームを牽引しようという気持ちでした。むちゃくちゃなシュートも多かったんですけど」
ーディフェンスでは加藤選手(#24)を守っていたところで、立て続けに打たれるというのはありましたね。
「僕がついていてもどうしても10cmのミスマッチがあるので。あそこが打つのはわかっているので、ファウルしてでも止めにいくべきだったのかなとは思います。彼がドリブルの中で打ってくるので、ドライブに行くか、そのまま打ってくるかでどう守るかちょっと判断しにくいところはありますが」
ー今日のような集中を保った試合がいつもできれば、というのは感じますが。
「今年は途中が切れてしまう場面も多いのが課題です。チームの中で話し合っていいチームにしようとやってきていますが、今日はそれがうまくいって速攻やリバウンドにもつながりました。プレーオフやリーグ戦よりもルーズボールに行く回数も多くなってきたし、そこは去年に近づいてきたと思います」
ー次はベスト4に挑むことになりますね。
「どちらが上がってきてもベスト8まで来るチームなので強いと思いますし、ここで自分たちが受け身になったり、引いてしまうと一気に飲まれると思います。ベスト8からベスト4の壁を乗り越えて今年のチームが本当に進化できたっていうのを見せたいと思います。そのためにも僕がやらなきゃという気持ちがあるので、頑張ります」
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「自分が引っ張っていかなければと感じた1年」
今年の反省を来年に活かせるか
◆#加藤寿一(法政大・3年・F)

ー慶應大とは今年7回目の対戦ということですが、振り返って。
「ミーティングでも勝たなければいけない試合というのはみんな分かっていました。入りはそこまで悪い訳ではなかったんですが、シュートが入らなくて。みんなで我慢、我慢と言いながらやっていたんですけど、課題になっていたターンオーバーが勝負を決めたなというのはあります。最後の方のターンオーバーがなければというのがありますし、相手のいいところでバスケットカウントを決められてしまって、あそこがなければ違ったかなというのはあります」
ーディフェンスは慶應は激しかったですね。シュートはその影響?
「普通のディフェンスなんですけど、向こうも気合が入っていたしその面でやりづらさはありました。プレーオフとはぜんぜん違いました」
ー3Q終盤から後半になって加藤選手のシュートも入りましたが。
「でも逆転まではいけなくて。シュートは入っていたので、そこでもっと積極的にもらいに行けば良かったんですけど、そういうことをしなかったのは反省です。人任せというか、誰かがやってくれるだろうと。沼田(#16)に頼ったり、藤井(#7)もいるしやってくれるだろうとみんなの動きが止まってしまって。後半からは入ったのでもっと積極的に打っていけば良かったのにというのはあります」
ー今年は今年は春から怪我人も続いて加藤選手への負担も大きかったのではないかなと思うんですが。プレッシャーは?
「怪我人はそんなに意識していなかったんですけど、1年生からスタメンで出させてもらっているんですけど、去年までは絶対的な司令塔として歳也さん(13
年度卒・高田)がいて思い切りというか、気楽にやらせてもらっていたんです。でも3年になってそういう人がいなくなって誰かが引っ張っていかなければならなくなりました。自分も3年で上級生になったし、4年も大晃さん(#5松澤)しか試合に絡んでいなかったので、自分が引っ張っていかなければならないと思っていました。周りからも期待されて、そういう意味でのプレッシャーはありました」
ー今年のチームの評価としてはどうですか?
「うちは練習のための練習をしちゃうんです。練習ではすごく攻めたり良かったりするのに、試合になると緊張して出来ないってことが多くて。練習から変えていかなければいけないことを、見逃していたと思います。最終的な詰めが甘いのはそのせいだし、そういう意味ではあまり評価はできないですね。試合で周りから法政やる気あるの、と言われたりとかディフェンスやらないじゃんとか、勝つ気ないの、とか言われたり。周りの評価って大事だと思いうんですけど、それを考えたらダメでしたね。でも自分たちは上下関係なく言い合えたし、それで良く回った面もあります」
ーそういう部分が来年の課題ですね。
「そうですね。そういうところを変えて頑張っていきたいですね。来年はストイックな沼田や山岸がチームを変えたいと考えているところなので、それをうまく力に変えていけたらと思います」
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「勝ち切るまでやろうと思っていた」
入れ替え戦の悔しさを力に変えて
◆#28兒玉貴通(大東文化大・4年・PG)

ー今の気持ちは。
「本当に嬉しいです」
ー入れ替え戦が残念だったというのはありますが、どうでしたか?
「チーム自体はそこまで落ちていなくて。若いチームなので次もあるし、いい方に捉えてくれたんじゃないかなと思います。個人としては本当に切り替えられなくて辛かったです。自分が最後決めていればという気持ちになってしまって、そこは本当に辛い時間でした」
ー最終戦は本当に兒玉選手が頑張っていただけに。
「でも勝ちまで持っていかなかったのが本当に悔しかったですね」
ー今日の青学戦は、兒玉選手が積極的に攻めるというのが入れ替え戦同様に見えた試合でしたね。
「やるからには負けて終わりたくなかったし、チームメイトや西尾さんからも声をかけてもらったので。やっぱり専修戦の最後を勝ちきれなかったというのがある意味自分を成長させてくれました。最後に勝ち切るまでやろうというのがあったので、それがいい方に出たかなと思います」
ーリーグ戦よりも点を取りに行っている印象です。
「リーグは周りも点を取れるし、やらせた方がいいかなと思っていました。チームが落ちたときとかに自分が点を取れればと思っていて、それが攻めていることにつながるのかな?」
ー今日は追い上げられそうな部分でも乗り切れましたね。
「やっぱり、チーム全員で戦おうとしていたところが本当に大きかったんじゃないかと思います。3Qの入りは悪くて、逆に3Qの入りは青学は強いと分かっていたんですけど、そこで圧倒されたというか自分たちのプレーじゃないことをしていて、自分も変なドライブをしてしまいました。そういうときにベンチに帰ったら落ち着こうと言ってくれて、それで落ち着けました。それで持ち直していけたんだと思います」
ーこれを続けていくことが大事ですね。次は慶應大となりますが。
「アウトサイドのシューター陣が本当にガツガツやってくるので、そこを山崎(#99)と高橋(#1)が強気でいけば大丈夫かなと思います。頑張ります」
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「下級生にいい思いをさせてあげたかった」
主将としての責任感で挑んだ最後の勝負
◆#5高橋貴大(青山学院大・4年・PG)

ー最初から厳しい試合でしたが、振り返って。
「本当に悔しいしかないですね。うちの事情も分かって対策は練るだろうし、うちも練習はしてきましたが相手の作戦にハマってしまうというのは、自分たちの力の無さだし、そこでうまく指示を出してまとめられない力無さを感じました」
ー最後に渾身の3Pを1本決めましたが、チーム全体としてシュートもなかなか入りませんでしたね。狂わされた感じですか?
「今日は何をしてもうまくいかなかったというのはありますね。大東も力のあるチームだと分かっていて、こうなるかなという予想はあったんですが、予想以上に前半でやられたことに対して動揺してしまったかなと。そこで余裕を持てなかったのが最後に影響したのかなと思います」
ー怪我人は予想外だったと思いますが、メンタル面にむしろ影響は大きくなかったですか?
「でも怪我人が出たことによってチームの動揺も多少ありましたが、どうしようもなかったのでそういう練習もしてきました。でも気持ちに余裕がなかったのかもしれません」
ー試合に出る4年生も2人なのでまとめていくのは大変だったと思いますが。
「まとめるのが大変というよりは、下級生に助けてもらうことが多くて。だからこそ僕と野本が下級生にいい思いをさせてやりたかったんですけど、本当にそこが下級生に申し訳ないし、それが一番悔しいです」
ーそういう意味では下級生もかなり試合に出て成長が見える1年でしたね。
「そうですね。もともと力のある選手もたくさんいるし、今年のリーグ、インカレを通してみんな力をつけてくれて、下級生のおかげで勝った試合も何回もあったし、そういう意味では来年やってくれると期待しています。今の3年は個性も強いし、一見やんちゃそうに見えて中身はしっかりして頼もしいので、そこは心配していないし、期待します」
ー青学の4年間というのは濃い時間だったのでは。
「自分の中では試合に絡むか否かといったところで、1・2年と3・4年はぜんぜん違う時間でした。2年まではスーパースターを見て憧れの気持ちしかなくて。こうなりたいと思って。3年からは試合に出してもらって大学バスケの厳しさを知ったし、もう少し頑張りたかったと思うんですけど、いい経験にはなりました。今年は悔しい経験がいっぱいありましたが、僕自身は4年間やりきったかどうか、今はまだなんとも言えないですけど、後輩たちにはいい糧にしてもらいたいです。まだ本当に悔しいしかなくて、振り返る余裕はないですね」
ーそうですよね。明日からどうしましょうか。
「練習に行っちゃいそうですね(苦笑)。ああ、練習ないんだ、どうしようと健吾ともさっき話したんですけど。終わったことではありますが、実感するのはもう少し時間が経ってからだと思います」
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「勝たせてあげられたらと思ってやってきた」
エースとして戦った最終学年はここで幕
◆#7野本健吾(青山学院大・4年・F)

ーチームのモチベーションとして怪我人は影響しましたか?
「誠司(#13鵤)が怪我をしたのは大会の2日前とかだったので、それまではいつ通り頑張っていました。でも怪我があってムード的には危機感はあったと思います」
ー何度か点差も詰まったけれど逆転しきれなかったですね。
「そこは自分がなんとかしてあげないとと思ったんですけど、イージーなシュートを決めらなかったし、そこは自分の糧にしたいと思います。大東は勢いのあるチームなので警戒していたんですが、シュートも当たったし、止めきれないところもあったと思います」
ー涙はなかったですね。
「負けて泣くのは嫌なので」
ー実感はありますか?4年間が終わるという。
「重みはないですね。終わっちゃった、という感じはしますが」
ー昨年まではたくさんの先輩がいて、今年は自分一人でチームを背負うということになりましたが。
「そこで勝たせてあげられたらなと。それが仕事だったし。大東さんも自分を抑えにくるのは分かっていたし、実際にそれでやられて打開できなくて、相手の作戦にやられてしまったという感じです」
ーワンセンターとしては経験を詰めた1年と言えますか?
「中も外も自由にやらせてもらって、今年1年はそこは良かったと思います。体力も消耗も全然違ったし」
ー一人だと大変だと思うんですが、体力的には?
「今日は結構ギリギリでしたね」
ー4年間を振り返ると。
「きつかったなあと。でも青学で4年間やれたのは楽しかったです。自分では成長できたか分からないですけど」
ー春は楽しくできたら、という話をしていましたが。
「勝つことが一番なんですけど、やっぱり今年のチームはすごい人がいる訳じゃないし、楽しくやらないと勝てないチームだから、それが大前提だと思っていました」
ー後輩にはどういう風にやって欲しいですか?
「自分たちとガツガツやってきていたので、あいつらも成長していると思うし、4年生たちと練習で培ったものを来年生かしてもらいたいなと思います」
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