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2014.11.24 (Mon)
【2014インカレ】11/24 レポート
青山学院大、東海大相手に
同志社大、大阪学院大が善戦
第66回となる全日本大学バスケットボール選手権が開幕した。連休の最終日とあって、1回戦ながら代々木第二体育館には人も集まり、1試合ごとに大きな拍手が送られた。初日から第1シード、第2シードの登場となったが、地方勢に追い上げられるシーンも多々見られる試合が続いた。失うものはないという気概で関東上位に挑んでくる地方勢の気迫には、守りに入ることの危険さも示唆した。
第1試合は関東11位の大東文化大対北海道2位の北海道教育大岩見沢校。北教大はベンチ入りしているメンバーが全員180cm以下という小粒なチーム。2mのセンター#20毕(1年・C・中部第一)を抱える大東大が立ち上がりから高さを生かしてリードを奪った。北教大は2Qに大東大がベンチメンバーになったところで粘り、#25工藤(2年・F)のリバウンドから#1野村(4年・SG)のシュートにつなげ、ゴール下のディフェンスでも粘りを見せた。しかしじわじわと差は開き、最後は84-50で試合終了。大東大が1回戦を突破した。
写真:アグレッシブに攻める大東大・兒玉。次戦の青山学院大が山場だ。
【仙台大が追いつくが専修大が再び引き離す】
第2試合、東北1位の仙台大が関東10位の専修大に挑んだ。仙台大は開始早々#66庄司(4年・SF)のドライブが決まり、早い展開で仕掛けていく。専修大は1Qで#24田代(3年・SF)が2ファウルとなり、#6渡辺(2年・SG)が攻めて行く形に。ターンオーバーも多発するが最後は#11秋山(1年・SG)がねじ込んで18-22と4点リードで2Qに入ると、#7國分(2年・SF)の3Pで差を広げる。仙台大は序盤にオフェンスが形にならず10点離されてしまうが、#25畑澤(4年・PG)のオフェンスリバウンドや#66庄司のタフショットなどで追い上げ、#51菅原(1年・PG・聖和学園)の速攻、バスケットカウントも出て37-43と6点差にして前半終了。
専修大は3Qの前半に得点がストップ。その間に#66庄司がスティールから速攻、#51菅原がドライブからのバスケットカウントを決めて逆転に成功。専修大はパスが大きすぎたり合わない部分も見える。3つ目のファウルを吹かれるも、#24田代が内外で攻める専修大に対し、仙台大は#18中村(2年・SG)や#51菅原で対抗。しかし最後は#11秋山のスティールで専修大が53-55と2点リードで3Qを終了。4Q、立ち上がりに仙台大はポイントゲッターの#66庄司が4つ目のファウル。ここからペイント内に攻め込んでくる専修大を止めきれずファウルが続いてしまう。専修大はリバウンドで粘り、#11秋山から#6渡辺のアリウープも出てじわじわリードを広げると、再び点差は10。仙台大は終盤に#66庄司が意地の3Pを2本決めるが、追いつききれず68-75で試合終了となった。
勝負どころで専修大のリバウンド、ディフェンスが効いた。仙台大は一昨年白鴎大を倒す関東越えも見せたが、今年は迫ったもののあと少し及ばずに大会を終えた。
写真:鋭いドライブを見せた菅原。まだ1年だけに先が楽しみな選手だ。
※仙台大・庄司選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【同志社大は粘るが青山学院大が勝利】
関東2位の青山学院大は、昨年と同じく1回戦で関西2位の同志社大と対戦。昨年は同志社大が大きく引き離される展開となったが、今回は健闘を見せた。
青山学院大は#13鵤(3年・PG)、#0船生(3年・SF)が怪我でDNP。ただでさえ少ない布陣がさらに苦しい状態となったところを、同志社大に突かれた。#7野本(4年・F)が攻撃のメインのなる青学大に対し、同志社大は#60神門(4年・C)や#37仲西(4年・SG)など、バランスよく得点。ディフェンスでは#7野本に寄って簡単にはやらせないようにする。1Qは13-14となると2Qは立ち上がりこそ同志社大は引き離されずにいたが、次第に#7野本の活躍で引き離され、24-33で前半は青学大が11点のリードで終えた。
3Q、同志社は#9田野(4年・PG)のドライブで得点するが、その後が続かずファウルが嵩んでしまう。少しずつ離されるが、青学大のターンオーバーから#14高山(3年・PG)、#0田野の速攻が連続するなど、反撃も見せる。それでも青学大の集中力は途切れず#5高橋(4年・PG)、#14柏倉(2年・PG)のシュートなども決まって42-56で3Qを終了すると、4Qもリードを保った。同志社大は#14高山がゴール下でリバウンドをもぎ取ってのシュート、#18井島(3年・C)のルーズボールからの#0田野の3Pにつなげるなど、諦めずに粘り、中盤に#14高山の3Pで6点差にまで詰める。しかしここで青学大が#7野本、#5高橋の連続3Pで追い上げを許さない。同志社は終盤になってようやく3Pが当たるが、追いつくまでには至らず71-79で青山学院大が勝利した。
青山学院大は現状で野本頼みな部分は多い。怪我人の多い状態でチームとしてどう戦うかが今後の課題か。同志社大は田野が「迷惑をかけた」という3Pがなかなか来なかった。ファウルトラブルの中で全員で粘ったが惜しくも及ばず。
写真:青学大・野本は33点10リバウンド。試合後には北陸の同期である田野と抱き合う場面も。
※同志社大・田野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【東海大が3Qに大阪学院大を逆転し、逃げ切る】
関東1位、3連覇・初の3冠を狙う東海大は、関西4位の大阪学院大に相手に前半はリードされる形となった。
東海大はこの日、#7晴山(4年・SF)が体調不良で欠場。1Qは互いに点の取り合いになった。東海大は#0ベンドラメ(3年・PG)が開始早々3P、スタメンに入った#鈴木(2年・SG)もバスケットカウントを取るなど、得点を重ねる。大阪学院大はポイントゲッターの#20合田(3年・PG)、#99藤田(4年・PF)らが得点を取っていくが、スタメンの#77北川(4年・SG)が残り4分のところで負傷退場となってしまう。しかし1Qを23-24と1点リードした大阪学院大は2Qもリードを保ったままゲームを進め、残り1:12には#31福田(1年・C・大阪学院高)のシュートで6点のリードに成功。しかし1分を切って東海大は#45頓宮(3年・C)のシュート、#13中山(2年・SG)の速攻で39-42と3点差に戻して前半を終えた。
3Q立ち上がり、大阪学院大は得点を牽引する#99藤田が痛い4ファウルでベンチへ。ここで再び#13中山のランプレーが出た東海大は、続けて#10バランスキー(4年・PF)のカットから#19三ッ井(2年・SF)の速攻につなげてようやく逆転に成功する。大阪学院大は#20合田の3Pも出て食らいついて57-52と5点ビハインドで3Q終了。4Q、東海大は#35伊藤(4年・PG)、#3大矢(2年・PF)が次々に得点していく。大阪学院大は#99藤田をコートに戻すが、東海大は#10バランスキーがブロック、シュートと力強いプレーで追い上げを許さない。それでも#99藤田がレイアップ、速攻と連続得点し、意地を見せるが東海大が固いディフェンスから#10バランスキーの速攻、#0ベンドラメの3Pと手堅さを見せて最後は86-73と締めくくって大阪学院大の追い上げを断ち切った。
リバウンド面では高さのある大阪学院大は互角だったが、ファウルトラブルで苦しんだ。東海大は全員バスケで戦い、リーグ戦では出番の少なかった三ッ井が11点と気を吐いた。
写真:速攻で見せた東海大・中山。切り込み隊長的役割は東海大にとって大きい。
※大阪学院大・合田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「みんながやるぞという気持ちでやってくれた」
チーム一丸で戦えたことを評価
◆#66庄司優也(仙台大・4年・主将・SF)
チームをアグレッシブな攻撃で引っ張った。主将としても数多くいる部員を引っ張るために、プレーでチームを鼓舞することを心がけてきたと言う。部員で一丸となってインカレの舞台でプレーできたことは良かったと結論づけた。迫る部分を見せただけに悔しい思いもあるだろうが、後輩が中心というだけに来年以降、さらに実力を増した姿を期待したい。
ー今日の試合を振り返って。惜しい部分もありました。
「今シーズンずっと、最後まで我慢しながらゲームを作るというのがチームの課題だったんですが、それがこの試合で我慢しきれなかったのが少し出てしまったなと。少し悔いはありますが一人ひとり、特に後輩が中心のチームですが彼らが頑張ってくれました。自分も最上級生としてそれを引っ張る気持ちでできました」
ー最初から庄司選手がドライブで得点して、仙台大のペースでは入れたのではないかなと思いましたが。
「そうですね。関東のチームに最初に離されてしまうと地方のチームが追い上げるのは難しいので、出だしでガンガン攻めていくことをチームとしても個人としても考えていたし、それをいい形で出せたと思います」
ーリードはされていたけれど、一桁差ぐらいでついていけていたのは勝負できるという感覚でしたか。
「相手はシュートも入るし、大きいしという中で、絶対に勝つぞという気持ちを前面に出してやれたことで、関東のチームともやりあえたところだと思います」
ー途中のファウルトラブルで庄司選手が下がっていた時間帯が痛かったかなと思いますが。
「チームの中で点を取ることが仕事なので、自分の仕事がコート上で発揮できないのは反省点です」
ー専修大はディフェンスもいいチームですが、結構スペースを作ってゴール下にパスを出すという展開も何度か作れましたね。
「走る展開が持ち味で、走り回ってその中でスペースを作れました。インサイド陣も小さいながら頑張ってくれたおかげです」
ー全員が点を取っていく試合になったと思いますが。
「普段は自分とインサイドの中村(#18)の2人に得点が偏ってしまうことが課題でもあったんですが、今日は一人ひとりがやるぞという気持ちを持ってやってくれました。ガードたちも今日はいいところでシュートを決めてくれました」
ーでは今日は全員良かったということなんですね。
「そうですね、みんなで作れたゲームでした」
ー最後の庄司選手の3Pは良かったですね。
「あそこは決めてやろうと思っていました」
ー仙台大は最近いい選手も入ってきて力をつけてきていますね。4年間はどうでしたか?
「4年は出ているメンバーも少ないですし、下級生中心なんですが、これからもっと練習してひたむきに必死にやれば、関東のチームにも通用すると思います。今年やり遂げられなかった目標を、後輩たちにぜひ達成して欲しいと思います」
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「全員バスケットはできた」
チーム一丸で青学大にぶつかった覚悟
◆#0田野 司(同志社大・4年・主将・PG)
同カードで昨年は40点差をつけられての大敗だった。自身も怪我があり、万全の状態で戦えなかったことを悔やんだ試合だった。今年は全体のチーム力も上がり、全員で戦って青学に善戦。自分のシュートが入らなかったことを詫びたが、前進の見える戦いだった。
ー昨年と同じく1回戦で青学と戦うことになりましたが、どういう準備をしてきたのでしょう?
「青学だから、というのは特にありません。ここまでインカレで1回も勝てていなかったし、リーグではだんだん調子も良くなってきていたので、その調子のままやればいけると思っていました。何がどうこうというというよりは、自分たちのバスケットをやればと考えていました」
ー今日は青学の鵤選手(#13)と船生選手(#0)が欠場となったので、そういう部分では付け込めるところもあると思えたのでは。
「そういう意識はありましたけど、他に出てきた選手もしっかりしているという印象でした」
ー前半はまだ競り合う展開に持っていけたとは思うんですが、どこが良かったですか?
「こっちのエースは決められなかったんですが、そのときにしっかりディフェンスで粘れたのが良かったと思います」
ーオフェンスに関しては青学のディフェンスの厳しさは感じましたか?
「やっぱりフィジカルとか、関西とは当たりも違うのは感じました。シュートは研究されていたのかなと思いますが、簡単には打たせてもらえませんでしたね」
ー昨年の青学大よりは小さくなりましたが、そういう違いも感じましたか?
「こっちはリバウンドを取れた部分もあるので、それは感じました」
ー野本選手(#7)のところはやられはしましたが、ディフェンスはしっかりいっていましたね。
「健吾は絶対にやってくるので、そこは潰してヘルプのローテーションまでしっかり最後までやろう、と言っていました。出来た部分もあると思います」
ー今日は田野選手の外がなかなか当たってきませんでしたね。
「そこはほんまに申し訳ないです。ここまでの調子はだいぶ上がってきていて、あとはコートの上で最高のパフォーマンスをするだけだったんですけど、そこはちょっと申し訳ないです。ボールが感覚的に飛ぶ感じがして、逆に意識してしまったかなと思います」
ーでも大差をつけられた昨年とは全然違って全員が戦えた感じがしました。昨年は田野選手も怪我がありましたよね。
「やっぱりチーム力はリーグを通して段々上がってきました。一人でやるんじゃなくて、チーム全員でディフェンスを頑張って、オフェンスも全員で点を取るというのは去年との差だと思います。全員バスケットをやろうとしてきて、それはできました」
ー14番の高山選手が出ているときは2番ポジションになりますが、田野選手ばかりが攻めるという感じではなかったですね。
「そこは自分が行きすぎてもダメだなというのがあるので、意識してみんなでやろうとしていました。僕じゃなくてもやれるというのを、みんなにも感じて欲しいと思っていたのもあります」
ー今シーズンを振り返ってみてどんな1年でしたか。
「今年は春はぜんぜん結果が残らなくて、やっとリーグで結果を残せて、インカレに来ました。でもやっぱり関西では勝って当たり前なんですが、関東を倒すというのを目標にしていたのでそれを実現できなかったのは悔しいです」
ー通用する部分もなくはなかったと思いますが。
「一人ひとりの攻め気やボールのもらい方なんかももっと考えていけば、もっと攻められたかなと思いますね。関東の上の方とやったことがなかったので感覚として掴むのは難しかったですね」
ー今年はキャプテンでしたが、どうでしたか?
「いやー、辛かったです。自分は下に言ったりとかあまりできないタイプなので、バスケットや背中で見せるじゃないですけど、僕が頑張ればついてきてくれるかなと考えてやってきました。全員ついてきてくれました。最後のサークルではインカレで勝たせてあげられなくて申し訳ない、という言葉になりましたけど」
ー後輩にはどういう風に頑張って欲しいですか?
「チーム力を上げるという部分でみんなで頑張って欲しいです。そんな簡単に身につくものではないですけど、試合を重ねて、結果がついてこなくてもやってみて、そしてインカレで1勝をぜひしてもらいたいですね」
ー同志社での4年間はどうでしたか?
「大きな怪我はなかったんですが、大会ごとにちょっとした怪我があったのは少し残念です。でも今年はそういったこともなくみんな元気でやってこれて良かったです」
ーもっとやれるんじゃないかなと見ていると思える部分はありましたが。
「普通に攻めていける部分もあったし、そこはちょっとうまく言えないですけど、もう少しやれたかなという感覚はあります。でもみんなで楽しくやれたのは良かったと思います」
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「今日の試合は大きな経験になった」
トップレベルのチームと戦って得たもの
◆#20合田 怜(大阪学院大・3年・PG)
4本の3Pを含む24点で東海大に食い下がった。1年の頃からポイントゲッターとして活躍してきたが、今は1番をこなしつつ自分が点を取る道を模索している。選手層が厚かった今年は、勝てる力があるからこそ意欲を保ち続けるのが難しかったという。しかし、チャンピオンチームに挑んで掴んだ手応えを忘れず、来年再びチャレンジをして欲しい。
ー試合を振り返って。いい内容で試合に入れましたが。
「思った以上にできたと思います。ビデオを見てスカウティングはしましたが、技術的なところで急に向上することはないので、気持ち的な部分で絶対負けないとチームで言い聞かせてやってきました。気持ちの部分で勝ててたことが良かったのかなと思います。気持ちです、もう」
ー確かにリバウンドなんかでも粘り強くいっていたし、最後まで諦めませんでしたね。前半はかなり良かったと思うのですが、後半は何がダメでしたか?
「やっぱり地力の差というか、体力的な部分でも東海のディフェンスに対応されてしまったし、こちらにはさらにそれに対応するだけの力はなかったですね。前半は勢いでノーマークのシュートを決めていくことを徹底できたんですが、後半はそれに対応されてノーマークを簡単に作れなくなってしまいました。そこで余計に体力を削られて、それがやられてしまった原因だと思います」
ーでも一気にやられないで最後にもう少し詰めたりといった部分は良かったのでは。
「そうですね、そこは」
ー東海は今日は出場していない選手もいるので万全ではなかったですが、やれると感じた部分は?
「思ったより守れるし、点も取れました。自分からチャンスを作ることができたので、だいぶいい収穫というか、経験になったと思います。初めて全国のトップレベルのチームとやらせてもらって、できた部分があるのは大きいです。来年もここに帰ってきて勝ちたいです」
ー関西4位だった訳ですが、今シーズンはどんな状態でしたか?
「今年は絶対に優勝しようと、関西で。関西でタイトルを取ってインカレでベスト4というのが最低限の目標だったんですが、思うように勝てませんでした。うまくいかなかった1年ですね」
ーバランス良く選手が揃っているチームだと思うんですが、何がダメだったのでしょうか?
「今までと違って勝たないとダメというか、チャレンジャー精神がなくなって構えてしまってやられるというのがあったと思います。でも今日は相手が東海大だけにこちらはチャレンジャー。チャンピオンチームに向かっていく部分について、気持ちもプレーも最高の形で出せました。関西でそういうダメな経験をしていたからこそ、今日のような試合ができたのはあると思います」
ー合田選手は点も取れますが、1番もやっていますね。そのバランスはどう考えていますか?
「1年の頃は2番ポジションだったんですが、2年から1番をやらせてもらっていろいろ悩みました。今年はメンバーが揃っているので、僕が攻めなくてもパスをさばいたら点を取ってくれます。点を取るか、パスをするか悩む部分はずっとありました。ただ、今日は攻めようと思ってやっていました。自分は点を取るのは仕事ですが、ガードとして試合を崩さないように意識して空回りするということがこれまであったので、まだ難しいですね。今年はみんなが点を取れるだけに、余計どうするか悩んだ部分はあります」
ー1番は勉強中というところですね。合田選手には来年もありますが、どう取り組んでいきますか?
「僕が最終学年になるので、リーダーシップを発揮してやっていきたいです。今まで上級生に甘えてばかりだったので引っ張っていきたいです。僕のプレーだけじゃなく、存在でチームが上がっていけるようになれれば。存在感のあるガードになりたいですね」
ーインカレにはここしばらく連続で出場していますが、勝つためには何が大事だと思いますか?
「やっぱりチャレンジ精神、気持ちですね。1年間の中にはどうしてもダレる時期があります。それをどう乗り越えて挑んでいくかが来年も課題になると思います」
同志社大、大阪学院大が善戦

第1試合は関東11位の大東文化大対北海道2位の北海道教育大岩見沢校。北教大はベンチ入りしているメンバーが全員180cm以下という小粒なチーム。2mのセンター#20毕(1年・C・中部第一)を抱える大東大が立ち上がりから高さを生かしてリードを奪った。北教大は2Qに大東大がベンチメンバーになったところで粘り、#25工藤(2年・F)のリバウンドから#1野村(4年・SG)のシュートにつなげ、ゴール下のディフェンスでも粘りを見せた。しかしじわじわと差は開き、最後は84-50で試合終了。大東大が1回戦を突破した。
写真:アグレッシブに攻める大東大・兒玉。次戦の青山学院大が山場だ。
【仙台大が追いつくが専修大が再び引き離す】

専修大は3Qの前半に得点がストップ。その間に#66庄司がスティールから速攻、#51菅原がドライブからのバスケットカウントを決めて逆転に成功。専修大はパスが大きすぎたり合わない部分も見える。3つ目のファウルを吹かれるも、#24田代が内外で攻める専修大に対し、仙台大は#18中村(2年・SG)や#51菅原で対抗。しかし最後は#11秋山のスティールで専修大が53-55と2点リードで3Qを終了。4Q、立ち上がりに仙台大はポイントゲッターの#66庄司が4つ目のファウル。ここからペイント内に攻め込んでくる専修大を止めきれずファウルが続いてしまう。専修大はリバウンドで粘り、#11秋山から#6渡辺のアリウープも出てじわじわリードを広げると、再び点差は10。仙台大は終盤に#66庄司が意地の3Pを2本決めるが、追いつききれず68-75で試合終了となった。
勝負どころで専修大のリバウンド、ディフェンスが効いた。仙台大は一昨年白鴎大を倒す関東越えも見せたが、今年は迫ったもののあと少し及ばずに大会を終えた。
写真:鋭いドライブを見せた菅原。まだ1年だけに先が楽しみな選手だ。
※仙台大・庄司選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【同志社大は粘るが青山学院大が勝利】

青山学院大は#13鵤(3年・PG)、#0船生(3年・SF)が怪我でDNP。ただでさえ少ない布陣がさらに苦しい状態となったところを、同志社大に突かれた。#7野本(4年・F)が攻撃のメインのなる青学大に対し、同志社大は#60神門(4年・C)や#37仲西(4年・SG)など、バランスよく得点。ディフェンスでは#7野本に寄って簡単にはやらせないようにする。1Qは13-14となると2Qは立ち上がりこそ同志社大は引き離されずにいたが、次第に#7野本の活躍で引き離され、24-33で前半は青学大が11点のリードで終えた。
3Q、同志社は#9田野(4年・PG)のドライブで得点するが、その後が続かずファウルが嵩んでしまう。少しずつ離されるが、青学大のターンオーバーから#14高山(3年・PG)、#0田野の速攻が連続するなど、反撃も見せる。それでも青学大の集中力は途切れず#5高橋(4年・PG)、#14柏倉(2年・PG)のシュートなども決まって42-56で3Qを終了すると、4Qもリードを保った。同志社大は#14高山がゴール下でリバウンドをもぎ取ってのシュート、#18井島(3年・C)のルーズボールからの#0田野の3Pにつなげるなど、諦めずに粘り、中盤に#14高山の3Pで6点差にまで詰める。しかしここで青学大が#7野本、#5高橋の連続3Pで追い上げを許さない。同志社は終盤になってようやく3Pが当たるが、追いつくまでには至らず71-79で青山学院大が勝利した。
青山学院大は現状で野本頼みな部分は多い。怪我人の多い状態でチームとしてどう戦うかが今後の課題か。同志社大は田野が「迷惑をかけた」という3Pがなかなか来なかった。ファウルトラブルの中で全員で粘ったが惜しくも及ばず。
写真:青学大・野本は33点10リバウンド。試合後には北陸の同期である田野と抱き合う場面も。
※同志社大・田野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【東海大が3Qに大阪学院大を逆転し、逃げ切る】

東海大はこの日、#7晴山(4年・SF)が体調不良で欠場。1Qは互いに点の取り合いになった。東海大は#0ベンドラメ(3年・PG)が開始早々3P、スタメンに入った#鈴木(2年・SG)もバスケットカウントを取るなど、得点を重ねる。大阪学院大はポイントゲッターの#20合田(3年・PG)、#99藤田(4年・PF)らが得点を取っていくが、スタメンの#77北川(4年・SG)が残り4分のところで負傷退場となってしまう。しかし1Qを23-24と1点リードした大阪学院大は2Qもリードを保ったままゲームを進め、残り1:12には#31福田(1年・C・大阪学院高)のシュートで6点のリードに成功。しかし1分を切って東海大は#45頓宮(3年・C)のシュート、#13中山(2年・SG)の速攻で39-42と3点差に戻して前半を終えた。
3Q立ち上がり、大阪学院大は得点を牽引する#99藤田が痛い4ファウルでベンチへ。ここで再び#13中山のランプレーが出た東海大は、続けて#10バランスキー(4年・PF)のカットから#19三ッ井(2年・SF)の速攻につなげてようやく逆転に成功する。大阪学院大は#20合田の3Pも出て食らいついて57-52と5点ビハインドで3Q終了。4Q、東海大は#35伊藤(4年・PG)、#3大矢(2年・PF)が次々に得点していく。大阪学院大は#99藤田をコートに戻すが、東海大は#10バランスキーがブロック、シュートと力強いプレーで追い上げを許さない。それでも#99藤田がレイアップ、速攻と連続得点し、意地を見せるが東海大が固いディフェンスから#10バランスキーの速攻、#0ベンドラメの3Pと手堅さを見せて最後は86-73と締めくくって大阪学院大の追い上げを断ち切った。
リバウンド面では高さのある大阪学院大は互角だったが、ファウルトラブルで苦しんだ。東海大は全員バスケで戦い、リーグ戦では出番の少なかった三ッ井が11点と気を吐いた。
写真:速攻で見せた東海大・中山。切り込み隊長的役割は東海大にとって大きい。
※大阪学院大・合田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「みんながやるぞという気持ちでやってくれた」
チーム一丸で戦えたことを評価
◆#66庄司優也(仙台大・4年・主将・SF)

ー今日の試合を振り返って。惜しい部分もありました。
「今シーズンずっと、最後まで我慢しながらゲームを作るというのがチームの課題だったんですが、それがこの試合で我慢しきれなかったのが少し出てしまったなと。少し悔いはありますが一人ひとり、特に後輩が中心のチームですが彼らが頑張ってくれました。自分も最上級生としてそれを引っ張る気持ちでできました」
ー最初から庄司選手がドライブで得点して、仙台大のペースでは入れたのではないかなと思いましたが。
「そうですね。関東のチームに最初に離されてしまうと地方のチームが追い上げるのは難しいので、出だしでガンガン攻めていくことをチームとしても個人としても考えていたし、それをいい形で出せたと思います」
ーリードはされていたけれど、一桁差ぐらいでついていけていたのは勝負できるという感覚でしたか。
「相手はシュートも入るし、大きいしという中で、絶対に勝つぞという気持ちを前面に出してやれたことで、関東のチームともやりあえたところだと思います」
ー途中のファウルトラブルで庄司選手が下がっていた時間帯が痛かったかなと思いますが。
「チームの中で点を取ることが仕事なので、自分の仕事がコート上で発揮できないのは反省点です」
ー専修大はディフェンスもいいチームですが、結構スペースを作ってゴール下にパスを出すという展開も何度か作れましたね。
「走る展開が持ち味で、走り回ってその中でスペースを作れました。インサイド陣も小さいながら頑張ってくれたおかげです」
ー全員が点を取っていく試合になったと思いますが。
「普段は自分とインサイドの中村(#18)の2人に得点が偏ってしまうことが課題でもあったんですが、今日は一人ひとりがやるぞという気持ちを持ってやってくれました。ガードたちも今日はいいところでシュートを決めてくれました」
ーでは今日は全員良かったということなんですね。
「そうですね、みんなで作れたゲームでした」
ー最後の庄司選手の3Pは良かったですね。
「あそこは決めてやろうと思っていました」
ー仙台大は最近いい選手も入ってきて力をつけてきていますね。4年間はどうでしたか?
「4年は出ているメンバーも少ないですし、下級生中心なんですが、これからもっと練習してひたむきに必死にやれば、関東のチームにも通用すると思います。今年やり遂げられなかった目標を、後輩たちにぜひ達成して欲しいと思います」
--------------------------------
「全員バスケットはできた」
チーム一丸で青学大にぶつかった覚悟
◆#0田野 司(同志社大・4年・主将・PG)

ー昨年と同じく1回戦で青学と戦うことになりましたが、どういう準備をしてきたのでしょう?
「青学だから、というのは特にありません。ここまでインカレで1回も勝てていなかったし、リーグではだんだん調子も良くなってきていたので、その調子のままやればいけると思っていました。何がどうこうというというよりは、自分たちのバスケットをやればと考えていました」
ー今日は青学の鵤選手(#13)と船生選手(#0)が欠場となったので、そういう部分では付け込めるところもあると思えたのでは。
「そういう意識はありましたけど、他に出てきた選手もしっかりしているという印象でした」
ー前半はまだ競り合う展開に持っていけたとは思うんですが、どこが良かったですか?
「こっちのエースは決められなかったんですが、そのときにしっかりディフェンスで粘れたのが良かったと思います」
ーオフェンスに関しては青学のディフェンスの厳しさは感じましたか?
「やっぱりフィジカルとか、関西とは当たりも違うのは感じました。シュートは研究されていたのかなと思いますが、簡単には打たせてもらえませんでしたね」
ー昨年の青学大よりは小さくなりましたが、そういう違いも感じましたか?
「こっちはリバウンドを取れた部分もあるので、それは感じました」
ー野本選手(#7)のところはやられはしましたが、ディフェンスはしっかりいっていましたね。
「健吾は絶対にやってくるので、そこは潰してヘルプのローテーションまでしっかり最後までやろう、と言っていました。出来た部分もあると思います」
ー今日は田野選手の外がなかなか当たってきませんでしたね。
「そこはほんまに申し訳ないです。ここまでの調子はだいぶ上がってきていて、あとはコートの上で最高のパフォーマンスをするだけだったんですけど、そこはちょっと申し訳ないです。ボールが感覚的に飛ぶ感じがして、逆に意識してしまったかなと思います」
ーでも大差をつけられた昨年とは全然違って全員が戦えた感じがしました。昨年は田野選手も怪我がありましたよね。
「やっぱりチーム力はリーグを通して段々上がってきました。一人でやるんじゃなくて、チーム全員でディフェンスを頑張って、オフェンスも全員で点を取るというのは去年との差だと思います。全員バスケットをやろうとしてきて、それはできました」
ー14番の高山選手が出ているときは2番ポジションになりますが、田野選手ばかりが攻めるという感じではなかったですね。
「そこは自分が行きすぎてもダメだなというのがあるので、意識してみんなでやろうとしていました。僕じゃなくてもやれるというのを、みんなにも感じて欲しいと思っていたのもあります」
ー今シーズンを振り返ってみてどんな1年でしたか。
「今年は春はぜんぜん結果が残らなくて、やっとリーグで結果を残せて、インカレに来ました。でもやっぱり関西では勝って当たり前なんですが、関東を倒すというのを目標にしていたのでそれを実現できなかったのは悔しいです」
ー通用する部分もなくはなかったと思いますが。
「一人ひとりの攻め気やボールのもらい方なんかももっと考えていけば、もっと攻められたかなと思いますね。関東の上の方とやったことがなかったので感覚として掴むのは難しかったですね」
ー今年はキャプテンでしたが、どうでしたか?
「いやー、辛かったです。自分は下に言ったりとかあまりできないタイプなので、バスケットや背中で見せるじゃないですけど、僕が頑張ればついてきてくれるかなと考えてやってきました。全員ついてきてくれました。最後のサークルではインカレで勝たせてあげられなくて申し訳ない、という言葉になりましたけど」
ー後輩にはどういう風に頑張って欲しいですか?
「チーム力を上げるという部分でみんなで頑張って欲しいです。そんな簡単に身につくものではないですけど、試合を重ねて、結果がついてこなくてもやってみて、そしてインカレで1勝をぜひしてもらいたいですね」
ー同志社での4年間はどうでしたか?
「大きな怪我はなかったんですが、大会ごとにちょっとした怪我があったのは少し残念です。でも今年はそういったこともなくみんな元気でやってこれて良かったです」
ーもっとやれるんじゃないかなと見ていると思える部分はありましたが。
「普通に攻めていける部分もあったし、そこはちょっとうまく言えないですけど、もう少しやれたかなという感覚はあります。でもみんなで楽しくやれたのは良かったと思います」
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「今日の試合は大きな経験になった」
トップレベルのチームと戦って得たもの
◆#20合田 怜(大阪学院大・3年・PG)

ー試合を振り返って。いい内容で試合に入れましたが。
「思った以上にできたと思います。ビデオを見てスカウティングはしましたが、技術的なところで急に向上することはないので、気持ち的な部分で絶対負けないとチームで言い聞かせてやってきました。気持ちの部分で勝ててたことが良かったのかなと思います。気持ちです、もう」
ー確かにリバウンドなんかでも粘り強くいっていたし、最後まで諦めませんでしたね。前半はかなり良かったと思うのですが、後半は何がダメでしたか?
「やっぱり地力の差というか、体力的な部分でも東海のディフェンスに対応されてしまったし、こちらにはさらにそれに対応するだけの力はなかったですね。前半は勢いでノーマークのシュートを決めていくことを徹底できたんですが、後半はそれに対応されてノーマークを簡単に作れなくなってしまいました。そこで余計に体力を削られて、それがやられてしまった原因だと思います」
ーでも一気にやられないで最後にもう少し詰めたりといった部分は良かったのでは。
「そうですね、そこは」
ー東海は今日は出場していない選手もいるので万全ではなかったですが、やれると感じた部分は?
「思ったより守れるし、点も取れました。自分からチャンスを作ることができたので、だいぶいい収穫というか、経験になったと思います。初めて全国のトップレベルのチームとやらせてもらって、できた部分があるのは大きいです。来年もここに帰ってきて勝ちたいです」
ー関西4位だった訳ですが、今シーズンはどんな状態でしたか?
「今年は絶対に優勝しようと、関西で。関西でタイトルを取ってインカレでベスト4というのが最低限の目標だったんですが、思うように勝てませんでした。うまくいかなかった1年ですね」
ーバランス良く選手が揃っているチームだと思うんですが、何がダメだったのでしょうか?
「今までと違って勝たないとダメというか、チャレンジャー精神がなくなって構えてしまってやられるというのがあったと思います。でも今日は相手が東海大だけにこちらはチャレンジャー。チャンピオンチームに向かっていく部分について、気持ちもプレーも最高の形で出せました。関西でそういうダメな経験をしていたからこそ、今日のような試合ができたのはあると思います」
ー合田選手は点も取れますが、1番もやっていますね。そのバランスはどう考えていますか?
「1年の頃は2番ポジションだったんですが、2年から1番をやらせてもらっていろいろ悩みました。今年はメンバーが揃っているので、僕が攻めなくてもパスをさばいたら点を取ってくれます。点を取るか、パスをするか悩む部分はずっとありました。ただ、今日は攻めようと思ってやっていました。自分は点を取るのは仕事ですが、ガードとして試合を崩さないように意識して空回りするということがこれまであったので、まだ難しいですね。今年はみんなが点を取れるだけに、余計どうするか悩んだ部分はあります」
ー1番は勉強中というところですね。合田選手には来年もありますが、どう取り組んでいきますか?
「僕が最終学年になるので、リーダーシップを発揮してやっていきたいです。今まで上級生に甘えてばかりだったので引っ張っていきたいです。僕のプレーだけじゃなく、存在でチームが上がっていけるようになれれば。存在感のあるガードになりたいですね」
ーインカレにはここしばらく連続で出場していますが、勝つためには何が大事だと思いますか?
「やっぱりチャレンジ精神、気持ちですね。1年間の中にはどうしてもダレる時期があります。それをどう乗り越えて挑んでいくかが来年も課題になると思います」
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