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2014.10.12 (Sun)
【2014リーグ2部】10/12第14戦レポート
上位チームが追い上げられるも競り勝ちを連発
この日を含めて各チーム残り5試合となった2部リーグ。対戦カードは、いずれも上位5チームと下位5チームの対戦となった。大東文化大は東洋大に粘られたものの、4Qに引き離して3敗の首位キープに成功。2位以内が見えてきた。その大東大を1勝差で追う2位・関東学院大は、立教大相手に早々に二桁のリード。後半に立教大の猛反撃にあって1ゴールを争う展開となったが、なんとかこれを凌いで勝利した。5敗勢の早稲田大、日本体育大も苦しい試合内容となったがいずれも勝利して、2勝差で4チームがひしめく状況は変わらない。また、日本大も勝利し、分からない状況は続く。
写真:シュートを狙う大東大・原。渡部らと競う4番ポジションがもう少し安定すれば、大東大の首位は盤石になるはずだ。
※ 日本体育大(加藤選手インタビュー)対江戸川大、中央大対早稲田大(伊藤選手インタビュー)のレポート、東洋大・中村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
最後の最後に逆転に成功した日体大が上位戦線に生き残る
日本体育大学80(14-25,16-19,25-15,25-18)77江戸川大学
日本体育大と江戸川大の対戦は、前半は途中から完全に江戸川大のペースだった。#21貝塚(3年・PG)が攻め気を見せて速い展開から自らバスケットカウントを獲得していきチームを鼓舞。面白いように得点が伸びた。日体大は精彩を欠き、江戸川大の勢いに呑み込まれる格好となってしまった。江戸川大は14点のリードで前半終了。このままの展開で決着するかに思われた。
日体大を蘇らせたのは#9出羽(4年・F)。持ち味の果敢なアタックで得点し、味方を勇気づける。江戸川大は、前半とは打って変わって相手の勢いに気圧され、点差が詰まる。#10王(4年・C)や#55栗原(2年・F)に得点が出始めるも、日体大は#75赤土(2年・PF)、#34加藤(3年・G)の得点も飛び出して4点差にまで戻して4Qに入る。ここからは決め合いの時間帯に入った。#34加藤の外、#75赤土の中での得点で日体大は迫るも、江戸川大も#10王のジャンプシュートや#55栗原も決めてリードを必死に保つ。日体大は#19田口(1年・SG・福岡第一)が足を痛めて交代となるが、#9出羽が攻め気を見せて遂に同点に。江戸川大は#10王のインサイドで打開するも、#1本間の3Pが決まって日体大は再び迫る。江戸川大は、#55栗原がフリースローを1本落とすと、#12周に速攻を決められて1点差。その周は、激しいボール争いで足を痛そうにするも、交代はせず。タイムアウトを挟んで#34加藤が技ありの得点を決めて日体大はとうとう逆転に成功。息つく間もなく#75赤土の速攻も出て、1分を切って大きな3点リードとなった。江戸川大は直後に得たフリースローを2本とも#10王が決めるが、#34加藤も同じ状況でミスなく決め返す。最後に江戸川大#23保岡(1年・F・柏日体)がフロースローを落とし、リバウンドをキープできなかったところでタイムアップ。80−77とした日体大が、入れ替え戦進出への夢をつないだ。
写真:赤土が値千金の速攻を決め、笑顔で周とハイタッチする日体大・本間。
[日本体育大スタメン]#1本間、#9出羽、#12周、#19田口、#75赤土
[江戸川大スタメン]#1平岩アンソニーコリン、#10王、#21貝塚、#23保岡、#28平岩クリストファーイサク
[日本体育大]#1本間15点、#75赤土15点、#34加藤14点、#12周13点12リバウンド、#9出羽10点
[江戸川大]#10王25点18リバウンド、#23保岡20点10リバウンド、#55栗原19点
【INTERVIEW】
「思い切っていった結果が良い方向に繋がった」
苦しみながらも貴重な一本を沈めて逆転勝利を呼ぶ
◆#34加藤 慧(日本体育大・3年・G)
今年からプレータイムが増加。春から要所でシュートを沈め、確実に仕事を果たしている。中盤戦はやや苦しんだ日体大だが、連日のクロスゲームを制したことで「成長かなと思う」と加藤も手応えを掴んだ様子。一時は遠のいていたように思えた入れ替え戦も再び視界に入った。残り試合を取り続けることは必須だが、絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。
—今日はなんとか勝った、というところだと思います。まずはご感想を。
「前回負けていた相手だったので、みんな気持ちは入っていたと思うんですけれど、でも負けたら危うい状況だったので、それでガチガチになった部分もあったかもしれないです」
—前半はやはりその影響が大きかったですか?
「そうですね。硬くなりました。あとディフェンスが、早稲田相手には良かったんですけれど、今日の江戸川戦はちょっと甘くて。ディナイもできていなかったと思います」
—試合によって、良い内容と悪い内容とが少しはっきりし過ぎているようにも感じます。
「チーム全体では一戦一戦戦っていこうということは言っているんですけれど。相手を見ているわけじゃないんですけれど、どこか相手に合わせているようなところがあるのかなと思います」
—出だしで失敗すると、そのままずるずるいってしまうような展開もありますよね。
「そうですね。スタートで失敗すると引きずる展開が多いです。でも最近は、競り合って最後に勝ちきるゲームが多くなってきたと思うので、それは成長かなと思います」
—今日は3Qの出羽選手の攻めが大きかったですね。
「そうですね。やっぱり出羽さんは日体のエースとして、たとえシュートが入らなくてもどんどんリングに向かってくれて、それがチームの勢いにつながります。すごく助かっています」
—大きく離されても焦りはありませんでしたか。
「気持ち的に、自分は少し焦った部分はあったんですけれど、遼太郎さんとかとも話をしてちゃんとディフェンスして一本ずつ決めていけば、追いつける、と。だから、ディフェンスを頑張ってました」
—最後の最後に加藤選手の逆転シュートが決まりましたね。
「藤田さんから『お前が一対一で行け』と言われていたので、そこは思い切っていった結果が良い方向に繋がったかなと思います」
—直後に周選手がディフェンスで相手を潰し、赤土選手の速攻に繋がりました。あれこそが日体大のバスケだと思います。あれを40分続けないといけないのかと。
「そうですね。ツープラトンでずっとやっているので体力的には問題ないと思うんですけど、ここで一本走れば楽になるというところで、走れないところが多いですね」
—あと4試合です。全勝ペースで行く必要がありますが、そこに向けて。
「一戦一戦大事にして、相手を見ずに自分たちがずっとやってきたスタイルで、最後まで諦めずに勝ちにいきます」
—今日勝ったのは、気持ち的に「よし、繋がった!」ですか。それとも「何とか繋がってほっとした」のどちらでしょうか。
「ほっとしたという感じです。内容は良くなかったので、そこは切り替えてやっていくしかないです」
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【PICKUP GAME 2】早稲田大VS中央大
中央大が何度も追いつくが、早稲田大がしのいで9勝目
中央大学70(12-22,26-19,17-20,15-18)79早稲田大学
上位争いを演じる早稲田大。この日の相手は最下位の中央大ということもあってか、立ち上がりは全く隙がなかった。#34池田(3年・G)の2連続3Pが出て3分半で何と10−0。中央大は#5谷口(4年・F)の得点で打開するが、状況を変えられずに1Qは10点差のままで終わった。楽に逃げ切りたい早稲田大は2Qにも#36澁田(2年・G)の連続3Pが出て流れは止まらない。しかし、中央大は#31流田(4年・G)が持ち前の走力で早稲田大に対応。自らの得点やアシストが続き、走り合いに真っ向勝負する。#15八木橋(2年・PG)にも3Pも出て俄に活気づき、3点差にまで迫って前半が終了した。
迎えた後半、口火を切ったのは#14鈴木(3年・F)の3P。早稲田大は#16山本(3年・F)が4ファウルとなってインサイドが手薄となり、#25森(2年・PF)の得点を相次いで許す。早稲田大は#11河合(2年・PG)も4つ目を吹かれて苦しくなるが、中央大もファウルが重なってしまった。ここで#8新川(1年・F・京北)がスティールから自ら得点を決めて同点に。その後は#36澁田と#25伊藤(2年・F)のシュートが高確率でネットを揺らし、6点リードとして3Qを終えた。中央大はこれでも黙らずに#27宍倉(3年・C)のゴール下、#5谷口のリバウンドシュートで再び早稲田大を脅かすが、#25伊藤の3Pで反撃ムードを折られた。その後も苦しい状況で#5谷口や#31流田が得点していくが、早稲田大の思い切りの良いシュートもその度に決まってシュート1本差の得点に届かず。残り25秒に#34池田にバスケットカウントを献上し、これが決定打となった。結局試合は79−70で早稲田大が勝利。9勝目を挙げた。
写真:難しい体勢からシュートを狙う澁田。スタメンとして仕事をこなす。
[早稲田大スタメン]#11河合、#16山本、#34池田、#36澁田、#38宮脇
[中央大スタメン]#5谷口、#15八木橋、#24小林、#25森、#31流田
[早稲田大]#34池田25点、#36澁田14点10リバウンド、#25伊藤12点、#38宮脇11点、#8新川11リバウンド
[中央大]#5谷口20点、#31流田15点、#25森13点12リバウンド
【INTERVIEW】
「一番の特徴であるシュートを思い切り打つしかない」
悩み迷いながらも自らの持ち味をしっかり発揮
◆#25伊藤諄哉(早稲田大・2年・F)
シュート力は元々良いセンスを誇るが、展開の速いバスケットを志向するチームにあっては、なかなかその力が出せていない。だが、この日は競り合う展開の中で何本もシュートを決めていき、チームを助けた。チーム自体は序盤戦に快走した勢いがなくなりつつあるが、それでも早稲田大は入れ替え戦を射程圏内におさめている。選手起用の方法を代えたチームにおいて、伊藤がどれだけそれに合わせていけるか。早稲田大の残りシーズンを占う上で、大きなポイントになるかもしれない。
—今日は貢献度が高かったですね。
「ここ数試合は僕は全然出番がなくて。自分で何がいけないのか、ビデオを見て考えたんですけど、あまりこれといった答えが出なくて(苦笑)。で、自分の一番の特徴のシュートを思い切って打とうと。それしかできないんですけど、今日出してもらって、それで決めることができて良かったです」
—前半は相手にも走られましたが、ベンチからどう見ていましたか。
「中央には大きいセンターが何人かいて、僕らにはいなくて。僕らも中央も思い切りシュートを打っていくんですけど、外れた時に僕らは小さい分取れなかったです。最初は流れが良かったんですけど、2Qからリバウンドが取れなくなってきて、流れが悪くなってきて追いつかれてしまったと思っています」
—山本選手(#16)がファウルトラブルとなって、そこが苦しくなった要因ではないでしょうか。
「そうですね。リバウンドは山本さんにずっと頼りっきりな部分があって、それを僕とか3番ポジションとか、ガードもカバーしないといけないんですけれど、その余裕がなかったです。それでインサイドに負担をかけて、ああいうことになったと思います」
—最後に勝利をものにできたのは、何が良かったのでしょうか。
「最後は、僕自身は試合が久々だったので、頭の中が真っ白だったんですけど(苦笑)。思い切りの良さとか、ディフェンスで守ってからブレイクとかが出たので。それでうちの流れになって勝てたんだと思います」
—春から走ることをベースにしたバスケに取り組んでいますが、伊藤選手はそのバスケへの相性はどうでしょうか。
「僕は洛南出身で、洛南の吉田先生がやるバスケットは、速い展開ではなく24秒で確実に攻めていくものなので。それとは対照的に、池田先輩(#34)や澁田(#36)のいた京北は速いテンポでどんどん攻めていく感じで、今僕らは小さい分そっちを目指しているんですけど、例えばボールを早く繋ぐということは洛南の時にはあまりやってきていなかったので、いろいろ挑戦していて、試行錯誤中という感じです」
—同じ洛南出身の河合選手(#11)、宮脇選手(#38)はスタメンですが、その二人とはうまく機能させるために何か話したりは?
「話はするんですけど、僕は悩んじゃうと一人で抱え込んじゃうタイプで。他の人に聞きながら、自分的にうまくするために考えていくタイプです」
—以前はスリープラトンでしたが、今は色んな選手を混ぜながら試合をこなしていますね。
「そうですね。倉石さんの判断でそうなっています。僕らは身長が小さくて、スリープラトンの3チーム目には190センチ台がいなくて、負けが込んだ時期はそういう面で苦しい部分がありました。今は状況に応じた起用だと思います」
—そういう中で、自分がどう試合に出ていくかを考えている?
「そうですね。僕は2チーム目でやっていて、同じチームでも1チーム目と2チーム目では特徴が違っていました。今日は久々に試合に出られたんですが、1チーム目のスタメンだった選手になんとか対応できて良かったです」
—うまくいっていましたよ。
「1チーム目の中では阿吽の呼吸が出来ている状態だったので、そこに入るのにちょっと不安があったんです。けど、こう動けば良いのかな、ということを自分で思ってやっていました」
—残り試合、全て勝っていけば入れ替え戦には手が届きそうですが。
「僕は今後もベンチスタートになると思うんですが、出られたら、その時は悪い流れを悪化させないように、何か違うことをやってみたりして変えようとしたり。良い流れだったら、体力は余っている状態なので、良い流れに乗ってもっと勢いづけられるようにしたいです。残り4試合とも相手が大きいんですけど、飛んだり走ったりして頑張りたいです」
--------------------------------
【その他INTERVIEW】
「波に乗れば結果を出せる4年生をどうコントロールするか」
困難な状況を抜け出し、笑顔のフィニッシュなるか
◆#11中村晃太郎(東洋大・2年・PG)
歯がゆい状況だ。チームとしてなかなか安定して結果が出てこない。この日も首位を走る大東文化大相手に迫るも、逆転の一本が出なかったことが響いた。この試合でチームの核である村上が負傷したのは気になる部分だが、それでも大会は続く。3部との入れ替え戦は早い段階で回避させ、一緒にプレーできるのが残り僅かになった4年生を笑顔で送り出したい。
—惜しい試合でしたね。振り返っていかがですか。
「自分たち、今シーズンは勝負どころで全然シュートが決めきれなくて負けている試合が多いので、今日も今シーズンを象徴した感じの試合でしたね」
—一番良くなかったと思うのはどういうところですか。
「負けている時は、雰囲気も軽く入ってしまって。それでオフェンスがうまくいかないで、うちはディフェンスを頑張るチームなんですけれど、ディフェンスも崩れてしまって。それで離されて負けてしまうという感じです」
—今日の中村選手はベンチスタートでしたね。
「相手が大きいので、ゾーンでリバウンドを取ろうという作戦で鷲見(#10)を入れて。ただ最初の2ファウルは痛かったですね」
—鷲見選手が悪かったというよりは、全体的にリバウンドも良くなかったですね。
「自分たちは小さいので毎試合リバウンドが課題になってきていて。インサイド陣だけじゃ泣くで、外回りもリバウンドに入ろうという話はしているんですけれど、やっぱりリバウンド負けしてしまう試合は多いですね」
—弾かれたボールへの一歩目の反応が、相手よりも遅いように見えました。
「そうですね。やっぱりそこは毎試合毎試合言っているんですけれど、実際問題取れてないんですよね」
—3Qについては完全に東洋大ペースになりましたが。
「アーリーで、速い展開で攻めようという話があって、そこも東洋の持ち味なので、それで良い展開に持ち込めたかなと思いますね」
—村上選手(#6)が負傷交代しましたが、山口選手(#2)の活躍も光りましたね。
「でも、村上さんが抜けてしまうと、攻めるパターンが少なくなっちゃって。ドライブもどんどんしてくれて、こっちは助かるんですけれど、そこがいなくなってしまうと外一辺倒になってしまいます。入らなくなって、オフェンスがうまくいかなくなって」
—外の確率も悪くはなかったですが、追い越す決定打になる一本が出なかったです。
「そうなんですよね。勝負どころで決めきれないのが東洋なので(苦笑)。最近そこがダメで、そこが決めきれればもう少し勝てる試合もあったかなと思います」
—2年生になり、心理的な変化も出てきていると思いますが、その点は?
「やっぱりガードとしてもっとチームをまとめなきゃいけないです。上級生がいても、ガードだから関係ないです。自分の持ち味である攻める姿勢を持ちながら、チームのオフェンスの状況も考えてやっていかないといけないです。色々と難しいところです」
—4年生が期待されているチームですが、そのコントロールも難しいですか。
「そうですね。どう上手く攻めさせるかで、今の4年生は波に乗れば結構良い結果が出せていると思うので、それは自分の役割だと思っています。そこをどう使っていくか」
—残り4試合となって、厳しい状況ですね。
「星を落としてしまったら下が見えちゃうので、一戦一戦頑張るしかないです。一応勝負の年なので、ここで落ちてしまうと来年にも後を引いてしまうと思うので」

写真:シュートを狙う大東大・原。渡部らと競う4番ポジションがもう少し安定すれば、大東大の首位は盤石になるはずだ。
※ 日本体育大(加藤選手インタビュー)対江戸川大、中央大対早稲田大(伊藤選手インタビュー)のレポート、東洋大・中村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【PICKUP GAME 1】日本体育大VS江戸川大最後の最後に逆転に成功した日体大が上位戦線に生き残る
日本体育大学80(14-25,16-19,25-15,25-18)77江戸川大学

日体大を蘇らせたのは#9出羽(4年・F)。持ち味の果敢なアタックで得点し、味方を勇気づける。江戸川大は、前半とは打って変わって相手の勢いに気圧され、点差が詰まる。#10王(4年・C)や#55栗原(2年・F)に得点が出始めるも、日体大は#75赤土(2年・PF)、#34加藤(3年・G)の得点も飛び出して4点差にまで戻して4Qに入る。ここからは決め合いの時間帯に入った。#34加藤の外、#75赤土の中での得点で日体大は迫るも、江戸川大も#10王のジャンプシュートや#55栗原も決めてリードを必死に保つ。日体大は#19田口(1年・SG・福岡第一)が足を痛めて交代となるが、#9出羽が攻め気を見せて遂に同点に。江戸川大は#10王のインサイドで打開するも、#1本間の3Pが決まって日体大は再び迫る。江戸川大は、#55栗原がフリースローを1本落とすと、#12周に速攻を決められて1点差。その周は、激しいボール争いで足を痛そうにするも、交代はせず。タイムアウトを挟んで#34加藤が技ありの得点を決めて日体大はとうとう逆転に成功。息つく間もなく#75赤土の速攻も出て、1分を切って大きな3点リードとなった。江戸川大は直後に得たフリースローを2本とも#10王が決めるが、#34加藤も同じ状況でミスなく決め返す。最後に江戸川大#23保岡(1年・F・柏日体)がフロースローを落とし、リバウンドをキープできなかったところでタイムアップ。80−77とした日体大が、入れ替え戦進出への夢をつないだ。
写真:赤土が値千金の速攻を決め、笑顔で周とハイタッチする日体大・本間。
[日本体育大スタメン]#1本間、#9出羽、#12周、#19田口、#75赤土
[江戸川大スタメン]#1平岩アンソニーコリン、#10王、#21貝塚、#23保岡、#28平岩クリストファーイサク
[日本体育大]#1本間15点、#75赤土15点、#34加藤14点、#12周13点12リバウンド、#9出羽10点
[江戸川大]#10王25点18リバウンド、#23保岡20点10リバウンド、#55栗原19点
【INTERVIEW】
「思い切っていった結果が良い方向に繋がった」
苦しみながらも貴重な一本を沈めて逆転勝利を呼ぶ
◆#34加藤 慧(日本体育大・3年・G)

—今日はなんとか勝った、というところだと思います。まずはご感想を。
「前回負けていた相手だったので、みんな気持ちは入っていたと思うんですけれど、でも負けたら危うい状況だったので、それでガチガチになった部分もあったかもしれないです」
—前半はやはりその影響が大きかったですか?
「そうですね。硬くなりました。あとディフェンスが、早稲田相手には良かったんですけれど、今日の江戸川戦はちょっと甘くて。ディナイもできていなかったと思います」
—試合によって、良い内容と悪い内容とが少しはっきりし過ぎているようにも感じます。
「チーム全体では一戦一戦戦っていこうということは言っているんですけれど。相手を見ているわけじゃないんですけれど、どこか相手に合わせているようなところがあるのかなと思います」
—出だしで失敗すると、そのままずるずるいってしまうような展開もありますよね。
「そうですね。スタートで失敗すると引きずる展開が多いです。でも最近は、競り合って最後に勝ちきるゲームが多くなってきたと思うので、それは成長かなと思います」
—今日は3Qの出羽選手の攻めが大きかったですね。
「そうですね。やっぱり出羽さんは日体のエースとして、たとえシュートが入らなくてもどんどんリングに向かってくれて、それがチームの勢いにつながります。すごく助かっています」
—大きく離されても焦りはありませんでしたか。
「気持ち的に、自分は少し焦った部分はあったんですけれど、遼太郎さんとかとも話をしてちゃんとディフェンスして一本ずつ決めていけば、追いつける、と。だから、ディフェンスを頑張ってました」
—最後の最後に加藤選手の逆転シュートが決まりましたね。
「藤田さんから『お前が一対一で行け』と言われていたので、そこは思い切っていった結果が良い方向に繋がったかなと思います」
—直後に周選手がディフェンスで相手を潰し、赤土選手の速攻に繋がりました。あれこそが日体大のバスケだと思います。あれを40分続けないといけないのかと。
「そうですね。ツープラトンでずっとやっているので体力的には問題ないと思うんですけど、ここで一本走れば楽になるというところで、走れないところが多いですね」
—あと4試合です。全勝ペースで行く必要がありますが、そこに向けて。
「一戦一戦大事にして、相手を見ずに自分たちがずっとやってきたスタイルで、最後まで諦めずに勝ちにいきます」
—今日勝ったのは、気持ち的に「よし、繋がった!」ですか。それとも「何とか繋がってほっとした」のどちらでしょうか。
「ほっとしたという感じです。内容は良くなかったので、そこは切り替えてやっていくしかないです」
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【PICKUP GAME 2】早稲田大VS中央大
中央大が何度も追いつくが、早稲田大がしのいで9勝目
中央大学70(12-22,26-19,17-20,15-18)79早稲田大学

迎えた後半、口火を切ったのは#14鈴木(3年・F)の3P。早稲田大は#16山本(3年・F)が4ファウルとなってインサイドが手薄となり、#25森(2年・PF)の得点を相次いで許す。早稲田大は#11河合(2年・PG)も4つ目を吹かれて苦しくなるが、中央大もファウルが重なってしまった。ここで#8新川(1年・F・京北)がスティールから自ら得点を決めて同点に。その後は#36澁田と#25伊藤(2年・F)のシュートが高確率でネットを揺らし、6点リードとして3Qを終えた。中央大はこれでも黙らずに#27宍倉(3年・C)のゴール下、#5谷口のリバウンドシュートで再び早稲田大を脅かすが、#25伊藤の3Pで反撃ムードを折られた。その後も苦しい状況で#5谷口や#31流田が得点していくが、早稲田大の思い切りの良いシュートもその度に決まってシュート1本差の得点に届かず。残り25秒に#34池田にバスケットカウントを献上し、これが決定打となった。結局試合は79−70で早稲田大が勝利。9勝目を挙げた。
写真:難しい体勢からシュートを狙う澁田。スタメンとして仕事をこなす。
[早稲田大スタメン]#11河合、#16山本、#34池田、#36澁田、#38宮脇
[中央大スタメン]#5谷口、#15八木橋、#24小林、#25森、#31流田
[早稲田大]#34池田25点、#36澁田14点10リバウンド、#25伊藤12点、#38宮脇11点、#8新川11リバウンド
[中央大]#5谷口20点、#31流田15点、#25森13点12リバウンド
【INTERVIEW】
「一番の特徴であるシュートを思い切り打つしかない」
悩み迷いながらも自らの持ち味をしっかり発揮
◆#25伊藤諄哉(早稲田大・2年・F)

—今日は貢献度が高かったですね。
「ここ数試合は僕は全然出番がなくて。自分で何がいけないのか、ビデオを見て考えたんですけど、あまりこれといった答えが出なくて(苦笑)。で、自分の一番の特徴のシュートを思い切って打とうと。それしかできないんですけど、今日出してもらって、それで決めることができて良かったです」
—前半は相手にも走られましたが、ベンチからどう見ていましたか。
「中央には大きいセンターが何人かいて、僕らにはいなくて。僕らも中央も思い切りシュートを打っていくんですけど、外れた時に僕らは小さい分取れなかったです。最初は流れが良かったんですけど、2Qからリバウンドが取れなくなってきて、流れが悪くなってきて追いつかれてしまったと思っています」
—山本選手(#16)がファウルトラブルとなって、そこが苦しくなった要因ではないでしょうか。
「そうですね。リバウンドは山本さんにずっと頼りっきりな部分があって、それを僕とか3番ポジションとか、ガードもカバーしないといけないんですけれど、その余裕がなかったです。それでインサイドに負担をかけて、ああいうことになったと思います」
—最後に勝利をものにできたのは、何が良かったのでしょうか。
「最後は、僕自身は試合が久々だったので、頭の中が真っ白だったんですけど(苦笑)。思い切りの良さとか、ディフェンスで守ってからブレイクとかが出たので。それでうちの流れになって勝てたんだと思います」
—春から走ることをベースにしたバスケに取り組んでいますが、伊藤選手はそのバスケへの相性はどうでしょうか。
「僕は洛南出身で、洛南の吉田先生がやるバスケットは、速い展開ではなく24秒で確実に攻めていくものなので。それとは対照的に、池田先輩(#34)や澁田(#36)のいた京北は速いテンポでどんどん攻めていく感じで、今僕らは小さい分そっちを目指しているんですけど、例えばボールを早く繋ぐということは洛南の時にはあまりやってきていなかったので、いろいろ挑戦していて、試行錯誤中という感じです」
—同じ洛南出身の河合選手(#11)、宮脇選手(#38)はスタメンですが、その二人とはうまく機能させるために何か話したりは?
「話はするんですけど、僕は悩んじゃうと一人で抱え込んじゃうタイプで。他の人に聞きながら、自分的にうまくするために考えていくタイプです」
—以前はスリープラトンでしたが、今は色んな選手を混ぜながら試合をこなしていますね。
「そうですね。倉石さんの判断でそうなっています。僕らは身長が小さくて、スリープラトンの3チーム目には190センチ台がいなくて、負けが込んだ時期はそういう面で苦しい部分がありました。今は状況に応じた起用だと思います」
—そういう中で、自分がどう試合に出ていくかを考えている?
「そうですね。僕は2チーム目でやっていて、同じチームでも1チーム目と2チーム目では特徴が違っていました。今日は久々に試合に出られたんですが、1チーム目のスタメンだった選手になんとか対応できて良かったです」
—うまくいっていましたよ。
「1チーム目の中では阿吽の呼吸が出来ている状態だったので、そこに入るのにちょっと不安があったんです。けど、こう動けば良いのかな、ということを自分で思ってやっていました」
—残り試合、全て勝っていけば入れ替え戦には手が届きそうですが。
「僕は今後もベンチスタートになると思うんですが、出られたら、その時は悪い流れを悪化させないように、何か違うことをやってみたりして変えようとしたり。良い流れだったら、体力は余っている状態なので、良い流れに乗ってもっと勢いづけられるようにしたいです。残り4試合とも相手が大きいんですけど、飛んだり走ったりして頑張りたいです」
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【その他INTERVIEW】
「波に乗れば結果を出せる4年生をどうコントロールするか」
困難な状況を抜け出し、笑顔のフィニッシュなるか
◆#11中村晃太郎(東洋大・2年・PG)

—惜しい試合でしたね。振り返っていかがですか。
「自分たち、今シーズンは勝負どころで全然シュートが決めきれなくて負けている試合が多いので、今日も今シーズンを象徴した感じの試合でしたね」
—一番良くなかったと思うのはどういうところですか。
「負けている時は、雰囲気も軽く入ってしまって。それでオフェンスがうまくいかないで、うちはディフェンスを頑張るチームなんですけれど、ディフェンスも崩れてしまって。それで離されて負けてしまうという感じです」
—今日の中村選手はベンチスタートでしたね。
「相手が大きいので、ゾーンでリバウンドを取ろうという作戦で鷲見(#10)を入れて。ただ最初の2ファウルは痛かったですね」
—鷲見選手が悪かったというよりは、全体的にリバウンドも良くなかったですね。
「自分たちは小さいので毎試合リバウンドが課題になってきていて。インサイド陣だけじゃ泣くで、外回りもリバウンドに入ろうという話はしているんですけれど、やっぱりリバウンド負けしてしまう試合は多いですね」
—弾かれたボールへの一歩目の反応が、相手よりも遅いように見えました。
「そうですね。やっぱりそこは毎試合毎試合言っているんですけれど、実際問題取れてないんですよね」
—3Qについては完全に東洋大ペースになりましたが。
「アーリーで、速い展開で攻めようという話があって、そこも東洋の持ち味なので、それで良い展開に持ち込めたかなと思いますね」
—村上選手(#6)が負傷交代しましたが、山口選手(#2)の活躍も光りましたね。
「でも、村上さんが抜けてしまうと、攻めるパターンが少なくなっちゃって。ドライブもどんどんしてくれて、こっちは助かるんですけれど、そこがいなくなってしまうと外一辺倒になってしまいます。入らなくなって、オフェンスがうまくいかなくなって」
—外の確率も悪くはなかったですが、追い越す決定打になる一本が出なかったです。
「そうなんですよね。勝負どころで決めきれないのが東洋なので(苦笑)。最近そこがダメで、そこが決めきれればもう少し勝てる試合もあったかなと思います」
—2年生になり、心理的な変化も出てきていると思いますが、その点は?
「やっぱりガードとしてもっとチームをまとめなきゃいけないです。上級生がいても、ガードだから関係ないです。自分の持ち味である攻める姿勢を持ちながら、チームのオフェンスの状況も考えてやっていかないといけないです。色々と難しいところです」
—4年生が期待されているチームですが、そのコントロールも難しいですか。
「そうですね。どう上手く攻めさせるかで、今の4年生は波に乗れば結構良い結果が出せていると思うので、それは自分の役割だと思っています。そこをどう使っていくか」
—残り4試合となって、厳しい状況ですね。
「星を落としてしまったら下が見えちゃうので、一戦一戦頑張るしかないです。一応勝負の年なので、ここで落ちてしまうと来年にも後を引いてしまうと思うので」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
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