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2014.09.26 (Fri)
【2014リーグ2部】9/21 第8戦レポート
勝者は日替わりの2部
第8戦で関東学院大が暫定首位に
白熱の2部リーグは第3週に入っても日毎に勝ち負けが激しく入れ替わる戦いが続いている。第8戦となった21日は関東学院大が早稲田大を下して首位に躍り出た。めまぐるしく勝者が変わる2部だが、持ち味を出せるか否かは勝敗の大きなカギだ。サイズがあるチームは小さくて走るチームに追い込まれやすく、また小さなチームはインサイドでやられてしまう場面が見える。弱点につけこまれず、自分たちの持ち味を出しきっているチームが、今年の実力差の少ない2部を勝ち抜いている状況がある。
どこが勝つかわからない状況の中、この日大きな勝ち星を掴んだのは関東学院大。前半から早稲田大をリードし、30点の差をつける大差の勝利。これで早稲田大と同率となったが、早稲田大が敗戦した日本大にも勝利しており、有利な状況で暫定首位に立った。また、立教大も好調なシュートで3位につける日本体育大を下して、5割を保った。日本体育大はこれで3敗と苦しい立場に。 東洋大は立ち上がりから勢い溢れるプレーで日本大に勝利。勝ち星では苦しんでいるが、この勢いが持続すれば巻き返しは可能だ。中央大は立ち上がりから好調で江戸川大を下し、2勝目が欲しい神奈川大は大東文化大に敗れた。
写真:最後にはベンチメンバーを送り出し、勝利に沸く関東学院大。
※日本体育大対立教大(森川選手インタビュー)、日本大対東洋大(井上選手インタビュー)、早稲田大対関東学院大(蜂谷選手インタビュー)のレポートは「続きを読む」へ。
追いつかれた立教大が勝負どころを制し逃げ切る
日本体育大学80(21-19,12-22,19-27,28-17)85立教大学
日本体育大対立教大の対戦は、立教大が前半でリードを奪うとそのまま逃げ切る形になった。
1Qは#75赤土(2年・PF)や#19田口(1年・SG・福岡第一)が得点を重ねた日体大。立教大は早い展開を出して速攻や外のシュートにつなげ、1Qで21-19と2点差ビハインドとなると2Qで#15清水(3年・F)を始めメンバーのアウトサイドが次々に決まって一気にリードを奪う。日体大は24秒オーバーやシュート確率の悪さが響いて前半は33-41で立教大がリードして終わった。
後半3Q、立ち上がりでミスが続く立教大に対し、日体大は9出羽(4年・F)のシュートや#12周(4年・C)のオフェンスリバウンドが機能し、4点差まで差を詰める。しかし立教大は#18望月(2年・G)のシュートで追いすがる日体大をかわし、#17三上(2年・G)の3Pも2本出て再び日体大を突き放して52-68とリード。4Qになり日体大は#1本間(4年・G)がルーズボールで粘り、#19田口も果敢にボールに絡んでフリースローを得ていく。立教大は日体大のゾーンプレスに苦しみ、しばらく得点が止まってしまうと、日体大は#34加藤(3年・G)の3Pで残り2分で78-78の同点に追いつくことに成功。立教大は終盤になって動きの良さが息を吹き返し、オフェンスリバウンドを押さえてから速攻を出していく。日体大は#75赤土の得点で残り1分6秒まで同点で粘るが、最後は立教大は#19森川(2年・G)から#22高地(1年・C)への見事なアシストが決まり、続けて森川が速攻を決めるなど、勝負を決定づけるプレーを見せて80-85で勝負を制した。
前日の試合で延長戦を制した日体大は、立教大に痛い敗戦。立教大は立ち上がりから持ち味の早い展開を出し、こちらは昨日の逆転負けから一転、見事な勝利。勝率を5割に戻した。一進一退という言葉が当てはまるリーグ戦の一戦となった。
写真:立教大は三上の連続3Pが流れを持ってきた。
[立教大スタメン]#19森川、#17三上、#18望月、#15清水、#22高地
[日本体育大スタメン]#1本間、#9出羽、#12周、#19田口、#75赤土
[立教大]#10阿部10点、#15清水22点・11リバウンド、#17三上#18点・3P4本、#18望月18点、#22高地14点
[日本体育大]#12周12点、#19田口17点、#75赤土19点
【INTERVIEW】
「いい意味で周囲を裏切れている」
初の2部リーグで好調なプレーを披露
◆#19森川 陸(立教大・2年・G)
リーグ途中からスタメンとしての出場になり、スピードを生かした展開でチームをコントロールしている。昨年から試合に出ていたこともあり、下級生メインのチーム構成とはいえ堂々としたプレーぶりで、既に安定感さえも感じさせる。
自身初の2部リーグはそれなりに先の見えなさもあったはずだが、勝率はこれで5割。早いトランジションとアウトサイドが機能しているときはほかの強豪チームも手を焼く勢いがある。リーグ戦はここから体力的にも厳しい中盤〜後半戦へと入るが、この流れを持続できるか。
―日体大からの勝利は大きいのでは。
「そうですね。前評判というか、周りの期待を自分たちがいい意味で裏切れたのかなと思います」
―前の試合もリードして追い上げられて、というのは同じ形でしたが。
「同じような展開が3度目ですね。先週の関東学院戦もそうだったので。正直ここで負けるとこの後に響くかなと思ったし、どうしても勝ちたいと思っていました。だから今日は勝ててすごく良かったなと思います」
―負けた試合と違って良かった点は。
「最後まで走りきれたところです。昨日は4Qで少し足が止まってしまいました。それが今日は改善されたかなと思います」
―では前半リードできていても後半勝負だと。
「そうですね。周りもみんな分かっていましたし、意識して声をかけて、という風にしていました」
―ここまで勝敗はともかく、いい勝負をしていると思いますが自分たちでも手応えは感じていますか?
「正直、自分たちでもびっくりしているところもあるし、周りの人たちも3部から上がってきたチームでびっくりしているところもあると思います。でもそれなりにやれていると思います。まだまだ及ばないところがあるんですが」
―小さなチームですが、ビッグマンのいるチーム相手でもリバウンドが取れていたりするのは素晴らしいですね。
「リーグ戦が始まる前からリバウンドの分が悪いというのは分かっていたので、大きい選手だけではなく、小さい選手も意識してリバウンドには飛び込もうとしていたので、それが良い方向に出ていると思います」
―少し点が止まる時間帯があるのが気になりますが。
「ああいうときはオフェンスというよりディフェンスのプレッシャーを与えられていないのかなと思います。そこは長く試合に出ている選手は体力的に厳しい部分もあると思うんですが、ベンチメンバーがしっかりできれば点が止まらないでいい展開にできるのかなと」
―体力的には3部より厳しいですか?開始から3試合が2週続いたのはありますが。
「それもありますが、3部と違って追う立場なので、それは昨年とは違う負担ですね」
―今は下級生シフトして、スタメンも若いメンバーで臨んでいますが上級生から何か言われていますか?
「とりあえず思い切りよくやれと。自分としては、本当はスタメンより流れが悪いときに出ていきたいというのはあるんですが。でも平良さん(#4)や藤井さん(#16)がガードの控えにいるので、安心してやれていることはありますね」
―でも下級生とはいえ、昨年から出ているメンバーが多いし、息も合っていますね。
「だいぶ合っているし、安心して思い通りのプレイヤーができる場面も増えてきています」
―まだ日程の半分も来ていませんが、今年の2部は気を抜く暇がないですね。
「体力面の負担はありますが、高校生時代も40分出ていた選手も多いし、そういう意味では長くプレーしていても集中力を保てています」
―来週から2順目に入ります。相手にも読まれてくる部分もあると思いますが。
「今日に関しても日体大がすごくスカウティングしていて、自分たちのフォーメーションを全部読んでいました。そういったところで裏を突くんだったり、何かを考えたりだったりを今後はやっていきたいです」
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【PICUP GAME 2】日本大VS東洋大
好調なシュートが東洋大の勝利を後押し
日本大学57(12-13,12-27,16-15,17-25)80東洋大学
3敗から立て直したい日本大と5敗から上を目指す東洋大の対戦は、東洋大の集中力が勝って見事な勝利につなげた。
1Qは12-13と1点差。日本大は#15栗原(3年・SG)、東洋大は#7筑波(4年・G)を中心に得点を重ねる。流れが変わったのは2Q。立ち上がりこそターンオーバーやダブルドリブルのミスが続いた東洋大だが、#6村上(4年・G)の3Pを皮切りに#88山本(2年・C)のシュート、そして#6村上の3Pがさらに2本続いて一気に10点のリードを奪うと、途中出場の#55井上(3年・G)がチームを後押しする3Pを沈めてこのQで24-40の大差に。日本大はファウルが続いて得点がままならず、このQだけの得点で12-27と大きく水を空けられた格好となってしまった。
流れを引き戻したい日本大は3Qになって#8刘(3年・C)のオフェンスリバウンドや#24高橋耕陽(2年・SG)のドライブなどで得点をつなぐが、東洋大は強気で3Pを打ち続けて大きく詰められることはない。3Qをとんとんで終えると、4Qに余裕のある東洋大が面白いようにシュートを決めて日本大を圧倒し、57-80で3勝目をあげた。
東洋大はシューター井上がこの試合で大きく勝利に貢献。4人が2桁得点とオフェンスが切れずに流れを持続した。日本大は5割に後退。波のある流れを制御しきれなかった。
写真:この日が誕生日だったという東洋大・筑波。試合後にはメンバーからケーキを贈られていた。
[東洋大スタメン]#6村上、#7筑波、#11中村、#24遠山、#88山本
[日本大スタメン]#2佐藤、#8刘、#15栗原、#24高橋、#33上原
[東洋大]#6村上14点・3P4本、#7筑波20点、#55井上19点・3P5本、#88山本16点・12リバウンド
[日本大]#8刘14点・14リバウンド、#24高橋12点・9リバウンド、#33上原12点
【INTERVIEW】
「強気でいかなければダメだ」
その強い思いが結果につながる
◆#55井上亮太(東洋大・3年・G)
途中出場ながらこの試合では3P5本、19点をマーク。勝利に大きく貢献するプレーを見せた。昨年まではワンポイントでの出場が多く結果につなげられていなかったが、自身の意識も変化した今年は一味違うとこの試合で証明できた部分は大きい。チーム全体でもディフェンスを見直して勝ち取った勝利。ここから上向いていけるかどうかに期待がかかる。
―日大相手に気をつけていたことは。
「相手はデカいので、とにかくリバウンドと、早い展開に持ち込もうとしていました」
―今日は本当にいい活躍でしたが、ここまであまり試合には出ていませんでしたね。
「はい、ここまでなかなか使ってもらえなくて、昨日の江戸川戦から少し出番を得ました。それまでは練習でもシューティングもすごくしていて、自分の役割も明確になっていたので、とりあえず出たらひたすら3Pを打つことを考えて、外しても打つぞと強気な感じでやっていました。最後の方はもう気持ちよく打てたので、自分の役割を果たせたなと思います」
―東洋大は山口選手(#2)もシューターとしていますよね。
「山口も調子は悪くないんですが、自分の方がリバウンドに飛び込むところで仕事ができているので、自分の方が使われたのかなと思います」
―負けが込んでいる状態からの日大戦でしたが、最初から気合いが入っていましたね。
「チームとしてはまとまって、全員でバスケットをしようとしていたし、自分の役割を果たすと決めてやっていました」
―では負けが続いている状態でもそこまで雰囲気は悪くなかったんですか?
「そうですね。一番悪かったときでも自分たちで立て直して、練習も盛り上げていきました。アップから声も出すし、ここは自分たちのホームなので応援も盛り上がっているし、みんなでやろうという雰囲気になれましたね」
―そんな風にいい感じに切り替えられたきっかけみたいなものはあるんですか?
「ディフェンスに課題があって、インラインをどうしても抜かれていたので、昨日からインラインは絶対に行かせないようにしようと全員でカバーディフェンスをしようと。うちのディフェンスの持ち味を出せたから改善できて勝利につながりました」
―井上選手は去年ワンポイントで出ている時より堂々とプレーできているように見えました。
「去年は全く使われなくて、今年は頑張ろうと思って、出たらシュートを打つことを大事にしています。強気じゃないとダメだなと思っています。試合を見にきてくれる親にも『あんたがやらないとダメだよ』と言われて目覚めた部分もあります。自分はディフェンスがあまり良くないんですが、ディフェンスが良ければオフェンスに繋がるし、リバウンドも同様だと言われて頑張れるようになりました」
―でも今日の勝利で自信もついたのでは。
「そうですね。これから強気でいけるなと思います。勝ち星を増やせるよう、頑張ります」
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【PICUP GAME 3】早稲田大VS関東学院大
持ち味を存分に出した関東学院大が早稲田大を圧倒
関東学院大学85(14-18,22-5,25-15,24-17)55早稲田大学
1敗したとはいえ首位を走る早稲田大。2敗で後を追う関東学院大との注目の一戦は、持ち味を発揮した関東学院大が流れを握った。
立ち上がりを制したのは早稲田大。関東学院大のオフェンスペースが上がらないうちに、スタメンの5人が得点を重ねて16-6と10点のリードを奪う。しかし、3つの5人グループを5分ずつ、順繰りに使う早稲田大は2番目のグループが2点に終わり、その間に関東学院大は#45大熊(3年・G)のシュートや#10エリマン(4年・C)のインサイドで追い上げ、1Qは18-14。さらに早稲田大は2Q頭の出番となる3番目のプラトンのオフェンスが停滞。関東学院大はここで#38蜂谷(3年・F)が乗ってくると早稲田大ディフェンスを突破していき、開始2分で逆転。その後もリバウンドから走る展開で23-36とリードする。早稲田大は2Q後半に再びスタメンメンバーに戻るが流れを引き戻せず14点のビハインドで前半を終えた。
立て直したい早稲田大は3Qは再びスタメンの5人でスタート。ここで#38宮脇(2年・C)がアウトサイドで稼ぐ。関東学院大は#10エリマンの絶対的高さを生かしつつ、#38蜂谷が合わせのパスやドライブなどで攻めていき、#11伊藤尚人(2年・PG)も3Pでつなぐ。この勢いを止められない早稲田大は38-61とさらに差を広げられ、4Qもプレスで当たって粘りを見せるが、挽回できないまま85-55という30点の大差で2敗目を喫した。
これで勝率は同じだが直接対決の結果と他チームとの勝敗により関東学院大が首位に立った。ここまでケガの影響で100%を発揮していなかった蜂谷の復活と、24リバウンドというエリマンの功績は大きい。試合に出るメンバーは限られているが、集中を切らさず戦っていることが良い結果につながっている。早稲田大は2Qの失速が響いた。
写真:ファウルも少なく、黙々と仕事を果たす関東学院大のエリマン。勝負を左右する大黒柱だ。
[関東学院大スタメン]#3前川、#11伊藤、#10エリマン、#38蜂谷、#45大熊
[早稲田大スタメン]#34池田、#11河合、#16山本、#36澁田、#38宮脇
[関東学院大]#10エリマン15点・24リバウンド、#38蜂谷35点、#45大熊21点
[早稲田大]16山本12点、#38宮脇15点・15リバウンド
【INTERVIEW】
「勝負の年だから後半も勝ちたい」
インカレ出場に望みをかけて
◆#38蜂谷晃弘(関東学院大・3年・F)
大事な一戦だったので夢中だったという蜂谷。試合中に手から流血していたのに気づかなかったほどだ。
ここまで蜂谷らしいプレーが鳴りを潜めている試合が多かったが、ケガがあったのが大きかった。しかしこの日は35得点とようやく彼らしい戦いぶりを披露。早稲田大のディフェンスを軽々と突破して勝利に貢献した。逆に言えば蜂谷が不調の中でも勝ってきていたチームの充実ぶりも感じられる。これで首位に立った関東学院大がそれを守りきれるか、今後も目が離せない。
―早稲田に勝ったのは大きいと思いますが、その前にようやく蜂谷選手らしい活躍を見られたと思います。
「本当に久しぶりですね、こんなプレーは」
―最初のレイアップがこぼれたときに今日どうかな、という感じもありましたが自分の感覚は?
「多分気持ちが入りすぎたのがあのシュートミスになったと思います」
―途中から全員いい集中になったと思いますが。
「相手にやられたのは自分たちのミスから走られたせいだったので、そこをみんなで話し合って、しっかりディフェンスもやって、プレーもし続けたから2Qから自分たちのペースになったと思います」
―早稲田のディフェンスもそこまでではないように、たやすく攻めていましたね。
「今日試合をするまでもう少しガンガン来るイメージがあったんですけどね。今日は自分たちがボールをフロントコートに運ぶのに成功したのがリードできたきっかけというか、スムーズに運べました。最後にミスしてやられたのは反省点ですが」
―ああいう終盤のプレスに対処する練習はしていたんですか?
「いや、いつも通りで特に何もしていないです。日体大戦では最後にプレスに引っ掛かって負けたので、その反省もチームでしていたし、ボール運びは本当に気をつけてミスしないようにとやっていました。うちは4人はボールを運べるので気を付けてやれば大丈夫です」
―エリマン選手(#10)のところにわりとボールも入りましたね。
「やはりどのチームもエリさんのところにボールが入らないようにするし、ダブルチームにも来ていたんですが、今日は上のポジションで点が取れたし、それでエリさんに楽して入れられるのかなと思いました」
―追い付かれる不安もあまり感じず、後半もいけたのでは。
「前半で10点離せて、後半は0対0の気持ちで入ろうと言っていたので、点数はあまり意識していなかったし、気がつけばあの点差になっていました」
―蜂谷選手はこの試合まで不完全燃焼という感じのプレーも見えましたが、調子はどうだったんですか?
「1戦目の東洋大戦から手首をひねってしまって、そこからずっとテーピングはしていましたが曲げるのが厳しくて。痛みに耐えながらやっていて、しばらく打たないようにしていましたが、だんだん良くなって今日はシュートタッチも良かったから点も取れました」
―だから少し精彩がないように見えたんですね。
「打ってもシュートがどこに行くか分からないくらいだったので。もうだいぶ良くなりました」
―でも今日の勝利で首位に立ちましたね。
「今年はインカレを狙っているので、勝負の年だし、後半戦も勝っていって1位ででたいです」
―スタメンの負担は大きいと思いますが、5人が安定していますね。
「ずっとこのメンバーでやっているので、話し合いもできるようになっているし、だいぶチームとして良くなっていると思います。誰かが集中してなかったり、ミスが多かったりしたら声をかけてあげたり、ディフェンス面でピック&ロールて攻めてくるチームが多いからエリさんにも状況に応じて指示したりできています。ディフェンスでも失点が少ないのは今年のいいところです」
第8戦で関東学院大が暫定首位に

どこが勝つかわからない状況の中、この日大きな勝ち星を掴んだのは関東学院大。前半から早稲田大をリードし、30点の差をつける大差の勝利。これで早稲田大と同率となったが、早稲田大が敗戦した日本大にも勝利しており、有利な状況で暫定首位に立った。また、立教大も好調なシュートで3位につける日本体育大を下して、5割を保った。日本体育大はこれで3敗と苦しい立場に。 東洋大は立ち上がりから勢い溢れるプレーで日本大に勝利。勝ち星では苦しんでいるが、この勢いが持続すれば巻き返しは可能だ。中央大は立ち上がりから好調で江戸川大を下し、2勝目が欲しい神奈川大は大東文化大に敗れた。
写真:最後にはベンチメンバーを送り出し、勝利に沸く関東学院大。
※日本体育大対立教大(森川選手インタビュー)、日本大対東洋大(井上選手インタビュー)、早稲田大対関東学院大(蜂谷選手インタビュー)のレポートは「続きを読む」へ。
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【PICUP GAME 1】日本体育大VS立教大追いつかれた立教大が勝負どころを制し逃げ切る
日本体育大学80(21-19,12-22,19-27,28-17)85立教大学

1Qは#75赤土(2年・PF)や#19田口(1年・SG・福岡第一)が得点を重ねた日体大。立教大は早い展開を出して速攻や外のシュートにつなげ、1Qで21-19と2点差ビハインドとなると2Qで#15清水(3年・F)を始めメンバーのアウトサイドが次々に決まって一気にリードを奪う。日体大は24秒オーバーやシュート確率の悪さが響いて前半は33-41で立教大がリードして終わった。
後半3Q、立ち上がりでミスが続く立教大に対し、日体大は9出羽(4年・F)のシュートや#12周(4年・C)のオフェンスリバウンドが機能し、4点差まで差を詰める。しかし立教大は#18望月(2年・G)のシュートで追いすがる日体大をかわし、#17三上(2年・G)の3Pも2本出て再び日体大を突き放して52-68とリード。4Qになり日体大は#1本間(4年・G)がルーズボールで粘り、#19田口も果敢にボールに絡んでフリースローを得ていく。立教大は日体大のゾーンプレスに苦しみ、しばらく得点が止まってしまうと、日体大は#34加藤(3年・G)の3Pで残り2分で78-78の同点に追いつくことに成功。立教大は終盤になって動きの良さが息を吹き返し、オフェンスリバウンドを押さえてから速攻を出していく。日体大は#75赤土の得点で残り1分6秒まで同点で粘るが、最後は立教大は#19森川(2年・G)から#22高地(1年・C)への見事なアシストが決まり、続けて森川が速攻を決めるなど、勝負を決定づけるプレーを見せて80-85で勝負を制した。
前日の試合で延長戦を制した日体大は、立教大に痛い敗戦。立教大は立ち上がりから持ち味の早い展開を出し、こちらは昨日の逆転負けから一転、見事な勝利。勝率を5割に戻した。一進一退という言葉が当てはまるリーグ戦の一戦となった。
写真:立教大は三上の連続3Pが流れを持ってきた。
[立教大スタメン]#19森川、#17三上、#18望月、#15清水、#22高地
[日本体育大スタメン]#1本間、#9出羽、#12周、#19田口、#75赤土
[立教大]#10阿部10点、#15清水22点・11リバウンド、#17三上#18点・3P4本、#18望月18点、#22高地14点
[日本体育大]#12周12点、#19田口17点、#75赤土19点
【INTERVIEW】
「いい意味で周囲を裏切れている」
初の2部リーグで好調なプレーを披露
◆#19森川 陸(立教大・2年・G)

自身初の2部リーグはそれなりに先の見えなさもあったはずだが、勝率はこれで5割。早いトランジションとアウトサイドが機能しているときはほかの強豪チームも手を焼く勢いがある。リーグ戦はここから体力的にも厳しい中盤〜後半戦へと入るが、この流れを持続できるか。
―日体大からの勝利は大きいのでは。
「そうですね。前評判というか、周りの期待を自分たちがいい意味で裏切れたのかなと思います」
―前の試合もリードして追い上げられて、というのは同じ形でしたが。
「同じような展開が3度目ですね。先週の関東学院戦もそうだったので。正直ここで負けるとこの後に響くかなと思ったし、どうしても勝ちたいと思っていました。だから今日は勝ててすごく良かったなと思います」
―負けた試合と違って良かった点は。
「最後まで走りきれたところです。昨日は4Qで少し足が止まってしまいました。それが今日は改善されたかなと思います」
―では前半リードできていても後半勝負だと。
「そうですね。周りもみんな分かっていましたし、意識して声をかけて、という風にしていました」
―ここまで勝敗はともかく、いい勝負をしていると思いますが自分たちでも手応えは感じていますか?
「正直、自分たちでもびっくりしているところもあるし、周りの人たちも3部から上がってきたチームでびっくりしているところもあると思います。でもそれなりにやれていると思います。まだまだ及ばないところがあるんですが」
―小さなチームですが、ビッグマンのいるチーム相手でもリバウンドが取れていたりするのは素晴らしいですね。
「リーグ戦が始まる前からリバウンドの分が悪いというのは分かっていたので、大きい選手だけではなく、小さい選手も意識してリバウンドには飛び込もうとしていたので、それが良い方向に出ていると思います」
―少し点が止まる時間帯があるのが気になりますが。
「ああいうときはオフェンスというよりディフェンスのプレッシャーを与えられていないのかなと思います。そこは長く試合に出ている選手は体力的に厳しい部分もあると思うんですが、ベンチメンバーがしっかりできれば点が止まらないでいい展開にできるのかなと」
―体力的には3部より厳しいですか?開始から3試合が2週続いたのはありますが。
「それもありますが、3部と違って追う立場なので、それは昨年とは違う負担ですね」
―今は下級生シフトして、スタメンも若いメンバーで臨んでいますが上級生から何か言われていますか?
「とりあえず思い切りよくやれと。自分としては、本当はスタメンより流れが悪いときに出ていきたいというのはあるんですが。でも平良さん(#4)や藤井さん(#16)がガードの控えにいるので、安心してやれていることはありますね」
―でも下級生とはいえ、昨年から出ているメンバーが多いし、息も合っていますね。
「だいぶ合っているし、安心して思い通りのプレイヤーができる場面も増えてきています」
―まだ日程の半分も来ていませんが、今年の2部は気を抜く暇がないですね。
「体力面の負担はありますが、高校生時代も40分出ていた選手も多いし、そういう意味では長くプレーしていても集中力を保てています」
―来週から2順目に入ります。相手にも読まれてくる部分もあると思いますが。
「今日に関しても日体大がすごくスカウティングしていて、自分たちのフォーメーションを全部読んでいました。そういったところで裏を突くんだったり、何かを考えたりだったりを今後はやっていきたいです」
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【PICUP GAME 2】日本大VS東洋大
好調なシュートが東洋大の勝利を後押し
日本大学57(12-13,12-27,16-15,17-25)80東洋大学

1Qは12-13と1点差。日本大は#15栗原(3年・SG)、東洋大は#7筑波(4年・G)を中心に得点を重ねる。流れが変わったのは2Q。立ち上がりこそターンオーバーやダブルドリブルのミスが続いた東洋大だが、#6村上(4年・G)の3Pを皮切りに#88山本(2年・C)のシュート、そして#6村上の3Pがさらに2本続いて一気に10点のリードを奪うと、途中出場の#55井上(3年・G)がチームを後押しする3Pを沈めてこのQで24-40の大差に。日本大はファウルが続いて得点がままならず、このQだけの得点で12-27と大きく水を空けられた格好となってしまった。
流れを引き戻したい日本大は3Qになって#8刘(3年・C)のオフェンスリバウンドや#24高橋耕陽(2年・SG)のドライブなどで得点をつなぐが、東洋大は強気で3Pを打ち続けて大きく詰められることはない。3Qをとんとんで終えると、4Qに余裕のある東洋大が面白いようにシュートを決めて日本大を圧倒し、57-80で3勝目をあげた。
東洋大はシューター井上がこの試合で大きく勝利に貢献。4人が2桁得点とオフェンスが切れずに流れを持続した。日本大は5割に後退。波のある流れを制御しきれなかった。
写真:この日が誕生日だったという東洋大・筑波。試合後にはメンバーからケーキを贈られていた。
[東洋大スタメン]#6村上、#7筑波、#11中村、#24遠山、#88山本
[日本大スタメン]#2佐藤、#8刘、#15栗原、#24高橋、#33上原
[東洋大]#6村上14点・3P4本、#7筑波20点、#55井上19点・3P5本、#88山本16点・12リバウンド
[日本大]#8刘14点・14リバウンド、#24高橋12点・9リバウンド、#33上原12点
【INTERVIEW】
「強気でいかなければダメだ」
その強い思いが結果につながる
◆#55井上亮太(東洋大・3年・G)

―日大相手に気をつけていたことは。
「相手はデカいので、とにかくリバウンドと、早い展開に持ち込もうとしていました」
―今日は本当にいい活躍でしたが、ここまであまり試合には出ていませんでしたね。
「はい、ここまでなかなか使ってもらえなくて、昨日の江戸川戦から少し出番を得ました。それまでは練習でもシューティングもすごくしていて、自分の役割も明確になっていたので、とりあえず出たらひたすら3Pを打つことを考えて、外しても打つぞと強気な感じでやっていました。最後の方はもう気持ちよく打てたので、自分の役割を果たせたなと思います」
―東洋大は山口選手(#2)もシューターとしていますよね。
「山口も調子は悪くないんですが、自分の方がリバウンドに飛び込むところで仕事ができているので、自分の方が使われたのかなと思います」
―負けが込んでいる状態からの日大戦でしたが、最初から気合いが入っていましたね。
「チームとしてはまとまって、全員でバスケットをしようとしていたし、自分の役割を果たすと決めてやっていました」
―では負けが続いている状態でもそこまで雰囲気は悪くなかったんですか?
「そうですね。一番悪かったときでも自分たちで立て直して、練習も盛り上げていきました。アップから声も出すし、ここは自分たちのホームなので応援も盛り上がっているし、みんなでやろうという雰囲気になれましたね」
―そんな風にいい感じに切り替えられたきっかけみたいなものはあるんですか?
「ディフェンスに課題があって、インラインをどうしても抜かれていたので、昨日からインラインは絶対に行かせないようにしようと全員でカバーディフェンスをしようと。うちのディフェンスの持ち味を出せたから改善できて勝利につながりました」
―井上選手は去年ワンポイントで出ている時より堂々とプレーできているように見えました。
「去年は全く使われなくて、今年は頑張ろうと思って、出たらシュートを打つことを大事にしています。強気じゃないとダメだなと思っています。試合を見にきてくれる親にも『あんたがやらないとダメだよ』と言われて目覚めた部分もあります。自分はディフェンスがあまり良くないんですが、ディフェンスが良ければオフェンスに繋がるし、リバウンドも同様だと言われて頑張れるようになりました」
―でも今日の勝利で自信もついたのでは。
「そうですね。これから強気でいけるなと思います。勝ち星を増やせるよう、頑張ります」
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【PICUP GAME 3】早稲田大VS関東学院大
持ち味を存分に出した関東学院大が早稲田大を圧倒
関東学院大学85(14-18,22-5,25-15,24-17)55早稲田大学

立ち上がりを制したのは早稲田大。関東学院大のオフェンスペースが上がらないうちに、スタメンの5人が得点を重ねて16-6と10点のリードを奪う。しかし、3つの5人グループを5分ずつ、順繰りに使う早稲田大は2番目のグループが2点に終わり、その間に関東学院大は#45大熊(3年・G)のシュートや#10エリマン(4年・C)のインサイドで追い上げ、1Qは18-14。さらに早稲田大は2Q頭の出番となる3番目のプラトンのオフェンスが停滞。関東学院大はここで#38蜂谷(3年・F)が乗ってくると早稲田大ディフェンスを突破していき、開始2分で逆転。その後もリバウンドから走る展開で23-36とリードする。早稲田大は2Q後半に再びスタメンメンバーに戻るが流れを引き戻せず14点のビハインドで前半を終えた。
立て直したい早稲田大は3Qは再びスタメンの5人でスタート。ここで#38宮脇(2年・C)がアウトサイドで稼ぐ。関東学院大は#10エリマンの絶対的高さを生かしつつ、#38蜂谷が合わせのパスやドライブなどで攻めていき、#11伊藤尚人(2年・PG)も3Pでつなぐ。この勢いを止められない早稲田大は38-61とさらに差を広げられ、4Qもプレスで当たって粘りを見せるが、挽回できないまま85-55という30点の大差で2敗目を喫した。
これで勝率は同じだが直接対決の結果と他チームとの勝敗により関東学院大が首位に立った。ここまでケガの影響で100%を発揮していなかった蜂谷の復活と、24リバウンドというエリマンの功績は大きい。試合に出るメンバーは限られているが、集中を切らさず戦っていることが良い結果につながっている。早稲田大は2Qの失速が響いた。
写真:ファウルも少なく、黙々と仕事を果たす関東学院大のエリマン。勝負を左右する大黒柱だ。
[関東学院大スタメン]#3前川、#11伊藤、#10エリマン、#38蜂谷、#45大熊
[早稲田大スタメン]#34池田、#11河合、#16山本、#36澁田、#38宮脇
[関東学院大]#10エリマン15点・24リバウンド、#38蜂谷35点、#45大熊21点
[早稲田大]16山本12点、#38宮脇15点・15リバウンド
【INTERVIEW】
「勝負の年だから後半も勝ちたい」
インカレ出場に望みをかけて
◆#38蜂谷晃弘(関東学院大・3年・F)

ここまで蜂谷らしいプレーが鳴りを潜めている試合が多かったが、ケガがあったのが大きかった。しかしこの日は35得点とようやく彼らしい戦いぶりを披露。早稲田大のディフェンスを軽々と突破して勝利に貢献した。逆に言えば蜂谷が不調の中でも勝ってきていたチームの充実ぶりも感じられる。これで首位に立った関東学院大がそれを守りきれるか、今後も目が離せない。
―早稲田に勝ったのは大きいと思いますが、その前にようやく蜂谷選手らしい活躍を見られたと思います。
「本当に久しぶりですね、こんなプレーは」
―最初のレイアップがこぼれたときに今日どうかな、という感じもありましたが自分の感覚は?
「多分気持ちが入りすぎたのがあのシュートミスになったと思います」
―途中から全員いい集中になったと思いますが。
「相手にやられたのは自分たちのミスから走られたせいだったので、そこをみんなで話し合って、しっかりディフェンスもやって、プレーもし続けたから2Qから自分たちのペースになったと思います」
―早稲田のディフェンスもそこまでではないように、たやすく攻めていましたね。
「今日試合をするまでもう少しガンガン来るイメージがあったんですけどね。今日は自分たちがボールをフロントコートに運ぶのに成功したのがリードできたきっかけというか、スムーズに運べました。最後にミスしてやられたのは反省点ですが」
―ああいう終盤のプレスに対処する練習はしていたんですか?
「いや、いつも通りで特に何もしていないです。日体大戦では最後にプレスに引っ掛かって負けたので、その反省もチームでしていたし、ボール運びは本当に気をつけてミスしないようにとやっていました。うちは4人はボールを運べるので気を付けてやれば大丈夫です」
―エリマン選手(#10)のところにわりとボールも入りましたね。
「やはりどのチームもエリさんのところにボールが入らないようにするし、ダブルチームにも来ていたんですが、今日は上のポジションで点が取れたし、それでエリさんに楽して入れられるのかなと思いました」
―追い付かれる不安もあまり感じず、後半もいけたのでは。
「前半で10点離せて、後半は0対0の気持ちで入ろうと言っていたので、点数はあまり意識していなかったし、気がつけばあの点差になっていました」
―蜂谷選手はこの試合まで不完全燃焼という感じのプレーも見えましたが、調子はどうだったんですか?
「1戦目の東洋大戦から手首をひねってしまって、そこからずっとテーピングはしていましたが曲げるのが厳しくて。痛みに耐えながらやっていて、しばらく打たないようにしていましたが、だんだん良くなって今日はシュートタッチも良かったから点も取れました」
―だから少し精彩がないように見えたんですね。
「打ってもシュートがどこに行くか分からないくらいだったので。もうだいぶ良くなりました」
―でも今日の勝利で首位に立ちましたね。
「今年はインカレを狙っているので、勝負の年だし、後半戦も勝っていって1位ででたいです」
―スタメンの負担は大きいと思いますが、5人が安定していますね。
「ずっとこのメンバーでやっているので、話し合いもできるようになっているし、だいぶチームとして良くなっていると思います。誰かが集中してなかったり、ミスが多かったりしたら声をかけてあげたり、ディフェンス面でピック&ロールて攻めてくるチームが多いからエリさんにも状況に応じて指示したりできています。ディフェンスでも失点が少ないのは今年のいいところです」
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