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2014.09.17 (Wed)
【2014リーグ1部】9/13,14,17 第4〜6戦レポート
法政大が逆転で筑波大を撃破
青山学院大に1敗がつき、全勝は東海大のみに
1部リーグの4~6戦が行われた第2週は、「何が起こるのか分からないのがリーグ戦」を体現する展開となった。東海大・青山学院大・拓殖大・明治大が郡山大会に、残った6チームが専修大にて対戦することになった第4戦、5戦。第4戦で法政大が筑波大を倒すアップセットを果たし、翌日も延長戦で専修大を破り、法政大はこれで2勝に。郡山会場では第5戦で拓殖大が青山学院大を倒し、上位にも少し動きがあった。
2度目の水曜開催となった大田区総合体育館では第一試合から白熱の展開が続いた。最終試合では筑波大が東海大を追い詰めるが、辛くも東海大が勝利。危ない場面を見せながらも東海大が首位をキープした。
写真:筑波大を倒して笑顔を見せる法政大の面々。
【9月13日】専修大学会場
慶應大と国士舘大の昇格組同士の対決は国士舘大に軍配
法政大は筑波大を破る金星でうれしい1勝目
1部昇格組同士の戦いとなった慶應義塾大対国士舘大は、試合開始から国士舘大が高さで確実にゴール下を支配。慶應大は立ち上がりでシュートの精度を欠き、国士舘大の激しいマンツーマンの前に攻めあぐねる場面が目立って出遅れた。しかし3Qにうまくボールが回って慶應大らしさを取り戻すと、終盤に追いつくことに成功。しかし、4Qで再び国士舘大が勢いを取り戻し、71-89で逃げ切りを決めた。
白鴎大対専修大は、白鴎大が前半はリードするものの、3Qで専修大は#47藤田(4年・C)の活躍を中心に26-8と白鴎大を圧倒して追い上げに成功。しかし4Qに6点と失速してしまい、今度は逆に白鴎大が21得点を稼いで74-59で勝利した。
筑波大対法政大は、前半法政大がリードして試合を進め、3Qで筑波大が逆転するも、最終Qで法政大が再びひっくり返して今季注目とマークされる筑波大を倒す見事なゲームをやってのけた。
写真:国士舘大・原は23点。慶應大の伊藤は26点と互いの両エースが高い集中力でシュートを決め続けていった。
【9月14日】専修大学会場
法政大が延長戦を制して2勝目
筑波大は持ち直して慶應大に完勝
法政大に痛い1敗を喫した筑波大は慶應義塾大と対戦。立ち上がりからリバウンドを制し、持ち味の走る攻撃で1Qから10点以上のリードを奪うことに成功。慶應義塾大は1部でも屈指の高さを持つ筑波大相手になかなかオフェンスが展開できない苦しい時間帯が続いた。筑波大はメンバーを入れ替えつつもリードを保ち、速攻も次々出して95-75。慶應大は#4伊藤(4年・G)が30点と奮闘するが追い上げかなわず2連敗で星が五分に戻った。
筑波大に勝利した法政大はこの日は専修大と接戦を繰り広げた。前半は法政大ペースで47-29と大きなリードを奪ったが、後半に専修大が奮起。3Q中盤になると#24田代(3年・F)がジャンプシュートを決めて得点を動かす。だが、法政大もすかさず#24加藤(3年・SF)が決め返して譲らず。点差は縮まらないまま4Qへ。
4Q、流れは一変。ミスが続く法政大に対し、専修大は#14高澤(1年・G・市立船橋)や、#6渡辺(2年・G)のシュートでじわじわと得点していく。また、オールコートでディフェンスを仕掛け、法政大のミスを誘う。すると、#24田代が果敢に攻めて得点を増産。残り1分46秒で72-70と2点差まで詰め寄る。法政大はなおもミスが続き、苦しい展開。すると残り49秒で専修大は#24田代が苦しい体制からシュートをねじ込んで遂に同点。その後、両者得点を決められず、延長戦へ突入となった。
延長戦、先に得点を奪ったのは法政大。#14植村(1年・PG・明成)、#7藤井(2年・SG)の3Pシュートでリードを奪う。一方の専修大は#24田代が奮闘。だが、厳しいディフェンスに阻まれて次の一手が出てこない。残り1分を切ってファウルゲームを仕掛ける が、法政大はもらったフリースローを着実に決めて最後は87-78。法政大が第2週を連勝で終えた。
また、国士舘大は白鴎大に大差で勝利した。
写真:慶應大・伊藤は30点と気を吐いたが追いつけず。
※国士舘大・伊集選手、筑波大・笹山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【9月17日】
筑波大が終始東海大を苦しめるが
残り1分の攻防を王者が制す
2度目の水曜開催となったこの日は白熱した試合が続いた。慶應義塾大は筑波大に勝利したあと連勝で持ち直した法政大を下し勝率を5割に。明治大は国士舘大を下して2勝目をあげた。1敗で東海大を追う青山学院大、拓殖大はそれぞれきっちり勝利した。注目の一戦となった東海大対筑波大は、終始リードが入れ替わってどう転ぶか分からない展開。しかし最後に#10バランスキーが東海大を救う2本のシュートを決め、全勝をキープ。筑波大はこれで3敗目となった。
6戦を終了して東海大が無敗、拓殖大、青山学院大が1敗で続く。筑波大・慶應大が3勝3敗の5割。それから下が2勝で4校が並び団子状態。ここからどう分かれていくかリーグ戦はそろそろ中盤戦に入る。
写真:最後のシュートを決めたベンドラメに、ベンチの面々も笑顔。
※ピックアップゲーム9/13筑波大対法政大(法政大・沼田選手、加藤選手)、9/17東海大対筑波大(バランスキー選手)のレポートは「続きを読む」へ。
4Qの攻防を制し法政大が筑波大から大きな1勝をあげる
法政大学88(24-22,19-16,13-34,32-14)86筑波大学
筑波大対法政大戦の立ち上がりから互角の展開となった。筑波大は#17杉浦(1年・PF・福大大濠)を中心に得点を重ね、法政大は#16沼田(3年・C)が起点となって攻撃を仕掛けていく。法政大もディフェンスは悪くなく、#35山岸(3年・SG)の3Pや#21加藤(3年・SF)の好守もありいい流れで1Q終了。2Q序盤は#24加藤の連続得点、#16沼田のリバウンドシュートで法政大が10点のリードを奪う。一方の筑波大は開始から3分半無得点。ようやく#2満田(2年・SF)がジャンプシュートを決めて得点を動かと、バスケットカウントも決めてじわじわと点差を詰める。その後は点の奪い合いになるが、法政大が#16沼田、#67佐藤(2年・PG)の得点で再び離して43-38と5点リードで前半終了。
3Q開始早々、法政大#16沼田がゴール下で得点。しかし筑波大も#21笹山(4年・PG)、#14坂東(4年・SG)の連続3Pで応戦して譲らない。シュートやミスが目立ち始める法政大に対し、筑波大は好調の#17杉浦のゴール下で逆転に成功。更に#14坂東の3Pも決まって法政大を突き放しにかかる。法政大はミスがかさんで追い上げのきっかけを掴むことができず、3Q終わって56-72と大きく水をあけられてしまった。
4Q先制は筑波大#2満田の速攻。法政大は#67佐藤がなんとか繋いで点差を広げさせない。開始2分、気を吐いたのが法政大#16沼田。内外角で得点を重ね、残り5分6秒に7点差まで詰め寄る。しかし筑波大も#8木林(2年・PF)がバスケットカウントを決めて再び2桁得点差に戻す。その後、ミスが出る筑波大を尻目に法政大は#24加藤、#67佐藤が連続ジャンプシュートを決めて残り2分40秒で78-82の4点差に。筑波大はたまらずタイムアウトを請求。その後は一進一退の展開に。試合が動いたのは残り1分を切ってから。ここまで当たりがこなかった法政大#7藤井(2年・SG)が残り44.3秒で3Pシュートを沈め、85-86と法政大が1点差に詰め寄る。その後のディフェンスで法政大は#31安達(4年・PF)がパスカット。時間を使い、攻める法政大は残り3.6秒でボールは#7藤井に。藤井はこの大事な場面で再び3Pを決めて、遂に逆転。筑波大はタイムアウトを請求し、ゲーム再開後は#6馬場が仕掛けるが、法政大の好ディフェンスに阻まれ、ボールがラインを割って法政大ボール。その後、法政大はうまくタイムアウトを使いながら試合を進め、最後は88-86で勝利。3Qのビハインドを全員バスケットでひっくり返した法政大が筑波大から白星を奪った。
法政大は沼田が27点13R、加藤が20点、11Rと3年生コンビがダブルダブルの活躍。しかし、佐藤や藤井ら下級生の活躍も大いに光ったこのゲーム。チーム全員が1Qからディフェンスやリバウンドでの積極性が光り、最後まで諦めずにボールを追い続けた結果、勝利を掴んだ。法政大にとっては大きな1勝に。筑波大にとっては痛い1敗となった。
写真上:藤井の終盤のシュートが流れを法政大に呼びこんだ。
写真下:杉浦は28得点と踏ん張ったが、法政大のチーム全員の頑張りに敗れた。
[法政大スタメン]#5松澤、#7藤井、#16沼田、#24加藤、#67佐藤
[筑波大スタメン]#21笹山、#2満田、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[法政大]#7藤井13点・3P3本、#16沼田27点・リバウンド13本、#24加藤20点・リバウンド11本、#67佐藤17点
[筑波大]#14坂東15点・3P3本、#17杉浦28点、#21笹山11点・5アシスト
【INTERVIEW】
「出し惜しみしないでやるべきことを精一杯」
ケガから復活の大黒柱が納得の活躍
◆#16沼田 凌(法政大・3年・C)
春に足を痛め、トーナメントで悪化させた。秋は厳しいかも、という話も聞かれた中、本人は黙々とリハビリに取り組み、見事大金星で復活をアピールした。「チーム練習復帰にOKサインが出てからもすぐには合流せず、まず個人スキルをあげようと努力していた」と加藤がその努力とぶりを語っていたが、休んでいる間にアウトサイドのプレーまで幅を広げてチームメイトを驚かせたという。
この沼田の復活は法政大には明るい材料。しかも筑波大を倒したということを自信にしてここから勝率を上げていきたい。
―試合を振り返って。
「いつも通り自分たちがやるべきことをやろうということを話していました。筑波はみんな運動神経が良いので、そこをどうやってチームで守っていくかということを気にしていました。法政は能力の部分では筑波よりかなり劣っているものがあったので、そこをみんなで諦めずに頑張れたことはよかったです。ただ、3Qの時に食らいついていけなかったというところはチームとしての弱さなので、そこら辺をもっともっと粘り強くやっていけたらいいなと思います」
―怪我の調子はいかがですか?
「足はもう何ともないです。大丈夫です。個人的にはこの試合からスタートで出るということで。疲れたら交替させてくれるって言われていたので、力を出し惜しみしないで最初から自分の仕事ややるべきことを精一杯やりました」
―これまでの3試合はなかなか自分たちのバスケットができなかったということを加藤選手(#24)がおっしゃっていました。沼田選手から見ていかがですか?
「過去の3試合は最初から気持ちが入っていない部分があったと思います。集中してない時に相手にボンボンやられて相手の調子が上がっていって…という試合が続いてしまいました。でもこの試合は最初から体力のことは考えずにやっていけたのでよかったと思います」
―沼田選手は攻守で大活躍でしたね。本日のスタッツは既に聞きましたか?
「得点は27点って言われて。でも、得点よりもどれくらいリバウンドを取れたかの方が気になって…。ディフェンスリバウンドとかきちんと取れているのかなというのが気になりますね」(※リバウンドは13本)
―高さのある選手が揃う筑波大相手にかなりリバウンドを取っていた印象がありますが、個人的にはそうではないと感じているのでしょうか?
「そうですね。相手にセカンドチャンス作られないようにしようっていうのがセンター陣の仕事なんですが、結構取られている部分もあったかなと思います。やっぱり得点よりもリバウンドの方が気になりますね」
―「自分の仕事はこれだ」と心得られていることが素晴らしいですね。
「今の実力はこれだっていうことにして。怪我前のことはあまり考えないようにして。とりあえずチームが勝つように体張ってやっていっていけたらと思います。それは絶対にやっていこうという気持ちでやっています」
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「自分たちのバスケットを貫いた結果」
前向きな気持ちを勝利につなげて
◆#24加藤寿一(法政大・3年・SF)
沼田とともに法政大を支える両エースも、この日見事な活躍を見せた。真面目でストイックな沼田に対し、加藤は明るくポジティブ。異なる個性がうまくチームを動かしているのも面白い。
第1戦で東海大に実力差を見せつけられたあと、それでも自分たちのバスケットをやれば、と語っていた加藤。筑波大戦では見事にそれを証明した形となった。ここからも更に白星を増やしていけるか。
―筑波大戦勝利、おめでとうございます。最後まで競った試合になりましたが白星を掴めたことは大きいですね。
「前、1部に上がってからのリーグ戦で18連敗したことがあるらしいんですよ。今回、自分たちも3連敗からのスタートだったので、監督曰く、『21連敗からの白星だった』って言われました。だから素直にうれしいですし、何より格上相手に勝てたということがよかったです。これで自分たちも勢いづくと思います。今までの3試合は自分たちのバスケットが思うようにできていなくて…。でも、この試合は点差が離れても自分たちのバスケットを頑張って貫いたから最後に逆転できたと思うので本当によかったと思います」
―試合前はどういった話をしていましたか?
「『この筑波戦からが勝負だ』って話をされました。『東海、青山、拓殖はずば抜けた選手が集まっている大学なので、それを考えたらそこには勝つことは厳しいだろう』と。『でも筑波は、何人かはずば抜けているけど、自分たちのバスケットをきちんとやれば勝負はわからないから、この試合からが勝負だからきちんと走っていけ』と監督に言われました。それに、自分たちも筑波だからといって退かないで、前に前にアタックしていこうということを話していたので、それが試合でできてよかったです」
―この試合は立ち上がりからディフェンスもリバウンドも勢いがありました。
「今までが悪すぎたので。次の専修の試合はどうしても勝たないといけないと思っています。なので、まずはこの筑波戦から自分たちのバスケットをしないと専修にも負けるという話をしていました。それをみんなが考えていたからディフェンスとかリバウンドを泥臭く頑張れたんだと思います」
―4Qをビハインドで迎えることになりましたが、その時はどんな指示がありましたか?
「自分たちのオフェンスがガチャガチャしていたんですよね。それでタフショットを打たされてそこから速攻に持っていかれているということを言われて。まずはオフェンスでガチャガチャしないようにまず1本作ろうと。そして、シュートは入らなくてもいいからディフェンスは頑張れということですね。4Qはガードの翔耶(#67佐藤)がコントロールしてくれたので自分たちもやりやすかったですし、点差が離れても一人ひとりが諦めなかったことが徐々に点差を詰めていけた要因だと思います」
―加藤選手は試合中、メンバーに声をかけたり、声を出してチームを引っ張ったりする姿がよく見られますね。
「スタメンで出てる4年生は大晃さん(#5松澤)しかいないので、大晃さんが一人でひっぱっていくのは大変だと思うんですよ。自分は3年ですが、コートに入ったら学年は関係ないと思うので声かけたりしています。実際余裕はないんですけど、周りに話しかけることで下級生が少しでも余裕が生まれたらいいなって。自分が1、2年の頃はトシヤさん(2013年卒・高田)とかマコトさん(2013年主将・大塚)とかに声をかけられて余裕が生まれたことがあったので、それは真似していこうかなと。やっぱり下級生には伸び伸びやってほしいので、そういうところは意識してやっています」
―その下級生の藤井選手(#7)が最後は3Pシュートを決めてくれましたね。
「あいつ、もともとシュート入るんですけど、この試合は前半入らなくて…。『我慢して打ち続けろ!どうせお前は入るから』って言っていて。そしたら最後の最後に持っていかれました(笑)。この試合のMVPは藤井ですね。最後の最後に決めてくれてよかったです」
―この試合を次の専修大戦や今後への励みにしたいですね。
「格上相手にここまでできて結果もついてきたということは、このバスケットは間違っていないんだなと。次の試合もディフェンスを頑張ってリバウンドも絡んで。オフェンスは個々の1対1だけではなくて、合わせとかのセットプレーもやっていって、がちゃがちゃしないようにして。この試合みたいなバスケットができれば負けないと思っています。とにかく1部には残りたいので…。1つでも白星を取って1部残留したいです」
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【PICKUP GAME 2】9/17東海大VS筑波大
何度もリードが入れ替わる攻防を制し、東海大が全勝を守る
東海大学79(21-26,22-23,17-13,19-10)72筑波大学
この時点で既に2敗をしているとはいうものの、筑波大への注目度は依然変わらず、首位を走る東海大との一戦がこの日一番の見ものとなった。序盤は筑波大ペース。#17杉浦(1年・PF・福大大濠)を中心に得点を重ねていく。一方の東海大はなかなかシュートが決まらず出だしに躓く。筑波大はなおも#17杉浦が高確率でシュートを決めていき、残り5分48秒には#6馬場(1年・SF・富山第一)の豪快なダンクでリードを奪う。東海大はタイムアウト明けにようやく動きが良くなり、#33鈴木(2年・SG)の外角シュートを中心に追い上げ、残り2分17秒には19-19と同点に持ち込む。しかし、筑波大は#21笹山(4年・PG)、#17杉浦の得点で再びリードを奪い、21-26で終了。
2Qも東海大は#33鈴木の外角シュートで対抗。更に残り8分22秒には、7晴山(4年・PF)の3Pシュートで逆転すると、#0ベンドラメ(3年・PG)が難しい体制からのシュートをねじ込み更にリードを広げる。しかし筑波大も#6馬場、#17杉浦の得点で追いすがる。中盤、筑波大はパスミスを連発するも、東海大もシュートを決めきれず、リードは2~4点を行き来したまま。しかし終盤にかけて流れを掴んだのは筑波大。#17杉浦、#2満田(2年・SF)、#21笹山の3Pシュートが決まって、43-49と6点リードで前半を終える。
東海大のディフェンスに対してなかなかリズムがつかめない筑波大。一方、東海大は#10バランスキー(4年・PF)がインサイドで得点し、再度リードを得る形に。筑波大は投入した#46生原(2年・PG)がアシストや3Pシュートでチームを引っ張る活躍を見せる。残り1分には#6馬場が本日2回目のダンクを決めて、会場を沸かす。東海大はタイムアウトで流れを断つと、その後、#21橋本が3Pシュートを終了間際に沈めて60-62で筑波大が2点リードで最終Qを迎えることに。
東海大は#10バランスキーのインサイドで得点を伸ばしていく。一方の筑波大は#17杉浦、#21笹山が繋いで何度もリードが入れ替わる展開となる。しかし互いにシュートが決められなくなっていき、4Q残り5分をきってなかなか得点が動かない膠着状態に。筑波大はシュートが決められず、東海大は外から打たされる格好が続いた。試合が動き始めたのは残り1分を切ってから。東海大は残り48秒で#10バランスキーがようやくペイント内に入り込みバスケットカウントを獲得。バランスキーはワンスローもきっちり決めてここで4点が開く。その後、筑波大#92村越(3年・PF)がゴール下でシュートを決めて再び2点差に戻すも、東海大は再び#10バランスキーのシュートで再び4点差に。筑波大最後のオフェンスは、東海大#13中山(2年・SG)のスティールでチャンスを活かせず。最後、東海大は#0ベンドラメがブザーと共に3Pシュートを沈めてタイムアップ。互いに一歩も譲らなかったこの試合は、東海大が勝利。リーグ開幕から6連勝とした。
写真上:ゴール下の激しい攻防。
写真下:シュートを打つ東海大・晴山。ディフェンスで大きな貢献。
[東海大スタメン]#7晴山、#0ベンドラメ、#10バランスキー、#13中山、#21橋本
[筑波大スタメン]#21笹山、#6馬場、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[東海大]#ベンドラメ16点、#7晴山12点、#10バランスキー15点、#21橋本21点
[筑波大]#6馬場12点、#17杉浦19点、#15笹山15点
【INTERVIEW】
「強気でやろうと思っていた」
タイトなゲームでもその分集中力を高めて
◆#10バランスキー・ザック(東海大・4年・PF)
リードの奪い合いとなってゲーム最終盤は膠着状態となってしまったが、それを最後に打開したのがバランスキーの2本のシュート。うまくペイント内に入ってゴール下のシュートを決めた。危うい場面があっても勝ち切るのはさすが、といった勝負際の攻防だった。
部内での競争もより激しくなっているといい、ベンチに入ることも簡単ではなくなっている。今のスタメンに続く選手たちがどのように出てくるか、相手との戦いも、そして内部の戦いも見どころとなってきている。
―最後まで分からない試合になりましたね。
「前半はあっちがすごくシュートが入っていて、こっちは自分を中心にシュートが全然入らなくて。前半相手に70%くらい決められて、でもずっと続かないなと思ったのでディフェンスでしっかり押さえて、自分たちはオフェンスリバウンドだったり、強気で攻めたりすれば大丈夫だと思っていました」
―最初に10点差をつけられてタイムアウトのあとにディフェンスなどもスイッチが入った感じがしました。
「筑波は1Qと3Qの入りがすごくいいので、勢いがあって。今日はそれを押さえようとしたらそれがうまくいかなくて3Pをばんばん決められたので、タイムアウトを取って切り替えた感じです。ディフェンスはしてたけどその上から決められていたので、ワンランク上げていこうという感じでした」
―焦りはなかったですか。4Q終盤はどうなるかなと思いましたが。
「4Qは焦るというより、こういう試合の方がやっている方も楽しいしみている人もわくわくすると思うので、焦るというより強気で楽しんでやろうという感じでしたね」
―ここまで相手と差がつく試合も多かったですし。
「そうですね。自分たちも追いかける展開はリーグでは初めてだったので。自分たちはディフェンスチームなのでそこで押さえればきっと結果はついてくるなと思いました」
―ただ、最後まで安心できるような形になりませんでした。
「筑波も勢いに乗ると止まらないので。ターニングポイントは4Qでケビン(#7晴山)が満田(#2)をブロックしたところだなと思うんですが、チーム全員で粘って勝った試合だったと思います」
―ただ、最後まで攻めにくそうではありましたね。
「春から練習試合などで何度もやっているので、お互いのクセもわかっているし、その裏をどうかくかが大事でした。次の試合もキーになってくると思います」
―最後は外の攻撃ばかりになってしまったのが気になりました。
「そうですね。止まって中にボールを入れようとしたのがうまくできなくて。そこを動きの中でやったり、ファーストブレイクで点を取らないと苦しくなってくると思います」
―今日はベンチメンバーもだいぶ変わっていましたね。
「授業が始まったのでその関係だったり、練習のスクリメージで良かった選手だったりを入れたり、部内での競争をあおる意味もあると思います。チーム内の争いを激しくして全体のレベルを上げるのが目的です」
―最近は失点が多いゲームがありますね。
「自分たちのオフェンススタイルも去年と違って、オフェンスポゼッションを増やすことでファーストブレイクなどを増やしています。それで相手も60点を越えやすくなっているんですけど、それをどう抑えるかが課題です」
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【9/14その他INTERVIEW】
「これからの戦いにつなげたい」
リーグでの学びを結果に結びつけるために
◆#21笹山貴哉(筑波大・4年・主将・PG)
法政大に破れ、さすがに翌日の慶應大戦は最初から勢いあるバスケットで点差をつける試合内容で相手を一蹴した。リーグ戦はトーナメントと異なって一戦必勝というよりは戦い方や勝ち方を覚えていく大会。そういう意味では序盤の敗戦もシーズン後半にいい意味でつなげるものにしたいと前向き。笹山自身はまだまだチームとして向上させたい部分がある様子だが、残りの1か月半でそれを形にできるか。
―前日の法政大戦がどう響いたかと思いましたが。
「あれが実力といえば実力かもしれないし、運といえば運かもしれないけど、ああなったのは自分たちのせいだし、気持ちのどこかで『自分たちの方が上だ』という油断が絶対どこかしらあったからああいう結果が出たと思います。全員がそうかは分からないですけど、でもここでコケたので逆に一回兜の緒を締めるじゃないけど、全員切り替えてできました。この前の拓大戦で負けたのもひとつのきっかけだし、こうやってまた連続して負けたことに対してみんな気持ち的に『次はない』となったと思うので、チーム的には負けたことはダメですけど、これからインカレ、オールジャパンにつながることを考えたらまだここで良かったかなと自分としては思っています」
―リーグに入ってから春のような勢いはあまり感じられないなという印象でした。
「春はどのチームも勢いなので。でもリーグ戦は2度当たるしお互い何をしてくるかわかっている状況でやるので、勢いだけじゃどうにもならないこともあります。でも慶應大みたいに勢いをメインにして戦ってくるチームもあれば、東海や青学のように安定した力で勝ってくるところもある。そう考えたらどっちもあればいい。春できていた部分は継続しつつ、今は安定した力をガツンと出せるようなチームを目指しているというところもひとつあるかなと思います。でも出だしがいつも悪いので、そこはなんとかしないとというところです」
―でも今日はその立ち上がりは良かったのではないでしょうか。
「まあ昨日の負けがあったので。でもこれが当たり前の出来だし、これを安定していつも出せないと勝てないので、そこはこれからというか明日から切り替えてやらないといけないなと思います」
―キャプテンとしてチームをこうしなければ、と思っているところは?
「流れを読む力がまだみんながみんなある訳じゃないので、ここで行ったらダメだろうとか止まれない部分があって。そこはPGとしても感じているので声はかけているんですが、止めたいところでも流れのままいってしまって、また相手にも勢いでやられて…の繰り返しは悪いクセです。それをこのリーグで克服しないといけないし、声をかけ続けなければいけないなと思います」
―逆にここはいい部分だから伸ばしたいなというのは?
「自分はぜんぜんまだないなと思うのでパッと浮かばないですけど、チームとして戦わないといけないので坂東(#14)がルーズボールに行くと全員が盛り上がってというのがあります。そういう雰囲気を作らないといけないし、あれが坂東だけではなくて全員がああいうプレーをして積み重ねていけば最後に勝利というのが来ると思うので、今日みたいに坂東が見せてくれた分、ほかのメンバーがどういう反応をするかがこれから必要かなと。今日は本当に坂東がすごくいいところを見せてくれたので、ああいうところを伸ばしてチームとしても伸びていけたらと思います。来週は東海、青学と山が続くのでどこまでやれるか。そこでチームとしての力を問われると思うので、合わせていきたいです」
―今日は伊藤選手(#4)と久しぶりのマッチアップでしたが、どうでしたか。
「向こうが闘志むき出しですごかったですね。自分のときだけガツガツやってきたしものすごくシュートも入って、すごかったです。昔と全然違いますね。ポジションも変わったしプレーの幅も広がって。やられた方が強い気がしますが、チームで勝つ方が大事だと思うので。でも楽しかったです」
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「惜しいばかりじゃなくて勝ちにいく」
内容を結果に結びつけることを意識
◆#5伊集貴也(国士舘大・4年・PG)
昨年2部でしのぎを削った慶應大相手に、立ち上がりからリードを奪った。勝ち星こそ伸ばせていないが、上位相手にまずまずの戦いぶりを見せている国士舘大。だが40分間の中で惜しい部分はあっても勝てなければ意味は無い、と結果にこだわっている。昨年は強いキャプテンシーを持つ松島がチームを引っ張ったが、今年はそれをカバーする意味でも全員でチームを引っ張ることを意識。その方法が大きな結果につながるか。
―ゲームの立ち上がりからいい状態で入れたのではないですか?
「出だしはいつも小倉先生に言われていて、すべての出だしは注意してはいるんですが、今日は1Qの出だしは良かったんですが、3Qの出だしが悪くて3分ですぐにタイムアウトを取る形になりました。気を付けてはいます、チームで。でも3Qの出だしは悪かったし、ゲームの終わりのミスも目立ったので、最後まで気を抜かないで離すときは離さないとリーグは最後に痛い目にあうと思うので、勝ったからといって浮かれずにやっていきたいです」
―一度追いつかれましたけど、リードを保っていけたのは悪くはなかったと思いますが。
「自分たちの課題なんですよね。筑波大戦では悪い流れがずっと続いてしまって立て直すことができなくてあの点差になってしまったので。悪いところからまた離せたのは良かったです」
―でも筑波大戦も東海大戦も負けてはしまいましたが、通用する部分も多かったのでは。
「やれる部分はあったんですけど、結局惜しい止まりだったというか。やっぱり強い相手にも食らいついて最後に逆転する形に本当はしていきたんですけど、それができなくて。もうあと負けられない試合ばかりになってしまいました。惜しいばかりじゃなくて勝ちにいかないといけません」
―ガードに関しては今は伊集選手や原選手(#22)がボールを運ぶ形ですね。東海大戦ではそれで前半は競る形持ち込めました。
「1番ポジションをやる選手が1年生なのでまだまだというところがあって、自分ができないときは原がボールを運んでくれて助かっています。東海大戦では自分がダメだったので、ああいう形になってしまいました。自分らしくないプレーばかりしていて。それで原に負担をかける形になってしまいましたね」
―本多選手(#4)がまもなく復帰ということではありますが、今は4年としてまとめ役ですね。
「そうですね。今は自分がゲームキャプテンなので。常に引っ張っていかないといけないと思っているし、ゲームの流れを掴まないといけないと思っています。でも原も今年からチームを引っ張る意識が相当出てきていて、ミーティングのときも言いたいことを言ったりしてくれるので、自分でもいいし、原でもいいし、永山(#5)でも華武威(#9新田)でもいいし、人ぢひとりがキャプテンシーを持ってやっていこうという方針でやっています。みんながキャプテン、という意識でやろうとしていますね」
青山学院大に1敗がつき、全勝は東海大のみに

2度目の水曜開催となった大田区総合体育館では第一試合から白熱の展開が続いた。最終試合では筑波大が東海大を追い詰めるが、辛くも東海大が勝利。危ない場面を見せながらも東海大が首位をキープした。
写真:筑波大を倒して笑顔を見せる法政大の面々。
【9月13日】専修大学会場
慶應大と国士舘大の昇格組同士の対決は国士舘大に軍配
法政大は筑波大を破る金星でうれしい1勝目

白鴎大対専修大は、白鴎大が前半はリードするものの、3Qで専修大は#47藤田(4年・C)の活躍を中心に26-8と白鴎大を圧倒して追い上げに成功。しかし4Qに6点と失速してしまい、今度は逆に白鴎大が21得点を稼いで74-59で勝利した。
筑波大対法政大は、前半法政大がリードして試合を進め、3Qで筑波大が逆転するも、最終Qで法政大が再びひっくり返して今季注目とマークされる筑波大を倒す見事なゲームをやってのけた。
写真:国士舘大・原は23点。慶應大の伊藤は26点と互いの両エースが高い集中力でシュートを決め続けていった。
【9月14日】専修大学会場
法政大が延長戦を制して2勝目
筑波大は持ち直して慶應大に完勝

筑波大に勝利した法政大はこの日は専修大と接戦を繰り広げた。前半は法政大ペースで47-29と大きなリードを奪ったが、後半に専修大が奮起。3Q中盤になると#24田代(3年・F)がジャンプシュートを決めて得点を動かす。だが、法政大もすかさず#24加藤(3年・SF)が決め返して譲らず。点差は縮まらないまま4Qへ。
4Q、流れは一変。ミスが続く法政大に対し、専修大は#14高澤(1年・G・市立船橋)や、#6渡辺(2年・G)のシュートでじわじわと得点していく。また、オールコートでディフェンスを仕掛け、法政大のミスを誘う。すると、#24田代が果敢に攻めて得点を増産。残り1分46秒で72-70と2点差まで詰め寄る。法政大はなおもミスが続き、苦しい展開。すると残り49秒で専修大は#24田代が苦しい体制からシュートをねじ込んで遂に同点。その後、両者得点を決められず、延長戦へ突入となった。
延長戦、先に得点を奪ったのは法政大。#14植村(1年・PG・明成)、#7藤井(2年・SG)の3Pシュートでリードを奪う。一方の専修大は#24田代が奮闘。だが、厳しいディフェンスに阻まれて次の一手が出てこない。残り1分を切ってファウルゲームを仕掛ける が、法政大はもらったフリースローを着実に決めて最後は87-78。法政大が第2週を連勝で終えた。
また、国士舘大は白鴎大に大差で勝利した。
写真:慶應大・伊藤は30点と気を吐いたが追いつけず。
※国士舘大・伊集選手、筑波大・笹山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【9月17日】
筑波大が終始東海大を苦しめるが
残り1分の攻防を王者が制す

6戦を終了して東海大が無敗、拓殖大、青山学院大が1敗で続く。筑波大・慶應大が3勝3敗の5割。それから下が2勝で4校が並び団子状態。ここからどう分かれていくかリーグ戦はそろそろ中盤戦に入る。
写真:最後のシュートを決めたベンドラメに、ベンチの面々も笑顔。
※ピックアップゲーム9/13筑波大対法政大(法政大・沼田選手、加藤選手)、9/17東海大対筑波大(バランスキー選手)のレポートは「続きを読む」へ。
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【PICKUP GAME 1】9/13筑波大VS法政大4Qの攻防を制し法政大が筑波大から大きな1勝をあげる
法政大学88(24-22,19-16,13-34,32-14)86筑波大学

3Q開始早々、法政大#16沼田がゴール下で得点。しかし筑波大も#21笹山(4年・PG)、#14坂東(4年・SG)の連続3Pで応戦して譲らない。シュートやミスが目立ち始める法政大に対し、筑波大は好調の#17杉浦のゴール下で逆転に成功。更に#14坂東の3Pも決まって法政大を突き放しにかかる。法政大はミスがかさんで追い上げのきっかけを掴むことができず、3Q終わって56-72と大きく水をあけられてしまった。

法政大は沼田が27点13R、加藤が20点、11Rと3年生コンビがダブルダブルの活躍。しかし、佐藤や藤井ら下級生の活躍も大いに光ったこのゲーム。チーム全員が1Qからディフェンスやリバウンドでの積極性が光り、最後まで諦めずにボールを追い続けた結果、勝利を掴んだ。法政大にとっては大きな1勝に。筑波大にとっては痛い1敗となった。
写真上:藤井の終盤のシュートが流れを法政大に呼びこんだ。
写真下:杉浦は28得点と踏ん張ったが、法政大のチーム全員の頑張りに敗れた。
[法政大スタメン]#5松澤、#7藤井、#16沼田、#24加藤、#67佐藤
[筑波大スタメン]#21笹山、#2満田、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[法政大]#7藤井13点・3P3本、#16沼田27点・リバウンド13本、#24加藤20点・リバウンド11本、#67佐藤17点
[筑波大]#14坂東15点・3P3本、#17杉浦28点、#21笹山11点・5アシスト
【INTERVIEW】
「出し惜しみしないでやるべきことを精一杯」
ケガから復活の大黒柱が納得の活躍
◆#16沼田 凌(法政大・3年・C)

この沼田の復活は法政大には明るい材料。しかも筑波大を倒したということを自信にしてここから勝率を上げていきたい。
―試合を振り返って。
「いつも通り自分たちがやるべきことをやろうということを話していました。筑波はみんな運動神経が良いので、そこをどうやってチームで守っていくかということを気にしていました。法政は能力の部分では筑波よりかなり劣っているものがあったので、そこをみんなで諦めずに頑張れたことはよかったです。ただ、3Qの時に食らいついていけなかったというところはチームとしての弱さなので、そこら辺をもっともっと粘り強くやっていけたらいいなと思います」
―怪我の調子はいかがですか?
「足はもう何ともないです。大丈夫です。個人的にはこの試合からスタートで出るということで。疲れたら交替させてくれるって言われていたので、力を出し惜しみしないで最初から自分の仕事ややるべきことを精一杯やりました」
―これまでの3試合はなかなか自分たちのバスケットができなかったということを加藤選手(#24)がおっしゃっていました。沼田選手から見ていかがですか?
「過去の3試合は最初から気持ちが入っていない部分があったと思います。集中してない時に相手にボンボンやられて相手の調子が上がっていって…という試合が続いてしまいました。でもこの試合は最初から体力のことは考えずにやっていけたのでよかったと思います」
―沼田選手は攻守で大活躍でしたね。本日のスタッツは既に聞きましたか?
「得点は27点って言われて。でも、得点よりもどれくらいリバウンドを取れたかの方が気になって…。ディフェンスリバウンドとかきちんと取れているのかなというのが気になりますね」(※リバウンドは13本)
―高さのある選手が揃う筑波大相手にかなりリバウンドを取っていた印象がありますが、個人的にはそうではないと感じているのでしょうか?
「そうですね。相手にセカンドチャンス作られないようにしようっていうのがセンター陣の仕事なんですが、結構取られている部分もあったかなと思います。やっぱり得点よりもリバウンドの方が気になりますね」
―「自分の仕事はこれだ」と心得られていることが素晴らしいですね。
「今の実力はこれだっていうことにして。怪我前のことはあまり考えないようにして。とりあえずチームが勝つように体張ってやっていっていけたらと思います。それは絶対にやっていこうという気持ちでやっています」
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「自分たちのバスケットを貫いた結果」
前向きな気持ちを勝利につなげて
◆#24加藤寿一(法政大・3年・SF)

第1戦で東海大に実力差を見せつけられたあと、それでも自分たちのバスケットをやれば、と語っていた加藤。筑波大戦では見事にそれを証明した形となった。ここからも更に白星を増やしていけるか。
―筑波大戦勝利、おめでとうございます。最後まで競った試合になりましたが白星を掴めたことは大きいですね。
「前、1部に上がってからのリーグ戦で18連敗したことがあるらしいんですよ。今回、自分たちも3連敗からのスタートだったので、監督曰く、『21連敗からの白星だった』って言われました。だから素直にうれしいですし、何より格上相手に勝てたということがよかったです。これで自分たちも勢いづくと思います。今までの3試合は自分たちのバスケットが思うようにできていなくて…。でも、この試合は点差が離れても自分たちのバスケットを頑張って貫いたから最後に逆転できたと思うので本当によかったと思います」
―試合前はどういった話をしていましたか?
「『この筑波戦からが勝負だ』って話をされました。『東海、青山、拓殖はずば抜けた選手が集まっている大学なので、それを考えたらそこには勝つことは厳しいだろう』と。『でも筑波は、何人かはずば抜けているけど、自分たちのバスケットをきちんとやれば勝負はわからないから、この試合からが勝負だからきちんと走っていけ』と監督に言われました。それに、自分たちも筑波だからといって退かないで、前に前にアタックしていこうということを話していたので、それが試合でできてよかったです」
―この試合は立ち上がりからディフェンスもリバウンドも勢いがありました。
「今までが悪すぎたので。次の専修の試合はどうしても勝たないといけないと思っています。なので、まずはこの筑波戦から自分たちのバスケットをしないと専修にも負けるという話をしていました。それをみんなが考えていたからディフェンスとかリバウンドを泥臭く頑張れたんだと思います」
―4Qをビハインドで迎えることになりましたが、その時はどんな指示がありましたか?
「自分たちのオフェンスがガチャガチャしていたんですよね。それでタフショットを打たされてそこから速攻に持っていかれているということを言われて。まずはオフェンスでガチャガチャしないようにまず1本作ろうと。そして、シュートは入らなくてもいいからディフェンスは頑張れということですね。4Qはガードの翔耶(#67佐藤)がコントロールしてくれたので自分たちもやりやすかったですし、点差が離れても一人ひとりが諦めなかったことが徐々に点差を詰めていけた要因だと思います」
―加藤選手は試合中、メンバーに声をかけたり、声を出してチームを引っ張ったりする姿がよく見られますね。
「スタメンで出てる4年生は大晃さん(#5松澤)しかいないので、大晃さんが一人でひっぱっていくのは大変だと思うんですよ。自分は3年ですが、コートに入ったら学年は関係ないと思うので声かけたりしています。実際余裕はないんですけど、周りに話しかけることで下級生が少しでも余裕が生まれたらいいなって。自分が1、2年の頃はトシヤさん(2013年卒・高田)とかマコトさん(2013年主将・大塚)とかに声をかけられて余裕が生まれたことがあったので、それは真似していこうかなと。やっぱり下級生には伸び伸びやってほしいので、そういうところは意識してやっています」
―その下級生の藤井選手(#7)が最後は3Pシュートを決めてくれましたね。
「あいつ、もともとシュート入るんですけど、この試合は前半入らなくて…。『我慢して打ち続けろ!どうせお前は入るから』って言っていて。そしたら最後の最後に持っていかれました(笑)。この試合のMVPは藤井ですね。最後の最後に決めてくれてよかったです」
―この試合を次の専修大戦や今後への励みにしたいですね。
「格上相手にここまでできて結果もついてきたということは、このバスケットは間違っていないんだなと。次の試合もディフェンスを頑張ってリバウンドも絡んで。オフェンスは個々の1対1だけではなくて、合わせとかのセットプレーもやっていって、がちゃがちゃしないようにして。この試合みたいなバスケットができれば負けないと思っています。とにかく1部には残りたいので…。1つでも白星を取って1部残留したいです」
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【PICKUP GAME 2】9/17東海大VS筑波大
何度もリードが入れ替わる攻防を制し、東海大が全勝を守る
東海大学79(21-26,22-23,17-13,19-10)72筑波大学

2Qも東海大は#33鈴木の外角シュートで対抗。更に残り8分22秒には、7晴山(4年・PF)の3Pシュートで逆転すると、#0ベンドラメ(3年・PG)が難しい体制からのシュートをねじ込み更にリードを広げる。しかし筑波大も#6馬場、#17杉浦の得点で追いすがる。中盤、筑波大はパスミスを連発するも、東海大もシュートを決めきれず、リードは2~4点を行き来したまま。しかし終盤にかけて流れを掴んだのは筑波大。#17杉浦、#2満田(2年・SF)、#21笹山の3Pシュートが決まって、43-49と6点リードで前半を終える。
東海大のディフェンスに対してなかなかリズムがつかめない筑波大。一方、東海大は#10バランスキー(4年・PF)がインサイドで得点し、再度リードを得る形に。筑波大は投入した#46生原(2年・PG)がアシストや3Pシュートでチームを引っ張る活躍を見せる。残り1分には#6馬場が本日2回目のダンクを決めて、会場を沸かす。東海大はタイムアウトで流れを断つと、その後、#21橋本が3Pシュートを終了間際に沈めて60-62で筑波大が2点リードで最終Qを迎えることに。

写真上:ゴール下の激しい攻防。
写真下:シュートを打つ東海大・晴山。ディフェンスで大きな貢献。
[東海大スタメン]#7晴山、#0ベンドラメ、#10バランスキー、#13中山、#21橋本
[筑波大スタメン]#21笹山、#6馬場、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[東海大]#ベンドラメ16点、#7晴山12点、#10バランスキー15点、#21橋本21点
[筑波大]#6馬場12点、#17杉浦19点、#15笹山15点
【INTERVIEW】
「強気でやろうと思っていた」
タイトなゲームでもその分集中力を高めて
◆#10バランスキー・ザック(東海大・4年・PF)

部内での競争もより激しくなっているといい、ベンチに入ることも簡単ではなくなっている。今のスタメンに続く選手たちがどのように出てくるか、相手との戦いも、そして内部の戦いも見どころとなってきている。
―最後まで分からない試合になりましたね。
「前半はあっちがすごくシュートが入っていて、こっちは自分を中心にシュートが全然入らなくて。前半相手に70%くらい決められて、でもずっと続かないなと思ったのでディフェンスでしっかり押さえて、自分たちはオフェンスリバウンドだったり、強気で攻めたりすれば大丈夫だと思っていました」
―最初に10点差をつけられてタイムアウトのあとにディフェンスなどもスイッチが入った感じがしました。
「筑波は1Qと3Qの入りがすごくいいので、勢いがあって。今日はそれを押さえようとしたらそれがうまくいかなくて3Pをばんばん決められたので、タイムアウトを取って切り替えた感じです。ディフェンスはしてたけどその上から決められていたので、ワンランク上げていこうという感じでした」
―焦りはなかったですか。4Q終盤はどうなるかなと思いましたが。
「4Qは焦るというより、こういう試合の方がやっている方も楽しいしみている人もわくわくすると思うので、焦るというより強気で楽しんでやろうという感じでしたね」
―ここまで相手と差がつく試合も多かったですし。
「そうですね。自分たちも追いかける展開はリーグでは初めてだったので。自分たちはディフェンスチームなのでそこで押さえればきっと結果はついてくるなと思いました」
―ただ、最後まで安心できるような形になりませんでした。
「筑波も勢いに乗ると止まらないので。ターニングポイントは4Qでケビン(#7晴山)が満田(#2)をブロックしたところだなと思うんですが、チーム全員で粘って勝った試合だったと思います」
―ただ、最後まで攻めにくそうではありましたね。
「春から練習試合などで何度もやっているので、お互いのクセもわかっているし、その裏をどうかくかが大事でした。次の試合もキーになってくると思います」
―最後は外の攻撃ばかりになってしまったのが気になりました。
「そうですね。止まって中にボールを入れようとしたのがうまくできなくて。そこを動きの中でやったり、ファーストブレイクで点を取らないと苦しくなってくると思います」
―今日はベンチメンバーもだいぶ変わっていましたね。
「授業が始まったのでその関係だったり、練習のスクリメージで良かった選手だったりを入れたり、部内での競争をあおる意味もあると思います。チーム内の争いを激しくして全体のレベルを上げるのが目的です」
―最近は失点が多いゲームがありますね。
「自分たちのオフェンススタイルも去年と違って、オフェンスポゼッションを増やすことでファーストブレイクなどを増やしています。それで相手も60点を越えやすくなっているんですけど、それをどう抑えるかが課題です」
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【9/14その他INTERVIEW】
「これからの戦いにつなげたい」
リーグでの学びを結果に結びつけるために
◆#21笹山貴哉(筑波大・4年・主将・PG)

―前日の法政大戦がどう響いたかと思いましたが。
「あれが実力といえば実力かもしれないし、運といえば運かもしれないけど、ああなったのは自分たちのせいだし、気持ちのどこかで『自分たちの方が上だ』という油断が絶対どこかしらあったからああいう結果が出たと思います。全員がそうかは分からないですけど、でもここでコケたので逆に一回兜の緒を締めるじゃないけど、全員切り替えてできました。この前の拓大戦で負けたのもひとつのきっかけだし、こうやってまた連続して負けたことに対してみんな気持ち的に『次はない』となったと思うので、チーム的には負けたことはダメですけど、これからインカレ、オールジャパンにつながることを考えたらまだここで良かったかなと自分としては思っています」
―リーグに入ってから春のような勢いはあまり感じられないなという印象でした。
「春はどのチームも勢いなので。でもリーグ戦は2度当たるしお互い何をしてくるかわかっている状況でやるので、勢いだけじゃどうにもならないこともあります。でも慶應大みたいに勢いをメインにして戦ってくるチームもあれば、東海や青学のように安定した力で勝ってくるところもある。そう考えたらどっちもあればいい。春できていた部分は継続しつつ、今は安定した力をガツンと出せるようなチームを目指しているというところもひとつあるかなと思います。でも出だしがいつも悪いので、そこはなんとかしないとというところです」
―でも今日はその立ち上がりは良かったのではないでしょうか。
「まあ昨日の負けがあったので。でもこれが当たり前の出来だし、これを安定していつも出せないと勝てないので、そこはこれからというか明日から切り替えてやらないといけないなと思います」
―キャプテンとしてチームをこうしなければ、と思っているところは?
「流れを読む力がまだみんながみんなある訳じゃないので、ここで行ったらダメだろうとか止まれない部分があって。そこはPGとしても感じているので声はかけているんですが、止めたいところでも流れのままいってしまって、また相手にも勢いでやられて…の繰り返しは悪いクセです。それをこのリーグで克服しないといけないし、声をかけ続けなければいけないなと思います」
―逆にここはいい部分だから伸ばしたいなというのは?
「自分はぜんぜんまだないなと思うのでパッと浮かばないですけど、チームとして戦わないといけないので坂東(#14)がルーズボールに行くと全員が盛り上がってというのがあります。そういう雰囲気を作らないといけないし、あれが坂東だけではなくて全員がああいうプレーをして積み重ねていけば最後に勝利というのが来ると思うので、今日みたいに坂東が見せてくれた分、ほかのメンバーがどういう反応をするかがこれから必要かなと。今日は本当に坂東がすごくいいところを見せてくれたので、ああいうところを伸ばしてチームとしても伸びていけたらと思います。来週は東海、青学と山が続くのでどこまでやれるか。そこでチームとしての力を問われると思うので、合わせていきたいです」
―今日は伊藤選手(#4)と久しぶりのマッチアップでしたが、どうでしたか。
「向こうが闘志むき出しですごかったですね。自分のときだけガツガツやってきたしものすごくシュートも入って、すごかったです。昔と全然違いますね。ポジションも変わったしプレーの幅も広がって。やられた方が強い気がしますが、チームで勝つ方が大事だと思うので。でも楽しかったです」
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「惜しいばかりじゃなくて勝ちにいく」
内容を結果に結びつけることを意識
◆#5伊集貴也(国士舘大・4年・PG)

―ゲームの立ち上がりからいい状態で入れたのではないですか?
「出だしはいつも小倉先生に言われていて、すべての出だしは注意してはいるんですが、今日は1Qの出だしは良かったんですが、3Qの出だしが悪くて3分ですぐにタイムアウトを取る形になりました。気を付けてはいます、チームで。でも3Qの出だしは悪かったし、ゲームの終わりのミスも目立ったので、最後まで気を抜かないで離すときは離さないとリーグは最後に痛い目にあうと思うので、勝ったからといって浮かれずにやっていきたいです」
―一度追いつかれましたけど、リードを保っていけたのは悪くはなかったと思いますが。
「自分たちの課題なんですよね。筑波大戦では悪い流れがずっと続いてしまって立て直すことができなくてあの点差になってしまったので。悪いところからまた離せたのは良かったです」
―でも筑波大戦も東海大戦も負けてはしまいましたが、通用する部分も多かったのでは。
「やれる部分はあったんですけど、結局惜しい止まりだったというか。やっぱり強い相手にも食らいついて最後に逆転する形に本当はしていきたんですけど、それができなくて。もうあと負けられない試合ばかりになってしまいました。惜しいばかりじゃなくて勝ちにいかないといけません」
―ガードに関しては今は伊集選手や原選手(#22)がボールを運ぶ形ですね。東海大戦ではそれで前半は競る形持ち込めました。
「1番ポジションをやる選手が1年生なのでまだまだというところがあって、自分ができないときは原がボールを運んでくれて助かっています。東海大戦では自分がダメだったので、ああいう形になってしまいました。自分らしくないプレーばかりしていて。それで原に負担をかける形になってしまいましたね」
―本多選手(#4)がまもなく復帰ということではありますが、今は4年としてまとめ役ですね。
「そうですね。今は自分がゲームキャプテンなので。常に引っ張っていかないといけないと思っているし、ゲームの流れを掴まないといけないと思っています。でも原も今年からチームを引っ張る意識が相当出てきていて、ミーティングのときも言いたいことを言ったりしてくれるので、自分でもいいし、原でもいいし、永山(#5)でも華武威(#9新田)でもいいし、人ぢひとりがキャプテンシーを持ってやっていこうという方針でやっています。みんながキャプテン、という意識でやろうとしていますね」
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