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2014.09.07 (Sun)
【2014リーグ1部】9/6,7 第1戦・第2戦レポート
90回目のリーグ戦が開幕
第1週は春準優勝の筑波大が早くも1敗
関東大学リーグ戦、1部の初週は代々木第二体育館で幕を開けた。ルールが数年単位で少しずつ変わっているリーグだが、今年の1部はプレイオフ制を導入。2回の総当り戦をこなした翌週に、1〜4位までの優勝争い、4〜8位までの順位決定戦を行う。下2つのチームは入れ替え戦へ回る。これは昨年より1枠減った。最後まで順位が分からないという点では面白みは増したが、全体では2試合増え、水曜開催の試合が開幕から2週続く厳しいスケジュールとなっている。
初戦はそれぞれ固さが見える試合が多かったが、2試合目は修正を見せたチームもあった。まずは初週で相手チームの様子をさぐり、次第にアジャストしていくのが大抵の流れ。2か月でチームもどんどん変化していくだけに、この立ち上がりだけでは多くは語れない。変化と成長が最大の見どころでもある戦いが、ここから長く続いていく。
写真:2戦目は途中で負傷し、ベンチに下がった東海大・バランスキー。インサイドの要なだけに状態が気になるところ。
【9月6日 第1戦】
上位陣は崩れず、昇格組は慶應義塾大が1勝を挙げる
リーグ戦は始まってみないと分からないと言われるが、第1戦は上位に位置する東海大、青山学院大、拓殖大、筑波大が先勝。上位対下位の対戦から始まることもあって、点差が開く試合が多かった。
昨年4位の拓殖大と6位の白鴎大戦は1Qは白鴎大がファウルを連発したものの、シュートの調子が良くない拓殖大がなかなかリズムに乗れず、前半で白鴎大がわずかにリード。3Qは僅差の勝負で始まったが、#23バンバ(2年・C)の3Pが決まった拓殖大が徐々に引き離して勝利。バンバは44得点の活躍でチームを勝利に導いた。白鴎大は#23ジャニ(2年・C)がケガ明けのために出場時間が限られ、バンバを封じるには至らなかった。上位陣で競り合いがあったのはこの試合のみで、あとは上位陣が早めに差をつけるリーグの入りとなった。
1部昇格組の3つの中では慶應義塾大が1勝。前半は競り合ったが徐々に守りと足の持ち味を出して3Qで明治大を引き離し、初戦を勝利した。残りの昇格組である法政大、国士舘大は1敗スタートとなった。
写真:筑波大注目ルーキーの杉浦もこのリーグからスタメンに。
【9月7日 第2戦】
東海大・拓殖大・青山学院大・慶應義塾大が2連勝
全勝は4チーム、1勝1敗が2チームで続く
まだ開幕週ながら、2戦目はいきなり実現した春準優勝の筑波大と3位の拓殖大の激突に注目が集まった。結果は僅差ながら終始リードを保った拓殖大が制し、東海大・青山学院大・慶應義塾大とともに2連勝となった。
また、開幕戦黒星同士の明治大と専修大の対戦は、明治大が制して初勝利をマークした。昇格した慶應大が2連勝した反面、同じく今年から1部を戦う国士舘大と法政大は2連敗。上位から当たる厳しさもあったが、国士舘大は東海大相手に食い下がり、点の取り合いとなって前半は互角。後半には引き離されたが、一戦目とうってかわって力強さを見せ、今後の戦いにも期待を持たせる試合内容となった。やや気がかりなのは4Qで負傷退場した東海大・#10バランスキーの状態。接触プレーで左足を痛めて交代し、そのままコートには戻れず。チームはリードを拡大しつつあったが、国士舘大の粘りにも気圧されて突き放すことができなかった。次戦が3日後と時間がないだけに、状態が気になるところだ。
初週を終了し、これで夏の間はほぼ接点のなかったお互いのチームがそれぞれの仕上がりを把握する状況となった。ここから対戦相手に細かくアジャストし続けて、2か月後の頂点を争っていく。
写真:今年からスタメンに入った国士舘大・菅。東海大相手にも活躍を見せた。
※ピックアップ、インタビューは「続きを読む」へ。
走る展開で持ち味を出した慶應大が開幕2連勝
慶應義塾大学85(17-12,20-7,29-13,19-20)52白鴎大学
明治大との初戦を制した慶應義塾大。2戦目は昨年6位、慶應大より1年先に昇格した白鴎大との対戦となった。初戦の立ち上がりについては反省のあった慶應大だが、この日は2本幸先良くシュートを決める。しかし白鴎大も速攻、アウトサイドで得点。1Qで慶應大が5点リードとなると、白鴎大は2Qに#23ジャニ(2年・C)を投入。高さでは一瞬やられるものの、慶應大はディフェンスで24秒オーバーを連発し、シュートも決めて前半で19-37とリード。後半はテクニカルなどでリズムを崩した白鴎大を置き去りにし、2連勝を飾った。
2戦とも相手が途中で崩れた面もあるが、慶應大にとって初週での連勝は大きい。高さはないがディフェンス、オフェンスともに春よりよく体も動いている。次は3戦目にして東海大と対戦することになる。チャレンジの序盤にして大きな山に当たるが、どういった戦いを見せるか。白鴎大は初戦で拓殖大に迫る部分もあったが、ケガ明けの選手もいて本調子とは言いがたい。長いリーグ戦はここからだが、3日後の第3戦は明治大と対戦する。短い時間でどう立て直すかが見どころになる。
[慶應義塾大スタメン]#4伊藤、#6権田、#7黒木、#10大元、#19西戸
[白鴎大スタメン]#14星野、#8米村、#28川邉、#51高麗、#91田口
[慶應義塾大]#10大元19点/#4伊藤18点/#6権田10リバウンド
[白鴎大]#1大釜9点/#23ジャニ4点、4リバウンド
写真:ハドルを組む慶應大。昨年から出続けてきたメンバーだけに、噛み合ったときは強さを発揮する。
【INTERVIEW】
「信じて取り組んできたことがいい方向に出ている」
チャンレジ精神を持って、3年ぶりの1部で戦う
◆#5吉川治瑛(慶應義塾大・4年・G)
昨年まではなかなか出番がなかったが、今季は副将としてベンチから出場する重要な役目を担う。もともとシュートの上手な選手で、初戦、第2戦ともに欲しいところで1本を決めて、チームを盛り上げた。
全体を見渡し、多くのことを考えている様子が伺える。言われることに従っていれば勝てた強い指導力を持つHCの影響がなくなった分、新しいHCは学生自身に考えさせている。簡単なことではないが、主将の伊藤と分けあい、チームを引っ張っている。リーグ戦は良いことだけが続くとは限らない。連勝スタートとなったがここから長い間揺れ動くチームをどう導くか、プレー以外の面での働きも問われるだろう。
―2勝で1週目を終われたのは大きいのではないでしょうか。
「やはり明治、白鴎は絶対に勝たなければいけない相手だと前々から準備してきて、それで結果が出たのは大きかったと思います」
―1部リーグへの不安はありましたか?
「それはやっぱり大きくて、うちはこの夏、OB戦をしただけで一度もどことも練習試合をしていなくて、どこまで自分たちができているのかなというのが不安はありました。阪口先生は大丈夫、大丈夫と言ってくれていたんですが、不安はありました。でも練習してきたディフェンスからのブレイクが1戦目も2戦目もうまく出すことができました」
―春はあまりディフェンスができていないように見えましたが。
「春は自分たちのやりたいようにやれと言われていたんです。それで春が終わってダメだったのはディフェンスだということが分かって、夏はすごくそこを練習してきました」
―出足は2試合とも重めといえば重めでしたが、オフェンスもディフェンスも乗ってくると慶應大、という感じでした。
「そうですね、スタメンの5人があまり喋らないし、自分のシュートが入らないと乗らない奴らばかりなので。今日は立ち上がりが良かった分、それはそれで大丈夫かな、という部分はあるんですが(笑)」
―そういう状況で吉川選手が途中から入って、1戦目も2戦目もいいところでシュートを決めたりといった活躍もありましたが。
「僕と福本(#13)と真木(#14)は練習から途中から出るということをやっているので慣れているというのもあります。途中から出ても自信を持ってプレーできているのは良い面だと思います」
―どこも初戦は固いチームが多いのですが、見ているとそこまでではないように思いました。
「そこは本当に自由にやらせてもらっていて、佐々木先生はガチガチにやることが決まっていましたが、阪口さんは何をやっても許される訳じゃないんですけど、許容してくれるので緊張せずに自分のプレーができているんだと思います」
―春は自由になったことで悩んでいましたね。
「そうですね。でもディフェンスはしっかりやることがあって、自分たちのプレーがうまくいかなくなったときはセットプレーも使うし、全体的に良い形で点が取れています。セットプレーを取り入れることについては足が止まって良くないのでは、と思いましたがみんなで信じて取り組んで、今はいい方向に出ています」
―3年ぶりの1部リーグになりますが、2戦やってみて1部というのはどのように感じていますか?
「今のところの印象ですが、明治や白鴎は似たようなところにいて、絶対に勝たなければいけない相手だと思っていました。東海や青学といったところとまだやっていないのでなんとも言えないんですが、次の水曜が東海大戦なので、チャレンジ精神を持って戦うべき相手です。自分たちがどこまでできているかを試すいい機会だと思います。もちろん勝ちたいし、チャレンジの気持ちもあります」
―次の東海大は大事ですね。
「本当にそうですね。どこまでやれるのかが重要ですし、インカレやオールジャパンを目標にやっているので、どこまでできるか今の全力をぶつけたいと思います」
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【PICKUP GAME2】9/7 拓殖大VS筑波大
序盤から気合いをこめた拓殖大が筑波大の勢いをかわす
拓殖大学83(24-20,18-18,20-15,21-24)77筑波大学
トーナメント2位の筑波大と、同大会3位の拓殖大。ともに上位候補に目される両チームが、早くも2戦目で戦うこととなった。
立ち上がりから、拓殖大は気合いが漲っていた。#14大垣(4年・SF)のジャンパーに続いて#23バンバ(2年・C)が豪快なダンクを叩き込む。1Qはこの両輪の活躍が光った。拓殖大らしく、小気味良くシュートを決めていき、相手にリズムを渡さない。筑波大は#17杉浦のアウトサイドなどで一時は勝ち越すが、#23バンバ、#14大垣が3Pを続けるなどで、拓殖大7点リードでたまらずタイムアウト。高さを強調したアリウープを続けて詰め寄るが、#14大垣がダブルクラッチを決めて拓殖大は好調を持続。その#14大垣が2ファウルという不安を残すも、1Qは24—20で拓殖大リード。2Qも拓殖大は緩まず、高い位置からのプレッシャーでターンオーバーを誘い、速攻につなげる。筑波大は得点が伸びず、拓殖大の球際の強さを相手に思うようにリバウンドが取れない。着々と#23バンバが得点を稼ぐ中、苦境を救ったのは#21笹山(4年・PG)の2本の3P。#17杉浦(1年・PF・福大大濠)のタフショット、#2満田の3Pも飛び出し、#92村越(3年・PF)も積極性を見せて#23バンバのファウルを誘う。盛り返した筑波大は、4点差にまで迫ってハーフタイムを迎えた。
3Qも筑波大の流れが続いた。#99赤石(3年・C)のドライブを許すが、#17杉浦と#92村越の得点で追い上げ、#21笹山がバスケットカウントを獲得して同点に。しかし、ワンスローを落とすと、#14坂東(4年・SG)が#14大垣に3ショットのファウルを許す。#14大垣が3本とも沈め、再び主導権は拓殖大に移った。筑波大#21笹山が孤軍奮闘する中、5人でバランス良く得点して一気に突き放しにかかる。最後はルーキー#13阿部(1年・F・市立船橋)の3Pが決まり、9点リードとしてこのQを終えた。どうにかしたい筑波大は#21笹山が4Q序盤に2本の3Pを決めるが、外に頼りがちになり#17杉浦の3Pも決まらない。拓殖大はこの間にも#39成田(2年・G)や#14大垣の得点でリズムの良さを保ち、残り6分でリードを14点に。勝負は決着したかに思われた。しかし、#14坂東の3Pが反撃の狼煙となった。#17杉浦の3Pもようやく決まると、#2満田の渾身のダンクも出て6点差。拓殖大はここでシュートが精度を欠き、得点が順調に伸ばせない。#2満田が貴重な2スローを揃えて、残り2分を切ってシュート1本の差にまで挽回する。筑波大は大事にボールをつないでフリーの#17杉浦に3Pを打たせるも、これは落ちる。そると、拓殖大は#14大垣が勝負強さを発揮。こちらは3Pを沈め、勝負を決めた。筑波大が何度も追い上げたが、それ以上の力強さを見せた拓殖大が、1勝同士の対戦を83−77で制し、2連勝となった。
写真上:ダブルダブルの拓殖大・赤石。こなすべき仕事を全うした。
写真下:笹山が何度もチームを救ったが、筑波大は勝利に届かず。
[拓殖大スタメン]#14大垣、#23バンバ、#24満島、#29岩田、#99赤石
[筑波大スタメン]#21笹山、#6馬場、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[拓殖大]#14大垣28点/#23バンバ25点、20リバウンド/#99赤石13点、10リバウンド
[筑波大]#21笹山21点/#14坂東14点/#17杉浦15点/#92村越11点
【INTERVIEW】
「苦しい時も絶対にあると思うけれど
そういう時こそチーム力を発揮する」
◆#14大垣 慎之介(拓殖大・4年・SF)
開幕戦は勝利したものの、やや低調な試合となった拓殖大。しかし、一日で切り替えられるところが、拓殖大の強さでもある。いきなりダンクを決めたバンバもそうだが、大垣もまた強気のシュートを沈めていきチームを牽引。この試合両チーム通じて最多の28得点で、2勝目に大きく貢献した。「良い時にどれだけ勢いを保てるかがこれから2か月間を戦う上で大事」と話すが、次の週末には東海大、青学大との対戦も控える。その言葉通りに、勢いを持続させて臨みたいところ。
—立ち上がりからチーム全体で気合いが入っていましたね。
「はい。筑波大学もトーナメントで2位でしたし、今年やるのは初めてなんですけれど、僕らはチャレンジャーで向かっていくだけやったんで。逆に気持ちが入りやすかったかなと思います」
—筑波大との対戦はほぼ1年ぶりでしたね。去年のリーグは1勝1敗でした。
「去年も1試合目は負けてて、その時は出だしから向こうにペースを持っていかれたので、出だしが肝心だとはみんなで話していて。それが上手く出せて良かったです」
—ガードの位置からのディフェンスを、ブレイクにつなげられていたところが大きかったと思います。
「やっぱり相手のキーマンになる選手もガードやし、そこをどれだけ最初から嫌がらせて、激しくプレッシャーをかけてやることも、しっかりチームで話していました。そこがしっかり結果に出せたので、流れも出しやすかったかなと思います」
—リバウンドへの反応も良かったですね。
「はい、ガードがプレッシャーをかけるのと、あとはリバウンドを絶対に取ろうという話をしてたんで、それがしっかり形に出たのが、今日の良かったところかなと思います」
—昨日は内容があまり良いものではなく、少し心配もありましたが。
「そうですね。結構重くて。でもそれもしっかりチームで修正して、昨日のことは昨日のことで、今日は今日でしっかり切り替えられたんで良かったです」
—池内監督が「ガードを誰にするかが固まっていない」と話していたのですが、この2日間をこなしていかがでしょうか。
「色んな選手がいて、それぞれみんな良いところがあるんで、固定しなくても力を出せる選手ばかりなので。良いところもそれぞれあるし、悪いところはみんなでカバーしていけるようなチームになれてきているので、そんなに気にしてないです」
—雰囲気も良くやれている?
「そうですね。夏にみっちり練習をやってきて、全部が全部上手くいくことばっかりじゃなかったんですけれど、その度に話し合ったり、そういうことを重ねてリーグ戦に臨んでいるので、個人的にはラストシーズンで今までと違った思いもあります。自分が中心になってやれているかなと思います」
—今後もすぐに上位争いのチームとの対戦です。そこに向けて。
「僕らは受け身になってしまうと自分たちのバスケが全然できないので、まだ結果も何も出ていないので常にチャレンジャーとしてやっていきます。良い時も悪い時もあるのがリーグ戦だと思っているので、悪い時にどれだけ踏ん張れるか、良い時にどれだけ勢いを保てるかがこれから2ヶ月間を戦う上で大事だと思います。色々チームで話し合ったりして、楽しい時もあるけど苦しい時も絶対にあると思うんで、そういう時こそチーム力が発揮されるんで、個人じゃなくてもっとチームでやっていけたらなと思います」
第1週は春準優勝の筑波大が早くも1敗

初戦はそれぞれ固さが見える試合が多かったが、2試合目は修正を見せたチームもあった。まずは初週で相手チームの様子をさぐり、次第にアジャストしていくのが大抵の流れ。2か月でチームもどんどん変化していくだけに、この立ち上がりだけでは多くは語れない。変化と成長が最大の見どころでもある戦いが、ここから長く続いていく。
写真:2戦目は途中で負傷し、ベンチに下がった東海大・バランスキー。インサイドの要なだけに状態が気になるところ。
【9月6日 第1戦】
上位陣は崩れず、昇格組は慶應義塾大が1勝を挙げる

昨年4位の拓殖大と6位の白鴎大戦は1Qは白鴎大がファウルを連発したものの、シュートの調子が良くない拓殖大がなかなかリズムに乗れず、前半で白鴎大がわずかにリード。3Qは僅差の勝負で始まったが、#23バンバ(2年・C)の3Pが決まった拓殖大が徐々に引き離して勝利。バンバは44得点の活躍でチームを勝利に導いた。白鴎大は#23ジャニ(2年・C)がケガ明けのために出場時間が限られ、バンバを封じるには至らなかった。上位陣で競り合いがあったのはこの試合のみで、あとは上位陣が早めに差をつけるリーグの入りとなった。
1部昇格組の3つの中では慶應義塾大が1勝。前半は競り合ったが徐々に守りと足の持ち味を出して3Qで明治大を引き離し、初戦を勝利した。残りの昇格組である法政大、国士舘大は1敗スタートとなった。
写真:筑波大注目ルーキーの杉浦もこのリーグからスタメンに。
【9月7日 第2戦】
東海大・拓殖大・青山学院大・慶應義塾大が2連勝
全勝は4チーム、1勝1敗が2チームで続く

また、開幕戦黒星同士の明治大と専修大の対戦は、明治大が制して初勝利をマークした。昇格した慶應大が2連勝した反面、同じく今年から1部を戦う国士舘大と法政大は2連敗。上位から当たる厳しさもあったが、国士舘大は東海大相手に食い下がり、点の取り合いとなって前半は互角。後半には引き離されたが、一戦目とうってかわって力強さを見せ、今後の戦いにも期待を持たせる試合内容となった。やや気がかりなのは4Qで負傷退場した東海大・#10バランスキーの状態。接触プレーで左足を痛めて交代し、そのままコートには戻れず。チームはリードを拡大しつつあったが、国士舘大の粘りにも気圧されて突き放すことができなかった。次戦が3日後と時間がないだけに、状態が気になるところだ。
初週を終了し、これで夏の間はほぼ接点のなかったお互いのチームがそれぞれの仕上がりを把握する状況となった。ここから対戦相手に細かくアジャストし続けて、2か月後の頂点を争っていく。
写真:今年からスタメンに入った国士舘大・菅。東海大相手にも活躍を見せた。
※ピックアップ、インタビューは「続きを読む」へ。
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【PICKUP GAME1】9/7 白鴎大VS慶應義塾大走る展開で持ち味を出した慶應大が開幕2連勝
慶應義塾大学85(17-12,20-7,29-13,19-20)52白鴎大学

2戦とも相手が途中で崩れた面もあるが、慶應大にとって初週での連勝は大きい。高さはないがディフェンス、オフェンスともに春よりよく体も動いている。次は3戦目にして東海大と対戦することになる。チャレンジの序盤にして大きな山に当たるが、どういった戦いを見せるか。白鴎大は初戦で拓殖大に迫る部分もあったが、ケガ明けの選手もいて本調子とは言いがたい。長いリーグ戦はここからだが、3日後の第3戦は明治大と対戦する。短い時間でどう立て直すかが見どころになる。
[慶應義塾大スタメン]#4伊藤、#6権田、#7黒木、#10大元、#19西戸
[白鴎大スタメン]#14星野、#8米村、#28川邉、#51高麗、#91田口
[慶應義塾大]#10大元19点/#4伊藤18点/#6権田10リバウンド
[白鴎大]#1大釜9点/#23ジャニ4点、4リバウンド
写真:ハドルを組む慶應大。昨年から出続けてきたメンバーだけに、噛み合ったときは強さを発揮する。
【INTERVIEW】
「信じて取り組んできたことがいい方向に出ている」
チャンレジ精神を持って、3年ぶりの1部で戦う
◆#5吉川治瑛(慶應義塾大・4年・G)

全体を見渡し、多くのことを考えている様子が伺える。言われることに従っていれば勝てた強い指導力を持つHCの影響がなくなった分、新しいHCは学生自身に考えさせている。簡単なことではないが、主将の伊藤と分けあい、チームを引っ張っている。リーグ戦は良いことだけが続くとは限らない。連勝スタートとなったがここから長い間揺れ動くチームをどう導くか、プレー以外の面での働きも問われるだろう。
―2勝で1週目を終われたのは大きいのではないでしょうか。
「やはり明治、白鴎は絶対に勝たなければいけない相手だと前々から準備してきて、それで結果が出たのは大きかったと思います」
―1部リーグへの不安はありましたか?
「それはやっぱり大きくて、うちはこの夏、OB戦をしただけで一度もどことも練習試合をしていなくて、どこまで自分たちができているのかなというのが不安はありました。阪口先生は大丈夫、大丈夫と言ってくれていたんですが、不安はありました。でも練習してきたディフェンスからのブレイクが1戦目も2戦目もうまく出すことができました」
―春はあまりディフェンスができていないように見えましたが。
「春は自分たちのやりたいようにやれと言われていたんです。それで春が終わってダメだったのはディフェンスだということが分かって、夏はすごくそこを練習してきました」
―出足は2試合とも重めといえば重めでしたが、オフェンスもディフェンスも乗ってくると慶應大、という感じでした。
「そうですね、スタメンの5人があまり喋らないし、自分のシュートが入らないと乗らない奴らばかりなので。今日は立ち上がりが良かった分、それはそれで大丈夫かな、という部分はあるんですが(笑)」
―そういう状況で吉川選手が途中から入って、1戦目も2戦目もいいところでシュートを決めたりといった活躍もありましたが。
「僕と福本(#13)と真木(#14)は練習から途中から出るということをやっているので慣れているというのもあります。途中から出ても自信を持ってプレーできているのは良い面だと思います」
―どこも初戦は固いチームが多いのですが、見ているとそこまでではないように思いました。
「そこは本当に自由にやらせてもらっていて、佐々木先生はガチガチにやることが決まっていましたが、阪口さんは何をやっても許される訳じゃないんですけど、許容してくれるので緊張せずに自分のプレーができているんだと思います」
―春は自由になったことで悩んでいましたね。
「そうですね。でもディフェンスはしっかりやることがあって、自分たちのプレーがうまくいかなくなったときはセットプレーも使うし、全体的に良い形で点が取れています。セットプレーを取り入れることについては足が止まって良くないのでは、と思いましたがみんなで信じて取り組んで、今はいい方向に出ています」
―3年ぶりの1部リーグになりますが、2戦やってみて1部というのはどのように感じていますか?
「今のところの印象ですが、明治や白鴎は似たようなところにいて、絶対に勝たなければいけない相手だと思っていました。東海や青学といったところとまだやっていないのでなんとも言えないんですが、次の水曜が東海大戦なので、チャレンジ精神を持って戦うべき相手です。自分たちがどこまでできているかを試すいい機会だと思います。もちろん勝ちたいし、チャレンジの気持ちもあります」
―次の東海大は大事ですね。
「本当にそうですね。どこまでやれるのかが重要ですし、インカレやオールジャパンを目標にやっているので、どこまでできるか今の全力をぶつけたいと思います」
--------------------------------
【PICKUP GAME2】9/7 拓殖大VS筑波大
序盤から気合いをこめた拓殖大が筑波大の勢いをかわす
拓殖大学83(24-20,18-18,20-15,21-24)77筑波大学

立ち上がりから、拓殖大は気合いが漲っていた。#14大垣(4年・SF)のジャンパーに続いて#23バンバ(2年・C)が豪快なダンクを叩き込む。1Qはこの両輪の活躍が光った。拓殖大らしく、小気味良くシュートを決めていき、相手にリズムを渡さない。筑波大は#17杉浦のアウトサイドなどで一時は勝ち越すが、#23バンバ、#14大垣が3Pを続けるなどで、拓殖大7点リードでたまらずタイムアウト。高さを強調したアリウープを続けて詰め寄るが、#14大垣がダブルクラッチを決めて拓殖大は好調を持続。その#14大垣が2ファウルという不安を残すも、1Qは24—20で拓殖大リード。2Qも拓殖大は緩まず、高い位置からのプレッシャーでターンオーバーを誘い、速攻につなげる。筑波大は得点が伸びず、拓殖大の球際の強さを相手に思うようにリバウンドが取れない。着々と#23バンバが得点を稼ぐ中、苦境を救ったのは#21笹山(4年・PG)の2本の3P。#17杉浦(1年・PF・福大大濠)のタフショット、#2満田の3Pも飛び出し、#92村越(3年・PF)も積極性を見せて#23バンバのファウルを誘う。盛り返した筑波大は、4点差にまで迫ってハーフタイムを迎えた。

写真上:ダブルダブルの拓殖大・赤石。こなすべき仕事を全うした。
写真下:笹山が何度もチームを救ったが、筑波大は勝利に届かず。
[拓殖大スタメン]#14大垣、#23バンバ、#24満島、#29岩田、#99赤石
[筑波大スタメン]#21笹山、#6馬場、#14坂東、#17杉浦、#92村越
[拓殖大]#14大垣28点/#23バンバ25点、20リバウンド/#99赤石13点、10リバウンド
[筑波大]#21笹山21点/#14坂東14点/#17杉浦15点/#92村越11点
【INTERVIEW】
「苦しい時も絶対にあると思うけれど
そういう時こそチーム力を発揮する」
◆#14大垣 慎之介(拓殖大・4年・SF)

—立ち上がりからチーム全体で気合いが入っていましたね。
「はい。筑波大学もトーナメントで2位でしたし、今年やるのは初めてなんですけれど、僕らはチャレンジャーで向かっていくだけやったんで。逆に気持ちが入りやすかったかなと思います」
—筑波大との対戦はほぼ1年ぶりでしたね。去年のリーグは1勝1敗でした。
「去年も1試合目は負けてて、その時は出だしから向こうにペースを持っていかれたので、出だしが肝心だとはみんなで話していて。それが上手く出せて良かったです」
—ガードの位置からのディフェンスを、ブレイクにつなげられていたところが大きかったと思います。
「やっぱり相手のキーマンになる選手もガードやし、そこをどれだけ最初から嫌がらせて、激しくプレッシャーをかけてやることも、しっかりチームで話していました。そこがしっかり結果に出せたので、流れも出しやすかったかなと思います」
—リバウンドへの反応も良かったですね。
「はい、ガードがプレッシャーをかけるのと、あとはリバウンドを絶対に取ろうという話をしてたんで、それがしっかり形に出たのが、今日の良かったところかなと思います」
—昨日は内容があまり良いものではなく、少し心配もありましたが。
「そうですね。結構重くて。でもそれもしっかりチームで修正して、昨日のことは昨日のことで、今日は今日でしっかり切り替えられたんで良かったです」
—池内監督が「ガードを誰にするかが固まっていない」と話していたのですが、この2日間をこなしていかがでしょうか。
「色んな選手がいて、それぞれみんな良いところがあるんで、固定しなくても力を出せる選手ばかりなので。良いところもそれぞれあるし、悪いところはみんなでカバーしていけるようなチームになれてきているので、そんなに気にしてないです」
—雰囲気も良くやれている?
「そうですね。夏にみっちり練習をやってきて、全部が全部上手くいくことばっかりじゃなかったんですけれど、その度に話し合ったり、そういうことを重ねてリーグ戦に臨んでいるので、個人的にはラストシーズンで今までと違った思いもあります。自分が中心になってやれているかなと思います」
—今後もすぐに上位争いのチームとの対戦です。そこに向けて。
「僕らは受け身になってしまうと自分たちのバスケが全然できないので、まだ結果も何も出ていないので常にチャレンジャーとしてやっていきます。良い時も悪い時もあるのがリーグ戦だと思っているので、悪い時にどれだけ踏ん張れるか、良い時にどれだけ勢いを保てるかがこれから2ヶ月間を戦う上で大事だと思います。色々チームで話し合ったりして、楽しい時もあるけど苦しい時も絶対にあると思うんで、そういう時こそチーム力が発揮されるんで、個人じゃなくてもっとチームでやっていけたらなと思います」
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