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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2013.11.29 (Fri)

【2013インカレ】11/28レポート

東海大以下、ベスト8の残り6校が決定
慶應大は優勝候補・東海大に最後まで挑み続ける


131128tenri.jpg 大会3日目、残りのベスト8が出揃った。100点ゲームでこの関門を突破したのは青山学院大のみ。残りの5試合は最後は離れはしたものの、いずれも競り合う展開を見せてそれぞれのチームのベスト8にかける熱意が伝わる試合が多かった。この日、最も会場の注目を浴びたのは東海大と慶應義塾大の一戦。盤石の優勝候補に対し、慶應大は引き離されながらも逆転するシーンを見せ、最後の1秒まであきらめない姿勢で東海大に肉薄。破れはしたものの大きなインパクトを残した。


 中京大天理大の試合は、#6サイモン(2年・C)を擁し高さで勝る天理大が序盤から リードを奪った。中京大は決定力に欠き、1Qは6点ビハインド。しかし2Qは相手のゾーンの穴を突いて#31大崎(3年・CF)がバスケットカウントを得るなど盛り返し、3点差まで詰め寄る。しかし天理大も慌てず、#18相馬(4年・SF)がタフショットを決めていき、#6サイモンらもリバウンドを掌握して逆転はさせない。10点前後のまま試合は推移し、中京大も#6佐藤(2年・F)や#1石附(3年・PG)が攻め気を見せて4Qで6点差まで縮めたが、反撃もそこまで。最終的には61−78でタイムアップとなった。天理大は昨年2点差で逃したベスト8入りを達成。次の相手である拓殖大も留学生#23バンバを擁するチームであり、注目の一戦だ。

 中央大青学大の試合は、序盤から青学大がインサイドを起点に得点を重ね大きくリードする展開となった。中央大は春のトーナメントでも青学大に60点差をつけられ負けており、「ハーフタイムで監督から『全然成長していない』と言われた。悔しくて後半は思いきりやろうと思った」#24塩谷。その言葉通り、後半は中央大も攻守でアグレッシブな姿勢が光り、最後は得点を70点台に乗せて104−70でシーズン最後の試合を締めくくることとなった。青学大は余裕ある展開でベスト8に進出。ここから大会の山場に入っていく。

写真:天理大は#18相馬が23得点、#6サイモンが28得点とチームの柱が活躍してベスト8入りを勝ち取った。

※塩谷選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【愛知学泉大も奮闘するが白鴎大が地力の差で引き離す】
131128yanagawa.jpg 東海地区1位でインカレに乗り込んできた愛知学泉大は、2回戦で関東6位の白鴎大と対戦した。出だしから気迫あふれるディフェンスで白鴎大をタフショットに追い込んだ愛知学泉大。攻めては#91金子(4年・C)や#6森川(4年・SF)が白鴎大の#23イッサ(1年・C・八王子)をかわして決めていき、シックスマンの#28山口(3年・SF)も交代直後に3Pを決めるなど勢いに乗った。それでも白鴎大は要所で#10田中(4年・PG)が冷静に3Pを射抜き、点数的には互角のまま1Qを終える。

 試合が動いたのは2Qだった。白鴎大は#5柳川(4年・SF)がドライブに3Pにと活躍し、#36パプロブヒナス(4年・C)もゴール下で強さを発揮して愛知学泉大のディフェンスを翻弄。じわじわとリードを広げていき、2Q終盤には#28川邉(1年・F・高岡工芸)の3Pで10点差をつけた。そのまま後半に入っても、愛知学泉大はなかなかリズムを取り戻せない。#24田口(4年・PG)のバスケットカウントや#6森川の3Pが出てエースが苦しい場面を引っ張るものの、白鴎大も快調に得点を重ねていき点差が縮まらない。最後は#6森川が次々シュートを決めて意地を見せるも、83−69でタイムアップとなった。

 奮闘を見せ、1Qから勝ちにいく姿勢が光った愛知学泉大だったが、白鴎大の多彩な攻撃に持ち味のディフェンスが機能せず、惜しくも点差を広げられる展開となった。今シーズン、最終目標をインカレに定めてここまでやってきただけに、試合後選手たちの顔には悔しさがにじんだ。愛知学泉大は東海地区を勝ち抜きオールジャパンには出場する。4年生にとっては最後の舞台。思いきりぶつかって戦う姿勢を貫いてほしい。

 白鴎大はこれでチーム初のインカレベスト8入り。まだまだ余裕ある展開も見せているが、ベスト8に入ってからこの先の戦いは別世界となる。今年は下級生の頃から出番を得てきた4年生が主体となって戦ってきたチーム。4年間の集大成をぶつけられるか、次の青学大戦も注目だ。

写真:白鴎大・柳川は積極的に攻めて18得点の活躍。

※愛知学泉大・田口選手、森川選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【シュートの確実さで拓殖大が早稲田大に勝利】
131128fujii_20131129083249e67.jpg 拓殖大早稲田大の戦いは引き離された早稲田大が2度追いつく頑張りを見せる展開となった。1Qは早稲田の悪いパターンが出た。オフェンスが重くなかなか得点できずシュートが好調の拓殖大に一気に19-1と引き離されてしまう。残り3分になって#34池田(2年・G)の2本の3Pでようやく重いオフェンスから開放されると、ディフェンスリバウンドから#2木澤(3年・G)や#35池田の速攻が出て26-17とやや詰めて1Q終了。2Qになると#35を筆頭にリバウンドによく絡み、次々に速攻を出し、開始3分で早稲田大が逆転。拓殖大は1Qは好調だった外のシュートが落ち始めて、こちらも不安定な部分が出てしまった。なかなか流れを改善できない拓殖大はさらに早稲田大に引き離され、最後に#40藤井(4年・G)が2連続でシュート決めるが36-41と早稲田大がひっくり返して前半を終えた。

 勝負の3Q、拓殖大は開始早々#40藤井の3Pが炸裂。早稲田大は再びオフェンスが重くなってしまい、その間に拓殖大はじわじわと点差を詰めて開始3分で逆転。そこから#14大垣(3年・F)のシュートが再び入り始め、2本の3Pもあって早稲田大を大きく引き離した。3Qで61-48とまた差をつけられた早稲田大は4Qに入ってもあきらめず、#2木澤のスティール、#34池田の速攻をはじめエース#21河上(4年・F)が攻めていき、#11河合(1年・G・洛南)の速攻で残り1分を切って3点差にまで追い上げた。しかし拓殖大も逆転はさせず#23バンバ(1年・C・延岡学園)のダンクが決まると残り25秒で5点のリード。そのままファウルゲームをしのいで77-71で試合終了。拓殖大がベスト8進出を決めた。

 拓殖大は途中で停滞した時間帯に早稲田大に追いつかれたが、最後に再びオフェンスが復活した。チームが若く、不安定な面はあるがバンバ、大垣、藤井が途切れずに続いている時間帯はやはり強い。勢いを切らさずどこまで持続できるかにかかっているだろう。次の相手は天理大。2年前に関西に奪われたインカレのシード権を関東に取り戻せるか否か、ひとつの大きな期待を背負った勝負が控える。

 早稲田大は1-19と引き離されながらも追いついて逆転した。「リーグ戦ではその時点で追い上げできずに終わっていた。ここまでできたのは大きい」河上。確かにもう一度離されて追い上げたのはこれまでと大きく違うところだろう。ケガなどさまざまなことが重なってうまくいかなかったシーズン。これで終了となるが、この経験を忘れずに後輩たちが成長してくれることを期待するだけだ。

写真:15点、アシスト5の拓殖大・藤井。最終学年の意地がプレーに見える。

※早稲田大・河上選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【追いつかれるも明治大が地力を見せて国士舘大を下す】
131128nishikawa.jpg 第3シード明治大国士舘大と対戦。1Qは明治大が制した。明治大は国士舘大のディフェンスを軽々と突破して得点を量産。国士舘大は明治大の固いディフェンスの前にターンオーバーが続き、21-12で1Qは明治大リード。2Qもなかなか調子をつかめない国士舘大を尻目に、明治大は#22西川(4年・F)が2本の3Pを決めるなど好調ぶりを見せつける。国士舘大はようやく#5伊集(3年・G)の3Pが決まり、#14高橋(4年・PG)も3P、ドライブで2連続得点で39-26として前半を終えた。

 3Qになり、国士舘大は#14高橋が猛チャージ。3P2本を含む4連続得点で見せると、#10大河原(3年・PF)のシュートに続き、#4松島(4年・G)がカットして速攻につなげ、一気に2点差に。明治大は#2目(4年・F)のアウトサイドはあるものの、#24田中(4年・SG)が4ファウルになるなどリズムが狂う。#12中東(3年・SG)も3ファウルと苦しくなるが、最後は#2目の3P、#12中東の速攻もあって55-48と引き離して明治大が3Qをしのいだ。4Qの立ち上がり、国士舘大は#14高橋のシュートで引き離されまいとするが、明治大は#24田中のバスケットカウント、オフェンスリバウンドからの得点が続き、9点のリード。開始2分で#12中東がファウルアウトとなってしまうが、国士舘大のポイントゲッター#22原(2年・SF)をここまで抑える大きな貢献だった。粘る国士舘大は#9新田(3年・C)のオフェンスリバウンドからのシュートや#14高橋のアシストによる#10大河原の得点で4点差に迫るが、ここで明治大は#50伊澤(2年・PF)が連続得点すると、#5森山(4年・G)のシュートで10点差に開く。森山はこのあとのディフェンスでも#14高橋に対し好ディフェンスを見せ、抑えるところを抑えた明治大が80-67で試合終了。国士舘大は何度も粘り、喰らいつくが2度めの逆転はならず、ベスト16で大会を終えた。

 明治大は国士舘大のスコアラーである原をきっちり抑えて必要以上に仕事をさせなかった。追いつかれる場面もあったが、試合中に焦りを感じさせるような様子はなく、時間をかけて育ってきたチームの充実ぶりが見える。高さと得点力、ディフェンス力を発揮して再度の追い上げを許さず、勝負を決めた。次はベスト4をかけて筑波大と対戦する。

 国士舘大は原が13得点と抑えられた形になったが、その代わりに高橋が奮起し、26得点。鋭いドライブで何度も明治大のペイントを切り裂いていったのが印象に残った。主将の松島も最後まで泥臭くチームを鼓舞。この1年、チーム内で誰よりも努力し、練習にかけてきた4年生の2人ががチームを最後まで引っ張る見事な戦いぶりを見せた。1部に昇格し、ベスト16という結果を大切に来期につなげて欲しい。

写真:ダンクに行く明治大・西川。3Pも3/4と高確率で入った。

※国士舘大・松島選手、高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【王者・東海大に最後まで慶應大が挑み続ける】
131128bendorame.jpg 優勝候補・東海大慶應義塾大の挑戦を受ける形となった。1Qは東海大ペース。慶應大は攻めこむ東海大に対し、ファウルが続く形となり、浮足立った入りとなる。#0ベンドラメ(2年・PG)の3Pなどもあって東海大は15-4と11点のリードに。しかし開始5分で交代した#10矢嶋(4年・SG)がすぐにシュートを決めると慶應大も落ち着きだし、#4蛯名(4年・G)、#23黒木(2年・C)とシュートが続いて1Qは20-17の東海大3点リード。2Qになると#16伊藤(3年・G)の3Pも決まり、逆転。ディフェンスも激しさを増していき、何度も東海大からターンオーバーを奪う。東海大はシュート確立が悪くなるが#24田中(4年・SF)、#51須田(4年・SG)の3Pで返し、#10バランスキー(3年・PF)のバスケットカウントで東海大が逆転。慶應大も譲らずついていく展開となり、前半は37-33と東海大が4点リードとなった。

131128ito.jpg 3Qの立ち上がり、東海大はゴール下へのアシストが通り3連続得点。慶應大のディフェンスにミスが出る。これで調子を取り戻した東海大は#24田中、#0ベンドラメの3Pでダメージを与えていく。慶應大は#17福元(2年・PG)がドライブ、アシストを好プレーを出し、#16伊藤が2本の3Pで途切れそうな追撃の糸をつなぎ、60-52で4Qへ。あきらめない慶應大は#16伊藤、#10矢嶋と攻撃を続けるが、東海大も慌てず得点し、詰めさせない。終盤に入っても7点差から先が遠い慶應大は必死のディフェンスを見せ、東海大に執拗に食らいつく。残り1分、ここまで戦いの先頭で体を張ってきた#4蛯名が惜しくもファウルアウト。コートを去る姿に会場中から大きな拍手が起こった。残り1分を切り、慶應大は東海大から5秒オーバータイムを奪うなど戦い続け、84-73でその激闘の終わりを告げるブザーが鳴り響いた。

 東海大はこの試合で今シーズン最多失点となる73点を慶應大に献上。ターンオーバーも21と慶應大の倍近くとなった。今シーズンどの試合でも崩れることなく手堅い戦いをしてきた王者としては、異例の数字だ。陸川監督「慶應とは2部の頃からやっているのでよくわかっていた。2部から上がってこようが1部でいようが関係ない。絶対諦めないし、今日は40分で勝負だよ、40分で最後うちが勝てばいいんだから」と話していたと言う。「だんだんディフェンスがよくなって、決められましたけど、でも流れはちょっとずつもって来られた」と勝因を語った。田中からも「相手には同じくらいの力はあると思っていた」と警戒が伺え、慶應大の奮闘に対し感じるものもあったようだ。やはり能力、高さ、ディフェンス力において勝る部分は多く、勝負どころを抑えて勝利。しかしこの戦いを経験してさらに気を引き締めたに違いない。

131128keio.jpg 慶應大は立ち上がりで一気に離されたが追い上げから逆転し、その爆発力が本物だと王者相手にも証明した。スタメンの平均身長は180程度しかなく、4番ポジションまでが180cm台と1部のみならず2部でも最も小兵だったチーム。これで通用するのかと春から不安も抱きつつ戦ってきたが、豊富な運動量とあきらめない姿勢でここまでできると見せつけた。「今年の4年は3年前に準優勝したときのメンバーに匹敵するものは本来あった」佐々木HC。しかしそれを育てあげる課程で主力の度重なるケガなどが続き、ほぼ1年はチーム全体として棒に振る形になった。一度2部に落ちてしまうと1部に上げるまでにかなりの労力と時間を必要とするだけに、思うようにいかなかった部分は悔やまれる。だが、3年前の準優勝から一転、どん底まで落ちながら再び這い上がった。何度でもこうやって甦るのが慶應大というチームであり、今年見せた成長と躍進を来期につなげたい。

写真上:前半の攻撃を引っ張ったのは東海大・ベンドラメ。慶應大のディフェンスを振り切り内外で得点していった。
写真中:東海大のディフェンスに対しどこまで攻められるかというのも見どころだった慶應大・伊藤は25得点、ベンドラメをかわしていくシーンもあった。
写真下:惜しくも試合終了間際に退場してしまった蛯名が、メンバーを送り出す。最後は笑顔に務めていた。

※東海大・田中選手、慶應大、蛯名選手、矢嶋選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「ケガもあったがそれでもバスケットを楽しめた」
苦難も多かった4年間を乗り越えて得たもの

◆#24塩谷 亨(中央大・4年・SG)
131128shioya.jpgきれいな3Pと驚異的なバネを持ち、1部の舞台でも思いきりの良さが光った塩谷。話し振りは落ち着いているが、ひとたびコートに立てば顔つきも変わり、アグレッシブに攻め気を見せる選手だ。高校時代から長きに渡ってチームの流れを変えるシックスマンの役目を果たし、今年はスタメンでも変わらず全力なプレーでチームに勢いをもたらしていた。
下級生の頃からケガに悩まされ、悔しさやもどかしさも味わってきただろう。それでも内に秘めた闘志は見失わず、常に前を向いて歩み続けた。最後に後輩たちに向けて「一番大事なのは自分がどうするか」だと語った言葉には、そうした日々の思いが込められていた。


―最後は青学とぶつかることになりましたが。
「青学に春のトーナメントで60点差をつけられて負けたのが、今年のチームの始まりで。リーグ戦でも40点差くらいつけられて負けて、今日の前半も30点差くらいつけられて、ハーフのミーティングでも監督から『全然成長していない』と言われたんです。それが悔しくて、後半は思いきりやろうと思って臨んで、そこで差をちょっとでも縮められたのは良かったと思います。でも本当なら出だしからそういう試合をできるようにしなきゃいけなかったですね」

―出だしは相手の勢いに飲まれている様子でしたね。
「そうですね。最初にいきなり離されてしまって…。やっぱり自分も最後だったので、もっと最初から出たかったなとは思いました。でもベンチからそういうのを見て、ドライブに行っても結構中でつぶされていたので、出たら思いきり打っていこうと意識して、そういう部分も少しは出せたかなと思います。ただ1試合40分通して勢いのあるゲームをするというのは今年1年間のずっと課題でした。長いリーグ戦でも苦しい思いをしてきたので、そういう反省を直して来年つなげてほしいです」

―入れ替え戦からすぐにインカレで、気持ちの切り替えは難しくありませんでしたか?
「難しかったですね。やっぱり入れ替え戦が終わってみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいだったし、インカレも『自分たち4年生がやっていいのか』という感じで…。でもそこで監督が『最後までやろう』と言ってくれたので、そこで吹っ切れて思い切りよくできました」

―今年は苦しんだシーズンだったかと思いますが。
「やっぱり去年の4年生たちは本当にすごかったんだなということを、本当に身をもって感じた1年間でした。自分は3Pを武器にしていたんですけど、1部ではなかなか打たせてもらえなかったし…。去年だったら自分のマークマンも大貴さん(小野・12年度卒・現横河電機)や入戸野さん(12年度卒・現アースフレンズ)に寄らざるを得なかったので自分は楽に打たせてもらえたんですけど、今年は1、2本決めてディフェンスが厳しくなったときに、そういう状況を打開できなくて。そういう時に自分が何をしたらいいのかが、チームとしてなかなか噛み合なかった部分がありましたね」

―最後まで去年の4年生の穴を埋められなかった形でしょうか。
「そうですね。そこに頼りきってそのまま来てしまって、今年は去年の4年生がいないから仕方ない、といったらおかしいですけど、そういう雰囲気がチームに少しでもあったのかなと。そういう隙の甘さが、去年の入れ替え戦と逆の展開につながってしまったんじゃないかなと思います」

―塩谷選手個人としては、今年スタメンでの起用も経験しましたね。
「はい。でもシックスマンでもスタメンでも、やっぱり試合に出たら頑張ろうというのは変わらなかったので。自分としては、最初はディフェンスから、という意識がずっと高校生の時からありました。そこはスタメンでも思いきってできたと思います」

―そういう部分は『1部でも通用するな』という手応えもありましたか?
「1部でも体力がある時は、ディフェンスも相手に通用したと思います。でも自分はずっとシックスマンでやってきたので、やっぱり40分間やりきる試合の体力が苦しくて…」

―塩谷選手は高校の頃からずっとシックスマンだったんですよね。
「そうですね。高校の頃から去年までずっとそうで、ちゃんとスタメンを経験したのは今年からという感じです。シックスマンだったらベンチから試合を見てから入れるので、相手がどういうプレーをするのか、味方に今何が足りないのか、ということが分かりやすいんですけど、スタメンだと相手がどういうプレーをするのかもなかなか掴めなくて、そのあたりの違いは難しかったです」

―リーグの最後や入れ替え戦、インカレはシックスマンでしたが、その方が合っているから戻ったのでしょうか?
「確かにシックスマンの方が自分には合っているとは思うんですけど、自分はケガもあってリーグ戦の後半はなかなか思うようにプレーできなくて…それでですね」

―塩谷選手は4年間を振り返るとこれまでケガも多く経験していますよね。
「そうですね。最初1年生の時は1部で、その年は結果的にリーグ戦で4勝しかできなかったんですけど、自分はその4試合でシックスマンとして少し活躍できたんです。でもそうやって手応えをつかみかけた時に、疲労骨折してしまって…。それで2年生の時も、結局リーグ戦の前に2回目の疲労骨折をやってしまったんです。2年生の時はメンバーにも入れなくて、それは一番悔しかったですね。入れ替え戦の前に復帰できたんですけど、ほぼそのシーズンはバスケットができなかったので…」

―ケガしている間はどんなことを考えていましたか?
「バスケできなくて、見るのも辛くて。体育館の隣に倉庫みたいな部屋があってその中に器具があるんですけど、そこでずっと一人でこもって筋トレしていました(苦笑)。でもそういう辛さを味わって、それからはどんなに辛い練習でもバスケットができない時と比べたら楽しいと思えるようになりましたね」

―今までそういう大きなケガは経験したことなかったんですね。
「はい。高校の頃までは全然ケガもしたことなかったんです。でも大学に入って1年、2年とやってしまって、手術も2回して。今もボルトが入っているので雨の日とかは痛いし、正直今年のリーグ戦の後半も、痛くて夜眠れなかったりしました。でも、今年の入れ替え戦には本当にコンディショニングを調整して入ったので、あまり痛みもなくやれたし、それが続いて今回のインカレでもあまり痛みなく出ることができました。結果は出せませんでしたが、そこだけは良かったと思います」

―昨年、3年生の頃の話に戻りますが、塩谷選手たちがかなり自主練していて、去年の4年生たちも刺激になったと言っていましたね。
「まぁでもやっぱり4年生がすごかったというのがあったので、自分たちは少しでもそこに追いつけるように必死だったというか…。それが自然と練習につながりましたね。プレーを一生懸命やるだけで、チームに貢献できる部分があったというか。今年は最上級生になってそれだけでもダメだったので難しかったです。でも最後の2年間は、ケガもありましたがそれでもバスケットが楽しめて、良かったなと思います」

―後輩たちに一番伝えたいことはなんですか?
「いろいろあると思うんですけど、やっぱり一番大事なのは自分がどうするかだと思います。自分が本当に試合に出たい、勝ちたいと思うんだったら、チームの中でもっと激しく戦っていかなきゃいけないし、そうすれば試合に出る5人ももっとチームとして噛み合うと思うので。だからチームの中でもっとやりあって欲しいですね」

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「チームで戦う姿勢や伝統を忘れずに引き継いでほしい」
悲願達成はならずも、学泉大らしさをコートで体現

◆#24田口昂大(愛知学泉大・4年・PG)
131128taguchi.jpg愛知学泉大をキャプテンとしてまとめた田口。「4年生全員が引っ張っていくチームで、自分が特に何かしたわけではない」と言うが、コートでも苦しい場面でリングにアタックし、プレーでも味方を支えた精神的支柱だった。試合後は、悔しさに言葉が詰まる部分もあり、本当に1年間インカレでのベスト8入りを目指してやってきたことが伝わってきた。先輩たちの悔しさを、来季以降後輩たちが晴らしてほしい。

 
―試合を振り返っていかがでしたか?
「僕らはディフェンスで戦うチームで、チームで戦うようにやってきて、今日も1Qはディフェンスをやって走るという形はできたんですけど、やっぱり向こうに点を入れられて開いてきた時に、ちょっとバラバラになってしまって…。後半にそこが修正できなかったのが反省点です」

―白鴎大は内外で点をとってきてディフェンスしにくかったと思いますが。
「対策とかはして白鴎を相手にイメージしてずっと練習してきたんですけど、やっぱり相手の高さだったり身体能力だったりに勝てなかったというか。自分たちはサイズもないし能力もないので、そこはやっぱりチームの力で戦ってカバーしなきゃいけなかったんですけど、まだ足りなかったのかなと思いました」

―点差を離されても、最後まで戦う姿勢はありましたね。
「うちは試合に出るメンバーだけがやるとかそういうのじゃなくて、一番上から一番下までが全員で練習を作って自分たちでやってきたので、絶対40分はチームで戦い抜くっていうのは試合に入る前から決めていました。そういう部分は出せたかなと思います」

―今シーズンはキャプテンとしてやってきた1年間でしたが。
「でも今年は、本当に4年生が中心となって、誰がトップに立つとかキャプテンだけとか森川だけとかそういうのではなくて、4年生全員でチームを引っ張れたと思います。キャプテンとして自分もやらなきゃいけないんですけど、やっぱまわりのサポートがあったので自分が特に何かをしたというわけではなくて。プレーで引っ張る選手もいれば声を出して引っ張る選手もいて、まわりに助けられて自分はやってきました」

―4年生全員で引っ張ってきたんですね。それでもキャプテンとして何か心掛けていたことはありますか?
「キャプテンとしては、チーム全体を見るように。一人ひとりを見て、下の人にも声をかけてあげるし、何かプレーでミスがあった人に声をかけるとか、色んなところで一人ひとりに声をかけることは心掛けてまわりを見るようにはしてきました」

―愛知学泉大での4年間はどうでしたか?
「インカレでベスト8というのが自分たちの目標でやってきて、1年2年3年と達成できず、今年こそはという感じで狙っていました。だからどの大会よりも、地区で優勝したりオールジャパンに出られたりするよりも、インカレでベスト8に本当は入りたかったんです。それが出来なかったのがすごく残念で…。ただ4年間学泉大でバスケしてきて、バスケでも成長できたんですけど、人としてもものすごく成長できたと思います。練習に取り組む姿勢だったり、大学生らしさだったり。人間性としてすごくいいチームができたので、それはすごく自分のためになって、これから先、生きる中での糧というか、成長になっているとすごく思います」

―後輩たちは4年生が抜ける苦労もあると思いますが、3年生もこの大会で活躍していましたよね。後輩たちに向けてメッセージを。
「来年の4年生が中心となっていくと思いますが、僕らが抜けても絶対やっていけると思っているので、来年こそはしっかりインカレベスト8目指してほしいです。あとは、こういうチームで戦う姿勢とか、学泉大の伝統とかそういうのを忘れずに引き継いでいってほしいなと思います」

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「自分のプレーに自信を持ってやろうと思っていた」
最後まで果敢に戦い抜いたチームのエース

◆#6森川正明(愛知学泉大・4年・SF)
131128morikawa.jpg下級生の頃から出番を得て、特に昨年から主力としての活躍が目立った森川。最終学年となる今年は、キャプテンの田口とともにチームをまとめ、得点源としてリングに向かい続けた。最後の試合、「途中まで消極的になってしまった」と反省しきりだったものの、最後は得点を量産して存在感を発揮。全国レベルでも十分に通用するプレイヤーだった。

 
―1Qは互角に戦えていたかなと思いますが。
「はい。試合の入りをすごく意識してチームでやろうということでやっていたんですけど、ほかの各Qの入りでやっぱりちょっと集中しきれていなかったし、ちょっと離されたところで受け身になってしまったところが悔いの残るところだったかなと思います」

―途中で少し得点が止まってしまいましたね。
「そうですね。点が入らなくてもディフェンスからトランジションに持っていくのが自分たちのバスケットなんですけど、そのディフェンスのところで引いていたし、コミュニケーションもちょっととれていなくて。相手はピックを使ったプレーが多いんですけど、やっぱりそこのところで喋れてなくて簡単にインサイドにイージーシュートを決められたり、キックアウトからのスリーを気持ち良く打たせたりしてしまったところがいけなかったと思います」

―敗因は持ち味のディフェンスが崩れてしまったところなんですね。
「そうですね。ディフェンスの精度というか、気持ち的なところで受け身になってしまったところだと思います」

―相手には#23イッサや#36マンタスがいて、地区ではあまり経験のない高さだったと思いますが。
「そうですね。あっちはフォワードもすごく身体能力が高いしセンターもガツガツくるので、そこで自分たちのリバウンドが、数もそうですし、ボックスアウトとかそういうところも徹底できていなかったので。セカンドチャンスをけっこう相手にやられたところが自分たちの痛かったところだと思います」

―自分個人のプレーはどうでしたか?
「苦しい時間帯とかは自分とか田口が打開していかなきゃいけないんですけど、今日はそういったところで攻め気を見せられなかった部分がありました。後半の追いつこうという時間帯になってようやくそういう姿勢になったので、そこが遅かったのが個人的に悔いの残る部分でしたね。最初の方がちょっと消極的になってしまったのがダメだったと思います」

―白濱選手とのマッチアップはいかがでしたか?
「白濱くんはやっぱりディフェンスもできてフィジカルも強いです。それにやっぱりなにより白鴎さんはしっかりスカウティングをしてきて、セットプレートかも読まれていたし、簡単にインサイドもやらせてもらえなかった。ドライブもしっかり二人が寄ってきていたので、相手のディフェンスが良かったと感じました。やっぱり昨日と違って今日は関東だったんで、やっぱりディフェンスでも一枚上手だったかなと思います」

―良かった点はありますか?
「最後まで集中して、最後はうちのディフェンスらしく前からハードにあたって思いっきりオフェンスするというのはできたので、それは良かったと思います。それを最初からできていたら試合展開も違ってきたと思うし、入りは自分たちで意識して良かっただけに、40分間集中できていなかった部分が反省点です」

―でも最後点差を広げられて終わりではなく、詰められたのは大きいですよね。
「はい、そうですね。やっぱり自分にとっては最後のインカレなので、このまま終わらせなくないという気持ちがあって。なんとか一矢報いるというか、最後まで集中してやりました」

―4年目のインカレで、懸ける想いも違ったと思いますが。
「そうですね。やっぱり自分にとっては集大成なので。自分たちの目標はインカレでベスト8に入るということで、しっかりそれに向けて、一年間この大会に向けてやってきました。持てる力を全部出し切ろうということは自分含めて4年生が意識して、チームでやろうと思っていました」

―インカレという大会全体を振り返っていかがでした?
「こういう結果に終わってしまいましたが、チームで戦うことはできたと思うのでそこは自分たちにとってすごく大きいし、ここで2試合やって最後に白鴎とやれたのもすごく大きいと思います。自分にとってはすごい意味のあるインカレでした」

―森川選手は、去年やその前から試合に絡んでいましたが、4年間で心境などは変化していきましたか?
「そうですね。去年からスタートに定着して、下級生から試合は出ていましたけど、やっぱり特に上級生になって責任感とかも出てきて、練習とか試合も自分たちがやらないと後輩がついてこないと思うようになりました。去年の成績を越えなきゃいけないプレッシャーとか、まわりの応援とか期待とかあったと思うんですけど、そこは自分のプレーに自信を持ってやろうと思ってやってきました」

―愛知学泉大は練習ですごくディフェンスを鍛えるチームだと思いますが、4年間で身につけたものはありますか?
「そうですね。やっぱりうちは本当に質の高い練習をやっていると思うので、その中でそういうプレッシャーに耐える精神力とか、あと自分たちはバスケットだけ教わってきているわけじゃなくてバスケット以外の、あいさつとか服装とか行動とか、そういった当たり前のところを他のチームよりも一番意識してやってきたと思います。自分的にはバスケットももちろんなんですけど、人間として、一大学生としての成長も大きかったと思うし、4年間通してそれがすごく大事だなってわかりました」

―後輩たちには来シーズンどんなところを頑張ってほしいですか?
「後輩たちもすごく意識が上がってきて、今年の後半から下級生も何人か試合に出られるような人が出てきたし、本当にこの一年で成長した後輩が多かったと思います。自分たちが抜けても、自分たちでやるということができるやつらだと思うので、ここからの頑張り次第で自分たちを越えることはできると思うし、自分たちが超えられなかった成績を超えてほしいと思います。苦しいこともあると思いますけど、頑張って目標を達成してほしいです。

―オールジャパンはどう戦っていきたいですか?
「そこで負けたら引退ですし、オールジャパンは自分にとっても初めてなので、しっかりそこは思いきり楽しんで。目標は3回戦までいってNBLのチームと戦うことなので、まだあと一ヶ月あるんでその間もしっかり集中して頑張りたいと思います」

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「エースとして自分がやらなければ」
苦しい中でもまっとうした役割

◆#21河上宗平(早稲田大・4年・F・主将)
131128kawakami_20140331121411a13.jpg苦しい立ち上がりの中、それでも切れずに追い上げを見せた。入れ替え戦での敗戦のショック、自身のケガなど状況は良いとはいえなかったが、それでも代表選手に選ばれ、早稲田大のエースであることの証明をコートでしてみせた。
どんな名選手でも最終学年となると考えることは増える。河上も自由にやらせてもらっていた過去の3年間とは異なり、監督にさまざまな指導・指示を受ける立場になって対応するのにも苦労したと言う。しかし、うまくいかない中でも下級生が自分を信頼して頼ってくれたことが、彼を奮い立たせた。足を使って自分たちにできるプレーを必死にする下級生に対し、自らはハーフコートでのオフェンスを無心に続け、得点を狙う。エースの自覚を持って責任を果たそうとする姿を、最後まで見せ続けてくれた。


―足の状態が入れ替え戦のあとも良くない状態だったのですね。
「練習に復帰したのが先週の火曜日だったので、ぜんぜん動けず、でもやるしかないと思っていました。不安はありましたがやるんだという気持ちが強かったです。欲を言えば万全な状態でやりたかったですが」

―今年はずっとケガがちというか、コンディショニングに問題が多かったですね。
「そうですね、今年はずっと。代表に行っても捻挫しましたし、クセにしてしまったような感じです。特に国士舘大との入れ替え戦では初めて内側に入る感じのをやってしまって、そこが厄介でした」

―そんな中での試合でしたが、最初は1-19という悪い入りになってしまいました。
「リーグまでの僕らならあのまま最悪の展開になっただろうし、実際頭の中を悪い想像がめぐりました。リーグの初戦は40点差で負けていますし、あのときのような最悪の事態がよぎりましたけど、チーム内で最後まで走ろうと言っていたし、逆に調子が上がって逆転するところまでいきました。そこまでは良かったんですけど。最初の入りでやられたのは、バンバ(#23)以外のところです。バンバ対策はずっとしてきたんですが、思いの外まわりのシュートが入ったのと、こっちのオフェンスが重かったのが原因ですね」

―途中で池田選手(#34)の3Pが入ったので少し流れが改善されましたが、今のチームでは得点源が絞られてしまうのが課題ですね。
「ハーフのオフェンスについては今シーズンはずっと課題でしたね。入れ替え戦で負けられない試合となってから、僕自身エースとしての立場もあるし自分でなるべくシュートに持っていこうというのを意識してやっていました。持ちすぎと怒られる部分があると思うんですが、チームだとボールを回してうまくオフェンスができないので、ハーフからのオフェンスは自分がやると割りきってやっていました。前半も最初はシュートが入らずやきもきした部分もあったんですけど、ここで続けなかったらというのもあって、シュートは打ち続けていました」

―河上選手以外のところでもっと点が取れればというのはあると思うんですが。
「今シーズンはずっと僕を中心にやってきていて、僕が悪い時期にチームが落ちてしまいました。一時期チームとして点を取りにいこうと意識してパッシングオフェンスとかいろいろやってみた時期もあったんですけど、結果がなかなかついてこなくてそれに頼ることができませんでした。だったら僕が中心になって1対1を仕掛けるという方向に1周して帰ってきた感じです。試行錯誤はしたんですが、最後は僕のところで攻めようとチームのみんなも言ってくれました。メンバーはハーフでのオフェンスは上手くないんですが、哲郎(#27平野)なんかは『河上さんに負担をかけないよう、僕らはブレイクを出して頑張ります』と言ってくれました。木澤(#2)も、池田も。僕もハーフになったら後輩たちにはパスを考えるより『思い切りシュートを打て』としか言っていなくて、それ以外はブレイクを頑張ろうと。この試合でも本当にその3人が走ってくれて頼もしさを感じたし、その分、僕がもっとハーフで点を取ってあげられたら、というのもずっと思っていました。前半はポストアップがうまくできていたんですが、途中から考えすぎてうまくいかなかったですね」

―もうあと数本決まっていれば、という感じでしたね。
「そうなんです。後半になってジャンプシュートが1本も決まらなくて。前半は入らなくても打ち続ければ、というのはありますが後半の勝負がかかってきたところで入らなかったのはダメでした」

―今年は1年を通して苦しいシーズンでしたね。
「自分の精神的な弱さを痛感したシーズンでした。これまでは上に大塚さん(昨年度主将・現NBDL豊田通商)、久保田さん(11年度卒・現NBL和歌山)がいてくれて、僕は何も考えずにプレーするだけでした。僕自身キャプテンになってエースとして臨んだシーズンで、今まで自由にやらせてもらっていたという立場を今度はチームに還元したいと考えていたんですが、考えれば考えるほど小さくまとまってしまいました。JAPANにも入ってプレイヤーとして成長して帰ってきたと自分自身も思っていますし、いい経験になったのは間違いです。その代わり言い方は変ですが見られる立場になって、思い切りの良さを失って小さくまとまってしまったと思います」

―ここまで思い切りの良いプレーが目立ってきたけれど、逆にそれが出せなかったと。
「思い切り飛んで、走ってというのが自分の持ち味だったんですが。東アジアが終わってチームに戻ってきて、役割の違いというのも戸惑いがありました。代表だとあんなにポンポン打たないですから。でも国士舘大との入れ替え戦あたりからやっぱり自分が打たないといけないんだと感じるようになりましたが」

―早稲田大での4年間はどうでしたか?
「楽しいことばかりではなかったですけど、でも今だからこそ言えますが早稲田を選んで良かったと思います。先輩、後輩、チームに支えられてここまで頑張ってこられました。自分は本当に1~3年まで好き勝手にやらせてもらっていて、そのおかげで自分のプレーを確立できました。本当にいろいろな経験をさせてもらって人生で一番濃かった時間でした」

―後輩たちは2部からやり直さなければいけないんですが、何を大事にして欲しいですか。
「自分たちのせいで落としてしまって本当に申し訳ないんですが、メンバーで見れば2部にいるようなメンバーではないし、後輩たちはもう上を向いて頑張っています。ディフェンスは頑張れるしブレイクも出せるし、チームとして何かひとつ決まりごとを守ってやれればぜんぜんやれるチームなので、ひたむきに頑張って欲しいです」

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「バスケットが大好きですべてを楽しみにしてやってきた」
充実の4年間に感謝し、さらなる向上を誓う

◆#4松島良豪(国士舘大・4年・G・主将)
131128matushima_20140331121413cad.jpg常に向上を忘れず真剣に取り組んだ大学での最後の1年間は、松島にとって実り多いものとなった。チームを1部に導き、5年ぶりのインカレ出場は強豪相手に破れはしたものの、国士舘大の底力を見せる見応えのある戦いとなった。負けた悔しさはあるが、言葉には希望が溢れていた。多くの経験を積めたこと、そしてこれからまだまだ自分が上を目指していかねばならない前途に対して、可能性を追求する前向きな気持ちが言葉の端々から感じられた。向上心は人一倍、そして何よりもバスケットが大好きという気持ちが常に伝わってくる選手だった。そうした真っ直ぐな気持ちをつないで、さらに大きな未来をその手に掴み取ることを期待してやまない。


―いいところもあったんですが、残念でした。
「最初の出だしで相手に10点離された分が最後に響いたかなと思います。これが敗因でしたね」

―最初の固さは緊張があったのでしょうか?
「緊張はしていないんですが、どこかしら自分のペースじゃなくて。自分は今大会を通じてそんな感じでした。まだディフェンスはいいんですが、オフェンスのパスやドライブに関してはミスばかりで、個人としては反省ばかりです」

―確かに序盤から明治のディフェンスの前にうまくいかないシーンが続きましたね。でも離されましたが、チームとそれで崩れるということはなかったからこその追い上げですね。
「それは1年間通じて練習からしっかりやってきたおかげだと思います」

―そこは焦らずについていこうと。
「20点離されようが負ける気はしないので。今のチームだったらどんなに離されても、続ければ絶対に結果はついてくると思ってやっていました」

―追い上げたポイントとしてどこが良かったですか?
「やはりディフェンスでリバウンドが取れ始めたところじゃないですか。そこが起点になってどんどん走れるようになって、それでオフェンスも思い切りが出てきたので内外バランス良くなって追いついたと思います」

―最初はそのリバウンドになかなか行けなかったですね。
「こう見えても国士舘は相手を見ちゃうところがあるので(苦笑)、そのせいかなと」

―松島選手もうまくコントロールできずに途中で伊集選手(#5)に代わったりしましたが。
「あれは超悔しかったですね。でもそれは自分の実力不足なので、そこは認めて後半に頑張ってやろうと思っていました」

―後半に国士舘らしいディフェンス出ました。
「自分たちがやってきたことをやるしかないと思って、頑張ろうと思っていたからだと思います」

―このインカレは馬選手(#20)が大会直前にケガをして、アクシデントがありましたね。
「いやもう本当にアクシデントが多くて。高橋(#14)も大会2日前に捻挫して、華武威(#9新田)も初戦の近大戦で捻挫してしまって、万全ではなく、いろいろ予想外でした。でもそれでも近大戦では永野(#11)が活躍してチーム力で勝てたし、今日もみんなで補い合ってやろうと。今年はエースはいないけど、チーム力でやってきたのは良かったところです」

―そこは平田選手や曹選手がいた去年とは違うところですね。
「去年はダブルエースがいてそこに頼りっぱなしだったんですけど、今年は全員で頑張ろうと。全員で守って全員で攻撃して。そうやってやってきて1部に上がれて、インカレにも出られました」

―松島選手にとっては初めてのインカレですが、どうでしたか?
「楽しかったですね。これだけ練習してきてもぜんぜんうまくいかない。でもだからバスケットは面白いなと。自分がどれだけやってきてもうまくいかなくて、また頑張らなきゃと。向上心をかきたててくれます。改めてまだまだ頑張らなきゃと教えてくれる大会でした」

―初戦の近大戦では高校のチームメイトの伊良部選手と楽しそうでしたね。
「あの何十秒間は自分の人生の中でも本当に楽しい時間でした。前日からふたりで最後だから楽しくやろうと言い合っていて、それで最後にあいつが出てきました。みんなもスペースをあけてくれて1対1できた。それに感謝しています」

―今年1年松島選手が主将としてしっかりチームをまとめてきましたが、後輩に伝えたいことはなんですか?
「やっぱり練習でしっかりやらないと試合にも出られないよということですね。それを1年間言ってきたので、来年も練習をしっかりして、頑張っていって欲しいです。足りない部分があっても自分で意識してやっていかないと使ってもらえないし、自分は2年のときに出してもらえず高橋も去年そうだった。だからお互い努力しないと試合には出られないんだなと感じて、その結果今年はこうなりました。みんなにも努力して欲しいです。3年生以下は本当に能力があるし、自分と高橋が抜けるだけなので本当にそこをしっかりやっていけば、今年以上の結果は出せると思います。僕らと比較してどう、というのではなく今いるメンバーで新しいプレースタイルを作ればできると思います」

―国士舘大で4年間やってきましたが、どんな4年でしたか?
「自分は毎日毎日練習で手を抜くことはありませんでした。バスケットが大好きで。中学・高校までは先生にやらされているところがあると思います。でも大学に来て初めてバスケットが好きになったし、先生はチーム関係にはうるさく言わないので、仲間の大切さとか信頼関係を作ることが一番大事なんだなと思いました」

―国士舘大は大所帯で、まとめるのは大変だと思うんですが。春はチームに問題があるということで、少し悩んでいるようでしね。
「でも辛いと思ったことは一度もないんです。トーナメントのときに少しゴタゴタして、そのときは難しいなと思いましたが。でも問題が起こるたびに自分がどうにかしていかないとと。これを乗り越えることでまたチームがよくなるなと。何か起こっても問題を自分の楽しみに変えてやってきました。楽しいから家に帰ってもバスケのことを考えているし、学校にいるときも紙にずっとフォーメーションを書いていました。そういうのが本当に楽しくて、バスケットを改めて楽しんだ4年間でした」

―昨年まではコート内でも笑顔が多かったですが、今年は厳しい表情だったのが印象的です。
「誰かがやっぱり引き締めないと。自分が嫌われてもいいので、チームのために何でもやろうと練習中もいろいろ言いました。試合中は誰かが盛り上げてくれるので自分は鬼の形相といった感じでした(笑)。練習前と練習中は本当に厳しくして、でもコートを離れると『タケ』とか後輩にも気さくに呼ばれていましたね。普段はみんな仲良くわいわいやりたいのでそれで全然良かったです。ただ、本気でやっているバスケットの時間だけは妥協できませんでした」

―リーグ戦中もかなり早く来てずっと試合を見ていましたよね。それはやはり学ぶためだったんですか?
「そうですね。まだまだ下手くそなのでもっともっと勉強してうまくなりたい、それだけです。例えば2部だと同じポイントガードの伊藤くん(慶應大#16)や高田くん(法政大#0)とか、一人ひとりスタイルが違います。こういう人のこういうところを自分に取り入れたら良くなるんじゃないかなと。自分がコーチの立場で見たときに、法政のディフェンスや慶應のスクリーンなんかも勉強になりました。
またそれを自分のチームにどう取り入れていけばいいかなといったことを考えていました。バスケットが楽しいので毎日が勉強で、多くをほかのチームから学ばせてもらいました。今日戦った明治大もいいチームだし、2部のチームもどれもいいチームでした。今まで対戦してきたプレイヤーたちに本当に感謝したいです」

―そういうのを聞くと指導者になるのも将来的には良さそうですね。
「実は父がコザ中のコーチなので、これまでもいろいろ教えてもらっていました。今回のインカレも来てくれていたんですが、親といろいろ話し合って、フォーメーションだったりわからないことも教わりました。だからそういうのもあって将来的にコーチになりたいし、父親越えをしたいですね」

―それは楽しみですね。
「ここまで高校や大学でいろんな監督に教えてもらってバスケがうまくなったので、今度は自分が指導者の立場になって全国でも通用するようなプレイヤーをひとりでも作りたいなと。自分がしてもらったことを、次の世代に恩返ししたいなと思います」

―これからもバスケットを続けるんですよね。
「そうですね。指導者の前に選手としての目標があります。まだまだ下手だけどもっともっと上手くなりたい。誰に笑われても、無理だと言われても、トップリーグに行って日本を代表する選手になりたい。そう思っています。だからまた明日から練習します」

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「努力することを忘れないでほしい」
4年生として背中で見せた、諦めない姿勢

◆#14高橋祐二(国士舘大・4年・G)
131128takahashi.jpg最初で最後となるインカレ。そんな大舞台にも物怖じすることなく、3Pは3/3、2Pは7/9と脅威の数字を残して26得点の大活躍だった。大会直前に捻挫をしていたが、そうしたアクシデントを感じさせない圧巻の集中、そしてチームを勝たせたい気持ちがプレーに表れていた。敗れはしたものの、ディフェンスに定評のある明治大が手を焼くほどアグレッシブなプレーが輝いた。
今季はシーズンを通して、主将の松島とともにチームを支える両輪として存在感を発揮。強い自覚と責任感で仲間を引っ張る姿は4年間の成長を感じさせ、見事チームを1部昇格に導いてみせた。家族やチームメイトに愛され支えられてきた4年間を振り返るその表情は、感謝の気持ちで満たされていた。


―入れ替え戦のときは集中し過ぎて試合のことを覚えてないと仰っていましたが、今日は覚えていますか?
「今日は…というか、いつも必死で覚えてないんです(苦笑)。振り返ってみても、あまり浮かんでこないんですよね」

―毎試合集中しているんですね(笑)。今日は最初に離されて、追い上げる展開でしたが。
「そうですね。後半は結構対等に戦えていたと思うんですけど、やっぱり前半、1Qや2Qの入りが受け身になっていたと思うので、そこがもったいなかったですね」

―明治大はディフェンシブのチームですが、戦ってみていかがでしたか?
「やっぱりディフェンスが強くて、45度とかもディナイが激しくてボールもあまり持たせないという感じでした」

―それでも高橋選手は、相手もなかなか止められない大活躍でしたが。
「そうですか?(笑)うーん、でも明治の森山(#5)いるじゃないですか。あいつとは地元の地区が一緒で、小学校・中学校とよく試合していたし、高校のときも練習試合とかで戦っていたんです。だから絶対あいつには負けたくないという気持ちがあって。自分、結構負けず嫌いなので、森山にディフェンスにつかれてからガンガン行こうと思って攻めましたね」

―ライバル心があったんですね。シュートタッチもすごく良かったですが。
「気持ちで戦っていたので、それがうまくシュートにもつながったのかなと思います。たぶん今年の試合の中で一番シュートも入ったんじゃないですかね」

―インカレ前に捻挫していたそうですが、それも感じさせませんでした。
「そうですね。インカレの3日前くらいにやってしまって、次の日休ませてもらって、日曜にちょっと練習してそのままインカレという感じでした。だから初日の近大戦は、ぜんぜん練習できてない中で臨んだのでかなりキツくて。体力的にもいっぱいいっぱいだったんですけど、でも自分はこのチームが大好きなので、終わらせたくないと思って気持ちでプレーしていました」

―オールジャパンも出たかったですね。良い試合でしたが、やはり勝ちたかった悔しさは強いと思います。
「そうですね。やっぱり悔しいです。このチームで、みんなで一緒に年越したかったなって。まっちゃん(#4松島)とふたりで、絶対一緒に年越そうなと言っていたんです。4年生はふたりしか出てないじゃないですか。だから自分たちが頑張って後輩たちをオールジャパンに連れて行こうって。でも勝たせてあげられなくて、そこはすごく苦しいですね」

―自分自身初めてのインカレでしたが、いかがでしたか?
「代々木でバスケできるのってあまりないことだし、近大のシェリフ・ソウくんとか、明治の高校時代から有名だった人たちと試合できて、すごく楽しかったかなと思います。大会前から最後の大会だし楽しもうと自分は思っていたので。インカレ、もう一回やりたいです(笑)」

―今年の国士館大は、松島選手が気持ちの部分で引っ張って、高橋選手がプレーの部分で引っ張って、すごく4年生2人の存在が大きかったと思います。
「けど、自分はプレーであまり引っ張れなかったんじゃないかなって…。結構調子に波もあったので。でも、自分も後輩と一緒に自主練で結構遅くまで体育館に残ったり、練習前に早く行ってシューティングしたりというのはやってきたので、そういう背中はちょっとでも見せられたんじゃないかなと思います。まっちゃんとふたりで、そうやって努力すれば結果も残せるというのは示せたと思うので、後輩たちもそれを信じて、コツコツ努力していってもらいたいです」

―松島選手とは良いコンビでしたね。松島選手は高橋選手のことを「言葉がなくても通じ合える仲」と言っていましたが。
「そうなんですよ。何も言わなくても分かり合えると言うか。普段、あまりふたりで遊ぶとかもないんですけどね。家、隣なんですけど(笑)」

―隣なんですか。
「家が華武伊(新田)、自分、まっちゃんで並んでいるんです(笑)。でもふたりで遊ぶとかはないし、あまりガチな話もそんなしなくて。でも試合になると、何も言わなくても通じ合っている感じでしたね。ディフェンスもあいつがいるからこそ自分も頑張れて、あいつとふたりでディフェンスが良いみたいに評価された部分もあると思います」

―同期にそういう存在がいて良かったですね。
「本当に、まっちゃんあっての自分でしたね。信頼はものすごく厚いです。それで、3年生の時までは自分が頼ってばかりだったんですけど、今年はまっちゃんがキャプテンになって、責任をあいつだけに負わせたくないなと。少しでも負担を減らせるようにと思って、あいつが落ちているときは率先して声をかけたり、まっちゃんが先生にガーッと言われた時には寄っていって励ましたりしてきました。練習中も結構お互いライバル心があって、そうやって高め合えたのはすごく良かったですね。本当に同期でまっちゃんみたいな人に出会えたのは、自分にとってすごく大きかったです」

―国士館大での4年間はいかがでしたか?
「最初、1年目は棒に振っちゃった感じでしたね(苦笑)。なんなんですかね?1年の頃は、本当に何やっていたんだろうという感じなんですけど。でも2、3、4年といっぱい試合に出させてもらえたのは良かったですね」

―3年生の時はリーグ戦でスタメンを落とされる時期もありましたが。
「そうですね。でもそういう時も、国府田(#16)ってやつがいるんですけど、あいつと一緒にリーグ戦の試合が終わったあととかそのまま体育館行ってシューティングしたりして。出られなくても頑張ってこられたのは、あいつがすごく支えてくれたおかげですね。今年のリーグ戦も、キツい中でもやってこられたのは、あいつのサポートがあったからで。ストレッチとかマッサージも本当に毎回わざわざ来てくれるんです。そういうのがあって、2カ月間やって来られたかなと思うので、あいつには感謝の気持ちでいっぱいですね」

―自分が後輩たちに一番伝えたいことは何ですか?
「やっぱり努力すれば結果は残せるということですね。すぐに出るわけじゃないけど、諦めずに信じていれば結果が出るというのは今年証明できたと思うので。信じて腐らず頑張ってほしいです」

―国士館大は人数の多い大所帯のチームだからこそ、そのあたりで苦しむ選手も多いかも知れないですね。
「そうですね。Bチームの人とかはあまり見てもらうチャンスがないのですごく苦しい部分もあると思うんですけど、でもそこでも腐らず頑張っていれば見ている人は見ていると思うので。努力し続けてほしいですね。自分も去年出してもらえなかった時に、ちょっと腐りかけたこともありました。でもうち、自分を入れて5人家族なんですけど、その時に家族4人が色紙を作って渡してくれたんです。そのときは、家族の前でボロボロ泣いちゃいましたね。そういう支えてくれた存在があったから、自分も腐らず頑張らなきゃって思えて。だから、どんなに見てもらえなくても、自分だけでやっているんじゃないんだということを忘れないで欲しいです。支えてくれる人たちへの恩返しの意味も込めて、頑張ってほしいなと。本当に、その感情だけで腐らずやってこられると思うので。努力することを絶対に忘れないで欲しいです」

―家族は毎試合みんな見に来てくれていたし、頑張る姿を見せられたのではないでしょうか。後輩たちは来シーズン1部でプレーできますが。
「1部という舞台に上げられたのは4年生として良かったですね。3年生以下は能力が高い子もいっぱいいるし、1部でやっていればもっと高め合っていけると思うので。体も強くなって自ずと当たりとかにも強くなると思うし、1部のチームと対戦しながらいっぱい学んでいって欲しいですね」

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「こういうゲームができて逆に良かった」
再確認した強い気持ちを全面に出す必要性

◆#24田中大貴(東海大・4年・SF)
131128tanaka_2013112908330924d.jpg昨年度の覇者としてインカレに臨む東海大。その中で絶対的エースとして君臨する田中だが、今大会はシュートタッチや体のコンディションもまだなかなか上げられていないという。それでも最後の大会に懸ける想いは強く、また今日の試合で「慶應の分まで頑張らなきゃいけない」と強い覚悟を新たにした形だった。リーグ戦で全勝優勝を果たし、優勝候補筆頭にあげられる東海大。どのチームも挑戦者として全力でぶつかってくるに違いないが、それを跳ね返す強い気持ちとチーム力で栄冠を目指す。

 
―慶應大はトーナメントでも競った相手ですが、こういう展開になるとは予想していましたか?
「そうですね。最初から点数が空くようなことはないと思っていたし、点差があいても慶應は絶対に諦めないチームなので、力の差はまったくないと思ってみんな試合に入りました。こういうゲームになることは覚悟していたし、本当に力のあるチームだなというのは試合が終わってから思いました」

―蛯名選手とのマッチアップはいかがでした?
「やりづらさは正直ありました。今年戦ってきたチームの中で一番気持ちがこもっている相手だと思ったし、そういう風に向かってくる相手には楽に勝てるものではないと。でもそれを押さえて乗り越えられたというのは良かったんじゃないかと思いますし、逆に慶應の分まで明日から自分たちは強い気持ちを持って戦わなきゃいけないなと思いました」

―今日は40分近くほぼフルで戦う形になりましたが、体力的な面は問題なく?
「そうですね。今年は大会に入る前から、点差があいてベンチで休めるというのはまったく考えてなかったので、これは想定内だと思います。だからしっかりケアして戦っていくだけですね」

―自身の調子はいかがですか?
「正直インカレに入る前から、なかなかコンディションの部分も上がってこずに大会に入っている形で。でもまた明日からゲームは続くわけで、これからどんどん上げていければいいかなという風に思います」

―気持ちの部分はしっかり上げられていますか?
「はい。気持ちの部分はまったくネガティブな方向に行くことはなくて。体の状態が良いとは言えないですけど、気持ちだけはしっかり持ってやろうと思っています。4年生という立場なので、自分のことだけでなくまわりのこともしっかり見なきゃいけないと思いますし。3年生以下は正直なことを言えば来年も大会があるわけですけど、自分たちは本当に最後なので。でも下級生も本当に、自分たち4年生に良い思いをさせたいという気持ちでついてきてくれていると思います。あとはそこを4年生がしっかり強い気持ちを持って引っ張っていくことができれば。それができているからこそ今シーズンは良い状態で戦ってこられたと思うし、明日からの試合もそこは崩さずに、チーム力という部分ではどこにも負けない気持ちでやっていきたいと思います」

―今気になっている課題や、少し怖いなと思う部分はありますか?
「今日の試合も途中、20点近く空いたときに自分たちがバタバタして結局点差を戻されてという形だったので、自分も含めてもっと落ち着いてやれればと思います。でも今日こういうゲームができて、逆に良かったというか、プラスに捉えるようにしたいです。去年も愛知学泉大と戦って、学泉もすごく良いチームでこういう展開になったと思うんですけど、自分たちもああいう風に最後は結果を残すことができたので。去年みたいにうまくいくかといったら分からないですけど、明日に向けて良い準備をするだけだと思います」

―では明日に向けて意気込みを。
「本当にインカレは一発勝負で、負ければ終わりなので。今日、試合が終わって最後ハイタッチするときに、慶應の人たちが泣いてたりして、そういうのを見て自分たちも慶應の分まで頑張らないといけないと思いました。今日の慶應みたいな強い気持ちを、明日から自分たちが全面に出して戦うだけだと思います」

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「ありがとうという言葉に尽きる」
仲間に支えられ、最後まで頑張りぬいた4年間

◆#4蛯名 涼(慶應義塾大・4年・主将・G)
131128ebina.jpg残り1分2秒、惜しくも5つめのファウルを吹かれ、コートから去ることになった。慶應側だけではなく、会場の四方から湧き上がった大きな拍手の波は、どこまで聞こえていただろうか。それは決して怯むことなく戦い続けた主将に向けられた最大の賛辞にほかならない。
普段は柔和な表情を見せながらも一度コートに立つと別人のようにアグレッシブとなる。泥臭くコートを駆け、迷わず相手にぶつかっていくプレースタイルには常にファウルトラブルがつきものだったが、そうした姿が周囲を巻き込み、チーム全体を引っ張ってきたのは間違いない。それが蛯名という存在だった。これまでの慶應大の伝統にふさわしい主将としての姿をコートに焼付け、彼の4年間が終わりを告げた。


ー勝とうという気持ちはすごく見えた試合でした。やれると思っていたところまで
やれましたか?
「勝つことが目標でやっていたので、十分やったとは言い切れません。でもどこから始まったかということを考えると、ここまでこられたのは予想だにしなかった。本当に全員の力で来たなと思いますし、試合の内容に点数はつけられないですね」

ーこの1年で成長したと思えるところは。
「辛い時にもう一段階頑張れと言ってきました。チームを見ればわかると思うんですけど、20点離されそうなときに気持ちのところ、精神的な部分を口酸っぱく言ってきて、自分も体現してきたらそれが少なかれそういうチームになれたんじゃないかと思います。そういうのはバスケだけじゃなくて生きていく上で絶対につながるものなので、後輩たちもそれを大事にして欲しいと思います」

ー東海が勝っていると感じたところは?
「終盤の絶対に負けられないという気持ちですかね。弱気になるところがなくて。僕たちは常に流れがいいときの国士舘みたいな感じでした。コート内で声を出しているとか、田中大貴(#24)が引っ張っているとかじゃないんですけど、練習のときから緻密に話し合いながらやっているからかなと思って、完成度という点については圧倒的だったなと思います」

ー次の世代に期待することは。
「精神的な部分は伊藤(#16)がしっかりやってくれるます。柔軟に前を向いて向いていけるような精神力を曲げないでやって欲しいと思います」

ー4年の同期については。
「一言ありがとうに尽きます。本当にいろいろあったし、仲も良かった分いろいろ言い合ってきたし、あいつらがいなかったら自分は最後コートに立てるような実力も出なかったし、ありがとうに尽きます」

ー蛯名選手は自分のような奴をよくキャプテンにしてくれたなと言っていましたが、主将としてよく目配りしているというか、例えばチーム券を担当していてすぐに応援に加われないような部員にも必ず試合前に挨拶をしていく場面などを目にすると仲間を思っているんだなという気がしましたが。
「それはバスケ云々じゃないところから、と津軽中の先生に言われてきたのが大きいと思います。最後に時間がなくなって投げたボールとかは自分で拾いに行けどか、そういうことは中学で教わりました。高校もそうでしたけど。バスケだけじゃない、それ以外のことも大事にすることをずっと教わってきました」

ー慶應大がこうして限界かなと思えるところからもう一段階頑張れるのは、一体何が根源だと思いますか?
「それは僕の考えで言うと、ひとりで試合をやっている訳じゃないからだと思います。僕自身は同期の支えがあってこそですね。スタッフがいて、僕がいて、さらに試合に出ているのは僕で、でもひとりでやっている訳じゃない。だから心から練習のときから頑張れたし、試合もそうでした。先生とうまく合わなかったときも同期から『お前が合わなくてどうするんだ』と言われて、最後はいい感じで関係ができたと思います。そういう面でも本当に同期に支えられたと思います。ひとりじゃないこと、それがすべてです」

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「東海に慶應という名前を少しでも刻めたのなら」
王者に一歩も引かぬ姿勢で見せた意地

◆#10矢嶋 瞭(慶應義塾大・4年・SG)
131128yajima.jpgインカレで優勝するのが矢嶋の悲願だった。入れ替え戦も大事であり、昇格によって手に入れたものの大きさは計り知れない。しかしインカレで勝ちたいという思いがこの試合では随所に見えて、ベンチスタートで12得点。ディフェンスでもルーズボールに飛び込み、4年としての意地を見せた。
春はチームもまだ途上、ケガをした自分の膝にも不安を見せていた。それでも他人には辛い部分は決して見せず、「見ていてください」と言い続けてきた。入れ替え戦、そしてこのインカレでは十分見るものを惹きつけるプレーを見せ、東海大を唸らせたその姿勢は手にした少ない結果の中でも十分誇れるものといえるだろう。


ーベンチから出たときにうまくシュートが入りました。
「何もやり残すことはないようにと思っていたので、出たら自分の持ち味を出したいと思っていました。入れ替え戦が終わってから東海大戦に向けて練習してきて、全員でアップセットを必ず起こそうとやってきました。結果勝てなかったし、何もならないんですけど東海に慶應という名前を刻めたのかなと思います」

ー競った試合になった原因は。
「バスケットは気持ちのところがあって、入りで受け身になった部分や気負った部分があったんですけど、そこからみんなが強い気持ちを持って相手に立ち向かっていったことで点差を詰められたし、相手にやばいぞと思わせられたのかと思います」

ー今シーズン印象に残った試合は。
「やはり入れ替え戦で勝ったことです。去年1年ケガをしていて何もできなかったけれど、やっとチームに結果を残すことができました。

ー後輩たちに関しては。
「後輩たちには本当に感謝しているし期待しています。来年は1部でやってくれると思うし、もう何の不安もないですね」

ー後悔はありませんか?
「それはないといえば嘘ですけど、でも田中大貴に矢嶋瞭という名前を少しでも刻めたら良かったかなと思います」

ーさきほど、田中選手が慶應大が泣いている姿を見て頑張らなければいけないと気づいたという話をしていました。
「だったら良かったです。頑張って欲しいです。僕は4年間で半分くらいしかプレーしていません。でも最後にこうやって1部に上がれて、学生王者に最後まで粘れたということは自分の中でいい経験になったし、後輩にもいいものを残せたと思います」

ー小さい頃から活躍して、高校も大濠でエリートとしてやってきたと思いますが、中には上手い分頑張りきれない人もいます。でも慶應に来てこういうふうにやれたのは何が大きいですか?
「自分は下手くそだと思っているので、人一倍努力して人一倍動いて、人一倍やらないとできないと思っていました。慶應がそういうスタイルだったし、中学のときから慶應に入ってこういうスタイルでやりたいと思っていたので、それに自分もマッチしました。ここでできて良かったです」


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