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2013.11.27 (Wed)
【2013インカレ】11/27レポート
専修大・筑波大が2回戦を突破しベスト8へ
地方勢では天理大、中京大が1回戦突破
インカレ2日目、代々木では1回戦残り4試合、2回戦2試合が行われた。地方勢は東海大九州をかわした天理大と逆転で日本経済大に勝利した中京大以外は敗退。ベスト8は専修大が富山大を下し、筑波大は大東大に勝利してベスト8へ駒を進めた。翌28日には残りのベスト8が決定する。
早稲田大と倉敷芸術科学大の試合は、序盤で大きく差を開いた早稲田大がベンチメンバーも多く起用して快勝した。倉敷芸術科学大も後半に進むにつれ動きも良くなり、主将の#30濱高(4年・G)やシックスマンの#26水本(3年・SG)が攻め気を見せたものの、49−102でタイムアップとなった。早稲田大は余裕を持って2回戦進出。ベスト8進出を懸け拓殖大と対戦する。
北海道1位の札幌大は拓殖大と対戦。昨年の主力がほぼ残りチームの完成度も高めてきた札幌大だったが、関東4位の壁は高かった。1Qこそ29−24と札幌大も5点差に食らいついたが、拓殖大は#23バンバ(1年・C・延岡学園)のインサイド、#14大垣(3年・SF)らのアウトサイドと内外で得点を重ねた拓殖大が点差をじわりと引き離す。札幌大は徐々に息切れする展開となり、92−62で試合終了となった。
写真:大東大はここで大会終了となった。期待できる選手は多く、来シーズンに結果を出してくれることを期待したい。
※札幌大・小辻選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【中京大が我慢の展開を乗り切り日本経済大に逆転】
九州1位の日本経済大と東海2位の中京大がぶつかった1回戦は、追う展開だった中京大が巻き返して逆転勝ちする結果となった。
先に抜け出したのは日本経済大だった。#9中嶋(4年・PG)と#1古野(3年・PG)が3Pを立て続けに決めてリズムを作ると、2Q序盤にはリードを二桁に乗せる。一方の中京大は#1石附(3年・PG)のシュートなどで食らいつくも、日本経済大の#30サンブを前になかなか得点が伸びずに追う展開になった。中京大は#91長友(3年・F)がブレイクを2本決め、さらに#56戸次(3年・C)がバスケットカウントを獲得して流れを変えたかに見えたが、日本経済大もオフェンスリバウンドを掌握して譲らない。27−38で後半へ。
すると3Q、ハーフタイムで「もう一回ここから、一からやろう」と話したという中京大が反撃を図った。#11杉本の速攻やジャンプシュートが決まり、前半飛び込まれていたディフェンスリバウンドもきっちりと抑える。開始5分経たずに逆転すると、逆に点差を広げていく展開となった。焦りも見える日本経済大は前半よく決まった外のシュートが再三リングに弾かれ、いらないファウルもかさんで#17李(3年・C)や#30サンブが4ファウルに。48−42で4Qに入るとすぐに#30サンブが退場となり、立て直すのが難しくなった。その間に中京大は内外で得点し、ディフェンスを翻弄。68−53で1回戦を突破した。
九州王者としてインカレに乗り込んだ日本経済大だったが、悔しい逆転負けとなった。リバウンドでは勝り前半は外のシュートもテンポよく決まったが、ファウルトラブルによりインサイドに起点を作れなかったことが手痛かった。それでもスタメンは5人中4人が3年生。再スタートを切り、来季こそ全国の舞台で結果を出してほしい。
粘り勝ちとなった中京大。勝因は「自分たちのやるべきことができた」ことだと#11杉本も話す。これまでインカレの舞台ではどこか固さもあって結果を残せないもどかしい年が多かったが、今年はまず初戦突破。続く天理戦でも実力を発揮できるか注目だ。
写真:スタメンの中で唯一の4年生だった#9中嶋。序盤から攻め気が光った。
※中京大・杉本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【東海大九州は3年連続で天理越えならず】
3年連続1回戦で同じ顔合わせとなった関西1位の天理大と九州3位の東海大九州。東海大九州はスコアラーであり司令塔であるチームの要、主将の#7古閑(4年・PG)をケガで欠く事態となり、下級生主体で戦う状況となった。天理大が立ち上がりからインサイドの#6オジュワン(2年・C)の高さを活かし、インサイドで得点。リバウンドからダンクも見せるなど強さを発揮した。東海大九州はアウトサイドが中心。#5北村(3年・SG)を皮切りに、#21谷里(1年・SF・旭川大高)、#6小澤(1年・SF・福翔)が3Pを決めていく。1Qは14-26と天理大リード。2Qもアウトサイドに頼る東海大九州に対し、天理大が確実に#6オジュワンで得点していき33-45とリードを広げた。
3Qに入り天理大は#18相馬(4年・SF)の3Pもあってやや東海大九州を引馬なしにかかる。しかし10点の差を跳ね返したのはやはり3P。東海大九州はオープンな状態から外を打ち続け、#5北村、#21谷里、#6小澤と4本の3Pで追い上げる。天理大はシュートのミスが続き、最後は東海大九州の#5北村がゴール下をねじ込んで51-55と4点差に詰めた。4Qの立ち上がり、#15木寺の3Pで東海大九州は1点差。しかしここからのオフェンスが続かなかった。東海大九州の外が落ち始め、かろうじて得たフリースローで試合をつなぐ展開に。天理大も開始すぐに#61新里(3年・SG)の速攻を最後に沈黙。何度もシュートを落とす場面が続き、数点差のまま膠着状態に陥った。3点差で迎えた終盤、悪い流れを断ち切ったのは天理大#18相馬。1:45に決めたシュートで5点差にすると、その後は東海大九州に追い付かせず60-68で試合終了。悪い流れの中でも1回戦を勝ち切った。
「シュートが入らなかった」という天理大・相馬。初戦の固さもあったようだ。しかしこの日は天理大の戦い方はまだほとんど見せていないと言う。次戦以降に本領発揮となるか。
東海大九州は4Qの頭で天理大を追い詰めたものの、その後が続かなかった。外に頼るスタイルだが入らない時間帯が長すぎた。しかしアグレッシブな姿勢は目立ち、ルーキーながら小澤、新里がチームに大きく貢献した。古閑の欠場は痛かったが若いチームだけに先を楽しみにしたい。
写真:3Pで流れを引き寄せた東海大九州・谷里。
※天理大・相馬選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【点の取り合いを専修大が制し富山大を下す】
1回戦で岩手大を破った富山大は、同じく1回戦で常葉大を下した専修大と対戦した。
立ち上がりは完全に専修大ペース。固い守りで失点を許さず、#47藤田(3年・C)のインサイドや、#24田代(2年・SF)が外からゴールを射抜いて開始4分3−13とスタートダッシュを切った。しかし富山大も#11田中(2年・G)がスティールから速攻を決め、#33苗田(1年・北陸・F)らの3Pも決まり出す。すると25−32で入った2Q、専修大は宇都(4年・G)が足を痛めて一時ベンチに下がり、その間に富山大が#11田中のドライブなどで1点差を縮めた。専修大はコートに戻った宇都の連続得点で再び11点差まで広げるも、富山大もそこで崩れず、点の取り合いに真っ向から対抗して一桁差でついていく。46−53と7点差で試合を折り返した。
試合が動いたのは3Q。相手のゾーンディフェンスにもひるまず、専修大は#24田代が3連続得点。#11宇都の速攻も加勢し、開始5分経たずに大きく20点差をつけて優位に立った。富山大も個人技が光りじわじわ差を縮めたものの、4Qに10点差まで詰めてからの1本がつながらない。得点はコンスタントに獲り続けたがディフェンスで専修大#11宇都を止められず、そのまま105−94で試合終了となった。
ディフェンスが持ち味の専修大にとってはややハイスコアすぎる試合となったが、#11宇都や#24田代といったスコアラーがよく機能。昨日に引き続き地方勢の挑戦をはね除け、まずはベスト8入りを果たした。富山大は5人の能力も高く魅せるシーンも多々あったが、またしても2回戦の壁は敗れず。挑戦は来季へ持ち越しとなった。
写真:専修大・大澤は途中出場でアウトサイドを決めていった。
※富山大・田中選手、苗田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【大東大は後半に失速、筑波大がベスト8へ】
2回戦のもう1試合、筑波大と大東文化大の戦いは前半こそ先が見えない状態だったが、後半に大東大が失速する形となった。
立ち上がりは大東大がアグレッシブに攻め立てる。#30鈴木(4年・SG)の3Pをはじめ、#28兒玉(3年・PG)の速い攻撃にスティール、#8戸ケ崎(4年・F)も強いフィジカルを活かして#32武藤(4年・C)に攻めさせない。筑波大は#21笹山(3年・G)が#92村越(2年・PF)を活かすゴール下へのパスを次々に出して対抗。互いに譲らない1Qとなった。1Qを15-18として2Qに入り、パスがまわる筑波大に対し、大東大は#1高橋(3年・SG)、#7渡部(2年・F)の3Pが決まり、#8戸ケ崎もこぼれ球を拾ってシュート。筑波大は変わらず#92村越が好調なほか、#32武藤も内外で得点が出始める。筑波大は5分でベンチから入った#10山田(3年・SF)がシュート、リバウンドで貢献。5点差にされた大東大はタイムアウトで流れを止めるが、開始後の攻撃が重い。筑波大はここで#14坂東(3年・SG)にようやく当たりが来てチームに勢いをもたらすと、29-35とリードして前半を終えることに成功した。
これ以上離されたくない大東大だが、3Q開始頭に#21笹山が3P1本を含む3連続得点で一気に筑波大が10点以上のリードを奪う。大東大は#86小野寺(4年・C)のオフェンスリバウンドや#8戸ケ崎の2本目の3Pが沈み、なんとか追い上げのきっかけを作ろうとするが、筑波大は流れを渡さず差を広げていく。大東大はファウルやディフェンスに囲まれてトラベリングを出すなどミスが続き、3Qで42-59と17点ものビハインドを負った。4Qも筑波大は優位に試合を進め、大東大は攻撃が単発に。筑波大は終盤控えも出場させ、59-85で勝利。ベスト8へと駒を進めた。
大東大は前半こそ良かったが、後半に勝負についていけなかった。攻撃を引っ張った鈴木も「後半は体力的に動けなかった」と、足りない部分があったのを認める。今年は試合経験の少ない若いチームであり、そこが不安視されてもいたが結果的に良いシーズンとはならなかった。この逆境を経験した分「後輩たちがやってくれる」と鈴木。来期以降の成長を待ちたい。
筑波大は前半こそ大東大のディフェンスの前に重い部分があったが、笹山のアシストが効いて大東大のディフェンスを翻弄。次第に流れを掴んだ。ベスト4の壁を敗れるか、次が勝負だ。
写真:ゴール下でうまく得点していった筑波大・村越。
※大東文化大・鈴木選手、戸ケ崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「懸ける想いも去年までとは全然違った。勝ちたかった」
後輩たちに託す悲願の関東越え
◆#41小辻一輝(札幌大・4年・F)
インサイドの栃本とともに、チームの柱を担ってきた小辻。アグレッシブな姿勢と高い得点能力が光るチームのキーマンだった。今の4年生は下級生の頃から試合に出て経験を積んできた代であり、今シーズンは昨季とほぼ変わらないメンバー。それだけに「結果を残したかった」と、小辻も試合後の表情には悔しさが滲んだ。打倒・関東を目標に掲げても、長いシーズン関東をイメージして戦い続けるのは口で言うほど容易くはない。4年生の悔しさを後輩たちが忘れずに受け継ぎ、またこの地に戻ってきてリベンジを果たしたい。
―途中で引き離される形になりましたね。
「そうですね。関東をイメージして練習はしてきたんですけど、やっぱりやってみると去年の明治戦と同じように、時間が経つにつれて体力の消耗とかがいつもより大きくて、思ったよりプレーできませんでした」
―地方で関東をイメージしてやっていくのは難しかったですか。
「はい。春と夏に2回関東遠征をして、あとは関東のチームが稚内とかに来るので合同で試合したりしたんですけど…リーグ戦とかで北海道のチームと試合していくと、やっぱり難しかったですね」
―拓殖大と戦ってみていかがでしたか?
「やっぱり体も強いし速いし高いし、正直結構ビビっていたんです(苦笑)。やっぱり関東の上位チームは上手いですね。序盤で結構競れたのも、相手も北海道なのでちょっとナメていたのかなと…(苦笑)。こっちも最初は気合い入れてやれて意外に戦えるかなと思ったんですけど、やっぱり大垣選手(拓殖大#14)の3Pも良いところで決まったし、力の差は感じましたね。隙はあるはずだと思っていたんですけど、やっぱり関東は関東で、強かったです」
―自分個人の出来はいかがでしたか?積極的に攻めていましたが。
「最後の年なので、思いきりいこうと。でもドライブは結構行けたんですけど、思ったようにはシュートも入らなくて…。去年もそうでしたが、強いチームと戦うときはひとりでやっちゃうと最終的に崩れてしまうし、やっぱりチームでもうちょっと戦えればまた違ったのかなと思ってから思いますね」
―下級生の頃から試合に出ていましたが、4年生になって最後のインカレに懸ける思いは違いましたか?
「そうですね。去年までとは全然違いました。4年生になるとやっぱり。いやー…勝ちたかったです」
―去年も3年生以下が主体でしたね。
「そうです。4年生はいたんですけどベンチには入ってなかったので、3年生が主体で。自分たちの代はみんな1年生とか2年生のときから試合に出ていたし、佐久本さん(コーチ)がしっかり4年間見てくれた代だったので、余計に結果を出したかったですね」
―下級生の頃から主力を担ってきて、苦労した点はありますか?
「やっぱり北海道で良い選手がいてもみんな関東とかに出てしまうので、自分たちは高校時代そんな有名だった選手もいなくて。それがポンと大学に来ていきなり主力として全国大会とかに出るのは、最初は戸惑う部分もありました。でも佐久本さんのつながりで結構強いチームとも練習試合とかができて、みんなも4年間で徐々に自信をつけたんじゃないかと思います。自分たちでも意外とやれるんじゃないかと」
―自分自身もやれるなという手応えはあったのでは?
「いや、まぁほんのちょっとですけどね(笑)」
―今年1年間を振り返っていかがでしたか?
「メンバーに4年生がすごく多いので、チームは結構まとまっていたと思います。でもこうやってインカレで戦ってみて、やっぱり強いチームに必要な部分、細かいところとか声とかが足りなかったのかなと。ディフェンスのローテーションとか、リバウンドをとったあとの切り返しとかも関東のチームに比べたら全然違ったし、自分たちは小さいのでもっと走りたかったんですけど、逆に相手に走られてアリウープを決められたりして。こういう結果になって納得はいってないですね」
―札幌大での4年間はいかがでしたか?
「すごく楽しかったですね。4年生が多くてみんな仲も良かったので。仲が良すぎて厳しいことを言えないとか問題になったこともあったんですけど、でも本当に楽しかったです。まだオールジャパン予選も残っているので、最後は勝って華々しく4年間を終えたいです」
―後輩たちに自分が伝えられたことは何だと思いますか?
「今日全然シュートは入らなかったですけど、でも関東相手でも攻め気を見せれば結構できるという部分は見せられたと思います。今年は後輩たちを出させてあげることがあまりできなかったですけど、またインカレに戻ってきて関東に勝ってほしいですね。期待しています」
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「相手がどうこうよりも、やってきたことをすべて出す」
追究してきた自分たちらしさで逆転勝利の1回戦突破
◆#11杉本 慶(中京大・3年・SG)
普段からディフェンスをメインに練習しているという中京大。その言葉通り、要所で相手の得点を停滞させ、ディフェンスから速攻の形でリズムに乗った。またオフェンスでは、得点能力の高い杉本の活躍も大きい。シュート力やテクニックはもちろん、ここぞという場面こそ強気に攻めるタフなメンタルを持つ選手だ。ここ数年あと一歩のところで涙を飲んできたものの、今年はなんとか1回戦突破。2回戦の奮闘にも期待したい。
―逆転勝利となりましたね。
「そうですね。僕らは全国の経験も少ないので『固くならんとこ』とみんなで言っていたんですけど、やっぱり出だしが固かったんかなと思います。自分らのやるべきこと、ディフェンスをやって走ることはまず最低限やってから、それからそれぞれのできることをやろうということでゲームに入りましたが、実際1Qはそれができなかったと思うし、ディフェンスの声も出せずにやられてしまいました。でも後半巻き返せたのは良かったと思います」
―後半うまく切り替えましたが、その要因は?
「前半を終えて点差はちょっと負けていたんですけど、3Qが始まる前にロッカールームで『もう一回ここから、一からやろう』という話をして。それで気が引き締まって、やるべきことができて、逆転できたと思います」
―確かに後半はディフェンスが良かったですね。やっている側としてはどうでした?
「やっぱり僕らはそんなに身長があるわけではないので、ダブルチームとかローテーションが絶対に必要で。そういうディフェンスの連携も3Qはすごく声が出ていたので、やっていても楽しかったです」
―日本経済大はインサイドの大きいチームですが。
「はい。そこがファウルトラブルになったのは大きかったですね。ただインサイドがどうとかはあまり意識していなかったです。相手がどうこうよりも、やってきたことをすべてやろうと。4年生がひとりもベンチに入れていない分、試合は自分たちが『こんな練習をしてきたんだ』というのを見せなきゃいけない場だと思ったので。特別な対策というよりは、自分たちのやるべきことをやっただけですね」
―中京大は3年生以下のチームなんですね。
「ほかにも4年生はいるんですけど、膝の靭帯を怪我してしまって、復帰したばかりで間に合わなかった4年生もいて。だから3年生として、そういう4年生の思いも背負って戦おうと思っていました」
―インカレには個人的にどういう気持ちで臨みましたか?
「一昨年のインカレは富山大にブザービーターで負けて、去年は日体相手に、出だしから固くてやるべきことがやれずに、最後追い上げたんですけど負けて。そういう悔しい思いがあったので今年は絶対に勝ちたかったし、相手がこれをやるからこうだ、ではなくて、自分が一年間やってきたことをまず披露しようと思っていました」
―普段の練習はどういうことをやってきているんですか?
「やっぱりディフェンスを重視した練習ですね。ローテーションとか、一線の間合いとか。ディフェンスをメインにやって、オフェンスは結構自分たちのやりたいように思い切りやったらいいという感じです」
―オフェンスは杉本選手の貢献度も大きいですね。自分個人の調子はいかがですか?
「自分も結構固くなっていて、今日も1Qでエアーシュートとか打っていたので…。80点、いや70点くらいかなと思います。明日は1Q目からしっかりシュートを決められるように頑張りたいです」
―東海地区では2位になりましたが、リーグ戦での戦いはいかがですか?
「最初は不安も大きかったです。常葉大にも外国人選手がいますし、愛知学泉大にもリーグ戦の1巡目でボコボコにやられていたので。でも勝ちたいという気持ちはあったし、4月の愛知県大会では愛知学泉大とも接戦になったので 自分たちがやるべきことをしっかりやれば勝てるし、やれなかったら逆に学泉や常葉にも負けてしまうと思っていました。だからハラハラはしましたけど、同じくらいワクワクもしていて、楽しかったですね」
―やるべきことをやれる試合とやれない試合で波があるんでしょうか。
「そうですね。でもみんなでそこは言い合って。やるべきことがやれない試合は、オフェンスもディフェンスも1対1しかやらなくなってしまうので、そういうことがもう起きないようにとは意識しています」
―でも3年生以下のチームですし、そういう波もなくなって安定してくれば、来年も十分戦えるチームかなと思いますが。
「そうですね。でも今は来年のことはまだ考えられないですね。今はやっぱり、目の前の試合に集中して。4年生が引退してから考えようと思います」
―次の試合、天理大となればまた相手に大きな選手がいますが。
「そうですね。でも僕らはどのチームと戦ってもほぼ相手チームのセンターが大きいので、わりと慣れているというか。また声を出して全員でディフェンスしていきたいですね」
―こうして東京に来て、代々木体育館で試合するというのはいかがですか?
「やっぱり代々木独特の雰囲気みたいなのがあって、すごく楽しいですね。高校のチームメイトとかも関東にいて、昨日も中東としゃべったりしました。そういうのも楽しいですね」
―そういう人たちとも対戦したいですね。
「そうですね。ひとつでも多く勝ち上がれるように頑張りたいです」
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「自分がしっかりリーダーシップを発揮したい」
天理らしく、を掲げ最後のインカレに挑む
◆#18相馬卓弥(天理大・4年・SF)
3位に食い込んだ2011年にはまだ下級生だった相馬も今年は最上級生。最後のインカレにかける気持ちは強い。
初戦の固さがあったというこの試合では「シュートが決まらなかった」と反省しきりだ。しかし、最後に勝負を決定づけるようなシュート決めたのはさすが。ここから先の戦いのためにまだまだ見せていない手の内もある。どういった「天理らしさ」を見せてくれるのか、まずはベスト8突破が目標だ。
ー3年連続東海大九州との対戦でしたが、古閑選手がケガで出ませんでしたがほかに注意していた点は。
「走られないことを意識していましたね。全員がディフェンスが徹底できていなくてやられた部分があるんですが。2点はいいけど、3ポイントはケアしようと言っていたんですけど、向こうはファイブアウトで3Pを打たれたのが反省点かなと思います」
ー天理大の方はなかなかシュートが入りませんでしたね。
「初戦というのもあって固かったですね」
ーゴール下はオジュワン選手(#6)でうまく点を取っていたかなと思いますが。
「そうですね。でも最後はインサイドに頼りすぎて、外から全員が思い切りシュートを打っていかなかったですね」
ー10点リードしていた時点ではこれはいけるなという感じでしたか?
「シュートは絶対途中から落ちてくるのは分かっていたので、そこでリバウンドを取ってディレイゲームをしていけば負けることはないと思っていました」
ーしかし4Qで追いつかれてしまった。
「ほぼアイソレーションで打ってきていたので、そこは3点をケアしきれませんでした。そこはもっとインサイドとコミュニケーションを取らないといけないなと思います」
ー最後は相馬選手がねじ込んだのは大きかったと思います。
「最上級生として、4回生がひとりしかコートに出ていなかったので気持ちですね。最後はチームを引っ張ろうと」
ーチーム的に若い部分はありますが不安はありませんか?
「リーグ戦も西日本もこのチームでやってきたのでそんなに不安はありませんが、もっと自分がしっかりしないといけないと思っています。明日以降の試合では自分がしっかりリーダーシップを発揮して頑張りたいです」
ー相馬選手の調子としてはここまで練習も含めどうですか?
「インカレに合わせてやってきました。今日はまだまだでしたが明日、明後日と試合は続きますし、今回の反省点を明日の試合で修正して、徐々に上げていきたいですね」
ーディレイドが基本の天理大ですが、今日の試合を見ていると今までより結構走る場面が目立ちますね。
「そうですね。ディレイゲームをできるところはやって、走るところは走るということでやっています。そこが今までの天理と今年が大きく違うところです。先生も今年は走れるところは走っていいよと言ってくれています」
ーあとは昨年は近畿大と1回戦で対戦して負けてしまいましたが、あれから比べるとオジュワン選手はだいぶ上達したように見えます。
「そうですね。トレーニング期間なんかも徹底して一緒にワークアウトもして体も作ったし、コンディションもいい感じになってきましたね」
ー次はベスト8がかかりますね。
「まずは明日の中京にしっかり勝ちたいです。走られないということを徹底したいし、イージーシュートを落とす場面が多かったのでそこはしっかり決めて、天理大らしいバスケで戦いたいですね。まだ今日はいろいろ使っていない戦術もあるので、明日以降に本領発揮できればと思います」
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「強い体がないとこの身長じゃ負けるなと思った」
生き残るために切り拓いてきた道のり
◆#8戸ヶ崎 祥一(大東文化大・4年・F)
ディフェンスやリバウンドなど、泥臭い部分が持ち味だった。3年生の頃までは主力だった上級生たちを、最上級生になった今季は思いきりよくプレーする下級生を粘り強く支え続けた。その仕事人としての渋い働きは、ミニバス時代からハイレベルな環境に身を置き、自分が試合に出るためにはどうすればいいのか考えた末に自ずと身についたプレースタイルだという。多くを語るタイプではないが、そうした背中は後輩たちにとっても良いお手本となったはずだ。
―試合を終えてどんなお気持ちでしょうか。
「悔しいの一言ですね。今年1年やってきてトーナメント、リーグ戦と結果が出せなかったので、最後のインカレは4年生の力で結果を出そうと思って。入れ替え戦から切り替えて臨んだんですけど、やっぱり4年生の力が足りなかったのかなと感じています。でも3年生以下もみんな頑張ったし、今日の試合はみんな力を十分出せたかなとも思いますね」
―筑波大はリーグ戦も1勝1敗ですし、相性は悪くない相手かなと。戸ヶ崎選手も武藤選手をよく抑えていましたね。
「やっぱり筑波は武藤(#32)と坂東(#14)を止めることが鍵になるチームかなと思っていました。でも前半とかは少し手応えもあったんですけど、やっぱり最終的には結構取られてしまって…。40分抑えることができなかったですね」
―フィジカルでは負けていなかったと思いますが。
「そうですね。最初はフィジカルでぶつかり合ってやっていたんですけど、途中から向こう(武藤)も攻め方を変えてきて、外から1対1とか仕掛けてくるようになりました。それに対応しきれなかったのが反省点ですね」
―あとは、逆に大東大のオフェンスが停滞してしまった時間帯がありましたね。
「はい。オフェンスが途中止まってしまうのは、今シーズンずっと課題だったんですけど…やっぱり難しかったです」
―大会全体を振り返ると、初戦は固かったのでは。
「入れ替え戦から切り替えてはいたんですけど、初戦はギリギリ勝った形で、正直もっと点差を開いて勝てた試合だったと思います。でも今日の試合は、これに勝ったらオールジャパンというのもあったし、みんなチャレンジャーとして向かっていくだけだったので、自分たちの力は出せたかなと。ただ結果が出なかったのは純粋に力の差があったのかなと感じました。そこは悔しいです」
―今シーズンは昨年の4年生がごっそり抜けて、春から苦労もあったと思いますが。
「正直めちゃくちゃ苦しかったですね。練習もずっと去年よりキツいことをやっているのに、それでも結果が出ない日々が続いて、モチベーションとかもみんな下がってきて…とにかく厳しかったです。4年生としてもいろいろ力が足りなかったし、苦しかったですね」
―大東文化大での4年間はいかがでしたか?
「大東に入ったことは良かったです。去年も一昨年もその前の年もすごく良い先輩たちに恵まれたし、1年のときに1部に上がって、2年3年と1部でやれてオールジャパンまで行けたので。自分が試合に出たのは去年からですけど、やっぱりいろんな経験を先輩たちにさせてもらったなと思います。だからその分、今年は自分たちが後輩にそういう経験をさせてあげたかったんですけど…できなかったのは自分たちの責任ですね。4年生の力が至らなかったなと感じます」
―戸ヶ崎選手は下級生の頃はほとんど試合に出ていませんよね。それでも急に出てきて、1部のインサイドともやり合えていたのがすごいなと。
「最初の2年間はとりあえず体作りだと思って。ずっと体を作ってきて、それが良い方にいきましたね」
―それは後輩たちにも伝えられましたか?
「そうですね。インサイドの4番、5番ポジションはやっぱり力がないと勝てないじゃないですか。自分がこの身長でもなんとかやれているのは、絶対にトレーニングの成果だというのは後輩たちも分かっていると思うし、結構自主的にウエイトする選手も今年増えてきたので。来年につながってくれればいいなと思います。後輩たちにはなんとしても1部に上がってほしいですね。それだけです」
―トレーニングの大切さにはいつ気付いたんですか?
「高校の時もやっていたんですけど、大学に入学してからより必要性を感じました。ディフェンスにしてもリバウンドにしても、強い体がないとこの身長じゃ負けるなと思って。それでやり始めましたね。まぁそれでジャンプ力はなくなりましたけど(苦笑)。でも良かったかなと思います」
―戸ヶ崎選手の泥臭いプレースタイルは、誰かから教わったものなんですか?
「もともと自分はバスケットを始めてから、まわりが上手い人ばかりだったんです。ミニバスでは明治の目健人(#2)や筑波の西村(#6)がいて、中学(太平中)に上がってさらに池田(筑波大#35)とか矢嶋(慶應義塾大#10)も入ってきて。自分がそんなに得点能力のあるプレイヤーではないというのは分かっていたので、泥臭い感じのプレイヤーにならないと試合には出られないなと感じていました。それで自ずとそっちの方向にいきましたね」
―強豪のミニバスチームですよね。どうしてそこに入ったんですか?
「自分は明治の目健人(#2)と同じ小学校で、最初に健人がガリバーというミニバスのチームに行っていたんです。それで親からバスケやってみればと誘われて最初は普通に近くのミニバスに行こうと思ったんですけど、知り合いが全然いなくて、それなら健人のいるガリバーに行きたいなと。そうしたら、ここまで来ちゃいました」
―厳しい環境のなかで、自分が生きていく道を見つけてきたわけですね。
「そうですね。ほんとたまたまだったんですけど。試合にも出られたし、良かったかなと思います」
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「ガードとして引っ張りながらやらなきゃいけない」
芽生えた自覚でチームをあと1歩先のステージへ
◆#11田中英太(富山大・4年・G)
下級生ながらチームの司令塔を務め、この日は自身も果敢にリングにアタックして19得点4アシストの活躍。サイズではミスマッチとなるが、スピードあふれるシュートやドライブは十分に通用していた。昨シーズンに比べより堂々とした姿で味方を引っ張る姿勢が増えたのは、昨年の4年生エースが卒業し自覚が強く芽生えたからだという。自分たちで練習メニューを組み立てチームみんなで自主性を持ってやっていく富山大では、そうした気持ちの部分が今後のチームの伸びを左右するだろう。ベスト16のあと1歩先へ進めるか、ここが新たなスタート地点だ。
―試合を振り返っていかがでしたか?
「オフェンスの部分は結構やれている気がしたんですけど、リバウンドが全然取れてなかったなと。スクリーンアウトをして取ろうとしたんですけど、あまりうまくいきませんでした。どちらかというとうちは走って点をとりたいので、ディフェンスリバウンドが取れなかったら速攻も出せなくて。そこが課題となった試合でした」
―通用したオフェンスの部分というのは?
「わりと個人技では1対1とか行けていたかなと。でもやっぱり個人個人では勝てないですし、チームでしっかりやらなきゃと思いました」
―今年、メンバーはずっと固定でやってきた形ですか?
「そうですね。ずっと同じメンバーで、大変ではありますけどやりやすさもありました」
―宇都選手(#11)をはじめ、専修大の印象はどうでした?
「やっぱりしっかりやるところはやるなと。上手かったです。ゴール下とかでもすごく落ち着いていたので、そこが違うなと思いました。自分たちは慌てちゃうときもあるので」
―2年目のインカレでしたが。
「去年ベスト16で終わっているので、その1個上のベスト8を目指してやっていたんですけど…やっぱり壁は厚かったです。でもやることはいつも変わらないですし、自分たちのプレーが出せれば通用した部分もあったなと思いました」
―初出場だった2010年から、4年連続で1回戦突破ですね。
「そうですね。うちは毎回運良く関東のチームではないところと当たっているので…(笑)。もう一試合勝ちたいんですけどね。あと1歩が。ディフェンスとかリバウンドとか、そういう細かいところだと思います。詰めてもまた離されて、詰めてもまた離されてという感じなので、そこでもう1歩追い抜けるような力をつけたいです」
―自分個人としてはいかがでしたか?通用した部分もあったのではと思いますが。
「そうですね。ドライブとかは思いきりよくできたかなと思います。あとは3Pが入らないので、そこは練習しかないかなと思います」
―ガードとして心掛けていたことはありますか?
「やっぱり声かけですね。誰かがミスしたあととか雰囲気が悪くならないように、まわりに声をかけてやるように意識していました」
―去年のインカレは1年生で必死な感じが伝わってきましたが、今年はだいぶ頼もしくなったように感じました。
「ちょっと引っ張っていく側になったんですかね(笑)。去年はやっぱり北陸の先輩2人、湯浅さんと志村さんがいたのでそこに頼っていたんですけど、その2人が抜けて、自分はガードでもあるので引っ張りながらやらなきゃいけないなと思うようになりました」
―下級生でガードを務めるのは大変ではなかったですか?
「いや、そんなに…。言いたいことは遠慮なく言っていいよという雰囲気だし、自分も言うようにしていたので。チーム的にみんな結構上下関係なく仲が良いので、やりやすいです」
―今年1年間は振り返っていかがでしたか?
「去年は結構個人技でやっていたんですけど、今年はそれだけじゃ勝てないからスクリーンをかけあってチームで戦うことを目標にしていました。でもいざ試合になったら個人個人になってしまっていたので、もっとスクリーンとかでノーマークを作れたら良かったなと思います」
―富山大は以前、佐藤雄太郎選手(11年度主将・現NBDL大塚商会)が練習メニューも自分たちで組み立てていると言っていましたが、それは今でも?
「はい。基本自分たちでキャプテンと一緒に決めて、たまに先生も、という感じです。みんなで『この練習した方がいいんじゃないですか』とか話し合いながらやっていく感じですね」
―それは高校と全然違うでしょうね。
「そうですね。でも自分的には、高校のときは怒られるのが怖くてミスするとベンチを見たりしてしまったんですけど、今はそういう風に自分たちでやっているので、結構自由にのびのびプレーできていると思います」
―来年もメンバーがほとんど残りますね。来季に向けてはどんなところを頑張りたいですか?
「やっぱりこの冬場でしっかり筋トレしてフィジカル負けしないようにすること。あとはまだチームプレーができていないので、しっかりチームプレーをやっていきたいなと思いました。あとはディフェンスですね。やられすぎなので。ディフェンスやリバウンドももっと強化していきたいです」
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「来年につなげられるように」
課題を持ち帰りさらなるレベルアップへ
◆#33苗田剛汰(富山大・1年・F・北陸)
1回戦で26得点、2回戦も専修大に破れはしたが3本の3Pを含む28得点のチームハイだった苗田。北陸高校時代から全国に名を知られた期待のルーキーは、大学界でも物怖じせず華のあるプレーを披露していた。まだ体の線は細いが、巧みな1on1や勝負強いシュートなど能力は十分に感じさせる。「試合に出て強いチームに勝ちたいと思った」というチャレンジャー精神で富山大に入学したという彼が、これからの富山大を引っ張る存在となるか。
―専修大とやってみていかがでしたか?
「身長とかでは負けているのでリバウンドとかもボックスアウトしてカバーしようとしたんですけど、一人ひとりできていなかった部分があるかなと。それは反省点ですね。でもみんなで結構良い試合ができたのは良かったと思います」
―課題はリバウンドですか?
「リバウンドと体の強さの部分です。吹っ飛ばされまくりだったので(苦笑)」
―個人的に通用したところはどんなところですか?
「通用したのは、1対1の部分とかスクリーンからの合わせのスリーとか、そういう部分だと思います」
―連携プレーも噛み合っていましたね。
「秋の大会が終わったときはできなかったんですけど、そこからもっとフレアとかスクリーンを使って動こうという話をして、いろんなチームと試合をしていくなかで練習してきました。その成果が出てきたのかなと思います」
―専修大の宇都選手とマッチアップする場面もありましたが、いかがでしたか?
「能力とかでは負けているし、1年生と4年生だし、チャレンジャーとして戦うしかないという気持ちでやっていました。でもやっぱり上手いですね、全然うまいです(苦笑)」
―初めてのインカレには、どんな意気込みで臨みましたか?
「チャレンジャーとして、でも本気で勝つ気で、関東のチームとかも倒すつもりで来ました。それにうちは3年生以下の下級生チームなので、来年につなげられるようにという思いもありました」
―富山大は過去、AチームもBチームもなく和気あいあいと練習しているという話でしたが、それは今もなんでしょうか?
「そうですね。最近は人数が増えてきているのでBチームと分かれてやることもあるんですけど、ほとんどの練習は分けてやらずにみんなでわいわいやっています」
―そういう点では高校とのギャップも感じたのでは?
「全然違います。高校のときはAとBと完全に分かれていたので。今は普通に初心者の人とかも一緒にみんなでやる感じなので、そこは高校と違って驚きました」
―大学に入って最初のシーズンはいかがでしたか?
「高校と比べて練習量が減るので、そこで自分を追い込めてないというか…。体力がなくて4Qで全然動けなくなるし、トレーニングも足りないし、そのあたりは課題ですね」
―メンバーが3年生以下で、来年も同じメンバーですね。ここから1年はどういうことを頑張りたいですか?
「冬の間にもっと体を作りたいです。来年もまた同じチームなので、もっとプレーの幅を広げていきたいです。センターとかも使えるように、バリエーションを増やしていきたいです」
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「今年の試合はすべて印象に残っている」
悔しさはあるが、戦い続けた1年に幕
◆#30鈴木友貴(大東文化大・4年・SG)
アグレッシブに仕掛けて攻撃を引っ張った鈴木。後半に得点が止まってしまったがそれでも攻める姿勢は見せていた。入れ替え戦で降格したチームにとってはインカレでの戦いは難しいもの。それでも前半は存分に見せてくれた。
結果を出せなかったという点では悔しい1年だっただろうが、その最後の1年がもっとも印象に残るという。下級生の頃はバスケットへの取り組みが甘かった時期があると言い、試合にも絡んでこなかった。しかし昨年、今年と存分に見せてチームを引っ張ったのは印象的だ。続くバスケット人生でさらに花開いていって欲しい。
ー前半は気持ちの入ったプレーが続いていて、いい展開だったのでは。
「坂東(#14)のところがポイントになってくるのはわかっていて、そこを抑えることはできました。ディフェンスから気持ちが入っていたのでオフェンスでも良かったんだと思います。後半は疲労から足が動かなくなったのもあるし、自分的にオフェンスが重くなってしまいました」
ー筑波大はリーグ戦で1度勝っている相手ですが、そういう面ではやれるという気持ちでしたか?
「そうですね。1勝1敗だったので。2敗していなかった分、勝ったときのイメージもわいていました。でも毎回オフェンスが重くなるのが課題で、それが今日も出てしまいました。1対5になる時間が長かったです。ガードが長く持ちすぎると悪くなるというのはあったんですけど、そうなってしまいました」
ー重くなるというのはチームとして改善には取り組んでいたのですか?
「練習では結構できていたんですけど、試合になるとインサイドで得点できなくなって、ガードの兒玉(#28)や自分、永井(#55)が持つ時間が長くなってしまうんです」
ー入れ替え戦もありましたが、その後の練習はどうでしたか?
「降格したあとはかなり気持ちも落ちて、インカレのことも正直考えられなかったですね。今年1年間トーナメントでもリーグ戦でも結果が出ていなくて、それで2部に落としてしまいました。インカレは何か4年生でチームに残そうと話をして、筑波に勝ってオールジャパンに出ようという話はしていたんですけど、ダメでした」
ー鈴木選手にとっては昨年も出ていますが、今季はずっと出続ける形でしたよね。
「去年もスタメンの試合はあったのと緊張するタイプじゃないし、すんなり入れてはいたんですけど、まわりのメンバーがガラッと変わってしまって。戸ケ崎(#8)くらいですよね。それでまわりに経験もなかったし、勝てなかったのはそれはあるかもしれません。勝ち方がわからないというか。兒玉とかも去年は出ていない分それはわかっていて、自分にいろいろ言ってきたりするんですけどあまりうまくいかなかったですね」
ー逆に捉えれば下級生には経験になったシーズンだったと言えるかもしれないですね。
「そうですね(苦笑)。4年生は4人しかいなかったんですけど、ほかはみんな残ります。高橋(#1)、兒玉、平得(#88)、山崎(#99)、花井(#68)、北村(#13)も。来年は多分やってくれると思います」
ーでは少しでも後輩に伝えられたことはありますか?
「チームとしては今年はバスケット以外のところ、私生活も厳しく言われてきたし永井を中心にやってきました。それは以前の大東と比べたらぜんぜんいいと思います。去年よりも。そういう面がバスケットにつながってくるんじゃないかと思います」
ー大東で4年間やってきてどうでしたか?
「最初の2年はいろんなことが重なって、バスケットとは違う方向にいろいろ逸れた時期もありました。腐りそうになったんですけど、西尾さんが引っ張ってこっち(バスケットの方)へと連れてきてくれて、3、4年で頑張ってなんとかここまでこられました。でも入れ替え戦で法政大に負けたときは高田(#0)に自分がついて30点ぐらいやられて、この試合も武藤のところにやられて、4年間の頑張りの差が出たのかなと思います。悔しいですけど、後輩も本当に明るいし、先輩も優しかったのでやってきて良かったです」
ー一番印象に残っている試合はいつですか?
「今年のほとんどの試合ですね。今年は中心でずっとやってきて、10連敗も経験したし今までにない経験でした。つらかったですけど、ほかのチームの人が経験できていないことを経験できたとプラスに捉えたいです」
ー後輩たちにはどうなって欲しいですか?
「2部に落としてしまったので1部に上げて欲しいですね。簡単なことじゃないですけど、1年間で上がるのは」
ー大東らしいいい部分もあったので、そこを伸ばして欲しいですね。
「そうなんですよね。でも試合中もいい時間帯が途切れ途切れになって、続かないんです。でも兒玉はしっかりしているので大丈夫だと思います。自分たちは悔しいですけど終わってしまったので、そこは期待するしかないです」
地方勢では天理大、中京大が1回戦突破

早稲田大と倉敷芸術科学大の試合は、序盤で大きく差を開いた早稲田大がベンチメンバーも多く起用して快勝した。倉敷芸術科学大も後半に進むにつれ動きも良くなり、主将の#30濱高(4年・G)やシックスマンの#26水本(3年・SG)が攻め気を見せたものの、49−102でタイムアップとなった。早稲田大は余裕を持って2回戦進出。ベスト8進出を懸け拓殖大と対戦する。
北海道1位の札幌大は拓殖大と対戦。昨年の主力がほぼ残りチームの完成度も高めてきた札幌大だったが、関東4位の壁は高かった。1Qこそ29−24と札幌大も5点差に食らいついたが、拓殖大は#23バンバ(1年・C・延岡学園)のインサイド、#14大垣(3年・SF)らのアウトサイドと内外で得点を重ねた拓殖大が点差をじわりと引き離す。札幌大は徐々に息切れする展開となり、92−62で試合終了となった。
写真:大東大はここで大会終了となった。期待できる選手は多く、来シーズンに結果を出してくれることを期待したい。
※札幌大・小辻選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【中京大が我慢の展開を乗り切り日本経済大に逆転】

先に抜け出したのは日本経済大だった。#9中嶋(4年・PG)と#1古野(3年・PG)が3Pを立て続けに決めてリズムを作ると、2Q序盤にはリードを二桁に乗せる。一方の中京大は#1石附(3年・PG)のシュートなどで食らいつくも、日本経済大の#30サンブを前になかなか得点が伸びずに追う展開になった。中京大は#91長友(3年・F)がブレイクを2本決め、さらに#56戸次(3年・C)がバスケットカウントを獲得して流れを変えたかに見えたが、日本経済大もオフェンスリバウンドを掌握して譲らない。27−38で後半へ。
すると3Q、ハーフタイムで「もう一回ここから、一からやろう」と話したという中京大が反撃を図った。#11杉本の速攻やジャンプシュートが決まり、前半飛び込まれていたディフェンスリバウンドもきっちりと抑える。開始5分経たずに逆転すると、逆に点差を広げていく展開となった。焦りも見える日本経済大は前半よく決まった外のシュートが再三リングに弾かれ、いらないファウルもかさんで#17李(3年・C)や#30サンブが4ファウルに。48−42で4Qに入るとすぐに#30サンブが退場となり、立て直すのが難しくなった。その間に中京大は内外で得点し、ディフェンスを翻弄。68−53で1回戦を突破した。
九州王者としてインカレに乗り込んだ日本経済大だったが、悔しい逆転負けとなった。リバウンドでは勝り前半は外のシュートもテンポよく決まったが、ファウルトラブルによりインサイドに起点を作れなかったことが手痛かった。それでもスタメンは5人中4人が3年生。再スタートを切り、来季こそ全国の舞台で結果を出してほしい。
粘り勝ちとなった中京大。勝因は「自分たちのやるべきことができた」ことだと#11杉本も話す。これまでインカレの舞台ではどこか固さもあって結果を残せないもどかしい年が多かったが、今年はまず初戦突破。続く天理戦でも実力を発揮できるか注目だ。
写真:スタメンの中で唯一の4年生だった#9中嶋。序盤から攻め気が光った。
※中京大・杉本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【東海大九州は3年連続で天理越えならず】

3Qに入り天理大は#18相馬(4年・SF)の3Pもあってやや東海大九州を引馬なしにかかる。しかし10点の差を跳ね返したのはやはり3P。東海大九州はオープンな状態から外を打ち続け、#5北村、#21谷里、#6小澤と4本の3Pで追い上げる。天理大はシュートのミスが続き、最後は東海大九州の#5北村がゴール下をねじ込んで51-55と4点差に詰めた。4Qの立ち上がり、#15木寺の3Pで東海大九州は1点差。しかしここからのオフェンスが続かなかった。東海大九州の外が落ち始め、かろうじて得たフリースローで試合をつなぐ展開に。天理大も開始すぐに#61新里(3年・SG)の速攻を最後に沈黙。何度もシュートを落とす場面が続き、数点差のまま膠着状態に陥った。3点差で迎えた終盤、悪い流れを断ち切ったのは天理大#18相馬。1:45に決めたシュートで5点差にすると、その後は東海大九州に追い付かせず60-68で試合終了。悪い流れの中でも1回戦を勝ち切った。
「シュートが入らなかった」という天理大・相馬。初戦の固さもあったようだ。しかしこの日は天理大の戦い方はまだほとんど見せていないと言う。次戦以降に本領発揮となるか。
東海大九州は4Qの頭で天理大を追い詰めたものの、その後が続かなかった。外に頼るスタイルだが入らない時間帯が長すぎた。しかしアグレッシブな姿勢は目立ち、ルーキーながら小澤、新里がチームに大きく貢献した。古閑の欠場は痛かったが若いチームだけに先を楽しみにしたい。
写真:3Pで流れを引き寄せた東海大九州・谷里。
※天理大・相馬選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【点の取り合いを専修大が制し富山大を下す】

立ち上がりは完全に専修大ペース。固い守りで失点を許さず、#47藤田(3年・C)のインサイドや、#24田代(2年・SF)が外からゴールを射抜いて開始4分3−13とスタートダッシュを切った。しかし富山大も#11田中(2年・G)がスティールから速攻を決め、#33苗田(1年・北陸・F)らの3Pも決まり出す。すると25−32で入った2Q、専修大は宇都(4年・G)が足を痛めて一時ベンチに下がり、その間に富山大が#11田中のドライブなどで1点差を縮めた。専修大はコートに戻った宇都の連続得点で再び11点差まで広げるも、富山大もそこで崩れず、点の取り合いに真っ向から対抗して一桁差でついていく。46−53と7点差で試合を折り返した。
試合が動いたのは3Q。相手のゾーンディフェンスにもひるまず、専修大は#24田代が3連続得点。#11宇都の速攻も加勢し、開始5分経たずに大きく20点差をつけて優位に立った。富山大も個人技が光りじわじわ差を縮めたものの、4Qに10点差まで詰めてからの1本がつながらない。得点はコンスタントに獲り続けたがディフェンスで専修大#11宇都を止められず、そのまま105−94で試合終了となった。
ディフェンスが持ち味の専修大にとってはややハイスコアすぎる試合となったが、#11宇都や#24田代といったスコアラーがよく機能。昨日に引き続き地方勢の挑戦をはね除け、まずはベスト8入りを果たした。富山大は5人の能力も高く魅せるシーンも多々あったが、またしても2回戦の壁は敗れず。挑戦は来季へ持ち越しとなった。
写真:専修大・大澤は途中出場でアウトサイドを決めていった。
※富山大・田中選手、苗田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【大東大は後半に失速、筑波大がベスト8へ】

立ち上がりは大東大がアグレッシブに攻め立てる。#30鈴木(4年・SG)の3Pをはじめ、#28兒玉(3年・PG)の速い攻撃にスティール、#8戸ケ崎(4年・F)も強いフィジカルを活かして#32武藤(4年・C)に攻めさせない。筑波大は#21笹山(3年・G)が#92村越(2年・PF)を活かすゴール下へのパスを次々に出して対抗。互いに譲らない1Qとなった。1Qを15-18として2Qに入り、パスがまわる筑波大に対し、大東大は#1高橋(3年・SG)、#7渡部(2年・F)の3Pが決まり、#8戸ケ崎もこぼれ球を拾ってシュート。筑波大は変わらず#92村越が好調なほか、#32武藤も内外で得点が出始める。筑波大は5分でベンチから入った#10山田(3年・SF)がシュート、リバウンドで貢献。5点差にされた大東大はタイムアウトで流れを止めるが、開始後の攻撃が重い。筑波大はここで#14坂東(3年・SG)にようやく当たりが来てチームに勢いをもたらすと、29-35とリードして前半を終えることに成功した。
これ以上離されたくない大東大だが、3Q開始頭に#21笹山が3P1本を含む3連続得点で一気に筑波大が10点以上のリードを奪う。大東大は#86小野寺(4年・C)のオフェンスリバウンドや#8戸ケ崎の2本目の3Pが沈み、なんとか追い上げのきっかけを作ろうとするが、筑波大は流れを渡さず差を広げていく。大東大はファウルやディフェンスに囲まれてトラベリングを出すなどミスが続き、3Qで42-59と17点ものビハインドを負った。4Qも筑波大は優位に試合を進め、大東大は攻撃が単発に。筑波大は終盤控えも出場させ、59-85で勝利。ベスト8へと駒を進めた。
大東大は前半こそ良かったが、後半に勝負についていけなかった。攻撃を引っ張った鈴木も「後半は体力的に動けなかった」と、足りない部分があったのを認める。今年は試合経験の少ない若いチームであり、そこが不安視されてもいたが結果的に良いシーズンとはならなかった。この逆境を経験した分「後輩たちがやってくれる」と鈴木。来期以降の成長を待ちたい。
筑波大は前半こそ大東大のディフェンスの前に重い部分があったが、笹山のアシストが効いて大東大のディフェンスを翻弄。次第に流れを掴んだ。ベスト4の壁を敗れるか、次が勝負だ。
写真:ゴール下でうまく得点していった筑波大・村越。
※大東文化大・鈴木選手、戸ケ崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「懸ける想いも去年までとは全然違った。勝ちたかった」
後輩たちに託す悲願の関東越え
◆#41小辻一輝(札幌大・4年・F)

―途中で引き離される形になりましたね。
「そうですね。関東をイメージして練習はしてきたんですけど、やっぱりやってみると去年の明治戦と同じように、時間が経つにつれて体力の消耗とかがいつもより大きくて、思ったよりプレーできませんでした」
―地方で関東をイメージしてやっていくのは難しかったですか。
「はい。春と夏に2回関東遠征をして、あとは関東のチームが稚内とかに来るので合同で試合したりしたんですけど…リーグ戦とかで北海道のチームと試合していくと、やっぱり難しかったですね」
―拓殖大と戦ってみていかがでしたか?
「やっぱり体も強いし速いし高いし、正直結構ビビっていたんです(苦笑)。やっぱり関東の上位チームは上手いですね。序盤で結構競れたのも、相手も北海道なのでちょっとナメていたのかなと…(苦笑)。こっちも最初は気合い入れてやれて意外に戦えるかなと思ったんですけど、やっぱり大垣選手(拓殖大#14)の3Pも良いところで決まったし、力の差は感じましたね。隙はあるはずだと思っていたんですけど、やっぱり関東は関東で、強かったです」
―自分個人の出来はいかがでしたか?積極的に攻めていましたが。
「最後の年なので、思いきりいこうと。でもドライブは結構行けたんですけど、思ったようにはシュートも入らなくて…。去年もそうでしたが、強いチームと戦うときはひとりでやっちゃうと最終的に崩れてしまうし、やっぱりチームでもうちょっと戦えればまた違ったのかなと思ってから思いますね」
―下級生の頃から試合に出ていましたが、4年生になって最後のインカレに懸ける思いは違いましたか?
「そうですね。去年までとは全然違いました。4年生になるとやっぱり。いやー…勝ちたかったです」
―去年も3年生以下が主体でしたね。
「そうです。4年生はいたんですけどベンチには入ってなかったので、3年生が主体で。自分たちの代はみんな1年生とか2年生のときから試合に出ていたし、佐久本さん(コーチ)がしっかり4年間見てくれた代だったので、余計に結果を出したかったですね」
―下級生の頃から主力を担ってきて、苦労した点はありますか?
「やっぱり北海道で良い選手がいてもみんな関東とかに出てしまうので、自分たちは高校時代そんな有名だった選手もいなくて。それがポンと大学に来ていきなり主力として全国大会とかに出るのは、最初は戸惑う部分もありました。でも佐久本さんのつながりで結構強いチームとも練習試合とかができて、みんなも4年間で徐々に自信をつけたんじゃないかと思います。自分たちでも意外とやれるんじゃないかと」
―自分自身もやれるなという手応えはあったのでは?
「いや、まぁほんのちょっとですけどね(笑)」
―今年1年間を振り返っていかがでしたか?
「メンバーに4年生がすごく多いので、チームは結構まとまっていたと思います。でもこうやってインカレで戦ってみて、やっぱり強いチームに必要な部分、細かいところとか声とかが足りなかったのかなと。ディフェンスのローテーションとか、リバウンドをとったあとの切り返しとかも関東のチームに比べたら全然違ったし、自分たちは小さいのでもっと走りたかったんですけど、逆に相手に走られてアリウープを決められたりして。こういう結果になって納得はいってないですね」
―札幌大での4年間はいかがでしたか?
「すごく楽しかったですね。4年生が多くてみんな仲も良かったので。仲が良すぎて厳しいことを言えないとか問題になったこともあったんですけど、でも本当に楽しかったです。まだオールジャパン予選も残っているので、最後は勝って華々しく4年間を終えたいです」
―後輩たちに自分が伝えられたことは何だと思いますか?
「今日全然シュートは入らなかったですけど、でも関東相手でも攻め気を見せれば結構できるという部分は見せられたと思います。今年は後輩たちを出させてあげることがあまりできなかったですけど、またインカレに戻ってきて関東に勝ってほしいですね。期待しています」
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「相手がどうこうよりも、やってきたことをすべて出す」
追究してきた自分たちらしさで逆転勝利の1回戦突破
◆#11杉本 慶(中京大・3年・SG)

―逆転勝利となりましたね。
「そうですね。僕らは全国の経験も少ないので『固くならんとこ』とみんなで言っていたんですけど、やっぱり出だしが固かったんかなと思います。自分らのやるべきこと、ディフェンスをやって走ることはまず最低限やってから、それからそれぞれのできることをやろうということでゲームに入りましたが、実際1Qはそれができなかったと思うし、ディフェンスの声も出せずにやられてしまいました。でも後半巻き返せたのは良かったと思います」
―後半うまく切り替えましたが、その要因は?
「前半を終えて点差はちょっと負けていたんですけど、3Qが始まる前にロッカールームで『もう一回ここから、一からやろう』という話をして。それで気が引き締まって、やるべきことができて、逆転できたと思います」
―確かに後半はディフェンスが良かったですね。やっている側としてはどうでした?
「やっぱり僕らはそんなに身長があるわけではないので、ダブルチームとかローテーションが絶対に必要で。そういうディフェンスの連携も3Qはすごく声が出ていたので、やっていても楽しかったです」
―日本経済大はインサイドの大きいチームですが。
「はい。そこがファウルトラブルになったのは大きかったですね。ただインサイドがどうとかはあまり意識していなかったです。相手がどうこうよりも、やってきたことをすべてやろうと。4年生がひとりもベンチに入れていない分、試合は自分たちが『こんな練習をしてきたんだ』というのを見せなきゃいけない場だと思ったので。特別な対策というよりは、自分たちのやるべきことをやっただけですね」
―中京大は3年生以下のチームなんですね。
「ほかにも4年生はいるんですけど、膝の靭帯を怪我してしまって、復帰したばかりで間に合わなかった4年生もいて。だから3年生として、そういう4年生の思いも背負って戦おうと思っていました」
―インカレには個人的にどういう気持ちで臨みましたか?
「一昨年のインカレは富山大にブザービーターで負けて、去年は日体相手に、出だしから固くてやるべきことがやれずに、最後追い上げたんですけど負けて。そういう悔しい思いがあったので今年は絶対に勝ちたかったし、相手がこれをやるからこうだ、ではなくて、自分が一年間やってきたことをまず披露しようと思っていました」
―普段の練習はどういうことをやってきているんですか?
「やっぱりディフェンスを重視した練習ですね。ローテーションとか、一線の間合いとか。ディフェンスをメインにやって、オフェンスは結構自分たちのやりたいように思い切りやったらいいという感じです」
―オフェンスは杉本選手の貢献度も大きいですね。自分個人の調子はいかがですか?
「自分も結構固くなっていて、今日も1Qでエアーシュートとか打っていたので…。80点、いや70点くらいかなと思います。明日は1Q目からしっかりシュートを決められるように頑張りたいです」
―東海地区では2位になりましたが、リーグ戦での戦いはいかがですか?
「最初は不安も大きかったです。常葉大にも外国人選手がいますし、愛知学泉大にもリーグ戦の1巡目でボコボコにやられていたので。でも勝ちたいという気持ちはあったし、4月の愛知県大会では愛知学泉大とも接戦になったので 自分たちがやるべきことをしっかりやれば勝てるし、やれなかったら逆に学泉や常葉にも負けてしまうと思っていました。だからハラハラはしましたけど、同じくらいワクワクもしていて、楽しかったですね」
―やるべきことをやれる試合とやれない試合で波があるんでしょうか。
「そうですね。でもみんなでそこは言い合って。やるべきことがやれない試合は、オフェンスもディフェンスも1対1しかやらなくなってしまうので、そういうことがもう起きないようにとは意識しています」
―でも3年生以下のチームですし、そういう波もなくなって安定してくれば、来年も十分戦えるチームかなと思いますが。
「そうですね。でも今は来年のことはまだ考えられないですね。今はやっぱり、目の前の試合に集中して。4年生が引退してから考えようと思います」
―次の試合、天理大となればまた相手に大きな選手がいますが。
「そうですね。でも僕らはどのチームと戦ってもほぼ相手チームのセンターが大きいので、わりと慣れているというか。また声を出して全員でディフェンスしていきたいですね」
―こうして東京に来て、代々木体育館で試合するというのはいかがですか?
「やっぱり代々木独特の雰囲気みたいなのがあって、すごく楽しいですね。高校のチームメイトとかも関東にいて、昨日も中東としゃべったりしました。そういうのも楽しいですね」
―そういう人たちとも対戦したいですね。
「そうですね。ひとつでも多く勝ち上がれるように頑張りたいです」
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「自分がしっかりリーダーシップを発揮したい」
天理らしく、を掲げ最後のインカレに挑む
◆#18相馬卓弥(天理大・4年・SF)

初戦の固さがあったというこの試合では「シュートが決まらなかった」と反省しきりだ。しかし、最後に勝負を決定づけるようなシュート決めたのはさすが。ここから先の戦いのためにまだまだ見せていない手の内もある。どういった「天理らしさ」を見せてくれるのか、まずはベスト8突破が目標だ。
ー3年連続東海大九州との対戦でしたが、古閑選手がケガで出ませんでしたがほかに注意していた点は。
「走られないことを意識していましたね。全員がディフェンスが徹底できていなくてやられた部分があるんですが。2点はいいけど、3ポイントはケアしようと言っていたんですけど、向こうはファイブアウトで3Pを打たれたのが反省点かなと思います」
ー天理大の方はなかなかシュートが入りませんでしたね。
「初戦というのもあって固かったですね」
ーゴール下はオジュワン選手(#6)でうまく点を取っていたかなと思いますが。
「そうですね。でも最後はインサイドに頼りすぎて、外から全員が思い切りシュートを打っていかなかったですね」
ー10点リードしていた時点ではこれはいけるなという感じでしたか?
「シュートは絶対途中から落ちてくるのは分かっていたので、そこでリバウンドを取ってディレイゲームをしていけば負けることはないと思っていました」
ーしかし4Qで追いつかれてしまった。
「ほぼアイソレーションで打ってきていたので、そこは3点をケアしきれませんでした。そこはもっとインサイドとコミュニケーションを取らないといけないなと思います」
ー最後は相馬選手がねじ込んだのは大きかったと思います。
「最上級生として、4回生がひとりしかコートに出ていなかったので気持ちですね。最後はチームを引っ張ろうと」
ーチーム的に若い部分はありますが不安はありませんか?
「リーグ戦も西日本もこのチームでやってきたのでそんなに不安はありませんが、もっと自分がしっかりしないといけないと思っています。明日以降の試合では自分がしっかりリーダーシップを発揮して頑張りたいです」
ー相馬選手の調子としてはここまで練習も含めどうですか?
「インカレに合わせてやってきました。今日はまだまだでしたが明日、明後日と試合は続きますし、今回の反省点を明日の試合で修正して、徐々に上げていきたいですね」
ーディレイドが基本の天理大ですが、今日の試合を見ていると今までより結構走る場面が目立ちますね。
「そうですね。ディレイゲームをできるところはやって、走るところは走るということでやっています。そこが今までの天理と今年が大きく違うところです。先生も今年は走れるところは走っていいよと言ってくれています」
ーあとは昨年は近畿大と1回戦で対戦して負けてしまいましたが、あれから比べるとオジュワン選手はだいぶ上達したように見えます。
「そうですね。トレーニング期間なんかも徹底して一緒にワークアウトもして体も作ったし、コンディションもいい感じになってきましたね」
ー次はベスト8がかかりますね。
「まずは明日の中京にしっかり勝ちたいです。走られないということを徹底したいし、イージーシュートを落とす場面が多かったのでそこはしっかり決めて、天理大らしいバスケで戦いたいですね。まだ今日はいろいろ使っていない戦術もあるので、明日以降に本領発揮できればと思います」
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「強い体がないとこの身長じゃ負けるなと思った」
生き残るために切り拓いてきた道のり
◆#8戸ヶ崎 祥一(大東文化大・4年・F)

―試合を終えてどんなお気持ちでしょうか。
「悔しいの一言ですね。今年1年やってきてトーナメント、リーグ戦と結果が出せなかったので、最後のインカレは4年生の力で結果を出そうと思って。入れ替え戦から切り替えて臨んだんですけど、やっぱり4年生の力が足りなかったのかなと感じています。でも3年生以下もみんな頑張ったし、今日の試合はみんな力を十分出せたかなとも思いますね」
―筑波大はリーグ戦も1勝1敗ですし、相性は悪くない相手かなと。戸ヶ崎選手も武藤選手をよく抑えていましたね。
「やっぱり筑波は武藤(#32)と坂東(#14)を止めることが鍵になるチームかなと思っていました。でも前半とかは少し手応えもあったんですけど、やっぱり最終的には結構取られてしまって…。40分抑えることができなかったですね」
―フィジカルでは負けていなかったと思いますが。
「そうですね。最初はフィジカルでぶつかり合ってやっていたんですけど、途中から向こう(武藤)も攻め方を変えてきて、外から1対1とか仕掛けてくるようになりました。それに対応しきれなかったのが反省点ですね」
―あとは、逆に大東大のオフェンスが停滞してしまった時間帯がありましたね。
「はい。オフェンスが途中止まってしまうのは、今シーズンずっと課題だったんですけど…やっぱり難しかったです」
―大会全体を振り返ると、初戦は固かったのでは。
「入れ替え戦から切り替えてはいたんですけど、初戦はギリギリ勝った形で、正直もっと点差を開いて勝てた試合だったと思います。でも今日の試合は、これに勝ったらオールジャパンというのもあったし、みんなチャレンジャーとして向かっていくだけだったので、自分たちの力は出せたかなと。ただ結果が出なかったのは純粋に力の差があったのかなと感じました。そこは悔しいです」
―今シーズンは昨年の4年生がごっそり抜けて、春から苦労もあったと思いますが。
「正直めちゃくちゃ苦しかったですね。練習もずっと去年よりキツいことをやっているのに、それでも結果が出ない日々が続いて、モチベーションとかもみんな下がってきて…とにかく厳しかったです。4年生としてもいろいろ力が足りなかったし、苦しかったですね」
―大東文化大での4年間はいかがでしたか?
「大東に入ったことは良かったです。去年も一昨年もその前の年もすごく良い先輩たちに恵まれたし、1年のときに1部に上がって、2年3年と1部でやれてオールジャパンまで行けたので。自分が試合に出たのは去年からですけど、やっぱりいろんな経験を先輩たちにさせてもらったなと思います。だからその分、今年は自分たちが後輩にそういう経験をさせてあげたかったんですけど…できなかったのは自分たちの責任ですね。4年生の力が至らなかったなと感じます」
―戸ヶ崎選手は下級生の頃はほとんど試合に出ていませんよね。それでも急に出てきて、1部のインサイドともやり合えていたのがすごいなと。
「最初の2年間はとりあえず体作りだと思って。ずっと体を作ってきて、それが良い方にいきましたね」
―それは後輩たちにも伝えられましたか?
「そうですね。インサイドの4番、5番ポジションはやっぱり力がないと勝てないじゃないですか。自分がこの身長でもなんとかやれているのは、絶対にトレーニングの成果だというのは後輩たちも分かっていると思うし、結構自主的にウエイトする選手も今年増えてきたので。来年につながってくれればいいなと思います。後輩たちにはなんとしても1部に上がってほしいですね。それだけです」
―トレーニングの大切さにはいつ気付いたんですか?
「高校の時もやっていたんですけど、大学に入学してからより必要性を感じました。ディフェンスにしてもリバウンドにしても、強い体がないとこの身長じゃ負けるなと思って。それでやり始めましたね。まぁそれでジャンプ力はなくなりましたけど(苦笑)。でも良かったかなと思います」
―戸ヶ崎選手の泥臭いプレースタイルは、誰かから教わったものなんですか?
「もともと自分はバスケットを始めてから、まわりが上手い人ばかりだったんです。ミニバスでは明治の目健人(#2)や筑波の西村(#6)がいて、中学(太平中)に上がってさらに池田(筑波大#35)とか矢嶋(慶應義塾大#10)も入ってきて。自分がそんなに得点能力のあるプレイヤーではないというのは分かっていたので、泥臭い感じのプレイヤーにならないと試合には出られないなと感じていました。それで自ずとそっちの方向にいきましたね」
―強豪のミニバスチームですよね。どうしてそこに入ったんですか?
「自分は明治の目健人(#2)と同じ小学校で、最初に健人がガリバーというミニバスのチームに行っていたんです。それで親からバスケやってみればと誘われて最初は普通に近くのミニバスに行こうと思ったんですけど、知り合いが全然いなくて、それなら健人のいるガリバーに行きたいなと。そうしたら、ここまで来ちゃいました」
―厳しい環境のなかで、自分が生きていく道を見つけてきたわけですね。
「そうですね。ほんとたまたまだったんですけど。試合にも出られたし、良かったかなと思います」
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「ガードとして引っ張りながらやらなきゃいけない」
芽生えた自覚でチームをあと1歩先のステージへ
◆#11田中英太(富山大・4年・G)

―試合を振り返っていかがでしたか?
「オフェンスの部分は結構やれている気がしたんですけど、リバウンドが全然取れてなかったなと。スクリーンアウトをして取ろうとしたんですけど、あまりうまくいきませんでした。どちらかというとうちは走って点をとりたいので、ディフェンスリバウンドが取れなかったら速攻も出せなくて。そこが課題となった試合でした」
―通用したオフェンスの部分というのは?
「わりと個人技では1対1とか行けていたかなと。でもやっぱり個人個人では勝てないですし、チームでしっかりやらなきゃと思いました」
―今年、メンバーはずっと固定でやってきた形ですか?
「そうですね。ずっと同じメンバーで、大変ではありますけどやりやすさもありました」
―宇都選手(#11)をはじめ、専修大の印象はどうでした?
「やっぱりしっかりやるところはやるなと。上手かったです。ゴール下とかでもすごく落ち着いていたので、そこが違うなと思いました。自分たちは慌てちゃうときもあるので」
―2年目のインカレでしたが。
「去年ベスト16で終わっているので、その1個上のベスト8を目指してやっていたんですけど…やっぱり壁は厚かったです。でもやることはいつも変わらないですし、自分たちのプレーが出せれば通用した部分もあったなと思いました」
―初出場だった2010年から、4年連続で1回戦突破ですね。
「そうですね。うちは毎回運良く関東のチームではないところと当たっているので…(笑)。もう一試合勝ちたいんですけどね。あと1歩が。ディフェンスとかリバウンドとか、そういう細かいところだと思います。詰めてもまた離されて、詰めてもまた離されてという感じなので、そこでもう1歩追い抜けるような力をつけたいです」
―自分個人としてはいかがでしたか?通用した部分もあったのではと思いますが。
「そうですね。ドライブとかは思いきりよくできたかなと思います。あとは3Pが入らないので、そこは練習しかないかなと思います」
―ガードとして心掛けていたことはありますか?
「やっぱり声かけですね。誰かがミスしたあととか雰囲気が悪くならないように、まわりに声をかけてやるように意識していました」
―去年のインカレは1年生で必死な感じが伝わってきましたが、今年はだいぶ頼もしくなったように感じました。
「ちょっと引っ張っていく側になったんですかね(笑)。去年はやっぱり北陸の先輩2人、湯浅さんと志村さんがいたのでそこに頼っていたんですけど、その2人が抜けて、自分はガードでもあるので引っ張りながらやらなきゃいけないなと思うようになりました」
―下級生でガードを務めるのは大変ではなかったですか?
「いや、そんなに…。言いたいことは遠慮なく言っていいよという雰囲気だし、自分も言うようにしていたので。チーム的にみんな結構上下関係なく仲が良いので、やりやすいです」
―今年1年間は振り返っていかがでしたか?
「去年は結構個人技でやっていたんですけど、今年はそれだけじゃ勝てないからスクリーンをかけあってチームで戦うことを目標にしていました。でもいざ試合になったら個人個人になってしまっていたので、もっとスクリーンとかでノーマークを作れたら良かったなと思います」
―富山大は以前、佐藤雄太郎選手(11年度主将・現NBDL大塚商会)が練習メニューも自分たちで組み立てていると言っていましたが、それは今でも?
「はい。基本自分たちでキャプテンと一緒に決めて、たまに先生も、という感じです。みんなで『この練習した方がいいんじゃないですか』とか話し合いながらやっていく感じですね」
―それは高校と全然違うでしょうね。
「そうですね。でも自分的には、高校のときは怒られるのが怖くてミスするとベンチを見たりしてしまったんですけど、今はそういう風に自分たちでやっているので、結構自由にのびのびプレーできていると思います」
―来年もメンバーがほとんど残りますね。来季に向けてはどんなところを頑張りたいですか?
「やっぱりこの冬場でしっかり筋トレしてフィジカル負けしないようにすること。あとはまだチームプレーができていないので、しっかりチームプレーをやっていきたいなと思いました。あとはディフェンスですね。やられすぎなので。ディフェンスやリバウンドももっと強化していきたいです」
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「来年につなげられるように」
課題を持ち帰りさらなるレベルアップへ
◆#33苗田剛汰(富山大・1年・F・北陸)

―専修大とやってみていかがでしたか?
「身長とかでは負けているのでリバウンドとかもボックスアウトしてカバーしようとしたんですけど、一人ひとりできていなかった部分があるかなと。それは反省点ですね。でもみんなで結構良い試合ができたのは良かったと思います」
―課題はリバウンドですか?
「リバウンドと体の強さの部分です。吹っ飛ばされまくりだったので(苦笑)」
―個人的に通用したところはどんなところですか?
「通用したのは、1対1の部分とかスクリーンからの合わせのスリーとか、そういう部分だと思います」
―連携プレーも噛み合っていましたね。
「秋の大会が終わったときはできなかったんですけど、そこからもっとフレアとかスクリーンを使って動こうという話をして、いろんなチームと試合をしていくなかで練習してきました。その成果が出てきたのかなと思います」
―専修大の宇都選手とマッチアップする場面もありましたが、いかがでしたか?
「能力とかでは負けているし、1年生と4年生だし、チャレンジャーとして戦うしかないという気持ちでやっていました。でもやっぱり上手いですね、全然うまいです(苦笑)」
―初めてのインカレには、どんな意気込みで臨みましたか?
「チャレンジャーとして、でも本気で勝つ気で、関東のチームとかも倒すつもりで来ました。それにうちは3年生以下の下級生チームなので、来年につなげられるようにという思いもありました」
―富山大は過去、AチームもBチームもなく和気あいあいと練習しているという話でしたが、それは今もなんでしょうか?
「そうですね。最近は人数が増えてきているのでBチームと分かれてやることもあるんですけど、ほとんどの練習は分けてやらずにみんなでわいわいやっています」
―そういう点では高校とのギャップも感じたのでは?
「全然違います。高校のときはAとBと完全に分かれていたので。今は普通に初心者の人とかも一緒にみんなでやる感じなので、そこは高校と違って驚きました」
―大学に入って最初のシーズンはいかがでしたか?
「高校と比べて練習量が減るので、そこで自分を追い込めてないというか…。体力がなくて4Qで全然動けなくなるし、トレーニングも足りないし、そのあたりは課題ですね」
―メンバーが3年生以下で、来年も同じメンバーですね。ここから1年はどういうことを頑張りたいですか?
「冬の間にもっと体を作りたいです。来年もまた同じチームなので、もっとプレーの幅を広げていきたいです。センターとかも使えるように、バリエーションを増やしていきたいです」
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「今年の試合はすべて印象に残っている」
悔しさはあるが、戦い続けた1年に幕
◆#30鈴木友貴(大東文化大・4年・SG)

結果を出せなかったという点では悔しい1年だっただろうが、その最後の1年がもっとも印象に残るという。下級生の頃はバスケットへの取り組みが甘かった時期があると言い、試合にも絡んでこなかった。しかし昨年、今年と存分に見せてチームを引っ張ったのは印象的だ。続くバスケット人生でさらに花開いていって欲しい。
ー前半は気持ちの入ったプレーが続いていて、いい展開だったのでは。
「坂東(#14)のところがポイントになってくるのはわかっていて、そこを抑えることはできました。ディフェンスから気持ちが入っていたのでオフェンスでも良かったんだと思います。後半は疲労から足が動かなくなったのもあるし、自分的にオフェンスが重くなってしまいました」
ー筑波大はリーグ戦で1度勝っている相手ですが、そういう面ではやれるという気持ちでしたか?
「そうですね。1勝1敗だったので。2敗していなかった分、勝ったときのイメージもわいていました。でも毎回オフェンスが重くなるのが課題で、それが今日も出てしまいました。1対5になる時間が長かったです。ガードが長く持ちすぎると悪くなるというのはあったんですけど、そうなってしまいました」
ー重くなるというのはチームとして改善には取り組んでいたのですか?
「練習では結構できていたんですけど、試合になるとインサイドで得点できなくなって、ガードの兒玉(#28)や自分、永井(#55)が持つ時間が長くなってしまうんです」
ー入れ替え戦もありましたが、その後の練習はどうでしたか?
「降格したあとはかなり気持ちも落ちて、インカレのことも正直考えられなかったですね。今年1年間トーナメントでもリーグ戦でも結果が出ていなくて、それで2部に落としてしまいました。インカレは何か4年生でチームに残そうと話をして、筑波に勝ってオールジャパンに出ようという話はしていたんですけど、ダメでした」
ー鈴木選手にとっては昨年も出ていますが、今季はずっと出続ける形でしたよね。
「去年もスタメンの試合はあったのと緊張するタイプじゃないし、すんなり入れてはいたんですけど、まわりのメンバーがガラッと変わってしまって。戸ケ崎(#8)くらいですよね。それでまわりに経験もなかったし、勝てなかったのはそれはあるかもしれません。勝ち方がわからないというか。兒玉とかも去年は出ていない分それはわかっていて、自分にいろいろ言ってきたりするんですけどあまりうまくいかなかったですね」
ー逆に捉えれば下級生には経験になったシーズンだったと言えるかもしれないですね。
「そうですね(苦笑)。4年生は4人しかいなかったんですけど、ほかはみんな残ります。高橋(#1)、兒玉、平得(#88)、山崎(#99)、花井(#68)、北村(#13)も。来年は多分やってくれると思います」
ーでは少しでも後輩に伝えられたことはありますか?
「チームとしては今年はバスケット以外のところ、私生活も厳しく言われてきたし永井を中心にやってきました。それは以前の大東と比べたらぜんぜんいいと思います。去年よりも。そういう面がバスケットにつながってくるんじゃないかと思います」
ー大東で4年間やってきてどうでしたか?
「最初の2年はいろんなことが重なって、バスケットとは違う方向にいろいろ逸れた時期もありました。腐りそうになったんですけど、西尾さんが引っ張ってこっち(バスケットの方)へと連れてきてくれて、3、4年で頑張ってなんとかここまでこられました。でも入れ替え戦で法政大に負けたときは高田(#0)に自分がついて30点ぐらいやられて、この試合も武藤のところにやられて、4年間の頑張りの差が出たのかなと思います。悔しいですけど、後輩も本当に明るいし、先輩も優しかったのでやってきて良かったです」
ー一番印象に残っている試合はいつですか?
「今年のほとんどの試合ですね。今年は中心でずっとやってきて、10連敗も経験したし今までにない経験でした。つらかったですけど、ほかのチームの人が経験できていないことを経験できたとプラスに捉えたいです」
ー後輩たちにはどうなって欲しいですか?
「2部に落としてしまったので1部に上げて欲しいですね。簡単なことじゃないですけど、1年間で上がるのは」
ー大東らしいいい部分もあったので、そこを伸ばして欲しいですね。
「そうなんですよね。でも試合中もいい時間帯が途切れ途切れになって、続かないんです。でも兒玉はしっかりしているので大丈夫だと思います。自分たちは悔しいですけど終わってしまったので、そこは期待するしかないです」
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