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2013.11.22 (Fri)

【2013リーグ】11/7入れ替れ戦 早稲田大VS国士舘大 第3戦

互いに譲らなかった早稲田大と国士館大の再戦は
国士館大が昨年の借りを返して1部昇格の快挙


131107kawakami.jpg 一年ぶりに再び入れ替え戦で相まみえ、1勝1敗で第3戦を迎えた早稲田大国士館大。今年はほぼすべてのカードが第2戦で決着したため、代々木の3日目のコートは唯一第3戦にもつれたこの一試合のためだけにあてがわれた。決戦の舞台が整い、他大学の選手も多く応援に駆けつけるなかで始まった運命の第3戦は、意地と意地とがぶつかり合う死闘となった。

 開始早々#21河上(4年・F)がスティールから速攻を決めて早稲田大サイドが大きく沸くが、そこから3分以上得点できず、その間に国士館大は#22原(2年・F)の3P、#14高橋(4年・G)のバスケットカウントで勢いに乗った。早稲田大は#21河上が一心にシュートを打ち続けるも、なかなかネットを揺らせない。それでも#15木村(3年・F)や#2木澤(2年・G)が攻め気を見せ始め、交代した#27平野(3年・F)も#22原を徹底マークし食らいつく。すると残り3分半から#21河上が覚醒。3Pやドライブなどひとりで11得点を稼ぎ、#34池田(2年・G)の速攻も加勢して21−15と早稲田大が逆転して2Qに入ると、#11河合(1年・G・洛南)の3Pも決まって最大9点先行した。だが早稲田大はトラベリングや連続ファウルでややリズムを崩す。国士舘大はフリースローの確率は良くないもののコツコツと加点して追いつき、シーソーゲームとなった。#2木澤や#34池田の好ディフェンスが光る早稲田大に対し、国士舘大も#22原が冷静にディフェンスを飛ばせてシュートを決めるなど譲らない。35−32とほぼ点差のないまま前半を終えた。

131107ma.jpg 勝負のポイントとなったのが3Q。まず勢いに乗ったのは#16山本(2年・F)が2本の3Pを決めた早稲田大だった。国士舘大も#9新田(3年・C)がオフェンスリバウンドでつなぎ、#4松島のアシストから#20馬(1年・C・日本航空)が決めるなど盛り返すが、早稲田大は#21河上がディフェンスをかいくぐってバスケットカウント獲得。さらには#27平野が#9新田の4つ目のファウルを誘ってベンチに追いやった。暗雲立ちこめる国士館大。しかしここでチームを救ったのはキャプテンの#4松島だった。苦し紛れに放り投げたボールがリングに沈むミラクルプレーで同点にすると、さらには3P、ドライブを決めて5点リードに。悪い流れを断ち切るどころか逆に勢いに乗った国士館大が、51−58と7点差をつけて4Qに入った。

 4Q、#8伊集(3年・G)の3Pや#14高橋のミドルシュートが決まって国士舘大が最大14点リード。しかし早稲田大も諦めず、#27平野や#11河合が連係プレーからゴール下で加点。#15木村が負傷退場となったが、苦しい中で#34池田がバスケットカウントが決めて6点差まで詰め寄った。しかし国士舘大もタイムアウトを挟んで#8伊集が価値ある3Pを決め、それ以上は詰めさせない。早稲田大は#34池田が5ファウルで退場し、足をつりながらプレーしていた#21河上もプレーの続行は不可能となり、やむなくベンチへ。そのまま国士館大は#22原や#14高橋がシュートを決め続けてリードをキープし、残り時間わずかとなると勝利を悟った国士館大の応援席から大きな国士舘コールが始まった。そのまま69−78でタイムアップ。試合後にはベンチも応援団もコートになだれ込み、喜びをはじけさせた。

131007kokushikan.jpg 悲願達成となった国士館大。振り返れば、2部昇格を果たした2008年以来惜しいシーズンが続いた。インカレ準優勝まで上り詰めた2008年は入れ替え戦にわずかに届かず3位、そこからなかなか上位進出はならず、2011年はキャプテンの西片を中心にチームの雰囲気も良い方向に変わったものの、勝てば入れ替え戦というリーグ最終戦に敗れて無念のシーズン終了。なんとか3位に滑り込んだ昨年は、入れ替え戦の3戦目で早稲田大の前に夢敗れた。そうした経験を繰り返し迎えた今リーグ戦、最初こそこれまでのように不安定さを見せることもあったが、次第に40分間気を緩めずに我慢の展開を戦い抜いていくチームへと変わっていった。他チームと大きな実力差があったわけではないが、リーグを9連勝で締めくくって入れ替え戦への切符を手に入れ、勝負の大舞台でも第2戦、3戦とその実力を遺憾なく発揮した。熱い気持ちを持った主将#4松島に引っ張られるようにチームが一体となり、挑戦し続けて切り拓いた1部昇格。ようやくチームに本当の笑顔が咲いた。

 2010年の入れ替え戦で1部昇格を果たした早稲田大は、3年で2部降格となった。今年はリーグ序盤からどこか噛み合わず、もがき続ける日々が続いた。リーグ終盤にかけて明るい兆しも見えたが、最後は国士館大の強さに押し切られる形に。それでもスランプを乗り越え、主将兼エースとして、足の痛みに時折顔をしかめながらもシュートを決め続けた#21河上の奮闘は見事であり、下級生もこの大舞台にひるまず要所で活躍した。チームはまだ若く発展途上だ。ここから再建を図り、この雪辱を再びこの地で晴らしてほしい。

写真上:気迫でリングに向かい続けた#21河上の姿勢には、試合後国士館大の選手からも称賛の声が上がった。
写真中:国士館大・馬はファウルをよく我慢して40分間のフル出場。12得点15リバウンドで勝利に貢献した。
写真下:昇格の瞬間、国士舘大の原が主将の松島に思い切りの笑顔で飛びついた。

※国士館大・松島選手、高橋選手、原選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「もう悔し涙は流したくないと思っていた」
挑戦し続け、切り開いた1部昇格への道

◆#4松島良豪(国士館大・4年・主将・G)
131107matsushima.jpg今リーグでは国士館大の原動力となる活躍だった。昨年までとは顔つきも変わり、トレードマークだった笑顔も封印。チームメイトを時に怒り、時に励まし、素晴らしいリーダーシップで大所帯のチームをまとめあげ、プレーでも第3戦は大事な場面で流れを変えるプレーを見せた。
シーズンを通して語る言葉にも一貫性を示し、芯の強さが端々に表れていた。試合後ホッとした表情を見せながらも、すぐに「一から出直す」と気を引き締める。飽くなき向上心を持ち、常に上のレベルを目指してきた彼らしいコメントだ。インカレの舞台でも、彼らしいパフォーマンスで観客を魅了してくれるはずだ。


―1部昇格おめでとうございます。
「ありがとうございます。ほんっと、疲れました(苦笑)」

―ホッとしている様子ですね。
「はい。うれしいというよりもホッとしている気持ちの方が強いですね」

―入れ替え戦3試合を振り返っていかがでしたか? 去年のリベンジとなりましたが。
「終わったから言えるんですけど、正直、そんな力の差はないかなと思っていました。そこは去年と違うところです。去年は、大塚さん(早稲田大12年度主将・現豊田通商)が怪我していて2戦目の終わりでようやく出てきたので、向こうには切り札が残されていたんです。だから去年は終わってから『あれはもともと負け試合だったな』と思うくらい、力の差があったなと感じました。でも今年は最初から河上くん(#21)がああいう風に活躍して、たぶんあれが早稲田のベストだと。そしてあれがベストならば、絶対うちにも勝機があると思っていました。3戦に持ち込めば、うちが勝てるかなと」

―プランがあったわけですか?
「そうですね。1戦目は正直負けるのも分かっていたというか。1戦目で普段通りだったのは僕と原(#22)くらいで、他の人はみんな緊張していましたし、それも自分の中である程度予想していました。そこから2戦目は絶対に勝てるだろうと思っていましたし、案の定3戦目まで持ち込むことができて。スタッツを見ても分かるように、相手は河上くん、慶次郎くん(#34池田)、河合くん(#11)のプレータイムがすごかったので、絶対3戦目には疲労も出てくるだろうと思っていました。そうして最後に気持ちの勝負になれば、絶対にうちは負けないと」

―そこは自信があったんですね?
「はい。去年は大塚さんの気合いが凄まじかったので、それを見習って今年は自分が気持ちで引っ張らなきゃと。キャプテンでもありますし、自分はプレーでは正直引っ張れないので」

―そんなことはないと思いますが。
「いやいや(苦笑)。プレーではやっぱり高橋(#14)が背中で引っ張ってくれるし、原とか華武伊(#9新田)とか貴也(#8伊集)も本当に引っ張ってくれるので。自分は声を出すとかがむしゃらに泥臭くやることしかできないし、それを今日は必死にやろうと思っていました。そういう部分を徹底して40分間やり続けることが、僕の使命かなと」

―プレーでも十分見せられたと思います。大事なところで松島選手のシュートがうまく入って流れを変えていたなと。
「まぁあのシュートは、リーグ戦の途中で怪我してしまった本多(#15)と、あとは藤沢(#18)と一緒に、夏休みから日々シューティングをしてきたおかげです。練習前に100本、練習が終わってから100本は最低でもずっとやってきました。やっぱり去年、自分にはシュートがないと言われたことが相当悔しくて、自分がもっと上のステージに行くためにはシュート力をつけなきゃいけないと思っていましたし、そういう目標を達成するには練習しかないと思って。それに藤沢と本多も協力してくれて、そのほかにもBチームの1年生や2年生の子もよく手伝ってくれました。本当に自分ひとりではここまでシュートも決めきれなかったと思いますし、本当にまわりの人のありがたさというのは感じますね。みんなで掴み取った1部昇格だと思います」

―今日は応援に駆けつけた卒業生もいましたが、国士舘大は今まで毎年あと一歩のところで涙を飲んできて、そういうこれまでの思いも背負っていたのかなと思いますが。
「そうですね。2年前にあの最終戦で負けて入れ替え戦に行けなくて、去年は最後の試合で早稲田に負けてまた行けなくて…ずっと泣いてばっかりでしたね。今日は個人的にももう悔し涙は流したくないと思っていたし、後輩にももうあんな思いは絶対にさせたくないと思っていました。正直、自分が1部でやりたかったという気持ちは本当に強かったんですけどね。そうしたら、うまく次のステップにも進めたんじゃないかとか…でもそれはできなかったので。やっぱり2部でやっているとスカウトも来てくれませんし、1部とは全然違います。もうそういう思いを、原とか伊集とか華武伊とか、すごい能力を持っている子たちにさせたくなかったし、あいつらをまた2部でやらせるのはもったいないなと。後輩たちを1部でやらせてあげることで彼らのバスケット人生に少しでも関われればいいなと、昨日の夜くらいから考えていました。本当に、後輩たちにはこういう形でしか返せないので。それが実現できて良かったです」

―これまでずっと『波のないチームにしたい』と言っていましたが、リーグ戦の2巡目は全勝を果たしましたし、こうして1部昇格も果たして、それもある程度形にできたのでは?
「でも2巡目の勝っている時期にも、勝っているからといって練習で浮つく時もありましたね。自分は前から練習を大事にしたいと言ってきたし、本当に毎日、怒ったり励ましたりしてきました。そういう喜怒哀楽を表現していくのがキャプテンだと思ったので。でもそれに対しても本当にみんなよくついてきてくれました。まぁ何回も言いますが、まわりのみんなのおかげだと思いますね。自分みたいなわがままなキャプテンでも、みんながこうしてついてきてくれて、チームが成り立っていると思うので」

―次はずっと出たいと言っていたインカレですが。
「まだまだインカレに向けて反省点はいろいろあります。今日も、ハーフコートオフェンスとかエースに対するカバーディフェンスとか、まだまだ下手くそな部分がありましたし。そこはこれからもう一回練習で突き詰めていかないと、1回戦で当たる近大なんかはソウ・シェリフくんがエースで、あそこをしっかり止めなければうまくいかないと思います。あとは個人的にも、今日は終盤のファウルとか自分のいらないミスで相手に得点を与えてしまったり、フリースローを落としたり、最後ももう少しうまくゲームコントロールできたんじゃないかとか、反省点は多いですね。また一から練習していきたいです。自分たちがやってきたことを試合で表現することが、また次の自分たちのレベルアップにつながると思うので。また一から出直したいと思います」

―1部昇格で一段落せず、まだまだ反省点に気を引き締めている様子ですね。
「この反省を生かしてもっともっと上を目指してやりたいですね。ここで満足したら本当に終わりだと思うので。もっともっと上を目指さないと、後輩たちは来年1部で戦えないだろうと思いますし、1部に向けての戦いは、3年生以下にとってはすでに始まっていると思います。最後に4年生が残せるものといったら、今年インカレで後輩たちを上のレベルに連れて行くことだと思いますね。今年はインカレで日本一とオールジャパンに出ることを目標にしています。長くてもあと2カ月ですけど、このチームにあとひとつ残せるとしたら、日本一かオールジャパンへの出場をプレゼントすることだと思っているので。後輩にそういう経験をさせてあげたいなという思いでいっぱいですね」

―そういえば今日は試合中、河上選手のつった足を伸ばしてあげていたのが印象的でした。
「あ、はい。でも、河上くんは本当にすごいプレイヤーなので。自分も、悔しいですけど河上くんだけは認めているんです(苦笑)。一回か二回くらいお話したことがあるんですけど、本当に良い人だと思うし、プレーを見ても自分も真似したいなと思うことばかりです。ユニバーシアードにも行っていて、すごいなと。自分にそんな力はないんですけど、正直同級生がああやって日本代表とかで頑張っているのを見ると、特に田中大貴くん(東海大#24)なんて見ると、レベルは違うんですけど悔しいなという気持ちが沸くんです。同級生がこれだけ上のレベルで活躍しているのに、自分はなんでこんなレベルなんだと。そういう思いがあるので、自分は大学で結果を残して、日本のバスケ界に『見たか』と言いたいです(笑)。2部でもこういう選手やチームがいるんだよと見せたくて。インカレも頑張ります」

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「一年間の成長を証明できて良かった」
後輩たちのためにも決戦で返した借り

◆#14高橋祐二(国士舘大・4年・G)
131107takahashi.jpg4年生として強い自覚と責任感を持ち、仲間をプレーで引っ張ってきた高橋。この日は途中から相手のエース河上をマークし、足を使った得意のディフェンスを見事に披露した。加えて要所で相手にとどめを刺す貴重なシュートも沈め、味方を大きく沸かせながらも、本人は自分のプレーを覚えていないと言う。それほどまでに、ゲームに集中し必死だったことが伺えた。試合後は「試合に出られるきっかけを与えてくれた」という池田コーチとも抱き合い、その目には嬉し涙が光った。重圧のかかる約2カ月間を戦い抜き、やっとのことで1部昇格のプレッシャーから解放された瞬間だった。次なる舞台は、4年目にして初めて出場権を勝ち獲ったインカレ。4年生として最後の仕事を果たし、チームに軌跡を残してほしい。


―1部昇格おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか?
「いやもう本当に、すごく嬉しいです。…ただ嬉しい反面、自分たちの学年でも1部でやりたかったなというのが正直な気持ちですね。でも後輩に1部の舞台を与えられたことが嬉しいですし、あとは、リーグの途中で本多(#15)が怪我して今年はもうプレーできなくなってしまったので、あいつのためにも勝ちたくて。あいつは今年インカレを経験できないけど、1部に上がれば来年インカレにも出られるし、あいつをインカレの舞台に立たせてあげたいという気持ちは強くありました。だから勝てて本当に嬉しいです」

―そういう思いがあったんですね。相手の早稲田大は昨年の入れ替え戦でも戦った相手ですが、特別な意識はありましたか?
「それはありましたね。もしここでまた負けたら、自分たちがこの1年やってきたことはなんだったのか分からなくなってしまうというか、無駄になってしまうと思ったので。今日勝って、1年間やってきて成長できたことを証明できたのは良かったと思います」

―自分個人の出来はいかがでしたか?なかなか調子の上がらない時間帯もありましたが、大事なところではちゃんと決めていたし、ディフェンスでも相手のエースをよく抑えていたと思いますが。
「うーん…なんか、さっきもまわりから『いいところで決めてたね』って言われたんですけど、自分としては無我夢中でやりすぎてどんなプレーをしていたのか全然覚えてなくて…」

―それだけ必死だったんでしょうね(笑)。
「はい(苦笑)。でもやっぱり、リーグ戦を通して自分はミスも多いと思うので、そこを減らしていければもっと失点も減らせたと思うし自分たちの得点も増やせたかなと思います。そこをインカレまでに修正してやっていきたいです」

―こうして1部昇格の悲願を達成しましたが、ここにいたるまで、高橋選手は4年生としての危機感がかなり強い様子でしたね。
「4年になってから、やっぱりどの大会も最後ですし、悔いの残らないように一戦一戦、本当に1プレー1プレーしっかりやっていかなきゃいけないと思っていました。それは試合だけじゃなく普段の練習から、すごく危機感や緊張感を持ってやってきたと思います」

―リーグ戦中、日本大に勝利したあと得失点差で上回れなかったことに高橋選手はひどく落ち込んでいましたね。勝ってもそれほどまでに悔しがる姿から懸ける思いの強さを感じました。
「あの試合は自分が全然だめでチームに迷惑をかけてしまったので…。結果として上に行けたんですけど、あのときは順位も競っていたし、得失点差で3位とか4位になる可能性も高くなってしまったと思いました。でも次の週の法政戦で自分的に結構好調だったので、そこでうまく切り替えられて。引きずらずに次の週からも戦ってこられたのが良かったかなと思います」

―リーグ戦は混戦でしたが、国士館大は2巡目全勝して盛り返した形ですね。その要因はどこにあると思いますか?
「自分たちは1巡目でけっこう負けが込んで、2巡目はもう本当に1試合も負けられない状況になってしまいました。でもそこは松島(#4)中心に、練習からすごく危機感を持って集中した雰囲気でやっていきました。いつもみたいに雰囲気がダラーっとなりそうな時もあいつがみんなを叱ってくれてそういう悪い時間帯も短かったし、すごく良い雰囲気で練習できたかなと思います。それが2巡目につながったのかなと」

―最終日を待たずに2位を確定させましたが、そこから入れ替え戦までも切らさずにやってこられた形ですか?
「入れ替え戦を決めて、自分と松島で『今週絶対練習だらけるよね』みたいに話してて、ちょっと不安だったんです。その時自分は怪我して練習もあまり参加できなかったし、予想通りちょっと雰囲気がだらけてしまった部分もありました。でもやっぱり4年生が言えば、そこからチームもうまく切り替えることができて。うちのチームはみんなお調子者ばかりなんですけど、結構言うことを聞いてくれる素直な子たちなんです。だからこそ結構まとまって戦ってこられたのかなと思います」

―国士舘は一昨年も西片選手(11年度主将)がよくチームをまとめましたし、去年も板垣選手(12年度主将)がみんなを支えていましたね。今年は今年で松島選手が素晴らしいリーダーシップを発揮していますし。
「そうですね。毎年、代々キャプテンがしっかりまとめてくれるのが国士館で。後輩もそれにちゃんとついていくやつらですし、本当に良いチームだと思いますね」

―高橋選手の4年生として仲間を引っ張る姿も立派でした。1年生の時はバスケットに本気で打ち込めずにメンバーにも入れなかったという話でしたが、その頃から考えれば本当に大きく変わりましたね。
「そうですね。1年生の頃はちゃらんぽらんだったというか、自主練とかもしないし、練習とかもただこなすだけだったんです。でも西片さんとか陽人さん(池田コーチ)に『能力あるのになんでやらないの?』と何度も言われて、自分も考え直して。それで2年生から試合に出られるようになって、そこから改善点とかも見つかるようになりました。だから試合に出られるきっかけを与えてくれた、西片さんと陽人さんにはすごく感謝しています」

―今日は西片選手も応援に来ていましたし、ふたりの目の前で昇格できましたね。
「はい。それは本当に嬉しいです」

―残るはインカレですが。
「自分たちの代になってから、日本一を目標に掲げてやってきました。リーグ戦でその切符を掴めたのは大きいと思うので、目標を達成できるようにあと約2週間をしっかり練習して、インカレに臨みたいです」

―初戦の相手は近畿大ですね。
「やっぱりセネガル人のところが得点源になってくると思いますが、押さえどころは掴めているので、まわりもカバーしながら戦っていきたいです。特別なことは意識しないで、自分たちのディフェンスを貫いていけば上にいけると思うので。頑張ります」

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「気持ちの面で大きく変わって結果を出せた」
エースシューターとして果たした大きな責任

◆#22原 修太(国士舘大・2年・F)
131106hara_201311181551297cb.jpgルーキーイヤーから持ち前のシュートセンスを発揮し、今年は2年目にしてエースシューターの立ち位置で得点を引っ張る存在となった。リーグ戦中は緊張もあったと言い、やや沈みがちな時期もあった。しかし後半から入れ替え戦にかけてはリーディングスコアラーとして得点を重ね、1部昇格に大きく貢献した。
高校時代はそこまで目立つ経歴はないが、1部でも十分通用するセンスを持っており、続くインカレや来期の1部での活躍が期待される選手だ。専修大の田代とは小学生時代から知り合いで戦うのが楽しみと言い、2部で一緒に戦った慶應大や法政大のメンバーと一緒に上がれるのは嬉しいと言う。まだ2年生と伸びしろも感じられるだけに、ここからの成長を楽しみにしたい。


―1部昇格、どんな気持ちですか?
「本当にこの1年間、キャプテンのタケさん(#4松島)を中心にやってきて、そういうのが結果に出ました。去年は惜しいところで負けてしまったけどそのリベンジができたし、こうやって結果が残せたのでとてもうれしいです。とりあえず今日と明日は喜びに浸りたいです」

―リーグ戦はチームも最初は不安定なところが見えましたが、後半になるにつれてすごくまとまってきた印象があります。
「リーグの1週目、日体大戦まではこれでいけるんじゃないの、という感じがあったんですけど2週目の日大との戦いでゾーンディフェンスのコミュニケーションができていなかったり、マンツーでも上のふたりと華武伊(#9新田)さんが頑張ってくれているのに自分と馬が穴で、そこでやられてしまったりしました。自分のシュートも入らなかったりして負けてしまったことが多かったと思います。中盤に関東学院大戦に負けて、あとは勝ち続けるしかなくなって、練習からタケさんが4敗しているので、そのとき上にいた法政や日大が負けてくれなかったら入れ替え戦に行けないけど、自分たちが勝ち続けることによってチャンスがあると思うからそれを信じて一戦一戦やっていこうと言ってくれました。練習でも別に落ち込んでいなかったし、継続できたのが大きいと思います」

―原選手のシュートも後半にかけて安定してきましたね。
「リーグ戦の最初の方は勝っていたんですけど自分の中ですごく緊張していたんです。平田さん(12年度卒)がいなくなって自分が得点しないとという部分があって、シュートが固くなったり打てるところで打たずに、打たなくていいところで打って自分でシュートリズムを崩してしまっていました。後半はちゃんとミートしてから一回ピボットを踏んで、前が空いたら思い切り打つという風にできました。あとは華武伊さんがリバウンドを取ってくれるので、特別技術面が変わったというより気持ちの部分が大きく変わったなと思います」

―入れ替え戦では負けた試合でも30点以上取っていたので、集中力を感じました。
「点を取れたのも、ボックスを見れば分かりますけど、タケさんと祐二さん(#14高橋)さんのアシストのおかげと言ってもいいぐらいです。それだけパスをもらっているんだからスタメンとして決めないと、という気持ちでした。決められてよかったですけど(笑)。あと、リーグ戦ももちろん気持ちは入っていたんですけど、入れ替え戦はまたちょっと違う集中でした。去年の悔しさもあったし、代々木でできるというのもあったし、リーグ戦では授業もあって来られなかったメンバーもみんな揃って応援してくれて、その力もすごく大きかったです」

―河上選手(#21)にマッチアップしている場面もありましたね。
「河上さんは本当に上手いです。シュートもポストでもらわれたらフェイダウェイで打たれて届かなくて、前半で何本かやられたし、1戦目も大事なところでやられたのですごいなと思いました。ああいうポストプレーからのシュートをあと大学で2年あるので、習得したいですし、自分もああいうプレイヤーを目指したいと思います」

―高校時代目立った実績がないけれど、それでもこんなにいい選手がいるという部分で、来年の1部でも活躍を期待しています。
「無名といえば無名ですよね。入学したときは何をしていいのかぜんぜんわからなかったし、インターハイ優勝とか、そういう強いところと比べてちゃんとした練習もやってきていません。でもシュートとかは高校でもしっかり仲間とやってきたので、高校時代は無駄ではなかったなと思っています」

―昨年ルーキーイヤーのときもシュートが上手くてびっくりしました。
「でも全部活かされているからだと思います。来年戦う1部はディナイも強いし、伊集さん(#8)なんかは自分で攻められるタイプだからいいですが、自分はまだそうではないので、ボールをもらってから自分で攻められるプレイヤーを目指したいと思います」

―次はインカレになりますね。近畿大との対戦が決まっていますが。
「インサイドに華武伊さんがいるし、ソウくんの部分はみんなでカバーしあってやりたいです。リバウンドも、日大戦では大きい相手だったけどみんなでリバウンドに飛び込んで勝てました。華武伊さんが弾いたボールとかをみんなで取っていけば、大きい相手に対しても勝てるというのも分かりました。この1カ月ディフェンスとリバウンドを頑張りたいと思います。ソウのような選手がいるチームとやれるのも経験だし、勝てば明治大ともやれます。目さん(明治大#2)というすごいシューターもいるし、そういう人とやりたいので近畿大には勝ちたいと思います」


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大所帯の国士舘大。


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笑顔の4年生たち。


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この日はこの1試合のみということで、3年生(左)と2年生(右)も集合写真を撮影。それぞれに笑顔がはじけた。


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