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2013.09.22 (Sun)
【2013リーグ1部】9/22レポート
上位チームがいずれも順当に勝利し終盤戦へ
下位争いは3勝差に5チームがひしめく混戦模様
水・土・日の1週間に3試合の開催が最後の週となった1部リーグ。開幕から1カ月足らずの段階で、日程の三分の二がこの日で終了となったが、この日は差のつくゲームが多かった。東海大は盤石の試合運びで首位を固め、追走する青山学院大も大勝で1敗を維持。このほか筑波大と明治大も同様に大差で勝利を収めた。この日唯一僅差の試合となった第3試合は、拓殖大が早稲田大を振り切り辛くも白星を拾った。東海大と青学大による優勝争いや、インカレシードのかかる3位争いにももちろん注目が集まるが、下位チームによる残留争いも苛烈になってきた。6位白鴎大から10位早稲田大まで僅か星3つの差となっている。残された6試合で、抜け出すのはどのチームとなるか。
筑波大と大東文化大の対戦は、立ち上がりから筑波大のテンポの速いオフェンスが好調。#21笹山(3年・PG)がランニングショットや速攻を決めていけば、#14坂東(3年・SG)も連続10得点と畳み掛ける。大東大はチャンスで#30鈴木(4年・SG)の速攻などが出るが、3Pが0本に終わったことも響いてずるずると離されていった。85—58で筑波大が快勝。1巡目に大東大相手に敗れた際の12点差を大きく取り戻してみせた。
明治大は中央大を相手に危なげない試合運びを展開した。#50伊澤(2年・PF)の得点で波に乗り、#2目の3Pが効果的に決まって2Q途中までに早くも20点以上のリードとする。中央大は交代でコートに立った#18國政(2年・F)が小気味良くジャンパーを沈めていき盛り上がるが、リードを詰めるにはあまりにも点差が大き過ぎた。3Q途中に#22西川(4年・PF)や#5森山(4年・G)のアウトサイドも決まった明治大のリードは更に広がり、99−53として7勝目。中央大は25本ものターンオーバーが痛かった。
全勝の首位・東海大も、白鴎大相手に地力の差を誇示。#51須田(4年・SG)と#7晴山(3年・PF)の3Pで試合開始早々に抜け出した。白鴎大は外だけでなく、#23イッサ(1年・C・八王子)がファウルトラブルとなったインサイドでも苦戦。5対5の状況でディフェンスを崩され#10バランスキー(3年・PF)を止められなかった。後半は要所で#24田中大貴(4年・SF)、#0ベンドラメ(2年・PG)が確実に得点し、白鴎大に的を絞らせなかった東海大が88−60、無傷の連勝を12にまで伸ばした。
最終試合に登場した青山学院大も専修大に大きく差をつける展開となった。#25永吉(4年・C)、#7野本(3年・CF)のビッグマンを擁するインサイドでの得点が効き、#13鵤(2年・PG)の絡んだ速攻も専修大を翻弄した。ミスマッチを強いられた専修大はファウルが込み、トラベリングなども出て苦しんだ。前日同様に最後は1年生メンバーを出場させる余裕を示した青学大が93−57で大勝。11勝目を挙げ、東海大の背中にぴたりとつけている。
写真上:勢いあるシュートを決めていった明治大・田中。
写真下:ほとんどの試合で二桁点差での勝利を果たしている東海大。プレーの幅が増えた晴山も12連勝に貢献している。
※東海大・バランスキー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【内容に苦しみつつも拓殖大が早稲田大を振り切り勝利】
3位につける拓殖大は現在1勝で最下位の早稲田大と対戦。互いにターンオーバーが多く最後までどちらに転ぶか分からない展開となったが、拓殖大が勝負どころの得点で逃げ切り勝利を決めた。
ロースコアな展開となったゲームは、立ち上がりから24秒オーバー、合わないパスなどどちらも互いにミスがあり、うまくゲームを展開できない状況だった。早稲田大はディフェンスでうまくインサイドを押さえるが、拓殖大は#14大垣(3年・F)が1Qで3本の3Pを決め、#40藤井(4年・G)から#23バンバ(1年・C・延岡学園)へのアリウープパスも出て1Qは17-13とリードする。2Qは立ち上がりで拓殖大が連続のターンオーバーを犯し、早稲田大が逆転。#21河上(4年・F)を中心に得点し、シーソーゲームとなっていく。拓殖大は時おり早い展開を出すもののファウルも込み、展開は重い。しかし一方の早稲田大もこのQだけで6度のフリースローを得るものの、確率は7/12と点数を伸ばすことはできず36-36で前半を終えた。
3Qも互いにひっくり返し合う展開となった。早稲田大はうまくアシストが出てゴール下で得点が続き、#2木澤(2年・G)の3P、#21河上の速攻で一気に9点のリードに。しかしその後のオフェンスでミスが続き、この間に拓殖大は#40藤井の3P、#23バンバのミドルシュートで追い上げて#14大垣の速攻で同点に戻す。早稲田大は5分近くノーゴールとなってしまうが、拓殖大はこのあとも#23バンバ、#14大垣の3Pで逆転して4Qへ入った。その4Q、立ち上がりのオフェンスで決めきれなかった早稲田大はしばらく5点を追う形となり、残り6分半に#2木澤の3Pで61-60まで詰め寄ることに成功。しかし拓殖大は焦らずこの勝負どころで#23バンバのアリウープダンク、#40藤井の3Pでこの追撃をシャットアウト。点差を詰めようとする早稲田大を振り切り、73-67で勝利を収めた。
互いにミスも多く見られる試合で、終盤まで相手を大きく突き放す形にはならない形だった。拓殖大は大垣の3Pでやや先手を取ることができた。早稲田大は河上が28得点と気を吐いたが、速攻のミスやオフェンスを決めきれないシーンなど全体的にもったいない場面も多かった。
写真:早稲田大は河上がエースらしい仕事で存在感を示したがあと一歩及ばず。
拓殖大学:9勝3敗
早稲田大学:1勝11敗
※拓殖大・大垣選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「一人ひとりが考え、理解することがこれから大切」
これからのシビアな勝負に勝つために何が必要か
◆#14大垣慎之介(拓殖大・3年・F)
4本の3Pを含む20得点。ここのところ3Pが好調だ。コートに出ている数少ない上級生となっている今年は、彼のパフォーマンスが非常に重要になる。現在は3位位置につけるが、苦しいときに単発になってしまうオフェンスはチームとしても課題に上がっている。リーグとして終盤に向かうだけではなく、インカレに向けてもチームづくりを見据えていく時期。ここからどういう風にチームの中で動き、存在感を発揮するかといったことが重要になっていきそうだ。
ー接戦になりましたね。
「ゲームを通して相手に合わせてしまった部分が多くて、試合には勝ちましたがそこはあまり良くなかったかなと思います」
ー大垣選手の3Pが最初から当たったのは良かったように思いますが、全体的に見るとあまりいいオフェンスが出にくかったように思います。
「流れが悪くなればなるほどみんな自分が自分が、という感じで単発になってしまうのがモロに出てしまいました。それでシュートが入らなくて流れが悪くなるという」
ー流れが悪いときは単発になるのは把握しているんですね。早稲田大のディフェンスにも引っかかってターンオーバーをしてしまう場面も目立ちましたが。
「僕らがやりたいことを逆にやられて、全然自分たちのやりたいことができなかったのでああいう風になったと思います」
ー後半も離したり追いつかれたりでなかなか流れが変えられなかったですね。
「今は6人目、7人目もちょっといい活躍をできていると思います。そこで流れが変えられる選手が出てくるか、出ている5人が5人ともしっかり意思統一して次は何をやるか考えることが大切です。ここは我慢するとか、ゲームを通して考えていくことを理解してやらなければいけないし、そこでの一人ひとりでの理解がこれからリーグ戦、インカレに向けて大事かなと思っています」
ーまだそういう部分でチームとして足りていない部分があるんですね。ディフェンスに関していうと、今日は河上選手(#21)とマッチアップになりましたが、かなりボールが入らないように守っていましたね。
「ボールを持たれたらやばいので、持たせる前に頑張ったんですけど、ちょっとファウルが込んでしまいました。でも止めるためにはそれぐらいしかできないのでそこは意識してやりましたね」
ー先週3連敗になってしまいましたが、チームの雰囲気はどうでしたか?
「3連敗したときは正直落ちてしまいましたね。でもそこから気持ちを入れ替えて練習でもコミュニケーションを意識して取るようにしました。池内さんとも話してチーム全体でもう一度連勝して東海や青学、筑波に臨む気持ちは固まったのでそこの面では心配はありません。そこを目指しているのはもちろんだし、そこまでに気を抜ける試合もひとつもないので足元をすくわれないように一試合一試合やっていくだけです」
ーコミュニケーションは足りていなかったんですか?
「そういうことではなく、やはり負けたことによってみんな落ち込んだりしてしまったので、そこをもう一度話し合ったという感じです」
ーでは今週2連勝を飾れたのは良かったことですね。
「どのチームも疲れがたまっている時期だし、そこを言い訳にはできないけれど僕らも疲れがたまっている中でこういう良くない内容の試合もしっかり勝てました。こういう試合が次につながるかなと思います。課題も見つかったし」
ー一番感じている課題というのは?
「やはり流れが悪いときに単発になってしまうことですね」
ーやはりそこなんですね。3年生として意識は強くなってきていますか。
「試合に出ている上級生がほかに祐眞さん(#40藤井)しかいないんですが、1年も2年も我が強い選手が多い中、僕らが言うとことは言って、やらせてあげるところはやらせてやろうとしています。思い切りやらせてできないな、というところがあれば祐眞さんと僕で声をかけることもあります」
ーなるほど。でも上級生も含め全員我というか、個性が強いようにも思いますが。
「それはそうですね(笑)。僕らもまとめきれないけど、でもみんな祐眞さんの言うことはみんな聞くので、そこでまとまっている感じですね」
ー今日は大垣選手の3Pは大きかったですね。
「ミドルシュートはリーグ戦最初によく入ったんですが3Pはなくて。そこを意識して練習して、池内さんとマン・ツー・マンでシューティングもしてもらったんです。それでかなりコツを掴んで昨日ぐらいから入るようになってきました
」
ー池内監督は現役時代素晴らしいシューターでしたが、教えてもらうと何か違うものですか?
「池内さんがすごく入るので、一緒にやっているとこっちもいい感じになりますね」
ーそういう効果もあるんですね。これからも入ることを期待しています。
「はい(笑)、頑張ります」
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「自分に任されたことはしっかりやる」
黙々とペイント内で仕事をこなす東海大インサイドの要
◆#10バランスキー ザック(東海大・3年・PF)
幅広いシュートレンジを持ち、今季は当初4番ポジションでの起用となっていた。しかし、橋本が故障欠場中ということもあって現在はインサイドでのプレーが中心。そのような環境下でも、求められる役割であるリバウンドへの絡みやゴール下で合わせての得点など、陸川監督の求めるプレーを黙々とこなす。その一方で、時折外に出て得意のアウトサイドも決めるなど、選手としての「カラー」を表現している。リーグ中断期間前の最後の週となる次週2戦は東海大のホームゲーム。全勝優勝も視界に入る中での開催だが「目の前の敵に集中して一戦一戦やっていきたい」。例年満員となる地元の観衆を、今年も沸かせる存在になるだろう。
—ここまで12連勝です。内容面も充実していますね。
「自分たちはディフェンスチームで、毎回60点以内に抑えることを目標にやっているので、それがほとんどの試合でできているのが大きいと思います」
—青学大にもディフェンスが通用しましたよね。
「オフェンスは日によって波があるんですけど、自分たちは、ディフェンスはどんな状況であっても崩されないで、相手を60点以内に抑えればチャンスが必ず来ると信じてやっています。それが結果的に青学を53点に抑えることができて、あの試合の勝利の要因ですね」
—前半に点を取られ過ぎましたが、後半に大きく修正させることができていました。
「そうですね。でも、前半は前半で、起こったことはどうしようもないし、切り替えてやるしかないです。自分たちは、今年は何も成し遂げていないので、チャレンジャーの気持ちで戦っています」
—あの試合の後半のようなディフェンスを40分間継続できたら、もっと強力なチームになりますね。
「それを目標にはやっているんですけど、なかなか40分間続けるのは難しいです(笑)。たまに切れちゃうこともあるんですけど、そこでみんなハドルを組んで、気持ちを合わせてやっていますね」
—東海大の良さは、やはり常にハドルを組むコミュニケーション面の良さですからね。
「東海はやっぱり『ファミリー』なんで。流れが悪い時にも集まって、みんなで話し合って立て直す、と。そういうところが良いところですから」
—オフェンス面ですが、苦しい時間帯になってもバランスキー選手のシュートが良く決まっているように思います。
「いや、たまたまじゃないですか(笑)? みんながドライブをして相手のディフェンスがそこに寄ったところに自分が合わせたり、フリーで打てたり。ちょっと良いとこ取り、みたいな感じですかね」
—このリーグ戦の東海大は、トランジションオフェンスの比率が増えていますよね。
「春のトーナメントで青学がゾーンをやってきた時に全然走れていなくて、それで流れを崩したので、新しいブレイクシステムを導入して、走るゲームをやろうという話になりました」
—ということは、夏場はその練習にも重点を置いて?
「そうですね。やるべきバスケをまた一から考え直して。その結果が『もっと走ろう』ということになりました」
—この連勝中はそれも勝利に繋がっています。
「もうみんな、リバウンドを取った瞬間に速攻をまず考えて。相手が戻る前に走れば一番楽だし、5対5で行くよりも速攻で2対1の方が確率は高いので、走ってやろうという意識はあります」
—今年から1部リーグにはセネガル人留学生も参戦してきて、そういった面で去年との違いは感じますか。
「いや、高校のときから対戦はあったのでそれほどは……。逆に、むしろ相手の方が大きいので、そこでプレーのやりがいがあります」
—橋本選手が故障で、今年も5番ポジションでのプレーが中心です。以前、「本来は3番や4番ポジションでプレーしたい」ともおっしゃっていましたが、この点はどう感じていますか。
「最初は、今年は4番ポジションでプレーすることになっていたんですよ。そうしたら晃佑(#21橋本)がリーグの最初でケガしてしまって。『ああ、またか』とも思ったんですけど(苦笑)、チームのためには自分に任されたことはしっかりやるだけです。リバウンドとディフェンスを中心に、センターとしてプレーしていきます」
—外のプレーをしたいといった希望をチーム内で話したりすることは?アウトサイドが得意な分、少し勿体ないようにも感じてしまいますが。
「自分は外のシュートの方が好きなので、外に出ちゃうこともあるんですけど、やっぱりセンターとして出ているので、中で起点となってプレーを作ったりしています。外だけだと流れが悪くなっちゃうんで、中で一本作って落ち着かせないといけないですね。陸さんにもたまに『もっとインサイドをやって』と言われたりするんで」
—来週はホームゲームですね。
「そうですね。いつも色んな人が準備して、色んな人が見に来てくれるので、楽しくやらせてもらって。『ホームゲームだからカッコつけよう』とか思っちゃう人もいるんですけど(笑)、自分たちは泥臭くいつも通りやろうという感じですね」
—去年のリーグ戦、MIP賞を授賞して「ホームゲームのおかげかもしれない」ともおっしゃっていましたよね。今年もここで活躍をすれば、2年連続受賞の可能性も……?
「(笑)。確かに去年はホームゲームのおかげもあってかもしれないですが、MIPを貰えまして。でも、とりあえずファンの人たちへの恩返しはプレーでしかできないので、皆さんを楽しませるようなプレーをしていきたいですね」
—現在無敗です。この先は全勝優勝も見えてきます。
「そうですけど、あまり先は見ずに目の前の敵に集中して一戦一戦やっていきたいです」
下位争いは3勝差に5チームがひしめく混戦模様

筑波大と大東文化大の対戦は、立ち上がりから筑波大のテンポの速いオフェンスが好調。#21笹山(3年・PG)がランニングショットや速攻を決めていけば、#14坂東(3年・SG)も連続10得点と畳み掛ける。大東大はチャンスで#30鈴木(4年・SG)の速攻などが出るが、3Pが0本に終わったことも響いてずるずると離されていった。85—58で筑波大が快勝。1巡目に大東大相手に敗れた際の12点差を大きく取り戻してみせた。
明治大は中央大を相手に危なげない試合運びを展開した。#50伊澤(2年・PF)の得点で波に乗り、#2目の3Pが効果的に決まって2Q途中までに早くも20点以上のリードとする。中央大は交代でコートに立った#18國政(2年・F)が小気味良くジャンパーを沈めていき盛り上がるが、リードを詰めるにはあまりにも点差が大き過ぎた。3Q途中に#22西川(4年・PF)や#5森山(4年・G)のアウトサイドも決まった明治大のリードは更に広がり、99−53として7勝目。中央大は25本ものターンオーバーが痛かった。

最終試合に登場した青山学院大も専修大に大きく差をつける展開となった。#25永吉(4年・C)、#7野本(3年・CF)のビッグマンを擁するインサイドでの得点が効き、#13鵤(2年・PG)の絡んだ速攻も専修大を翻弄した。ミスマッチを強いられた専修大はファウルが込み、トラベリングなども出て苦しんだ。前日同様に最後は1年生メンバーを出場させる余裕を示した青学大が93−57で大勝。11勝目を挙げ、東海大の背中にぴたりとつけている。
写真上:勢いあるシュートを決めていった明治大・田中。
写真下:ほとんどの試合で二桁点差での勝利を果たしている東海大。プレーの幅が増えた晴山も12連勝に貢献している。
※東海大・バランスキー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【内容に苦しみつつも拓殖大が早稲田大を振り切り勝利】

ロースコアな展開となったゲームは、立ち上がりから24秒オーバー、合わないパスなどどちらも互いにミスがあり、うまくゲームを展開できない状況だった。早稲田大はディフェンスでうまくインサイドを押さえるが、拓殖大は#14大垣(3年・F)が1Qで3本の3Pを決め、#40藤井(4年・G)から#23バンバ(1年・C・延岡学園)へのアリウープパスも出て1Qは17-13とリードする。2Qは立ち上がりで拓殖大が連続のターンオーバーを犯し、早稲田大が逆転。#21河上(4年・F)を中心に得点し、シーソーゲームとなっていく。拓殖大は時おり早い展開を出すもののファウルも込み、展開は重い。しかし一方の早稲田大もこのQだけで6度のフリースローを得るものの、確率は7/12と点数を伸ばすことはできず36-36で前半を終えた。
3Qも互いにひっくり返し合う展開となった。早稲田大はうまくアシストが出てゴール下で得点が続き、#2木澤(2年・G)の3P、#21河上の速攻で一気に9点のリードに。しかしその後のオフェンスでミスが続き、この間に拓殖大は#40藤井の3P、#23バンバのミドルシュートで追い上げて#14大垣の速攻で同点に戻す。早稲田大は5分近くノーゴールとなってしまうが、拓殖大はこのあとも#23バンバ、#14大垣の3Pで逆転して4Qへ入った。その4Q、立ち上がりのオフェンスで決めきれなかった早稲田大はしばらく5点を追う形となり、残り6分半に#2木澤の3Pで61-60まで詰め寄ることに成功。しかし拓殖大は焦らずこの勝負どころで#23バンバのアリウープダンク、#40藤井の3Pでこの追撃をシャットアウト。点差を詰めようとする早稲田大を振り切り、73-67で勝利を収めた。
互いにミスも多く見られる試合で、終盤まで相手を大きく突き放す形にはならない形だった。拓殖大は大垣の3Pでやや先手を取ることができた。早稲田大は河上が28得点と気を吐いたが、速攻のミスやオフェンスを決めきれないシーンなど全体的にもったいない場面も多かった。
写真:早稲田大は河上がエースらしい仕事で存在感を示したがあと一歩及ばず。
拓殖大学:9勝3敗
早稲田大学:1勝11敗
※拓殖大・大垣選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「一人ひとりが考え、理解することがこれから大切」
これからのシビアな勝負に勝つために何が必要か
◆#14大垣慎之介(拓殖大・3年・F)

ー接戦になりましたね。
「ゲームを通して相手に合わせてしまった部分が多くて、試合には勝ちましたがそこはあまり良くなかったかなと思います」
ー大垣選手の3Pが最初から当たったのは良かったように思いますが、全体的に見るとあまりいいオフェンスが出にくかったように思います。
「流れが悪くなればなるほどみんな自分が自分が、という感じで単発になってしまうのがモロに出てしまいました。それでシュートが入らなくて流れが悪くなるという」
ー流れが悪いときは単発になるのは把握しているんですね。早稲田大のディフェンスにも引っかかってターンオーバーをしてしまう場面も目立ちましたが。
「僕らがやりたいことを逆にやられて、全然自分たちのやりたいことができなかったのでああいう風になったと思います」
ー後半も離したり追いつかれたりでなかなか流れが変えられなかったですね。
「今は6人目、7人目もちょっといい活躍をできていると思います。そこで流れが変えられる選手が出てくるか、出ている5人が5人ともしっかり意思統一して次は何をやるか考えることが大切です。ここは我慢するとか、ゲームを通して考えていくことを理解してやらなければいけないし、そこでの一人ひとりでの理解がこれからリーグ戦、インカレに向けて大事かなと思っています」
ーまだそういう部分でチームとして足りていない部分があるんですね。ディフェンスに関していうと、今日は河上選手(#21)とマッチアップになりましたが、かなりボールが入らないように守っていましたね。
「ボールを持たれたらやばいので、持たせる前に頑張ったんですけど、ちょっとファウルが込んでしまいました。でも止めるためにはそれぐらいしかできないのでそこは意識してやりましたね」
ー先週3連敗になってしまいましたが、チームの雰囲気はどうでしたか?
「3連敗したときは正直落ちてしまいましたね。でもそこから気持ちを入れ替えて練習でもコミュニケーションを意識して取るようにしました。池内さんとも話してチーム全体でもう一度連勝して東海や青学、筑波に臨む気持ちは固まったのでそこの面では心配はありません。そこを目指しているのはもちろんだし、そこまでに気を抜ける試合もひとつもないので足元をすくわれないように一試合一試合やっていくだけです」
ーコミュニケーションは足りていなかったんですか?
「そういうことではなく、やはり負けたことによってみんな落ち込んだりしてしまったので、そこをもう一度話し合ったという感じです」
ーでは今週2連勝を飾れたのは良かったことですね。
「どのチームも疲れがたまっている時期だし、そこを言い訳にはできないけれど僕らも疲れがたまっている中でこういう良くない内容の試合もしっかり勝てました。こういう試合が次につながるかなと思います。課題も見つかったし」
ー一番感じている課題というのは?
「やはり流れが悪いときに単発になってしまうことですね」
ーやはりそこなんですね。3年生として意識は強くなってきていますか。
「試合に出ている上級生がほかに祐眞さん(#40藤井)しかいないんですが、1年も2年も我が強い選手が多い中、僕らが言うとことは言って、やらせてあげるところはやらせてやろうとしています。思い切りやらせてできないな、というところがあれば祐眞さんと僕で声をかけることもあります」
ーなるほど。でも上級生も含め全員我というか、個性が強いようにも思いますが。
「それはそうですね(笑)。僕らもまとめきれないけど、でもみんな祐眞さんの言うことはみんな聞くので、そこでまとまっている感じですね」
ー今日は大垣選手の3Pは大きかったですね。
「ミドルシュートはリーグ戦最初によく入ったんですが3Pはなくて。そこを意識して練習して、池内さんとマン・ツー・マンでシューティングもしてもらったんです。それでかなりコツを掴んで昨日ぐらいから入るようになってきました
」
ー池内監督は現役時代素晴らしいシューターでしたが、教えてもらうと何か違うものですか?
「池内さんがすごく入るので、一緒にやっているとこっちもいい感じになりますね」
ーそういう効果もあるんですね。これからも入ることを期待しています。
「はい(笑)、頑張ります」
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「自分に任されたことはしっかりやる」
黙々とペイント内で仕事をこなす東海大インサイドの要
◆#10バランスキー ザック(東海大・3年・PF)

—ここまで12連勝です。内容面も充実していますね。
「自分たちはディフェンスチームで、毎回60点以内に抑えることを目標にやっているので、それがほとんどの試合でできているのが大きいと思います」
—青学大にもディフェンスが通用しましたよね。
「オフェンスは日によって波があるんですけど、自分たちは、ディフェンスはどんな状況であっても崩されないで、相手を60点以内に抑えればチャンスが必ず来ると信じてやっています。それが結果的に青学を53点に抑えることができて、あの試合の勝利の要因ですね」
—前半に点を取られ過ぎましたが、後半に大きく修正させることができていました。
「そうですね。でも、前半は前半で、起こったことはどうしようもないし、切り替えてやるしかないです。自分たちは、今年は何も成し遂げていないので、チャレンジャーの気持ちで戦っています」
—あの試合の後半のようなディフェンスを40分間継続できたら、もっと強力なチームになりますね。
「それを目標にはやっているんですけど、なかなか40分間続けるのは難しいです(笑)。たまに切れちゃうこともあるんですけど、そこでみんなハドルを組んで、気持ちを合わせてやっていますね」
—東海大の良さは、やはり常にハドルを組むコミュニケーション面の良さですからね。
「東海はやっぱり『ファミリー』なんで。流れが悪い時にも集まって、みんなで話し合って立て直す、と。そういうところが良いところですから」
—オフェンス面ですが、苦しい時間帯になってもバランスキー選手のシュートが良く決まっているように思います。
「いや、たまたまじゃないですか(笑)? みんながドライブをして相手のディフェンスがそこに寄ったところに自分が合わせたり、フリーで打てたり。ちょっと良いとこ取り、みたいな感じですかね」
—このリーグ戦の東海大は、トランジションオフェンスの比率が増えていますよね。
「春のトーナメントで青学がゾーンをやってきた時に全然走れていなくて、それで流れを崩したので、新しいブレイクシステムを導入して、走るゲームをやろうという話になりました」
—ということは、夏場はその練習にも重点を置いて?
「そうですね。やるべきバスケをまた一から考え直して。その結果が『もっと走ろう』ということになりました」
—この連勝中はそれも勝利に繋がっています。
「もうみんな、リバウンドを取った瞬間に速攻をまず考えて。相手が戻る前に走れば一番楽だし、5対5で行くよりも速攻で2対1の方が確率は高いので、走ってやろうという意識はあります」
—今年から1部リーグにはセネガル人留学生も参戦してきて、そういった面で去年との違いは感じますか。
「いや、高校のときから対戦はあったのでそれほどは……。逆に、むしろ相手の方が大きいので、そこでプレーのやりがいがあります」
—橋本選手が故障で、今年も5番ポジションでのプレーが中心です。以前、「本来は3番や4番ポジションでプレーしたい」ともおっしゃっていましたが、この点はどう感じていますか。
「最初は、今年は4番ポジションでプレーすることになっていたんですよ。そうしたら晃佑(#21橋本)がリーグの最初でケガしてしまって。『ああ、またか』とも思ったんですけど(苦笑)、チームのためには自分に任されたことはしっかりやるだけです。リバウンドとディフェンスを中心に、センターとしてプレーしていきます」
—外のプレーをしたいといった希望をチーム内で話したりすることは?アウトサイドが得意な分、少し勿体ないようにも感じてしまいますが。
「自分は外のシュートの方が好きなので、外に出ちゃうこともあるんですけど、やっぱりセンターとして出ているので、中で起点となってプレーを作ったりしています。外だけだと流れが悪くなっちゃうんで、中で一本作って落ち着かせないといけないですね。陸さんにもたまに『もっとインサイドをやって』と言われたりするんで」
—来週はホームゲームですね。
「そうですね。いつも色んな人が準備して、色んな人が見に来てくれるので、楽しくやらせてもらって。『ホームゲームだからカッコつけよう』とか思っちゃう人もいるんですけど(笑)、自分たちは泥臭くいつも通りやろうという感じですね」
—去年のリーグ戦、MIP賞を授賞して「ホームゲームのおかげかもしれない」ともおっしゃっていましたよね。今年もここで活躍をすれば、2年連続受賞の可能性も……?
「(笑)。確かに去年はホームゲームのおかげもあってかもしれないですが、MIPを貰えまして。でも、とりあえずファンの人たちへの恩返しはプレーでしかできないので、皆さんを楽しませるようなプレーをしていきたいですね」
—現在無敗です。この先は全勝優勝も見えてきます。
「そうですけど、あまり先は見ずに目の前の敵に集中して一戦一戦やっていきたいです」
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