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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2013.05.23 (Thu)

【その他の試合】5/19李相佰盃レポート(GAME3)

最後まで続いた競り合いを制し日本選抜が最終戦で初勝利
1勝2敗で今年の李相佰盃の全日程を終える


130519HAREYAMA.jpg 初めて福岡開催となった李相百盃も3日目を迎え、最終日となった。いいところは見せるもののあと一歩及ばない日本選抜は既に2戦2敗。既に韓国選抜に優勝を決められている。試合前に長谷川コーチ「結果を出さないと成長しているとは言えない。結果を出そうと話した」という言葉に活力を得た日本選抜は、3試合で初めてスタートダッシュに成功。中盤はビハインドが続いたが4Qに再逆転を果たして逃げ切り、欲しかった1勝をようやく手にした。

 優勝を決めている韓国選抜は、この日#6許雄(延世大2年・G)以外は前2試合とはメンバーを入れ替えて試合に臨んだ。これに対し、3試合目も不動のスターターの日本選抜がまずはペースを掴む。#7藤井(拓殖大4年・G)のフリースローで先制し、#11野本(青山学院大3年・F)の速攻が出るなどして、開始4分で11—6とした。タイムアウトを挟んで韓国選抜は#6許雄の速攻や#14姜相才(高麗大1年・C)のレイアップで追いつく。日本選抜は#11野本が早々に2ファウルとなって一旦ベンチに下がるが、#15鵤のジャンパー、#10晴山(東海大3年・F)のゴール下ですぐに離す。韓国選抜は#10金志厚(高麗大3年・F)の3Pや#6許雄の3点プレーで再び追いつくものの、日本選抜はエースというべき活躍を見せている#6宇都(専修大4年・G)のシュートが決まって2点リードを得て1Qを終える。

 2Qに入ると韓国選抜はゾーンディフェンスに切り替える。すると日本選抜は得点がストップ。ディフェンスでもフリーになった韓国選抜#8裵秀龍(慶熙大3年・F)や#9文星坤(高麗大2年・F)に3Pを決められ、リードから一転追いかける展開に。10点差をつけられたところでコートに戻った#11野本のバスケットカウントが出て攻撃の流れを取り戻すが、韓国選抜も余裕を持ってリードを維持。前半のスコアは36—45となり、再び韓国選抜の一方的な試合になるかとも思われた。

130519KOREA.jpg だが、どうしても勝利したい日本選抜は3Q序盤から猛追。相手がゾーンを続ける中#11野本が奮闘してペイント内で得点を重ねていき、#10晴山も果敢にレイアップを決めて肉薄。韓国選抜はシュート1本差こそ維持し続けるが、スタートに抜擢された#15林承必(東國大4年・C)が5つ目を吹かれて退場。この機に乗じて日本選抜は#11野本がこの試合2回目のバスケットカウントを獲得。出血があって一時ベンチに下がるが、代わってワンスローを任された#9藤高(関西大4年・F)が落ち着いて決めて同点とする。韓国選抜はすかさず#7李互鉉(中央大3年・G)の3Pで再度リードするも、日本選抜も返していき61—64と僅かな韓国選抜リードとなって試合は最後10分を迎える。

 4Q、日本選抜はまず#10晴山のゴール下で1点差に。だが直後、韓国選抜#11全星鉉(中央大4年・F)に3Pを許し、#8裵秀龍のフリースロー1本が決まり苦しい5点差。しかし、ここからディフェンスで踏ん張りを見せて2分間得点を許さず、その間に#6宇都、#11野本のレイアップ、#10晴山がミドルシュートを決めて再逆転に成功。そして続けて#13坂東(筑波大3年・G)の3Pで大きな4点のリードを得る。韓国選抜も粘り、厳しいディフェンスから24秒オーバーを誘うなど再度日本の得点を止めじわじわ迫り、#8裵秀龍のダンクで74—74と残り3分42秒で追いつく執念を見せる。

 どちらに転ぶか分からない展開から、最後に勝利の女神が微笑んだのは日本選抜だった。#11野本の奮闘でシュートファウルを誘い、これで得たフリースローを高確率で沈めていく。韓国選抜は#4李在度(漢陽大4年・G)のミドルシュートで1点差に迫るも、フィールドゴールはこれが最後となった。#10晴山がバンクショットで再び離し、残り時間僅かで得たフリースローも確実に揃えて韓国選抜に引導を渡した。最終スコアは81—77で、日本選抜が韓国選抜にようやく一矢報いた。

130519FUJII2.jpg この試合、チームリバウンドは、韓国選抜33本に対して日本選抜は40本。今大会の3試合を通じ、初めてこの点で優勢に立った部分が勝利に繋がったといえる。藤井や宇都といったガード陣がコントロール面で成熟した部分を見せ、晴山や野本といったインサイドプレイヤーは外に出ずにペイント内での仕事に専念していたバランスの良さも、韓国選抜を破ることのできた一因だ。

 もっとも今回のチームは、7月のユニバーシアードが目標大会。「ユニバでは更に上のレベルが相手で、このままではダメだと思う」野本が話すように、更なるレベルアップは必須課題だ。長谷川コーチは07年もユニバ代表を率いており、この時はベスト4入りを果たしたが、当時は竹内公輔・譲次といった「ゴールデン世代」の面々がメンバーに名を連ねていた。また今回のユニバは同じ時期に台湾でウィリアム・ジョーンズカップも開催されるため、李相佰盃同様に学生でのベストメンバーが組めない可能性は高い。長谷川コーチ「準備期間も少ないので今いる学生中心のチームになると思う。ユニバはユニバで、選手が経験を積む点も重要」話しており、結果も重要だがこの学生代表の選手たちは更に数年先を見据えた強化の途中でもあるのだ。福岡の観衆を沸かせた彼らがどの程度世界の舞台で活躍するのか。ユニバでの戦いを通し、各選手の未来へも期待を寄せていくだけだ。

写真上:ディフェンスの隙間をついてレイアップを狙う晴山(東海大)。3日間通じて好調を示した。
写真中:試合前の選手紹介で一人ずつコートに入っていく韓国チームの面々は既に今大会の優勝を決め、リラックスした表情。日本にはまだまだ見習うべきポイントが多い。体の強さやシュートのうまさ、そして勝負強さはさすがだった。
写真下:タイムアップのブザーが鳴り、藤井(拓殖大)は軽くガッツポーズを見せた。

※日本選抜・藤井選手、野本選手のインタビュー、その他の写真は「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「いけるところはいこうと意識していた」
本来のスコアリングセンスを発揮し、勝利をもぎとる

◆#6藤井祐眞(日本選抜・拓殖大4年・主将・G)
130519FUJII.jpg本来主将だった張本(青山学院大)の故障で急遽主将に抜擢された。2試合目までは自ら狙う場面が少なかったものの、それは「取れるところで確実に取れた方がいい」という考えが根幹にあったからのようだ。逆に最終戦は宇都がボール回しを務め、藤井は自ら積極的に狙って11得点。4年生ガードコンビの呼吸の良さが発揮された。このチームの本番であるユニバーシアードまでは2ヶ月。張本の回復状況では藤井がこのまま主将を務める可能性もあるが、彼と宇都が雰囲気の良さを作り出し、チームメイトは一様に「仲が良く、コミュニケーションが取りやすい」と口を揃えていて、問題はないだろう。あとは自身が話すように、どれだけディフェンスやトランジションを高められるか、だ。


—昨日までの試合では積極性が出ていなかった印象ですが。
「いや、そんなことはないです。打とうとは思っていたんですけど自分よりも直輝(#6宇都)が調子良かったし、いけるところはいけていたんで、全然僕じゃなくてもいいかなと思っていました」

—バランスを取っていたような感じで?
「そうですね。個人として狙ってはいたんですけど、確実に点数を取れるところで取った方が良いので、そういう感じでした」

—ということは、相手の高さが気になった面も無かったですか。
「そうですね。インサイドはコンタクトをしないとリバウンドでやられていた面はあったんですけど、その他でめちゃくちゃデカいという印象はなかったです」

—長谷川コーチは試合前に『もっと狙っていい』と話をしていたと仰っていましたが、それを受けてもいつも通りに?
「いや、いつも狙えるところは狙おうと思っていました。言われて意識した部分はあるかもしれないですけど、いけるところではいこうとは自分の中では意識していました」

—試合途中で相手のゾーンで少し点が止まってしまいました。
「ゾーンはやることをやっていれば攻略できるかな、と。最初はなかなか攻められなくて困ったんですが、後半は個人個人で崩し方を理解していたので普通に攻められました」

—ゾーンの練習はあまりやっていなかったと聞きました。
「そうですね。ただ長谷川さんは『ゾーンをしてきたらタイムアウトで指示は出すから』と言っていて、実際そうなって選手もその指示通りにやれていたので、問題はなかったと思います」

—この3試合で得た収穫や課題は。
「リバウンドに対する意識や気持ちが、最初は韓国の方が全然強くて。1戦目はリバウンドでやられました。あとはブレイクのところでディフェンスができなかったというか、トランジションディフェンスができなくて。そこから相手にレイアップをやられていた面が多かったので、逆にそういうところは自分たちがやらなきゃいけないことだと思います」

—急遽キャプテンを務めましたが、練習を含めた1週間はいかがでしたか。
「キャプテンと言われて不安もあったんですけど、一人に任せるんじゃなくて4年全員で引っ張っていけとも言われていて。それでみんな自分がキャプテンだという感じだったんですけど、ついてきてくれたというか。ほかの4年生も協力してくれてやってくれたので、問題はなかったです」

—他の選手が藤井選手や宇都選手がしゃべってくれてコミュニケーションが取りやすいと話していました。コミュニケーション面で何か意識していたことは。
「控えの選手たちが、自分たちのすべきことを理解していなくて、合わないプレーもあったので、そこは自分たちが上級生だし、ガードでもあるので、自分たちが言わないといけないな、と直輝とも話していました。それで自分と直輝が言うようにはしていました」

—本番はユニバですが、そこに向けて高めるべきポイントはどういった部分でしょうか。
「自分たちはサイズがないので、トランジションでどれだけ走れて、ハーフコートでどれだけ守れるか、だと思います。ディフェンスとリバウンド、そこからのブレイクというのを大切に頑張っていきたいなと思います」

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「もっと頼もしい存在にならないといけない」
まだまだ尽きぬ向上心を胸に、世界の舞台を目指す

◆#11野本建吾(日本選抜・青山学院大3年・F)
130519NOMOTO.jpg2戦目は時間が経過するごとに外の確率が落ち、それに伴ってミスも出ていた。だが、この日は最後まで集中した表情でインサイドプレーに専念。早々の2ファウルでチームに動揺が走ったが、その後はしっかりと修正。ファウルを抑え、最終的には22得点をマークして日本選抜に初勝利をもたらした。青学大の先輩でもある永吉と張本が今回のチームには帯同しなかったため、インサイドにかかる負担は大きかった。しかし、外国人相手に3試合をこなした経験は、彼にとって今後の大きな糧になるに違いない。


—やっと一つ勝てたという感じだと思いますが。
「最後に一つ勝って帰ろうとみんなで話していたので、それができて良かったです」

—インサイドで出ずっぱりの状態でしたね。3日間どうでしたか。
「5番はゴール下とかチームを支える部分じゃないといけないと思っていて。永吉さんはチームだといつも下から声を出してくれていて、今思うと凄く頼もしかった存在だと思うので、自分も3戦目は下から声を出すように心がけていました。そういう存在になれるようにしたいです」

—今日はローポストのプレーがしっかりできていましたね。
「そうですね。ガードの宇都さんや祐眞(#7藤井)さんの動きに合わせて、しっかりそれに対応して点を取ることを心がけていて、2戦目は外に出過ぎて確率を悪くしたので、そこを見つめ直して。今日はもうちょっと中で攻めようと心がけていました」

—あまり走れていない印象もありましたが。
「そうですね。1日目は走れたんですが、それから疲れもあって、試合の後半も走れなかったなぁ、とはケビン(晴山)とは話していました」

—シュートを狙うべきところで、ためらっている様子があるのを感じました。
「そうですね(苦笑)。やっぱり相手はリバウンドが強いので、そこで躊躇してしまうのかなと。ただ今日なんかはリバウンドが良かったので、自分でももうちょっと狙っていって良かったと思います」

—ベンドラメ選手が体調を崩して試合に出られなくなって、雰囲気の落ち込みなどはなかったですか。
「人数が少なくなってちょっときつかったですけど、まぁなんとか大丈夫でした。雰囲気はトレーナーの岩本さんがアップから喝を入れてくれていて、元気がないときはちゃんと叱ってくれていて、それでみんなが活力を貰って。岩本さんも頼もしかったです」

—藤井選手や宇都選手のコミュニケーションで仲が良い雰囲気だということですが、野本選手もその点は感じていましたか。
「はい。宇都さんや祐眞さんが4年生でしっかりリーダーシップを取ってくれていて、ケビンや自分からしても本当についていけて良かったです」

—ユニバまで2ヶ月ありますが、どういったところを頑張っていきたいですか。
「ユニバでは更に上のレベルが相手でこのままではダメだと思うし、永吉さんや橋本がA代表の活動でこのチームに戻って来られるか分からないので、やっぱり自分とかケビンとかがもっとゴール下で頼もしい存在になれるように、もっと自分たちで成長をしていかないといけないと思います」


【PHOTO】
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試合に備えるアップを前に、一つに集まる日本選抜。3連敗だけは避けたかっただけに、勝利を決めた後は一様に安堵の笑顔を見せていた。


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韓国選抜・林承必とリバウンドを狙う皆川(明治大)。持ち前のフィジカルと高さを活かして限られた出場時間の中で貢献し、野本のファウルトラブルを繋いだ。


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坂東(筑波大)は3試合全てで2桁得点を挙げた。この日も必要なところで大事なシュートを決めていった。


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この日の宇都(専修大)は6得点に留まったが、6本のアシストで周囲を生かした。


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最後に両チームのメンバーが集まっての記念撮影。和やかな空気で大会を締めくくった。

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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