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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.11.25 (Sun)

【2012インカレ】東海大優勝インタビュー

「“次は2位とは言わせない”という気持ちで続けてきた」
最後の最後に努力と思いが実を結び、掴んだ頂点

◆#33狩野祐介(東海大・4年・主将・SG)
121125karino_i2.jpg「悲願」とはまさにこのことを言うのだろう。いつまでも止まらない涙、仲間からの終わることのない抱擁、そしてその後の満面の笑顔。多くの人の記憶に残る印象的な幕切れだった。「やっとです」喜びを噛み締め、絞りだすように話し始めたインタビューでは、どこか浮遊したような状態の中、頂点に立つまでどんな思いだったかが全身から溢れ出ていた。
バスケットを始めた小学生の頃から、狩野の近くには常に比江島慎の存在があった。それは仲間であることもあったが、大抵は優勝を阻む敵であり、何度も頂点の一歩手前で辛酸を嘗めさせられてきた。優勝の次、「2位」であるという評価は、常に彼の心の中にひっかかっていた事項だ。学生として比江島を越える最後の機会となった今大会。スタメンに復帰した狩野のプレーはどこかこれまでと違っていた。持ち味のシュートだけではなくあらゆるプレーに手を抜かない姿に、チームも呼応しての完全なる勝利。長い長い道のりをめげずに自分を信じて歩き続けてきた努力家が、最後の最後に一番欲しかったものを手に入れた。


―優勝おめでとうございます。
「…やっと、やっと優勝できました」

―優勝を決めた後、立ち上がれませんでしたね。
「足に力が入らなくて、立ち上がれなかったですね」

―あの時はどんな気持ちでしたか?
「これまで一歩手前で負けてきたことも思い出したし、やっと勝てた、優勝したという気持ちもありましたね。いろんなことが巡りました」

―どのあたりで涙が?
「ハーフタイムで少しやばかったんです。でも去年もハーフには似たような状況だったので、気を引き締めて。それで4Qの残り3分になって涙が出てきて、残り1分でファウルゲームで足がふるえて涙が止まらなくなって。最後に師門(#31高山)たちが出てきて勝利を確信したら号泣していました」

―あの涙が本当に印象的でした。今回のインカレに臨むにあたってどんな気持ちだったんでしょう。
「このインカレは何かが違うと感じていました。なんだろう、緊張もしないし何か違うという感覚だけはありました。対戦相手も来るだろうと思っていたチームが全部負けてきていたり、何か違うということをずっと感じていましたね」

―その中で自分はリラックスしてやれているということをおっしゃっていましたが。
「そうですね。シューティングの時なんかも全部入るし、不思議な状態で。うまく言えないけれど何か起こりそうな感覚がずっとありました」

―リラックスぶりを示すようなプレーと言うか、気負う感じとはまた違って、シュートだけではなくリバウンドやルーズボールにも非常に献身的で、これまでの狩野選手とは違う、という感じがした5試合でしたが、何がきっかけだと思いますか。
「やはりリーグ戦でスタートを落とされたというところからだと思います。そこでプレースタイルも変わりました。シュートだけではいけないと思って、ドライブもパスもして、そして勝利の鍵をにぎるリバウンドを取ってやろうと思う気持ちがありました」

―そういうチームに活力を与えるプレーは非常に印象的でした。今日はいいところでシュートも入ったのではないでしょうか?
「入りましたか?」

―覚えていない?(笑)
「内容はもう、あまり。速攻で決めたのぐらいしか覚えていないですね(笑)」

―キャプテンとしてこういう部分を見せようと、意識しているプレーはありましたか?
「ずっと背中を見せることを考えていて、中でもルーズボールとリバウンドを見せるのはキャプテンとして大事なことだと思っていました。さっきスタッツを見たらリバウンドは9本でケビン(#7晴山)よりも取っていたので、背中を実際に見せられて良かったなと今は思っています」

―ここまで何度も2位で涙を飲んできて、周囲にもそう言われることがあって、あきらめたり、気持ちが折れそうになった時はなかったですか?
「自分はなかったですね。見返そうと考えていたと言うか、逆にそう言わせないようにしようという気持ちが大きくて。怖い先生に教わっていた時は、怒られるたびに次は怒らせないようにしようという気持ちが強かったし、2位と言われても次は2位と言わせないようにしようと思ってきたのがありますね。大学は賑やかな東海というところに来られて、陸川監督という指導者に教えてもらうことができて、恵まれていたとも思います。最初は大学に行かないでプロに行こうと考えていたんですが、プロに行っていたらこの優勝も味わえてないし、本当に恵まれていました。もちろん今までの監督やチームにも。今年のチームはにぎやかででうるさいぐらいで、4年生の山田(#14)や師門もにぎやかで、応援も4年生が先頭に立ってやってくれて、仲間にも恵まれましたね」

―その中でも、原田コーチは狩野選手が練習から生活までお手本になってくれたのが大きかったとおっしゃっていました。
「食べ物だったり寝る時間、ストレッチなんかはそうですね。寝るのは11時と決めているし、ストレッチは風呂から上がって1時間から多い時は2時間やります。これは高校2年生の時からなんですが、食事は炭酸やお菓子、アイスも食べず、体にいいものを入れて。ずっと今まで我慢してきました。本当はそういうのが大好きで、今すぐ食べたいくらい大好きなんですけど(笑)、我慢して、我慢して、優勝したら食べるぞと思ってきたんです。それがようやく果たせたので今はもう体のことは考えず、まずは食べまくります(笑)」

121125karino_i.jpg―(笑)。今は何でもどうぞという感じです。優勝の後に観客席に向かって掲げていたものはなんですか?
「あれは2月に自分がプレーしていた地元のミニバスの指導に行った時に、後輩たちが書いてくれた寄せ書きです。今は自分の先輩がそこの指導者をしていて、教えに行ったんです。優勝したらこれを掲げるから、テレビに映るから、と約束していたので、果たせて良かったです」

―それは果たせて良かったですね。本当におめでとうございます。
「ほんとうにやっと、です。これ以上うれしいことはないです。ドラマを作って欲しいくらいですね(笑)」

写真下:庄内ミニバスケットボールチームからもらった寄せ書き。左下にサインした花岡さんが狩野選手が4年生だった時のキャプテンで、現在チームの指導者。右下の伊藤さんは当時の副キャプテン。その他に現役の選手たちからの言葉も寄せられ、先輩と後輩からの温かい気持ちにも優勝という結果で応えることができた。


※田中選手、晴山選手、バランスキー選手、ベンドラメ選手、原田アシスタントコーチのインタビューは「続きを読む」へ。


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「絶対にやってやろうという気持ちだった」
注目のエース対決を制し、タイトル奪取へ獅子奮迅の活躍

◆#24田中大貴(東海大・3年・SF)
121125tanaka_i.jpg学生としては最後の対決となる青学大・比江島とのマッチアップで、文字通りの完勝を収めた。MIP賞と同時に、例年4年生が授賞するMVPも『飛び級』で獲得。日本代表にも招集され充実したシーズンの終わりに相応しい活躍だった。
インタビューの合間、「まだ3年生ですもんね」と声を掛けられると、笑いながらも「『もう』3年生ですよ」と答えていた。オールジャパンが終われば、新チームでの戦いが始まる。東海大はもちろん、名実共に大学バスケットの「顔」となる存在である。インタビューの最後に答えたように、最終学年はタイトル総なめを誓う。


—青学大にやりたいバスケットをさせませんでしたね。
「個人として気をつけていたのは、勝負どころになると比江島さんが一対一をしてくることは分かっていたので、そこをいかにさせないか、という点でした。最後は10点リードしたんですけど、乗ったらどんどんくると思っていたのでなるべくボールを持たせないように心がけていました」

—自分のオフェンスの時の心がけはいかがでしたか。
「まず空いたら積極的に打とうと思っていて、ゾーンをしてくることも分かっていました。トーナメントでゾーンをされて負けていたので、どうしてもやりづらい部分はあるんですけど、それでも空いたら自分と狩野さん(#33)が積極的に打とうと思っていました」

—最初に二本決めて、やる気が伝わってきました。
「コーチからも自分のところで点数が取りたいという話だったので、ファウルを貰えれば良かったんですけど、でもシュートが入って良かったです。若いチームである分、去年の経験がある自分たちが最初から引っ張っていかないといけないという気持ちが強かったです」

—最終盤に、田中選手が声を掛け合って円陣を組んでいましたね。
「時間は少なかったですけど、何が起こるか分からないし、最後まで集中してうちらしいバスケットをやらなきゃダメだよということで、声を掛けました」

—ターンオーバーを抑えられたのが大きかったですね。
「そうですね。リーグの最終戦でターンオーバーが多かったのを、この試合で修正出来たのと、トーナメントで攻められなかったゾーンをこの決勝では攻めることが出来たのと、それらを上手く修正出来たことが勝ちに繋がったのかなと思います」

—そういう意味では対応力が強くなっているのかと思いますが。
「そうですね。うちのインサイドの若い二人も、身長差がある中で体を張って頑張ってくれていましたし、そういった面からも成長していると思います」

—5連戦はいかがでしたか。
「組み合わせが決まった時に『なんでうちだけが?』というのは正直ありましたけど(苦笑)、でもそれを乗り越えるためのトレーニングを一年間やってきて不安は全然無くて。それでも試合後にケアしてくれるスタッフの方々には本当に感謝しています」

—勝利を意識したのはいつ頃からでしたか。
「残り3分で10点差の時にはまだ全然油断していなくて。でも相手が最後に4年生を入れてきて、その時にはこれは絶対に負けないとは思いました」

—試合後に涙を流していましたよね。
「自分は残り40秒くらいからうるうる来ちゃっていて、チームとしても去年は悔しい思いをして、個人としてはチームに迷惑をかける形になって、他の人より悔しい気持ちは強かったですし。試合前に去年の4年生から連絡を頂いて、『俺たちの分まで頑張って欲しい』ということだったので、そこは何が何でも絶対にやってやろうという気持ちでした。終わったら自然と涙が出てきて、自分でもびっくりしました(笑)」

—クールな印象がありますが、それでも勝って泣いた経験は無いですか。
「全然無いです。小学校の頃は負けたらしょっちゅう泣いていたんですけど。自分はクールというより大人しいというか、表情には余り出さないですけど、チームでいるときにはわいわいしてますね」

—今季は精神的に成長した印象がありますね。
「コーチはもっと自分に引っ張って欲しいという思いが強かったと思うんですけど、そこで『自分はそういうタイプじゃないから』と言ってしまうのではなくて、上級生である自分もしゃべらなきゃいけないという気持ちはありました。それで積極的にやるように心がけていました」

—今年は代表チームでの経験も大きかったのでは。
「アジアカップの時期にチームを離れたのは、チームには迷惑をかけたんですけど、逆にそれがプラスになって返ってきていると思います。アジアカップで意識が変わったし、良い経験をさせて貰って、そのまま高い意識でやれているので、この経験は大きかったと思います」

—そこで自信がついたのではないでしょうか。
「そうですね。落ち着いて試合に入れるようになったし、こういう考えはおかしいかも知れないですけど、日の丸を背負うことに比べたらそこまでプレッシャーは重くはないのかな、と(笑)。各国の代表選手と比べたら、大学生はサイズも小さいし、そういった面では余裕があったと思います」

—比江島選手とのマッチアップが常に注目されてきて、ご自身ではいかがでしたか。
「そういう話をされた時に、去年は向こうが勝って、今年もこれまで向こうが勝ち続けて、最終的には勝つのは向こうだ、といった雰囲気になっていたので。でも自分は今年のチームが始まった時にみんなの前で『倒せるチャンスは今年しかないから絶対に倒す』と言っていたので、それが最後に出来て良かったです」

—春から比較して、見違えるチームになりましたね。
「春はまだ若くて色々不安なところはあったんですけど、試合を重ねるにつれて下級生にも『自分たちがやらなきゃいけない』という自覚も出てきたと思うので、良くやってくれた後輩たちのお陰でもあると思います」

—新しいセットオフェンスも準備していたと聞いています。
「リーグが終わってから自分がコーチに呼ばれて、新しいオフェンスを使おうと思っていると言われて。ただ決勝に来るまでに点数を離せてこられたので、それを使わずに決勝まで進めたのは本当に大きくて。スカウティングもされなかったですし。それはここまでの戦い方が良かったからだと思います。青学もそれを分かっていない分苦しんだと思うし、練習でずっとやってきたので、問題は無かったです」

—いよいよ来年は最終学年ですね。
「来年は、全てのタイトルを獲るつもりでやろうと思っています」

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「どれだけ相手に勝ちたいかという気持ちで臨んだ」
多くの可能性を秘めた伸びしろ豊富な2年生

◆#7晴山ケビン(東海大・2年・PF)
121125hareyama_i.jpg布陣の関係で4番ポジションを務めるが、ミドルシュートは大会を通じて好調で、ディフェンスだけではなくオフェンスでもチームを助けた。
高校生からバスケットを始め、昨年「面白い奴が入ってきた」とスタッフからも期待されていたが、今年その能力が一気に開花を始めた。原田コーチも「努力をまったく嫌がらない」と期待をかける選手だが、フィジカルの強さや瞬発力など、持って生まれた肉体の能力に加え、努力を怠らない気質や、明るい性格が掛け合わされて今後どこまで伸びるのか、想像がつかない選手でもある。新しいプレーもまだまだ吸収していこうとしている今、プレーの一つひとつから目を離せなくなりそうだ。


―2年生での優勝になりましたね。
「ちょっと想像していないと言ったらあれですが、2年で優勝できるとは、ですね。でも本当に良かったです。狩野さんがあんなに喜ぶ姿を見られて自分も幸せで、チームも勝てて、陸さんを胴上げできて、校歌も歌えて。今日はすべてが最高の日でした」

―決勝までとにかく晴山選手のシュートが本当に確率が良くて、ゲームの流れを持ってくるかのように入った印象です。
「あまり意識していないんですが、コーチは『もらったら打て』『どんなタイミングでもいいから打ってみろ』と。その結果入ったので本当にコーチに感謝しています。自分は高校からバスケットを始めて、みんなと比べてぜんぜんシュートを打っている数も違いますし、経験もありません。だからといって試合に負けるとかそういうことも決まっていないし、今どれだけ相手より勝ちたいかという気持ちを持って試合に臨んだので、そのおかげでシュートも入ったと思います」

―決勝でも気負いはなかったんですか?
「はい。迷わず」

―特にミドルシュートは上手いなと思いますが、そのシュートがうまくなった元はどこにあるんですか?
「最初はフリースローが得意だったんです(笑)。高校の時にフリースローの打ち方をアシスタントコーチから教わって、ミドルシュートを打ってみればと言われてだんだん打ち始めました。3Pまではいかなかったんですが、だいたい0度、45度、トップの5カ所を打ってみて『いいじゃん』となって。そこからどんどん打っていって今ここまでつながったと思います」

―本格的に打ち始めたのは大学生になってから?
「高校3年で打ち始めたんですが、ここまで入っていなかったです。大学生になってコーチ陣たちがリバウンドをしてくれる素晴らしい環境があって、自主練でもずっと打ったし、ミドルシュートはここまでずっと磨いてきました」

―努力の結果なんですね。3Pはまだですか?
「3Pはまだです(笑)。来年のトーナメントくらいまでに入るといいですね(笑)」

―今日はディフェンスでもずっと集中が切れませんでしたね。
「少し追い上げられた時も狩野さんがすぐに声をかけてくれました。『大丈夫だ、気にするな』ってその一言で目も覚めるし、プレーをミスしても狩野さんや大貴さんが厳しいことも言うんですが、そのおかげで本当にみんな気を引き締めて戦うことができました。それでずっと気持ちを切らさずにできました」

―前半は追い上げられてしまって、ハーフタイムに入りました。昨年も似たような展開でしたが考えましたか?
「そうですよね。ハーフタイムに陸川監督から3Qの出だしが本当に大事だと言われて、相手もガーッと来たんですが、そこを我慢してディフェンスすれば絶対に自分たちに流れは来ると思って3Qの出だしは守りましたね」

―青学が中にパスを通そうとしてもバランスキー選手と2人での動きが本当に早くて、中にボールが入らなかったのがすごいと思いました。
「自分とザックはぜんぜん身長がないんですが、でも機動力や瞬発力は本当に負けないので、そういうところを活かして相手を潰したり、また自分のマークマンに戻ったりと、そういう動きの中では負ける気はしませんでした」

―本当に今日は最高の勝ち方だと思いますが、ここからの目標は。
「優勝して天狗にならないように。まだまだ目標はあるし、来年も再来年もインカレはあります。それをすべて勝ちきることができるように、練習が再開した時から頑張っていきたいです」

―これだけ2年生で活躍したら、来年からはマークも厳しくなりそうですね。
「そうしたらちょっとドライブを覚えます(笑)」

―先ほど原田コーチもドライブを教えなければ、というような話をされていましたよ。
「コーチは厳しいことも言うけど的を得てもいるので、ついていきます!」

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「インサイドが穴だと言われてすごく悔しかった」
まわりの評価を強い気持ちで見返したディフェンス王

◆#10ザック・バランスキー(東海大・2年・PF)
121125zak.jpg192cmと青学大のインサイド陣と比べて高さでは不利になるが、それを感じさせない基本に忠実なボックスアウトとディフェンスでチームに貢献。見事相手に強みを活かさせず、数字に残らない地味な部分で勝利を引き寄せる活躍だった。その原動力となったのが、まわりの見方に対する悔しい思い。その雪辱を晴らすような、頼もしい存在へと成長したことが、そのままチームの躍進に直結したと言えるだろう。自分を信じて、自分より大きい相手に果敢に立ち向かっていく姿勢は、見る者に勇気を与えたはず。バランスキーを筆頭に、チームはまだまだ若いチーム。今後の可能性に期待したい。


―今の心境はいかがですか?
「自分のチームで優勝するのは初めてなので、本当にすごく嬉しいです」

―同率でディフェンス王だったとのことですが。
「そうみたいです。昨日のソウ(近畿大#22)や今日の永吉さん(青山学院大#25)もそうですけど、礼生(#0ベンドラメ)が『相手は結構ボール前に出すのでそこを狙って下さい』と言ってきて、それを意識したら何本かカットできました。だから礼生に感謝ですね(笑)」

―今大会はディフェンスやリバウンドでの貢献が光りましたね。
「自分は相手チームのセンターよりパワーやサイズは無いんですけど、陸さん(陸川監督)からその分クレバーさを出して頑張れと言われていました。今大会、自分はシュートが全然入らなかったんですけど、自分たちはディフェンスのチームですし、自分が点を取れなくても絶対自分のマークマンにやらせないということを意識して。それで今日も永吉さんが前にボールを出したときがチャンスだと思って何個かスティールができたのは良かったです。リバウンドも、自分は高校の時からセンターをやっていてずっと自分よりでかい相手についていたんですけど、ボックスアウトをすればちゃんと取れるという自信があったし、サイズの足りない分は絶対気持ちで上回ろうと思っていつも臨んでいました」

―気持ちという点では、青学の選手たちからも『東海に気持ちで負けていたかもしれない』という言葉が聞かれました。本当に勝ちたい思いが強く出た決勝戦でしたね。
「そうですね。今年のトーナメント決勝で青学と戦った時に、ルーズボールだったりリバウンドだったりが負けていて、『俺たち気持ちで負けていたな』ということも言っていたんです。リーグ戦の何個か負けた試合もそうだったなという反省があって、このインカレは、1回戦からどんな展開になろうと相手に絶対気持ちで負けないと言っていました。絶対気持ちは相手に上回るんだという意識は強かったです」

―40分、集中も切れませんでしたね。
「そうですね。でも集中はしていたんですけど、自分は大事なところで何個かミスしてしまって…。やばいと思って少し落ち込みそうになったんです。でもそこで狩野さん(#33)や大貴さん(#24)が『強気でやれ』と声をかけてくれて。それで、過去のミスを引きずってもしょうがないので、次のディフェンスで取り返そうという意識に切り替えることができました」

―3・4年生の存在が大きかったんですね。主将の狩野選手からも優勝に懸ける気持ちは感じました。
「本当に最後の最後で狩野さんを優勝させることができて良かったですね。狩野さんは、自分が入学したときからずーっと『日本一になる』と言っていたし、日々の練習からずっと、日本一になるため、というのを意識してやっていたんです。この人を勝たせたい、そのためならどんなことでも貢献したいなと思って、一緒にコートに立てたことを誇りに思いますね。みんなも狩野さんを勝たせたい想いは強かったと思います」

―まだオールジャパンはありますが、学生の大会としてはここで一区切りとなりました。今シーズンを振り返ってどんな1年でしたか?
「今年、最初は満さん(満原・11年度卒・現JBL日立)と健さん(坂本・11年度卒・現JBL2豊田通商)が卒業して、インサイドが弱くなると言われていたんです。晃佑(#21橋本)が入ったことで大丈夫だと言われていたんですけど、晃佑が怪我したときに、東海はインサイドが穴だなとまわりから言われているのを聞いて。その時に自分がセンターをやっていて、本当にそう言われたのがすごく悔しかったんです。もう東海の穴はインサイドだなんて言わせないように、絶対止めてやる、リバウンドを取ってやるという気持ちは強かったですね。それに今年はチームとしても大貴さんが代表で抜けたり怪我人も多かったりして、経験の無いメンバーが多かったんですけど、それでもみんな強気で戦ってレベルアップすることができました。チームとしてすごく成長した年だったと思います」

―今シーズン、残るはオールジャパンですね。
「一番の目標であるインカレ優勝は成し遂げたんですけど、もうひとつ『JBLを倒す』という目標があるので、今週しっかり休んで、また練習が始まったら気持ちを切り替えて新たな挑戦に向けて全力で頑張りたいです」

―陸川監督も『まだまだ伸びしろのあるチーム』と言っていました。これからが楽しみなチームですね。
「そうですね。今年、試合に出ていた4年生は狩野さんだけだし、大貴さんとあとはほとんど下級生が試合に長く出させてもらっているので。まだまだ自分たちは成長できると思うし、可能性は無限大だなと思っています。今後も楽しみです」

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「やられたらやり返すという気持ちはいつでもある」
一瞬の隙を狙った高速スティールでチームの追い風に

◆#0ベンドラメ礼生(東海大・1年・延岡学園・SG)
121125bendrame.jpg1年生ながら、これまでプレッシャーのかかる大事な局面で重要な役割を任されてきたベンドラメ。春のトーナメントでは勝負所でターンオーバーから失点する悔しさも味わったが、優勝を果たした新人戦や初めてのリーグ戦で経験を重ね、自身でも言うよう「成長できた1年」となった。今大会は、和田らの怪我もあってガードポジションの不安定さが懸念されていたが、終わって見れは今年からのコンバートとは思えないような堂々とした活躍で1番ポジションを担った。相手が弱気に思えたという一瞬の隙をついてスティールまで成功させ、大物ぶりを感じさせるプレーで観客を魅了する場面も。これで高校3冠に続いて大学でも全国制覇を達成。頂点を知っているが故の勝利への執念が、今後も東海の浮沈の鍵を握るだろう。


―優勝おめでとうございます。終わって今の心境はいかがですか?
「今年は今まで負けていますが、こうして最後の全国大会で勝てたというのがとても嬉しいですし、自分たち若いチームにとってとても自信になったと思います」

―青学が相手ということで、試合前に特別な意識はありましたか?
「そうですね。やっぱり青学は他のチームとはなんとなく違うオーラを持っているチームで、緊張しました。でも全力で自分にやれることをやるだけかなと思っていました」

―その緊張は試合中もあったんですか?
「いや、そういう緊張ってたぶん最初のワンプレーで決まると思うんですけど、最初にいきなり天傑さん(#8張本)に思いっきりブロックされたじゃないですか。あれがもう笑いが出ちゃうくらいの見事なブロックだったので(苦笑)、そこで逆に緊張もほぐれたかなと思います」

―“自分にやれることをやるだけ”と言いますが、青学大の小林選手に対して素晴らしいディフェンスをし返したと思います。春のトーナメントでは大事な場面でスティールされましたが、あの時の借りを返しましたね。
「やっぱりやられたらやり返すという気持ちはいつでもあります。今日は以前のようにやられないようにと意識していて、スティールはされなかったので良かったです。40分間、いかにどっちが集中するかだと思っていて、最後の場面で青学の集中力が切れたからああいうスティールができたんだと思います」

―記者会見で『相手が弱気になっているように見えた』と仰っていましたね。
「試合の中で、相手の表情というのは常に見ているので。パスする方向とかもその表情で分かるじゃないですか。それで見てて、ちょっと弱気になっているのかなと感じたので、隙あらばと狙っていきました」

―逆に東海はリーグ戦で負けた時よりも強気で戦っていましたね。
「トーナメントやリーグ戦で負けたことによって学べるところもたくさんあったし、負けたことでインカレに対しての気持ちはより一層強くなったと思います。今までやってきたことへの自信と、仲間を信じるという気持ちで戦いました」

―これで学生の大会は終えて一区切りですが、ルーキーイヤーはどんな1年間でしたか?
「個人的に、ポジションチェンジも経験してとても成長できた1年でした。ガードとして、ボール運びのところでミスをしないようにというのを特に意識していました」

―ガード陣に怪我人が多くて、不安もあったのでは?
「とても不安でした。特に和田さんは、リーグ戦の時に練習中に自分の足の上に乗って怪我をしてしまったんです。その日の練習は全く身が入らなかったし、次の日からも横で出られなくて苦しんでる和田さんを見ると涙が出そうになって…。その前にも、大東戦で、自分が最後に上手くパスが出せなくて負けるという試合がありました。そういうのが重なって、その時期は結構メンタルにきてましたね」

―そこからどうメンタルを上げていったのでしょう。
「それはやっぱりまわりの先輩たちの声掛けだったり、陸川先生が色々声をかけてくれたおかげだと思います。怪我している人の分まで、という思いもありました」

―下級生主体のチームの中で、狩野選手や田中選手が声をかけて引っ張っていたという話ですが。
「そうですね。すごく先輩を信頼する部分もあったし、4年生が一人しか試合に出ていない中で、自分たちがしっかりしなきゃいけないなという思いもありました。それにこのインカレは、やっぱり狩野さんたち4年生を最後に勝たせたいという思いが強くて。今日の試合も、前日に狩野さんの恩師である井手口先生から『狩野を勝たせてやってくれ』と言われたんです。それでより一層勝たせてあげたいという思いが強くなって、自分にやれることを全力でやろうと思いました」

―次はオールジャパンがありますね。今はまだ喜びに浸りたい気分かと思いますが。
「そうですね。まずは体をしっかり休めて。でもこのチームの最終目標は、JBLを倒すことなので、JBLを倒して気持ちよく4年生に引退してもらいたいですね」

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「思いがエネルギーになることを証明できた」
目指していたものが形になった喜び

◆原田政和アシスタントコーチ
121125harada.jpg2004年度の卒業生でもあり、東海大が1部昇格を遂げた年に最上級生として在籍していた。高校時代には佐藤久夫氏の元、仙台高校で志村雄彦(bj仙台)らとともに全国制覇を成し遂げた一員でもある。東海大に就職した後、東海大四中、東海大札幌を指導し、昨年よりシーガルスのアシスタントコーチに就任した。
就任時より言い続けていたのは「気持ち」の部分。東海大の選手は全国から集まったエリートだ。しかしバスケットの技術以前に、大事な場面でそれを出しきれないことを常に気にしていた。今年は狩野という頼もしいリーダーを得て、それをサポートする形でチームを鼓舞。チームがひとつになったことで優勝できたことを心底喜んでいる姿が印象的だった。「高校時代の優勝と、東海大の1部昇格と、今回の優勝が人生で最もうれしかった3つの出来事」と言う原田コーチ。そのうれしい出来事をまだまだ増やしていける可能性を秘めているチームに、東海大としてのメンタリティをさらに深く浸透させていけるか。コーチとしての今後の手腕にも期待だ。


―コーチとしてここまでどのように取り組んでこられましたか。
「陸川コーチが戦術的には方向付けをしてくれているので、僕は東海大として明るさだとか気合がこもったプレー、学生らしくやるというところを追求して選手には課題を与えてきました」

―去年からアシスタントコーチとなられて、技術的にはうまいんだけれど気持ちが足りないという部分を気にしておられました。その点について今年はどういう指導をされましたか。
「たくさん何かを言うというより、狩野(#33)がリーダーシップを発揮してくれているので、下級生の1、2年生とあとは4年生では試合にあまり絡まない山田(#14)や高山(#31)にはちょくちょく声をかけて、チーム全体がレベルアップできるようにしていました。まずは雰囲気づくりを重視しましたね。3年生は須田(#51)や佐藤(#23)が手を抜かずに練習の雰囲気も作ってくれているので、そこは心配せず、上と下の学年は特に重視して底上げをしていました」

―狩野選手は自分では上から言い過ぎるのは良くないと思っていたようですが、主将としての態度にはどのようなことを感じていらっしゃいましたか?
「自分では意識して何かやっていると彼は言わないと思いますが、練習に対する姿勢やトレーニング、私生活や寮生活の手本になっていました。そういった意味では我々スタッフは狩野のおかげで、厳しく練習するという部分ではそんなに苦労をしなかったと思います。本人は自分はいつも何もしていないと言うので、意識していないと思いますが(笑)」

―今年は本当に狩野選手のリーダーシップが期待されていた訳ですが、結果として出ましたね。
「それもありますし、周りのみんなが狩野を絶対に優勝させてあげたい気持ちを持っていたと思います。本当に彼が努力しているのはみんなが認めているところなので、比江島選手(#56)のいる青山学院に勝って狩野を胴上げしたいという思いがひとつになったと思います」

―インカレに入って狩野選手のプレーも変わりましたし、チームも狩野選手自身もとても調子がいいなというのは感じましたが、練習でもそうでしたか?
「練習は2週間ハードにやったというのはありますが、やるだけというか。狩野はリーグの時にスタメンを外れて、今回は藤永(#8)の足の状態が良くないということでまたスタメンに戻りましたが、バックアップの時にプレーしていたアグレッシブな気持ちのままスタメンに戻ってきたので、それで思い切り良く行けたのかなと思います。スタメンから外れる前はシュートもあまり良くなく、打て打てと言われているけれど打てない状態でしたね。大貴(#24田中)も途中で戻ってきて合わせもうまくいっていなかったし。でもリーグが終わるまでにそこの修正もできて、インカレにいい形で入れたと思います」

―リーグ最終戦の青学戦ではリバウンドこそ良かったですが、差をつけられた内容だったので、決勝でこういう形にできたのは少し驚きました。
「リーグが終わってからの練習は新しいことをやる訳ではなく、少しセットプレーを入れたぐらいですね。でも基本はもう一回ディフェンスから頑張ろうということでした。陸川監督もディフェンスとリバウンドが我々のチームを勝利に導くと常々言っているので、それを原点としてやりこんだのが良かったと思います」

―あとは常に目指している、明るく、チーム一丸となるチームカラーというのがより強く出てきたのが今年のチームではないでしょうか。
「やはりうちは雰囲気だったり、明るく楽しくバスケットをやっていることをエネルギーにしようというのが陸川監督の教えです。それが形になって応援も含めてひとつになったんじゃないかなと思います。思いをエネルギーにするということ、それを証明できて僕はOBとしてもアシスタントコーチとしても嬉しいし、また陸川監督のバスケットで優勝できたということも本当に嬉しいです」

―けれど、まだまだこれからのチームでもありますね。
「大会中もザック(#10バランスキー)、ケビン(#7晴山)たち下級生がとても良かったですが、ケビンなんか練習では出ないようなプレーも出てきた。まだ教えていなくてできないと思っていたんだけれど、ドライブをするシーンもありました。伸び盛りですよね。今は4番ですけど、徐々に外のプレーができるようにさせていきたいと陸川監督とも話しています。彼は明るくて努力することを厭わないし、ここからが期待です。飯島(#22)もそうですね。努力を嫌がらない選手たちが大勢います」

―東海大のバスケットを実践してくれる選手たちが伸びてきているのが楽しみですね。
「これから1週間休んで今度はオールジャパンの練習に入りますが、いい意味で世代交代して相乗効果でオールジャパンも戦えればいいなと思います」


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