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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.11.23 (Fri)

【2012インカレ】11/23 近畿大VS筑波大

【近畿大の粘りと集中力が筑波大を上回りベスト4へ】

121123kida.jpg 昨年に引き続き、大事な場面で関西勢の挑戦を受けることになった筑波大近畿大に負ければ再びインカレの枠をひとつ失う責任を背負うことにもなる注目の一戦だった。

 1Qは近畿大の勢いに完全に筑波大が押されてしまった。出足に#47砂川(4年PF)がシュートを決めるが、その後は#22ソウ(1年・C・沼津中央)の高さになかなか思い切ったシュートに行けない。リバウンドを取られて走られ、#7野呂(3年・SG)に速攻を出され、#77木田(4年・SG)のアウトサイドも決まって近畿大が10点のリードに。点が取れない筑波大は残り2分半で#21笹山(2年・PG)を投入。これで流れが好転し、#76星野(4年・SF)のバスケットカウントや#50梅津(4年・C)のミドルシュートなどで持ち直し、14-14と同点に戻して1Qを終えた。

 1Q終盤の流れを持続したい筑波大だったが、2Qは双方が膠着状態に。点を取ってもすぐ取り返され、24秒オーバーや3秒オーバーが出る近畿大に対し、筑波大はやはりシュートが入らない。交代した#50梅津や#34池田(3年・SF)の得点で盛り上がりかかるが、近畿大は#22ソウがダンクを見せて今度は近畿大側が盛り上がる。筑波大は無得点の時間が4分ほど続き、その間に近畿大は#22ソウが流血で一時下がるものの、#15橋本(2年・SG)のレイアップや#33藤田(1年・SF・西海学園)のミドルシュートで逆に筑波大を突き放す。結局2Qは29-23で近畿大がリードする。

121123sunagawa.jpg 3Q、近畿大は#22ソウの連続得点で10点のリード。しかしここまで無得点だった#14坂東(2年・SG)がようやく1本目の3Pを決めると#21笹山の3Pが続いた。#50梅津のバスケットカウントもあって3点差にまで詰めた筑波大だが、近畿大の激しいディフェンスにターンオーバーも出てしまい、再び引き離されていく。近畿大は#22ソウへボールが入ると簡単に止めようがなく、3Qは42-35と近畿大が7点のリードを保った。

 4Q、#32武藤(3年・C)、#14坂東の3Pが続き、#47砂川のミドルシュートで開始1分半で筑波大が逆転。だがこの日の近畿大は入れても入れても返してくる。#7野呂が2連続のシュートと3Pを決めると再びリードは近畿大。しかしここからファウルが続き、これで得たフリースローを筑波大が入れていき、苦しい中でも少しずつ点差を詰めていく。残り3分、#21笹山のシュートで再度筑波大が55-55に追いつくが、すぐに近畿大#77木田が3Pで返して筑波大の反撃の芽を摘んだ。残り1:40、近畿大は#22ソウの得点で60-56のリード。しかし45秒で#32武藤が放った3Pがネットに吸い込まれ60-59の1点差に。近畿大は#0大橋(4年・PG)のシュートが入らず、リバウンドは筑波大。残り十数秒、ボールを持った司令塔の笹山は周囲の動きを見極めつつも、前にいた#22ソウが引いていたこともあってか自身の3Pを選択。しかしこれが外れてタイムアップ。60-59で近畿大が歓喜に包まれ、初のベスト4進出を果たした。

121123tukuba_20121124110240.jpg 近畿大は最初から最後まで全く勢いが途切れなかった。ソウがいない時間帯も逆に筑波大を引き離し、逃げ切った。木田が14点、野呂が13点と分けあい、ディフェンスでは全員が筑波大に激しくぶつかっていった。誰が出てきても引かない覚悟で戦い、全員バスケが実った結果だ。次はディフェンスに加え高さ、得点力のある東海大が相手。この力を発揮できるかどうかを見てみたい。

 筑波大は高さにも苦しんだが、1Qではボールへの反応で明らかに近畿大に負けていた。慣れない相手との対戦は神経を使う。思い切りの良さでぶつかってきた近畿大に対し、後手に回ってしまったのが痛い。外がもう少し決まれば違っていたが、確率が上がらなかった。

写真上:木田は14点。効果的な3Pも2本決めた。
写真中:4Q、シュートを決めて逆転し雄叫びを上げる筑波大・砂川。
写真下:最後のシュートを外した笹山がその結果を悔やんだ。

※近畿大・禿監督、嘉陽選手のコメント、筑波大・星野選手、池田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【COMMENT】

「スタートで成功したのが結果につながった」
◆禿 正信監督(近畿大)
「相手のセンターが外に出て打ってくるので、ソウを下げても守れると思う。ソウがつけないのでその方が守りやすい。32番(武藤)の3Pが一番恐かった。そこで4番をマークさせたら砂川(#47)が外目で打ち出したが、そこしか無いと思うし、相手に決められても我慢して、落ちたリバウンドを頑張ろうとしていた。うちはディフェンスチームでディフェンスが良かった。相手の得点を抑えられたのが勝因だと思う。入れ合いをすると駄目。(関西の枠が残ったが)それが良かった。関西中からプレッシャーをかけられていたのでホッとした。最初スタートで成功して、それが結果的に大成功だった。木田(#77)と野呂(#7)がよく決めてくれた。ソウが抑えられていた分、割っていけた。ソウの持ち味はディフェンス。カットを多くしてくれたお陰で相手が外角中心になった。

この先の東海・青学は一つ上のレベル。青学はダントツ。東海は狙えるよと言っている。青学・東海は上のレベルだが他のチームは食っていけると思っていた。ソウが一年生で勝って、今後に繋がる試合ができた」

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「一戦一戦を戦って結果がついてくる」
◆#41嘉陽宗平(近畿大・4年・主将・C)
121123kayo.jpg「昨日は天理大で同じ関西のチームで、フォーメーションも読まれていてやりずらかった。昨日は勝ったけど不完全燃焼。今日は負けても失うものはないので最初から全力で、関東が相手でも自分たちのバスケットをやるつもりだった。

 自分たちはベスト4とかじゃなくて目の前の一戦一戦をちゃんとやって結果がついてくればと思っている。強い意識はないし、関西で優勝しても関東のレベルに達しているとは思ってない。でもチームで戦えば関東にも勝てるというのを証明したかった。あと関東がフィジカルが強いけど、自分たちもそれに負けないくらいの準備をしてきたし、ひるむことなく逆に絶対やってやろうと思っていたし、引かない気持ちだった。関東の選手は能力が高いので、体の強さとかでは負けないようにやってきた。そこは負けたくなかった。ソウが下がった時も我慢の時間帯だし、それも想定していたのでディフェンスから我慢するのがポイントだった。

 自分たちは5人で戦うんじゃなくてチームで戦うのが持ち味で、それを考えてやってきた。5人がダメでも次の5人がやってくれる。自分が与えられたプレータイムで全力を出すことを心がけている。監督の判断や自分がダメだと思うとメンバーチェンジを言うこともある。仲間を信頼してやっているので、スタートの5人がダメでも残りの5人が全力でディフェンスを頑張ればなんとかなる。休んでいる時間で自分たちで相談して、また次の機会に100%で戦うという感じ」

「チームのために働ければいい」
◆#22ソウ・シェリフ(近畿大・1年・C・沼津中央)
121123sow.jpg「今日は、相手のディフェンスが強かったのでボールが全然入ってこなくて、そんなに点は取れませんでした。けど、僕は得点は気にしていない。点数が取れなくても、リバウンドを頑張ったり、チームのために働ければいいと思っていました。でも、疲れました(笑)。明日もたぶん、たくさんの選手がカバーに来て厳しい戦いになると思うけど、自分は勝負できると思っています。東海とは春に練習試合をやって、僕は自分でも分かっているけど筋力がない。それでその時は吹っ飛ばされちゃって。春は近大のバスケットも分かっていなくて、全然戦えませんでした。フォーメーションが多くて、全然覚えられなくて大変だったんです。先輩たちもいらいらしたと思います。でも大変で厳しかったけど、特にキャプテンの宗平さん(#41嘉陽)がフォーメーションが分からない時に、作戦板を持って何回も教えてくれました。それでもう覚えたので、あの時よりも戦えると思います。高校の時は中でのプレーばかりだったけど、大学で先生にシュートも打たなきゃいけないと言われて、そういうところがこの1年で成長したと思います。そういうのを出していきたいです」



【INTERVIEW】

「それぞれ自分がやらなきゃいけないことを考えていた」
“団結”を掲げ、学年関係なく持っていた高い意識

◆#76星野拓海(筑波大・4年・SF)
121123hosino.jpg惜しくも1点差で敗れ準決勝進出とはならなかった筑波大。怪我人や、高さの不利もあって後手に回る形となった。だがインカレへの雰囲気は非常に良かったと言い、学年関係なく下級生も自覚を持ったチームになったことを主将の星野も誇りに思っているようだ。練習中から全員が言い合う環境を作り出したことで、リーグ戦は4位、インカレはベスト8の壁を5年ぶりに破るなど昨年より一段階上のレベルへと上がった。チーム一丸となって、残りの試合も戦ってほしい。


―近畿大と戦ってみてどうでしたか?
「ソウ(#22)にもやられてしまったんですけど、ソウ以外の日本人にはやられないようにしようと言っていたのに、良いところでまわりの選手に思い切りのいいシュートやドライブを決められてしまって。そこで調子づかせてしまったなと思います。トータル的にはロースコアに抑えられたので、うちのオフェンスが悪かったかなと思います」

―オフェンスでは、やはりゴール下のソウ選手の存在感が大きいですよね。
「そうですね。普通にディフェンスを抜いてレイアップに行っても、ソウがいるってことで気にしてしまって。でもそれは試合前から目に見えていたので、最初はブロックされてもいいから怖がらずに思いっきり行こうと言っていたんです。それで最初はみんな果敢に攻めたんですけど、やっぱり思いっきりブロックをされてしまうこともあって、後半少し躊躇してしまって。もっと合わせのプレーとかソウをフェイクで抜いたりとか、そういうプレーをすればもっと点が伸びたかなと思います」

―試合の入りからどこかペースを掴めませんでしたね。
「そうですね。近畿大は、抜かれてもソウがゴール下にいてくれるからって感じで、まわりの選手も結構ディフェンスに激しく当たっていて、そういうのに慣れない部分がありました。逆に、うちがもっと外の選手にプレッシャーをかけたりとかソウにボールを入れさせないよう頑張ったりすれば、もっと早めにうちに流れが来たのかなと。それにシュートも打てるシュートを打たなかったこともあったし、前半からアウトサイド陣ももっと積極的に外のシュートを打てば流れも変わったのかなと思います」

―優勝への道は途絶えましたが、ベスト8は久しぶりですよね。
「5年ぶりですね。もちろんインカレ優勝が目標だったんですけど、ベスト8が決まった昨日は本当に嬉しかったです。ここ何年ずっとベスト16で負けててベスト8の壁を越えられなかったので、最低目標としてベスト8に入ることが一つの目標で。それが昨日達成できて、僕自身、ひとつのプレッシャーから解き放たれたというか、肩の荷が軽くなった部分はありました。変に背負い込んじゃうタイプなので、昨日もすごく緊張してあまり良いプレーができなかったんですけど、今日はまわりのことも見れたし、チームをまとめようって意識もちゃんと持てたかなと思います」

―オールジャパンはやはり出たかった?
「そうですね。4年間一度もオールジャパン出ずに終わるのは嫌だと思ってたし、出てみたかったので、嬉しいです。インカレもあと2試合あるので、勝ちきって終わって、上手くオールジャパンにつなげたいですね。そうすればそれがまた来年にもつながると思うので。あと少ししか試合はないですけど、下級生に何か伝えられたらいいなと思います」

―下級生も奮闘していますしね。今年は“団結”という感じでやってきて、学年関係なくチームで戦う姿勢が見えました。
「チームが始まる時に、そこを目指してスタートしました。それで段々とチーム状況も良くなって、下級生も勝ちに貪欲だし、それぞれが勝つために自分がやらなきゃいけないことを考えていました。思ったことを言い合ってきたし、それがチーム全体に浸透していって、そういうチームになったんじゃないかなと思います。それは本当に嬉しいですね」

―練習が終わった後も集合してお互い意見を出し合う時間を作っていますよね。
「そうですね。あれは毎回の練習でやっています。武藤(#32)とかは結構自分から言うんですけど、自分から言わない人も多いので、僕が何人か指名して、学年で一人ずつくらい何か意見を言ってもらっていますね。どんな人でも絶対練習や試合に対して思っていることは何かしらあるはずなので、そういうのを聞くことも大事かなって。そういう環境が試合にも表れているから、先輩・後輩関係なくなんでも言いあえるようになったんだと思います」

―明日の順位決定戦に向けて。
「勝ちきって5位で終わりたいですね。出だしでガツンとやりたいと思います」

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「考え方をチェンジしたのが良かった」
雑念を振り切り、思いきりの良いチャレンジを

◆#34池田龍之介(筑波大・3年・SF)
121123ikeda.jpgシックスマンとして今大会良いところでシュートを決めるなどチームを助けている池田。考えることのできる頭の良い選手だけに、春は余計な事まであれこれ考えすぎて自分の感覚でプレーできなかったと言うが、そうしたスランプを乗り越え徐々に調子も良くなっているようだ。悔しい敗戦となったが、自身も言うようモチベーションの難しい順位決定戦は、真価を問われる戦いでもある。最後まで全力で戦いたい。


―近畿大と戦ってみてどうでした?
「ソウ(#22)のところはセンターの人たちが頑張ってついてくれたしリバウンドだって一生懸命競り合ってくれたと思うので、個人的には僕とかがもっと相手のフォワードにプレッシャーをかけれれば良かったなと思います。77番(木田)や7番(野呂)や16番(橋本)の選手が自由に好きにプレーしていたからソウも活きちゃったわけだし、もっと煽らせられればああいう風に良いパスも飛ばなかったと思います」

―オフェンスも点が伸びませんでしたね。
「吉田先生も仰ってたんですけど、僕らは全体的に気にしなくてもいいところを気にしちゃったみたいで。例えばレイアップも、素直にいけばいいところを止まってしまったり、来てるところを無理に行っちゃったり。そこは難しいところかも知れないけど、もっとアジャストできていたらオフェンスもチーム的に前半から上手く回ったのかなと思います」

―#21笹山選手の怪我でフル出場はしない状況でしたが、不安はありませんでしたか?
「いや、誰が出れないとか誰が出れるとかいう不安はなかったです。誰が出てもできると思っているし信頼しているので、その時調子が良かったり出られる人が頑張って、交代しつつ戦っていければいいと思っています。それが一番強い形だと思うので」

―インカレ1試合目からそうでしたが、池田選手はシックスマンで出ていいところでシュートを決めていましたね。
「先生が交代する時に色々おっしゃってくれるのでそこを意識したり、ベンチで見ていてここが足りないんじゃないかって思ったところを意識してやっています。あとは今の流れを崩さないべきなのか、それとも一回こわして流れを変えるのかとか。でもそうやって見ている時は色々考えますけど、コートに入ったら自分の感覚で、あまり考えずに筑波のバスケをすればいいかなと思っています」

―以前は色々考えすぎて上手くいかなかったという話でしたよね。
「そうですね。シーズンの初めの頃は、考えるところと考えなくていいところの差が分からなくなってしまって。今に比べたら、春に考えていたことは余計なことだったのかなと思うようになりました。今のは打つべきだったのかとか、止めた方が良かったのかとかあれこれ考えてしまって。やる前からチャレンジしないで考えてばかりいたので、思いきりよくプレーができなかったんです。シュートも、打とうと思ってても、“あ、ここはやめたほうがいいのかな”とか二つの選択肢が出てきて迷っていたら、ディフェンスも来ちゃって打てないじゃないですか。そういうところは今考えるといらなかったかなって。今は、思いきりよく打ってみて、だめだったらだめだし、今のは良かったんだ、とかいうように考え方をチェンジしたのが良かったのかなと思いました。何も考えないわけではないんですけど、考えすぎたらだめってことですね」

―ベスト8に入れたのは5年ぶりですよね。オールジャパンに出られますが。
「それは嬉しいですよね。1月に中学校の集まりというかOB戦みたいなのがあるんですけど、同級生の目健人(明治大#2)に、『あ、俺オールジャパンで行けないや』とか言われるのがすっごい悔しくて(笑)。今年は自分もそうやって『あ、ごめんオールジャパンだ』って言えるので嬉しいです(笑)。高校生の時からよく実家に帰ってきてる矢嶋(慶應大)とかと一緒に観に行ったりしていて、そういう憧れの舞台に立てるというのは素直に嬉しいですね。でもやっぱり、勝ちたかったですね。オールジャパンは一つの目標でしたけど最終目標ではなかったし。これに勝って、東海に挑戦させてもらっていって、ベスト4から決勝を懸けて戦いたかったです」

―残すは順位決定戦ですね。
「負けてしまいましたが、明日の試合で勝つか勝たないかというのは、ここまで上がってきたのがまぐれかまぐれじゃないかを証明することだと思いますし、最後までモチベーションが下がらず頑張るチームと言うのが応援してもらえるチームだと思います。星野さんたちもそういうチームを目指してきていますし、チームの心として真価の問われる戦いになると思います。頑張っていきたいです」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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