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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.11.23 (Fri)

【2012インカレ】11/23レポート(準々決勝)

攻守が機能した明治大が専修大を下しベスト4
筑波大は1点に泣き、近畿大が初のベスト4進出


 インカレは準々決勝まで進み、残り3試合となった。ゲームの内容は一段とレベルアップし、第一試合から結果の見えない熱戦が展開され、祝日で多くの観客が訪れた代々木第二は大きな歓声に包まれた。この日、観客の目を釘付けにする勢いを見せたのは明治大近畿大。明治大はリーグ3位の専修大を、近畿大は関東4位の筑波大を倒してベスト4入りし、関西勢の面目躍如とした。また、青山学院大を前半追い込んだ大東文化大も最後まで必死のプレーを続け、主将の岸本がコートを去る際には大きな拍手が沸き起こるなど、訪れた人の心に多くの印象的な場面を残した4試合となった。

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【東海大が強さを発揮し、大差をつけて準決勝へ】
121123TANAKA2.jpg 東海大と前の試合で拓殖大に劇的な勝利を収めた日本大の対戦は、序盤から東海大が終始日本大を凌駕した。日本大は立ち上がりこそ#24刘(1年・C・北陸)がインサイドで得点を重ねるが、ファウルが重なり1Q途中にベンチへ。東海大は#7晴山(2年・PF)が開始から4連続で得点して早々に主導権を握ると、#24田中(3年・SF)も合わせを連発して立ち上がり10分で15点をリードする。高さでは優勢の日本大は、インサイドでは東海大に簡単には得点させないものの、25得点の#11飛田(4年・SG)以外の選手でスコアが伸び悩み、苦しい展開を強いられる。東海大は2Q以降#7晴山、#24田中のみならず、他のメンバーも順調に得点を決めていき、日本大に的を絞らせなかった。日本大は2m4人を全員出場させ、サイズで劣る東海大相手にシュートを決める部分も見せた。しかし最終的には91−63で快勝し、準決勝への進出を決めた。

 東海大の次の相手は筑波大を破った近畿大。陸川監督は「ザックが頑張ってくれる」と選手たちを信頼している。高さ面では負けているが、東海大のディフェンスをいかに出すかが重要だろう。また、9月のアジアカップ前に怪我が判明した橋本は練習への復帰が間もない状態。この日の試合でもまだ本来の動きではなかったが、近畿大のソウに対しては必要な場面が出てくるかもしれないだけに、どのような戦いとなると注目したい。

 日本大はベンチでコーチングを務める主将の石川が拓殖大戦のあと、「残ったチームの中でも実力がないのはわかっている。ただ与えられた場は非常に大きい」と言っていただけに、インカレで精一杯の戦いをすることが大事だと理解している。後半には東海大相手にもよく粘りを見せた。飛田と坂田がチームを引っ張る活躍を見せており、残りの2試合もしっかり戦って欲しい。

写真:ダンクを見せた東海大・田中。

※日本大・飛田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【食い下がる大東大を青学大が振り切り、準決勝へ】
121123kamatanagayoshi.jpg 第一シード青山学院大と関東5位の大東文化大の試合は前半大東大が善戦し、互角以上の戦いを見せるが、3Qに青学大が一気に突き放し、準決勝進出を決めた。

 前半は大東大が見せ場を作った。アウトサイドが入らず立ち上がりこそシューターを次々に代えていき、#99山崎(1年・G・弘前実業)のドライブと#19藤井(4年・SG)の3Pで持ち直し、ディフェンスでは青学大からターンオーバーやファウルを奪って1Qは12-10。2Qになると開始すぐに#99山崎が3Pを沈め、#19藤井が動きながら絶妙のスクープを2連続。#88平得(2年・F)がこぼれ球をうまく#43鎌田に渡して得点が決まると14-19のリードに。青学大は#56比江島(4年・SF)が返す他は目立ったところがないが、#25永吉(3年・C)のゴール下もあってじわじわ追い上げ。しかし大東大も#43鎌田のフックに#14岸本(4年・G)がきれいなスクープショットで対抗。青学大は#56比江島の3Pも出るが、ボール運びでは囲まれ、比江島がターンオーバーとなるなど、良い流れを作れず28-29と大東大1点リードで前半終了。

 しかしさすがの青学大は3Qで本領発揮。大東大はオフェンスが重くなり、青学大のオフェンスリバウンドから速攻を出されたり、24秒オーバーなどで青学大に流れを持っていかれたりしてしまう。5分で10点以上の差をつけられ、更に西尾監督がジェスチャーで抗議したことにより、ベンチテクニカルに。3Qは56ー38と18点差がつく結果になってしまった。

121123hiejima.jpg 4Q、青学大は#56比江島を中心に得点を重ねる。大東大は集中を切らさず加点を続け、差を縮めていく。藤井の速攻からのレイアップは#8張本(3年・SF)にブロックされてしまうが、再度ボールを奪った藤井が得点。残り4分で点差を11と詰めた。しかしそこを黙らす#56比江島のシュートもさすが。大東大は#41小山(4年・G)の3P、#14岸本から#19藤井へのアシストで72-62と10点差。しかし再度#56比江島の3Pがその勢いを削ぎにくる。あきらめない大東大は青学大からチームファウルを5つ引き出し、#14岸本がこれを決めていく。そして残り1分とわずか。#14岸本は#32畠山(3年・G)に対し気迫のディフェンス。さすがの畠山もあおられてよろけたところで、無情にも笛が鳴った。岸本に5つ目。残り1分、ここまでチームを支え続けた主将の退場に、会場に大きな拍手が沸き起こる。チームにではなく、個人に送られた賛辞として最大級のものだっただろう。それを感じた岸本もベンチで涙を見せ、それでも最後まで仲間を鼓舞しながら試合を見守った。最終スコアは78-66。食い下がった大東大だが、強者・青学大が挑戦をはねのけ、準決勝に進んだ。

121123kisimoto2.jpg 勝利したが青学大・長谷川監督は憮然とした表情。「良かったのは3Qだけ。ただ勝っただけの試合」と、必死に戦う大東大に対し、自チームに甘えがあることに憤慨した様子。また、リーダーシップのしっかりした大東大に対し、自分たちにそれがないことを嘆く。悪くても勝ててしまうというのはここ数年青学大が抱える一つの課題でもある。「負けないと分からない」と言うが、それが現実になることがあるかどうか、次以降の戦い方が問われるだろう。

 大東大・西尾監督は自身がテクニカルを受けたことを侘びつつ、それぞれの選手をねぎらった。しかし4年生が多く、岸本という強いリーダーシップのある選手がそれをまとめてこの日はこれまで以上の一丸となった様子が伝わった。残りの2試合、大東大らしい試合を最後まで見せて欲しい。

写真上:大東大・鎌田と青学大・永吉の重量級マッチアップが見ものだった。
写真中:要所のシュートはさすがだった青学大・比江島。
写真下:5つ目を宣告され、下がる岸本。しかしこの日一番の拍手が送られた。

※大東文化大・岸本選手のコメント、平得選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※明治大対専修大は別途掲載します。
※近畿大対筑波大は別途掲載します。


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【COMMENT】

「正直悔しい、でも胸を張って帰れる試合をした」
◆#14岸本隆一(大東文化大・4年・主将・PG)
121123kisimoto3.jpg「準備して本当に勝ちにいったけれど青学は強かった。悔しい。比江島(#56)がさすがだった。インサイドだけはやらせないように、と思っていて外はある程度しかたないなと。でも相手の外が入り始めた時に自分たちのディフェンスができなくなって、オフェンスも引きずって重くなって、単発になって悪循環に入ってしまった。それ以外はぜんぜんやれたなと。小林くん(#3)によく守られた。鎌田(#43)とのピックのところも永吉(#25)がコース取りをしていて、これは無理に行けないなと。向こうもしっかり守りにきているなというのは試合を通して感じた。

 退場した時の気持ちは、終わったんだなと。自分たちの力はここまでかと思ったけど、嫌でもお客さんの拍手が聞こえて、それでなおさらもっとできたなというのがあって、試合途中だけど悔しくて感極まって泣いてしまった。でもコートでは4年生がしっかり戦ったので最後のタイムアウトではみんなに顔を上げて、最後まで集中しろと。下を向くような試合ではなかったと思う。

 最後のディフェンスは絶対にこのままでは終わらないという気持ちだったので、行った。笛は悔しかったが、相手にも気持よく終わられたくなかった。結果的に負けて終わったけど、でも下を向く必要はないし、周りにも恵まれていると思う。残り2試合あるので、最後まで最高順位目指してやってやります」



【INTERVIEW】

「自分が引っ張らなきゃとは常に思っている」
下級生主体のチームを引っ張るリーダーシップ

◆#11飛田浩明(日本大・4年・SG)
121123tobita2.jpg今季は石川の怪我などの影響で、下級生主体のチームの中コートに立つ唯一の4年生となった。それだけに掛かる負担や責任も大きく、リーグ戦では思うようにシュートが入らなかったが、インカレでは拓殖大戦でチームをもり立てるシュートを何度も決めたのに続き、この日は積極的にリングを狙い25得点の活躍。また、声を出してゲームキャプテンの坂田とともにチームをまとめている。負けが続いたリーグ戦や入替戦の敗戦から吹っ切れ、インカレには良い雰囲気で臨んでいる。ベスト8に入り、大舞台を経験できることは来年以降の好材料にもなるはず。貴重な機会を大切にしたい。


―試合を振り返って。
「やっぱり日大は今年若いチームなので、ディフェンスとリバウンドと声を出すこと、という単純だけど一番大事な土台の部分をしっかり頑張ろうとやってきたんです。でも今日の試合は前半で55点取られてしまって、課題としていたディフェンスができなかった感じですね。若いからこういう大舞台に慣れていないのもあるし、経験が少ないのもあって。ただディフェンスは、前半は全然だめでしたが後半は徐々に30点台に抑えられたので、そういうのが前半からできていればもっと良い勝負ができたんじゃないかなと思います」

―日本大はディフェンスのチームで、練習を積んで年を重ねるごとに足ができてくる印象を受けます。下級生が多いとそこもまだ難しいのかなと思いますが。
「そうですね。ディフェンスってオフェンスと違って一人じゃできないですし、声の連携とかは練習からまずできてないです。若いチームになって難しいところですね」

―飛田選手はシュートの調子も今まで上がらない試合もありましたが、拓大の後半や、今日の試合は少し調子が上がってきたのかなと思いましたが。
「いや、全然良くないですよ。全然入らなかったです」

―それでも少し飛田選手頼みになる部分があったかなと。
「そうですかね…?まぁ4年生一人っていう責任みたいなのもありますし、自分が引っ張らなきゃなというのは常に思っています。あとは4年生として勝ち負け以前に、声を出したり元気よくやったり、そういうことでまとめられるように心掛けてきました」

―今日はこれまであまり出番のなかったインサイド陣も試合に出て果敢にチャレンジして、良い経験になったと思います。
「そうですね。うちは2m選手が4人いるんですが、試合に出るのはいつも一人か二人で。でも今日は4人出られたので、彼らにも良い経験になったんじゃないですかね」

―今大会、ベスト8に入れたことは大きいですよね。
「そうですね。明日も明後日も試合できるのは大きいです。若いチームなので、下級生には良い経験を積んで、来年以降に活かしてもらいたいです。こういう大舞台になればなるほど、基本的なこと、例えばボックスアウトだったりディフェンスの声だったりルーズボールだったり、そういうことが若い子たちには課題です。それがチームの浮き沈みにつながると思うので、基本的なことを底上げしていきたいですね」

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「足を引っ張れないと思った」
穴を埋める泥臭く必死なプレー

◆#88平得文士(大東文化大・2年・F)
121123hirae.jpg186cmの身長ながら4番ポジションを務める平得。この日は198cmの張本とのマッチアップとなり、必死に体を張ってディフェンスした。また自分の役目だというリバウンドにも奮闘。飛び込みリバウンドでボールを弾き、チームを勢いづけた貢献は見事だった。このインカレでは戸ヶ崎の怪我で出番が回ってくる形になったが、リーグ戦で出場機会を得た時よりも手応えを掴んでいる様子。戦えるという自信や経験を手にできたことは、今後の糧にもなるだろう。自分の仕事を全うし、泥臭く戦ってチャンスを掴んで欲しい。


―青学と戦ってみていかがでしたか?
「青学は、当たりとか高さとかが違いましたね。相手より自分は小っちゃいので、戸ヶ崎さんがいない分、体を張ろうと思ってやっていました」

―戸ヶ崎選手が怪我して自分が出ることになりました。自分としてはその穴を埋めようと?
「それもあったんですけど、緊張の方が大きかったです。まじかよ、やべーって思いました(苦笑)」

―それでもよく体を張って、ディフェンスやリバウンドなど頑張れていたと思います。
「戸ヶ崎さんの方が勝てるんじゃないかって思われている中で、先輩から、とりあえず頑張れと、戸ヶ崎がいない分頑張れと言われていました。自分の仕事はリバウンドとディフェンスなんですが、戸ヶ崎さんもそれでいつも頑張っています。得点は隆一さん(#14岸本)とか佑亮さん(#19藤井)が取ってくれるので、ディフェンスとリバウンドを意識しました」

―大東大の選手はみんなルーズボールやリバウンドに気持ちが入っていましたね。平得選手も良いところでリバウンドに飛び込んで会場を沸かせました。
「それはスタッフ陣から、相手はでかいから、気持ちとルーズは負けるなと言われていました。それを出せたかなと思います。それに試合前に隆一さんや4年生たちが、『最後だし絶対勝ちたい』と言っていたので、これはもう足引っ張れないなと。みんなの勝ちたい気持ちはすごく強かったと思います。でもそういうことを思ってプレッシャーになって、今日はすごく緊張しました」

―その緊張は試合をやっている中でほぐれてきました?
「はい。途中から。キツ過ぎて、それどころじゃなかったです(笑)」

―沖縄出身というと1on1で目立つような選手も多くて、そういう意味では言い方が変ですが泥臭く裏方に徹する姿が少し沖縄っぽくないですね。
「でも自分は高校の時からこんな感じでした。リバウンドとディフェンスだけ。点はまわりの人が取ってくれるので。そこは変わらずって感じですね」

―戸ヶ崎選手が怪我してしまったのはもちろん残念なことですが、平得選手にとっては自分をアピールする好機でもありますよね。
「そうですね。良い経験になったなとは思ってます。残りの二日間も、自分のポジションはみんな190とかそれ以上の選手とマッチアップになるので、その分、体を張ってリバウンドとディフェンスは頑張っていきたいです」

―今は4番ポジションをやっていますが、それは大学以前から?
「はい。もとはセンターです。高校の時までは、4番や5番をやっていました。でも大学では、このポジションをやるにはやっぱり体の当たりが全然違うと思いましたね。今年リーグの最初の方でちょこっと試合に出て、それでもう吹っ飛ばされて終わったので、これじゃあマズイと思ってそこから意識的にウェイトはやってきました。あの時よりは、少し戦えるようになったかなと。ウェイトは今後も戸ヶ崎さんと一緒に頑張ります」

―大東大は岸本選手という良いリーダーがいて、4年生の人数も多くて、チームとしてまとまっている印象を受けます。
「そうですね。隆一さんは同じ沖縄の先輩ですし、この人のために頑張ろうって思ってやっています。残りの試合も頑張ります」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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