2016年12月 / 11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月


第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.11.22 (Thu)

【2012インカレ】11/22レポート(2回戦)

残り4つの椅子を奪い合うベスト8は
東海大・近畿大・筑波大・日本大に


 墨田区総合体育館に場所を移して行われたベスト8を決める残りの4試合。大会初の延長戦は、日本大拓殖大を下すビッグゲーム。近畿大天理大も最後まで競り合う展開となり、愛知学泉大もディフェンスで東海大に迫るなど、ベスト8決めに相応しい熱い戦いが見られた。

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【日本大が延長戦での劇的な勝利で拓殖大を下す】
121122fujii.jpg 拓殖大日本大のベスト8をかけた戦いは、延長戦にもつれ込む激しいものとなり、1点差で日本大が激戦を制した。

 1Qは点の取り合いとなり拓殖大リードの22-18。2Qも拓殖大が先行しているものの、大きく突き放すことができず進んでいく。拓殖大は#94長谷川(4年・F)のファウルが込んでベンチへ。#11佐々木(4年・C)や#14大垣(2年・SF)のシュートでじわじわリードを広げる。日本大はミスが続いて追い上げにに苦しみ、38-30と拓殖大リードのまま前半を終了。

 3Qに入り、前半無得点だった日本大#11飛田(4年・F)にようやく最初の1本が来る。#1坂田(3年・F)がフリースローを得ていく展開になるが、拓殖大は#14大垣、#94長谷川、#11佐々木と続いて一気に差を12点に。しかしここから日本大も地道に追い上げ、#15栗原(1年・SG・前橋育英)の2本の3Pもあって点差を一桁にすると、53-51と2点差に詰めて3Qを終え、4Qは僅差の接戦が続く展開となった。

 拓殖大は立ち上がりに#91井上(4年・PF)がミドルシュート、ゴール下と奮起、#11佐々木も3Pを沈める。日本大は#11飛田の3P、#15栗原もドリブルでゴール下まで持ち込み、レイアップを決める。互いに譲らない戦いの均衡を崩したのは日本大。#11飛田のフリースローで逆転の得点を入れると、#72佐野(1年・PG・東山)がスティールから速攻を出して3点リードに。さらに#21国本(2年・C)のオフェンスリバウンドからの得点で5点差にされてしまった拓殖大は、ここでファウルトラブルで下がっていた#94長谷川とコートに戻す。しかしその長谷川がすぐに足を痛めてベンチに戻る事態に。拓殖大は#1鈴木(4年・PG)のアシストから#11佐々木が決め、#40藤井が速攻からのバスケットカウントで1点差に。日本大は#21国本がフリースローで67-69とするが、残り14.5秒で#94長谷川に代わった拓殖大#29岩田(1年・SF・延岡学園)が値千金のシュートで69-69にすると、日本大最後のシュートは決まらず延長戦へ。

 まずシュートを決めたのは拓殖大#14大垣。しかしその後のシュートが入らない。日本大は#11飛田の3P、#72佐野がパスをカットして#1坂田につなげ71-75とリード。拓殖大はここで#40藤井がミドルシュートとスティールからの速攻を出し、残り30秒で75-75と一歩も引かない。違いにパスのカットなど激しい攻防が続く中、最後の勝負を決めたのは日本大#1坂田。残り3.7秒で拓殖大#29岩田が痛恨のファウル。これでフリースローを得た坂田は1本を決め、残り時間で#40藤井がシュートを打つがこれが外れてブザーが鳴り響いた。75-76。互いに必死の戦いは、日本大が劇的な勝利でベスト8入りを決めた。

121122tobita.jpg 日本大はリーグ戦、入れ替え戦による2部降格と苦しいシーズンを経て、最後の最後に結果を出した。チームを任されたキャプテンの坂田、4年の責任を果たした飛田に、下級生もなんとかついていった。後半に18点をあげた飛田「後半1本目が入って行けると思った。そこから運動量が増えてペースをつかめた」とコメント。入れ替え戦後はチームのモチベーションが上がらず、いい練習はできなかったが、「ここまで来たらふっきってベスト8、オールジャパンに出ようと思ってやってきた」と言う。坂田がキャプテンだが、まだ3年生。4年生として声を出していくことを心がけているそうだ。「今までだったらずるずる行ってしまったが、ディフェンスもリバウンド、走りも出せたのが今までと違うところ。若いチームなので最後までできれば成長できる」と、いい形での勝ち方ができたことと最終日まで残れることに大きな意味を感じている様子。まだミスも多いが、できることを大会中にやりきって欲しい。

 拓殖大は最後の勝負の場面で長谷川を失ってしまったことが悔やまれる。佐々木が26点と頑張り、鈴木も声を出してチームを鼓舞したが、わずか1点に泣いた。今年は例年に比べ、拓殖大らしいトランジションのゲームはなかなか見られなかった。高さ面で苦しんだのもあるが、もやもやした状態の中で戦い続けた1年だった。しかし1部復帰してから、見事な戦いを数々見せてきた拓殖大。負けん気の強い藤井がそれを引き継いで再び勢いを盛り返してくれることを期待したい。

写真上:最後の最後まで必死に戦った拓殖大・藤井。
写真下:後半にようやく当たりが来た日本大・飛田。

※拓殖大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※拓殖大・長谷川選手のインタビューは追って掲載します。



【筑波大が日本体育大を追いつかせずに勝利しベスト8】
121122bando.jpg 昨年はともにベスト16で終わっている日本体育大筑波大の戦いは、終始筑波大がリードする形で進み、追いつかせずに78-68で筑波大がベスト8を決めた。

 日体大は出足から筑波大ディフェンスの前になかなかシュートを決められない状態が続いた。#21熊谷(4年・PF)がゴール下まで入り込みながら決めきれず、アリウープパスもうまくいかない。筑波大は#13坂東(2年・SG)が3P、スタメンの司令塔を務める#6西村(3年・PG)も得点に絡み、#47砂川(4年・PF)も初戦ではなかなか出せなかった足を使った速攻でリード。日体大は1Qを5点を負う形で終えるが、2Qに入りずるずると引き離されて10点のビハインド。しかし#22水沼(4年・SG)の3P、#13清水(3年・G)のシュートでわずかに追い上げ、2Qは29-36。筑波大の7点のリードで終了した。

121122wan.jpg 3Qの出足に筑波大は#76星野(4年・SF)がオフェンスリバウンド、3Pでチームを乗せ、#50梅津(4年・C)も中央突破からのレイアップなどで魅せる。日体大は10点差前後でなんとかついていくが、筑波大は#34池田(3年・SF)、#14坂東と3Pが続き#21笹山(2年・PG)からの速攻も生まれて45-64とさらに引き離して3Q終了。4Q、日体大は#88万(1年・C・中部第一)のインサイドで加点していき、#21熊谷も#16横山(4年・SF)からのパスでダンクを決めて追い上げる。しかし#11北川がアンスポーツマンライクファウルを取られるなど、流れが好転しないまま終盤に入ってしまう。筑波大は10点以上のリードを保ちつつ乗り切り、68-78で試合終了。ベスト8へ進出を決めた。

 日体大は終始流れをつかめず、フラストレーションが溜まる展開だった。4年生が多いチームだが、下級生も多く活躍している。来期のさらなる成長を期待したい。

 筑波大は昨年よりひとつランクアップしてベスト8。初戦と打って変わってそれぞれの選手がきちんと自分の役割を果たした。次の相手は近畿大。昨年のインカレで天理大に負け、そこからインカレ枠数を左右するベスト4にまで相手を進出させるきっかけを作ってしまった。その借りを返せるか、注目の戦いになる。

写真上:今日は4本の3Pを決めた筑波大・坂東。
写真下:万は21得点。後半追い上げたが届かなかった。

※日本体育大・熊谷選手、水沼選手、横山選手、林学生コーチのインタビューは「続きを読む」へ。


【関西勢同士の戦いはわずかな差で近畿大の勝利】
121122sow2.jpg 関西1位と関西5位の戦いになった第三試合、勝負は最後の最後までわからない接戦だった。

 近畿大は#22ソウ(1年・C・沼津中央)のミドルシュートを皮切りに、#77木田(4年・SG)も3P、ミドルを続けて入れる。天理大は#11藤森(2年・SG)がスピードある攻撃で内外から仕掛け、得点を引っ張る。1Qは互いに譲らず16-17と天理大が1点リード。2Q、天理大はインサイドで#22ソウにマッチアップする#23劉(4年・C)が簡単には得点できず、2つ目のファウルを吹かれて#6オジュワング(1年・C・マセノ)に交代。すると安定感には課題があるという#6オジュワングがミドルシュートを入れる活躍を見せた。すぐに#23劉をコートに戻した天理大だが、すぐさま3つ目の笛がなり、劉はベンチへ。しばらく#6オジュワングでの戦いを強いられることに。近畿大は#7野呂(3年・SG)のスティールやドライブも出てじわりとリード。その後は互いにミスも出て37-32と近畿大が5点リードで前半を終えた。

 3Q、#22ソウの3連続得点でリードを広げる近畿大。天理大は#11藤森がミドルシュートや#23劉のアシストを受けての速攻、ドライブにと獅子奮迅の働き。残り6:20で7点離されたところから1点差に追い上げた。近畿大は#10甲斐(3年・PG)が3Pを決め、#22ソウの2つ目のダンクも出て再び点差を開く。しかし必死の天理大も#18相馬(3年・SG)の3P、#56川田(1年・PF・星翔)のシュートが出ると、最後には#6オジュワングが#33藤田(1年・SF・西海学園)に対してブロックを見せ、54-49と5点差で3Q終了。

121122ryu.jpg 4Q、天理大はようやく#23劉がゴール下でのシュートが決まりだす。近畿大は5分以上得点が止まってしまい、#6保花(2年・SG)の3Pでなんとか4点のリードで終盤へ。しかし残り3分の#22ソウのシュートを最後に得点が再度ストップ。天理大は#56川田から#23劉へのアシスト、#20大戸(3年・PG)のシュートで61-59にまで詰め寄る。最後のオフェンスは#18相馬のシュート。これがはずれて#56川田がタップに飛び込むが決まらずタイムアップ。61-59で近畿大が熱戦を制した。

 近畿大が昨年の天理大に引き続き関西勢としてベスト8進出。#22ソウが26得点。その他の選手は細かい交代を繰り返しながらチーム全体で戦っている。昨年の天理大越えがなるかどうか、注目の一戦は筑波大が相手となる。

 天理大はあとわずかが届かなかった。戦いぶりは互角で、最後までわからない戦いだった。大戸は昨年の経験を生かせず悔しがり、今年唯一の4年生であった劉に申し訳ないと詫びた。しかしまだ下級生の多い若いチーム、来年さらに成長して戻ってきて欲しい。

写真上:内外からのプレーがこなせる近畿大・ソウは相手には厄介。次の戦いでもどんなプレーを見せるか楽しみにしたい。
写真下:終盤に追い上げる点を決めていった天理大・劉。

※天理大・大戸選手、藤森選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【猛追する愛知学泉大をかわし東海大が逃げ切る】
121122matumoto.jpg 一回戦で早稲田大を倒した愛知学泉大は、第2シードの東海大と対戦。1Qは東海大が快調に得点を重ねる。高さで劣る愛知学泉大は軽々と上からシュートを打たれてしまい、為す術がない。しかし点差はついたが自らも18点を稼ぎ18-28で2Qへ入ると盛り返す。#2松元(4年・SG)の3Pで口火を切ると、#0垂水(2年・SG)のドライブ、#90飯尾(2年・SG)の3Pも出て、ベンチメンバーが出ている時間帯の東海大を追い上げる。対する東海大は#22飯島(2年・PG)が3Pで返し、#14山田(4年・C)も得点するがじわじわと差が詰まり、コートに#10バランスキー(2年・PF)と#33狩野(4年・SG)が戻った。しかし愛知学泉大は集中し続けて#2松元のミドル、#24田口(3年・PG)が速攻からバスケットカウントを獲得。さらに松元が2本のシュートを沈め、37-41と1Qでつけられた点差を4点まで戻して前半を終えた。

 3Qの立ち上がりは愛知学泉大の激しいディフェンスに東海大のシュートがなかなか決まらない。しかし愛知学泉大も点が取れずに時間が過ぎていく。東海大はゾーンを入れつつの守りで対応していき、それでも愛知学泉大は#2松元の3P、#6森川のバックドアで粘った。しかし東海大も#33狩野の3P、#24田中のシュートが続くと、田中のスティールから#10バランスキーの速攻へつなげるなど差を開いていく。果敢に攻める愛知学泉大だが、このQで50-60と再度10点差に離された。

121122tanakadaiki.jpg 4Q、愛知学泉大はディフェンスをマッチアップゾーンにシフト。しかしこれがうまくはまらず、#10バランスキーに3連続の得点を許してしまう。この4Q頭がきっかけとなり、東海大が愛知学泉大を突き放した。愛知学泉大は最後まであきらめず喰らいつくが63-87で試合終了。東海大がベスト8へ進んだ。

 愛知学泉大は22点の松元を始め、よく集中して戦い続けた。相手に簡単にはシュートを打たせない激しいマンツーマンと状況に応じたゾーンの使い分けは、やはりさすがだ。東海大を追い込む場面もあり、負けはしたが見事な戦いぶりだった。

 東海大は田中、狩野、バランスキーがそれぞれ20点と安定した数字。特にバランスキーが内外で非常に良い働きを見せている。追い上げられはしたが、焦らずゲームを進めた。次は日本大が相手。サイズがある相手だけに注意したいところだ。

写真上:松元は早稲田大戦に続き、主将としてチームを勇気づけるプレーを連発した。
写真下:要所のシュートで流れを持っていかせなかった田中はさすがの働き。

※東海大・狩野選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「必死にやっていたら4年間はあっという間だった」
全力で拓大らしさを見せた攻撃的司令塔

◆#1鈴木達也(拓殖大・4年・PG)
121122suzuki_20121123131532.jpg鍛え抜かれた強靭な体と強い気持ちで、拓殖大のアグレッシブなバスケットスタイルをいつもコートで表現していた鈴木。特に物怖じしない強気なディフェンスは、他大学の選手からも脅威だと評されていた。また今インカレでは特に声を出して仲間を呼びかける姿勢も見え、4年生らしさや司令塔としての責任感も伝わってきた。リーグ戦は調子の上がらない時期もあったが、それでも試合に使い続けてくれた池内監督への感謝を気持ちは強かったという。その期待に応える、全力なプレーを最後まで見せてくれた。


―残念な結果になってしまいました。
「この試合に限らず、リーグ戦からもたもたした展開の試合が続いて、やっぱりそれがインカレにもつながっちゃったかなという感じで今シーズン終わってしまいました。噛み合わないというか…トーナメントの時のような勢いがあまり出なかったですね」

―噛み合わない原因というのは分かっていたんでしょうか?
「いや、いまいち分からないままで…。原因がもっと早く分かっていれば改善できた点もあったんでしょうけど、分からないまま終わってしまったという感じです」

―それぞれの選手が奮闘しているのは伝わってくるんですが…。
「去年まではみんなで、チームで、っていう感じでやっていたんですけど、今年はそれぞれドリブルも多かったし、個人で頑張っちゃいましたね」

―能力が高くて一人でも突破できる力を持っている分、ボールを分け合うのが難しいですね。あと今年は去年以上に小さなチームとなりました。日本大にはそこでやられた部分も大きいと思います。
「そうですね。課題だったリバウンドでやられてしまったかなという印象ですね。3Qはほとんどリバウンド取れていないので。そういう離せるところで離せなかったかなと。リバウンドが取れないと、シュートも打ちづらくなりますからね」

―鈴木選手はよく声を出してみんなをまとめようとしている姿が目立ちました。
「やっぱり最後なので、そこは4年生らしく。4年生がこの大会に懸ける意気込みっていうのは僕だけじゃなく、みんな特別あったと思います」

―ラストシーズンはどんな1年でしたか?
「楽しかったですけどね。結果が出なかったというのだけが残念です。池内さんが、僕が活躍できない時期もずっと使い続けてくれて…。最後こういう形になってしまったけど、みんなついて来てくれて良かったです」

―池内さんへはどんな気持ちがありますか?
「本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。池内さんは、選手の意見を聞いてくれるんです。すごく良い監督だと僕は思います」

―これで学生バスケットは引退となりました。4年間を振り返っていかがでしたか?
「あっという間でしたね。入学して最初、試合に出られないところから始まって、頑張らなきゃと思って、試合に出られるようになっても、出るからには頑張らなきゃと思って。そんな感じで必死にやっていたら4年間は終わりました。早かったです。拓大のバスケットも自分のプレースタイルと合っていたと思いますし、拓大に入って良かったなと思います。4年間一緒にやって来た同じ4年生も、本当にかけがえのない存在でした」

―鈴木選手のアグレッシブなディフェンスは、すごく拓大らしさを表していたと思います。
「そうですね。ディフェンスは頑張りました」

―ほかに拓大に来て学んだことはありますか?
「スペーシングがやっぱり大事だなというのは、やっているうちに気付きましたね。高校生の時は全部突っ込んじゃえみたいな感じだったので…。ポイントガードとして、“見る時間”を増やすということを4年目は特に意識してきました」

―ガードとして頼もしくなりましたね。
「昔は突っ込んで終わりだったので(苦笑)。でもそれじゃだめだと思って、ちょっとは見れるようになったかなと思います」

―後輩に向けて何か一言。
「さっきミーティングでノブ(#94長谷川)が言っていたんですけど、『もう後輩にこんな思いをさせないように』と。それは胸に響きましたね。本当に来年は、こんな悔しい思いをさせないように頑張ってもらいたいです」

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「いろんな人に支えられたし、励まされた」
大学界で花開き、4年間に感謝

◆#21熊谷尚也(日本体育大・4年・主将・F)
121122kumagae.jpg上級生になって目をみはるほどの成長を見せ、一気に大学界で注目選手となった熊谷。豪快なダンクから3Pまで、そのオールラウンドなプレーで爆発力ある日体大の火付け役を担ってきた。
もともとミニバスから高校まで、全国的に見れば無名の選手。「大学でバスケをやれるなんて思ってもみなかった」と本人も言うよう、日本体育大への進学はひとつのターニングポイントとなった。大学と高校では環境も大きく変わり、厳しい練習やまわりのレベルの高さなど、立ちはだかる試練も多かっただろう。それでもそのひとつひとつを乗り越え、最後の年は自身初となるキャプテンも務めた。多くの人に支えられて4年間をやり遂げたその表情は、充足感で満たされていた。


―最後の試合はいかがでしたか?
「一番は、勝ちたかったという気持ちが強くて。入替戦で負けてから、オールジャパン出場を懸けたこの試合で何がなんでも勝ちたいと思ってやってきたので、それが果たせなかったことはすごく悔しいです。けど、なんて言うんですかね…このチームでできたことは、すごく幸せでした」

―入替戦が終わってからインカレまでの期間はどういう感じでしたか?
「1年で降格することになって、応援してくださってくれる方々や、先輩方、後輩たちに本当に申し訳なくて…。気持ちが沈んでなかなか切り替えることができなかったんですけど、そこで4年生全員で集まってミーティングをして、まだ自分たちにはインカレがあるから、そこで結果を残そうと。後輩たちに何か残してあげるためにも次に向けて頑張ろうということを話し合いました」

―熊谷選手はライン際のルーズボールに飛び込んで転がる場面もありましたね。気持ちのこもったプレーでした。
「あのときは絶対にマイボールにしようという気持ちしかありませんでした。自分の打ったシュートだったし、責任を持って飛び込もうと。結果的に相手ボールになってしまったんですけど、後輩たちに何か伝えられればいいかなと今になって思います」

―日体大は、以前から藤田HCも課題はリバウンドと仰っていました。リバウンドやルーズボールへの意識が高まったのは大きな成長ですよね。
「今までリバウンドの数の差で負けた試合がいくつもあったので、練習中や練習試合から常にリバウンド、ルーズボールということを心がけてやってきました。それが試合で表現できるようになったんだと思います。そういう風に飛び込めるようになったのは良かったです」

―今シーズン、1部での戦いはいかがでしたか?
「正直、キツかったですし、本当に大変でした。でもチーム的にも自分自身でも、いい経験ができたのは良かったのかなと思います。高いレベルでバスケットをやらせてもらえたので、上げてくれた去年の4年生には感謝の気持ちが強いですね。まわりのチームにも、技術面など色々と勉強させてもらいました」

―熊谷選手は自身初のキャプテンを務めましたね。春には『キャプテンに慣れない』とおっしゃっていましたが。
「正直今になっても慣れてないです。難しいですね、キャプテンは」

―部員が多いチームですし、ひとつにまとめる難しさも感じたと思います。
「そうですね。リーグ戦でバラバラなところを向いてしまって、勝つことができなくて、まとまることの大変さを実感しました。でもインカレや入替戦でもみんなが同じ方向を向いて、ひとつのことに挑戦できたと思うので、結果は出ませんでしたがそういうことは良かったと思います」

―これで学生バスケットを終えました。以前リレーインタビューでもお伺いしましたが、高校まで無名だった熊谷選手にとって、日体大に入学したことは大きな転機でしたね。
「そうですね。高校時代の自分からしたら、こんなところでプレーできるなんで思ってもみませんでした。本当にいろんな人に支えられたし、励まされて、ここまでやってこれましたね」

―下級生の頃はあまり試合で活躍できませんでしたが、3年生で見事開花しましたね。
「1・2年生の時はほんと何もできなくて申しわけなかったですね(苦笑)。でも3年の時に2部で優勝したり、4年も1部を経験させてもらったりして。振り返ればいろいろ辛い時期とかもありましたけど、終わってみれば本当に幸せな4年間だったと思います。仲間にも恵まれて、本当にコート内外で仲が良くて、おもしろいやつらばかりでした。すごく楽しかったですね」

―後輩たちには来季、どんなところを頑張ってもらいたいですか?
「やっぱりチーム力をもっと上げて、みんなが同じ方向を向いてバスケができるようになれば絶対に結果は出てくると思います。個性的なやつらが多いんですけど、そいつらがまとまれば本当に強いチームになると思うので、それは忘れずにやってもらいたいですね。学生らしく、後輩たちには頑張って欲しいです」

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「変わらなきゃいけないと思った」
頼もしく成長したチームの仕事人

◆#22水沼孝広(日本体育大・4年・SG)
121122mizunuma.jpg今シーズンはスタメンに抜擢され、その期待に見事応えた。相手に流れが傾けば得意の3Pでその嫌な空気を断ち切り、リーグ戦で怪我人が出た時期はポイントガードの役目を果たしてその穴を埋めるなど、チームを救ってきた。仲間やヘッドコーチからの信頼も厚く、苦しい場面で頼りになる選手だった。そして得点やアシスト数がぐんと伸びたことはもちろん、何よりも成長したのは精神面。3年生まで黙々と自分の役目を果たすタイプだったが、今年は声を出して仲間を引っ張る意識が加わり、4年生らしさが伝わってきた。指導者やかけがえのない仲間と出会えたことを感謝し、水沼は学生バスケットの幕を閉じた。


―この1年間を振り返っていかがでしたか?
「1年間を通してあまり結果の出ない苦しいシーズンだったんですけど、でもやってきたことは間違いないと思っていて。後輩たちがすごく支えてくれたし、素晴らしい仲間と出会えて、1年間こうやって最上級生としてやれたのは本当に良かったです。みんなに感謝しています」

―『やってきたこと』というのは?
「藤田さん(ヘッドコーチ)には、やっぱりバスケだけじゃなくて、私生活もともなっていないとコートで結果が出ないということを教わってきました。私生活の面でも厳しくやってきたし、練習も厳しいものばかりだったんですけど、みんなで支えあってやってきて。それを最後までちゃんとコートで表現できたと思うので、やってきたことは間違いじゃなかったなという感じです」

―後輩たちにはどういうところで支えられたんですか?
「試合もそうですが、練習中も後輩たちがみんなすごく声を出してくれました。逆に4年生が声出てなくて申し訳ない感じで…。それに僕ら4年生に対しても、下級生は本当に積極的に『こうした方がいい』とか色々言ってくれましたし、練習がきつい時も『頑張りましょう』みたいに声をかけてくれました。そういう面ですごく支えられたから、1年間乗り越えられたんだと思います」

―プレー面でも、インサイド陣らリバウンドの面などで成長が見られましたね。
「そうですね。本人たちの頑張りもありますし、やっぱり林(学生コーチ)がビシバシ練習中からやってくれたことも大きいですね」

―水沼選手は今年からスタメンになりましたし、3年生の頃と比べてリーダーシップが違いましたね。インカレでも4年生らしさが感じられました。
「スタメンになっても藤田さんが好きなようにやらせてくれたので、本当に藤田さんに感謝しています。でも常に声を出さなきゃいけないと思っていたんですけど、あまり出せていなくて、あとからビデオを見て反省することばかりで。そういうところは変わらなきゃいけないと思って、インカレは最後の大会になるかも知れないし、自分から声を出してみんなを引っ張ろうと思っていました。だからそう言ってもらえると嬉しいです(笑)」

―日本体育大での4年間はいかがでしたか?
「入学して最初は本当にキツくて、辞めたいと思ったことも何度もありました。でも自分は藤田さんに出会って、プレーも考え方もガラッと変わって。本当に藤田さんとの出会いがなかったら今の自分はないと思っていますし、今の仲間たちと出会えてなかったらここまでやってこられなかったと思います。先輩方も後輩たちもだし、同じ4年生も本当に素晴らしい仲間で。本当に藤田さん、仲間、両親、色々な人たちに感謝ですね」

―では最後に、後輩たちに向けて。
「みんな能力も高いですし、チーム一丸となれば素晴らしいチームになると思います。3年生にはガツガツ言えるやつがいっぱいいますし、引っ張っていってほしいですね。来年も日体らしいプレーを期待して応援したいと思います」

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「色んな人のおかげでバスケットをやってこれた」
恩返しの念を込めて見せた覇気あるプレー

◆#16横山拓巳(日本体育大・4年・SF)
121122yokoyama.jpgルーズボールやリバウンドなど、身を挺してボールに飛び込むガッツあるプレーが身上の横山。下級生の頃から体力を「調整することはしたくない」と言い、手を抜かずコートで常に全力でプレーし続ける姿が印象的だった。その原動力となっていたのが、ベンチや応援団の仲間たちのためにも、という気持ち。2軍上がりの選手だけにその思いは人一倍強く「下から上がってきた自分が一番頑張らなきゃいけない」という念が彼を突き動かしてきた。最後の年は1部リーグという未知の舞台で悩み苦しむことも多かったようだが、それでも「今振り返れば楽しかった」と話す横山は、清々しさに満ちていた。たとえ高さや能力が及ばなくても、それを上回るほどの強い気持ちがあれば、リバウンドやルーズボールも奪うことができるし、ディフェンスでも相手を止めることができる。そんな大切なことに、あらためて気付かせてくれた選手だった。


―最後の試合を終えて、今の心境はいかがですか?
「でも、スッキリはしていますね。自分がここまでバスケができたのも、色んな人のおかげなので。感謝の気持ちでいっぱいです」

―この試合は、チーム全体としてシュートがなかなか入りませんでしたが、リバウンドやルーズボールなどで意地を見せていたと思います。
「今年1年間通して、日筑戦、トーナメント、リーグと負けて、ずっと結果を残せなくて。本当に最後のインカレしか残っていない中で、絶対オールジャパンに出るしかないと思っていたんですけど、こういう風に結果的に点差が空いてしまいました。でも4年生の仕事、自分の最後の仕事は、頑張る姿を見せることだと思って。やっぱりリバウンドやルーズボール、それだけが自分の取り柄なので、それを本当にやるだけでしたね」

―今季は自身初めての1部となりましたが、いかがでしたか?
「やっぱりレベルは高かったですね。本当にまわりがみんな上手くて、自分は全然ついていけなくて…。正直悩んで嫌になる時期もありました。でもそれでも頑張って、東海に勝ったこともあったし、今振り返れば楽しいリーグだったなと思います」

―入学したときは2部で2軍からのスタートでしたが、最後はこうして1部で活躍することができましたね。
「こんな風になるとは、最初は全く思ってなかったです。本当に大学に入る前を振り返っても、中学校の頃から自分は目立ってなくて、一回色々あって本当に辞めようとした時があって。でも先生とか色んな人のおかげで続けることができて、頑張ったらジュニアオールスターとかの選抜に選ばれて、高校(幕張総合高校)も入れてくれました。それから高校でも必死に頑張って、日体に入って。日体で最初は2軍でしたけど、藤田さんのおかげで2年生の時から試合に出させてもらえました。ここまでバスケットを続けてこられたのも、本当にいろんな人たちのおかげです。感謝ですね」

―藤田ヘッドコーチにはどんなことを教わりましたか?
「バスケのことはもちろん、気持ちも面が一番多かったですね。リバウンドとかルーズボールとか、当たり前のことを当たり前に頑張れるチームと、そうでないチームがいる。だから、自分たちはそれを頑張れるチームになろうと。プレーでも気持ちの面でも、本当にたくさんのことを教わりました」

―日体大は、一生懸命頑張る学生らしいチームを目指して、それをチームカラーにしていますよね。
「そうですね。特に今年は、林が学生コーチになってくれて、林が色々みんなに怒ってくれたんです。間違えたことをしたら叱ってくれたし、林のおかげでそういう風に1年間プレーできたと思います。頼もしい存在でした」

―日体大での4年間はいかがでしたか?
「本当につらいことがたくさんあったと思うんですけど、その中でも1部に上がって1部を経験させてもらったり、東海に勝つことができたり、今思い返すと楽しいバスケット人生だったなと思います」

―部員が100人以上いるチームの中で、横山選手からはその代表として戦うという意思がすごく感じられました。
「自分はもともと2軍にいたし、毎回毎回応援に来てくれるみんなには本当に感謝しています。自分がつらかった時期も、下班の同じ代のやつとかが色々声をかけてくれたので。本当にそういうことが力になって、試合でもずっと走り続けられたのかなと思います」

―最後に後輩たちへ向けて。
「2部に落ちてしまったんですけど、来年その中でも勝ってもらって1部昇格を目指して欲しいです。1部昇格して、来年こそはオールジャパンまで行って欲しいですね。頑張って欲しいです」

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「自分が前を向かなきゃいけないと思った」
苦しみながらも4年生として導き出した答え

◆林 裕輝(日本体育大・4年・学生コーチ)
121122hayashiyuki.jpg3年の冬に選手から学生コーチへと転身。それまでベンチで元気いっぱい騒ぐようなチームの盛り上げ役だったが、学生コーチになってからはそのキャラクターを封印し、試合中の顔つきも変わった。練習でも時に厳しく仲間を引っ張り、まわりの選手からも「お調子者が変わった」と驚きの声が聞こえるほど。#16横山も「誰かが間違えたことをしたら叱ってくれた」と言い、主将の#21熊谷も「あいつがいてくれるから4年生もチームもまとまれる」と絶大な信頼を置くチームの舵取り役となった。どんな時でも下を向かず、前を向いて歩き続けた林の背中は、きっと仲間に大切なものを伝えていたはず。ラストゲームを終えて泣きながら仲間たちと抱擁をかわす姿からは、学生コーチに転身しても選手と同等の気持ちで、全力で戦い続けてきたことが伝わってきた。大所帯のチームが一つの方向を向くために、決して欠かせない存在だった。


―最後の試合を終えて、どんな思いですか?
「4年間やってきて、今思うと本当に短かったなと思います。今までの人生で一番バスケットに熱中できた4年間でした。その中で、すごくチームとしても成長できたかなって。入学したころはみんな負けに対して甘くて、笑って帰るようなこともあったんです。それが変わって、こうやってみんな泣いて悔しがるようになりました。その姿を見て、これがチームの成長かなと感じましたね」

―入替戦からインカレまで期間も短く、気持ちを奮い立たせることに難しさもあったと思います。
「入替戦で負けて、本当はもうバスケットから離れたくもなりました。でもそこで引退だったら落ち込んだままでも良かったんですけど、まだインカレもあるし、すぐに前を向かなきゃいけなくて。それでやっぱり、自分が前を向かないと他のみんなも前を向けないと思ったんです。その中で学生コーチとして何ができるかって考えたんですけど、自分は去年までプレーヤーだったので、プレーで後輩たちに見せたいなと思って。それで2週間、みんなと一緒に練習に混じったんです。正直すごくキツかったですし、スリーメンの2往復で足がつりそうになるくらいでしたが、それでもみんな受け入れてくれて。全部の練習は入れなかったんですけど、自分も必死だったし、みんなも必死にやってくれました。それに先輩方とも電話とかでいろんな話をして力をもらって。それでこういう風にインカレに臨むことができました」

―練習に混じっていたんですか。それでインカレは、ジャージの下にユニフォームを着てベンチに入っていたんですね。
「そうなんです。一試合一試合を最後のつもりで、大事に戦いたいと思ったときに、自分的にスタッフのウェアであるチノパンじゃ戦えないと思ったので。傍から見たらふざけていると思われるかもしれないですけど、自分の中でこれがみんなに対する気持ちだと思っていました」

―『先輩方といろんな話をした』というのは、どんなお話を?
「この前の入替戦が終わってからも、先輩たちに電話とかで報告して。そしたら結構、自分たちのために叱ってくれる先輩が多かったんですよね。でも、怒ってくれるんですけど、責めたりはしなくて。それがすごく嬉しかったというか…日体大に入って良かったなとあらためて思いました。昨日も電話していろんな話をして、そういう先輩たちの存在は大きかったですね」

―先輩たちとの縦のつながりを感じたんですね。
「そうですね。(※ここで竹内峻主務がそばを通る)それに今通った竹内なんかは、もともとプレーしたくて大学に入ってきたのに、3年間マネージャーで、それでも愚痴もこぼさず必死にやってくれているやつなんです。あいつとは寮の部屋も一緒で、入れ替え戦で負けてからもずっといろんな話をしてきました。だからこそ、あいつのためにも勝ちたかったです」

―この1年を振り返ると、なかなか勝ち星が伸ばせず降格という苦しさも味わったシーズンでした。
「でも入替戦で負けてしまう以前に、そもそもトーナメントの初戦、埼玉工業との試合からあまり良い勝ち方ではなくて。力の差があるはずなのに、上ばかり見て足元をすくわれたというか…。そうやってシーズンの入りから悪くて、そこでみんなが変われなかったことが、最終的にこういう結果になった原因だと思います。なんかどこかで“自分たちの力で1部に上がった”という考えを持っていたのかなと。上がれたのは去年の4年生の力だったということにもっと早く気付けていれば、自分を殺してでももっと激しくやれていたんじゃないかと思います。まぁ結果が出なかった原因は、自分たち4年生なんですよね。4年生がちゃんとみんなを引っ張ることができなかった。それはほかのみんなも、4年生自身も気付いていることだと思います。学生スポーツは、いろんな人や藤田さん(ヘッドコーチ)もよく言うように、やっぱり4年生なので。4年生がずっしり構えておかないとだめですね」

―結果が出なかったことに4年生として強く責任を感じているようですが、もともとシャイでリーダーシップを取れる人がいないと言っていた4年生が徐々に変わっていく姿は見られました。
「そうですね。自分たちも、色々文句が出て仲が悪くなる時期もあったんですが、段々と同じ方向を向けるようになりました。入替戦が終わってからも、みんなで同じ方向を向けたのは大きなことだと思います」

―100人を超える部員が全員一つの方向を向くには、それ相応の努力が必要ですよね。
「そうですね。リーグの最初の青学戦の時に、キャプテンの熊谷も調子が悪くて、みんながそれぞれ変な方向を向いていたんです。でも2軍の4年生がそのことに気付いて、『このままじゃだめだ』と。それでみんなで体育館に集まってミーティングをして、もう一回全員で頑張ろうとまとまることができました。変な方向を向くたびに、そうやって2、3回集まって。そういう風に面倒くさがらずに集まってくれたり、今日もわざわざ墨田区まで応援に来てくれたりする仲間がいてくれたから、みんなで同じ方向を向けたんだと思います。下級生の頃は2軍の力とかもよく分かっていなかったと思うんですけど、一番上の代になって、すごくパワーをもらったなと感じます」

―では、ここまで4年間を振り返っていかがでしたか?林学生コーチはもともとプレーヤーとしてやってきたわけですが。
「自分は入学して最初は2軍で、夏から上がれたんですけど、最初は正直そんなにバスケを頑張る気もなかったんです。でも自分が1年の時の4年生が、勝てなくても必死にバスケに打ち込んでいる姿を見て、自分も思い直して。横山もたぶんそうだと思うんですが2軍でも先輩たちの姿を見ているし、そういう先輩たちがいたからこそ自分たちもこうして4年間できたのかなと思います」

―3年生の終わりにプレーヤーから学生コーチへと転身したのは大きな決心だったと思いますが、どんな心境だったんですか?
「もともと自分は、試合にも出られない中で3年の夏くらいから悩んでいたんです。そんな時に、次の年のことを考えた上で藤田さんから話があったので、すぐに受け入れましたね。とにかくやってやろうという気持ちでした。でもそうやってみんなに学生コーチとして厳しく接して、ちょっと選手との距離を置きすぎてしまったかなって。別に好かれるためにやっているわけじゃないですけど、みんなと離れすぎてしまったのは自分の学生コーチとしての至らなさかなと思います。もう少し選手と歩み寄って、もっともっと辛いことも一緒に味わっていければ、選手にもっと早く気付いてもらえたんじゃないかと。それは自分の反省点です」

―自分では距離を置きすぎてしまったと言いますが、そういう怒る役目も必要だったのではと思います。まわりの選手の言葉からも、林学生コーチがチームにとって大きな存在だったということは伝わってきました。
「4年生はみんな結構シャイで、強く言えない分、自分が言わなきゃと思っていました。でもまだまだ、自分も甘かったし、みんなも甘かったのかなって。だからこういう風に結果がでなかった。そう簡単に勝利は手にできないっていうのを4年生も感じたし、下の学年も感じたと思います。そこはまだ成長しないといけないですね」

―また再スタートとなる、後輩たちへ向けて。
「とにかく、仲間を信じて戦って欲しいです。でもまわりから信じてもらうためには、どんなに辛くても下を向かずに、前を向いてコートに立ち続けないといけない。前を向いて、もっともっと自分の目標やチームの目標を明確にしていけば、絶対に日本一になれるチームだと思います。日本一を目指して頑張って欲しいです」

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「この悔しい気持ちを絶対に忘れない」
惜敗に誓う来シーズンの奮闘

◆#20大戸一輝(天理大・3年・PG)
121122ooto.jpg関西1位の近畿大をあと一歩のところまで追い詰めた天理大。インカレ3位入賞を成し遂げた昨年の主力が抜けて苦労する時期もあったが、インカレに合わせてきたという言葉通り今年も力を発揮し存在感を示した。4年生が#23劉一人というチーム事情の中、3年生もチームを引っ張る存在に成長。スタメンガードを務める#20大戸も、チームの持ち味であるハーフコートバスケットを組み立てる重要な役目を担っている。メンバーのほとんどは3年生以下だけに、この悔しさをバネにさらなる飛躍を目指してほしい。


―惜しい試合でした。
「近大と戦うのは今年これで4回目になるんですけど全部負けていて、今度こそリベンジという感じで臨んだんですが、最後つめが甘かったのか、気持ちで負けたのか…。情けないですし、劉さん(#23)に申し訳ないです」

―前半ガード2人でよく攻めていっているなという印象を受けました。
「インサイドにソウ(近畿大#22)がいて、最後の方は劉さんも攻められたけど前半はそんなにいいプレーができなかったので、合わせの中で攻めていけるようにと思いました。外があくから、僕らがアタックしてさばいてって。でもミスしてターンオーバーから失点されることがあったので、それは今振り返ってももったいなかったなと思います」

―よく知る相手である近畿大とは、どういう戦い方をしようと?
「相手のフォーメーションもだいたい分かっているし、しっかりスカウティングもしてきて。ソウにゴール下をあけられて何本かは崩されましたけど、今日はいつもより良いディフェンスができていたと思います。自分たちの持ち味はディフェンスからなので、それは表現できたかなと思いました」

―昨年インカレで3位に入り、インカレには特別な思いというのもあったと思います。
「去年インカレで良い経験をさせてもらって、でも去年のスタメンが4人抜けて今年は劉さんしか4回生がいなくて、その環境の変化の中で1年間頑張ってきました。上手くいかないこともあったんですけど、だいぶインカレ前にしっかり調整できていて。だからこそこういう結果になって悔しいです」

―関西リーグも色んなチームが台頭して来て、今年は勝つのがなかなか難しかったと思いますが。
「出だしは調子が良かったんですけど、3週目、4週目くらいから上手くいかなくて崩れて…。ミスも多くてそれで何個か勝ち逃した試合もありました。でもリーグ戦を通して調整してきて段々良くなってこのインカレに入りました。だから、もっとできたかなと思うんですけど…情けないです」

―去年までの主力が抜けて生まれ変わったチームではありますが、1回戦は逆転勝ち、2回戦も近畿大を最後まで苦しめましたね。
「去年は平尾さん(11年度卒・現JBLパナソニック)、(清水)陽平さん、大谷さんと、外回りに存在感の強い経験ある3人がいてくれてチームとしてもいつも安定していて、去年先輩方に本当にいい経験をさせてもらいました。それでこのインカレに臨んで、1回戦も危なかったんですけど、でも途中から自分たちのペースでできたし、2回戦も自分たちのフォーメーションバスケはできていたと思います。劉さんが抜けて残りのメンバーをそのまま引き継ぐ形になるので、この経験だったりこの悔しい気持ちだったりを絶対に忘れないで、しっかり頑張っていきたいです」

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「学んだことは、攻め気をもつこと」
思いきりの良い積極性でチームに貢献

◆#11藤森翔平(天理大・2年・SG)
121122fujimori.jpg21得点でチームのオフェンスを引っ張った藤森。本格的にスタメンで長い時間試合に出るようになったのはリーグの後半からだと言うが、強気な姿勢で堂々とプレーしていた。近畿大の#22ソウ相手にインサイドでなかなか得点が奪えない中で、藤森の活躍は接戦に持ち込んだ一つの要因になった。まだ2年生であり、これからが楽しみな選手。勢力図が変わり混戦模様の熾烈な関西の中で、さらなる成長を期待したい。


―試合を振り返っていかがでしたか?
「リーグ戦で2回と近畿総合で1回戦って、計3回これまで戦っているんですけど、1回も勝ててないということもあったし、この試合に勝てばオールジャパンに出られるということもあって、みんなが意識を高めて練習してきました。けど、何かが足りなかったからこういう結果になったのかなと。今年は結構チーム内でも色々問題があって上手くいかないことも多くて、この1年そういうシーズンだったからそれが最後こういう結果に結びついたと思います。来シーズンはこの1年の反省を活かして練習していきたいと思います」

―今日の戦いぶりは、これまでの試合と比べてどうでした?
「今日は調子が良かったですね。自分たちはいつも1Qや3Qの出だしが悪いというのと、相手がゾーンできた時に攻めにくいという課題があるので、今日は上手くいきすぎたところもあると思います」

―ペースをコントロールするディレイドゲームは今年も変わらずですね。
「そうですね。監督からもそういうゲームをしろと言われています。自分たちはすごく練習時間が短いチームなので、体力が無いんです(苦笑)。相手のペースに合わせて点の取り合いになると絶対負けるので、自分たちのペースでやっていかないといけないですね」

―どれくらい練習しているんですか?
「一応毎日やっているんですけど、2時間程度ですね。強豪校って何時間もやったり2部練したりしているところもあるじゃないですか。その中で自分たちは2時間ですね」

―短い練習時間の中で考えながらやれていると?
「そうですね。短期集中だということで。監督がいない時でも集中してやっていますね。去年のキャプテンが教職課程を取るために今年もまだ大学に残っているので、ちょくちょく練習も見に来て色々言ってくれています。去年よりは下がったかも知れないけど、そういう練習の質は結構高いと思いますね」

―今年はメンバーががらりと変わりましたよね。藤森選手も去年少し試合に出ていましたが、本格的にスタメンになって試合に出るのは2年生になった今年からですね。
「でもスタメンになったのも、リーグ戦の後半からなんですよ。先輩の調子がちょっと悪かったのでそれで出させてもらってからですね」

―そうだったんですか。藤森選手自身、今日は本当に攻め気が見えました。
「1回戦で東海大九州と戦った時は、前半0得点で、シュートが全然入らなかったので、結構落ち込んでいたんです。でもそんな時に先輩やコーチの方から『どんどん打って行け』とか『打たないとディフェンスが出てこなくて他のオフェンスにもつながらないから』と言われて。そこから今日もどんどん攻めて行こうという気持ちでプレーできましたね」

―インサイドは基本的に劉選手(#23)が担って、1年生のサイモン選手(#6)はそこまでプレータイムが長くないですね。
「そうですね。劉さんの方がやっぱり安定しています。サイモンは良い時はシュートを決めるんですけど、悪い時はミスが目立って波があるので。今日は良い方が出ましたね。いつも劉さんのファウルが込んだらサイモンがつなぐって感じです」

―ここでインカレは終わりですが、学んだことは何かありますか?
「学んだことは、やっぱり攻め気ですね。リーグ戦の時はみんながみんな、攻め気がなくて、外でパスを回すだけのゲームが続いていたんですよ。だから全然得点に結びつかなくて。攻め気を持ったらうまくいったので、ドライブをしたり、そういう基本的なことをやっていかないといけないなと思いました」

―そういう攻め気は去年の4年生3人がやっていた部分ですよね。
「そうですね。平尾さんとかは、本当に良いお手本ですね」

―藤森選手はまだ2年生ですし、来年もメンバーが多く残ります。来年もまたチャンスがあると思いますが。
「来年こそは勝ちたいですね。去年は去年の4年生に連れて行ってもらったので、今度は自分たちの力で上がっていきたいですね」

―近畿大もソウ選手の加入で台頭してきましたし、大阪学院大や同志社大も伸びてきて、関西も混戦ですね。
「そうですね。近大みたいな良いライバル、目標ができて、関西も面白くなってきましたね。来年も楽しみです」

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「シックスマンだった時のようにリラックスした気持ちで」
リーグ後に見直した部分を生かしたプレーで貢献

◆#33狩野祐介(東海大・4年・主将・SG)
121122karino.jpgリーグ戦途中からシックスマンで出場していたが、インカレでスタメン復帰。チーム方針もあるだろうが、最初から狩野が3Pを決めてくれるとチームも締まる。リーグ中は少し入らない時期もあったが、何が原因かを見つめ直し、今はいい状態でシュートも打てているようだ。優勝を目指して勝負はこれから。狩野の、チームの戦いぶりに注目したい。


ーこの大会ではスタメンに戻ったんですね。
「アキ(#8藤永)の足が調子が悪いのでスタートに戻ったというか、出させてもらっているというかですね」

ーリーグ後から決まった感じですか?
「リーグ後の途中の練習からです」

ー自分としてはどっちがやりやすいというのはあるんですか?
「あまり考えずにシックスマンで出ていっていた時のような気持ちでやれていますね。リラックスして。シックスマンの場合は何も考えずに攻めることができていたので、今スタメンになっても継続してその状態でやれています」

ーリーグではシックスマンになる前はあまりシュートも決まらず、パスもなかなか回って来ず、オフェンスが機能していないなという感じでしたが。
「そうですね。やはり作ることを考えていてそこがダメでした。それにシックスマンになって気付かされましたね」

ーではリーグからインカレの間にどういうことを意識してきたか教えてください。
「リバウンドからルーズボールを取ることがチームとしても少なくて、自分はそこを意識しています。大貴(#24)も何度もリバウンドを取るのはキツイだろうし、大貴が打った後はリバウンドにいって、ザック(#10バランスキー)とケビン(#7晴山)が相手センターを抑えにいくので、自分はそのこぼれ球を取ろうとして積極的なルーズボールを取りに行っています。後はカッティングを心がけています」

ーインカレの2試合を見て狩野選手のプレーがリーグと違うなと思ったんですが、そのせいだったんですね。
「はい、そうですね」

ー試合の話ですが、初戦の鹿屋体育大は余裕でしたが今日は愛知学泉大に攻め寄られましたね。わかっていたとは思いますが。
「わかってはいたんですが、やはり向こうも気持ちを込めて接戦を勝ってきているし、2番(松元)も当たっていたし、センター(#6森川)も最初ドライブが良かったです。わかっていたのに最初そこを止められなかったのがダメでした。でも最後までシュートは続かないと思って、そこを我慢してやろうとハーフタイムに話し合ったので、後半は突き放せました。今後の試合も継続したいところです。リーグ戦では離れた試合でやられることも多かったので、注意していきたいですね」

ーあとはいつもなら打たないような場面でも、ワンドリブル入れて打ったりとか、いつもと違う打ち方をしていましたね。
「いつもだとあそこはパスを考えてしまいましたが、ディフェンスに来られた分、向こうも穴ができるのでそこを狙ってドライブして、カバーが来なければ打ったり来たらパスしたりシンプルな形を心がけていました。そこがちゃんとできたと思います」

ー2試合やってみて気になるところはありましたか?
「初戦は控えが積極的にできなかったんですが、今日は佐藤や須田、山田もできたので改善できていたと思います。それを継続していくだけです」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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