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2012.11.20 (Tue)

【2012インカレ】11/20レポート

接戦が続いた2日目は近畿大が関西1位の実力を披露
富山大は3年連続1回戦を突破!

121120sow.jpg インカレ2日目、代々木第二体育館では5試合が行われた。この日は大東文化大以外の9チームが地方勢。5つのうち4つのカードが地方勢同士の対戦となった。北海道2位の道都大に勝利した北信越1位の富山大は初出場から3年連続3回とも1回戦を突破。同じく初出場から連続3回目の出場となる日本経済大は惜しくも敗れたが高さ、速さを活かして大東文化大に前半からリードを奪い、終盤まで苦しめた。また、関西5位の天理大は逆転劇で東海大九州を破り、関西1位の近畿大徳山大を一蹴。関西勢6チームのうち、これで3チームが2回戦に進んだ。

 東海1位の浜松大は北信越2位の新潟経済大と対戦。ジャーラ(4年・C)の210cmという高さと、アウトサイドシューターの高確率なシュートでリードを得た浜松大が終始優位に試合を進めた。新潟経営大は#4鈴木(4年・SG)や#10濱(3年・F)を中心に得点していくが、差を開かれて99-60で試合終了。浜松大が昨年に引き続き2回戦進出を決めた。浜松大の次の対戦相手は優勝候補・青山学院大。高さ・強さを持ち合わせた王者にどんな戦い方をするかが注目だ。

 関西1位の第3シード、近畿大対中国2位の徳山大の対戦は、1Qから近畿大がリードを奪った。関西のMVP、新人賞、リバウンド王、得点王という4冠タイトルを引っさげて登場した注目ルーキー、ソウ・シェリフ(1年・C・沼津中央)が1Qからダンクを連発して高い能力を見せつけ、前半で30点以上の差をつけると、後半も余裕を持って99-62で勝利した。近畿大は次は関西3位の天理大と対戦する。

写真:次々とダンクを決めて高い身体能力を披露した近畿大・ソウ。スペースがなくても軽々と飛び上がれる瞬発力はさすが。

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【4Qで巻き返した天理大が東海大九州を下す】
121120ryu.jpg 関西5位の天理大と九州1位の東海大九州の対戦は、昨年のインカレ1回戦の再戦となった。リベンジに燃える東海大九州は、天理大相手に対策してきたことが3Qまで上手くはまり主導権を握っていたものの、4Qで勢いに乗ったのは天理大。そのまま接戦にもつれるが、69-64で天理大に軍配が上がった。

 ディフェンスから速攻に走るトランジションゲームを好む東海大九州に対して、ペースをコントロールしたセットプレーを持ち味とする天理大。先に自分たちのスタイルを出したのは東海大九州だった。スティールから速攻に次々走り、開始4分半で3-10と幸先の良い立ち上がりを見せる。天理大は高さを活かしてオフェンスリバウンドに絡むが決定力に欠き、このQは11得点。東海大九州は7点リードで入った2Qも、#7古閑(3年・PG)が力強いドライブでバスケットカウントを獲得し、天理大#18相馬(3年・SG)の3Pにもすぐさま#8川満(4年・PF)が3Pを決め返すなど勢いを切らさない。10点リードで前半を終えた。

 3Q、天理大は徐々にディフェンスの足が動きはじめ、緩急をつけたバスケットで相手のお株を奪うような速攻も出た。東海大九州は速攻がターンオーバーになるなど慌てた様子。だが天理大のアンスポーツマンライクファウルなどのミスにも救われ、東海大九州が7点リードを保持して4Qへ。

 すると3Qで追撃態勢を整えていた天理大が、4Qで猛攻を見せた。高い位置からプレッシャーをかけて相手のミスを誘い、4Qの立ち上がりで一気に波に乗る。特にルーキーの#56川田(1年・PF・星翔)がリバウンドに奮闘し、テイクチャージや引きつけて#23劉へアシストするなど躍動。残り4分、#18相馬が切れ込んで#23劉(4年・C)に合わせる形が2連続で決まり、60-57とリードを奪った。東海大九州はリバウンドが取れずに攻撃が単発に終わってしまい、その間に天理大が次々得点を重ねる。残り2分には、#11藤森(2年・SG)のバスケットカウント獲得で11点リードに。東海大九州はその後、ベンチが10秒を数えて速いオフェンスを展開していき、#17藤原(4年・SG)の3Pなどで勢いに乗ったが、残り10秒2点差まで詰め寄ることが精一杯。あと一歩及ばず、悲願の初勝利とはならなかった。

 3Qまでリードしていたのは東海大九州だったものの、落ち着いた試合運びと好守を見せた天理大が逆転勝利を飾った。「勝ちたい気持ちが先に出て、リードを守って足が止まってしまった」東海大九州・元(ウォン)部長。4Q終盤、インサイドを起点にやられた3本の得点が敗因になったと僅かな差での敗戦に唇を噛んだ。一方の天理大は、追う展開の中でも「やることをみんなでしっかりやれば絶対追いつける点差だと思った」(相馬)と慌てずに対応。勝ち方を知る天理大が一歩上回り、一回戦を突破した。

写真:今年唯一の4年生として主将を務める天理大・劉。昨年の経験を後輩に引き継げるか。

※天理大・相馬選手、東海大九州・川満選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【スピード感あるプレーで抜けだした富山大が勝利】
121120yuasa.jpg 3年連続3回目出場となる北信越1位の富山大は、北海道2位の道都大と対戦。4Qに入るまで接戦を繰り広げた。

 最初に抜け出したのは富山大。開始すぐに連続得点し、道都大は逆にシュートが入らず引き離されてしまう。富山大は#24志村(4年・G)のシュート、#25湯浅(4年・F)の3Pで残り約4分で14-6とリード。しかしここから道都大も盛り返して#7菅谷(2年・PG)や#34高橋(2年・PF)のシュートで追い上げ、#9木皿(4年・F)の3Pが決まってチームも盛り上がる。1Q残りわずかとなってから#34高橋が富山大のスローインをカットしてシュートするなど集中力を見せて、17-19と逆転して1Qを終了。

 2Qは道都大#34高橋のミドルシュートで始まった。しかし富山大もすぐに#11田中(1年・G・北陸)の3Pで返し、点差は離れない。道都大は#34高橋がスティールから速攻に走りバスケットカウントを獲得する場面もあるが、富山大は#25志村、#24湯浅の4年生2人が早い展開で次々と得点していき、一気に9点差に。しかしそこから道都大も#9木皿が3P、レイアップと連続得点の活躍。最後に#32上西(4年・SG)の3Pで36-35と1点差に近づいて前半終了。

 3Qも一進一退となった。富山大は立ち上がりに#24湯浅が次々に3Pを沈めて再び差を9点に開くがその後は沈黙しがち。道都大がじわじわ追い上げ、残り3:45で再び48-48の同点に追いつくと、#9木皿のアシストから#7菅谷(2年・PG)が決めて逆転。ファウルやトラベリングで停滞気味の富山大だったが、今度は#35中村(2年・F)、#25志村の得点で再逆転して59-54と5点リードで4Qへ。

 どちらに転ぶかわからない状態で4Qへ入ったが、抜けだしたのは富山大だった。個人能力を生かしたドライブ、パスのカットなど機動力を見せて怒涛のオフェンスを展開。開始3分で10点以上の差をつけると、道都大は焦りからかシュートの確率も悪くなっていく。その後もオフェンスの手を緩めない富山大が一気に差を開き、最後は88-68と接戦から抜けだして20点差をつけて一回戦を突破した。

 富山大は初出場で関西学院大に劇的勝利を収めた3年前から3年連続の1回戦突破。主将の志村「気を抜くとすぐやられる」と言いつつも、一回戦突破に何年も苦労するチームもあるだけに、大事にしたい経験だ。サイズはないが個人能力の高い選手が揃い、小気味よいはつらつとしたバスケットが持ち味。次の戦いも富山大らしさを存分に見せて欲しい。

 道都大は昨年の入れ替え戦からチームを立て直し、10年ぶりのインカレ出場。最後に一気に流れを持って行かれて引き戻せなかったが、3Qまで粘りのバスケを見せた。この経験を来期につなげられるよう期待したい。

写真:28得点の富山大・湯浅。志村とともにチームを牽引する。

※富山大・志村選手、道都大・木皿選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【日本経済大も粘るが大東文化大が辛勝】
121129hirae.jpg 九州2位、3年連続の出場となる日本経済大は、昨年のインカレと同じく大東文化大にぶつかった。終盤まで競り合う展開となるが、勝負所を制したのは大東文化大。日本経済大はインカレ初勝利とはならなかった。

 開始すぐさま2連続でファウルを吹かれつまずく大東大に対し、日本経済大はスティールから#9中嶋(3年・PG)らが速攻を決めて歓声が巻き起こった。だが開始3分で#30サンブ(2年・C)が2ファウルになり、大東大#30鈴木(3年・F)、#19藤井(4年・SG)の3Pで追いつかれるとそこからは競り合う展開に。日本経済大も#1古野(2年・PG)、#6北薗(4年・PF)のジャンプシュートが決まるが、大東大も#41小山がゴール下に切れ込み加点していく。同点で入った2Qも、依然として接戦が続いた。大東大は#43鎌田が何度もオフェンスリバウンドに粘るも肝心のシュートが決まらず、エース#14岸本も#12柿内(4年・PG)からの徹底マークに遭うなど思うようなバスケットが出せない。ディフェンスから流れを作った日本経済大が、#35木寺(4年・SG)の2本の3Pもあって最大7点リード。だが大東大は終盤#0有村(4年・PG)や#88平得(2年・F)が苦しい体勢での難しいシュートを決めていったこともあり、結局34-34と同点で試合を折り返した。

 3Q、大東大の#43鎌田を前に開始4分以上得点の奪えない日本経済大。大東大もミスはあって得点は停滞するが、#14岸本がドライブでファウルを得てフリースローでこつこつと加点していき、4点リードで4Qに入る。すると4Q、接戦に強い大東文化大は、要所で#14岸本が得点し、#88平得、#41小山も価値あるオフェンスリバウンドをもぎとっていく。日本経済大も#9中嶋のアシストから#6北薗や#17李が決めていくが、大東大の攻撃を止められず、5点前後の差が遠い。終盤、大東大が2連続でファウルを吹かれて流れが傾きかけるも、今度は日本経済大が2連続でファウルとなり、フリースローで#14岸本が残り1分9点差にして追い打ちをかけた。日本経済大も最後の意地を見せ5点差にしたが、そこで時間が尽き63-58で大東大が逃げ切った。

 日本経済大も奮闘は光ったが、あと一歩及ばずに初勝利とはならなかった。#30サンブは出だしのファウルでなかなかプレータイムが伸びずに終わったが、#17李も大東大の#43鎌田をよく4得点に抑える働き。しかし勝負所のリバウンドに飛び込まれるなどして最後は5点前後の差を追い付けず、逃げ切られた。

 大東大は終始調子が上がってこなかったものの、今シーズンこうした我慢の試合も多く見られ、そこまで慌てた様子はなかった。エース#14岸本は3Pこそ当たりがなかなか来なかったが、フリースローは13/13とノーミス。終わってみれば22得点と、安定的な活躍を見せて勝利を引き寄せた。

写真:要所でリバウンドをもぎ取った大東文化大・平得。

※日本経済大・北薗選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「最後は絶対勝てるという自信があった」
強い気持ちで跳ね返したビハインド

◆#18相馬卓弥(天理大・3年・SG)
121120souma.jpgファウルトラブルになりながらも3P5本を含むチームハイの23得点でチームを牽引した相馬。リバウンドにもよく飛び込み、ひるまずに戦う姿勢で逆転勝利の一翼を担った。相馬を始めチームの中心となる3年生たちは、下級生だった昨シーズンと比べ頼もしい存在に成長を遂げている。昨年から平尾、清水、大谷といった主力がごっそり抜け、今年は4年生の数が少ないこともあって3年生以下に強い自覚が芽生えていることが大きいようだ。今シーズン苦労もあったが、標準を合わせてきたというインカレの舞台で無事一回戦を突破。次戦の近畿大との関西対決も全力を尽くしたい。


―試合を振り返って。
「うちはいつも試合の入り方が悪くて。だから入りは意識していたんですけど、初戦ということもあってやっぱり悪くなってしまいました。でも途中みんなで共通理解がしっかりできたので、勝ち取ることができたのかなと思います」

―共通理解というと?
「今回は相手が走るチームだったから、まずしっかりとブレイクを出されないようにして全員でディフェンスを頑張るということ。オフェンスは、やり合いをしたら絶対に負けると思ったので、ゆっくり天理らしいディレイゲームでフォーメーションバスケをしっかりやっていこうと話していました」

―“いつも入りが悪い”という話なので、相手にリードされてもそこまで焦りはなかったですか?
「そうですね。最後は絶対勝てるという自信がありました。やることをみんなでしっかりやれば絶対追いつける点差だと思ったので、焦りは無かったですね」

―リバウンドが強かったですね。#23劉選手はもちろん、ルーキーの#56川田選手も終盤いいリバウンドを取っていたと思います。
「そうですね。泥臭いプレーを頑張ってくれるので助かりますね」

―相馬選手もよくチームを引っ張っていましたね。ファウルトラブルもありましたが。
「ちょっとやっちゃいましたね(苦笑)。テクニカルは人生初でした」

―昨年はインカレ3位という成績を残しましたが、そこから主力が抜けて今シーズンは苦労もあったと思いますが。
「結構大変でした。4回生も劉さんだけだし、自分たち3年生が引っ張って行こうとはみんなで言っていますね。練習中からそういうことは意識してやっています」

―リーグでの戦いは振り返っていかがでしたか?
「リーグ戦も最初は上手く循環して勝てたんですけど、途中から勝てなくなって色々悩むこともありました。でもここ、このインカレに合わせて全員しっかり腐らずやってこられて、こうして勝てたのは良かったですね。1回戦で満足せずに、次の試合は近大に勝ちたいです」

―近畿大は同じ関西でよく知る相手ですしね。
「そうですね。今年は4回くらい戦って、全部負けてるんですよ。2点差とか4点差とかで。だから今回は勝ちたいですね。まずは次の近大に勝って、また次の試合も一戦一戦頑張っていきたいです」

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「小さくてもチームで頑張れたら戦える」
自分たちのスタイルを徹底してきた道のり

◆#8川満寿史(東海大九州・4年・PF)
121120kawamitu.jpgチームのエース川満。リーグ戦でも得点王、リバウンド王を獲得し最優秀選手賞に選ばれるなど、九州屈指の選手。川満をはじめ、今年は下級生の頃から試合に絡んできた今の3・4年生が主体とあって勝負の年でもあった東海大九州。春の全九州トーナメントとリーグ戦で優勝し、満を持して挑んだインカレだったが、またもや天理大が目の前に立ちはだかる結果となった。それでも、サイズの不利を補うディフェンスや速攻は十分に通用していた。来季以降も挑戦は続いていく。


―試合を振り返って。
「去年も負けているので、リベンジしようという感じでしたね。自分たちの良さも出せたんですけど、ディフェンスのところで絶対にやられちゃいけないところを最後にやられてしまって…。それが敗因だと思います」

―絶対にやられちゃいけないところ、というのは?
「劉選手のところもそうですが、特にセンターにボールが入った時の逆サイドからのカットインを止められなかったのが痛かったですね」

―勝ちを意識したときに、リードを守りに入ってしまったのかなと思いますが。
「うーん…自分はそんな試合中あれこれ考えてないので(苦笑)。何も考えないで、その場その場を全力でやっていた感じです」

―追い上げられてしまいましたが、ボールが入ってから10秒をベンチでカウントしながら攻めていた場面では勢いがありましたね。
「そうですね。早く攻めるのが自分たちの普段のリズムなので。早く運んでパスを回して思いきりよくスリーを打って、というのが今日の最後や前半よく出せましたが、あれが自分たちとしてはしっくりくるスタイルですね。ああいう展開になれば調子が上がります」

―春も良い結果を残して、リーグ戦は1位通過になりました。
「リーグ戦は最後の試合の時に一人ひとりが自分の仕事をしていたので、チームとして高いレベルまで持っていけたんじゃないかなと思います。今年はトーナメントやリーグ戦で優勝できて良い結果が出たのは良かったかなと。でもインカレでも勝ちたかったですね。リーグで結果も出ているし、今年は3・4年生が試合に出ていてチームワークも取れていたので…、いけると思っていた分、悔しいです」

―東海大九州での4年間はいかがでしたか?
「あっという間でしたね。大学に来て、小さくてもやれる、ということが分かりました。留学生みたいに大きくてパワーもある選手とはやりにくいですけど、チームで頑張れたら戦えるなと。それは勉強になりましたね」

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「インカレに来ること、勝つことで次の気づきが起こる」
経験を実力に変える努力で3年連続のベスト16進出

◆#25志村征俊(4年・主将・G)
121120simura.jpg26得点15リバウンドと魅せた。同じ北陸高出身、同学年の湯浅とともに得点を牽引。北陸、藤枝明誠出身者が揃うチームはサイズはないが、個人技とスピード感あふれるバスケットが持ち味。自分たちで考え、練習してきているのは変わらないが、インカレに出るごとに得た課題や発見を活かして成長を遂げてきた。若いチームで足りない部分も多いと言うが、2回戦も“らしさ”を発揮してもらいたい。


―3年連続一回戦突破おめでとうございます。妙に緊張した様子もなかったように見えました。
「そうですか?僕自身は固かったです。ボールも手につかなかったし。1年生の方が堂々としていたかもしれません(苦笑)」

―相手が道都大で、関東のチームではないという部分で少しリラックスできたのはありましたか?
「そこで気を抜いたらやられるとみんなで注意していたので、練習でも試合前もみんなで話し合っていました。後先考えられるチームじゃないので。先を見るような実力もないし、まず一戦必勝という感じでどんなチームでも頑張ろうと言い合っていました」

―道都大も頑張りましたし、リバウンド面でも前半はやや苦戦しましたね。
「そうですね。次に当たるのは大東と日本経済の勝者ですが、あっちはデカいし体も強いので、ボックスアウトやリバウンドでなんとなくというプレーをしてしまったら絶対取れないので、そこはもっとみんなでしっかりポジション取りからやりたいです。まず1対1のディフェンスを頑張って、リバウンドもしっかり取るのが目標です。そこは試合後話し合いました」

―攻撃面で言うと、スピードは去年よりあるのではないでしょうか?
「そうですね。1年生の田中(#11)が入ってきて、あいつはすごく早いし全体的に去年より早くなっていると思います。自分もスピードが売りですし。そこは通用するとみんなでわかっているので、まずはそのプレーで出し切ろうと。そして速攻を狙うプレーを貫こうと。だからリバウンドはやはり鍵ですね。取らないと走れないですからね」

―そういういいプレーも出つつ、また追いつかれたり、というのが今日は良くない展開だったかなと思いました。
「集中力ですね、やっぱり。1年生や2年生も出ているので点を開いて気を抜いてしまうのはありますね。正直僕も集中力があるタイプじゃないので(苦笑)。キャプテンが気を抜いてしまうので伝染しちゃうのかなと(苦笑)」

―昨年の佐藤キャプテンの方が落ち着いていたタイプだったかも?
「そうなんです。雄太郎さんは集中していて周りも見えるタイプだったんですが、僕はちょっとそういう感じじゃないので。去年よりも意識しているんですが(笑)、本当に明日はそこを集中していかないと気を抜くとあっという間に離されてしまうので、入りから最後まで集中していきたいです」

―今年は湯浅選手(#24)と2人で4年生、北陸コンビで活躍していますね。
「そうですね。一昨年は自分が怪我をしたり、次の年は湯浅が怪我をして、全国の舞台であまり湯浅とプレーしたことがないんです。あいつとプレーするのは最後だし、パスを出して決めてくれると本当に楽しいし、2人で怪我なく頑張ろうと言っています」

―ここまで3回とも一回戦は勝っていますが、プレッシャーなどはありましたか?
「それは感じていないですね。そんな、一回戦に勝つとかベスト8とか数字で目標を立てられるようなチームじゃないので。まず一試合目頑張ろう、と。全力でいくだけですね。それが良い方に出ていると思います。一昨年も相手が油断しているだろうから、そこを突くしかないという感じでしたし、もう目の前の試合で頑張るだけです」

―体つきが良くなったように思いますが、ウエイトなどもやっているんですか?
「今年からやっています。インカレに出始めてみんな体について感じたというか、僕自身が一番感じています。体で押されて、それだけで体力がなくなっていって疲れるんです。これじゃダメだなと思って、そこから筋トレを自分でもチームでもやり始めました」

―インカレでの経験からウエイトを始めたんですね。練習なども今も自分たちで考えているんですか?
「監督も附属中の方で校長をされていて忙しいんです。あまり練習も出られないので4年生中心にメニューを考えて、全部自分たちの取り組みですね。どこをやろうと、どこを気をつけようとか自分たちで考えるのが難しかったですね」

―そこはやはり北陸で学んだことが受け継がれる感じなのでしょうか。
「どうしてもそうなる部分はあります。北信越にいると全国レベルの大学バスケがどんなものか全くわからないので。でも僕らの持ち味がスピードだというのがあるので、それを活かして切り替えの早いバスケをすることですね。まずそれを頑張ろうといつも言っています」

―北陸を始め、最近は藤枝明誠の選手が入ってきたり少し層が厚くなってきましたね。
「去年4年生が2人抜けてしまいましたが、1年生が頑張ってくれて、意識も高いんです。僕らが1年の時とは全然意識も違っています。いろいろ考えてくれているし、本当に後輩には助けられていますね。僕らのチームじゃなくて、後輩のチームだと思います」

―それはぜひ来年、再来年につなげていって欲しいですね。
「一回戦を突破してもう1回できるのは本当に大きいです。関東とか強いチームとやることでいろんな気づきがあるので。みんなそれで意識が変わって、毎年良くなっているというのがあるんです。だから今年もまず1回戦を突破できてちょっとホッとしてます(笑)。次も頑張ります」

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「代々木は本当に気持ちよかった」
4年間の集大成を聖地で実感

◆#木皿智也(4年・主将・F)
121110KISARA.jpg16得点8リバウンド、アシスト8と多彩な活躍を見せた。昨年は入れ替え戦まで行ったが、今年は1位の札幌大に2敗した以外はすべて勝利し、見事な復活。この代々木の舞台でも臆することなく戦い、富山大を苦しめた。悔しさもあるが、シーズンを締めくくる試合を代々木という場所でできたことは大きな喜びでもあったよう。来期もまたここに立てるよう、下級生にも期待したい。


―試合を終わってどんな思いがありますか。
「4年生の集大成で自分として4年間頑張ってきて、初めてこういう代々木の舞台に立てて嬉しい半面と、もう一試合やりたかったなという気持ちがあります」

―相手の富山大に対してはどう思っていましたか?
「相手の方が高校時代から経験が豊富な分、自分たちは未知の世界というか、雰囲気に呑まれないように挑戦者として自分たちのいいところを出していこうと思っていました。前半はできていたと思います」

―富山大は北陸や藤枝明誠などの出身者も多くて、早い展開を仕掛けるだろうなというのは思っていましたか?
「はい。DVDなどを見てきました。一人では守れないので横のディフェンスなどに意識があったんですが、やはり3Q、4Qでそういう場面で我慢しきれなくなって、ブレイクを出されて自分たちはミスで決まらなくなってしまいました。そこはちょっとやりきれなかったことに悔いが残ります」

―道都大はうまくボールを回しながらのゲームでしたね。
「そこは個人というよりチームでしっかり1点1点取って、チームで守るというのが先生が言い続けているスタイルです。それをやり続けていればこういう舞台で通用するというのも分かったので、やはりこれを信じて下級生には頑張って欲しいと思います」

―道都大としてはインカレは久しぶりですね。
「10年ぶりですね」

―ここまでのリーグ戦などはいかがでしたか?
「去年入れ替え戦に行っているんです。下級生が多い分、上級生がまとまってチーム一丸となってやった結果が今年2位だったんですが、こういう場面に来られた要因だと思います」

―昨年入れ替え戦に行った要因と今年良くなった原因は何だったんでしょう?
「去年は底辺というか下を経験して、自分たちが練習しなきゃとか勝ちたいという気持ちが強くなりました。今年は下級生が1年分成長したのもあるし、チームとしての決まりごととか、まとまってひたむきに頑張るところが伸びて、こういう舞台に来られたと思います」

―最近北海道は札幌大なども強くなってレベルが上がっている感じがします。
「自分ではよくわからないですけど、やはり札幌大学がレベルが上がっている分、他の大学も刺激を受けて頑張っているからなのかな?」

―キャプテンとして今期はどうでしたか? 入れ替え戦に行く状態から立て直すは力のいる仕事ですよね。
「先生の言っていることをコートで表現しようというのは毎回言っていました。あとはなんでも言い合うとか、チームワークをどう作るか。各学年に役割を与えてまとまってやろうというのが自分の気持ちでしたね」

―大学の4年間はどうでしたか?
「楽しいのは楽しい時間でした。小学生からバスケットをやってきて締めなので、自分としてはこの舞台に立てたというのが良かったですね。集大成で」

―代々木のコートはどうでしたか?
「すごく気持ちいいですね。本当に気持ち良かったです。昨日初めて観に来た時は『こんなところでやるのか』『できるかな』と不安だったんですが、コートに立ったら自分たちが見られている訳ですし、注目されている分、頑張らなければと。応援の人も近いし、声もすぐに届くじゃないですか。それに対して感謝もすごく感じたし、本当に気持よくて楽しかったですね」

―最初は緊張するという選手も多いですが、堂々としていたように見えました。
「そうでもないです。最初はレイアップを外していましたし(笑)」

―後輩に向けてメッセージをお願いします。
「ここに来るまで10年かかったんですが、まだこれから何年も連続して来られるようになって欲しいですね。北海道では経験できない舞台や空気といった、いい経験をしたと思うので
また味わって欲しいし、そのために頑張って欲しいです」

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「通用した部分はたくさんあった」
だからそこ込み上げる悔しさ

◆#6北薗慶悟(日本経済大・4年・主将・PF)
121120KITAZONO.jpg大東文化大にあと一歩のところまで迫った日本経済大。試合後、主将の北薗の口調は重く、耐え難い悔しさを押し殺して絞り出すように言葉を重ねていた。どれほど勝ちたかったか、昨年と同じ相手へのリベンジ、そしてインカレ初勝利を切望する強い気持ちが伝わってきた。それでも今季は、春の西日本選手権で近畿大や愛知学泉大を僅差で破って3位入賞を果たすなど貴重な経験を積んだシーズンでもある。今季の学びを活かして、後輩たちにこの悔しさを晴らしてほしい。


―惜しい試合となりました。
「通用した部分はたくさんあって、勝てない試合ではなかったと思います。悔しいです」

―通用した部分というのは?
「ディフェンスもそうですし、シュートも。インサイドで、少し体の強さでやられた部分もありますけど、そこもよく抑えられたと思います。ガードのところでやられるのはある程度仕方ないと思っていたので、そこはやられても我慢我慢と声をかけあって意識していました」

―大東文化大は去年のインカレでも戦った相手ですが、組み合わせが決まった時はどう思いましたか?
「ありがたかったです。リベンジしたかったので。組み合わせが決まってから、結構対策もしてきました。だからこそ悔しいですね」

―対策というのは具体的には?
「一番はガードのところと、インサイドのところ。そこをやられたら点数が離れるので、そこはしっかりディフェンスしようと練習してきました」

―日本経済大はガード・フォワードの選手が3人一気に交代することもありましたし、ベンチメンバーもスタメンと変わらない力がありましたね。
「みんな同じくらいの力があって層は厚いんですけど…でも、全員がもう一段階レベルアップしないと、勝てないんだなと感じました」

―サンブ選手がファウルトラブルに陥ってしまいましたが。
「でもそういうこともあるだろうと予想はしていたし、交代した李驍(#17)も頑張ってくれました。やっぱり経験と体の強さをこれからつけていけばもっと良くなると思います」

―ベンチが声を出して盛り上げていましたね。
「明るいですね。下級生も多いので。練習中からにぎやかにやっています」

―インカレ前の練習はいかがでしたか?
「相手が決まったところで練習中からしっかり意識してやってきました。でも今年はちょっと怪我人が多くて…。なおさら悔しかったですね。インカレはまだ一回も勝ったことがないので、来年は勝ってベスト8に入ってほしいです」

―リーグ戦では、東海大九州に負けて2位通過となりました。チームの調子的にはどうだったんですか?
「あまり良くなかったですね。外もポンポンやられて、リバウンドも取られて。怪我人がいたこともありましたが、気持ち的にも良くなかったと思います」

―それでも春の西日本選手権では3位という好成績を収めたんですよね。
「はい。その時は、全員の役割がしっかりできました。4年生がうしろに控えてくれているということもありましたし。サンブが途中準々決勝で怪我したんですけど、そこもみんなでカバーできました」

―今シーズンはキャプテンを務めましたが、どんなことを意識していましたか?
「自分は手術して復帰してって感じだったので、プレーではあまり引っ張れなかったんです。でも声を掛けることは意識しました。練習中暗かったりしている子がいたら練習後に声をかけたり、できることをしようと思っていました」

―日本経済大での4年間で、どんなことを学びましたか?
「九州に残っている時点で、関東に行った人たちに比べたらもともと持っているものは劣ると思うんです。でもその分、伸び代はあるし頑張れば戦えると、そういう風に先輩たちから教わってきました。関東を倒すまでもう少しのところまで来れたので悔しいですけど、来年後輩たちにやってもらいたいですね。自覚を持って、頑張って欲しいです」
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