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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.11.03 (Sat)

【2012リーグ2部】10/28 国士舘大vs神奈川大

【国士舘大が逆転勝利で最後の切符を掴む!】
121028kokushikan.jpg 第3試合は、国士舘大神奈川大の一戦。国士舘大は、最終日に自分たちが勝利するか次の第4試合で駒澤大が1敗するかで3位が決まる立場にいたが、ここはやはり自力で進出を決めたいところ。対して5位以下が決まっている神奈川大も、プライドを懸けてそう簡単に勝たせる訳にはいかない。4年生にとっては引退試合であり、国士舘大には前回ラスト2秒で決勝点を決められ逆転負けを喫した借りもある。互いのにぎやかな応援も会場の熱を上げる中でティップオフを迎えた試合は、両チームそれぞれの課題を克服し、“成長”がはっきりと見られる最終日にふさわしい展開となった。試合終了後、熱戦を見守った観客からは、この日一番とも言える大きな労いの拍手が巻き起こった。

 国士舘大は#22原(1年・F・習志野)に代わって#14高橋(3年・G)をこのリーグ初めてスタメンにオーダーし、上級生を増やして安定感ある布陣で試合に臨む。先制点は国士舘大#9新田(2年・C)。だが気持ちが空回りしたか、その2点を最後に得点が止まった。その間に神奈川大は、#21増子(4年・SF)らが次々得点を重ねて12-2と二桁リード。その後も好調を保って23-13で1Qを終える。2Q、国士舘大は神奈川大の得点を停滞させるがなかなか自分たちのシュートも調子が上がってこない。#22原の得点で残り3分3点差に詰め寄ったものの、終盤に流れを掴んだのは神奈川大。#11丸山(2年・C)がディフェンスを引きつけ#29田村(3年・PF)がノーマークでゴール下を決めると、#21増子のバスケットカウントが続いて勢いに乗る。守りでは#7古橋(3年・SF)が自分より17cmも身長の高い#13曹(4年・C)を見事にブロックし、そこから#11丸山が速攻を決めて8点リード。最後に#21増子の3Pで締め、37-26と再度リードを押し戻して試合を折り返した。

 これまでの国士舘大ならば、このままこの状況にうち勝てないことも考えられた。「入りが重要」と多くの選手たちが語ってきたよう、相手にリードされて追うような展開は不得手。負ける試合は序盤でつまずき、我慢がきかずに気持ちの面から崩れる傾向にある。だがこの最終戦では、国士舘大はその“ジンクス”を打ち破った。3Q、10点前後のまま点差をそれ以上離されずに、粘り続けて好機をうかがう。するとQの終盤、国士舘大のゾーンに神奈川大のアウトサイドが落ち始めた。このチャンスを見逃さず、リバウンドを抑えて4連続得点で一気に差を縮める。46-45で4Qに入ると、開始30秒で#22原が決め、1Qの先制点以来国士舘大が久しぶりにリードを奪った。

121028maruyama.jpg だが神奈川大も気迫のこもったプレーを見せる。#20早川(3年・PG)のバンクシュートで再び先行すると、#29田村が#13曹相手にひるまずに攻め、4ファウルに追いやるバスケットカウントを獲得して残り6分6点のリードを奪った。しかし国士舘大は、この苦しい状況をディフェンスで打開。神奈川大を2連続で24秒オーバータイムにさせると、#15松島(3年・G)がスティールからワンマン速攻を決めて逆転に成功。神奈川大はすかさずタイムアウトを取るが、パスミスやトラベリングが続いて立て直せない。国士舘大は依然として激しく前からプレッシャーをかけ続け、#15松島、#20大河原(2年・F)が立て続けにスティールから得点して残り2分7点のリードを奪い返した。そのまま残り時間も押しきり、最終スコアは65-59。国士舘大の選手はタイムアップのブザーと共に悲願の3位入賞に歓喜し、応援団もコートに入って一緒に喜び合った。対する神奈川大の選手たちも、みな晴れ晴れとした笑顔でハイタッチ。互いに全力を尽くした死闘を終え、健闘を称え合った。

 「最後の最後まで諦める選手は一人もいなかった」と神奈川大主将#14竹嶋。毎年神奈川大の選手たちが揃って口にする“神大らしさ”を、今季ラストゲームでも貫いた。春は個人プレーが目立ったものの、この試合は、増子もパスをよく回して仕掛けるべき瞬間を狙ってリングに向かい、#7古橋はもちろん、#29田村や#11丸山ら黒子役に徹するインサイド陣も攻め気が目立った。チームプレーの完成度を上げ、ベンチを含めて全員で戦った今季ラストゲームだった。

 これまでにない粘り勝ちで、自力での入替戦出場を決めた国士舘大。リーグ戦を振り返れば、中央大や白鴎大から勝利するなど台風の目となる存在だった。実力差や前評判が当てにならないのが入替戦の特色でもあるが、中でも国士舘大ほど予想のできないチームは無い。代々木の体育館でも台風を巻き起こせるか、注目したい。

国士舘大:12勝6敗
神奈川大:8勝10敗

写真上:円陣を組む国士舘大。チーム一丸となって食らい付き、見事な逆転勝利を収めた。
写真下:神奈川大は#11丸山の奮闘も光る。プレータイムを伸ばし、伸び盛りの選手だ。

※国士舘大・板垣選手、神奈川大・増子選手、竹嶋選手のコメントは「続きを読む」へ。

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【COMMENT】

「全員含めて一枚岩で戦えた」
チームで晴らした昨年の雪辱

◆#4板垣祐輔(国士舘大・4年・主将・G)
121028itagaki.jpg昨シーズン、勝てば3位という最終戦を落とし悔し涙でリーグを終えた今の2年生から4年生。あれからちょうど1年後のこの日、そこには満面の笑顔を咲かせる選手たちの姿があった。試合後、主将の板垣の目からは、歓喜の涙が流れた。課題だったディフェンスを今や立派な武器として戦うまでには、地道な練習の積み重ねがあったのだと思わせる。悔しさを胸に再スタートを切り、長かった1年間。今年、関東の出場枠の縮小もあってインカレ出場が叶わなかったのは残念だが、これで最後の舞台が代々木第二体育館に決定した。主将の板垣をはじめ、大黒柱の#13曹やエース#11平田も4年生としての集大成を見せる時。その舞台は整った。あとは全力を尽くすだけだろう。


「今日の試合は、今リーグで一番のディフェンスだったと思います。やっぱり気合いが入っていたし、最後の松島(#15)と大河原(#20)のスティールも、そういう気持ちから来たものかなと。うちほどムラのあるチームは無いと思うし、そこは直さなきゃいけないところなんですけど、波に乗ってしまえばああやって抑えられるのかなと思いました。それに、いつも負けた試合は出だしが悪くてそのままズルズルいってしまうことが多かったんですが、今日は一人ひとりの入替戦に行きたいという気持ちで立て直すことができて、一つ成長できたのかなと思います。

 去年から全部同じような感じで負けてきて、何回も何回も同じような負け方してちゃだめだと思っていました。今日は応援団、ベンチ、試合に出ている5人、全員含めてひとつのかたまりみたいな一枚岩で戦えたので、今日みたいな戦いを入替戦でもコンスタントに出して行きたいなと思います。たぶん、入替戦は創部初なのかな?もし1部に上がったら本当に快挙だと思うし、自分たちの代はインカレに行けなかったのでその分やってやりたいです。それに今の3年生は、松島とか高橋(#14)とか、一番長く一緒にやってきた後輩たちなので、来年のためにも勝ちたいです」

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「みんな文句を言わずついてきてくれてありがたかった」
声を出してチームを盛り上げた神奈川大主将

◆#14竹嶋拓人(神奈川大・4年・SF)
121028takejima.jpg主将としてリーダーシップを取りつつ、明るく盛り上げ役でもあった。試合に出られない中で自分に何ができるのか、考えた末の「自分から率先して枯れるくらい声を出す」というかたち。「今年は特に走りまくった」という夏合宿のハードな練習や、長丁場の戦いとなるリーグ戦の間、竹嶋の雰囲気づくりは常に仲間を支え続けていたと言えるだろう。リーグ戦を7位で終え、自身にとってもチームにとっても満足のいく結果では無いかもしれない。だが昨年から主力が卒業し3年生以下に主力が移行する過渡期の中で、チームを成長に導いた功績は大きかったはずだ。


「最後の試合は、入りが良かったぶん後半気をつけなきゃと思っていたんですけど、巻き返されちゃいましたね。でも最後の最後まで諦める選手は一人もいなかったし、神大らしさを見せられた試合だったかなと思います。今シーズンを振り返ると、試合に出ている4年生が増子だけで、一人だけに負担をかけすぎたことは申し訳なかったです。でも増子がちゃんとプレーで引っ張ってくれたし、自分たちは声を出して盛り上げてチームに貢献しなきゃいけないと思って。それに主体が3年生以下なので、来年のためにも良い経験になったんじゃないかなと思います。

 自分はキャプテンとして、自分が試合に出ていない中でみんなに強く言っていくのは厳しい部分もあったんですけど、みんな文句言わずについてきてくれて…それは本当にありがたかったです。自分、春は結構『声出せ』とか怒ってたんですよ。けどチームの雰囲気も悪くなっちゃって、監督からも『そんな命令口調じゃ誰もついてこないぞ』と言われて。それで自分から率先して声を枯れるくらいまで出して、姿勢で見せていこうと思うようになりました。そうすれば自然とまわりもついてきてくれるかなと。試合に出られない分、そういうところでチームを引っ張るというのは意識しましたね。

 4年間を振り返れば、大学でバスケットをやるというのはすごく大変でした。やっぱり大学は高校の時にそれなりに活躍してきた選手が集まる場所で、自分の非力さを実感しましたし、上を目指す人じゃないとなかなかやっていくのは大変だなと。でも学生ならではの、こういう最後とか良い思い出とか色々なものを得られて、やって良かったなと強く思います。後輩たちは、今年も主体が3年生以下だったので力はあると思います。あとは、うちのチームの弱みであるメンタルの部分ですね。今年も結構波が大きかったので。とにかく、気持ちです!気持ちを強く持って頑張って欲しいです」

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「人間として大学バスケを通して成長できた」
本当の意味で学んだ“感謝の念”や“仲間を思う気持ち”

◆#21増子 匠(神奈川大・4年・SF)
121028masuko.jpg「パス…出せましたね、最後は自然と」。
最終戦、これまで以上にパスを積極的に回していたことについて聞くと、増子はこう口にした。これまでは、どんなにディフェンスが寄ろうが自分一人で切り開く場面が多かった。幸嶋監督も過去に「増子は良い選手。でも、例えばドライブにディフェンスが3人寄っていても、コーナーで待っているノーマークの古橋にパスを出せない」と課題を漏らした。勝ちに対する貪欲な姿勢と“負けず嫌い”な性分が、彼をリングへと向かわせる一方で、それがチームプレーを崩してしまうこともあった。しかしリーグ戦を通じて、その姿勢は変わった。それは冒頭の一言と、最後のコメントが物語っている。最終試合を終えて涙で目を赤くしながら増子が語ったのは、仲間に対する想いや、感謝の気持ち。かけがえの無い4年間で、精神的に大きな成長をとげた選手だった。


「今年は試合に出ている4年生が少なくて、でも僕もあまりチームを引っ張れなかったし、もともと4年生全員合わせても6人しかいなくて“4年生が引っ張る”というのが難しかったシーズンでした。でも楽しくやれたので良かったですし、悔いはないですね。それに今年1年ですごく成長できました。自分、今までは“自分が、自分が”となってしまって、まわりが見れなかったんですよ。でも、それは少し成長できたのかなと。幸嶋さんにも、『4年で出ているのはお前だけなんだから』と言われていて、最初は引っ張れなかったですけど、自分がみんなをまとめなきゃと思って仲間のことも意識するようになりました。幸嶋監督にお世話になった部分は大きいですね。なんだかんだ言って、一番チームを想っているのは幸嶋さんだと思います。幸嶋さんのそういう想いがあったから、自分もやってこれたのかなと。4年間通して、厳しかった部分も多いですけど、やっぱり楽しかったです。

 僕は高校の時とか全然無名だったんですけど、大学に入ってこうしてテレビでしか見たことないような人たちとバスケができて、すごく良い経験になりました。それにバスケットだけじゃなくて、人間として大学バスケを通して成長できたと思います。感謝する気持ちとか、仲間を思う気持ちとか。高校の時までは自分、そんなの無かったんですよ。ほんと自己中で自分勝手で(苦笑)。大学に入ってそういう部分で大人になれたなと思うし、それは今後社会人になっても役に立つことだと思うので、色々学べて本当に良かったです。後輩たちは、ルーズボールとかそういう神大らしさを突き詰めていけば、今年より全然強いチームが作れると思います。神大らしいバスケ、伝統をしっかり強くしていってもらえれば。来年も期待したいです」


121028kanagawadai.jpg
写真:チームのエースと主将。それぞれの役割を全うした。

 
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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