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2012.10.20 (Sat)
【2012リーグ1部】10/20レポート/明治大学キャンパス
大東大、拓殖大は終盤巻き返して逆転勝利
些細な差が勝敗を分かつ白熱したゲームに
二会場に分かれての開催となった1部リーグ。明治大会場では専修大対日本体育大、大東文化大対日本大、拓殖大対明治大の計3試合が行われ、白熱した試合に会場も沸いた。勝利したのはいずれも勝負所を制した専修大、大東大、拓殖大。明治大はホームゲームで勝利とはならなかった。
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【好ディフェンスで専修大が日体大に快勝】
専修大は堅い守りで簡単には得点を許さず、序盤から#33館山(4年・G)が快調にシュートを決めてリード。日本体育大も#16横山(4年・SF)がスティールやブザー寸前に3Pを決めて20-16とビハインドを4点に留めたが、2Q開始早々#11宇都が速攻に走るなどして専修大が4連続得点に成功し、点差を二桁に乗せた。日体大は鍵となる#22水沼(4年・SG)が#4高橋(4年・G)の徹底マークに遭い、高橋と交代した#3廣島(4年・G)もフェイスガードで付いてボールを簡単には渡らせない。#21熊谷(4年・F)や#12周(2年・C)らインサイド陣も専修大#14藤岡(3年・F)や#9長谷川(4年・F)の好守に阻まれ、手数が少なくなってしまった。反対にディフェンスから流れを掴んだ専修大は日体大の変則的なゾーンにも#11宇都の速攻、#33館山の3Pで対抗し、チームの持ち味を存分に発揮。前半終わって46-32と専修大の14点リードで試合を折り返す。
追いかける日体大は#12周のフックシュートや、#21熊谷のブロックなど徐々に高さを活かし始める。しかし点差を一桁にする度、専修大#4高橋らが要所でシュートを決め、それ以上の追撃を許さない。専修大はターンオーバーやトラベリングなどもったいないミスはありつつ、後半も引き続きディフェンスが光り、終盤突き放して82-63で逃げ切り勝利。重要な一戦を制し、これで3位入賞に一歩近づいた。
専修大は青学大・東海大には2敗したものの、その他のチームからは順調に勝ち星を挙げて3位につけている。今の4年生は1年生の時にリーグ戦で全敗、昨年は入替戦も経験した。今年はようやくチームの成長に勝ち星が伴い、「上位にいれるのは嬉しい」と専修大・館山。勝負の年の意地を懸け、残りの3試合も全力でぶつかるだけだろう。
日本体育大は、専修大の堅守に阻まれターンオーバーが25。リバウンドや高さの面ではほぼ互角だったが、プレーの正確さに差が出た試合だった。これで4勝11敗と苦しい状況に。入替戦行きは濃厚となってしまったが、切り替えて残りの試合も戦いたい。
専修大:9勝6敗
日本体育大:4勝1敗
※専修大・館山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
写真:藤岡は11得点。ディフェンスでも奮闘した。
【日本大リードも大東大#14岸本が勝利を引き寄せる】
日本大は大東文化大と対戦。先週同様、善戦するも目の前に迫った勝利を惜しくも落とす結果となった。
1Qこそ23-17と大東大が先行したが、その後日本大の高さに大東大はなかなか得点を奪えず、その間じわじわと#11飛田(4年・G)や#15栗原(1年・G・前橋育英)が積極的にリングにアタックして日本大が追い上げを図る。大東大もエース#14岸本(4年・PG)がトリッキーなドライブで魅せ、#43鎌田(4年・C)がブロックを決めるなど逆転はさせない。37-33とわずかに大東大がリードして前半を終えた。
3Q開始早々#11飛田のバスケットカウントでリズムを掴んだのは日本大。#29上原(1年・G・興南)の強気なドライブも出て、逆転から最大6点のリードを奪う。ここから一進一退で試合は進み、4Qに入っても4点~6点の点差が動かない。すると残り6分40秒、#11飛田がスティールからワンマン速攻を決め、日本大がリードをこの試合最大の8点に広げた。
だがここから、土壇場の強さを持つ大東大が真骨頂を発揮した。#43鎌田のシュートや#14岸本の2本の3Pなどオフェンスが火を吹き、残り2分半にはついに逆転に成功。しかし日本大も#29上原がミドルシュートを決めて同点に戻し、残り時間は1分半を切る。するとこの勝負所で、大東大は#14岸本がドライブからバスケットカウント獲得。1スローもきっちり決めて残り1分10秒3点のアドバンテージを奪い優位に立った。日本大は次のオフェンスで#11飛田がドライブするもスリップしてしまい、大東大ボールに。その後のファウルゲームも逃げ切り、70-65で大東大が嬉しい逆転勝利を飾った。
大東大は圧巻の勝負強さを披露。日本大の高さに苦戦した時間は長かったが、数点差で食らい付いて我慢の時間を乗り切り、終盤一気に乗って勝利をさらった。接戦を勝ちきる粘り強さは、大東大の勝ちパターンと言えるだろう。逆に日本大は4Qの途中までリードを保っていたものの、大事な場面で相手の勢いに呑まれてしまった。先週に引き続き、惜しい試合を落としてリーグ戦初勝利とはならず。しかし1年生らも試合経験を積んで確実に成長が見られ、チーム全体として吹っ切れた感覚は見られる。チーム状態は上向きなだけに、どこかで1勝挙げて入替戦に臨みたいところだ。
大東文化大:8勝7敗
日本大:0勝15敗
写真:1年生ながら能力の高さを感じさせる栗原は飛田に次ぐ18得点。
【後半立て直した拓殖大が逆転勝利】
ホームゲームとなる明治大の相手は拓殖大。終盤まで息をのむ接戦となったが、63-59で拓殖大が明治大を下した。
「前半は明治のリズムに合わせてしまった」(#94長谷川)という拓殖大は、序盤から#16安藤(2年・PG)が軽快にジャンプシュートを決めた明治大を後追いする形になる。#40藤井(3年・G)がドライブや飛び込みリバウンドに奮起し逆転するものの、明治大の高さに決定率が落ち、13-11とロースコアな1Qとなった。すると2Qから明治大はディフェンスと3P攻勢で反撃。3分間拓殖大の得点を0点に抑え、その間に#2目(3年・F)や#12中東(2年・SG)が3Pを決めて逆転からリードを二桁に。拓殖大は24秒ギリギリになってタフショットを打たされる形が続き、#94長谷川(4年・SF)が苦しい中でも決めていくがその度明治大#2目に3Pを決め返される。23-33と、明治大がリードして前半を終えた。
3Q、明治大は#2目の3Pや#50伊澤(1年・PF・愛産大工)のインサイドなど内外バランスよく得点。しかし拓殖大も得意の速い展開に持ち込んで#91井上(4年・PF)らがファウルを得ていき、次第に流れは拓殖大に傾き始める。残り3分50秒には明治大の得点源の一人、#12中東が4つ目のファウルでベンチに。41-46と拓殖大が点差をやや縮めて4Qに入った。
迎えた最終Q、明治大は好調の#2目が2本の3Pを決めるも、それを最後に得点がぴたりと止まる。拓殖大の激しい守りに2連続で24秒オーバータイムになり、その隙に#40藤井の3Pで拓殖大が逆転。しかし#16安藤も負けじと得点し返し、ラスト5分間は白熱したシーソーゲームとなった。ルーズボールやリバウンド争いも激しいぶつかり合いとなるが、残り2分、#40藤井が素早い反応でリバウンドを拾い拓殖大が4点リード。明治大は#2目がファウルアウトするが、残り1分12秒#0川内(3年・G)が貴重な3Pを決めて1点差に迫った。明治大は続く拓殖大の攻撃を何とか凌ぐが、#16安藤のドライブが決まらずリバウンド争いがファウルとなって残り25.3秒に拓殖大にフリースローを与えてしまう。これを#91井上がきっちり2本揃えて3点差にすると、続く#16安藤のドライブはバスケットカウントになりかけるもボールがリングからこぼれ、万事休す。その後のファウルゲームを逃げ切り、拓殖大が激しい競り合いを制した。
明治大はホームゲームで惜しくも勝利とはならず。長くリードを保ったが、大事な場面でのファウルトラブルやターンオーバーが手痛かった。逆に拓殖大はディフェンスがよく機能し、オフェンスでは#40藤井と#94長谷川が仕事を果たして両名合わせて49得点。明日は東海大が相手と、2試合連続のアウェーゲーム。タフな戦いにはなるだろうが、全力を尽くしたい。
拓殖大:8勝7敗
明治大:5勝10敗
※拓殖大・長谷川智伸選手のインタビューは「続きを読む」へ。
写真:目は高確率で7本の3Pを沈め会場を沸かせたが、勝利とはならず。
「気持ちが上手く乗っていければうちは強い」
手応えを感じ、強い気持ちで臨むラストシーズン
◆#33館山健太(専修大・4年・G)
昨年から変わらない主力に加えて今年はより多くの選手が試合に絡むようになり、さらに今季はディフェンスだけでなく点も取れるようになってきた。1年生の頃から試合に出続けている館山らの代も、集大成としての姿をコートで表現している。青学大に肉薄するなど噛み合った時の強さはリーグ屈指で、ここまで9勝を挙げ上位をキープ。チーム浮沈の鍵を握るのは「気持ち」だと館山は言う。強いメンタルで4年生がチームを引っ張っていければ、自ずと上位も見えてくるはずだ。
―日本体育大相手にどんな点を気を付けていましたか?
「22番(水沼)と19番(中野)の3Pを打たせないように、というのは最初から徹底していました。あとはリバウンドですね。リバウンドにはみんなで行こうと言っていました。それでディフェンスから速い展開に持ち込めたので、失点も抑えられたしこっちの点数も伸びたんだと思います」
―鍵となる水沼選手(#22)のところは高橋選手がよく守りましたね。
「(高橋)陽はすごいです。あいつに守られたら攻めれないですよ。やばいです(笑)」
―10点リードしてから、なかなか点差が動かない時間帯もありましたが。
「途中で15点くらい開いた時に、こっちのターンオーバーが続いてしまって20点開けなくて。そこのターンオーバーが減らせていたら、もっと楽に勝てた試合だったと思います」
―個人として調子はどうですか?
「最近よくそうなんですけど、2Qとか3Qでベンチに下がって休むと、そのあとシュートが入らなくなるんですよ。多分体が冷めてしまって…。今日も前半入ったのに後半スリー入らなくてミドルだったじゃないですか。いつもシュートが後半短くなってしまうんです。それじゃ駄目だと思うので、そこら辺は考えていかないといけないですね」
―それでも館山選手の3Pは威力満点ですよね。どうしてそれが入るの!?というようなシュートも次々決めていきますし。
「いや…適当です(苦笑)。空いてたら打とうと思って、距離は気にしないです。入ると思って投げてれば入ると思います」
―ここまで3位と上位をキープしていますが。
「残りの3試合全部勝てば3位をキープできるので頑張りたいです。3位は僕が入学してから最高成績ですし。1年の時は全敗して、去年は入替戦まで行っちゃったじゃないですか。やっぱりこうして上位にいれるっていうのは嬉しいですね」
―先週は青学大にも善戦しましたしね。
「そうですね。あそこに勝っておければ…。でもチームが試合ごとに成長している気がして、そういう手応えはありました。ただ東海戦はみんな気負いすぎてしまったんですよね。やっぱり気持ちが上手く乗っていければうちは強いんですけど、気持ちが入ってないと違うチームみたいになっちゃいますね」
―どのように気持ちをうまく入れていっているんですか?
「自分たちの中ではそういう話は全くしてないんですけど、やっぱり陽(#4高橋)がいつも気持ちが入っているので、みんなもそれを見てついていく感じです」
―中原監督も今年のチームは4年生がしっかりしていると仰っていました。4年目になって何か意識は変わりましたか?
「やっぱり練習に対する姿勢が年々変わってきていて、みんな練習でも本気で試合みたいにやり合っています。樋口(#22)と長谷川(#9)もだし、自分も田代(#24)が入ってきてお互い結構やりあってますね。宇都も暴れてますし(笑)。もーすごいですよ。良い意味でみんな喧嘩腰というか、今年はすごく良い練習ができていると思います」
―去年よりディフェンスに加えオフェンスも良くなった印象を受けるのですが、オフェンスの練習というのは?
「いや、そこまで…。去年オフェンスが上手くいかなかったのは、守れてはいてもそこから速い展開に持ち込むっていう流れが上手くいかなかったからだと思います。今年もあまりオフェンスは意識しないでディフェンス重視なんですけど、守ってからまず宇都が走ったりして前につなげて、駄目だったら自分のシュートや宇都のインサイドで点を取っていく感じで。そういうスタイルを確立できたことが大きいと思います。だから80点くらい取れているのかなと」
―残り3試合ですが。
「やっぱり、3試合全勝で3位キープ! 明日朝早いですけど頑張ります(笑)」
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「4年生になって心境も全然違う」
最上級生としてチームを勝利に導く決意
◆#94長谷川智伸(拓殖大・4年・SF)
シューターとして相手チームのマークはかなりのものだが、それでもコンスタントに大事な場面で決める長谷川の存在は大きい。今年は主将としての役目も担い、試合中の顔つきからは真剣度合いが伝わってくる。「引っ張れているか分からない」と自身では言うが、仲間に声を掛け、ルーズボールにも率先して絡む姿は頼もしい限りだ。
ここまでなかなか勝ち星を思うように伸ばせなかった拓殖大だが、スタイルは確立されており、戦い方は明確。残り3試合も強豪校との対決が続くが、持ち前の爆発力を期待したい。
―試合を終えて。
「前半は明治のリズムに合わせてしまったところがありました。あっちのシュートが入っていたこともあって、前半で10点ビハインドになって。でもそこで池内さんにも喝を入れられたし、みんなも気合いを入れ直したので、後半は割と僕らのバスケットが徐々にできたかなと思います。ギリギリ勝てた感じでしたけど、勝てて良かったです」
―明治大のディフェンスには苦戦しましたね。
「何回も戦ってきた相手とあってお互いやることが分かっているので、その分ディフェンスもそこは厳しくなってきましたね」
―後半、プレー面ではどこを修正できたと思いますか?
「ディフェンスは前半そんな悪くはなかったと思うんですけど、オフェンスの終わり方が悪いせいでブレイクを出されたりアウトサイドを決められたりしていました。だからオフェンスを修正したのが一番だと思います」
―途中までは24秒ギリギリに苦しいシュートを打つ場面も多かったですよね。
「そうですね。うちはあまりオフェンスに時間をかけるチームではないのに…。しかも打たされるシュートが多くて、それは良くなかったですね。でもそういう苦しい時間帯で(藤井)祐眞とかが頑張ってくれたので助かりました」
―ディフェンスの話ですが、今はオールコートでプレスをかけるよりもまずはハーフコートを重視しているというお話を池内監督から伺いました。
「そうですね。やっぱりオールコートでプレッシャーをかける時って、ディフェンスの砦というか抜かれても後ろに人がいるからこそできたもので。でも今年佐々木1枚じゃ結構苦しいだろうし、佐々木もそんなインサイドっぽいインサイドではないので一人でそれを請け負うのは大変だと思うんです。それで池内さんとも色々相談して、だったらラインを下げてまずはハーフコートをしっかり守ろうと。それを心掛けるようにして、ディフェンス自体は良くなってきてるかなと思います」
―あとは今スタメン中4人は固定メンバーですが、4番ポジションのところは#14大垣選手や#91井上選手が出番を分け合っていますよね。大垣選手が出る時と井上選手が出る時とではまた役割も違って、戦い方も変わるのかなと思いますが。
「それはありますね。そこの違いでチームが変わるというか。(大垣)慎之介と井上は全然プレースタイルも違いますからね。先週は慎之介が頑張ったので井上のプレータイムが若干短かったんですけど、井上は佐々木の代わりもできるし、逆に慎之介より井上が調子良い時もありますし。そこは二人とも頑張ってくれているので助かりますね。岩田(#29)とかも1年生でもよく繋いでくれてるし、ほんと今年は誰がエースとかのチームじゃなく、みんなが頑張っていると思います」
―ここまで8勝7敗できていますが振り返っていかがですか?
「まぁここまで来たんで今さら言っても無駄ですけど、正直無駄な負けが多かったというのは悔いが残りますね。でも池内さんも言うんですが、振り返って後悔したところでそれはもう勝ち星にはならないので、次の試合を見ることが大事かなと。残り3試合勝ちにこだわりたいです」
―長谷川選手が下級生の頃は、ニコニコとバスケットをしている印象でしたが、今年はより気合いのこもり様を感じます。顔つきが違いますね。
「そうですね。1年の時よりは、必死さが強いというか、良い意味で余裕を感じてないというか。4年生になって全然心境も違いますね。今までの4年生ってこんな感じだったんだなぁって思います。キャプテンとしての責任もあるし、プレーでも引っ張らなきゃいけないし…。引っ張れているかは分からないですけど(苦笑)、僕なりに一生懸命やってますね。でもチームとして練習中とか良い意味で笑顔が絶えないし、試合中もベンチや応援席が盛り上げてくれるのでこっちも変に気負わず良い雰囲気でやれていると思います」
―明日は東海大との対戦ですが。
「いやー東海には勝ちたいです! 狩野(東海大#33)が言ってたんですけど、入学してからずっとホームゲームは1勝1敗らしいんです。だからそこは何としても2勝はさせないぞと。今日早稲田がやられちゃったみたいなので、勇人(早稲田大#6大塚)の仇を取る意味でも頑張ります(笑)」
些細な差が勝敗を分かつ白熱したゲームに
二会場に分かれての開催となった1部リーグ。明治大会場では専修大対日本体育大、大東文化大対日本大、拓殖大対明治大の計3試合が行われ、白熱した試合に会場も沸いた。勝利したのはいずれも勝負所を制した専修大、大東大、拓殖大。明治大はホームゲームで勝利とはならなかった。
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【好ディフェンスで専修大が日体大に快勝】

追いかける日体大は#12周のフックシュートや、#21熊谷のブロックなど徐々に高さを活かし始める。しかし点差を一桁にする度、専修大#4高橋らが要所でシュートを決め、それ以上の追撃を許さない。専修大はターンオーバーやトラベリングなどもったいないミスはありつつ、後半も引き続きディフェンスが光り、終盤突き放して82-63で逃げ切り勝利。重要な一戦を制し、これで3位入賞に一歩近づいた。
専修大は青学大・東海大には2敗したものの、その他のチームからは順調に勝ち星を挙げて3位につけている。今の4年生は1年生の時にリーグ戦で全敗、昨年は入替戦も経験した。今年はようやくチームの成長に勝ち星が伴い、「上位にいれるのは嬉しい」と専修大・館山。勝負の年の意地を懸け、残りの3試合も全力でぶつかるだけだろう。
日本体育大は、専修大の堅守に阻まれターンオーバーが25。リバウンドや高さの面ではほぼ互角だったが、プレーの正確さに差が出た試合だった。これで4勝11敗と苦しい状況に。入替戦行きは濃厚となってしまったが、切り替えて残りの試合も戦いたい。
専修大:9勝6敗
日本体育大:4勝1敗
※専修大・館山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
写真:藤岡は11得点。ディフェンスでも奮闘した。
【日本大リードも大東大#14岸本が勝利を引き寄せる】

1Qこそ23-17と大東大が先行したが、その後日本大の高さに大東大はなかなか得点を奪えず、その間じわじわと#11飛田(4年・G)や#15栗原(1年・G・前橋育英)が積極的にリングにアタックして日本大が追い上げを図る。大東大もエース#14岸本(4年・PG)がトリッキーなドライブで魅せ、#43鎌田(4年・C)がブロックを決めるなど逆転はさせない。37-33とわずかに大東大がリードして前半を終えた。
3Q開始早々#11飛田のバスケットカウントでリズムを掴んだのは日本大。#29上原(1年・G・興南)の強気なドライブも出て、逆転から最大6点のリードを奪う。ここから一進一退で試合は進み、4Qに入っても4点~6点の点差が動かない。すると残り6分40秒、#11飛田がスティールからワンマン速攻を決め、日本大がリードをこの試合最大の8点に広げた。
だがここから、土壇場の強さを持つ大東大が真骨頂を発揮した。#43鎌田のシュートや#14岸本の2本の3Pなどオフェンスが火を吹き、残り2分半にはついに逆転に成功。しかし日本大も#29上原がミドルシュートを決めて同点に戻し、残り時間は1分半を切る。するとこの勝負所で、大東大は#14岸本がドライブからバスケットカウント獲得。1スローもきっちり決めて残り1分10秒3点のアドバンテージを奪い優位に立った。日本大は次のオフェンスで#11飛田がドライブするもスリップしてしまい、大東大ボールに。その後のファウルゲームも逃げ切り、70-65で大東大が嬉しい逆転勝利を飾った。
大東大は圧巻の勝負強さを披露。日本大の高さに苦戦した時間は長かったが、数点差で食らい付いて我慢の時間を乗り切り、終盤一気に乗って勝利をさらった。接戦を勝ちきる粘り強さは、大東大の勝ちパターンと言えるだろう。逆に日本大は4Qの途中までリードを保っていたものの、大事な場面で相手の勢いに呑まれてしまった。先週に引き続き、惜しい試合を落としてリーグ戦初勝利とはならず。しかし1年生らも試合経験を積んで確実に成長が見られ、チーム全体として吹っ切れた感覚は見られる。チーム状態は上向きなだけに、どこかで1勝挙げて入替戦に臨みたいところだ。
大東文化大:8勝7敗
日本大:0勝15敗
写真:1年生ながら能力の高さを感じさせる栗原は飛田に次ぐ18得点。
【後半立て直した拓殖大が逆転勝利】

「前半は明治のリズムに合わせてしまった」(#94長谷川)という拓殖大は、序盤から#16安藤(2年・PG)が軽快にジャンプシュートを決めた明治大を後追いする形になる。#40藤井(3年・G)がドライブや飛び込みリバウンドに奮起し逆転するものの、明治大の高さに決定率が落ち、13-11とロースコアな1Qとなった。すると2Qから明治大はディフェンスと3P攻勢で反撃。3分間拓殖大の得点を0点に抑え、その間に#2目(3年・F)や#12中東(2年・SG)が3Pを決めて逆転からリードを二桁に。拓殖大は24秒ギリギリになってタフショットを打たされる形が続き、#94長谷川(4年・SF)が苦しい中でも決めていくがその度明治大#2目に3Pを決め返される。23-33と、明治大がリードして前半を終えた。
3Q、明治大は#2目の3Pや#50伊澤(1年・PF・愛産大工)のインサイドなど内外バランスよく得点。しかし拓殖大も得意の速い展開に持ち込んで#91井上(4年・PF)らがファウルを得ていき、次第に流れは拓殖大に傾き始める。残り3分50秒には明治大の得点源の一人、#12中東が4つ目のファウルでベンチに。41-46と拓殖大が点差をやや縮めて4Qに入った。
迎えた最終Q、明治大は好調の#2目が2本の3Pを決めるも、それを最後に得点がぴたりと止まる。拓殖大の激しい守りに2連続で24秒オーバータイムになり、その隙に#40藤井の3Pで拓殖大が逆転。しかし#16安藤も負けじと得点し返し、ラスト5分間は白熱したシーソーゲームとなった。ルーズボールやリバウンド争いも激しいぶつかり合いとなるが、残り2分、#40藤井が素早い反応でリバウンドを拾い拓殖大が4点リード。明治大は#2目がファウルアウトするが、残り1分12秒#0川内(3年・G)が貴重な3Pを決めて1点差に迫った。明治大は続く拓殖大の攻撃を何とか凌ぐが、#16安藤のドライブが決まらずリバウンド争いがファウルとなって残り25.3秒に拓殖大にフリースローを与えてしまう。これを#91井上がきっちり2本揃えて3点差にすると、続く#16安藤のドライブはバスケットカウントになりかけるもボールがリングからこぼれ、万事休す。その後のファウルゲームを逃げ切り、拓殖大が激しい競り合いを制した。
明治大はホームゲームで惜しくも勝利とはならず。長くリードを保ったが、大事な場面でのファウルトラブルやターンオーバーが手痛かった。逆に拓殖大はディフェンスがよく機能し、オフェンスでは#40藤井と#94長谷川が仕事を果たして両名合わせて49得点。明日は東海大が相手と、2試合連続のアウェーゲーム。タフな戦いにはなるだろうが、全力を尽くしたい。
拓殖大:8勝7敗
明治大:5勝10敗
※拓殖大・長谷川智伸選手のインタビューは「続きを読む」へ。
写真:目は高確率で7本の3Pを沈め会場を沸かせたが、勝利とはならず。
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【INTERVIEW】「気持ちが上手く乗っていければうちは強い」
手応えを感じ、強い気持ちで臨むラストシーズン
◆#33館山健太(専修大・4年・G)

―日本体育大相手にどんな点を気を付けていましたか?
「22番(水沼)と19番(中野)の3Pを打たせないように、というのは最初から徹底していました。あとはリバウンドですね。リバウンドにはみんなで行こうと言っていました。それでディフェンスから速い展開に持ち込めたので、失点も抑えられたしこっちの点数も伸びたんだと思います」
―鍵となる水沼選手(#22)のところは高橋選手がよく守りましたね。
「(高橋)陽はすごいです。あいつに守られたら攻めれないですよ。やばいです(笑)」
―10点リードしてから、なかなか点差が動かない時間帯もありましたが。
「途中で15点くらい開いた時に、こっちのターンオーバーが続いてしまって20点開けなくて。そこのターンオーバーが減らせていたら、もっと楽に勝てた試合だったと思います」
―個人として調子はどうですか?
「最近よくそうなんですけど、2Qとか3Qでベンチに下がって休むと、そのあとシュートが入らなくなるんですよ。多分体が冷めてしまって…。今日も前半入ったのに後半スリー入らなくてミドルだったじゃないですか。いつもシュートが後半短くなってしまうんです。それじゃ駄目だと思うので、そこら辺は考えていかないといけないですね」
―それでも館山選手の3Pは威力満点ですよね。どうしてそれが入るの!?というようなシュートも次々決めていきますし。
「いや…適当です(苦笑)。空いてたら打とうと思って、距離は気にしないです。入ると思って投げてれば入ると思います」
―ここまで3位と上位をキープしていますが。
「残りの3試合全部勝てば3位をキープできるので頑張りたいです。3位は僕が入学してから最高成績ですし。1年の時は全敗して、去年は入替戦まで行っちゃったじゃないですか。やっぱりこうして上位にいれるっていうのは嬉しいですね」
―先週は青学大にも善戦しましたしね。
「そうですね。あそこに勝っておければ…。でもチームが試合ごとに成長している気がして、そういう手応えはありました。ただ東海戦はみんな気負いすぎてしまったんですよね。やっぱり気持ちが上手く乗っていければうちは強いんですけど、気持ちが入ってないと違うチームみたいになっちゃいますね」
―どのように気持ちをうまく入れていっているんですか?
「自分たちの中ではそういう話は全くしてないんですけど、やっぱり陽(#4高橋)がいつも気持ちが入っているので、みんなもそれを見てついていく感じです」
―中原監督も今年のチームは4年生がしっかりしていると仰っていました。4年目になって何か意識は変わりましたか?
「やっぱり練習に対する姿勢が年々変わってきていて、みんな練習でも本気で試合みたいにやり合っています。樋口(#22)と長谷川(#9)もだし、自分も田代(#24)が入ってきてお互い結構やりあってますね。宇都も暴れてますし(笑)。もーすごいですよ。良い意味でみんな喧嘩腰というか、今年はすごく良い練習ができていると思います」
―去年よりディフェンスに加えオフェンスも良くなった印象を受けるのですが、オフェンスの練習というのは?
「いや、そこまで…。去年オフェンスが上手くいかなかったのは、守れてはいてもそこから速い展開に持ち込むっていう流れが上手くいかなかったからだと思います。今年もあまりオフェンスは意識しないでディフェンス重視なんですけど、守ってからまず宇都が走ったりして前につなげて、駄目だったら自分のシュートや宇都のインサイドで点を取っていく感じで。そういうスタイルを確立できたことが大きいと思います。だから80点くらい取れているのかなと」
―残り3試合ですが。
「やっぱり、3試合全勝で3位キープ! 明日朝早いですけど頑張ります(笑)」
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「4年生になって心境も全然違う」
最上級生としてチームを勝利に導く決意
◆#94長谷川智伸(拓殖大・4年・SF)

ここまでなかなか勝ち星を思うように伸ばせなかった拓殖大だが、スタイルは確立されており、戦い方は明確。残り3試合も強豪校との対決が続くが、持ち前の爆発力を期待したい。
―試合を終えて。
「前半は明治のリズムに合わせてしまったところがありました。あっちのシュートが入っていたこともあって、前半で10点ビハインドになって。でもそこで池内さんにも喝を入れられたし、みんなも気合いを入れ直したので、後半は割と僕らのバスケットが徐々にできたかなと思います。ギリギリ勝てた感じでしたけど、勝てて良かったです」
―明治大のディフェンスには苦戦しましたね。
「何回も戦ってきた相手とあってお互いやることが分かっているので、その分ディフェンスもそこは厳しくなってきましたね」
―後半、プレー面ではどこを修正できたと思いますか?
「ディフェンスは前半そんな悪くはなかったと思うんですけど、オフェンスの終わり方が悪いせいでブレイクを出されたりアウトサイドを決められたりしていました。だからオフェンスを修正したのが一番だと思います」
―途中までは24秒ギリギリに苦しいシュートを打つ場面も多かったですよね。
「そうですね。うちはあまりオフェンスに時間をかけるチームではないのに…。しかも打たされるシュートが多くて、それは良くなかったですね。でもそういう苦しい時間帯で(藤井)祐眞とかが頑張ってくれたので助かりました」
―ディフェンスの話ですが、今はオールコートでプレスをかけるよりもまずはハーフコートを重視しているというお話を池内監督から伺いました。
「そうですね。やっぱりオールコートでプレッシャーをかける時って、ディフェンスの砦というか抜かれても後ろに人がいるからこそできたもので。でも今年佐々木1枚じゃ結構苦しいだろうし、佐々木もそんなインサイドっぽいインサイドではないので一人でそれを請け負うのは大変だと思うんです。それで池内さんとも色々相談して、だったらラインを下げてまずはハーフコートをしっかり守ろうと。それを心掛けるようにして、ディフェンス自体は良くなってきてるかなと思います」
―あとは今スタメン中4人は固定メンバーですが、4番ポジションのところは#14大垣選手や#91井上選手が出番を分け合っていますよね。大垣選手が出る時と井上選手が出る時とではまた役割も違って、戦い方も変わるのかなと思いますが。
「それはありますね。そこの違いでチームが変わるというか。(大垣)慎之介と井上は全然プレースタイルも違いますからね。先週は慎之介が頑張ったので井上のプレータイムが若干短かったんですけど、井上は佐々木の代わりもできるし、逆に慎之介より井上が調子良い時もありますし。そこは二人とも頑張ってくれているので助かりますね。岩田(#29)とかも1年生でもよく繋いでくれてるし、ほんと今年は誰がエースとかのチームじゃなく、みんなが頑張っていると思います」
―ここまで8勝7敗できていますが振り返っていかがですか?
「まぁここまで来たんで今さら言っても無駄ですけど、正直無駄な負けが多かったというのは悔いが残りますね。でも池内さんも言うんですが、振り返って後悔したところでそれはもう勝ち星にはならないので、次の試合を見ることが大事かなと。残り3試合勝ちにこだわりたいです」
―長谷川選手が下級生の頃は、ニコニコとバスケットをしている印象でしたが、今年はより気合いのこもり様を感じます。顔つきが違いますね。
「そうですね。1年の時よりは、必死さが強いというか、良い意味で余裕を感じてないというか。4年生になって全然心境も違いますね。今までの4年生ってこんな感じだったんだなぁって思います。キャプテンとしての責任もあるし、プレーでも引っ張らなきゃいけないし…。引っ張れているかは分からないですけど(苦笑)、僕なりに一生懸命やってますね。でもチームとして練習中とか良い意味で笑顔が絶えないし、試合中もベンチや応援席が盛り上げてくれるのでこっちも変に気負わず良い雰囲気でやれていると思います」
―明日は東海大との対戦ですが。
「いやー東海には勝ちたいです! 狩野(東海大#33)が言ってたんですけど、入学してからずっとホームゲームは1勝1敗らしいんです。だからそこは何としても2勝はさせないぞと。今日早稲田がやられちゃったみたいなので、勇人(早稲田大#6大塚)の仇を取る意味でも頑張ります(笑)」
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